(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シンクロチェーンには、フィードチェーンの前端部の側方に偏倚した位置に設けられた第1シンクロチェーンと、前記フィードチェーンの前方に設けられた第2シンクロチェーンを備えた請求項9に記載のコンバイン。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0025】
[実施形態1]
実施形態1に係るコンバイン1を
図1から
図10に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係るコンバインの概略構成を示す側面図、
図2は、実施形態1に係るコンバインの概略構成を示す平面図、
図3は、実施形態1に係るコンバインのフィードチェーン駆動機構の構成を示す側面図、
図4は、実施形態1に係るコンバインの脱穀装置の内部構造を示す側面図、
図5は、実施形態1に係るコンバインのフィードチェーン駆動機構の要部を拡大して示す側面図、
図6は、実施形態1に係るコンバインの動力伝達機構の一部を模式的に示す模式図、
図7は、実施形態1に係るコンバインの脱穀装置の構成を示す正面図、
図8は、実施形態1に係るコンバインの脱穀装置及び刈取部の後端部の構成を示す正面図、
図9は、実施形態1に係るコンバインの動力伝達機構の油圧式無段変速機などの構成を示す側面図、
図10は、実施形態1に係るコンバインの動力伝達機構の油圧式無段変速機などの構成を一部断面で示す説明図である。なお、以下の説明では、前後方向とは、コンバイン1の前後方向である。さらに言えば、前後方向とは、このコンバイン1が直進する際の進行方向であり、直進方向前方側を前側、後方側を後側という。また、車幅方向とは、当該前後方向に対して水平に直交する方向であり、直進方向前方側の右側を右側、直進方向前方側の左側を左側という。さらに、鉛直方向とは、前後方向と車幅方向とに直交する方向である。これら前後方向、車幅方向及び鉛直方向は、互いに直交する。
【0026】
図1に示す実施形態1のコンバイン1は、駆動力源としてのエンジン3が発生する駆動力によって、自走しながら稲、麦等の穀稈を刈り取り、脱穀可能であるコンバインである。コンバイン1は、
図1及び
図2に示すように、機体フレーム2と、駆動力源としてのエンジン3と、走行装置4と、刈取装置5と、脱穀装置10と、グレンタンク8と、フィードチェーン駆動機構(フィードチェーン機構)9と、動力伝達機構11(
図3等に示す)とを備える。
【0027】
機体フレーム2は、コンバイン1の車体の枠状の構造部材をなしている。エンジン3は、機体フレーム2上の前後方向前側に搭載されている。エンジン3は、コンバイン1で用いる駆動力の発生源である。エンジン3は、内燃機関であり、燃焼室で燃料を燃焼させることにより燃料のエネルギを機械的仕事に変換して回転力として出力する熱機関である。また、エンジン3は、機体フレーム2上の操作席21(
図1及び
図2に示す)を設けたキャビン22(
図2に示す)の下方に設けられている。
【0028】
走行装置4は、機体フレーム2の鉛直方向下側に設けられる。走行装置4は、エンジン3からの駆動力によって、コンバイン1全体を走行させるものである。走行装置4は、クローラ41を有する。クローラ41は、機体フレーム2の鉛直方向下方において車幅方向に間隔をあけて一対で設けられる。走行装置4は、エンジン3から伝達される駆動力によってクローラ41が駆動することでコンバイン1全体を前後方向前側に走行させる。
【0029】
刈取装置5は、機体フレーム2の前部に設けられる。刈取装置5は、エンジン3からの駆動力によって駆動し穀稈を刈り取り、刈り取った穀稈を脱穀装置10などに搬送するものである。刈取装置5は、エンジン3からの駆動力によって駆動し穀稈を刈り取るものであって、圃場に植生する穀稈を分草する分草体51と、倒伏している穀稈を引き起こす引起装置52と、引き起こされた穀稈を切断する刈刃53が設けられると共に、刈り取られた穀稈を搬送する搬送装置56と、懸架台59(
図3、
図4及び
図8に示す)を備えている。
【0030】
搬送装置56は、株元搬送装置56aと穂先搬送装置56bを備えて、穀稈を刈取装置5から脱穀装置10に搬送して、フィードチェーン駆動機構9へ引き継ぐ。
【0031】
懸架台59は、刈取装置5の後端部で脱穀装置10の前方に設けられる。懸架台59は、
図8に示すように、機体フレーム2から立設した車幅方向左右一対の左右立設フレーム59aと、左右立設フレーム59a同士を連結する連結フレーム59bとを備える。
【0032】
脱穀装置10は、刈取装置5の後方でかつグレンタンク8の側方に設けられ、下部の選別部6と上部の脱穀部7を有する。選別部6は、機体フレーム2の上方でかつ刈取装置5の搬送装置56の後方に設けられる。また、選別部6は、グレンタンク8の側方でかつ機体フレーム2の左側に設けられる。選別部6は、エンジン3からの駆動力によって、脱穀部7により脱穀された穀稈の藁等の夾雑物と穀粒とを分離する装置である。
【0033】
選別部6は、
