(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の間欠爆燃装置において、前記点火位置は、前記爆燃領域の内面の半径の半分よりも少なくとも大きい前記ディフューザからの距離であることを特徴とする間欠爆燃装置。
請求項1に記載の間欠爆燃装置おいて、前記爆燃領域は、膨張燃焼気体により生成される力から機械的エネルギーを生成するよう構成された容積式回転運動装置と連絡していることを特徴とする間欠爆燃装置。
請求項3に記載の間欠爆燃装置において、前記容積式回転運動装置は、同一直線上からオフセットしたそれぞれの軸線回りに回転する2以上のロータを備えることを特徴とする間欠爆燃装置。
請求項6に記載の間欠爆燃装置において、前記膨張燃焼気体は、前記ロータアッセンブリの作動室に進入し、前記作動室は、前記ロータの回転に対して膨張し、前記間欠爆燃装置の前記膨張燃焼気体からの圧力は、前記ロータのいずれか1以上に対するトルクを提供することを特徴とする間欠爆燃装置。
請求項9に記載の間欠爆燃装置おいて、前記コンプレッサは、各々の軸線を中心に回転する複数のロータを備え、前記複数のロータの軸線は同一線上からオフセットして名目上交差していることを特徴とする間欠爆燃装置。
請求項1に記載の間欠爆燃装置おいて、前記爆燃領域は、膨張燃焼気体の炎伝搬速度を加速させるよう構成されたシェルキンスパイラルを備えることを特徴とする間欠爆燃装置。
請求項12に記載の間欠爆燃装置おいて、前記乱流発生器は、長手方向後側の部分から長手方向前側の部分までの距離に応じて周波数が変化することを特徴とする間欠爆燃装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示されるように、第1軸線システム20は、第1軸線22と、第2軸線24と、基準軸線26と、を備える。概して、説明の目的のために、基準軸線26は第1軸線22に関して規定の角度「a」に設定され、軸線22、24が同一の量だけ回転すると、円弧経路28が形成され、第1軸線回りの規定の回転量は値シータ(θ)で規定される。同数のローブが形成される第1形態では、相互に関連する回転量の値シータがあることに留意されたい。しかしながら、第1軸線及び第2軸線回りの回転量は、ここで説明されるさらなる実施形態では変化し得る。
【0013】
図1に示されるように、基準軸線システム10が規定されており、この基準軸線システム10では、軸線12がX方向を示しており、軸線14がY方向を示している。さらに、24’で示され、また16で参照される軸線の延長線は、Z方向であり、延長線に対応するロータの回転中心である軸線24と同一直線上にある。軸線システムは概して、以下にさらに説明されるように、抽象レベルで説明される
図4に示すベースカーブ33を形成する数学に関連して利用される。
【0014】
従って、円弧経路28は、第1軸線22回りの周囲に配置されることが理解され得る。しかしながら、回転軸線24に対して基準点を仮定すると、基準点30の経路は、
図2に示されるようなベースカーブ33を規定する。
【0015】
さらなる説明の前に、いくつかの基準点と方向とが説明を補助するために規定される。32で示される点は第1軸線22と第2軸線24との交点である。
図1に示されるアルファ角(α)は、交わる軸線22、24の間の角度である。ここでさらに説明されるように、両方の軸線22、24上では、交点32以外の座標が、長手方向後側又は離れた位置として参照される。さらに、交点32から外側に又は実質的に外側に延びる任意の方向は、半径方向外側にあるものと考えられ、この方向に対して90°は接線方向である。
【0016】
米国特許第5,755,196号明細書で説明されるような従来技術では、2つの軸線の間で直接的にアルファの2分の1の角度に90°を加えた基準軸線が用いられたことに留意されたい。このことは、その出願時にロータに必要なカーブであると考えられた涙形状を有する基準カーブを作り出した。ここで、
図3を参照すると、基準軸線26が軸線22から値「a」で再位置決めされ、それによって、新たに作り出されたベースカーブ33が外球面34上に位置決めされることが理解されよう。説明の目的のため、軸線2に関連した軸線21が垂直軸線として概して説明され、軸線23が水平軸線として説明される。もちろん、これらの軸線の方向は、
図2で位置決めされるベースカーブ33の位置に対してである。
【0017】
ここで、
図3を参照すると、一形態では円錐部材である定義面38が設けられれば、この部材は、基準軸線26から規定の距離にある外面40を有することが理解されよう。
図3に示されるように、
図1の視点から視点が約180°回転しており、延長線部分24’は、
図3において左前側部分に示されていることに留意されたい。従って、基準軸線26が第1軸線22回りで、(
図1にのみ示される)軸線24に対して同時にシータ値(θ)で回転すると、
図3に示される基準軸線26はベースカーブ33に追随することが理解されよう。同様に、定義面38は、オフセット面42を作り出すために軸線26に対して移動する。
図4に示されるように、一形態では定義面38は軸線26回りに均一な距離であるのに対して、オフセット面42が完全になることが理解されよう。しかしながら、例えば楕円形などの他のタイプの定義面が用いられてもよく、このことはここでさらに説明される。定義面38は、交点32からすべて規定の距離で、円錐台状の面を有するように示されているものの、交点/中心点32からの距離に対して、異なる一連の面が形成され得ることにさらに留意されたい。言い替えれば、一形態では円錐であるとして説明された外面40は、変数「ロー」(ρ)の値として規定される中心点から所定の値で任意のタイプの変形例を有し得る。
【0018】
ここで
図4を参照すると、この形態では、ベースカーブ33回りの任意のシータ値(θ)において、オフセット面42上に対応の位置があることが理解されよう。例えば、
図1に示される位置では、
図4に示されるシータ値はおおよそ点46上でゼロである。90°のシータ値では、ベースカーブ33に沿った位置が、おおよそ48で示される位置であり、おおよそ点位置50でオフセット面42上の位置に相互に関連する。
【0019】
ここで
図5を参照すると、ベースカーブ33が外球面34上に位置決めされることを概ね見ることができる。
図6に示されるように、2つの基準軸線26a及び26bが、その分割線を有するように規定されており、分割線は、360°を2で除算して所望のローブの数を掛けたものであることが理解されよう。従って、ベースカーブ部分33a及び33bは、相互に回転してオフセットしている。ここで、
図7を参照すると、オフセット/面42a及び42bが、上の
図3及び
図4に示されるものと同様に作り出され得ることが理解されよう。しかしながら、ベースカーブ部分33a及び33bからの回転距離は、上述の
図3及び
図4で示される例よりも小さい値であることがさらに理解されよう。
図8では、56a及び56bで概ね示される上側のシータ値の位置において、オフセット面42a及び42bを規定するために切断円錐としておおよそ同一の径を有する切断面60a及び60bが、この上側のシータ値の領域に位置決めされることがさらに分かる。ここでさらに明確になるように、1つのロータの一部は、対向するロータのオフセット面に係合する係合端として作動する。
【0020】
図9は、前に
図8において切断面60a及び60bとして参照された環状部材がオフセット面42a及び42bと一体化されることを示している。従って、ここでは62a及び62bで参照されるこれらの係合端は、オフセット面42a及び42bにそれぞれ連続している。一形態において、これらのすべての線が基準外球面34の外面上にあることは反復されるべきである。交点32(
図1〜
図4)から前述した規定の距離ローごとに、2つの回転軸線22及び24が交わるとともに同一直線上からオフセットしていることからローの値(中心点からの距離)が変化しないので、完全に固有の一連のロータが規定される。
【0021】
従って、ここで
図10を参照すると、中心前側ローブ面64a及び64bが規定され、係合端62a及び62bの端部領域のそれぞれに接続される。さらに、中心後側ローブ面66a及び66bは、オフセット面42a及び42bの間に介在する中心領域68に規定されるバケット領域を接続して完全に規定するために外球面34の外面回りで延びる。
【0022】
従って、規定されたローブ254の数に相互に関連する整数値Nで軸線24回りの
図10に示される線パターンに倣うことは、
図11に示される第2/内側ロータ14に示される外形を作り出す。
図10の70で全体が参照される線パターンは理論レベルで様々な面として参照されるものの、パターン70は、実際には外球面34の外面回りに描かれる線である。この線に任意の径方向の深さを与えることは、
図11に示される作動ローブ254を有するために実行可能な面を設ける。しかしながら、径方向の内側及び外側に広がる様々な面は円錐形である必要はなく、すべてのロー値ごとに、オフセット、円錐値、錐面、及びオフセット面はすべて、変化しうるし、例えば、ロー(ρ)の関数であり得ることが反復されるべきである。しかしながら、1つの定数は、例えば
図3〜
図5に示されるベースカーブ33であり、それによって、1つのロータに対する固定基準軸線26を有すること、及び、他方のロータに対してこれを回転させることが、様々な定義面38及びオフセット面42に関係なく幾何学的に不変のカーブであるベースカーブ33を作り出す。しかしながら、ローに対して基準軸線の位置を調節することが、各ロー値ごとに異なるベースカーブを作り出すのはもちろんである。
【0023】
ここで
図11を参照すると、外側/第1のロータ12と内側/第2のロータ14とが、部分分解図でどのように配置されるかを見ることができ、それぞれ中心軸線22及び24を有する。軸線22及び24は同一直線上からオフセットしており、これらの軸線が外側及び内側ロータ12及び14に対して等角図で示されていることが理解されよう。
図12を参照すると、係合端72bの中心は74で概ね示されており、中心74は、ベースカーブ33周りに移動することが概ね理解されよう。同様に、
図12の上側部分に同様に示される係合端62bは中心点76を有しており、それによって対向するベースカーブ33’周りに移動する。
図12で概ね理解されるように、右下側で62c及び72cで示される係合端の各々は、オフセット面44c及び78cと係合する。一形態では、ローブ部材は、以下で説明される
図75〜
図79で示されるようにインサートであり得る。インサートはロータの組み立てを可能にする。
【0024】
もちろん、
図6〜
図12に関連した上の説明は、容積式装置を形成するためにオフセット面と対向するロータの係合端とを組み合わせる方法を示している。ここでさらに説明されることは、相互の回転中に2つのロータの間で規定の空間を維持する位置決め割り出しのために、
図4に示される面を用いる方法である。
【0025】
ここで
図18及び
図19を参照して割り出しハウジング132を説明する。概して、割り出しハウジング132は、
図13に示される割り出しシステム124の一部であり、割り出しシステムは、
図17に示す駆動ロータ130の割り出しオフセット面156と協働するためにハウジング132を備える。ここで
図18及び
図19を参照すると、割り出しハウジング132は環状ベースリング164を概して備える。概して、
図19に示されるベースリングは、割り出し延在装着位置として規定される開口167を規定する面を有する。ベースリング164は、
図17に示されるように、駆動ロータ130のベース面158と係合するように作動可能に形成される中心キャビティ領域167を有する。
図19はさらに、
図20及び
図24で示される割り出しハウジング装着位置202でシャフト126に装着されるように形成される中心孔168を示している。概して、中心孔168は、シャフトに固定してかつ着脱自在に取り付けられるように作動可能に形成されており、一形態では、
図18に170で示される切り欠き位置が鍵部などに適合するので、シャフト126とともにベースリング164が回転する(
図13参照)。
図18には、一形態では複数の割り出し延在部174である割り出し面がさらに示される。
【0026】
図19に示されるように、割り出し延在部174は、割り出し延在装着位置166内に嵌め込まれるように作動可能に形成されており、一形態では、その位置にねじ込みによって係合される。
図25及び
図26には、一形態における割り出し延在部174の正面の等角図及び断面図が示される。概して、
図26は、外面184を有するベース領域182を有するメイン本体180を示しており、一形態では、メイン本体180にはねじ山が形成され、上述されるように、
図19において割り出し延在装着位置166として参照される面開口166にねじ込みによって係合されることが可能である。
図26は、ブッシング188がその周囲に配置されるピン領域186を有するメイン本体180をさらに示している。一形態では、ブッシングは、ベース領域182上に作用する圧力を吸収するフランジ領域190を有する。ローラ部材192は、ブッシング周りに位置決めされており、ピン領域186に対して回転するように形成される。ワッシャ194が保持リング196とともに採用され得る。ローラ部材192が、一形態では円錐台である外面198を有することに留意されたい。一形態では円錐台の面を有することが望ましく、
図19に示されるように、割り出し延在部174が割り出し延在装着位置166内に位置決めされるので、円錐台の半径方向に離間した位置198は、
図13に示されるように、割り出しオフセット面156の係合に影響を与えることが理解されよう。
