特許第5991851号(P5991851)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5991851
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】熱膨張性マイクロカプセル
(51)【国際特許分類】
   C09K 3/00 20060101AFI20160901BHJP
   B01J 13/02 20060101ALI20160901BHJP
   C08F 220/42 20060101ALI20160901BHJP
   C08F 220/18 20060101ALI20160901BHJP
   C08F 220/28 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
   C09K3/00 111B
   B01J13/02
   C08F220/42
   C08F220/18
   C08F220/28
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-111790(P2012-111790)
(22)【出願日】2012年5月15日
(65)【公開番号】特開2013-237779(P2013-237779A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2015年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 博史
【審査官】 磯貝 香苗
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/122227(WO,A1)
【文献】 特開2009−221429(JP,A)
【文献】 特表2009−540047(JP,A)
【文献】 特開平11−147971(JP,A)
【文献】 特開平05−070618(JP,A)
【文献】 特開2006−002134(JP,A)
【文献】 特開2004−043732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 3/00
B01J 13/02
C08J 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスバリア性重合体と、熱分解性固体重合体と含有し、
100℃で15分間加熱した後の重量減少率が1%以下であり、かつ、
200℃で15分間加熱した後の重量減少率が5%以上であり、
前記ガスバリア性重合体は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及び塩化ビニリデンからなる群より選択される少なくとも1種のガスバリア性モノマーを重合させて得られる重合体であり、
かつ、前記ガスバリア性重合体を30重量%以上含有し、
前記ガスバリア性モノマーがメタクリロニトリルであり、
前記熱分解性固体重合体は、メタクリル酸ターシャリーブチルを重合させて得られる重合体であり、ガスバリア性重合体と熱分解性固体重合体とが共重合しており、
前記熱膨張性マイクロカプセル中のメタクリロニトリルとメタクリル酸ターシャリーブチルとからなる共重合体の含有量が70重量%以上である
ことを特徴とする熱膨張性マイクロカプセル。
【請求項2】
メタクリロニトリルとメタクリル酸ターシャリーブチルとからなる共重合体は、メタクリロニトリルとメタクリル酸ターシャリーブチルとの重量比が30:70〜70:30であることを特徴とする請求項記載の熱膨張性マイクロカプセル。
【請求項3】
体積平均粒子径が0.01〜100μmであることを特徴とする請求項1記載の熱膨張性マイクロカプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯蔵安定性に優れ、強い剪断力が加えられる成形等にも好適に使用可能な熱膨張性マイクロカプセルに関する。また、本発明は、該熱膨張性マイクロカプセルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、樹脂材料の軽量化や高機能化を目的として、発泡剤を用いて材料を発泡させることが行われており、このような発泡剤としては、化学発泡剤や熱膨張性マイクロカプセルが一般的に用いられている。
しかしながら、化学発泡剤は、発生したガスを系内に留めておくことができず、気泡が連続気泡となったり、ボイドやガス抜けが発生したりするといった問題があった。
【0003】
熱膨張性マイクロカプセルとしては、熱可塑性シェルポリマーの中に、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる液体の揮発性膨張剤が内包されているものが広く知られており、例えば、特許文献1には、低沸点の脂肪族炭化水素等の揮発性膨張剤をモノマーと混合した油性混合液を、油溶性重合触媒とともに分散剤を含有する水系分散媒体中に攪拌しながら添加し懸濁重合を行うことにより、揮発性膨張剤を内包する熱膨張性マイクロカプセルを製造する方法が開示されている。
【0004】
しかしながら、この方法によって得られた熱膨張性マイクロカプセルは、液体成分である揮発性膨張剤を内包するため、貯蔵時に揮発性膨張剤が抜けてしまい、貯蔵安定性の悪化を招くという問題があった。
