特許第5990806号(P5990806)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5990806
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】配管支持具
(51)【国際特許分類】
   F16L 3/08 20060101AFI20160901BHJP
   F16L 3/12 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
   F16L3/08 C
   F16L3/12 F
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-78419(P2015-78419)
(22)【出願日】2015年4月7日
【審査請求日】2015年4月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】591021958
【氏名又は名称】株式会社アカギ
(74)【代理人】
【識別番号】100073210
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 信昭
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 隆次郎
【審査官】 吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−034608(JP,A)
【文献】 実開昭60−051317(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3187363(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 3/00−3/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管を抱持するバンド抱持部と該バンド抱持部の上端部に連接されたバンド端部を有する配管支持具であって、壁面とこれに近接した天井面とから成るコーナー部の如き狭小スペースにおける配管支持が可能な配管支持具において、
前記バンド抱持部の両側の略中央部の各々から、前記バンド抱持部の少なくとも一部を横方向外側に少なくとも2枚重ねの重層状態で各々突出させることにより第1支持固定片部と第2支持固定片部とが設けられており、
前記バンド端部、前記第1支持固定片部、前記第2支持固定片部の各々には、吊りボルトや支持杆の如き支持部材を係合可能な透孔が形成されており、
更に、配管支持箇所の支持条件に応じて、前記バンド端部、前記第1支持固定片部、前記第2支持固定片部から選ばれる1つ〜3つに、吊りボルトや支持杆の如き支持部材を取付固定することにより配管支持が可能な構成であり、
更に、前記第1支持固定片部及び第2支持固定片部の各々が、
前記バンド抱持部の略中央部より上方部分を該略中央部を基点として切起すことにより横方向外側に延伸する上方側支持固定片部を形成し、
且つ、前記バンド抱持部の略中央部より下方部分を該略中央部を基点として切起すことにより横方向外側に延伸する下方側支持固定片部を形成し、
この横方向外側に切起した上方側支持固定片部と下方側支持固定片部とを重ねることにより重層状態に形成した構成であることを特徴とする配管支持具。
【請求項2】
前記上方側支持固定片部と下方側支持固定片部との重合した部分をスポット溶接の如き補強手段を用いて補強した構成であることを特徴とする請求項に記載の配管支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配管支持具に関し、詳しくは壁面と天井面とのコーナー部の如き狭小スペースであっても自由度を持って配管支持できる配管支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の改修工事等において配管設備を新設するに際し、既設の老朽化した配管設備をそのまま残した状態とする場合には、壁面と天井面との狭小スペースに既設されている配管を逃げた状態で新規な配管を施工することになる。
【0003】
このような狭小スペースにおける配管は、配管自体の設置スペースの確保に加えて配管支持具の設置スペースの確保が極めて困難であるという問題点を有している。
【0004】
