(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に記載された構造の場合、外摩擦板及び内摩擦板の冷却に使用され高温になった油がモータのロータを保持するロータハブまで導かれるため、ロータハブ及びロータの温度が高くなる可能性がある。例えば、ロータが磁石により構成される場合、温度上昇により磁石の減磁が起こりモータの性能が低下する可能性がある。
【0006】
そこで本発明は、クラッチが回転電機の径方向内方内側に配置される構造で、装置の軸方向寸法を短くしつつ、ロータハブ及びロータの温度上昇を抑制できるハイブリッド駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るハイブリッド駆動装置(1)は(例えば
図1及び
図2参照)、
ステータ(5)と、前記ステータ(5)の内周側に配置され変速機構(7)に駆動伝達可能なロータ(4)と、前記ロータ(4)を保持するロータハブ(51)と、を有する回転電機(3)と、
外摩擦板(19)と、内摩擦板(17)と、前記外摩擦板(19)に係合するドラム部(42)と、を有し、前記外摩擦板(19)と前記内摩擦板(17)との係合又は解放により内燃エンジン(2)と前記変速機構(7)とを駆動連結自在で、前記回転電機(3)の径方向内側に、径方向から見て少なくとも前記ロータ(4)の一部と重なるように配置されるクラッチ(K0)と、
前記クラッチ(K0)と前記回転電機(3)とを収容するハウジング(26)と、
前記クラッチ(K0)の径方向内側から前記クラッチ(K0)に向けて油を供給する油孔(a23)と、
前記ロータハブ(51)の径方向内側かつ前記クラッチの径方向外側に、前記ロータハブ(51)との間に少なくとも周方向の一部に隙間(63)を設けて配置された
円筒状の円環部(61)を有する仕切り部材(60)と、を備え、
前記外摩擦板(19)及び前記内摩擦板(17)は、前記ハウジング(26)の内方空間(S1)に対して非油密状に開放されており、
前記ハウジング(26)は、前記ステータ(5)に対して軸方向一方側で、径方向内側へ向けて形成された壁状部(26b)を有し、
前記仕切り部材(60)は、前記円環部(61)に対して前記軸方向一方側で、前記壁状部(26b)の径方向内側に配置されたつば部(62b)を有し、
前記クラッチ(K0)から径方向外方に排出された油は、前記仕切り部材(60)
の前記円環部(61)から前記つば部(62b)に伝わり、前記壁状部(26b)の前記軸方向一方側を介して前記ハウジング(26)の内壁
に伝わって、前記ハウジング(26)から排出された油を貯留する貯留部へ回収されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るハイブリッド駆動装置(1)は(例えば
図1及び
図2参照)、前記ロータハブ(51)と前記仕切り部材(60)との間の前記隙間(63)は、油が到達しないドライ空間であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るハイブリッド駆動装置(1)は(例えば
図1及び
図2参照)、前記ロータ(4)は、積層鋼板と磁石とを有し、前記積層鋼板の少なくとも一部が前記ロータハブ(51)と隙間なく接するように、前記ロータハブ(51)に保持されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るハイブリッド駆動装置(1)は(例えば
図1及び
図2参照)、前記ドラム部(42)は、径方向に貫通する貫通孔(42a)を有し、前記仕切り部材(60)
の前記円環部(61)は、前記ドラム部(42)の前記貫通孔(42a)の外周を覆
い、
前記仕切り部材(60)は、前記円環部(61)の外周面の周方向複数個所に径方向外方に突出するように設けられ、前記ロータハブ(51)の内周面と当接することで、前記仕切り部材(60)と前記ロータハブ(51)との間に前記隙間(63)を形成する凸部(61b
)を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るハイブリッド駆動装置(1)は(例えば
図1及び
図2参照)、前記隙間(63)は、前記凸部(61b)よりも前記円環部(61)と前記ロータハブ(51)との間の周方向に占める割合が多いことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るハイブリッド駆動装置(1)は(例えば
図1及び
図2参照)、前記仕切り部材(60)の前記ロータハブ(51)に対する軸方向の位置決めを行うスナップリング(56)を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るハイブリッド駆動装置(1)は(例えば
