(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ワイヤーハーネスには、前記第1電装品と異なる第2電装品の通電又は断電を実行するスイッチング素子を備えた電気接続箱が接続されている請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のワイヤーハーネスシステムの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態1>
実施形態1について、
図1ないし
図11を参照しつつ説明する。
本実施形態のワイヤーハーネスシステム10は、
図1に示すように、自動車等の車両12に搭載されるものであり、電源17、電気接続箱18、第1電装品20及び第2電装品23の間をワイヤーハーネス10Aで接続して構成されている。
【0017】
(ワイヤーハーネスシステム10)
車両12には、搭乗者が搭乗する車室13が仕切られており、車室13の前方(車室外のエンジンルーム内)には、バッテリやオルタネータ等からなる電源17と、電源17に電線11Bを介して接続された電気接続箱18とが搭載されている。
車室13は床下を含んで構成されており、この床下にワイヤーハーネス10Aが配策されている。
【0018】
車室13の前部には、インスツルメントパネル14が配されている。このインスツルメントパネル14には、第1電装品20及び第2電装品23の少なくとも一つに対して通電又は断電を指示する手動スイッチ15が配設されている。例えば、手動スイッチ15は、第1電装品20であるシートヒータ21の通電又は断電を操作可能となっており、手動スイッチ15の操作に応じた信号がこの手動スイッチ15と電線11A(信号線)を介して接続された後述するスイッチングユニット27に与えられる。
【0019】
手動スイッチ15に接続された電線11Aはインスツルメントパネル14から床下へと配索されて、複数の電線11Aを束ねて構成された電線束11と共に束ねられている。なお、手動スイッチ15に接続された電線11Aが前記電線束11とは異なる経路で車両12に配索される構成としてもよい。
【0020】
電気接続箱18には、第2電装品23に対して通電又は断電を実行し、第1電装品20に対しては通電又は断電を実行しない複数のスイッチング素子19が図示しない回路基板に実装されている(
図11参照)。このスイッチング素子19は、半導体リレー及び機械式リレーの双方又は一方でもよい。
【0021】
第1電装品20は、同一車種においてのみ使用される個別電装品とされる。個別電装品には、車名が異なる車種にのみ使用される電装品、排気量が異なる車種にのみ使用される電装品、仕様が異なる車種にのみ使用される電装品、及び仕向け地が異なる車種にのみ使用される電装品等を含む。
【0022】
本実施形態では、第1電装品20は、シートヒータ21及び後部座席用ルームライト22とされているが、これに限らず、例えば、ディアイサ、DRLシステム、フォグランプ、ホーン、PTCヒータ等とすることも可能である。
【0023】
シートヒータ21は、搭乗者が搭乗する車室13に取り付けられたシート16に埋め込まれている。また、後部座席用ルームライト22は、車室13内の後部座席の天井部寄りの位置に配設されている。
【0024】
第2電装品23は、他車種においても使用される共通電装品とされ、本実施形態ではテールライト24とされているが、これに限らず、例えば、ワイパモータ、ヘッドライト、ルームライト、セルモータ、ウォッシャポンプ、リアウィンドウ用デフロスタ等とすることも可能である。第2電装品23は、電気接続箱18のスイッチング素子19により通電又は断電が実行される。
【0025】
「車種」とは、車名の差異、排気量の差異、仕様の差異、及び仕向け地の差異を含む。詳細に説明すると、他車種とは、例えば、車名が異なる場合、車名は同じであるが排気量が異なる場合、車名も排気量も同じであるが仕様が異なる場合、車名も排気量も仕様も同じであるが、仕向け地が異なる場合等を含む。すなわち、「他車種」とは、車名、排気量、仕様、及び仕向け地の少なくとも一つが異なる車両をいう。
【0026】
(ワイヤーハーネス10A)
ワイヤーハーネス10Aは、
図2,
図10に模式的に示すように、複数の電線11Aが束ねられた電線束11に対して一方の面に粘着剤が塗布されたテープ25(「結束部材」の一例)を捲回させる(巻き付ける)ことによって形成される。このワイヤーハーネス10Aは、複数の電線11Aが露出する程度にテープ25A(「第1結束部材」の一例)を巻き付けて仮巻き状態の電線束11(