そこで、天井からの吊下支持に加えて壁面からの立上支持等の支持手段を用いた配管支持が行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−034608号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術は、バンド抱持部の両側の略中央部の外周面に断面L字状の支持固定片部を固着した構成、又は、バンド抱持部の両側の略中央部の一部を片方向に切起すことにより支持固定片部を形成した構成、を有する技術である。
【0007】
しかしこの技術では、ウォーターハンマー現象等によって配管に振動負荷が掛かった場合等に固着箇所が損傷乃至は剥落する惧れがあり、また、支持固定片部の強度が不充分である、等の問題点を有している。
【0008】
そこで本発明の課題は、狭小スペースにおける配管支持の自由度が高く、しかも充分な強度が得られる配管支持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明は下記構成を有する。
【0010】
1.配管を抱持するバンド抱持部と該バンド抱持部の上端部に連接されたバンド端部を有する配管支持具であって、壁面とこれに近接した天井面とから成るコーナー部の如き狭小スペースにおける配管支持が可能な配管支持具において、
前記バンド抱持部の両側の略中央部の各々から、前記バンド抱持部の少なくとも一部を横方向外側に少なくとも2枚重ねの重層状態で各々突出させることにより第1支持固定片部と第2支持固定片部とが設けられており、
前記バンド端部、前記第1支持固定片部、前記第2支持固定片部の各々には、吊りボルトや支持杆の如き支持部材を係合可能な透孔が形成されており、
更に、配管支持箇所の支持条件に応じて、前記バンド端部、前記第1支持固定片部、前記第2支持固定片部から選ばれる1つ〜3つに、吊りボルトや支持杆の如き支持部材を取付固定することにより配管支持が可能な構成であり、
更に、前記第1支持固定片部及び第2支持固定片部の各々が、
前記バンド抱持部の略中央部より上方部分を該略中央部を基点として切起すことにより横方向外側に延伸する上方側支持固定片部を形成し、
且つ、前記バンド抱持部の略中央部より下方部分を該略中央部を基点として切起すことにより横方向外側に延伸する下方側支持固定片部を形成し、
この横方向外側に切起した上方側支持固定片部と下方側支持固定片部とを重ねることにより重層状態に形成した構成であることを特徴とする配管支持具。
【0014】
.前記上方側支持固定片部と下方側支持固定片部との重合した部分をスポット溶接の如き補強手段を用いて補強した構成であることを特徴とする上記に記載の配管支持具。
【0015】
尚、本発明において、上方ないし下方、上端ないし下端とは、天地という絶対的意義ではなく、環状バンド抱持部における相対的意義であり、施工態様によっては、天地逆さの位置や水平方向の位置になることがある。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に示す発明によれば、狭小スペースにおける配管支持の自由度が高く、しかも充分な強度が得られる配管支持具を提供することができる。
【0017】
特に、第1支持固定片部と第2支持固定片部とは、各々が少なくとも2枚重ねの重層状態で設けられた構成であるため、充分な強度を得ることができる。
【0018】
請求項2に示す発明によれば、バンド抱持部の一部を折曲げて重ねることにより重層状態に形成した構成により、バンド抱持部の強度を落とすことなく、高強度の第1支持固定片部及び第2支持固定片部を得ることができる。しかも、第1支持固定片部及び第2支持固定片部は、バンド抱持部を部分的に折曲げただけで加工可能なので、別部材を付加することもないし、切り取り加工等によって廃棄が必要となる部材も生じることもなく、低コスト化が可能なだけでなく、環境適正にも優れている。
【0019】
請求項3に示す発明によれば、第1支持固定片部及び第2支持固定片部の強度を更に向上させることができる。
【0020】
請求項4に示す発明によれば、第1支持固定片部及び第2支持固定片部の各々が切起した2枚を重ねることにより重層状態に形成した構成なので、充分な強度を得ることができる。しかも、第1支持固定片部及び第2支持固定片部は、バンド抱持部を部分的に切起しただけで加工可能なので別部材を付加することもないし、切り取り加工等によって廃棄が必要となる部材も生じることもなく、低コスト化が可能なだけでなく、環境適正にも優れている。