図1及び
図2参照)、前記仕切り部材(60)が、樹脂により形成されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るハイブリッド駆動装置(1)は(例えば
図1及び
図2参照)、前記クラッチ(K0)が、前記内燃エンジン(2)による車両の発進時に、前記外摩擦板(19)と前記内摩擦板(17)とがスリップされる、ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るハイブリッド駆動装置(1)は(例えば
図1及び
図2参照)、前記ロータハブ(51)は、前記ロータ(4)を保持するロータ保持部(51d)を有し、
前記ロータ保持部(51d)には、それぞれ径方向内側に向かって伸びる2つの壁部材(51a、51e、55)が設けられ、
前記クラッチ(K0)は、前記2つの壁部材(51a、51e、55)と前記ロータ保持部(51d)とで囲まれた空間に配置され、
前記仕切り部材(60)は
、前記円環部(61)の
前記軸方向一方側の端部から径方向外側に伸び
、前記つば部(62b)を支持する板状の円輪部(62)
を有し、前記円輪部(62)が前記ロータ保持部(51d)の
前記軸方向一方側でスナップリング(56)によって前記ロータ保持部(51d)と前記壁部材の一方(55)とに挟まれることで固定されると共に、前記円環部(61)の他端部が前記壁部材の他方(51e)と当接し、
前記壁部材の一方(55)は、前記ドラム部(42)よりも径方向外側に孔(55b)が形成されている、ことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係るハイブリッド駆動装置(1)は(例えば
図1及び
図2参照)、前記ロータハブ(51)は、前記ロータ(4)を保持するロータ保持部(51d)を有し、
前記ロータ保持部(51d)には、それぞれ径方向内側に向かって伸びる2つの壁部材(51a、51e、55)が設けられ、
前記クラッチ(K0)は、前記2つの壁部材(51a、51e、55)と前記ロータ保持部(51d)とで囲まれた空間に配置され、
前記2つの壁部材のうちの
前記軸方向一方
側の壁部材(55)は、前記変速機構(7)側に配置され、前記
回転電機(3)の動力を前記変速機構(7)に伝達し、前記ドラム部よりも径方向外側に孔が形成されており、
軸方向他方
側の壁部材(51a、51e)は、前記内燃エンジン(2)側に配置され、前記ロータ保持部(51d)を介して前記ロータ(4)を支持することを特徴とする。
【0017】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る本発明によると、クラッチが回転電機の径方向内方内側に、径方向から見て少なくともロータの一部と重なるように配置されているため、装置の軸方向寸法を短くできる。また、ロータハブの径方向内側に、ロータハブとの間に少なくとも周方向の一部に隙間を設けて配置された仕切り部材を有するため、クラッチの冷却に使用され高温になった油は、仕切り部材によりロータハブに導かれることを抑制される。このため、クラッチが回転電機の径方向内方内側に配置される構造であっても、ロータハブ及びロータの温度上昇を抑制できる
【0019】
請求項2に係る本発明によると、仕切り部材とロータハブとの間の隙間は、油が到達しないドライ空間であるため、この隙間の空気層により仕切り部材からロータハブへの熱伝導が抑制され、ロータハブ及びロータの温度上昇をより抑制できる。また、隙間にはクラッチを冷却した高温の油が流れ込まないため、ロータハブの温度上昇をより抑制できる。
【0020】
請求項3に係る本発明によると、仕切り部材を設けてロータハブの温度上昇を抑制しているため、ロータの積層鋼板の少なくとも一部がロータハブと隙間なく接する構成であっても、ロータの磁石の温度上昇も抑制でき、延いてはモータの温度上昇による性能の低下を抑制できる。
【0021】
請求項4に係る本発明によると、ドラム部が径方向に貫通する貫通孔を有する構成で、仕切り部材が、ドラム部の貫通孔の外周を覆う円筒状の円環部を有しているため、クラッチを冷却した油が貫通孔から排出されても仕切り部材によりロータハブに導かれることを抑制される。また、円環部の外周面に設けた凸部をロータハブの内周面に当接させるようにしているため、簡単な構成で確実に仕切り部材とロータハブとの間に隙間を形成できる。
【0022】
請求項5に係る本発明によると、隙間は、凸部よりも円環部とロータハブとの間の周方向に占める割合が多いため、仕切り部材からロータハブへの熱伝導がより抑制される。
【0023】
請求項6に係る本発明によると、スナップリングを用いているため、仕切り部材の軸方向の位置決めを簡単な構成で確実に行える。
【0024】