図10)を構成するとともに、仮巻き状態の電線束11に更にテープ25B(「第2結束部材」の一例)を電線11Aが露出しないように巻き付ける(本巻きする)構成となっている(
図2)。なお、仮巻きする際のテープ25Aと本巻きする際のテープ25Bは、同一のテープ25(結束部材)が用いられているが、異なる結束部材を用いることも可能である。
【0027】
電線11Aは、芯線(図示せず)の外周を、合成樹脂製の絶縁層で被覆してなる。芯線は、金属、カーボンナノチューブ等の導電性の材料からなる。本実施形態においては、金属細線を撚り合わせてなる撚り線が用いられている。撚り線に用いられる金属としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金等、必要に応じて任意の金属を適宜に選択できる。本実施形態では芯線は、銅又は銅合金が用いられる。
【0028】
ワイヤーハーネス10Aは、車両12の床下、ピラー内等、必要に応じて任意の位置に配索されるものである。本実施形態においては、ワイヤーハーネス10Aは、車両12の床下(車室内におけるシートよりも下側の図示しない樹脂ケースの内側)を通るように配索されている。
【0029】
図1に示すように、ワイヤーハーネス10Aは複数箇所で分岐されており、この分岐された電線11A(ワイヤーハーネス)の端末には、第1電装品20及び第2電装品23がそれぞれ接続されている。
【0030】
電源17とスイッチング素子19,28とは、
図11に示すように、ヒューズ26を介して電気的に接続されている。このヒューズ26は、金属導体により形成されたヒューズでもよく、また、電気回路によって実現された過電流保護機能による過電流遮断装置であってもよく、また、スイッチング素子を制御するプログラムによって実現された過電流保護機能であってもよい。
【0031】
第1電装品20の通電又は断電を行うスイッチング素子28のオンオフの信号は、電気接続箱18を通らず、手動スイッチ15から直接行われる。
これにより、インスツルメントパネル14に配設された手動スイッチ15によって第1電装品20の通電又は断電が指示されると、手動スイッチ15からの信号は、(ワイヤーハーネス間の距離が長い)電気接続箱18を経由せずに(ワイヤーハーネス間の距離が短い)スイッチング素子28に直接的に与えられ、スイッチング素子28をオンオフする。
【0032】
(スイッチングユニット27)
ワイヤーハーネス10Aには、
図1,
図3に示すように、スイッチング素子28を備えるスイッチングユニット27が電線束11を構成する電線11Aに接続されている。
スイッチングユニット27は、ケース36にユニット本体29が収容されている。
【0033】
ユニット本体29は、
図9に示すように、スイッチング素子28が実装された回路基板30と、回路基板30に電気的に接続されたコネクタハウジング33とを備える。
回路基板30は、絶縁基板に、プリント配線技術により図示しない導電路が形成されてなる。回路基板30には、コネクタハウジング33が取り付けられた第1面31と、第1面31に対する裏面であってスイッチング素子28が実装された第2面32とを備える。
【0034】
回路基板30の第2面32には、スイッチング素子28が回路基板30に形成された導電路にはんだ付け等の公知の手法により電気的に接続されている。本実施形態においては、回路基板30の第2面32には、2つのスイッチング素子28が横並びに配設されている。なお、スイッチングユニット27に備えられるスイッチング素子28は、1つでもよく、また、3つ以上の複数であってもよい。
スイッチング素子28は、MOSFET等からなる半導体スイッチング素子であって、第1電装品20に対して通電又は断電を実行する。
【0035】
コネクタハウジング33は合成樹脂製であって、相手側の雄コネクタと嵌合する雌形の嵌合部34を備える。嵌合部34には肉薄の棒状をなす複数の金属製の端子29Aが貫通されている。端子29Aの一端側は嵌合部34の内部に保持され、端子29Aの他端側は嵌合部34を貫通してコネクタハウジング33の後方に突出するとともに、回路基板30に向けて略直角に曲げ加工されてスルーホールに挿通されている。端子29Aは、スルーホール内ではんだ付け等の公知の手法により、回路基板30の導電路と電気的に接続されている。
【0036】
嵌合部34には、電線11Aの端末部に取付られた(接続された)雄コネクタが装着される。具体的には、例えば、一端側が電装品20,23に接続された電線11Aの他端側に接続されたコネクタや、一端側が手動スイッチ15に接続された電線11Aの他端側に接続されたコネクタ等が装着される。