【0021】
請求項5に示す発明によれば、第1支持固定片部及び第2支持固定片部の強度を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る配管支持具の第1一実施例を示す4面図(正面図、平面図、底面図、左側面図)
図2図1の配管支持具の第1支持固定片部の他の一例を示す要部拡大平面図
図3図1に示す配管支持具の使用例の一例を示す概略正面図
図4図1に示す配管支持具の使用例の一例を示す概略正面図
図5図1に示す配管支持具の使用例の一例を示す概略正面図
図6図1に示す配管支持具の使用例の一例を示す概略正面図
図7】本発明に係る配管支持具の第2実施例を示す5面図(正面図、平面図、底面図、左側面図、A−A線断面図)
図8図7の配管支持具の第1支持固定片部の他の一例を示す要部拡大平面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、添付の図面に従って本発明を詳細に説明する。
【0024】
本発明に係る配管支持具は、建築物の改修工事等において、壁面と天井面とのコーナー部の如き狭小スペースであって、しかも既設の老朽化した配管設備等をそのまま残した状態で新規な配管設備を自由度を持って設置することができるものである。
【0025】
先ず、図1図6に基き、本発明の配管支持具の第1実施例について説明する。
【0026】
本発明の配管支持具1は、配管(図示を省略)を抱持するバンド抱持部2と該バンド抱持部2の上端部に連接されたバンド端部3を有し、壁面Hとこれに近接した天井面Tとから成るコーナー部の如き狭小スペースにおける配管支持が可能なものである。
【0027】
更に、バンド抱持部2の両側の略中央部の各々から、前記バンド抱持部2の少なくとも一部を横方向外側に少なくとも2枚重ねの重層状態で各々突出させることにより第1支持固定片部4と第2支持固定片部5とが設けられており、
前記バンド端部3、前記第1支持固定片部4、前記第2支持固定片部5の各々には、吊りボルトや支持杆の如き支持部材7を係合可能な透孔3A・4A・5Aが形成されており、
配管支持箇所の支持条件に応じて、前記バンド端部3、前記第1支持固定片部4、前記第2支持固定片部5から選ばれる1つ〜3つに、吊りボルトや支持杆の如き支持部材7を取付固定することにより配管支持が可能な構成である。
【0028】
尚、バンド抱持部2及びバンド端部3を有して成る配管支持具1の基本構成は、この種の配管支持バンドとして公知公用の構成及び素材を有する種々使用のものを特別の制限なく挙げることができ、バンド抱持部2の下端に設けられた接続部6についても蝶番式でもよいし組式でもよい。尚また、接続部の無い所謂提灯式のバンド抱持部を有する配管支持具についても本発明に包含される。
【0029】
第1支持固定片部4及び第2支持固定片部5の各々は、図1に示すように、バンド抱持部2の両側の略中央部が横方向外側に突出するように折曲げて重ねることにより重層状態に形成した構成となっている。即ち、バンド抱持部2を形成する際に、両端のバンド端部3・3の長さと、抱持する配管の外径に相当する円周分の長さに加えて、第1支持固定片部4の2倍の長さ分、第2支持固定片部5の2倍の長さ分、の板状材を曲げ加工することにより図1に示す配管支持具1を得ることができる。
【0030】
第1実施例に示す配管支持具1によれば、第1支持固定片部4と第2支持固定片部5とは、バンド抱持部2の一部を折曲げて重ねることにより重層状態に形成した構成により、バンド抱持部2の強度を落とすことなく、高強度の第1支持固定片部4及び第2支持固定片部5を得ることができる。しかも、第1支持固定片部4及び第2支持固定片部5は、バンド抱持部2を部分的に折曲げただけで加工可能なので、別部材を付加することもないし、切り取り加工等によって廃棄が必要となる部材も生じることもなく、低コスト化が可能なだけでなく、環境適正にも優れている。
【0031】
第1支持固定片部4及び第2支持固定片部5の強度を更に向上させるために、折曲重合した部分をスポット溶接の如き補強手段を用いて補強した構成とすることが好ましい。図2に示す態様はスポット溶接した場合のスポット溶接部8を示している。
【0032】
以上の構成を有する本発明の配管支持具1は、例えば、図3図6に示すように、壁面Hと天井面Tとのコーナー部の如き狭小スペースであっても自由度を持って配管支持できる。
【0033】