請求項7に係る本発明によると、仕切り部材が比較的熱伝導率の低い樹脂により形成されるため、ロータハブへの熱伝導が抑制され、ロータハブ及びロータの温度上昇をより抑制できる。
【0025】
請求項8に係る本発明によると、スリップにより高温になったクラッチの冷却に使用された潤滑油がロータハブに導かれることを抑制できるため、ロータハブ及びロータの温度上昇をより効果的に抑制できる。
【0026】
請求項9に係る本発明によると、クラッチの径方向内側から2つの壁部材とロータ保持部とで囲まれた空間に向けて供給された油が、クラッチを冷却して、仕切り部材に当たり、一方の壁部材
に形成された孔から排出されるため、クラッチの冷却性能を確保しつつ、ロータハブ及びロータの温度上昇をより抑制できる。
【0027】
請求項10に係る本発明によると、ロータを支持しない一方の壁部材に孔が形成されているため、クラッチを冷却した油がこの孔から排出されてもロータ保持部に当たりにくくでき、ロータハブ及びロータの温度上昇をより抑制できる。さらに、変速機構側に配置され、モータの動力を変速機構に伝達する壁部材と、内燃エンジン側に配置され、ロータ保持部を介してロータを支持する壁部材によってクラッチが囲まれた空間に配置された場合でも、一方の壁部材に形成された、ドラム部よりも径方向外側の孔を介して油を排出することができ、クラッチを冷却した高温の油がロータ保持部の内側に留まり熱がこもる事を抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1を
図1及び
図2に沿って説明する。なお、本実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)タイプの車両に搭載されて好適なものであり、図中における左右方向は実際の車両搭載状態における左右方向に対応するが、説明の便宜上、エンジン等の駆動源側を「前方側」、駆動源とは反対側を「後方側」というものとする。また、駆動連結とは、互いの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、それら回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いはそれら回転要素がクラッチ等を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む概念として用いる。
【0030】
[ハイブリッド駆動装置の概略構成]
図1に示すように、ハイブリッド車両(以下、単に「車両」という)100は、駆動源として、内燃エンジン2の他に、回転電機としてのモータ・ジェネレータ(以下、単に「モータ」と言い)3を有しており、この車両100のパワートレーンを構成するハイブリッド駆動装置1は、内燃エンジン2と車輪6との間の動力の伝達経路L上に設けられる変速機構7と、該変速機構7と内燃エンジン2との間に配置され、内燃エンジン2からの動力が入力される入力部9と、内燃エンジン2の脈動を吸収しつつ入力部9と該内燃エンジン2とを接続する接続部14と、を有して構成されている。
【0031】
上記接続部14には、内燃エンジン2のクランク軸2aにドライブプレート11を介して接続されるダンパ12が備えられており、該ダンパ12は、入力部9としての入力部材でもあるエンジン連結軸(エンジン連結軸部材)13に接続されている。つまりエンジン連結軸13は、ダンパ12を介して内燃エンジン2に駆動連結されていることになる。
【0032】
上記入力部9は、エンジン連結軸13と変速機構7の入力軸15との間の動力伝達を断接するクラッチ(エンジン接続用クラッチ)K0と、クラッチドラム50に駆動連結されたモータ3と、を備えて構成されている。該モータ3は、該クラッチドラム50に連結されたロータ4と、該ロータ4の径方向外側に対向配置されたステータ5と、を有して構成されている。そして、モータ3は、少なくとも変速機構7に駆動伝達可能としている。
【0033】
また、上記クラッチK0は、複数の外摩擦板19と、複数の内摩擦板17と、外摩擦板19に係合するクラッチドラム50と、内摩擦板17に係合するクラッチハブ49とを有する多板クラッチによって構成されており、クラッチドラム50は、上記変速機構7の入力軸(入力軸部材)15と一体に回転するように、クラッチハブ49は、上記エンジン連結軸13と一体に回転するように、それぞれ連結されている。即ち、クラッチK0は、上記伝達経路Lの内燃エンジン側の伝達経路L
1に駆動連結される内摩擦板17と、車輪側の伝達経路L
2に駆動連結される外摩擦板19とを有している。したがって、クラッチK0は、外摩擦板19と内摩擦板17との係合又は解放により内燃エンジン2と変速機構7とを駆動連結自在である。
【0034】