なお、本実施形態では、嵌合部34を雌形とし、相手側の雄コネクタと嵌合することとしたが、他の実施形態として、嵌合部を雄形とし、相手側の雌コネクタと嵌合するようにしてもよい。また、電線の端末部に取付けられた雄端子と雌端子のいずれか一方が嵌合部に収容されるようにしてもよい。
【0037】
ケース36は、合成樹脂製であって、有底の筒状をなし、
図3に示すように、底面部37と、底面部37から立ち上がる4つの側壁部38A〜38Dとを備える。
4つの側壁部38A〜38Dのうちの1つの側壁部38Aには、電線束11の外面に当接する凹状面39が形成されている。
【0038】
この凹状面39は、円弧状に窪み形成されており、
図3における幅方向の中間側に向けて傾斜状に深くなるように形成されている。
凹状面39の曲率は、嵌め合わせる電線束11の外形形状に応じて適宜設定することができる。例えば、電線11Aの本数や電線11Aの径が大きくなることで電線束11の径が大きくなるほど凹状面39の曲率を小さくすれば凹状面39を電線束11の外面に当接させた際に電線束11の外面が凹状面39の内側に嵌め入れられやすいため好ましい。
【0039】
ケース36とユニット本体29との嵌合状態を保持(固定)は、例えば、ユニット本体29の嵌合部34側の外周(外縁)をケース36の内側に圧入したり、ロック機構を設けることにより行ってもよい。ロック機構を設ける場合には公知の形状を用いることができ、例えば、一方から突出する弾性爪片が他方の凹部に嵌め入れられて保持されるようにしてもよい。
【0040】
複数のスイッチングユニット27のうち、シートヒータ21に対して通電又は断電を実行するスイッチング素子28を備えたスイッチングユニット27Aは、
図1に示すように、車室13に配されたシート16の下方において、ワイヤーハーネス10Aからシートヒータ21へ電線11Aが分岐される分岐部35の近傍に配設されている。
【0041】
同様に、複数のスイッチングユニット27のうち、後部座席用ルームライト22に対して通電又は断電を実行するスイッチング素子28を備えたスイッチングユニット27Bは、ワイヤーハーネス10Aから後部座席用ルームライト22へ電線11Aが分岐される分岐部35の近傍に配設されている。
スイッチングユニット27は、後述するように電線束11を結束するテープ25によって電線束11と共に結束されることでワイヤーハーネス10Aに対して取付られている。
【0042】
(スイッチングユニット27の電線束11への取付方法)
複数本の電線11Aを束ねて構成された電線束11に対して、その延出方向における所定間隔毎にテープ25Aを複数回巻き付けて仮巻(荒巻)状態の電線束11を形成する(
図10)。なお、テープ25Aの仮巻きの仕方については、これに限られない。例えば、電線11Aが露出する程度に螺旋状にテープ25を(分断することなく)巻き付けて、仮巻状態の電線束11を形成するようにしてもよい。
【0043】
次に、電線11Aの端末部に取り付けられたスイッチングユニット27の凹状面39を仮巻状態の電線束11の外周面(電線が露出する外周面)に当接させ、スイッチングユニット27を仮巻状態の電線束11とともにテープ25Bで巻き付け、本巻き状態の電線束11を形成する(
図2)。これにより、スイッチングユニット27がワイヤーハーネス10Aに固定される。
【0044】
なお、上記構成では、スイッチングユニット27に直接テープ25を巻き付けてワイヤーハーネス10Aに固定するようにしたが、これに限らず、スイッチングユニット27に接続された電線11A(の端末部)をテープ25で巻き付けることで(スイッチングユニット27を直接固定するのではなく)電線11Aを介して間接的にスイッチングユニット27を固定するようにしてもよい。
【0045】
本実施形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
(1)本実施形態によれば、第1電装品20の通電又は断電を実行するスイッチング素子28を備えたスイッチングユニット27がワイヤーハーネス10Aに取り付けられているため、ワイヤーハーネスシステム10を小型化できる。
また、一般にワイヤーハーネス10Aの外周面は凸状の部分を有することが多いが、本実施形態によれば、ワイヤーハーネス10Aの外周面の少なくとも一部を凹状面39に嵌め入れることで、スイッチングユニット27のワイヤーハーネス10Aからの張り出しを抑制することができる。
【0046】
(2)ワイヤーハーネス10Aは、テープ25A(第1結束部材)によって仮巻状態に巻き付けられるとともに、仮巻状態の電線束11がテープ25B(第2結束部材)によってスイッチングユニット27と共に本巻きされて構成されている。