また、コア部分が液体であると、マイクロカプセル全体の強度が低下し、例えば、射出成形等の高剪断が負荷される用途では使用することができなかった。
更に、例えば、熱可塑性シェルポリマーの材料としてアクリロニトリルのような高極性材料を用い、揮発性膨張剤の材料として炭化水素のような低極性材料を用いる場合、製造工程において、塩水とコロイダルシリカの組み合わせを調整したりする等の制限が多く、平均粒子径が10〜50μm程度以外の熱膨張性マイクロカプセルを作製するのが難しいという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭42−26524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、貯蔵安定性に優れ、強い剪断力が加えられる成形等にも好適に使用可能な熱膨張性マイクロカプセルを提供することを目的とする。また、本発明は、該熱膨張性マイクロカプセルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ガスバリア性重合体と、熱分解性固体重合体と含有し、100℃で15分間加熱した後の重量減少率が1%以下であり、かつ、200℃で15分間加熱した後の重量減少率が5%以上であり、前記ガスバリア性重合体は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及び塩化ビニリデンからなる群より選択される少なくとも1種のガスバリア性モノマーを重合させて得られる重合体であり、かつ、前記ガスバリア性重合体を30重量%以上含有し、前記ガスバリア性モノマーがメタクリロニトリルであり、前記熱分解性固体重合体は、メタクリル酸ターシャリーブチルを重合させて得られる重合体であり、ガスバリア性重合体と熱分解性固体重合体とが共重合しており、前記熱膨張性マイクロカプセル中のメタクリロニトリルとメタクリル酸ターシャリーブチルとからなる共重合体の含有量が70重量%以上である熱膨張性マイクロカプセルである。
以下に本発明を詳述する。


【0008】
本発明の熱膨張性マイクロカプセルは、ガスバリア性重合体と、熱分解性固体重合体と含有する。
本発明の熱膨張性マイクロカプセルは、液体成分を内包しないことから、貯蔵時に液体成分が抜けるという問題が生じず、貯蔵安定性を大幅に改善することができる。
また、液体成分が存在しないことで、機械的強度が向上し、例えば、射出成形等の高剪断が負荷される用途で特に好適に使用することができる。
更に、液体成分を内包する熱膨張性マイクロカプセルと比較して、製造工程を簡略化することができ、幅広い粒径範囲の熱膨張性マイクロカプセルを作製することが可能となる。
【0009】
上記ガスバリア性重合体は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及び塩化ビニリデンからなる群より選択される少なくとも1種のガスバリア性モノマーを重合させて得られる重合体である。
【0010】
本発明の熱膨張性マイクロカプセルは、上記ガスバリア性重合体を30重量%以上含有する。
上記ガスバリア性重合体の含有量が30重量%未満であると、ガスバリア性やシェル弾性率が下がり、発泡倍率が低下することがある。より好ましい下限は60重量%、さらに好ましい下限は80重量%である。また、好ましい上限は90重量%である。
【0011】
上記ガスバリア性重合体の重量平均分子量の好ましい下限は1万、好ましい上限は200万である。重量平均分子量が1万未満であると、強度が低下することがあり、重量平均分子量が200万を超えると、強度が高くなりすぎ、発泡倍率が低下することがある。
【0012】
本発明の熱膨張性マイクロカプセルは、熱分解性固体重合体を含有する。
上記熱分解性固体重合体は、加熱によって分解し、熱膨張性マイクロカプセルを膨張させる役割を果たす。
なお、「熱分解性固体重合体」とは、常温において固体であり、かつ、常温を超える温度で液体又は気体に分解する重合体のことをいう。また、上記熱分解性固体重合体を形成するモノマーを「熱分解性重合性モノマー」という。
【0013】
上記熱分解性固体重合体は、熱天秤を用いて測定した、200℃で15分間加熱した前後の重量減少率が30重量%以上であることが好ましい。30重量%よりも低いと、加熱発泡させたくても、熱分解しにくくなり、ガスの発生がわずかになるために膨張しにくくなる。より好ましくは、50重量%以上である。
【0014】
上記熱分解性固体重合体としては、ターシャリーブチル基又はイソブチル基を有する重合体を含有することが好ましい。上記ターシャリーブチル基又はイソブチル基を有する重合体を含有することで、加熱によってターシャリーブチル基又はイソブチル基が分解して、ブテンガスが発生して膨張剤となる。これにより、熱発泡性を付与することができる。
【0015】
上記ターシャリーブチル基又はイソブチル基を有する重合体は、例えば、ターシャリーブチル基又はイソブチル基を有する熱分解性重合性モノマーを重合させることで製造できる。
上記ターシャリーブチル基又はイソブチル基を有する熱分解性重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)クリル酸ターシャリーブチル、(メタ)クリル酸イソブチル等が挙げられる。
【0016】