図4に示すように、選別室61と、選別室61内に設けられた揺動選別部62と、揺動選別部62の下方に設けられた唐箕63と、唐箕63の後方に設けられた第2唐箕64と、1番回収部65及び2番回収部66と、揺動選別部62の後方に設けられた排塵ファン67とを備える。選別室61は、エンジン3から伝達される駆動力によって駆動する唐箕63及び第2唐箕64からの送風と、揺動選別部62の揺動と、排塵ファン67による吸引の作用とによって、脱穀部7で脱粒された穀粒を含む被処理物から夾雑物を除去して、穀粒を選別して、1番回収部65及び2番回収部66で回収する。被処理物とは、脱穀部7の扱胴72が穀稈から脱粒したものである。なお、脱穀部7を通過し、穀粒が扱ぎ取られた穀稈(排藁)は、フィードチェーン駆動機構9の後方側に配置された排藁搬送装置200(
図4に示す)によって、コンバイン1の後方側に配置されている排藁切断装置へ搬送される。排藁切断装置は、排藁搬送装置200に投入された排藁を切断し、例えば、圃場に放出する。
【0034】
脱穀部7は、機体フレーム2の上方でかつ刈取装置5の搬送装置56の後方に設けられる。また、脱穀部7は、グレンタンク8の側方でかつ機体フレーム2の左側に設けられる。脱穀部7は、エンジン3からの駆動力によって搬送された穀稈を脱穀するものである。すなわち、脱穀部7は、刈取装置5が刈り取った穀稈から穀粒を切離す装置である。
【0035】
脱穀部7は、
図4に示すように、前部左側に設けられた扱室71と、扱室71の右側に配置された図示しない第二処理室と、第二処理室の後方に配置された図示しない排塵処理室とを含んで構成される。扱室71には、前後方向に延在する図示しない回転軸を中心に回転可能な円柱形状の扱胴72が配置されている。扱胴72は、回転動作により、扱室71内に搬送されてきた穀稈の穂先部から穀粒を脱粒する。なお、第二処理室には二番処理胴73が、排塵処理室には排塵処理胴74が、それぞれ前後方向に延在する図示しない回転軸を中心に回転可能に配置されている。扱胴72、二番処理胴73及び排塵処理胴74が、エンジン3からの駆動力によって回転軸を中心に回転することで、脱穀部7は、穀稈を脱穀する。扱室71は、扱胴72の鉛直方向下方側が扱網75により包囲される。
【0036】
グレンタンク8は、脱穀装置10の側方に設けられる。グレンタンク8は、脱穀装置10の選別部6が回収した穀粒を一時的に貯蔵するものである。グレンタンク8は、排出オーガー81が接続される。排出オーガー81は、エンジン3からの駆動力によってグレンタンク8内の穀粒を搬送し、グレンタンク8の外部へ排出させるものである。
【0037】
フィードチェーン駆動機構9は、刈取装置5で刈り取った穀稈を脱穀装置10の脱穀部7へ供給するフィードチェーン96を備えたものである。フィードチェーン駆動機構9は、脱穀装置10のグレンタンク8が配置されている側とは反対側、すなわち、左側部に配置されている。フィードチェーン駆動機構9は、
図3に示すように、フレーム91と、下側チェーンレール92と、上側チェーンレール93と、駆動スプロケット(駆動輪)94と、複数の従動スプロケット(従動輪)95a,95bと、無端環状のフィードチェーン96と、挟扼杆97などを備えている。
【0038】
フレーム91は、機体フレーム2の前後方向に直線状に延在しており、懸架台59の一対の左右立設フレーム59aのうちの左方の左右立設フレーム59aに軸心回りに回転自在に設けられたピン106(
図3及び
図8に示す)に前端部が取り付けられている。フレーム91は、後方に向かうに従って徐々に上側に向かうように傾斜している。フレーム91は、ピン106を中心として回転自在に設けられているとともに、機体フレーム2の前後方向と平行な状態で、ロック機構によりロックされる。
【0039】
下側チェーンレール92と上側チェーンレール93とは、機体フレーム91の前後方向に直線状に延在した帯板状に形成されており、上面にフィードチェーン96を支持するものである。下側チェーンレール92は、フレーム91よりも上方に設けられて、フレーム91に支持されている。下側チェーンレール92は、駆動スプロケット94の下縁から従動スプロケット95bの下縁に向かって直線状に延びて、駆動スプロケット94と複数の従動スプロケット95a,95bとに巻回されたフィードチェーン96のうち、脱穀作業時において、従動スプロケット95bから駆動スプロケット94側へ向けて移動する部位としての下側通部96aを直線的に支持する。上側チェーンレール93は、下側チェーンレール92及びフレーム91よりも上方に設けられて、下側チェーンレール92と連結フレーム98(
図7に示す)を介して連結されている。上側チェーンレール93は、連結フレーム98及び下側チェーンレール92を介して、フレーム91に支持されている。下側チェーンレール92が、上側チェーンレール93よりも下方に設けられることで、下側チェーンレール92は、無端環状のフィードチェーン96のうちの駆動スプロケット94及び従動スプロケット95bの下側に通される下側通部96aを支持し、上側チェーンレール93は、無端環状のフィードチェーン96のうち、脱穀作業時においてフィードチェーン駆動機構9の前部から従動スプロケット95b側へ向って移動する部位としての駆動スプロケット94及び従動スプロケット95bの上側に通される上側通部96bを支持する。