変速機構7は、例えば複数の摩擦係合要素(クラッチやブレーキ)の係合状態に基づき伝達経路を変更して前進6速段及び後進段を達成し得る変速機構からなる。変速機構7の出力部材は、ディファレンシャル装置Dを介して駆動車輪6に接続されている。なお、変速機構7としては、例えば前進3〜5速段や前進7速段以上を達成する有段変速機構であってもよく、また、ベルト式無段変速機、トロイダル式無段変速機、コーンリング式無段変速機などの無段変速機構であってもよく、つまりどのような変速機構であっても本発明を適用し得る。
【0035】
以上のように、ハイブリッド駆動装置1は、内燃エンジン2側から車輪6側に向かって、接続部14、クラッチK0及びモータ3を有する入力部9、変速機構7が順次配置されており、内燃エンジン2及びモータ3の両方を駆動させて車両を走行させる場合には、制御部(ECU)20によって油圧制御装置21を制御してクラッチK0を係合させ、車輪側の伝達経路L
2に駆動連結されたモータ3の駆動力だけで走行するEV走行時には、クラッチK0を解放して、内燃エンジン2側の伝達経路L
1と車輪6側の伝達経路L
2とを切り離すようになっている。また、クラッチK0は、内燃エンジン2による車両の発進時には、外摩擦板19と内摩擦板17とがスリップされる。特に、クリープ走行時などには、長時間スリップされる場合がある。
【0036】
[入力部の構成]
ついで、入力部9の構成について
図2に沿って詳細に説明する。
図2に示すように、変速機構7を収納するミッションケースに固定されたハウジングケース26の内部には、クラッチK0及びモータ3が収納されており、これらクラッチK0及びモータ3が収納されたハウジングケース26の内包空間S1は、該ハウジングケース26に一体に取り付けられた隔壁によって上記接続部14と仕切られ、閉空間を構成している。
【0037】
また、上記ハウジングケース26の中心側には、上記接続部14のダンパ12を介して内燃エンジン2に接続されるエンジン連結軸13と、変速機構7の入力軸15と、が軸心を一致するようにして配置されており、このエンジン連結軸13は、上記隔壁に対して回転自在に支持されている。また、一方の入力軸15は、上記ミッションケースに固定された隔壁24に対して、スリーブ部材25を介してニードルベアリングb1によって回転自在に支持されている。
【0038】
上記エンジン連結軸13の変速機構7側である後端部には、フランジ部13aが形成されており、該フランジ部13aには、クラッチK0の複数の内摩擦板17がスプライン係合するクラッチハブ49が固着されている。つまり内摩擦板17は、エンジン連結軸13に駆動連結されている。
【0039】
クラッチK0は、大まかに、上記複数の内摩擦板17と、それら内摩擦板17と交互に配置される外摩擦板19と、外摩擦板19がスプライン係合するクラッチドラム50と、上記クラッチハブ49と、それら内摩擦板17と外摩擦板19とを係脱(係合又は解放)する油圧サーボ40と、を有して構成されている。外摩擦板19と内摩擦板17とのうちの少なくとも一部は、径方向から見てモータ3のロータ4と重なるように位置する。クラッチドラム50は、入力軸15に駆動連結されたシリンダ部41と、該シリンダ部41のフランジ部41bの外周側に形成され、内側に上記複数の外摩擦板19がスプライン係合されたドラム部42と、を有する。即ち、クラッチドラム50は、シリンダ部41とドラム部42とで一体に構成されており、外摩擦板19は、ドラム部42及びシリンダ部41を介して入力軸15に駆動連結されている。なお、シリンダ部41は、そのボス部41aが、エンジン連結軸13のフランジ部13aと隔壁24との間にあって、スラストベアリングb3、b4によって軸方向に対して回転自在に位置決めされている。
【0040】
油圧サーボ40は、その油圧シリンダを構成する上記シリンダ部41と、シリンダ部41に対して軸方向に移動自在に配置されると共に先端部が外摩擦板19(又は内摩擦板17)に対向配置されるピストン43と、シリンダ部41のボス部41aに対してスナップリング48で位置決めされたリターンプレート44と、これらピストン43及びリターンプレート44との間に縮設されたリターンスプリング45と、を有しており、シリンダ部41とピストン43との間に作動油室46を形成すると共に、ピストン43とリターンプレート44との間に遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル油室47が形成されている。
【0041】
一方、クラッチK0の外周側にあって、ハウジングケース26の内周側にはモータ3の円環状のステータ5が固定されている。該ステータ5は、ステータコア5aと、該ステータコア5aに巻回されたコイルの折り返し部分であって、該ステータコア5aの軸方向両側に突出したコイルエンド5b、5bとを有する形で構成されている。ステータコア5aの内周側には、モータ3の円環状のロータ4が所定隙間を存して対向配置されている。