本発明の熱膨張性マイクロカプセル中のターシャリーブチル基又はイソブチル基を有する重合体の含有量は、5〜70重量%であることが好ましい。上記含有量が上記範囲内であると、熱分解によるガスの発生量と、ガスバリア性重合体のガスバリア性のバランスが適切なために、高い熱膨張倍率が得られる。また、上記含有量は10〜40重量%がより好ましい。
【0017】
上記熱分解性固体重合体としては、ポリプロピレングリコール骨格を有する重合体を用いることもできる。これにより、ポリプロピレングリコール骨格が分解し、プロパンガスなどが発生して膨張剤となる。その結果、優れた熱発泡性を付与することができる。
上記ポリプロピレングリコール骨格を有する重合体を形成する熱分解性重合性モノマーとしては、ポリプロピレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。具体的には、ポリプロピレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
【0018】
本発明の熱膨張性マイクロカプセル中のポリプロピレングリコール骨格を有する重合体の含有量は、5〜70重量%であることが好ましい。上記含有量が上記範囲内であると、熱分解によるガスの発生量と、ガスバリア性重合体のガスバリア性のバランスが適切なために、高い熱膨張倍率が得られる。また、上記含有量は10〜40重量%がより好ましい。
【0019】
上記熱分解性固体重合体の重量平均分子量の好ましい下限は1万、好ましい上限は200万である。重量平均分子量が1万未満であると、強度が低下することがあり、重量平均分子量が200万を超えると、強度が高くなりすぎ、発泡倍率が低下することがある。
【0020】
本発明では、ガスバリア性重合体と熱分解性固体重合体とがそれぞれ単独で存在していてもよく、ガスバリア性重合体と熱分解性固体重合体とが共重合していてもよい。
この場合、上記共重合体としては、メタクリロニトリルとメタクリル酸ターシャリーブチルとからなる共重合体が好ましい。
このような共重合体を用いることで、加熱によって、メタクリルイミド化し、更に耐熱性を向上させることができる。
【0021】
また、上記メタクリロニトリルとメタクリル酸ターシャリーブチルとからなる共重合体は、メタクリロニトリルとメタクリル酸ターシャリーブチルとの重量比が30:70〜70:30であることが好ましい。
上記重量比を上記範囲内とすることで、高いガスバリア性と、高い熱分解性を有するために、高い熱膨張倍率を得ることが可能となる。さらに、メタクリル酸ターシャリーブチルが熱分解する際にイソブテンガスと共に生成されるメタクリル酸が、共重合しているメタクリロニトリルと反応して、耐熱性の高いメタクリルイミドを形成するために、非常に耐熱性の高い熱膨張性バルーンが得られる。その結果、高温でも優れた熱膨張倍率が得られる。
【0022】
本発明の熱膨張性マイクロカプセル中のメタクリロニトリルとメタクリル酸ターシャリーブチルとからなる共重合体の含有量は、70重量%以上であることが好ましい。上記含有量が70重量%未満であると、耐熱性が不足し、高い温度での膨張倍率が低下する可能性がある。
また、上記含有量は99.9重量%以下であることが好ましい。
【0023】
本発明では、上記ガスバリア性重合体、熱分解性固体重合体に加えて、その他の重合体を含有してもよい。上記その他の重合体を構成するモノマー[以下、その他の重合性モノマーともいう]としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ジシクロペンテニルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、イソボルニルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン等のビニルモノマー等が挙げられる。その他の重合性モノマーは、熱膨張性マイクロカプセルに必要な特性に応じて適宜選択されて使用され得るが、これらのなかでメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル等が好適に用いられる。
【0024】
上記その他の重合性モノマーとして、分子内に二重結合を2つ以上有するモノマー(以下、多官能モノマーともいう)を用いてもよい。
上記多官能モノマーは、架橋剤としての役割を有する。上記多官能モノマーを含有することにより、シェルの強度を強化することができ、熱膨張時にセル壁が破泡し難くなる。また、上記多官能モノマーの添加により、歪み回復率の低下を抑制することが可能となる。
【0025】
上記多官能モノマーとしては、ラジカル重合性二重結合を2以上有するモノマーが挙げられ、具体例には例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、重量平均分子量が200〜600であるポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアリルホルマールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのなかでは、トリメチロールプロパントリメタアクリレート等の3官能性のものや、ポリエチレングリコールジメタアクリレート等の2官能性のアクリレートのもの等の2官能以上のアクリレートが、アクリロニトリルを主体としたシェルには比較的均一に架橋が施され、熱膨張したマイクロカプセルが収縮しにくく、膨張した状態を維持しやすいため、いわゆる「へたり」と呼ばれる現象を抑制することができ、好適に用いられる。