【0040】
駆動スプロケット94は、動力伝達機構11の後述する油圧式無段変速機112から伝達された変速後の駆動力によって回転して、フィードチェーン96を回転駆動させるものである。駆動スプロケット94は、
図3及び
図7に示すように、支持プレート101に回転自在に支持されている。支部プレート101は、フレーム91の前端部に取り付けられた固定プレート99に重ねられて、締結部材としてのボルト100a及びナット100bなどにより締結することで固定プレート99に固定されている。なお、固定プレート99と支持プレート101とには、ボルト100aを通す孔が設けられている。
【0041】
また、実施形態1では、固定プレート99に設けられた孔のうち一つが長孔100cであり、他の孔が丸孔である。しかしながら、本発明では、長孔を支持プレート101に設けても良い。要するに、本発明では、固定プレート99と支持プレート101とのうちの少なくとも一方に長孔100cを少なくとも一つ設け、この長孔100cと他方に設けられた丸孔にボルト100aを通して、ナット100bに螺合(締結)することで、固定プレート99と支持プレート101とが固定される構成とすれば良い。
【0042】
従動スプロケット95a,95bは、実施形態1では、二つ設けられている。一方の従動スプロケット95aは、駆動スプロケット94よりも上方でかつ前方に設けられて、上側チェーンレール93の前端部に回転自在に支持されている。他方の従動スプロケット95bは、駆動スプロケット94よりも上方でかつ後方に設けられて、上側チェーンレール93の後端部に回転自在に支持されている。従動スプロケット95bは、フィードチェーン駆動機構9の後部に配置され、駆動スプロケット94とともにフィードチェーン96が巻回される。
【0043】
駆動スプロケット94と、一方の従動スプロケット95aと、他方の従動スプロケット95bとの外周には、フィードチェーン96の内側が噛み合って、フィードチェーン96が掛け渡されている。即ち、従動スプロケット95a,95bは、駆動スプロケット94とともにフィードチェーン96が掛け渡されている。なお、実施形態1では、フィードチェーン96の下側通部96aは、カウンタプーリ120の外縁と車幅方向に重なる位置に配設されている。また、駆動スプロケット94と一方の従動スプロケット95aとの間には、テンショナスプロケット102(
図5中に実線及び二点鎖線で示す)が設けられている。テンショナスプロケット102は、支持プレート101などに揺動自在に設けられた揺動アーム103の先端に回転自在に支持されており、フィードチェーン96の外側から内側に向けて押し当てられることにより、フィードチェーン96にテンションを付与する。
【0044】
挟扼杆97は、フィードチェーン96の上方に設けられ、脱穀装置10の上部に備える扱胴カバーに支持されている。この扱胴カバーは、扱胴72の上方を覆って扱室71の一部を形成するとともに、フィードチェーン96から遠い側の部位を支点として上方へ回動可能である。挟扼杆97は、コイルスプリング104によって、フィードチェーン96側へ向けて付勢される。このような構造により、挟扼杵97は、穀稈の特に株元にフィードチェーン96へ向かう力を付与する。このため、挟扼杆97とフィードチェーン96との間に送り込まれた穀稈の株元は、挟扼杆97とフィードチェーン96とに挟み込まれ、フィードチェーン96が回転駆動されることによって脱穀装置10に搬送される。また、挟扼杆97の右方には、
図7に示すように、穀稈の特に穂先部を脱穀装置10の脱穀部7内に案内する脱穀漏斗105が設けられている。
【0045】
動力伝達機構11は、エンジン3の駆動力を前述した走行装置4、刈取装置5、脱穀装置10及びフィードチェーン駆動機構9などに伝達するものである。動力伝達機構11は、
図6に示すように、走行用駆動力伝達部110と、カウンタ軸111、及び、油圧式無段変速機112と、脱穀用駆動力伝達部113と、選別用駆動力伝達部114とを有する。走行用駆動力伝達部110は、エンジン3の出力軸31に取り付けられた4連プーリ116と、4連プーリ116から無端ベルト117を介して駆動力が伝達される図示しないHSTと、HSTの出力軸に連結されてHSTからの駆動力をクローラ41に伝達する図示しない走行用ミッションとを備える。また、走行用駆動力伝達部110は、HSTの出力軸からの駆動力を走行装置4と刈取装置5とに分岐させて伝道することにより、刈取装置5にエンジン3からの駆動力を伝達する。
【0046】
カウンタ軸111は、脱穀装置10の前壁10aから前方に突出した支持板115(
図3及び
図4に示す)に固定された円筒部材118(
図7に示す)内に軸心回りに回転自在に収容されている。なお、カウンタ軸111の軸心は、車幅方向と平行である。カウンタ軸111には、エンジン3の出力軸31に取り付けられた3連プーリ32と無端ベルト33を介して、エンジン3から駆動力が伝達される3連プーリ119が取り付けられている。カウンタ軸111は、3連プーリ32,119と無端ベルト33により、エンジン3の駆動力が伝達される。