【0027】
ここで
図20〜
図22を参照すると、一形態では真っ直ぐ通る貫通シャフトであるシャフト126が示されている。概して、シャフト126は、
図16に示されるロータの内面152に係合するようにしばしば再形成される中心球面200を備える。割り出しハウジング装着領域202が設けられており、当該領域202は、一形態では、割り出しハウジングがシャフト126に一体化されてシャフト126とともに回転するように割り出しハウジング132の
図18に示される切り欠き位置170に係合するように形成される鍵延在部204を有している。シャフトはさらに、
図20〜
図22に全体が示されるベアリング装着領域210を有し得る。
図22の断面にさらに示されるように、内部通路212が、一形態ではグリースニップルである潤滑剤受け入れ位置214を潤滑剤が通ることができる潤滑剤通路を提供するように設けられ得る。通路延在部216は、例えば潤滑剤及び/又は冷却剤を
図20及び
図21に示される環状凹部218に提供するために、半径方向外側に延びる。
【0028】
図19に示されるように、スラストプレートの配置を有することには様々な利点がある。そうした1つの利点は、アセンブリの毎分の回転速度を増大させることが可能なシステム内に小さなベアリングを有することである。さらに、各ロータに作用する分離力を内部シャフトに作用させること、及び、シャフトの張力は、例えば、外部ハウジングに作用する荷重よりもうまく荷重を管理することができる。さらに、中心シャフトは、より薄く形成され、荷重剛性作用を通じて、そこにある張力は、シャフトの回転時にフラッタ又はシャフト内での他のタイプの振動を減少させることができる。
【0029】
ここで
図13を再び参照すると、ハウジングを取り除いてほぼ完全に示されるエネルギー変換装置120は、第1ロッキングリング141と第2ロッキングリング143とをさらに備え、その間にベアリング部材134が介在する。さらに、ロックワッシャ136及び138が設けられ得る。
図13の反対側では、補助のロッキングリング141’及び143’がさらに示されており、これらは、その間に介在するベアリング134’を備える。当然のことながら、他のタイプのロッキング機構が採用されてもよい。任意選択的に、ロックワッシャ146及び148が設けられてもよい。ユニットが一形態において例えば気体のエキスパンダや水力タービン(非圧縮性流体タイプのタービン)のようにエネルギーを取り出すべきであるとき、シャフト126の一部は、そこにトルクを作用させ、又はそこからトルクを作用させないために延びる。
【0030】
前述の説明によれば、
図14に示されるものと同様に
図31から始まる他の実施形態がここで説明されるものの、
図31に示されるように、次の実施形態は、シヌソイド状面を有する割り出しオフセット面156’を備えており、
図39〜
図45を参照してその製造方法がここでさらに説明される。
【0031】
図39〜
図45は、上述の
図1〜
図4と同様の性質であり、これらの図面は、オフセット面を形成する他の方法を開示する。上述したように、
図4は、
図14に示されるオフセット面156に性質及び構造において同様のオフセット面42を示している。
【0032】
図31に示される実際の装置の詳細な説明の後に、数学上の詳細な開示が提供され、一形態では、数学は、面を作り出して方程式にパラメータを当てはめ、割り出し装置システム124(
図13及び
図32に示す)及び他の機械的装置とともに容積式エネルギー変換装置を作り出す係合オフセット面を形成するために利用され得る。
【0033】
図27に示されるように、1対の動力伝導部122”(ロータアセンブリ)を有するようにエネルギー変換装置120”が示される別の状況があり、一形態では、係合面142”及び143”は、
図31に示される割り出しオフセット面156’と同様の性質である。従って、この形態では、ロータ部材130a”はシャフト126”に固定して取り付けられており、ロータ部材130b”は、固定割り出しロータ132”に加えてシャフトとロータ部材130a”と異なる回転速度でこのロータが回転するように設計される。例えば、動力伝導部122”と面156”及び198”との間の様々な係合面が、例えば面198”及び156”の間で6:7の回転比で、面142”及び143”の間で7:6の回転比で、配列される。
図30にはロータ部材130a”の側面図及び等角図が示される。面142”は、
図40〜
図45を参照して上述した方法と同様に形成されることが可能であることが理解されよう。概して、
図30の等角部分に示されるように、内側領域157”が、シャフトに固定して取り付けられるように配置される。
図28にはロータ130b”が示されており、面143”は
図30の面142”に係合するように形成されることが理解されよう。長手方向後方割り出し面156”が設けられており、
図27の固定割り出しロータ132”に係合するように作動可能に形成される。
【0034】
図31には、図示されていない割り出しハウジング(
図32の割り出しハウジング132を参照のこと)を有するエネルギー変換装置120’の等角図が示されている。
図31の等角図には、好適な形態では連続面であって、長手方向前側部分すなわち谷部157と長手方向後側部分すなわちこぶ部159とを備えるオフセット面156’が示されている。面156’は、
図32に示されるように、割り出しハウジング132”の割り出し延在部174に係合するように形成される。割り出し延在部174は、
図25及び
図26に示されるものと同様の性質であり、
図18及び
図19に示される割り出しハウジング132に取り付けられるようにさらに示されていることが概ね理解されよう。上述のように、割り出しハウジング132は、
図32に示されるように、シャフト126に固定して取り付けられており、ベアリング機構127と同様のタイプである。
【0035】
図33〜
図35は、上述したように一体構造である駆動ロータ130’を示している。ベース部分136’には、上述の割り出しオフセット面156’が示されている。
図27〜
図30に示されるモデルに従って作り出された割り出しオフセット面は、長手方向前側及び後側部分が概してこぶ部159として参照されるとともに長手方向後側部分が谷部157として参照されるほぼ正弦曲線状の形状を有する。長手方向前側部分は、面に沿って回転させられる
図18に示される割り出し延在部174などのような任意のタイプの係合面内に設けられている。駆動ロータ130の回転ごとに、割り出しハウジング132の回転は、わずかに少なく、より具体的には、nがこぶ部159の数である場合に値(n−1)/nであることに留意されたい。従って、この実施形態では
図31及び
図32に示されるように、駆動ロータ122は、シャフト126よりもわずかに少ない毎分回転数で回転することが理解されよう。この具体例では、
図31及び
図32に示されるエネルギー変換装置120の回転は、シャフトの回転の6/7である。もちろん、この比は特定の実施形態用であり、割り出し経路に沿って追加の割り出し装置が存在しうるとともに一形態においてこれらの追加の割り出し装置が回転の一部の間にオフセット面から外れ得るので、割り出し装置の数に依存する必要はないことにさらに留意されたい。
【0036】
概して、前の図面は、シャフトに沿って対向する長手方向の領域に位置決めされる2つの割り出し装置を有する一実施形態を示していることが理解されよう。
図36は、そうした領域に位置決めされる割り出し装置を概略的に示している。
図36は、前述の一形態において割り出しハウジング132がシャフト126に固定して取り付けられるシャフト126を有する切り欠き図である。
図37に示されるように、割り出しハウジングが示されておらず、また概して、第1及び第2駆動ロータ部材123及び125を備える駆動ロータ122が示されており、それぞれは、一形態においてシャフト126の中心軸線211からオフセットしている回転中心軸線131及び133を有する。従って、240及び242で示される角度は例えばアルファの半分である。ここで
図38を参照すると、一形態においてロータ123’が例えばシャフト126に固定されてシャフト126とともに回転する。従って、ロータ125’は、全アルファ角である角度242’でオフセットしている。この形態では、割り出しハウジング132’は、割り出しシステムが全アルファ角でパラメータによって規定される面を備えるように配列される。
【0037】
図38に示されるシステムの利点は、単一の割り出しハウジング132’が、割り出しシステム124’を備えるために利用されることが可能であることである(及び、そうしたシステム、
図32に示されていないタイプではなく、
図14に示されるタイプの割り出し装置とともにのみ作動することに留意されたい)。上述のロータ123’は、そこに固定して取り付けられたシャフト126とともに単に回転し、
図38に示される周囲のハウジングは、ロータから出入りする流体を減らすための様々なポートを提供するために駆動ロータ122’周りに配置される。傾いたロータ125’を有することの1つの問題は、ハウジングが、この傾きを調節するために大きな角度を有しなければならないことであり、おそらく本来は円錐であって一形態では円錐台である内面250は、
図38に示される上側の一直線の中心部分252にロータを通過させるための十分な寸法を有していなければならないことである。
【0038】
割り出しシステムを動的に調節することに関して、割り出し装置は、回転することができ、又は、軸線方向に内外に移動することができる。軸線方向の移動は、それがバックラッシュや滑らかでない運動を招き得るので、欠点を有している。貫通シャフトの設計に関して、リアルタイムの貫通シャフトに対する回転が設計されることが可能であるものの、ローブ同士の間の隙間を制御するための角度の遊びは非常に小さい。割り出し延在部が円錐ローラである場合、ノブは、バックラッシュの排除を助けるために軸線方向に調節されることが可能である。しかしながら、そうした調節は、小さな増加であり、組み立て中に一度だけ所定の位置にロックされてなされるべきである。割り出し延在部174は、円錐ローラである必要はなく、他の形状のローラであってよいことに留意されたい。しかしながら、円錐台の円錐は、いくつかの応用例でローラ面への滑り接触を除去するので、好適なローラ形状である。円錐台のもの以外の任意のローラの外形は、磨損を経る動作を生じさせうる。従って、好適な形態では、円錐は、ロータの回転中心に向かう中心を有する。もちろんこれは、ローラの内側部分及び外側部分の間で何ら滑りを生じさせずに回転動作させるためである。
【0039】
現在の解析は、割り出し装置がある位置に固定されたままにすべきことが最善であることを示しているものの、ばねが小さな変形で作動するように設計され得る(例えば5000インチ未満)。いくつかの応用例では、割り出し装置上でのばねの張力は、機械がより円滑に作動することを実際に向上させる。しかしながら、割り出し装置がトルクを有する時に生じる半径方向外側の力がそれらに作用する。この力と流体の圧力とを足した力がばねの前張力を超える場合、割り出し装置は、軸線方向に後退して、機械のバックラッシュと滑らかでない作動とを生じさせる。
【0040】
前述の説明に加えて、ここで、上述の面を数学的に導き出すことに関して説明する。ここで説明されるべきカーブは、単位球面、すなわち、例えば
図1に示されるベクトル(基準軸線)26などの半径R=1の球面上にあると仮定される。導き出されるカーブは、この単位球面の面上にあり、面を形成するために球体の内側に突き出るものとして仮定される。数学的に言えば、これらの球面カーブの1つに沿った任意の特定の点が、原点(球体の中心)に直線で結ばれると、カーブに沿ったすべての点のこれらの線の無限数の集合は連続面を形成する。球体の外面上で結果として得られるカーブは面として観察され、面は、長さR=1の直線で弧を描いて動くことによって形成され、線は、原点で回転中心上に保持され、生じた面は、球面カーブに沿って線の他端を旋回させることによって形成される。こうしてすべての面は球体の中心に接続されるので、その後のすべての外形は、中心回りの一連の「回転」として導き出される。実際には不可能である非円錐に噛み合う外形を用いる場合にこの規則から外れる必要がない場合があるものの、これらの外形の不都合は、純粋な転がり接触に代えて滑り接触が生じる可能性があることである(円錐ローラ「割り出し装置」又は円錐ローラを利用するトルク伝達装置として以下に説明される)。
【0041】
図1〜
図4を参照してこの明細書の最初で説明したように、少なくとも2つの噛み合いロータがあるものと仮定される。すなわち、噛み合いアセンブリは、相互に作用する2つ、3つ、4つ、又はそれより多くのロータから構成されることが可能である。各ロータは、錐台−球状の外側面を有してもよいが、完全な球体ではなく、例えば背景技術で説明されたもののカーブから生じる面によって切断されたいくつかのタイプのローブ又はキャビティを有している。好適な形態では相互に異なる角度であるそれらの個々の回転軸線上でロータが回転し、各軸線は、ロータの共通の球体の原点を通ることがある。説明のため、2つのロータは、ロータAとロータBとして参照され、
図1〜
図4と以下の図面において、ロータAは軸線1(22)回りで回転し、ロータBは軸線2(24)回りで回転する。ロータAの回転速度は、ロータBと同一であるか又は異なってよく、以下の
図39〜
図45で説明される回転速度と同一であるか、回転速度より小さいか、又は回転速度より大きくてよい。しかしながら、その結果は有用な面となるため、A:Bの速度比は、結果として生じる面がA及びBの両方の回転数を超えて連続するように1:(1±1/整数)でなければならない。