【0042】
上記ドラム部42には、クランク状に形成された連結部材55(一方の壁部材)を介して、該ロータ4を保持するロータハブ51が固定されている。連結部材55は、内径側部分がシリンダ部41のフランジ部41bに溶接により固定され、外径側部分を櫛歯状に形成された櫛歯部55aとしている。櫛歯部55aには、円周方向複数個所に軸方向に貫通する複数の切欠(孔)55bが形成されている。複数の切欠55bは、連結部材55の径方向外端部から、ドラム部42とロータハブ51との間で、後述する仕切り部材60が配置される空間と軸方向に隣接する部分まで形成されている。言い換えれば、切欠55bは、ドラム部42よりも径方向外側に形成されている。
【0043】
ロータハブ51の櫛歯部55aに対向する部分には、櫛歯部55aの複数の切欠55bにそれぞれ係合する複数の突起部51cを形成している。そして、連結部材55の切欠55bと突起部51cとが係合した状態で、突起部51cの内周側に形成された切欠にスナップリング56を嵌めることで、連結部材55及びドラム部42のロータハブ51に対する軸方向の位置決めを図ると共に、連結部材55及びドラム部42とロータハブ51とが駆動連結される。したがって、モータ3は、ロータハブ51、連結部材55、シリンダ部41を介して入力軸15に駆動連結される。
【0044】
ロータ4を保持するロータハブ51は、ロータ4のロータコア4aをカシメて挟持するドラム状の挟持部(ロータ保持部)51bと、該挟持部51bを支持するフランジ状の支持部(他方の壁部材)51aと、該支持部51aの内周側に接続されたスリーブ状のスリーブ部51dとを有して構成されており、これら挟持部51bと支持部51aとの間、支持部51aとスリーブ部51dとの間は、それぞれ溶接されて一体のロータハブ51を構成している。2つの壁部材である支持部51a及び連結部材55は、ロータ保持部である挟持部51bにそれぞれ径方向内側に伸びるように設けられ、ドラム部42、外摩擦板19及び内摩擦板17は、支持部51a及び連結部材55と挟持部51bとで囲まれた空間に配置される。ここで、一方の壁部材である連結部材55は、変速機構7側に配置され、上述のようにロータハブ51に連結されることで、モータ3の動力を変速機構7に伝達する。また、他方の壁部材である支持部51a及び後述する接続部51eは、内燃エンジン2側に配置され、挟持部51bを介してロータ4を支持する。スリーブ部51dは、ハウジングケース26に一体に取り付けられた隔壁に対して回転自在に支持されると共に、エンジン連結軸13のフランジ部13aに溶接されたクラッチハブ49との間に設けられたスラストベアリングb2によって、軸方向に対しても支持されている。なお、エンジン連結軸13のフランジ部13aと上記シリンダ部41のボス部41aとの間にはスラストベアリングb3が設けられており、該エンジン連結軸13及び該シリンダ部41の軸方向位置も位置決め支持されている。
【0045】
また、エンジン連結軸13とロータハブ51のスリーブ部51dとの間には、不図示のオイルポンプに駆動連結されるポンプ駆動軸80が配置されている。ポンプ駆動軸80は、第1ワンウェイクラッチF1及び第2ワンウェイクラッチF2を介してエンジン連結軸13(つまりエンジン2)又はロータハブ51(モータ3)の回転数が高い方に連結可能に配置されている。
【0046】
即ち、ポンプ駆動軸80とエンジン連結軸13との間には、第1ワンウェイクラッチF1が配設されており、ポンプ駆動軸80とロータハブ51との間には、第2ワンウェイクラッチF2が配設されている。そして、ポンプ駆動軸80の回転よりエンジン連結軸13(つまり内燃エンジン2)の回転が低くなった際に第1ワンウェイクラッチF1が非係合となり、ポンプ駆動軸80の回転がエンジン連結軸13と同回転となると係合し、オイルポンプが内燃エンジン2に駆動連結されて該内燃エンジン2の駆動力により駆動される。一方、ポンプ駆動軸80の回転よりロータハブ51(つまりモータ3)の回転が低くなった際に第2ワンウェイクラッチF2が非係合となり、ポンプ駆動軸80の回転がロータハブ51と同回転となると係合し、オイルポンプがモータ3に駆動連結されて該モータ3の駆動力により駆動される。
【0047】
つまり、オイルポンプは、クラッチK0よりも内燃エンジン2側の伝達経路L
1に駆動連結可能に配置されていると共に、クラッチK0よりも変速機構7側の伝達経路L
2にも駆動連結可能に配置されていることになる(
図1参照)。また、クラッチK0が係合した場合は、伝達経路L
1及び伝達経路L
2が駆動連結されるため、内燃エンジン2とモータ3とが同回転となると共に、その回転でオイルポンプが駆動されることになる。
【0048】