このようにすれば、電線束11を本巻きする際にスイッチングユニット27の取付けを行うことができるため、スイッチングユニット27の取付け作業を簡素化することが可能になる。
【0047】
(3)スイッチング素子28は、半導体スイッチング素子であり、車両12には搭乗者が搭乗する車室13が設けられており、スイッチングユニット27は車室13に配設されている。
このようにすれば、通電又は断電を実行する際のスイッチング素子28の雑音を小さくできるので、搭乗者が搭乗する車室13内にスイッチング素子28を配設することができる。これにより、車両12内の収容スペースを有効に利用できる。
【0048】
(4)ワイヤーハーネス10Aには、第1電装品20と異なる第2電装品23の通電又は断電を実行するスイッチング素子19を備えた電気接続箱18が接続されている。
このようにすれば、電気接続箱18に備えられたスイッチング素子19によって第2電装品23の通電又は断電を実行することができるので、ワイヤーハーネスシステム10を多機能化できる。
【0049】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2について、
図12ないし
図16を参照しつつ説明する。実施形態2のスイッチングユニット40は、実施形態1の半導体のスイッチング素子28に代えてメカニカルリレー41を搭載したものである。以下では、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】
図12に示すように、スイッチングユニット40は、ケース52にユニット本体42が収容されている。
【0051】
ユニット本体42は、
図14に示すように、メカニカルリレー41及び電子部品44が実装された回路部43と、回路部43を保持する合成樹脂製の基部46と、相手側コネクタと嵌合するフード状の嵌合部50とを備える。
メカニカルリレー41は、コイルに電流を流して接点部を開閉するものであり、公知の形状のものを用いることができる。
電子部品44は、抵抗等の部品からなる。回路部43は、バスバー端子51が一体に形成されるとともに、メカニカルリレー41及び電子部品44の端子が挿通される複数のスルーホールが形成されている。
バスバー端子51は、嵌合部50の奥壁に設けられた端子挿通孔50Bに圧入されている。
【0052】
本実施形態においては、回路部43には、2つのメカニカルリレー41がユニット本体42のケース52への挿通方向に並んで配されている。なお、スイッチングユニット40に備えられるメカニカルリレー41は、1つでもよく、また、3つ以上の複数であってもよい。
メカニカルリレー41は、第1電装品20に対して通電又は断電を実行する。
【0053】
基部46は、箱形であって、例えば、モールド成形により、回路部43のメカニカルリレー41及び電子部品44側を外部と仕切る仕切り壁47が形成されている。メカニカルリレー41及び電子部品44が実装される面とは反対側の面には、
図15に示すように、メカニカルリレー41及び電子部品44の端子が挿通されるスルーホールに連なる位置に半田溜まり49が凹設されている。
【0054】
嵌合部50側の仕切り壁47には、嵌合部50内に挿通されるバスバー端子51が貫通している。
ケース52は、合成樹脂製であって、
図12に示すように、有底の筒状をなし、矩形状の底面部53と、底面部53の周縁から立ち上がる4つの側壁部54A〜54Dとを備える。
4つの側壁部54A〜54Dのうちの1つの側壁部54Aには、
図13に示すように、電線束11の外面に当接させる凹状面55が形成されている。
【0055】
凹状面55は、円弧状に窪み形成されており、
図13における幅方向の中間側に向けて傾斜状に深くなるように形成されている。
この凹状面55の曲率は、嵌め合わせる電線束11の外形に応じて適宜設定することができる。例えば、電線11Aの本数や各電線11Aの径が大きくなることで電線束11の径が大きくなるほど凹状面55の曲率を小さくすれば凹状面55を電線束11の外面に当接させた際に電線束11の外面が凹状面39の内側に嵌め入れられやすいため好ましい。
【0056】
嵌合部50は、回路部43のバスバー端子51側に組み付けられるものであり、嵌合部50の外面には、
図12に示すように係止凸部50Aが設けられている。係止凸部50Aは、嵌合方向の一方側が段差状に突出し、他方側が傾斜状に突出し、段差状に突出する部分がケース52の内面に形成された係止孔52Aの孔縁に係止してユニット本体42のケース52への抜け止めがなされている。