【0026】
本発明の熱膨張性マイクロカプセル中における、上記多官能モノマーからなる構成単位の含有量の好ましい下限は0.1重量%、好ましい上限は3重量%である。上記多官能モノマーからなる構成単位の含有量が0.1重量%未満であると、架橋剤としての効果が発揮されないことがあり、上記多官能モノマーからなる構成単位が3重量%を超えると、熱膨張性マイクロカプセルの発泡倍率が低下する。上記多官能モノマーからなる構成単位の含有量のより好ましい下限は0.2重量%、より好ましい上限は2重量%である。
【0027】
本発明の熱膨張性マイクロカプセルにおける、上記その他の重合体の含有量の好ましい上限は、熱膨張性マイクロカプセル100重量部に対して、5重量部である。上記その他の重合体の含有量が5重量部を超えると、セル壁のガスバリア性が低下し、熱膨張性が悪化しやすくなる。低温時における50%圧縮時の歪み回復率が低下することがある。
上記その他の重合体の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は3重量部である。
【0028】
本発明の熱膨張性マイクロカプセルにおけるガスバリア性重合体と熱分解性固体重合体の形態としては、ガスバリア性重合体からなるシェルと、熱分解性固体重合体からなるコアとを有する構造であってもよく、ガスバリア性重合体と、熱分解性固体重合体とが相溶していてもよい。また、ガスバリア性重合体と、熱分解性固体重合体とが共重合していてもよい。
【0029】
上記ガスバリア性重合体からなるシェルと、熱分解性固体重合体からなるコアとを有する構造である場合、加熱によって熱分解性固体重合体が分解することで、膨張剤として役割を果たす。また、熱分解性固体重合体がガスバリア性重合体に内包された構造をとることで、熱分解性固体重合体が抜けることなくシェルを膨張させることができる。
【0030】
上記コアシェル構造である場合、シェルの厚みは0.1〜20μmであることが好ましい。上記範囲内とすることで、内部で発生したガスが、外部に抜けることなくシェルを膨張させることが可能となるため、より高い膨張倍率を得ることが可能となる。
【0031】
上記ガスバリア性重合体と熱分解性固体重合体とが相溶している場合、熱が均等に熱分解性材料に加えられ、膨張する速度を速くすることが可能になるという利点がある。
このような形態とする場合、上記熱分解性固体重合体としては、ターシャリーブチル基又はイソブチル基を有する重合体もしくは、ポリプロピレングリコール骨格を有する重合体を用いることが好ましい。
【0032】
上記ガスバリア性重合体と熱分解性固体重合体とが共重合体である場合、ガスバリア性とガス発生量を共に高く保つことが可能となり、高い熱膨張倍率が得られる。特に、ガスバリア性重合体にメタクリロニトリル、熱分解性固体重合体としてメタクリル酸ターシャリーブチルを用いて共重合体を得ると、メタクリル酸ターシャリーブチルが熱分解する際にイソブテンガスと共に生成されるメタクリル酸が、共重合しているメタクリロニトリルと反応して、耐熱性の高いメタクリルイミドを形成するために、耐熱性が非常に高い熱膨張性マイクロカプセルが得られる。その結果、高温でも高い熱膨張倍率が得られる。
【0033】
本発明の熱膨張性マイクロカプセルは、100℃で15分間加熱後の重量減少率が1重量%以下であり、かつ、200℃で15分間加熱後の重量減少率が5重量%以上である熱膨張性マイクロカプセルである。上記100℃で15分間加熱後の重量減少率が1重量%を超えると、熱膨張性マイクロカプセルが熱により軟化するよりも速くガスが発生してしまうため、熱膨張性マイクロカプセルが発生ガスの圧力により破裂してしまい、熱膨張倍率が低くなる可能性がある。
上記100℃で15分間加熱後の重量減少率の下限は特に限定されないが、0.01重量%が好ましい。好ましい上限は0.8重量%である。
【0034】
上記200℃で15分間加熱後の重量減少率が5重量%未満であると、加熱した際のガス発生量が少なく、熱膨張倍率が低くなる。上記200℃で15分間加熱後の重量減少率の上限は特に限定されないが99.9重量%が好ましい。好ましい下限は10重量%ある。
【0035】
本発明の熱膨張性マイクロカプセルは、熱機械分析で測定した最大変位量(Dmax)の下限が10μmである。10μm未満であると、発泡倍率が低下し、所望の発泡性能が得られない。好ましい下限は20μmである。
なお、上記最大変位量は、所定量の熱膨張性マイクロカプセルを常温から加熱しながらその径を測定したときに、所定量全体の熱膨張性マイクロカプセルの径が最大となるときの値をいう。
【0036】
また、発泡開始温度(Ts)の好ましい上限は180℃である。180℃を超えると特に射出成形の場合、金型に樹脂材料をフル充填した後に金型を発泡させたいところまで開くコアバック発泡成形においては、コアバック発泡過程で樹脂温度が冷えてしまい発泡倍率が上がらないことがある。好ましい下限は130℃、より好ましい上限は160℃である。
なお、本明細書において、最大発泡温度は、熱膨張性マイクロカプセルを常温から加熱しながらその径を測定したときに、熱膨張性マイクロカプセルが最大変位量となったときにおける温度を意味する。
【0037】