このようにエンジン連結軸13に第1ワンウェイクラッチF1を介して駆動連結される、或いはロータハブ51に第2ワンウェイクラッチF2を介して駆動連結されるオイルポンプは、EV走行中にあって、モータ3の駆動力によって、或いはコースト状態(エンジンブレーキ時)にあっては変速機構7を介して車両の慣性力によって駆動され、ハイブリッド走行中にあっては、モータ3や内燃エンジン2の駆動力によって、或いはコースト状態(エンジンブレーキ時)にあっては変速機構7を介して車両の慣性力によって駆動される。
【0049】
そして、オイルポンプは、車両停止中からクラッチK0をスリップ係合しつつ内燃エンジン2の駆動力で車両を発進させる際には、クラッチK0の係合前(即ち車両停止中)から第1ワンウェイクラッチF1が係合されるため、内燃エンジン2の駆動力によって駆動される。このようにオイルポンプが駆動されると、車両停止中であっても油圧を発生させて、隔壁に形成された油路等を通って、油圧制御装置21に油圧を供給する。なお、通常の車両停止中(特に充電が不要な場合など)は、図示を省略した電動オイルポンプによって油圧制御装置21に必要な分の油圧を供給することになる。
【0050】
従って、内燃エンジン2の駆動力で車両を発進させる際には、上述した不図示の電動オイルポンプの油圧だけでなく、上述のように駆動されるオイルポンプからの油圧も加えられるため、発進時にスリップ係合される状態で多量に必要となる潤滑油を供給するための潤滑圧を、電動オイルポンプだけでなく、上述のオイルポンプからも発生することが可能となる。
【0051】
ついで、本入力部9における各種の油路構造について説明する。
図2に示すように、制御部20の指令に基づき油圧制御装置21から隔壁24を通って供給されるクラッチK0の係合圧は、隔壁24の油路a11を通り、クラッチドラムのシリンダ部41の油路a12を介して油圧サーボ40の作動油室46に供給される。作動油室46に係合圧が供給されると、ピストン43がリターンスプリング45の付勢力に抗して軸方向前方側に移動し、内摩擦板17及び外摩擦板19を係合させる。これにより、内燃エンジン2と変速機構7とが駆動連結され、車両100は、内燃エンジン2及びモータ3の駆動力を用いて走行し得るハイブリッド走行状態となる。
【0052】
反対に、制御部20の指令に基づき油圧制御装置21によって作動油室46から係合圧が排出(ドレーン)されると、ピストン43がリターンスプリング45の付勢力に基づき軸方向後方側に移動し、内摩擦板17及び外摩擦板19を解放させる。これにより、内燃エンジン2と変速機構7とは切り離され、車両100は、モータ3の駆動力だけを用いて走行し得るEV走行状態となる。
【0053】
一方、図示を省略した部分において、隔壁24からスリーブ部材25を介して入力軸15に軸方向に形成された油路a21に、クラッチK0を潤滑するための潤滑油が供給される。油路a21は、入力軸15のエンジン2側の端部が閉塞されている。該油路a21は、入力軸15に貫通形成された放射方向の油路a22を介して、上記シリンダ部41の油孔a23に連通している。したがって、油路a22から飛散される潤滑油は、油孔23aを介してクラッチハブ49の内径側に導かれる。即ち、油孔a23により、クラッチK0の径方向内側からクラッチK0に油が供給される。
【0054】
クラッチハブ49には、径方向に貫通する貫通孔49aが形成されている。また、クラッチK0のクラッチドラムのドラム部42は、軸方向のエンジン2側に開放されており、かつドラム部42には、径方向視で外摩擦板19と少なくとも一部が重なる位置に、径方向に貫通する貫通孔42aが形成されている。このため、クラッチハブ49の内径側に導かれた潤滑油は、クラッチハブ49の貫通孔49aを通って、内摩擦板17及び外摩擦板19に導かれる。そして、クラッチハブ49の貫通孔49aから流れてきた潤滑油は、内摩擦板17及び外摩擦板19の間を通って潤滑・冷却し、ドラム部42の貫通孔42aから径方向外方に排出され、後述する仕切り部材60及びハウジングケース26の内壁を伝わって不図示のオイルパンに回収される。
【0055】
つまり、クラッチK0は、内摩擦板17及び外摩擦板19が油密状にされることなく(非油密状)、ハウジングケース26に対して大気開放されて、それら内摩擦板17及び外摩擦板19が空気中に配設された湿式多板クラッチということになる。なお、ハウジングケース26には、後述するコイルエンド5bを囲う壁状部26bが形成されており、クラッチK0を冷却した潤滑油が直接的にコイルエンド5bにかかることの防止が図られている。
【0056】