【0047】
また、カウンタ軸111には、
図3に示すように、フィードチェーン96の車幅方向の側方に設けられ、かつ、
図6に示すように、油圧式無段変速機112の入力軸112aに駆動力を伝達するカウンタプーリ120が設けられている。なお、カウンタプーリ120は、
図7に示すように、フィードチェーン96よりも車幅方向の機体内側方向に設けられている。
【0048】
油圧式無段変速機112は、HST(Hydro Static Transmission)と呼ばれる静油圧式の無段変速機として構成されている。油圧式無段変速機112は、
図3に示すように、刈取装置5と脱穀装置10との間に設けられ、かつカウンタ軸111から伝達された駆動力を変速してフィードチェーン駆動機構9に伝達するものである。
【0049】
油圧式無段変速機112は、
図7に示すように、油圧ポンプの入力軸112aに入力プーリ121が設けられている。入力プーリ121とカウンタプーリ120とには、無端ベルト142が掛け渡(巻回)されている。このために、油圧ポンプの入力軸112aに取り付けられた入力プーリ121には、カウンタ軸111に設けられたカウンタプーリ120からエンジン3からの駆動力が伝達されて、入力軸112aがエンジン3からの駆動力で回転する。また、無端ベルト142は、テンションプーリ143によりテンションが付与されていない状態で、
図5に二点鎖線で示すように、機体の側方からみて、駆動スプロケット94と重なる位置に設けられている。
【0050】
油圧式無段変速機112は、入力軸112aがエンジン3からの駆動力で回転することで油圧ポンプによって発生させた油圧により機械的な力(回転力)を出力する油圧モータを有している。油圧式無段変速機112の油圧モータは、機械的な力(回転力)を出力する出力軸112b(
図10に示す)を備えている。
【0051】
油圧式無段変速機112の出力軸112bには、回転数を減速するギヤボックス122を介して、
図10に示すように、駆動スプロケット94が連結される。ギヤボックス122は、
図4及び
図9に示すように、後端が円筒部材118に取り付けられたプレート123に取り付けられている。また、プレート123は、前端が五角形プレート124を介して懸架台59の連結フレーム59bに取り付けられている。
【0052】
ギヤボックス122は、
図10に示すように、油圧式無段変速機112により回転されるとともに、入力軸112aの上方に設けられた駆動軸125を備えている。駆動軸125の先端には、
図9及び
図10に示すように、駆動スプロケット94が軸方向に移動されることで、駆動スプロケット94が着脱自在なカップリングギヤ126が設けられている。要するに、駆動軸125の先端のカップリングギヤ126は、油圧式無段変速機112側の駆動軸125から駆動され、駆動スプロケット94に対して接続および分離自在である。カップリングギヤ126は、駆動軸125と一体に回転するものであり、カップリングギヤ126を介して駆動軸125の先端に駆動スプロケット94が取り付けられると、油圧式無段変速機112及びギヤボックス122は、駆動スプロケット94を駆動軸125とともにエンジン3からの駆動力により回転させる。また、駆動軸125は、
図10に示すように、ギヤボックス122の筐体127から立設した円筒状の収容筒128内に回転自在に収容されている。また、収容筒128の先端とカップリングギヤ126との間には、異物侵入防止用の環状のカバー部材129を設けている。また、カップリングギヤ126が設けられることで、駆動スプロケット94は、フィードチェーン機構9が機体外側方向へ移動することにより、油圧式無段変速機112側に設けられた駆動軸125からの動力伝達が遮断される構成としている。
【0053】
また、油圧式無段変速機112は、エンジン3の駆動力が伝達される油圧ポンプの入力軸112aに対して傾斜可能な図示しない斜板と、斜板の傾斜角を変更させるサーボモータ130(
図4に示す)とを有している。斜板は、油圧ポンプの入力軸112aに対して傾斜させることで、油圧ポンプから油圧モータへ向けて供給される作動油の流量を可変させて、油圧モータの出力軸112bの回転数を変更する。
【0054】
さらに、実施形態1では、油圧式無段変速機112の油圧ポンプの入力軸112aは、
図5に示すように、コンバイン1の機体の側方からみて、上側チェーンレール93とフレーム91とで囲まれる領域R(
図5中に平行斜線で示す)の外側に設けられている。
【0055】
脱穀用駆動力伝達部113は、
図6に示すように、カウンタ軸111に取り付けられた3連プーリ131及びプーリ132と、扱室71の回転軸に連結された3連プーリ133と、二番処理胴73及び排塵処理胴74の回転軸に連結されたプーリ134と、3連プーリ131,133間及びプーリ132,134間に掛け渡された無端ベルト135,136などを備えて、カウンタ軸111を介してエンジン3の駆動力を脱穀部7に伝達する。
【0056】
選別用駆動力伝達部114は、