【0042】
上述のように、共通の球体中心を共有する噛み合いロータの2つの回転軸線の間の角度は、
図1に示されるアルファ(α)角として参照される。取り付けられた(固定された)ロータAは、ロータの球体中心から半径Rの球体上のある点まで延びる基準軸線である。この線の先端は「カッター」を表している。ロータA及びBの両方が、かさ歯車の対がともに回転するように同じ速度で同じ球状の方向で回転すれば、ロータAに取り付けられたカッターが、ロータBの基準フレームに対してロータBの面上に球形の空間カーブを一掃する。すなわち、ロータBとともに回転するロータBの面上にいる場合、ロータBの面上でカーブを切断するカッター基準軸線26を見るであろう。このカーブは、ロータが球体の基準座標系に関して一度回転するたびに何度も繰り返される。
【0043】
α/2のベース基準カーブを有する従来の回転運動装置の「噛み合いカーブ」は、無限に細い線に代えて
図3に示される面38を規定する円錐形状のカッターと基準軸線26とを置換することによって形成される。すなわち、カッターはここで、
図3に例示されるような「ニュー」(ν)の角半径を有しており、オフセット面42を切断する。米国特許第5,755,196号で説明されるα/2のベース基準カーブを有する従来の回転運動装置では、いわゆる「ラビットイヤ」を形成するための円錐カッターの使用が、ゼロの半径のカッターと関連したローブ先端の鋭利な縁を除去する。
【0044】
カーブと噛み合うα/2のベース基準カーブを有する新規な回転運動装置の方程式を導き出すため、共通の球体中心回りの一連の4回の回転が用いられる。
図1は、XYZ座標系において、この導き出しのために用いられる共通の基準フレームを示している。回転の右手の法則(RHR)を用いた解答は以下の通りである。
【0045】
図1においてベクトルVを原点32から点30へと延びるXYZ座標のベクトルとすると、
でY軸回りに+p(角度α)だけVのベクトルを回転させる。結果として生じたベクトルをZ軸回りに+tだけ回転させる。次に、結果として生じたベクトルをY軸回りに−pだけ回転させる。得られたベクトルをZ軸回りに−tだけ回転させると、ベースカーブCが得られる。
【0046】
パラメータ「t」は、シータ、θを表している(各軸線回りのロータの回転角)。0°≦t≦360°の場合、ベースカーブは、α/2のベース基準カーブを有する元の回転運動装置の噛み合いカーブの完全な「涙形」をたどる。以下は、すべて書き出された4つの回転行列を有する行列の掛け算である。
【0047】
掛け算及び簡約化の後、ベースカーブのためのデカルト座標におけるパラメータ方程式は以下のようになる。
【0048】
α/2のベース基準カーブを有する従来の回転運動装置では、仮に、a=(pi+alpha)/2とし、単位球面あたりR=1とし、α/2のベース基準カーブを有する新規な回転運動装置では上の方程式において「p」がアルファ角を表すものとする。
【0049】
結果として生じる「涙形」の形状のα/2のベース基準カーブを有する新規な回転運動装置は、涙形の対称面において半分に分割され、ローブ同士の間の中間面なしで噛み合うために同一の速度及び方向に回転する対向する対向のロータ上で同様の形状のローブに噛み合うために均一に又は不均一に離隔して配置される。
【0050】
図1〜
図4に概略的に及び
図13〜
図38において脱線して上述されたように、割り出し装置は、(円錐カッター角ヌーだけ噛み合いカーブとオフセットする)カーブに噛み合うα/2のベース基準カーブを有する新規な回転運動装置を用いて、(ピンタイプの場合に)実際の転がり接触を示す潜在的に(ローラの調節に基づく、又は、面機械加工の公差に基づく)ゼロバックラッシュを有する固定角トルク伝達連結装置を作り出す能力を示している。
図13〜
図38を参照して詳細に上述したように、割り出し延在部174は割り出しハウジング132に取り付けられている。割り出し延在部174は、上述した「カッター」のように数学的に考えることが可能である。割り出し延在部174は、シャフトの回転軸線に沿ってシャフトに固定されてシャフトとともに回転する。割り出し延在部174の中心は、ロータシャフトの基準フレームを通じて「噛み合いカーブ」の方程式を数学的にたどる。ゼロバックラッシュを潜在的に有するように、又は、各回転方向においてトルクを伝達するように、ローラが他方のロータをどのように「把持」するかに留意されたい。
【0051】
角度が、a=(180°+/−アルファ)/2°から他の任意の角度に変化すると、aが90°である時に「数字8」の形状から、不均衡な数字8(8’s)に、
図4に示される卵形状のカーブに、楕円形に、a=0又はa=180の時に完全な円に、変動するカーブ群を生じる。カーブ群は、0<a<90の角度が90<a<180度の間のカーブの鏡像を生成するように、対称的である。
【0052】
カーブをカーブの鏡面に分割する時に、また、α/2のベース基準カーブを有する新規な回転運動装置と同様に、異なる室で異なるオフセット角「a」を選択することによって単一の球体内に「層」の複数のユニットにカーブを分割する時に、同様の手法を用いてこのカーブ群から様々なタイプのカーブ群を構築することが可能である。このことは、同一の球体で複数のユニットを有することによってエンジン、ポンプ、エキスパンダなどの性能密度を向上させることができた。詳細に上述したように、また、ここで説明されるその間に第3のロータを介在させる2つのロータのユニットであって、第3のロータが一形態において貫通シャフトのものに堅く固定されるさらなる実施形態で説明されるように、「貫通シャフト」の設計も可能である。その上、同一のロータ内に異なる角度「a」であるローブから構成される例えば非対称ロータ又はロータの対など、多くの他の実施形態がある。
【0053】
α/2のベース基準カーブを有する新規な回転運動装置と同じ概念はオフセット割り出し装置に適用される。カッター角度「a」が45度に設定されれば、涙形に代えてロータB上に楕円形の経路が生じる。
図14とともに
図3及び
図4は、上述のオフセット割り出し装置の概念を示している。この実施形態は、他のあり得る割り出し装置と同じ挙動を示すものの、以下のような利点を有している:1)一形態における円錐ローラ/割り出し延在部174は、常に連続的に円滑に運動する;2)角度「a」は、α/2のベース基準カーブを有する米国特許第5,755,196号明細書で説明される新規な回転運動装置よりもここでははるかに小さいので、ローラ及び割り出し面は、中心に集められた1対のロータの作動室を避けて、「貫通シャフト」の軸線の最も近くに配置されることが可能である。角度「a」を小さくすると、シールが、作動室内の有害な流体が「割り出し」面及びローラに進入することを防止することができ、割り出し装置の信頼性を改善し、またさらに、(例えば)作動ロータ室内に潤滑剤が入ることなく、油によって割り出し装置を滑らかにすることも可能である。
【0054】
割り出しシステムに関連した貫通シャフトの概念は、ロータからシャフトへのトルクの伝達を可能にし、作動ロータが、相互に擦れることないように、その結果、ローブ同士の擦れから生じることがある摩耗を低減させるように、作動ロータ同士の間で周知のクリアランスの隙間を設定することを可能にする。
【0055】
円錐ローラの割り出し延在部174によって、ローラが例えばベアリングに代えて例えば油によって滑らかにされる単なる「ピン」と置換されるような設計があり得ることに留意されたい。このことは、アセンブリを単純化し、ローラの設計よりも必ずしも長くないものの寿命を延ばし、サイズが重要である小さなアセンブリが理想である。
【0056】
面の内側に乗る円錐ローラに代えて、中心領域で、例えば、
図15及び
図17に示される割り出しオフセット面156の中心で、楕円形状の「ボス」の外側に乗る円錐ローラがあり得る。この設計の不利益は、楕円のソケットバージョンよりも割り出し装置のこのバーションを作るためにさらなる空間を必要とするので、空間の条件である。設計者は、2つのロータにアルファ角をともに制限するために楕円のボスにともに楕円ソケットを結合することができる。再び、このことは、さらに空間を必要とし、ローラが、内側ボス又は楕円ソケット面上に擦れる間に奮闘するので、摩耗の問題が生じやすい。
【0057】
ここで、
図39〜
図45を参照して、上述の
図31〜
図35の割り出し装置によって示される波形設計に関するさらなる実施形態を形成する一般概念を説明する。上で述べたように、割り出しオフセット面156’は、
図31に示される複数の長手方向前側部分157及び後側部分159(山と谷)を有する。これらは、本質的にローブ及びバケットを形成し、その数は、(
図32に加えて)
図18に示される複数の割り出し延在部174と異なる。
図39〜
図45に関する以下の説明は、一形態において面の形成を詳細に教示するためになされており、さらに、同一のものの形成の都合の良い数学的モデルを提供する。
図39〜
図42は
図1〜
図4と同一の概念である。
【0058】
図39には第1軸線322及び第2軸線324が示されている。第1及び第2軸線は、最終的に組み立てられたロータの回転中心に相互に関連する。さらに、説明の目的のため及び数学の説明のため、基準軸線がXYZ座標で10で規定される。軸線12’はX方向を示し、軸線12’に直交するのがY方向を示す軸線14’であり、X方向及びY方向に直交するZ軸線が16’で示される。前述したように、軸線322及び324は、323で示されるアルファ角(α)だけ同一直線上からオフセットしている。
【0059】
概して、基準軸線326は基準点330を規定しており、基準点330は、
図40に示されるように、外球面334の面上にある円弧経路328を規定する。
【0060】
前述と同様に、基準点330は軸線322回りで回転する。
【0061】
「R」で示される長さ寸法を有する基準軸線326は、第1軸線322から
図39に示されるオフセット角「a」を有するように規定される。
【0062】
図1〜
図4は、軸線22及び24の同時回転が生じる実施形態を説明している。基準軸線26は、円弧経路28を作り出す軸線24に固定して取り付けられているものの、回転軸線22に関してベースカーブ33を作り出す。
図39〜
図45で説明される実施形態は、同一でない回転軸線322及び324を備える。
図40で述べられたように、例えば、軸線322は、「t」に乗数「B」を掛けた回数を回転する。Bが1に等しい場合、各々はローブと同じ数を有している。Bが(1+1/N)に等しい場合、322で示される軸線1に対応するロータ1はN個のローブを有しており、324で示される軸線2に対応するロータ2はN+1個のローブを有している。代替として、B=(1−1/N)である場合であって、軸線1の中心軸線322に対応するロータ1がN個のローブを有している場合、(324で示される)回転中心軸線2に対応するロータ2はN−1のローブを有している。値1と異なるローブの数は、
図32に示される割り出しシステム124’の実際の物理的な実施形態によって認識され得る。
図35に示されるように、長手方向後側部分159が、ローブとして作動するこぶ部を形成することが理解されよう。この実施形態では7つのローブがあり、また、
図18に示されるように、第2実施形態では同一の割り出しハウジング132が用いられており、6つのローブがあり、上述したように各ローブは事実上割り出し延在部74である。別の例では、第2ロータは固定の割り出しロータに対して、(N+1)/Nか(N−1)/Nのいずれかの値で回転する。
【0063】
ここで、
図40を参照すると、所定の回転比での第2軸線324の回転に対する第1軸線322回りの基準軸線326のそれぞれの回転は、対向するロータの回転比に比べて対向するロータのローブの数に対して1つ多いローブ又は1つ少ないローブであることが理解されよう。言い替えれば、
図40に示されるように、例えば軸線322の回転の7/8である値で、基準軸線326が軸線324に対して回転する場合に、これらの軸線322及び324の両方が回転するので、基準軸線326は、相対移動において、341で示される始点位置から、333aで示されるベースカーブの区画に沿って続く終点位置343まで有効に再位置決めする。
【0064】
ここで
図41を参照すると、
図3と同様に、基準軸線326回りで定義面338を利用することによって、オフセット面342が規定されることが理解されよう。
図42に示されるように、オフセット面342は完全に展開されて示される。この連結では、このオフセット面は、
図31に示される割り出しオフセット面156’と同様の概念であることが理解されよう。
【0065】
ここで
図43を参照すると、第1軸線322回りに中心軸線を有するオフセット面342が、複数の割り出し延在部474a〜474fを有するように示されることが理解されよう。各割り出し延在部474の中心軸線は、
図42に示されるようにベースカーブ333に沿って通る。従って、
図44により良好に示されるように、一形態では例えば6つの割り出し装置があるにも拘わらず、オフセット面333を有するロータに対向するロータは、実際に複数の割り出し装置を有するか、又は、一形態では1つのロータを有することが理解されよう。言い替えれば、頂点の半径又はそうでなければ、円錐面が利用されない場合には中心軸線からの距離に依存して、割り出し延在部の数は、空き容量、ロータを物理的に支持することの物理的な制約によって制限されるのみである。