一方、図示を省略した部分において、隔壁24からスリーブ部材25を介して入力軸15に軸方向に油路a21と平行に形成された油路a31に、モータ3を潤滑するための潤滑油が供給される。油路a31は、入力軸15のエンジン2側の端部が開放されており、エンジン連結軸13の油路a32を介して、放射方向に貫通形成された油路a33を介してポンプ駆動軸80の内周側に排出される。油路a33から排出された潤滑油は、ロータハブ51の内側に導かれる。そして、ロータハブ51の内側に導かれた潤滑油は、ロータハブ51に形成された油路a34を通って、油路a35によって軸方向に振り分けられ、それぞれ油路a36、a37から両コイルエンド5b、5bに供給され、これによってモータ3を冷却する。
【0057】
本実施形態では、上述のように内摩擦板17及び外摩擦板19の冷却に使用され、ドラム部42に形成された貫通孔42aを通って径方向外方に排出された潤滑油が、モータ3のロータ4を保持するロータハブ51にかからないように、ロータハブ51とドラム部42を仕切る仕切り部材60を配置している。仕切り部材60は、軸方向に伸びる円筒状の円環部61と円環部61の一端部から径方向外方に折り曲げられた(径方向外側に伸びる)板状の円輪部62とから形成され、熱伝導率の低い樹脂により形成される。このような仕切り部材60の円環部61は、ロータハブ51の径方向内側にロータハブ51との間に少なくとも周方向一部に隙間63を設けて配置され、円輪部62は、挟持部51bの軸方向一方側で、ロータハブ51とシリンダ部41とを連結する連結部材55及びスナップリング56を介して、ロータハブ51に固定される。
【0058】
即ち、仕切り部材60の円輪部62には、ロータハブ51に設けられた複数の突起部51cを挿通可能な複数の挿通孔62aが形成されている。そして、円輪部62の複数の挿通孔62aを複数の突起部51cを挿通させた状態で、円輪部62をロータハブ51に当接させる。更に、連結部材55を、その櫛歯部55aを複数の突起部51cに係合させつつ円輪部62に当接させ、円輪部62を連結部材55とロータハブ51とで挟持する。この状態で、複数の突起部51cの内周側に形成された切欠にスナップリング56を嵌めることで、円輪部62を連結部材55を介してスナップリング56とロータハブ51との間で挟持固定して、仕切り部材60のロータハブ51に対する軸方向の位置決めが行われる。
【0059】
なお、仕切り部材60の円環部61の他端部には、径方向内方に折り曲げられた折り曲げ部61aが形成されており、上述のように仕切り部材60がロータハブ51に固定された状態で、折り曲げ部61aがロータハブ51の内径側部分に形成され、支持部51aに接続される接続部51e(他方の壁部材)の側面に当接させる。これにより、仕切り部材60は、接続部51eとスナップリング56との間に挟まれ、より確実に軸方向の位置決めが図られる。また、仕切り部材60まで達した潤滑油が、接続部51e側から仕切り部材60の外側に行きにくくしている。この結果、仕切り部材60の円環部61により、少なくともドラム部42の貫通孔42aの外側が覆われると共に、ロータハブ51とドラム部42との互いに対向する周面同士の間が仕切られる。
【0060】
また、円輪部62の外径側には、軸方向に突出し、リブ62cに補強されたつば部62bが形成されている。つば部62bは、ステータ5のコイルエンド5bの内径側を覆い、上述のハウジングケース26に形成された壁状部26bと共に、クラッチK0を冷却した潤滑油が直接的にコイルエンド5bにかかることの防止を図る。
【0061】
更に、仕切り部材60は、円環部61の外周面の周方向複数個所に径方向外方に突出するように形成された凸部61bを有する。複数の凸部61bは、例えば、円環部61の周方向3個所以上に等間隔に形成されている。そして、複数の凸部61bがモータ3を構成するロータハブ51の内周面と当接することで、仕切り部材60の円環部61とロータハブ51との間に上述の隙間63を形成する。本実施形態では、隙間63は、凸部61bよりも円環部61とロータハブ51との間の周方向に占める割合を多くしている。また、仕切り部材60の円環部61は、ドラム部42との間にも隙間64を設けて配置されている。
【0062】
上述のように内摩擦板17及び外摩擦板19の冷却に使用され、ドラム部42に形成された貫通孔42aを通って径方向外方に排出された潤滑油は、仕切り部材60に当たり、隙間64を通って連結部材55の複数の切欠55bから排出される。複数の切欠55bから排出された潤滑油は、つば部62bや壁状部26b、ハウジングケース26の内壁を伝わって不図示のオイルパンに回収される。したがって、仕切り部材60の円環部61とロータハブ51との間の隙間63は、油が到達しないドライ空間となる。
【0063】
本実施形態の場合、上述のように、クラッチK0がモータ3の径方向内側に配置されるため、装置の軸方向寸法を短くできる。また、ドラム部42に貫通孔42aが形成されているため、外摩擦板19及び内摩擦板17に供給された潤滑油がこの貫通孔42aから排出される。このため、外摩擦板19及び内摩擦板17を効率良く冷却させられる。