図6に示すように、油圧式無段変速機112の入力軸112aに設けられた二つの伝達プーリ137a,137bと、選別部6の唐箕63の回転軸に連結されたプーリ138と、1番回収部65及び排塵ファン67に駆動力を伝達する駆動軸に連結されたプーリ139と、第2唐箕64の回転軸に連結されたプーリ170と、2番回収部66の回転軸に連結されたプーリ171と、プーリ137b,138間に掛け渡された無端ベルト141と、プーリ137a,139,170,171に掛け渡された無端ベルト140などを備えている。二つの伝達プーリ137a,137bは、脱穀装置10の選別部6の少なくとも一部に駆動力を伝達するものである。選別用駆動力伝達部114は、カウンタ軸111及び油圧式無段変速機112などを介して伝達されたエンジン3の駆動力を選別部6に伝達する。
【0057】
また、実施形態1では、無端ベルト140は、更に、プーリ138と同軸に設けられたルーズプーリ172(
図3に示す)と、ルーズプーリ172とプーリ139との間に設けられたカウンタプーリ173(
図3に示す)に掛け渡されている。なお、実施形態1では、複数(実施形態1では、二つ)の伝達プーリ137a,137bの双方を油圧式無段変速機112の入力軸112aに設けることにより、フィードチェーン96を内側によせつつも、伝達プーリ137a,137b及び無端ベルト140,141とフィードチェーン96との干渉を抑制して、フィードチェーン96の下側通部96a及び下側通部96aを支持する下側チェーンレール92を直線状にしている。
【0058】
上記のように構成されるコンバイン1は、エンジン3が発生させる駆動力によって走行装置4が駆動して走行しながら刈取装置5によって穀稈を刈り取る。このとき、刈取装置5は、分草体51により分草し、刈刃53で刈り取る。そして、コンバイン1は、刈取装置5で刈り取った穀稈を搬送装置56によって脱穀装置10の脱穀部7の扱室71に搬送する。そして、コンバイン1は、フィードチェーン96が挟扼杆97との間に穀稈の株元を挟みこみ、脱穀漏斗105が穀稈の穂先部を脱穀部7内に案内して、回転駆動するフィードチェーン96が穀稈を後方に搬送しながら、扱室71にて、扱胴72がエンジン3から伝達される駆動力によって回転軸を回転中心として回転して穀稈を脱穀する。脱穀された穀粒等は、扱網75を介して選別室61に落下する。そして、コンバイン1は、選別部6の選別室61にて唐箕63及び第2唐箕64からの送風と揺動選別部62の揺動と排塵ファン67による吸引の作用によって穀粒を選別し、選別した穀粒をグレンタンク8に貯蔵する。
【0059】
以上で説明した実施形態1に係るコンバイン1によれば、フィードチェーン96の駆動スプロケット94の下側を通る下側通部96aを支持する下側チェーンレール92を直線状にしているので、勿論、下側通部96aも直線状となし、フィードチェーン96を湾曲させる必要がない。このために、フィードチェーン96を回転駆動する際の抵抗を抑制することができ、フィードチェーン96の駆動負荷を抑制できる。また、フィードチェーン96を湾曲させる必要がないので、フィードチェーン96を湾曲させるためのスプロケットを設け無くても良く、スプロケット94,95a,95bを最小限の数にすることができる。したがって、フィードチェーン96を回転駆動させるためのスプロケット94,95a,95bなどの伝動機器の配置の簡易化を図ることができる、という効果を奏する。
【0060】
また、実施形態1に係るコンバイン1によれば、カウンタプーリ120をフィードチェーン96の側方に配置し、油圧式無段変速機112の入力軸112aに、カウンタ軸111から駆動力が伝達される入力プーリ121に加えて、選別部6に駆動力を伝達する伝達プーリ137a,137bを設けている。このために、カウンタ軸111から選別部6に駆動力を直接伝達することがない。したがって、フィードチェーン96の下側通部96aを直線状にしても、選別部6に駆動力を伝達する無端ベルト140,141から離間させることができるとともに、カウンタプーリ120をフィードチェーン96の側方に配置しているので、フィードチェーン96を脱穀装置10の内側に寄せることができる。よって、コンバイン1は、フィードチェーン96を脱穀装置10の内側に寄せながらも、フィードチェーン96の下側通部96aを確実に直線状にすることができる。
【0061】
また、実施形態1に係るコンバイン1によれば、カウンタプーリ120がフィードチェーン96よりも内側に設けられているので、フィードチェーン96を脱穀装置10の内側に確実に寄せることができる。したがって、脱穀装置10即ちコンバイン1の大型化を抑制することができる。
【0062】
また、実施形態1に係るコンバイン1によれば、油圧式無段変速機112の入力軸112aの上方に設けられた駆動軸125の先端に設けられたカップリングギヤ126に、フィードチェーン96を回転駆動させる駆動スプロケット94を軸方向に着脱自在としている。このために、駆動スプロケット94を駆動軸125から取り外すことで、フィードチェーン駆動機構9を機体フレーム91に対して、ピン106を中心に容易に移動(回転)することができる。したがって、フィードチェーン駆動機構9を機体フレーム91に対して容易に移動できるので、メンテナンス性を向上することができる。