実施形態2によれば、スイッチング素子は、比較的安価なメカニカルリレー41であるため、ワイヤーハーネス10Aの製造コストを低減させることが可能になる。
【0057】
<
参考例1>
次に、
参考例1について、
図17を参照しつつ説明する。
実施形態1では、スイッチングユニット27を仮巻状態の電線束11に取り付けた後にテープ25Bを本巻きする構成としたが、
参考例1では、電線束11をテープ25で本巻きした後に、スイッチングユニット27を本巻きしたテープ25の外面に取り付けたものである。他の構成については実施形態1と同一であるため、以下では、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0058】
スイッチングユニット27は、本巻きされたテープ25Bの凸状の外面に凹状面39が嵌め合わされており、スイッチングユニット27は、テープ56により電線束11とともに巻き付けられて固定されている。
【0059】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)
図18に模式的に示すように、ワイヤーハーネス10Aの外周を包囲するプロテクタ57を配し、このプロテクタ57内にスイッチングユニット27を、ボルト止め、接着剤等の公知の手法により固定するようにしてもよい。プロテクタ57は、合成樹脂、金属等、必要に応じて任意の材料を適宜に選択できる。
【0060】
(2)上記実施形態では、ワイヤーハーネスシステム10は、電気接続箱18を備えていたが、電気接続箱18を有しないワイヤーハーネスシステムとしてもよい。例えば、
図19に示すように、電気接続箱18を備えず、複数の着脱可能なヒューズ26が並列に配置されたヒューズブロック58を備えるようにし、ヒューズブロック58の各ヒューズ26を介して各種電装品20,23に電気的に接続されるとともに、各種電装品20,23に対応して設けられたスイッチングユニット27のスイッチング素子28を過電流保護機能(過電流遮断機能)等によりオンオフするようにしてもよい。
【0061】
過電流保護機能は、スイッチング素子に形成された電気回路、又はスイッチングユニットに形成された電気回路によって実現されたものであってもよく、また、スイッチング素子の通電又は断電を制御するプログラムによって実現されたものであってもよい。
また、
図20に示すように、並列に接続された複数の電源17,17間に、一つのヒューズ26を着脱可能に接続し、その下流側の電線を分岐させて、スイッチングユニット27のスイッチング素子28を各種電装品20,23とともに並列に接続するようにしてもよい。
【0062】
(3)テープ25(25A,25B)に代えて結束部材として紐状、帯状等のバンドを用いてもよい。このバンドは合成樹脂製でもよく、金属製であってもよく、複数の電線を束ねるために用いられている公知形状ものを用いることができる。また、
参考例1については、テープ56に限らず、スイッチングユニット27をテープ25Bの上から固定できるバンドを用いてもよい。例えば、紐状のバンドをテープ25が本巻きされた電線束11と共にスイッチングユニット27に巻き付けてスイッチングユニット27をテープ25が本巻きされた電線束11に固定するようにしてもよい。
【0063】
(4)上記実施形態では、凹状面39,55は円弧状であるが、これに限らず、内側に電線束11の外面の少なくとも一部を嵌め入れることが可能なスペースが形成されるのであれば凹状面は円弧状でなくてもよい。例えば、段差状に窪んだ凹状面としてもよい。
(5)手動スイッチ15は、インスツルメントパネル14に配設する構成としたが、これに限られず、ドアのアームレストに設けてもよく、必要に応じて任意の位置に配設することができる。また、手動スイッチ15に代えてボデーECUなどの電子制御ユニットからスイッチングユニット27を制御する構成としてもよい。
【0064】
(6)スイッチングユニットの内部にスイッチング素子28及びメカニカルリレー41の双方が収容される構成としてもよい。
【0065】
(7)スイッチングユニット27,40は、車両12の車室13に配されていたが、これに限られず、車両12の任意の場所に配置することができる。例えば、スイッチングユニット27,40をエンジンルーム内に配してもよい。
【0066】
(8)上記実施形態では、1つの第1電装品20に対して、1つのスイッチングユニット27,40を有する構成であったが、これに限らず、1つの第1電装品20に対して、当該第1電装品20を共にオンオフ可能な複数のスイッチングユニットを有する構成としてもよい。また、複数の第1電装品20をオンオフ可能な1つのスイッチングユニットを有する構成としてもよい。