図45には、割り出し延在部474を再位置決めすることに関する1つの検討事項が示されており、そこでは、割り出し延在部474b及び474cの間の483に加えて481で示される係合位置がオフセット面333に沿って異なる傾斜を有することが理解されよう。従って、ロータの一回転が、1つの長手方向の後側部分459’から2つ目の長手方向後側部分159”に割り出し装置を再位置決めする。
【0066】
円形ではない係合端を有するオフセット面を形成することに関して、概して、プロセスは、例えば係合端又は他の係合特徴部分の位置の方程式を最初に識別することである。この例では、
図46に示される楕円先端201である。
図46に示されるように、端201に沿って様々な部分の運動に対する各ベクトルの長さの周りに配置される様々なベクトルによって示される複数の導関数がある。従って、
図46は、楕円の係合端201に沿ったすべての位置には、ある方向の運動ベクトル203があることを示している。
【0067】
図47は、
図46に示される運動ベクトル203ではなく端201に関する単純に様々な接線の導関数に対応するベクトル205を示す。従って、ベクトル203’及び205’が同一直線上にあることが
図46及び
図47で見ることができることが理解されよう。従って、ベクトルが同一直線上にある様々なXYZ位置は、端201からのオフセットカーブが生成されるべき位置である。係合先端201は、対向するロータのローブの幾何学形状を描く曲線を規定するのに用いられる。本質的なすべての値ごとの実際の方向の運動は、対向するロータに対して当該ロータ周りで回転する時にその自己のベースカーブを形成する。従って、基本の方程式の係合オフセットを規定することは、ベクトル203及び205が同一直線上にあるか、またそうでなければ、両方のロータがそのそれぞれの軸線回りで回転する際に様々な回転位置で正確に同一の方向を示すことを特定することである。
【0068】
ここで、例えば、
図48〜
図50に示される実施形態においてオフセット面を規定することに関して説明する。ここで、
図48を先に参照すると、
図48では複数のベクトル500が点線で示されることを除いて
図45と同一の側面図が示される。本質的に、これらのベクトルは、オフセットカーブ333に沿って様々な接線を示している。言い替えれば、オフセットカーブ333が球体の外側にあるので、カーブ333を形成する点の各々の接線方向に沿って小さな割り出し線を配置することを容易に想像することができる。これらの接線の各々は、
図48に示されるベクトル500を示している。ここで
図49を参照すると、ベクトル502は、その中心軸線回りですべてのカーブが回転するときに各点の相対運動を示している。言い替えれば、ベクトル502は、各点での実際の運動ベクトルを示している。従って、上述と同様に、504で示されるおおよそのXYZ座標系の領域内のベクトルのように、所定の制限された領域でのベクトル502とともに同一直線上のファクタ500が、対向するロータの係合面の定義のためにオフセット線333に沿ってXYZ座標位置を提供し、この場合、対向するロータは、円錐/割り出し延在部474に関連するロータである。従って、例えば474b及び474cの2つの割り出し延在部同士の間に介在する面を作り出すために、設計者は、オフセット面333に対応するロータの各所定の回転位置での同一直線上のベクトルを単に特定し、
図50に示されるように、その結果としてのオフセット線/面510が生じる。この面は、円錐の外面474b及び474cに噛み合うことができ、又は、オフセット面333に沿った様々な点がそれらの円錐面を単純に再び定義することができる。オフセット面510は、例えば、面の経路の方向の導関数をとることによって、その間に配置される隙間をさらに有し、点は、予め既定のギャップを形成するようにこの導関数90°「ハンドル」から規定された量でさらに回転し得ることにさらに留意されたい。もちろん、この隙間は、隙間を規定するか、又は、所定の角度ギャップを有するために、規定の回転を与える中心からの距離の値をとることによって規定され得る。ロータ同士の間の締まりばめもあり得る。線を規定する様々な点が、ここでは面として言及されることにも留意されたい。もちろん、数学的用語では、点は線を規定するものの、これらの線が、(上述された)平面及び湾曲面を形成するために用いられるとき、実際には、様々な線が最終的に面を作り出す。従って、線及び面の用語は、実際のロータ及び割り出し装置を作り出すときに様々なステップを説明するために上で利用される。「カッター端」は、様々な形状であってよく、回転中心から様々な距離に変化することがあらためて理解されよう。
【0069】
図51には、動力伝導部122”’を備えるエネルギー変換装置120”’が示される。概して、ロータ130A”’及び130B”’は、割り出しシステム124A”’及び124B”’に作動可能に取り付けられる。割り出しシステムは、小さな変形を有する上に示されたものと実質的に同様のものである。説明を簡単にするため、割り出しシステム124A”’は、対向する割り出しシステム124B”’に開示が関連することを理解することによって詳細に説明される。もちろん、広い範囲では、様々なタイプの割り出しシステムが駆動ロータの各々に用いられ得るし、又は、上述した割り出しシステムの様々な組み合わせが組み合わせられ得るし、又は、
図51に示される割り出しステムが、
図38を参照して上述された貫通シャフトに他の対向するロータが堅くロックされる一部に用いられ得る。割り出し装置は、ベアリング材料、低摩擦材料から形成されることが可能であり、又は、低摩擦又は耐摩耗被覆、硬い皮膜、セラミック皮膜、又は伝動装置への適用が予想される様々な被覆、又は、擦れる機械部品上で摩擦摩耗を低減するために一般に用いられる皮膜によって金属で被覆され得る。割り出し装置が高いトルク又は低いトルクの作用によって用いられるかどうかに依存して、材料は、例として低トルク低圧力の作用において例えばデルロン(Delron)などの純粋にプラスチックであり得る。貫通シャフトのボールは、低摩擦、又は、所望のシーリング特性又は自己潤滑の他の材料から形成されてよい。割り出し装置又はシャフトのボールは、自己潤滑材料又は浸透材料から形成されてよい。
【0070】
図51は、明確化のために図示していない外部ケーシングのみによって(ケーシングの例は
図71参照)、エネルギー変換装置に係合するロータ130A”’を示している。介在ロータ121”’を説明する前に、割り出しシステムを詳細に説明する。
図52には、例えばロータ130A”’の1つの側面図が示されている。概して、駆動ロータは係合面142”’を備えており、係合面142”’は、
図51に示されるように、介在ロータ121”’の協働面144”’に係合するように作動可能に形成されている。概して、面142”’及び144”’は、例えば
図27で上述された面と同様の性質であり、143”における面142”に相当する。さらに、面142”’の非係合位置は、
図46〜
図50を参照して詳細に上述された整列の導関数の方法を用いて構築される。
図52に戻ると、割り出しオフセット面156”’が、設けられており、
図51に示される割り出し面174”’に係合するように作動可能に形成されることが理解されよう。概して、割り出し面174”’は、シャフト126”’に堅く取り付けられる割り出しハウジング132”’の一部である。
図53に示されるように、例えばシャフトの中心位置などの内側球体部分に係合するように形成される内側面152”’があることが分かる。さらに、環状溝157”’が設けられ、(例えば)そこに配置されるシールリングを有してもよい。
【0071】
ここで
図54を参照すると、介在ロータ121”’が等角図で示されている。概して、上述したように、一形態では協働面144”’が、対向する側面では実質的に同様であり、
図54に示されるように1つのローブ幅だけオフセットしている。さらに、
図55では、他のロータを有するように、外面155”’が設けられており、ハウジングの内側の対応する球面の位置をほぼ形成する。
【0072】
ここで
図51に戻ると、介在ロータ121”’は、最小容積領域193”’から最大容積領域195”’まで容積を変化させる作動チャンバ189”’及び191”’を作り出すように設計されていることが理解されよう。アルファ角及び他のパラメータは、例えば駆動ロータ122”’のまさに中心に位置するシャフトの回転に直交する分岐線が、対向する作動チャンバ189”’及び191”’の間の分離を可能にする。従って、ケーシングは、様々な作動流体(圧縮性流体及び非圧縮性流体)からの仕事を提供しかつ引き出すために様々なポートの配列によってその周りに円周上に配置される分割線を有する。そうしたポート配列の例は、上述の譲受人が所有する様々な文献に見出され、その文献は参照によって組み入れられる。
【0073】
図56は、シャフト126”’に沿った端面図を示している。概して、
図56は、割り出しハウジング132”’が割り出しオフセット面156”’の視界をどのように部分的にのみ遮っているかを示している。さらに、
図56の57−57線は、
図57の表層図を規定しており、ロータ130A及び130Bが、介在ロータ121に関連して作動チャンバ189”’及び191”’をそれぞれ形成することが概ね理解されよう。概して、一形態では、割り出しハウジング132は、協働面174”’と割り出しオフセット面156”’(
図51参照)との間の適切な係合を提供するためにシャフト126に沿って調整され得る。
【0074】
図58〜
図60には、自らの上で、又は、例えば上述のエネルギー変換装置などの容積式装置に連動して、利用されることが可能な間欠爆燃システムの概略図が示されている。概して、
図58に示される間欠爆燃システム600は断面図であるものの、一形態において環状外部タイプの構造を有している。概して、装置600は、燃料混合領域602と、点火領域604と、爆燃爆轟遷移ゾーン(DDTゾーン)606と、爆燃領域608と、を備えている。
【0075】
図58の59−59線に沿った
図59を参照すると、一形態における燃料混合領域602が吸気ポート610及び612を概して備えることが理解されよう。一形態では、各吸気ポート610及び612の中心軸線は、旋回運動を作り出すために混合室614の中心から半径方向距離に配置される。燃料噴射ポート616は、混合室614内で燃料を混合するためにさらに設けられる。
図58を参照するとバルブ620が示される。概して、一形態におけるバルブは、バルブがバルブ支持部622の周りで閉鎖位置にバイアスをかけられ得る。例えば、バルブは、そこに配置される例えばつる巻ばねなどのばね部材によってバイアスされる。従って、ある量の圧力が混合室614内で確立されると、燃料空気混合物は、点火領域604の一部である燃料室626内のバルブ周りに滑り込む。この領域では、点火プラグ628などの点火部材が燃焼を引き起こす。燃焼により圧力が増し、高まった圧力がバルブ620のばねの付勢に抗してバルブを閉め、そこに圧力を確立するために吸気ポート610及び612から空気を連続的に吸気することを一瞬止めるときに爆発が生じる。その後、燃焼炎の前部は、
図58の左側部分を通過してDDTゾーン60内に進入し、炎が伝搬して空気燃料混合物は燃焼して炎の速度をさらに加速させる。同時に、炎の速度は、チャップマン−ジュグー理論に到達し、空気燃料混合物は定容プロセスで爆発する。その後、燃焼生成気体が内部チャンバ640を通って排気ポート642から排気される。
図13に示される上に示したような適切に嵌め込まれたケーシングを有する装置は、排気ポート642に連通されることが可能であり、その結果、高圧の気体は、ロータ122にそのエネルギーを与えることができる。適切に嵌め込まれたケーシングは、シールされたチャンバを提供するために動力伝導部の周囲に嵌め込まれることが理解されよう。さらに、シール領域は、有利に配置されて、膨張気体からの仕事量を最大限に活用するために解析され得る規定の膨張量を可能にする。さらに、ローブの数とローブの位置とが、ロータのローブの広い開放面が気体の膨張した圧力波を最大限に考慮する場合に、高い圧力のピークを提供するために間欠爆燃装置600内での最初の爆発と同期されることが可能である。
【0076】
言い替えれば、
図13を再び参照すると、より少数のローブが採用されることが可能であり、また、例えば15°〜35°のより急なアルファ角が利用されることが可能である。割り出しシステムは、動力伝導部同士の間の相対間隔を維持することを多いに手助けすることができる。従って、最適化された形態において、ポート内でのローブの完全な露出は、排気ポート642から排気される高圧波に合わせられ得る。
【0077】
図58に示される間欠爆燃装置600の実施形態は性質において概要であり、この形態は、例えば圧力及び温度などの様々なデータパラメータを測定するための複数の重要なデータ収集点644を提供する。
【0078】
ここで
図60を参照すると、間欠爆燃装置600の概念図であり、排気ポート642に例えば回転運動容積式装置660などのエネルギー変換装置が配置される。概して、装置660は、エネルギー変換装置120と同様であり得る。装置660は、一形態では調整可能シール664を備える入口ポート662を有している。概して、調整可能シール664は、間欠爆燃装置600からの膨張気体が大きな初期容積で進入することができるように装置660の様々なロータからほぼ外側に移動することができる。概して、係合ロータが最大容積にあり、その後、気体が排気領域670で排気される最大容積位置668が設けられている。その後、ロータは、容積を減らし、排気領域672の下流から外側に確実に排気し、シール674が設けられて、装置660の最小容積領域でケーシングシールとして作用する。
【0079】