【0063】
また、実施形態1に係るコンバイン1によれば、カウンタプーリ120と入力プーリ121とに掛け渡される無端ベルト142が、側方からみて駆動スプロケット94と重なる位置に設けられているので、機体フレーム91の前後方向の長さを抑制することができる。
【0064】
また、実施形態1に係るコンバイン1によれば、上側チェーンレール93とフレーム91とで囲まれた領域Rの外側に、油圧式無段変速機112の入力軸112aが設けられている。このために、油圧式無段変速機112を備えた動力伝達機構11を機体フレーム91に近づけることができ、コンバイン1の重心の位置を下げることができる。
【0065】
また、実施形態1に係るコンバイン1によれば、固定プレート99と支持プレート101とを長孔100cなどを通ったボルト100aとナット100bにより固定することができる。したがって、駆動スプロケット94の位置調整に係る手間を抑制でき、短時間で駆動スプロケット94をフレーム91などに取り付けることができる。
【0066】
また、実施形態1では、動力伝達機構11が、選別用駆動力伝達部114の二つの伝達プーリ137a,137bを油圧式無段変速機112の入力軸112aに設けて、油圧式無段変速機の入力軸112aから脱穀装置10の選別部6の全てに動力を伝達している。しかしながら、本発明では、油圧式無段変速機の入力軸112aに設けられる伝達プーリ137a,137bは、選別部6の少なくとも一部に動力を伝達すれば良い。実施形態1では、フィードチェーン96の下側通部96aをカウンタプーリ120の下縁と車幅方向に重なる位置に配設して、下側通部96a及び下側チェーンレール92を直線状にしている。しかしながら、本発明では、下側通部96aをカウンタプーリ120と車幅方向に重なる位置又はカウンタプーリ120よりも下方に配設しても良く、下側通部96aがカウンタプーリ120と車幅方向に重なる位置又はカウンタプーリ120よりも下方となる範囲内で、フィードチェーン96の駆動スプロケット94への巻き掛け長さを確保しても良い。
【0067】
[実施形態2]
次に、実施形態2に係るコンバイン1を
図11に基づいて説明する。
図11は、実施形態2に係るコンバインの動力伝達機構の一部を模式的に示す模式図である。なお、
図11において、実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0068】
実施形態2では、
図11に示すように、動力伝達機構11の二つの伝達プーリ137a,137bのうち唐箕63の回転軸に連結されたプーリ138と無端ベルト141を介して連結された伝達プーリ137bを、ギヤボックス122の駆動軸125に設けている。実施形態2では、油圧式無段変速機112の駆動スプロケット94を回転させる駆動力を出力する出力軸112bは、ギヤボックス122を介して、伝達プーリ137bに駆動力を伝達し、唐箕63を回転させる駆動力を出力する。唐箕63は、油圧式無段変速機112の出力により駆動される構成としている。
【0069】
なお、実施形態2では、複数(実施形態2では、二つ)の伝達プーリ137a,137bのうちの伝達プーリ137bをギヤボックス122の駆動軸125に設け、伝達プーリ137aを油圧式無段変速機112の入力軸112aに設けることにより、フィードチェーン96を内側によせつつも、伝達プーリ137a,137b及び無端ベルト140,141とフィードチェーン96との干渉を抑制して、フィードチェーン96の下側通部96aを直線状にしている。
【0070】
実施形態2に係るコンバイン1によれば、油圧式無段変速機112の出力軸112bが選別部6の唐箕63を回転する駆動力を出力するので、フィードチェーン96の回転速度と唐箕63の回転速度を連動させることができる。このために、唐箕63の回転速度を変速するための唐箕専用のベルト式無段変速機などの変速機を設ける必要がない。
【0071】
[実施形態3]
次に、実施形態3に係るコンバイン1を
図12に基づいて説明する。
図12は、実施形態3に係るコンバインの動力伝達機構の一部を模式的に示す模式図である。なお、
図12において、実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0072】
実施形態3では、
図12に示すように、動力伝達機構11の二つの伝達プーリ137a,137bのうち伝達プーリ137aを、ギヤボックス122の駆動軸125に設けている。実施形態3では、油圧式無段変速機112の駆動スプロケット94を回転させる駆動力を出力する出力軸112bは、ギヤボックス122を介して、伝達プーリ137aに駆動力を伝達し、回収部65,66、第2唐箕64、排塵ファン67などを回転させる駆動力を出力する。回収部65,66、第2唐箕64、排塵ファン67は、油圧式無段変速機112の出力により駆動される構成としている。
【0073】