【0064】
上述のように、外摩擦板19及び内摩擦板17の冷却に使用され高温になった潤滑油はドラム部42の貫通孔42aから排出されるが、本実施形態の場合、モータ3のロータハブ51とドラム部42との間を仕切る仕切り部材60を有するため、この仕切り部材60により高温の潤滑油がロータハブ51に導かれることを抑制できる。このため、クラッチK0がモータ3の径方向内方内側に配置され、外摩擦板19及び内摩擦板17(クラッチK0)を冷却した油がドラム部42の貫通孔42aから排出される構造であっても、ロータハブ51及びロータ4の温度上昇を抑制できる。
【0065】
特に、モータ3を構成するロータ4が磁石により構成される場合、温度上昇により磁石の減磁が起こりモータ3の性能が低下する可能性があるが、本実施形態では、ロータ4を支持するロータハブ51の内径側に仕切り部材60を配置しているため、ロータハブ51及びロータ4の温度上昇が抑えられ、ロータ4の温度上昇によるモータ3の性能の低下を抑制できる。即ち、ロータ4は、積層鋼板と磁石とを有し、積層鋼板の少なくとも一部がロータハブ51と隙間なく接するように、ロータハブ51に保持されている。このため、ロータハブ51が温度上昇すると、このロータハブ51と隙間なく接する積層鋼板を介して磁石も温度上昇してしまい、モータ3の性能が低下してしまう。これに対して本実施形態では、上述のように仕切り部材60を設けてロータハブ51の温度上昇を抑制しているため、ロータ4の磁石の温度上昇も抑制でき、延いてはモータ3の温度上昇による性能の低下を抑制できる。なお、本実施形態では、ロータハブ51に油路a35が形成され、油路a35が存在している箇所では、ロータ4の積層鋼板とロータハブ51と接しない。このため、積層鋼板の内周面のうちの油路a35から外れた部分とロータハブ51の外周面とが隙間なく接する。
【0066】
また、本実施形態の場合、仕切り部材60とロータハブ51との間に隙間63が存在するため、この隙間63の空気層により仕切り部材60からロータハブ51への熱伝導が抑制される。また、隙間63がドライ空間であり、クラッチK0を冷却した高温の油が流れ込まないため、ロータハブ51の温度上昇をより抑制できる。更に、仕切り部材60が比較的熱伝導率の低い樹脂により形成されるため、ロータハブ51への熱伝導がより抑制される。
【0067】
また、本実施形態の場合、仕切り部材60の外周面に設けた凸部61bをモータ3のロータハブ51の内周面に当接させるようにしているため、仕切り部材60とロータハブ51との径方向の位置決めを簡単な構成で確実に行え、仕切り部材60とロータハブ51との間に隙間63を容易に形成できる。なお、ロータハブ51に設けた突起部51cと仕切り部材60の円輪部62に設けた挿通孔62aとを隙間なく嵌合させることなどにより、上述のような凸部61bを設けることなく上記隙間63を形成することもできる。
【0068】
また、仕切り部材60の軸方向の位置決めは、スナップリング56により行うため、仕切り部材60の軸方向の位置決めを簡単な構成で確実に行える。ここで、仕切り部材60をロータハブ51に溶接により固定することも考えられるが、溶接を行うとロータハブ51に歪みが生じ、ロータ4とステータ5との間のエアギャップが変化してしまう可能性がある。このエアギャップは、モータ3の性能を高くすべく厳密に規制されるため、上述のように変化が生じてしまうことは好ましくない。これに対して本実施形態の場合は、スナップリング56を用いることで、ロータハブ51に歪みを生じさせることなく仕切り部材60の固定を行えるため、モータ3の性能を低下させることはない。
【0069】
更に本実施形態の場合、モータ3の径方向内側に配置されるクラッチK0は、内燃エンジン2による車両の発進時に、外摩擦板19と内摩擦板17とがスリップされるものである。特に、クリープ走行時などにはクラッチを長時間スリップさせる場合がある。したがって、スリップにより高温になった外摩擦板及び内摩擦板の冷却に使用された潤滑油は、より高温になってしまう。但し、本実施形態では、上述のように仕切り部材60を設けることで、より高温の潤滑油がロータハブ51に導かれることを抑制できるため、モータ3の温度上昇をより効果的に抑制できる。
【0070】
なお、上述の説明では、外摩擦板19が係合するドラム部42がモータ3に、内摩擦板17が係合するクラッチハブ49が内燃エンジン2に、それぞれ駆動連結されているが、外摩擦板19が係合するドラム部42を内燃エンジン2に、内摩擦板17が係合するクラッチハブ49をモータ3に、それぞれ駆動連結した構成であっても、本発明を適用可能である。
【0071】
また、仕切り部材60をロータハブ51に固定する構成は、上述の構成に限らず、例えば、ボルトなどの他の締結手段を用いた構成としても良い。