さらに、第2のエネルギー変換装置は、コンプレッサとして作動し、この装置680は一形態では、装置660に例えばベルト682によって作動可能に接続されることが可能である。概して、空気(例えば外気)が様々なチャンバに進入してそこで例えば4対1の圧縮比で圧縮される吸気領域684がある。装置の吸気は最大容積位置688で完了し、圧縮気体は、スロットル690の近くに出て、圧縮された空気燃料混合物を作り出すために燃料と混合される。概して、伝熱プレナム692は、間欠爆燃領域608及び点火領域604から熱を伝達するために設けられる。領域608で爆燃プロセスでの爆燃を手助けするシェルキンスパイラル609といった乱流発生器(フレームアクセレレータ)が設けられていることにさらに留意されたい。
【0080】
図60Aを参照すると、出口ポート642’に配置されるバルブレスの間欠爆燃装置600’が示されている。電気式出力調節システム681’を備える回転運動容積式装置660’が示されている。概して、一形態におけるエネルギー変換装置660’は、この特許又は他の特許の特許請求の範囲によってカバーされる他の潜在的な装置と同様に、これに限定されないものの、参照によって組み入れられる米国特許第5,755,196号明細書、米国特許第6,036,463号明細書、米国特許第6,497,564号明細書及び米国特許第6,739,852号明細書の他のエネルギー変換装置と同様に、本願の実施形態である。さらに、広い範囲の下流気体又はその一部が、参照によって組み入れられる米国特許第6,705,161号明細書に列挙される流量計によって測定され得る。
【0081】
図60Bを参照すると、バルブレスの間欠爆燃装置600’の断面図が示されており、間欠爆燃装置600’では、爆燃領域608’を見ることができ、一形態では、スパイラル方向にあって一形態においてインサートである、管611’に挿入されて固定して取り付けられるスパイラル部材などシェルキンスパイラル609’を備える。一形態では、シェルキンスパイラル609’のスパイラル部分の回転同士の間の距離は、その気体の速度に応じて、周波数を増大させ、又はそうでなければ、スパイラル同士の間のピッチは減少し得る(又は、いくつかの形態において、気体の膨張に応じて増大する)。
【0082】
伝熱システム691’は、例えば圧縮空気などの気体がそこに進入して、一形態では爆燃領域608’内からの熱がその予熱のための気体に伝達される逆流方法で移動することができるようにする入口ポート623’を備える。気体はその後、気体伝達管625’を通って混合室及び燃料混合室602’に移動して、そこで、予熱された気体は、燃料混合物と混合してディフューザ631’を通過する。ディフューザは、爆燃室604’の前に気体混合物を分類する(乱流を低減させる)ように形成されている。概して、ディフューザは、様々に設計されてよく、一形態では、長手方向に延在する面によって規定される複数の孔が適切な爆燃のために気体のスパイラル作用を減少させる。一形態では、ディフューザの開断面積は、ディフューザ領域の全断面の面積に対して少なくとも50%である。より広い範囲では、開断面積はディフューザ領域の全断面積の少なくとも30%〜98%である。他の形態では、ディフューザは、所望の爆燃のための気体蒸気を適切に形作るための長手方向延在フィンを備えてよい。
【0083】
図60Iには、開口639’を規定する複数の面が概して示されるディフューザ631’の断面図が示されている。さらに、
図60Iに示されるように、管611’から伝熱システム691’を通じて移動する空気までの伝達をさらに可能にするために伝熱システム691’の空気管内にフィン647’が形成されていることが分かる。
【0084】
図60Bに示す燃料噴射装置616’が、混合室602’内に規定量の燃料を噴射するために設けられている。噴射される燃料は、低質燃料、間欠爆燃装置に標準の燃料、又は、点火された時にエネルギーを供給する他の燃料であってよい。一形態におけるエキスパンダ領域609’は、ディフューザ631’に進入する前に空気燃料混合物をわずかに膨張させるために、長手方向後側領域から前側領域に断面径を増大させる。
【0085】
燃焼領域604’は、空気燃料混合物を発火させるための十分な活性化エネルギーを出力する点火システムを備える。一形態では、燃焼領域は、点火位置607’に概して配置される雷管(点火器)を備える。雷管は、いくつかの形態では、この領域に一定のエネルギーを提供する従来の点火プラグであってよい。より広い範囲では、爆燃領域は、レーザ点火装置であってよく、又は、一形態では熱エネルギーである十分なエネルギーを気体を爆発させるために適用する装置であってよい。燃焼位置607’からディフューザ631’の長手方向前側領域までの距離は、点火を最も効果的にするように配置されるべきである。一形態では、点火位置607’は、管(その内側面)611’のおよそ1直径長さの±50%である。より広い範囲では、この距離は、管の直径の4分の1から管の直径の4倍までであってよく、例えば燃焼する燃料、ディフューザの断面開領域、空気燃料混合物の流量、及び潜在的な他のファクタなどの複数のファクタにもちろん依存する。
【0086】
ここで
図60Cを参照すると、エネルギー変換装置660’の拡大図が示されている。入力ポート調節システム681’の一形態は、シールブロック部材の積層体649’を構成する複数のシールブロック部材651’がある。一形態では、
図60Eに659’で示される内側カム面に係合して回転可能な中心カムシャフト653’が設けられている。
図60Dにはエネルギー変換装置660’が示されており、ロータアセンブリ661’として概して参照される第1及び第2ロータが断面で示されている。出口ポート642’は、一形態ではマッハ3の範囲で等しく高速で気体を外に出す。この高圧の気体は、ロータアセンブリ661’にエネルギーを与える。膨張気体の中心スラストは、ロータアセンブリの中心部分にあるものの、膨張気体からロータ部材の各々の広い開放面まで運動エネルギーを与えるためにいくらかそこに接線方向に働くことが理解されよう。一形態では、ロータ部材は、668’でほぼ回転の近くに最大容積位置を概して有している。従って、シールブロック部材649’の積層体が、気体が最大容積位置に向かって671’で最初に形成されるチャネルを通って徐々に拡散していくように配置され、それによって、ロータアセンブリ661’上 (
図69Aに示されるもののようにサンドイッチ状の設計が利用される場合に少なくとも1つのロータ上、又は、ロータの両方上、又は、複数のロータ上)に最大トルクを生成する最大圧力でロータ上にその力を直接的に高圧気体が作用させる。
図60Eを参照すると、チャネル671’が、概ね示されており、シールブロック649’の積層体の拡張部分と連通する。
【0087】
ここで
図60F〜
図60Hを参照すると、中心カムシャフトに加えてシールブロック部材の様々な図が示されている。
図60Fに示されるように、シールブロック部材651’は、一形態では、
図60Hに示されるように中心カムシャフト653’のカム面655’に係合するように形成される延在部を有する内側カム面659’を各々備える。従って、
図60Gのシールブロック部材649の積層体で示されるように、様々なシールブロック部材が、個々に制御されて、中心カムシャフト653’を回転させることによって連続的に開放され得ることが概ね理解されよう。
【0088】
ここで
図60J、
図60K及び
図60Lを参照すると、力生成システムのための概略の設定が示されている。
図60Jに示されるように、コンプレッサ680’は、吸気口683から予熱器すなわち伝熱システム691’に圧縮空気を提供し、予熱器では、この空気が、気体爆燃管を通って移動し、又は、625’で示されるように燃料供給口686を備える間欠爆燃装置600’に運ばれ、より具体的には最初に混合室に運ばれ、混合室では、気体が同時に爆発し、加圧された熱い生成物が、エキスパンダ又は一形態ではエネルギー変換装置660’から排気口685へ吐き出される。ここで
図60Kを参照すると、上述されたものと同様のシステムが示されており、このシステムでは、エネルギー変換装置660’から出た気体はその後、第2のエネルギー変換装置660’に運ばれる。タービン段は、ずらされて順序通りに再配列される。ここで
図60Lを参照すると、ボイラー711’を通って排気気体が移動するエネルギー変換装置660’の下流以外は上述したもの同様のシステムが示されており、排気気体は今度は、エキスパンダ713’を通ってコンデンサ715’まで移動する例えば水などの作動流体を加熱し、作動流体は、ポンプ717’を通って圧縮され、再加熱のためにボイラー711’に戻される。
【0089】
従って、間欠爆燃装置600から出た極めて高エネルギーの気体がエネルギー変換装置で利用され、エネルギー変換装置は、同一直線上からオフセットして交差する軸線回りに回転する第1及び第2ロータを有する装置であって、そこにトルクを与えるロータに対して接線角で作動チャンバに膨張気体が衝突する作動チャンバを形成する装置であることが理解されよう。本願中のいくつかの形態で示されるロータは、等しく頑強であり、例えばタービンブレードよりも頑強であり、利用可能なエネルギーのためにそこからトルクを引き出す間欠爆燃システムの極めて高い温度及び圧力を扱うように設計されていることに留意されたい。間欠爆燃システムは、概ね第1燃焼率を有しており、及び従って、一定容積の燃焼を有効に有している。従って、一形態では回転運動容積式装置であるエネルギー変換装置を調整することによって、そこからエネルギーを引き出すために室内ですべての気体を捕らえることができる。
【0090】
現在の解析は、間欠爆燃システムの下流に容積式回転運動装置を有することに大きな効率を有する可能性がある。これらのシェルキンスパイラル同士の間の長手方向の間隔(スパイラル又は他の形態において)は、リバウンディング反射衝撃波が混合物内に乱れを生じさせて炎伝搬速度を加速させるようなものであることにさらに留意されたい。
【0091】
燃料に関して、霧化され得るか又は微粉化され得るたいていの燃料が間欠爆燃エンジンに潜在的に利用されることが可能であり、上述したように、硫化水素の粒状物質の高い汚染物を有する燃料などの「低質燃料」も同様に利用されることが可能である。
【0092】
図60A〜
図60Eに示される実施形態に関して、
図60の690で示されるものと同様のスロットルが、入力ポート623’内に空気を入れてそこに許容される空気の量を制御するために利用されることに留意されたい。言い替えれば、空気の流入は、燃料との化学式通りの適切な混合であり、また、エネルギー変換装置680’の回転率に依存して、この装置は今度は、
図60と同様の方法コンプレッサを回転させ、このコンプレッサの排気流量率はスロットルによって制御される。
【0093】
熱気がシステムに流入すると、プレナムは燃料が軸方向に導入される強制的な混合効果を作り出す。多大な量の燃料があり(流れは非常に乱れる)、ノズルは速度を低下させ、その後、ディフューザが連動して作動する。ノズルは流速を効果的に低下させる。ディフューザは適切な爆燃のために流れの乱れを減少させる。ディフューザの前側面は、長手方向後方に戻る衝撃波を反射させるように作動する。混合室でディフューザとノズルとを利用すると、後方に移動する爆燃の衝撃波は、燃料噴霧器がエンドキャップの近くの混合室の近くの位置にあるように弱められる。
【0094】
ディフューザの長さの1つの特徴は、後方に向かって作用する炎が、長手方向後方に移動する炎を消すことができる火炎防止装置として作用する急冷効果を有することである。全長の2分の1よりも少なくとも大きく、ディフューザの長さは、開口を形成する内側面の正味の断面積に加えて、非開放領域に対する開放領域の割合を条件とすることが可能である。従って、より広い範囲では、ディフューザの長さは、設計のファクタに依存して1インチの8分の1〜2インチであり得る。ディフューザが長くなるにつれて潜在的な圧力損失は増大するので、流体の流れを減速させ、システムに対して有害な作用を有し得る。
【0095】
一形態では、ノズル
613の圧縮された部分は、ディフューザ631’に向かう開断面積よりも小さい。一形態では、
図60A〜
図60Bの距離比は縮尺通りであって、またもちろん、一形態では読み取り可能な範囲内でそらされ、例えば互いの構成要素の関係に対して±20%である。
【0096】
図61Aにはエネルギー変換装置120
ivが示されており、このエネルギー変換装置120
ivでは、ロータ122
ivがロータ部材131a
iv及び131b
ivを備えているを見ることができる。概して、(以下に説明されるようにスパイラル形でない場合)ロータは3:2の比を有しており、ロータ131a
ivが3つのローブを有するとともにロータ131b
ivが2つのローブを有する。従って、これらの2つロータ同士の間の回転差は2:3の比であり、ロータ131a
ivは、例えば、ロータ131
ivの360°の回転に対して240°回転する。
【0097】
ここで、割り出しシステム124a
iv及び124b
ivを説明する。
図61Bから見ることができるように、割り出しシステム124b
ivを示すエネルギー変換装置120
ivの概略図がある。概して、この割り出しシステムは、固定割り出しロータ132a
ivが5つのローブとともに配列されるように配列される。さらに、割り出しオフセット面156a
ivが6つのローブを有するように配列される。従って、固定割り出しロータ132a
ivに固定して取り付けられるシャフトは、ロータ131a
ivの潜在的な速度の6/5倍で回転する。
【0098】
ここで、
図61Aの右側部分に示される割り出しシステム124b
ivを参照すると、割り出しオフセット面156b
ivが4つのローブを有する一方で固定割り出しロータ132b