なお、実施形態3では、複数(実施形態3では、二つ)の伝達プーリ137a,137bのうちの伝達プーリ137aをギヤボックス122の駆動軸125に設け、伝達プーリ137bを油圧式無段変速機112の入力軸112aに設けることにより、フィードチェーン96を内側によせつつも、伝達プーリ137a,137b及び無端ベルト140,141とフィードチェーン96との干渉を抑制して、フィードチェーン96の下側通部96aを直線状にしている。
【0074】
実施形態3に係るコンバイン1によれば、油圧式無段変速機112の出力軸112bが選別部6の回収部65,66、第2唐箕64、排塵ファン67などを回転する駆動力を出力するので、フィードチェーン96の回転速度と回収部65,66、第2唐箕64、排塵ファン67などの回転速度を連動させることができる。このために、回収部65,66、第2唐箕64、排塵ファン67などの回転速度を変速するためのベルト式無段変速機などの変速機を設ける必要がない。
【0075】
[実施形態4]
次に、実施形態4に係るコンバイン1を
図13に基づいて説明する。
図13は、実施形態4に係るコンバインの動力伝達機構の一部を模式的に示す模式図である。なお、
図13において、実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0076】
実施形態4では、
図13に示すように、動力伝達機構11の二つの伝達プーリ137a,137bの双方を、ギヤボックス122の駆動軸125に設けている。実施形態4では、油圧式無段変速機112の駆動スプロケット94を回転させる駆動力を出力する出力軸112bは、ギヤボックス122を介して、二つの伝達プーリ137a,137bの双方に駆動力を伝達し、唐箕63、回収部65,66、第2唐箕64、排塵ファン67などを回転させる駆動力を出力する。唐箕63、回収部65,66、第2唐箕64、排塵ファン67は、油圧式無段変速機112の出力により駆動される構成としている。
【0077】
実施形態4に係るコンバイン1によれば、油圧式無段変速機112の出力軸112bが選別部6の唐箕63、回収部65,66、第2唐箕64、排塵ファン67などを回転する駆動力を出力するので、フィードチェーン96の回転速度と唐箕63、回収部65,66、第2唐箕64、排塵ファン67などの回転速度を連動させることができる。
【0078】
[実施形態5]
次に、実施形態5に係るコンバイン1を
図14に基づいて説明する。
図14は、実施形態5に係るコンバインの動力伝達機構の一部を模式的に示す模式図である。なお、
図14において、実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0079】
実施形態5では、
図14に示すように、選別部6のうちの排塵ファン67のみに連結したプーリ144と、従動スプロケット95bと一体に回転するプーリ145とに無端ベルト146を掛け渡している。そして、実施形態5では、従動スプロケット95bは、プーリ144,145及び無端ベルト146により選別部6の排塵ファン67に連結されて、従動スプロケット95bから選別部6の排塵ファン67を連動する構成としている。
【0080】
実施形態5に係るコンバイン1によれば、従動スプロケット95bと排塵ファン67とを無端ベルト146により連動させて回転するので、フィードチェーン96の回転速度と排塵ファン67の回転速度を連動させることができる。
【0081】
[実施形態6]
次に、実施形態6に係るコンバイン1を
図15に基づいて説明する。
図15は、実施形態6に係るコンバインの動力伝達機構の一部を模式的に示す模式図である。なお、
図15において、実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0082】
実施形態6では、
図15に示すように、選別部6のうちの排塵ファン67のみに連結された伝達歯車147と、この伝達歯車147に噛み合いかつ従動スプロケット95bと一体に回転する伝達歯車148とを設けている。そして、実施形態6では、従動スプロケット95bは、伝達歯車147,148などにより選別部6の排塵ファン67に連結されている。従動スプロケット95bは、選別部6の排塵ファン67と伝達歯車147,148などにより連動して回転する。
【0083】
実施形態6に係るコンバイン1によれば、従動スプロケット95bと排塵ファン67とを伝達歯車147,148により連動させて回転するので、フィードチェーン96の回転速度と排塵ファン67の回転速度を連動させることができる。
【0084】
[実施形態7]
次に、実施形態7に係るコンバイン1を
図16に基づいて説明する。
図16は、実施形態7に係るコンバインの動力伝達機構の一部を模式的に示す模式図である。なお、
図16において、実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0085】
実施形態7では、コンバイン1は、
図16に示すように、刈取装置5の搬送装置56からフィードチェーン96即ち脱穀部7に穀稈を受け渡すシンクロチェーン150を備えている。そして、実施形態7では、駆動軸125に設けられたプーリ151と、シンクロチェーン150の駆動スプロケット152と一体に回転するプーリ153と、プーリ151,153間に掛け渡される無端ベルト154を備えている。実施形態7では、油圧式無段変速機112の駆動スプロケット94を回転させる駆動力を出力する出力軸112bは、ギヤボックス122及び駆動軸125などを介して、シンクロチェーン150を回転させる駆動力を出力する。シンクロチェーン150は、油圧式無段変速機112の出力により駆動される構成としている。