本発明の配管支持具1によれば、建築物の改修工事等において配管設備を新設するに際し、既設の老朽化した配管設備をそのまま残した状態とする場合であって、壁面Hと天井面Tとの狭小スペースに既設されている配管を逃げた状態であっても、新規な配管の施工が可能であり、施工箇所の支持条件に応じて、バンド端部3、第1支持固定片部4、第2支持固定片部5から選ばれる1つ〜3つ(図3図6に示す実施例では2つ)に、吊りボルトや支持杆の如き支持部材7をナット等の固定手段を用いて取付固定することにより配管支持が可能である。
【0034】
尚、上記実施例では、第1支持固定片部4及び第2支持固定片部5は2枚を重ねた状態に折曲げた構成であるが、本発明は2枚の重層状態に限定されず、更に一段階以上折り曲げた4枚の重層状態或いはそれ以上の重層状態とすることもできる。
【0035】
また、図3図6に示す態様では、2本の支持部材7によって天井面Tから吊下げる支持すると共に壁面Hから立ち上げ支持した構成としているが、施工箇所の支持条件によっては、1本の支持部材7の場合や3本の支持部材7による支持構成については本発明に包含される。
【0036】
更に、本発明の配管支持具1が適用される狭小スペースは天井面Tに限らず、床面からの立ち上げ支持構成、スラブに穿設された配管孔を貫通配管する支持構成、等にも適用可能である。
【0037】
次に、図7及び図8に基き、本発明の配管支持具の第2実施例について説明する。
【0038】
第2実施例の配管支持具1は、第1支持固定片部4と第2支持固定片部5の形成構成が第1実施例とは相違している。その他の基本的構成は、接続部6の無い提灯式のバンド抱持部3を採用している以外はバンド端部2、透孔3A・4A・5A等は上記した第1実施例と同様である。以下、相違する構成を主に説明する。
【0039】
第1支持固定片部4及び第2支持固定片部5の各々は、図7に示すように、バンド抱持部2の略中央部より上方部分を該略中央部を基点として切起すことにより横方向外側に延伸する上方側支持固定片部4B・5Bを形成し、且つ、バンド抱持部2の略中央部より下方部分を該略中央部を基点として切起すことにより横方向外側に延伸する下方側支持固定片部4C・5Cを形成し、この横方向外側に切起した上方側支持固定片部4B・5Bと下方側支持固定片部4D・5Dとを各々重ねることにより重層状態に形成した構成となっている。
【0040】
図7において、符号4Dは第1支持固定片部4の上方側支持固定片部4Bの被切起し孔部、符号4Eは第1支持固定片部4の下方側支持固定片部4Cの被切起し孔部、符号5Dは第2支持固定片部5の上方側支持固定片部5Bの被切起し孔部、符号5Eは第2支持固定片部5の下方側支持固定片部5Bの被切起し孔部、を各々示す。
【0041】
また、上記第1実施例と同様に、第1支持固定片部4及び第2支持固定片部5の強度を更に向上させるために、切起し重合した部分をスポット溶接の如き補強手段を用いて補強した構成とすることが好ましい。図8に示す態様はスポット溶接した場合のスポット溶接部8を示している。
【符号の説明】
【0042】
1 配管支持具
2 バンド抱持部
3 バンド端部
3A 透孔
4 第1支持固定片部
4A 透孔
4B 上方側支持固定片部
4C 下方側支持固定片部
4D 被切起し孔部
4E 被切起し孔部
5 第2支持固定片部
5A 透孔
5B 上方側支持固定片部
5C 下方側支持固定片部
5D 被切起し孔部
5E 被切起し孔部
6 接続部
7 支持部材
8 スポット溶接部
H 壁面
T 天井面
【要約】
【目的】狭小スペースにおける配管支持の自由度が高く、しかも充分な強度が得られる配管支持具を提供する。
【構成】配管を抱持するバンド抱持部とバンド端部を有する配管支持具であって、狭小スペースにおける配管支持が可能な配管支持具において、
バンド抱持部の両側の略中央部の各々から、バンド抱持部の少なくとも一部を横方向外側に少なくとも2枚重ねの重層状態で各々突出させることにより第1支持固定片部と第2支持固定片部とが設けられており、
バンド端部、第1支持固定片部、第2支持固定片部の各々には、吊りボルトや支持杆の如き支持部材を係合可能な透孔が形成されており、
更に、配管支持箇所の支持条件に応じて、バンド端部、第1支持固定片部、第2支持固定片部から選ばれる1つ〜3つに、吊りボルトや支持杆の如き支持部材を取付固定することにより配管支持が可能な構成である。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8