ivが5つのローブを有することが理解されよう。従って、この具体例では上述したように、ロータ131b
ivが例えば360°の一回転を回転すると、対応の対向するロータ131a
ivは240°回転する。従って、シャフト、より具体的には、固定割り出しロータ132a
ivは、240°の6/5にわたって回転し、この場合には188°に等しい。ここで、装置120
ivの右側部分を見ると、上述したように、参照の目的のためのロータ131b
ivが360°回転し、従って、固定割り出しロータ132b
ivは、360°の4/5にわたって回転し、これもまた188°に等しい。もちろん、この実施形態では、固定割り出しロータ132a
iv及び132b
ivは両方とも中心シャフト126
ivに固定して取り付けられており、これらのロータの両方が、任意の形状の渋滞を避けるために駆動ロータに対して同じ程度回転しなければならない。ギア割り出し装置及び波ロータから構成されるロータのために、左から右にリストされるギア及びロータに対するローブの数のいくつかの可能性のある組み合わせ(すべてではない)を以下に示す。様々な比の表をここで以下に示す。
【表1】
【0099】
上の表は、網羅的ではなく各面のこぶ部同士の間の可能性のある比の様々な例である。
【0100】
ここで
図62Aを参照すると、シャフト126
ivの視点に沿ったエネルギー変換装置120
ivの端面図が示されており、それによって割り出しシステム124a
ivの詳細を示す。
図62Bは、
図62Aの62B−62B線に沿った断面図を示しており、一形態ではロータ122
ivが単純に規則的なロータであることが理解されよう。ローブは、中心から半径方向外側に延びており、また、スパイラル状に回転することが可能である。スパイラルのねじれは、さらにここで説明される2つの動力伝導部同士の間でN:N−1と同様の比で実施される。
図62Bに示されるように、シャフト126
ivは、一形態では潤滑のための流路を提供する内側通路212
ivを備える。さらに、通路213
ivは、例えば、そこを通る作動流体を出し入れするための内側通路を提供する。一形態では、流体は、エネルギー変換ユニットがエキスパンダ又はコンプレッサとして作動することが可能な圧縮性流体である。動力伝導部同士の間の開放通路の迷路を通るようなスパイラル状に流体が進む際の流体の圧縮及び膨張の特質のさらなる詳細な説明がさらにここでなされる。ここで、動力伝導部をさらに詳細に説明し、ロータ131a
ivが
図63A〜
図63Eで説明され、第2ロータ131b
ivが
図64A〜
図64Eで説明される。
【0101】
ここで、
図63A〜
図63Eを参照すると、3ローブの波ロータが係合面143
ivを備えることを見ることができる。一形態では、この係合面は、
図27の係合面143
ivといくらか似たようなものであり得る(特定の係合面はさらに多くのローブを有する)。しかしながら、ロータの中心に対して単純に半径方向に延びる山部及び谷部を有することに代えて、すべてのロータ面は接線方向に回転する。2つの動力伝導部が共通の中心回りに回転するので、中心からの値であるすべての半径値ロー、そうでなければ「ρ」として参照される(ロータの中心からの距離)は、他のロー値と異なって作動することが理解されよう。従って、球体層(例えばオレンジの皮)の無限数を有するものとしての対の動力伝導部を想定すると、あらゆるタイプの変形例が、係合面に沿って異なるロー値をとってよい。この場合、係合面は、
図63Aの等角図に示されるようにスパイラル状に回転させられる。
【0102】
ここで
図63Bを参照すると、係合面143
ivの正面図が示されている。概して、この形態では、半径方向内側部分219
ivの回転量は、半径方向外側部分221
ivに対して反時計回りに2倍回転する。従って、様々なスパイラル線が、例えば、頂部又は係合面の長手方向前側部分を示している。
【0103】
図63Cに示されるように、その間に介在する3つの谷部を有する3つのローブに対応する3つの谷部が本質的にあるので、またさらに、半径方向外側部分221
ivから半径方向内側部分219
ivまで反時計回りに2倍のローブの回転量があるので、
図63Cに示されるようにロータ131a
ivの上側領域及び下側領域に6つの頂部が示されている。
図63D及び
図63Eは、割り出しオフセット面156a
ivが6つのローブを有しているように示される背面図及び等角図をそれぞれ示している。
【0104】
ここで
図64A〜
図64Eに示される他の力ロータ131b
ivを参照すると、この噛み合いロータは係合面142
ivに2つのローブを備えていることが理解されよう。しかしながら、
図64Bを参照すると、正反対に対向する領域である2つのローブが、スパイラル状の設計で示される頂部分を有することによって示されていることが理解されよう。(
図61A及び
図61Bで噛み合って示される)駆動ロータ122
ivがスパイラル状の設計で作動するために、1つの少ないローブを有するロータは、半径方向外側部分225
ivから半径方向内側部分223
ivまで1回多く回転しなければならない。言い替えれば、スパイラルに時計回りにまさに上部又は底部でローブの頂部の1つを辿ると、およそ3回転することがわかる。ロータ131a
iv及び131b
ivの間の回転分散のため、1つ少ないローブを有するロータは、1回多く完全に回転しなければならない。さらに、
図64Cに示されるように、ロータの上側部分及び下側部分の各々が、
図63Cに示される頂部の数と同数の頂部を有する6つの頂部があることが分かる。結果として、
図64D及び
図64Eに示されるように、4つのローブを有する割り出しオフセット面156b
ivがある(
図61Aも参照されたい)。オフセット面156b
ivは、例えば、
図65及び
図66に示される固定割り出しロータ132b
ivと係合するように作動可能に形成されている。概して、これらの図に示される固定ロータ132
ivは、面198
iv上に配置される5つのローブを有している。さらにこれらの図に示されるように、内側面237
ivは、長手方向前側部分に後退し、さらに、それと一体に移動するために、固定割り出しロータ132
ivをシャフトに固定して取り付けるためにノッチ239
ivに対して調節される。
【0105】
ここで
図64F〜
図64Jを参照すると、エネルギー変換装置の別の実施形態が示されている。この実施形態はいくつかの点において、漸進的なキャビティポンプとして作動する。一形態では、内側又は外側ロータ131c
iv及び133d
ivは様々な材料から形成されてよく、一形態では、内側部材は金属から形成され外側部材はゴム系材料であり得る。内側ロータを利用する1つの方法は、外側ロータの対向面を作り出すことができるスパイラル形状のカッターとしてである。
【0106】
一形態では、2°のアルファ角を有するA角である6段階のオフセット角がある。さらに、一形態では、回転は、2対3の回転比があるローブの数に応じた回転である。2つのロータは、一形態では割り出し面であり、又は、チャンバ容積が容積を減少させる漸進的なキャビティタイプのポンプであり得る。例えば、
図68A〜
図68Dと同様に、
図64F〜
図64Jに示される実施形態は、コンプレッサ、ポンプ又はエキスパンダなどのエネルギー変換装置に加えて、割り出し面のために採用され得る。
【0107】
図64Fに示されるように、内側ロータ131c
IVは外側ロータ133d
IV内に位置決めされる。
図64Gに示されるように、外側ロータはこぶ部159
IV及び谷部157
IVを備える。同様に、
図64Hに示されるロータ131c
IVは、外側ロータ133d
IV内で回転し、さらに
図64Jに示されるように、内側ロータは軸線178
IV回りで回転し、また、外側ロータは軸線180
IV回りで回転し、これらの2つの軸線同士の間の角度は、
図64Jで2°で示されるオフ角である。
【0108】
ここで
図67A〜
図67Dを参照すると、係合面141
Vを有するロータ部材131
Vが示されており、係合面141
Vは、例えば、一形態では容積式係合面であるか、又は、より広い範囲では、静的タイプの面であり得る、又は、その組み合わせである、流体を配置するための作動面の任意のタイプであり得る。駆動ロータ131
Vの関連要素は長手方向後側部分に位置決めされる。
図67Bに示されるように、波タイプの設計の割り出しオフセット面156
Vが示されているものの、
図67Cに示されるように、割り出しオフセット面156
Vはさらにスパイラルタイプの設計である。
図67Dは、こぶ部として参照される長手方向後側部分159
Vと、谷部として参照される長手方向前側部分157
Vとの原理を概ね示す等角図を示している。ここで
図68A〜
図68Dを参照すると、固定割り出しロータ132
Vが示されており、割り出し面174
Vは、
図67A〜
図67Dに示される割り出しオフセット面156
Vとの対応のスパイラル状の係合を有することが理解されよう。
図69A〜
図69Bには、エネルギー変換装置120
Vのアセンブリの全体が示されており、動力伝導部122
Vが設けられており、一形態では(例えば)介在ロータ121
Vがあることが理解されよう。割り出しシステム124a
V及び124b
Vがそれぞれ設けられており、
図67A〜
図68Dに示される構成要素が利用されることも理解されよう。
図68Dを参照すると、内側面237
Vが、
図69Aに示されるように、中心シャフト126
Vに噛み合わせられ得るスロット239
Vを備えることが理解されよう。
図69Bは、固定割り出しロータ132
Vと連動して作動する駆動ロータ131
Vを示す端面図を示しており、これらの2つの構成要素同士の間に回転比があることが理解されよう。
【0109】
メインロータのために設計されたスパイラルを有することについて様々な潜在的な利点がある。部分的なスパイラルは、(例えば、キャビテーションを減少させるための接線流要素を作り出すことによって)入口ポート及び出口ポートの両方上で、外径の近くで流体力学を改善することが可能である。さらなる利点は、流体上の遠心力がロータに接線方向の力を作り出して効率を良くする。各側面は、適切なポートによって分離流体をポンプで供給することができ、またさらに、割り出し装置は、流体をポンプで供給するためにポートされることが可能であり、又はそうでなければ、そこを通過することができる(圧縮性又は非圧縮性の)流体を有し得る。
【0110】
現在の解析は、直線カットの波ローブが流体を「はたく」可能性を有しており、又は、ある状況でノッキング効果を生じ得る捕らえられた容積の長いストリップを作り出し得ることを示している。部分的にスパイラルを追加することは、即座に流体の長いストリップをはたくことに代えて、捕らえられた流体を半径方向外側に(又は他の実施形態では内側に)スパイラルシーリングが本質的に圧迫することから、ローブ内に包含される流体のこの潜在的なノッキング又ははたきを潜在的に排除することができる。メインロータは貫通シャフトによって割り出されなくてもよく、また、ロータが(例えば力及び従属ロータと)接触しなければならない場合、スパイラルは、スパイラルかさ歯車に酷似したロータ同士の接触を緩衝することを手助けすることができ、接触の位置は、「はたく」作用を排除して防音装置及び円滑な運転動作につながるように、ローブの内側から外側(又はその逆も同様)に漸進的に移動する。
図67A〜
図69Bに示されるスパイラルタイプの割り出し装置に関して、上記されたものと同様の利点があり、すなわち、割り出し装置に追加された部分的なスパイラルはノイズを低減し、円滑な運転動作を形成し、接触の不意の衝撃に代えて「ギアの歯」の間のより段階的な「衝撃」に起因して潜在的に摩耗寿命を向上させる。この緩衝作用は、割り出し装置がより高い回転速度で回転する場合に潜在的にさらに一層顕著であり得る。さらに、スパイラルは、直線カットのローブに比べてより長い接触線を作り出す。これらの長い接触線は、割り出し装置のスラスト負荷性能を向上させる。スパイラル割り出し装置は、それが(例えば直線カットのローブなどの)細い線に沿って「空気を捕らえ」ないという事実によってもまた円滑に作動し、その一方で、スパイラルでは、空気は、閉じこめられた二重シール位置から次第に圧迫される(二重シールは、先端シールとギアリングシールとが同時に流体の線を圧迫する位置を示唆している)。ここで、スパイラル設計の実施形態では、現在の解析は、上述の捕獲が生じないものの、段階的な圧迫が半径方向に生じる。部分的なスパイラルギアは、捕らえる位置における気体の「圧縮」に起因したより少ない機械的損失のため、より円滑により効率的に作動するべきである。油で潤滑された割り出しギア歯に関して、スパイラルは、実際は半径方向のポンプ作用を有している。例えば、シャフトの付近で内側に油や潤滑剤がある場合、油は、小さなポケットに捕らえられることになり(スパイラルギアリング形状、「二重シーリング」)、その後、割り出し装置の外側に向かって圧縮される。反対の作用が、割り出し装置がどのように設計されている(又は、アルファ角に対して向けられている)かに依存して、及び、回転の方向に依存して生じることがあり、その結果、割り出し装置が油受け内にある場合、割り出し装置は、スパイラルの圧縮作用、先端の二重シーリング作用、及び、割り出しローブ同士の間のギアリングシールによって、油受けから油を潜在的に「吸い込む」ことができる。上述のポンプ作用は、滑らかにするために油をポンプで供給することのみならず、自己を冷却するために有用であり得るので、割り出し装置が摩擦によって加熱した場合に冷却のためにも有益である。さらに、潤滑油を有するスパイラルの力学は、潤滑剤(例えば油)のキャビテーションを防止することを潜在的に手助けする。
図67A〜