【0086】
実施形態7に係るコンバイン1によれば、油圧式無段変速機112の出力軸112bがシンクロチェーン150を回転する駆動力を出力するので、フィードチェーン96の回転速度とシンクロチェーン150の回転速度を連動させることができる。したがって、シンクロチェーン150の回転数を変更するためのベルト式無段変速機を抑制することができる。
【0087】
[実施形態8]
次に、実施形態8に係るコンバイン1を
図17に基づいて説明する。
図17は、実施形態8に係るコンバインの動力伝達機構の一部を模式的に示す模式図である。なお、
図17において、実施形態1及び実施形態7と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0088】
実施形態8では、コンバイン1は、
図17に示すように、刈取装置5の搬送装置56からフィードチェーン96即ち脱穀部7に穀稈を受け渡す2本のシンクロチェーン150,155を備えている。そして、実施形態8では、駆動軸125に設けられたプーリ151と、一方のシンクロチェーン(第1シンクロチェーン)150の駆動スプロケット152と一体に回転するプーリ153と、プーリ151,153間に掛け渡される無端ベルト154と、一方のシンクロチェーン150の従動スプロケット156に連結された歯車158と、他方のシンクロチェーン(第2シンクロチェーン)155の駆動スプロケット157とを連結されかつ歯車158に噛み合う歯車159を備えている。さらに、一方のシンクロチェーン(第1シンクロチェーン)150は、フィードチェーン96の前端部の側方に偏倚した位置に設けられている。他方のシンクロチェーン155は、フィードチェーン96の前方に設けられている。実施形態8では、油圧式無段変速機112の駆動スプロケット94を回転させる駆動力を出力する出力軸112bは、ギヤボックス122及び駆動軸125などを介して、2本のシンクロチェーン150,155を回転させる駆動力を出力する。
【0089】
実施形態8に係るコンバイン1によれば、油圧式無段変速機112の出力軸112bが2本のシンクロチェーン150,155を回転する駆動力を出力するので、フィードチェーン96の回転速度と2本のシンクロチェーン150,155の回転速度を連動させることができる。したがって、シンクロチェーン150,155の回転数を変更するためのベルト式無段変速機を抑制することができる。
【0090】
[実施形態9]
次に、実施形態9に係るコンバイン1を
図18に基づいて説明する。
図18は、実施形態9に係るコンバインのカップリングギヤと駆動スプロケットなどを示す断面図である。なお、
図18において、実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0091】
実施形態9では、
図18に示すように、カップリングギヤ126の外径は、駆動軸125を収容する収容筒128の外径よりも小さく形成されている。また、実施形態9では、駆動スプロケット94は、カップリングギヤ126に接続された状態において、収容筒128の一部としての先端を内側に収容する収容部160が設けられている。そして、収容部160が、収容筒128の先端を内側に収容すると、駆動スプロケット94と収容筒128との間の隙間が無くなる(殆ど、無くなる)。実施形態9では、収容筒128の先端とカップリングギヤ126との間には、異物侵入防止用の環状のカバー部材129を設けていない。
【0092】
実施形態9に係るコンバイン1によれば、カップリングギヤ126の外径を収容筒128の外径よりも小さくして、駆動スプロケット94に収容筒128の先端を収容する収容部160を設けているので、駆動スプロケット94を駆動軸125に取り付けると、収容部160が収容筒128の先端を収容する。したがって、駆動スプロケット94を駆動軸125に取り付けると、駆動スプロケット94と収容筒128との間の隙間を抑制でき、当該隙間を覆うカバー部材などを設けることなく、ゴミなどが侵入することを抑制できる。
【0093】
このように、本発明は、複数の伝達プーリ137a,137bの全てを入力軸112aに設けて、フィードチェーン96の下側通部96a及び下側チェーンレール92を直線状にしても良く、複数の伝達プーリ137a,137bの一部を入力軸112aに設け、他を駆動軸125に設けて、フィードチェーン96の下側通部96a及び下側チェーンレール92を直線状にしても良く、複数の伝達プーリ137a,137bの全てを駆動軸125に設けて、フィードチェーン96の下側通部96a及び下側チェーンレール92を直線状にしても良い。
【0094】
なお、上述した本発明の実施形態に係るコンバインは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。