図69Bに示されるように、ここでは立っているスパイラルは、オフセット角「a」に対向する円錐面に内接する単純な直線のスパイラル又はアルキメデスのスパイラルである。異なるスパイラルも用いられ得る。解析の目的のため、単に接触負荷が「垂線」の方向にさらに伝達されるので、直線カットの割り出しギアは、スパイラル割り出し装置に比べて伝達トルクで良好であり得ることが想定される。この場合、ボールの近くでさらに多くのスパイラルを有するように、及び、応力に抗するためのより多くの材料がある場合に、割り出し装置の外側に向かってスパイラルの傾きが少ないように、変化するスパイラルを有することが好ましい。
【0111】
異なるスタイルのスパイラルがなぜ好ましいかについての別の理由は油のポンピングに関する。例えば、油流体の上の遠心負荷は、割り出しローブの内側近くよりも外側近くでより大きい。従って、例えば割り出しギアの対の内側に対して外側から油をポンプでより良好にポンプで供給するため、割り出し装置が油受け内にある場合に、割り出し装置の外側近くにより集中的なスパイラルを有することが好ましいものの、油の遠心力が小さい場合、その領域での潜在的により良好なトルクの伝達のために、内側近くにあまり集中的でない(小さな放射角の)スパイラルを有することが好ましい。あまり集中的ではないスパイラルは、半径方向に捕らえられた大きな流速を生じることにさらに留意されたい。従って、外径近くに集中的なスパイラルを有すること、及び、油受け内の割り出し装置の内側近くにあまり集中的ではないスパイラルを有することは、例えば、外側から内側に向かって流体を加速させることができ、このことは、油の良好な噴出作用を形成することがあり、油の内側への噴出が好ましい場合に(例えば、シャフトの近くのシールで油の噴出が求められる設計の場合)は有益である。シャフトの近くのシールで油の噴出がおそらくそれらのシールを冷却するために有益であり得るので、同様のことが冷却にも言える(このことは、同様に通常の直線のスパイラルにも別の議論であり得る)。
【0112】
図70A−70Dには、割り出しハウジング132
viの他の実施形態が示される。概して、
図70A及び
図70Cから分かるように、割り出し面174
viは、上述と同様に駆動ロータの割り出しオフセット面と相互に関連するように作動可能に形成される(この形態では割り出し面はスパイラルタイプの設計である)。
図70A〜
図70Dには、割り出し面調節システム241
viが示されており、この割り出し面調節システム241
viは、一形態では貫通シャフトに堅く取り付けられるように作動可能に形成されるベースリング243
viを備える。鍵位置239
viのように作動するノッチが、中心シャフトにベースリング243
viの回転をロックするために採用される。
図70Bの分解図には、複数の調節部材245
vi及び一形態では受け止めベース247
viが示されている。
図70Dに示されるように、一形態では調節部材245
viが、
図70Dの上側部分に示されるように、相互に対向するように形成され、一形態では、この部材の3つの対がベースリング243
viに対して外側リング249
viを再位置決めするために利用され得ることが理解されよう。一形態では、受け止めベース247
viは、ベースリング243
viに沿って受け止め位置でそこに入れ子状に収まっており、例えば押さえねじであり得る調節部材は、外側リング249
viにねじで係合し、そうでなければ、中心シャフトに対して外側リング249
viのわずかな調節のために外部からアクセス可能である。従って、割り出し面調節システム241
viは、割り出し面174
viのわずかな調節を提供し、割り出し面174
viは今度は関連したロータ部材を回転させ、その結果、2つのロータ部材がその間に既定のクリアランスの隙間について相互に回転調節され、又は、その間の回転距離を規定するために相互に回転調節される(締まりばめの場合、例えば2つのロータは、先導面及び後面の間に等間隔で配置される)。
【0113】
ここで
図71を参照すると、エネルギー変換装置120
viiが示される。ロータ部材123
vii及び125
viiが、上述と同様にシャフト126
vii回りに回転するように作動可能に形成される。ハウジング119
viiが概ね断面図で示される。
図71は、複数の構成要素を有するほぼ完全なハウジングアセンブリを示しており、いくつかの形態では、ハウジングアセンブリは単一のモノリシック構造を形成するために結合される。しかしながら、
図71に示される実施形態は、以下に概して説明されるハウジングを構成する唯一の形態である。ハウジングを示す数字表記(「
vii」の表記を含まない)は、上の開示で同様の数字表記と相互に関連しなくてもよい。
図71の右側部分から始めると、大きな端部キャップ132
viiに取り付けられる小さな端部キャップ130
viiがある。ベアリング部材134
viiが設けられており、ベアリング部材134
viiは、一形態では、ベアリングハウジング136
viiすなわちニードルベアリングハウジングに収容されるニードルベアリングである。ロータ123
viiの長手方向後面に係合するように作動可能に形成されるシールプレート138
viiがさらに設けられており、さらに同様に、シールプレート140
viiが、ロータ125
viiの長手方向後面に係合するように形成される。最小容積シールブロック142
viiがロータの下側領域に設けられており、一形態では、ロータ123
vii及び125
viiの間に形成される室の最小容積の近くに位置決めされる。ロータアセンブリの対向する領域には最大容積シールブロック144
viiが位置決めされる。割り出しスパイラルギア146
viiが設けられ、そこから半径方向内側にクロッカーコア148
viiが位置決めされる。鍵部150
viiが、シャフト126
viiにクロッカーコア148
viiを回転可能に装着するように形成される。大きな端部パワーキャップ152
viiが設けられており、小さな端部パワーキャップ154
viiに装着するように形成される。シャフトシール156
viiがシャフト126
viiに係合するように設けられている。クロッカーコア148
viiは、一形態では、
図70A及び
図70Bに示されるようなベースリング243
viと同様であることに留意されたい。一形態では、ブロック142
vii及び144
viiは、ロータ123
vii及び125
viiの間の様々な室に対して流体を出し入れすることができるようにポートを提供する。
【0114】
図72には、エネルギー変換装置120
viiiの等角図が示されている。概して、この装置は、入口170
viiiと出口172
viiiとを有している。装置120
viiiはハウジング119
viiiを備えており、
図73に示されるように、ロータアセンブリ122
viiiが設けられており、入力ポート174
viiiが入口170
viiiと連通することが分かる。同様に、出口ポート176
viiiがさらに出口172
viiiと連通する。一形態では、入口ポート及び出口ポートが、最小容積シールブロック180
viiiと最大容積シールブロック182
viiiとによって形成されており、シールブロックの半径方向の幅は、出口及び入口ポート176
viii及び174
viiiの間でロータアセンブリ122
viiiの外面のシーリング接続を提供するために配列され得る。さらに、他の形態では、これらのシールブロックは、例えば、エネルギー変換装置の配列に依存して気体の膨張又は圧縮のいずれかのためのシールされた容積のタイミングを調整するために圧縮性流体との配列を調節することが可能である。
【0115】
図73にはさらに、通常はテストの目的のために設けられる、又は、ハウジング119
viiiの内側部分のモニタを必要とする特定の場合に利用され得る、近接プローブ186
viiiが示される。
【0116】
図74A〜
図74Eには、割り出しシステム124
ixの別の実施形態が示されている。概して、
図74Aには、1対の動力伝導部から構成されるロータアセンブリ122
ixが示される。シャフト126
ixに固定して取り付けられるように形成される割り出しハウジング132
ixが設けられている。
図74Bには、複数の割り出し延在部174
ixが設けられる割り出しハウジング132
ixが示されている。ここで、
図74Cを参照すると、割り出し延在部174
ixは、割り出しハウジング132
ixから分離した分解図で示されており、それらは、割り出し装着位置133
ix内に嵌め込まれるように作動可能に形成される。一形態では、割り出し延在部174
ixは、割り出し装着位置133
ix内にあるように単純に嵌め込まれ得るし、又はその中に単に配置され、
図74Aに示されるように、わずかな保持面135
ixを有することによって固定して配置される。
【0117】
図74Dは、割り出しハウジング132
ixの背面図を示しており、さらに
図74Dに示されるように、断面図は、上側及び下側割り出し装着位置133
ixを提供する。これらの図に示されるように、個々の割り出し延在部は、保持面135
ixによってその中に保持され得る。開口137
ixは、潤滑剤が通過することができるように設けられ得る。
【0118】
ここで
図75を参照すると、エネルギー変換装置120
xの他の具体例が示されている。エネルギー変換装置120
xは、さらにここで説明されるように、ローブの係合面のためにインサートを提供するように設計される動力伝導部130A
x及び130B
xを備えている。エネルギー変換装置120
xの第2の注目に値する構成要素は、さらにここで説明される規定の割り出し面内に収容されるボールベアリング部材を利用する事項で備える割り出しシステム124
xである。従って、1対のロータ122
xをまず説明し、より具体的には1対のロータを備えるロータインサートを有することの性質を説明し、次に、一形態ではボールベアリングなどの球体部材である可動割り出し装置175
xを利用することに関する割り出しシステム124
xを説明する。
【0119】
ここで
図76を参照すると、駆動ロータ130A
xがあり、この駆動ロータ130A
xは、一形態では、ロータベース部材147
xと複数のロータインサート149
xとを備えるアセンブリである。
【0120】
図77には、インサート取付位置151
xを備えるロータベース部材147
xが示される。一形態では、インサート取付位置151
xは、
図78に示される保持スロット155
xに係合するように形成される突出延在部153
xを備えている。この図は、取付ベース157
xを提供するロータインサート149
xの具体例を示している。ローブ161
xは、上述と同様に、(例えば、
図5〜
図12を通じて示される例であって上の数学によってさらに説明される例に加えて、
図1〜
図4を参照して最初に教示される方法によって)面142
xを作り出す。
【0121】
図76は、組み立て状態のロータ130A
xを示している。複数のロータインサート149
xが、ロータベース部材147
xのインサート取付位置151
xに取り付けられている。もちろん、ロータは、
図76に示されるもの以外の様々な形状を有するアセンブリであってよい。一体構造に対して駆動ロータを備えるアセンブリを有することの1つの利点は、ロータインサートがロータベース部材と異なる材料から構成され得ることである。例えば、ロータインサートは、硬質材料又は一部の例では軟質材料から鋳造されてよい。いずれにせよ、ロータベース部材147
xの特質は、ロータインサート149
xに求められる特質と異なってよい。
【0122】
さらに
図76を参照して割り出しシステム124
xを説明する。
図76の駆動ロータ130a
xの長手方向背面図に示されるように、複数の割り出しオフセット面156
xがある。これらのオフセット面は、
図79に示される対応のハウジング割り出し面174A
xに係合するように作動可能に構成される。再び
図18及び
図19を参照すると、そこに取り付けられる複数の割り出し面174を有する割り出しハウジング132があることが分かる。ここで
図79を参照すると、割り出し面174A
xが、割り出しシステムを提供するために面174A
xと割り出しオフセット面156
xとの間に介在するボールベアリングと協働する割り出し装置132
xを見ることができる。ここで
図80を参照すると、エネルギー変換装置120
xが示されており、駆動ロータ130A
x及び130B
xが相互に係合し、ロータベース部材147
xに取り付けられるロータインサート149
xがあることがさらに分かる。
図80の右側部分を見ると、駆動ロータ130B
x上に、外部割り出し面174
xを提供して、割り出しハウジング132
xのハウジング割り出し面174A
xと協働する割り出しオフセット面156
xと球体部材175
xとを見ることができる。下右側部分の下側の球体部材175
xは、ロータを適切に割り出して、シャフト126
xに対する規定の回転位置にそれらを維持するように上述と同様に下右側部分の面156
x及び174
xと協働することが理解されよう。
【0123】
ここで
図81を参照すると、エネルギー変換装置120
xiが示される別の実施形態が示されている。概して、この装置は、第1及び第2ロータアセンブリ122A
xi及び122B
xiを利用しており、これらのロータアセンブリからのエネルギーは、ベベルギア面199
xiによって中心シャフト126B
xiに変換される。
【0124】
図1及び
図39で説明されるように、それぞれ楕円形の外形及び波形の外形の両方のためのベースカーブを定式化するための根拠を説明する。これらの方程式は、楕円形のボールベアリングと波形のボールベアリングとの割り出し面の外形の両方のためのベースカーブを導き出すことに加えて、涙形のベースカーブのためのベースカーブ、及び、割り出しギアのギアロータ対の2つのロータのいずれか、又は波形ロータのベースカーブを導き出すために用いられる。パラメータtは、ラジアンで、その回転軸線回りのロータの一方の回転角を表している。パラメータpは、他方の構成要素に対して一方の構成要素の回転角の間のアルファ角を表している(ボールベアリングの群は、面の数学の定式化のための1つの構成要素として考慮され得ることに留意されたい)。パラメータBは、一方の移動物体と他方の相互の噛み合いとの間の相対速度の比のための速度比の乗数である。ボールベアリングのセットは、群の正味の回転軸線回りのボールベアリングの群の正味の回転の速度比を有する移動物体として考慮され得ることに留意されたい。楕円形の割り出し面では、速度比B=1であって、波形の外形の場合にはB≠1であり、典型的な波形の外形は、B=1+1/N又はN=1−1/Nの場合に生成され、Nは、等間隔に配置されたローブの数、等間隔に配置された割り出しピンの数、又は、例えば等間隔に配置されたボールベアリングの数である。パラメータRは、ベースカーブがある仮想球面の半径である。デカルト座標系がCvRアセンブリの球体の中心に中心を置く。
【0125】
図39に示される
【数1】
において、ベクトルVは、原点からポイント330に延びるXYZ座標のベクトルを表すとすると、一連の4つのベクトルが適用される。最初に、Y軸回りの+アルファだけVのベクトル回転を実行する。結果として生じたベクトルを、Z軸回りに+B
*tだけ回転させる。その後、結果として生じたベクトルを、Y軸回りに−pだけ回転させる。結果として生じたベクトルをZ軸回りに−tだけ回転させ、その結果がベースカーブCであり、又は、カッター経路の中心として知られている。以下は、すべて書き出された4つの回転行列を有する行列の掛け算である。
【数2】
【0126】
掛け算及び簡約化の後、ベースカーブのためのデカルト座標におけるパラメータ方程式は従って、
【数3】
である。
【0127】
ベースカーブの具体例は
図83及び
図84で見ることができ、それぞれ波形及び楕円形の割り出し設計のための部材a2及びb2は、p=2.5°及びa=45°のアルファ角で示される。
【0128】
楕円形の案内溝を有するボールベアリング割り出し装置は、(貫通シャフトの一部に取り付けられる)一部分とロータの楕円形とに取り付けられる楕円のピンを有することに代えて、ボールベアリングバーションがここで、ロータ上に一連の楕円形を有すること、及び一部の楕円形が貫通シャフトに固定されることを除いて、通常の楕円形の割り出し装置と同様である。2つの一連の楕円形はベアリングであり、楕円面がボールベアリング上で案内溝として同様に機能するので、ボールと楕円形状の溝との間に主要な転がり接触が生じる。
【0129】
この点の開示は、半径方向に円錐形、又は、上の数学で説明される「ベースカーブ」Cに沿って移動する「カッター」としての一定半径のラビットイヤのいずれかによって作り出される機械加工面を導き出してきた。ボールベアリングの楕円形の割り出し装置では、パラメータB=1を使用するカッターの経路として同一のベースカーブCが用いられ得るし、楕円形の割り出しベースカーブの具体例は、
図84で示される部材b2であるものの、カッターとして円錐、又は円筒、又は任意の半径、スパイラル又は任意の形状を用いることに代えて、
図84の部材b3などのカッターとして球体を用いており、球体は、ベースカーブb2上に中心を置き、b2に沿って数学的に円弧を描き、例として
図84に示されるように、この図でボールを割り出す任意に選択された6つの割り出しボールによってトロイダル容積b4を生成する。この容積の外側は、機械加工されるべきボールベアリングの割り出し面のベアリングの案内溝を生成するために関係する面である。この単一のトロイダル面は、2つの案内溝を作り出すために2つの面に分割されるものとして考えられる。しかしながら、面がどのように調整されるか、すなわち、ユーザが、トロイダル面を調整する方法に関していくらかコントロールすることに依存して、部分的な面の対の内側でボールが依然として転がるので、結果として生じた面の100%を用いることは、装置が機能するために必要でない。
【0130】
楕円形のベースカーブCの導き出しが上述された。ロータと貫通シャフトの回転中心軸線との間には「アルファ角」が形成される。ボールベアリングの数に対して2倍の楕円案内溝がある。
図60A〜
図60Eのエキスパンダエンジンは、10°のアルファ角を有する楕円割り出し装置を有している。この特定の装置は、各側で同一の2つの割り出しアセンブリと貫通シャフトとを有する点で対称である。この具体例では、装置の一方の側で楕円案内溝のセットが、ベースカーブの方程式Cにおいて以下のパラメータ:a=45°、p=2.5°、B=1、によって作り出され得る。ロータの回転中心軸線とボールのアセンブリの回転軸線(円の一定の平面にある)との間でアルファ角2.5°が形成される。ボール群は、貫通シャフトの回転軸線からアルファ角2.5°の軸線回りで回転する。従って、全角度は、ボールを有するこの割り出しアセンブリでは5°である。ボールベアリングはすべて、楕円と同様に同一の間隔で配置される円上にあり、また、楕円面の2つの対同士の間の中間の平面にあることに留意されたい。
【0131】
ロータの背面上に案内溝を作り出すために、ベースカーブは球体半径R上に配置されており、球体半径Rは、好適な実施形態では、シャフトにそれぞれ取り付けられる球体ボール及びロータの背面のソケット球面と割り出し装置との間のクリアランスの隙間の中心半径にある(ボール及び割り出し装置のソケットの球体上の面は必ずしも球面でなくてもよいことに留意されたい)。次に、ボールベアリングのサイズに等しい球体カッターを理想的に用いて、溝を作り出すためにロータの背面の球面への(さらにロータ対の中心に向かって)「カット」がある。この溝を作り出すために除去される材料の例は
図84に示されており、容積としての部材b4は、ベースカーブ経路b2に沿って動くカッターボールb3によって除去される。カッターは、ボールベアリングのためのいくらかの前負荷又はいくらかのクリアランスの隙間のいずれかを作り出すために、ボールの径と全く同一である必要はない。貫通シャフトに固定される割り出し装置の内側ソケット上にトロイダル突出カットを形成するため、ベースカーブに、さらに、ロータ対の装置の球体中心の中心に中心を置くベースカーブ経路の座標系に追従する球体カッターを用いて材料を除去し、その結果、Z軸は局所の回転軸線に配列される。
【0132】
波形案内溝を有するボールベアリング割り出し装置は、ともに噛み合う2つのギア状の対に代えて、トロイダル形状である2つの波面の間の一連のボールベアリングがあることを除いて、ギア対の割り出し装置と同様である。
【0133】
ボールベアリングの割り出しベースカーブでは、上の両方の案内溝を導き出す方程式Cのみを必要とし、今回は、2つの案内溝が、ギア対に入ったかのように1に代えて2つのローブの数で差異を有する。
図83は、案内溝を形成するために除去されるべき容積の方程式を示している。
図83のデカルト座標系a1は、ベースカーブ方程式Cの原点を表しており、また、CvR装置の中心の限定の位置も表している。Z軸は、ボールベアリングの案内溝がその中に機械加工される構成要素の回転軸線を表している。
図83では、ボールベアリングの径3/8”でパラメータp=2.5°、a=45°、N=9を選択し、1つのボールベアリングがカッターa3として想定されることが可能であり、また、ベースカーブa2は、この場合にはR=1.01”の半径にある。この場合、速度比としてB=1+1/9を選択し、10個のローブを生じる。B=1−1/9の速度比を選択すると、8個のローブを有するトロイダル形状のトロイドを生じさせ、構成要素を割り出す他のアセンブリ上の他の案内溝のためにその面を用いることができる。
【0134】
例として、
図85に示される11個のボールベアリングc8を参照すると、この特定のアセンブリは、主要な中心ロータc5及びc6(
図86〜
図89も参照されたい)の間に全アルファ角10°を有する。
図86の割り出しトロイダル形状のトロイド波形の案内溝面c13及びc14では、1つの例を示すためにパラメータa=45°、p=2.5°、N=11が選択される。しかしながら、波形のボールベアリングの割り出し装置では、楕円形のボールベアリング割り出し装置に用いたものと同一のトロイダル容積を用いず、代わりに、2つの案内溝のために2つの異なる面を有する。メインロータc6に固定される案内溝c13では、12個のバンプのトロイダル形状のトロイド切り欠き案内溝面c13を生じるパラメータB=1+1/11を選択し、
図86の部材c7の座標系の中心を有するベースカーブCのデカルト座標系を調整することを確保し、また、部材c7の中心座標系が、ロータ対アセンブリの中心座標系c10に調整される。c7上でベースカーブの適切な位置を確保するために、部分c7のZ軸にベースカーブCのZ軸が調節されることを確保し、Z軸はその部分の回転軸線である。
図86の部分c9上の案内溝c14では、方程式Cを用いてZ軸が
図88の貫通シャフトc13の回転軸線に今回は調節されることを確保して、10個のバンプの波形のトロイダル形状のトロイド案内溝c14を生じるパラメータB=1−1/11を選択し、カーブCの原点は、Z軸の配列を用いてロータ対アセンブリの球体の中心にある。この組み合わせの結果は、ボールベアリングと案内溝との間で最小の摩擦を生じさせる正味の転がりがあり、すなわち、概して作動時にボールベアリングの滑り接触がなく、このトルク伝達装置の高い効率がある。機械加工された部品が十分な公差があり又は前負荷をかけられれば、バックラッシュをゼロにすることができ、また、ギア割り出し装置の対のようなバックラッシュがゼロのトルク伝達装置を作り出し、差異は、ボールベアリングのバージョンがギア対に比べて非常に低い又は無視してよい摩擦であることである。また、メインロータと貫通シャフトとの間の速度比は、ギア対に対して1ローブの差異に代えて、2ローブの差異のために異なる。このことは、割り出し装置に対して2の差異を有する整数のギア比に基づくメインロータのローブの数を制限する。速度比の関数の組み合わせを有するアセンブリの具体例が
図85に示される。アセンブリの左側では、以下のような数のギアローブを有する。部材c1は7つのローブを有し、部材群c2は8つのボールであり、部材c3は9つのローブを有し、このローブは、16個のローブを有するロータc5に固定され、そのローブは、15個のローブを有するロータc6と噛み合い、これは12個のローブ、11個のボールベアリングのc8がその裏側に固定された部材c7を有し、最終的にボールはc9内で案内溝上を転がる。c1及びc9の両方は、貫通シャフトに固定され、それ故に同じ速度で回転する。結果は適切な公差があるかどうかであり、メインロータc5及びc6は相互に擦れ合う必要はなく、その間に維持されるクリアランスの隙間を有することができ、従って、摩耗を低減又は排除する。また、摩耗及び摩擦は部材c1、c2、c3、c7、c8及びc9で最小化される。
【0135】
図88では、ボールベアリングの回転の性質の説明を手助けするため、割り出しアセンブリのアルファ角c16の半分の角度c15で、この場合には2.5°で、ボールベアリングの中心は平面c11内にある。ベースカーブCを有する上述の方程式によって、ボールベアリングの中心が、平面c11内にある円内を移動し、その円の回転軸線が、ロータ対アセンブリc10の原点を横切ることも分かる。
図88及び
図86では、
図83に示される容積a4の半分に比べて、案内溝c11及びc12がどの程度原形のトロコイド形のトロイドの半分よりはるかに小さいことも留意されたい。
【0136】
ボールベアリングは、作動中に等間隔にボールを維持することを手助けするために、ボールベアリングが完全にぴったりはまるスタイルであるものか(すなわち、接触、又はほぼ接触)、又はボールベアリング同士の間の「ケージ」を配置することができるもの、であることが説明されるべきであろう。これはさらに、摩擦の減少を手助けし、作動の円滑さを向上させ得る。
【0137】
図89〜
図92には、複数のベアリング部材が、シャフトの中心ボール部材とロータの1つとの間に介在される別の割り出しシステムが示されている。
図92には、相互の相対位置にベアリングを位置決めする複数のベアリングケージが示される分解図が示されている。後方バックプレートが設けられてよく、
図90の断面図に示されるように、バックプレートは、割り出しシステムを収容するロータに固定して取り付けられている。この実施形態では、割り出しオフセット面はボールベアリングシャフト部材上にあり、割り出し面はベアリングを介している。
【0138】
本発明は、いくつかの実施形態の説明によって例示されたものの、また、例示の実施形態が詳細に説明されたものの、そうした詳細にまで添付の特許請求の範囲の範囲を減縮すること、また、多少なりとも限定することは出願人の意図するところではない。添付の特許請求の範囲の範囲内でさらなる利点及び変形が技術的に十分であることが容易に分かる。従って、さらに広い態様の発明が、特定の詳細、それぞれの装置及び方法、及び図示され説明された例示の具体例に限定されない。従って、出願人の一般概念の精神又は範囲から逸脱しない限りにおいてそうした詳細からの逸脱がなされてよい。
【0139】
本明細書(および請求の範囲)で「備える」、「備えている」等の語は、記述されている構成、数、ステップ、または要素の存在を示しているものと解され、1またはそれ以上の他の構成、数、または要素、あるいはその集団の存在を排除するものではない。