本発明の熱膨張性マイクロカプセルは、最大発泡温度(Tmax)の好ましい下限が170℃である。170℃未満であると、耐熱性が低くなることから、高温領域や成形加工時において、熱膨張性マイクロカプセルが破裂、収縮することがある。また、マスターバッチペレット等として使用する場合、ペレット製造時に剪断により発泡していまい、未発泡のマスターバッチペレットを安定して製造することができない。より好ましい下限は210℃である。
【0038】
本発明の熱膨張性マイクロカプセルの体積平均粒子径の好ましい下限は0.01μm、好ましい上限は100μmである。0.01μm未満であると、発泡しないことがあり、100μmを超えると、得られる成形体の気泡が大きくなるため、意匠性や強度等の面で問題となることがある。より好ましい下限は0.1μm、より好ましい上限は50μmである。
【0039】
本発明の熱膨張性マイクロカプセルには、更に必要に応じて、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、シランカップリング剤、色剤等を含有していてもよい。
【0040】
本発明の熱膨張性マイクロカプセルを製造する方法としては、ガスバリア性モノマーと熱分解性重合性モノマーと重合開始剤と水とを含有する混合体を作製する工程と、ガスバリア性重合性モノマー及び熱分解性重合性モノマーを重合させる工程を有する方法(A)や、ガスバリア性モノマーを重合する工程と、得られたガスバリア性重合体と熱分解性固体重合体を含む混合体を作製する工程を有する方法(B)等がある。例えば、ソープフリー重合法を用いて重合を行う方法、ミニエマルション重合法を用いて重合を行う方法、乳化重合法を用いて重合を行う方法、懸濁重合法を用いて重合を行う方法を用いることができる。
本発明の熱膨張性マイクロカプセルの製造方法では、液体成分を内包する熱膨張性マイクロカプセルを製造する場合のように粒子作製上の条件が少なく、幅広い粒径の熱膨張性マイクロカプセルを作製することができる。
【0041】
上記乳化重合による方法としては、例えば、ガスバリア性モノマーと、熱分解性重合性モノマーを含有するモノマー組成物、乳化剤、重合開始剤等を重合溶媒に添加した後、加熱、攪拌を行ってモノマーを重合させることにより製造する方法等を用いることができる。
上記乳化剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0042】
上記重合開始剤としては、例えば、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、アゾ化合物等が好適に用いられる。
具体例には、例えば、メチルエチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の過酸化ジアルキル、イソブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等の過酸化ジアシル、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、(α、α−ビス−ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン等のパーオキシエステル、ジ−2−ブチルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピル−オキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルエチルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられる。
【0043】
懸濁重合による方法としては、例えば、水性媒体を調製する工程、ガスバリア性モノマーと、熱分解性重合性モノマーを含有する油性混合液を水性媒体中に分散させる工程、及び、上記ガスバリア性重合性モノマー及び熱分解性重合性モノマーを重合させる工程を行うことにより製造することができる。
【0044】
本発明の熱膨張性マイクロカプセルを製造する場合、最初に水性媒体を調製する工程を行う。具体例には例えば、重合反応容器に、水と分散安定剤、必要に応じて補助安定剤を加えることにより、分散安定剤を含有する水性分散媒体を調製する。また、必要に応じて、亜硝酸アルカリ金属塩、塩化第一スズ、塩化第二スズ、重クロム酸カリウム等を添加してもよい。
【0045】
上記分散安定剤としては、例えば、シリカ、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化第二鉄、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、シュウ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
【0046】
上記分散安定剤の添加量は特に限定されず、分散安定剤の種類、マイクロカプセルの粒子径等により適宜決定されるが、モノマー100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が20重量部である。
【0047】
上記補助安定剤としては、例えば、ジエタノールアミンと脂肪族ジカルボン酸との縮合生成物、尿素とホルムアルデヒドとの縮合生成物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ゼラチン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ジオクチルスルホサクシネート、ソルビタンエステル、各種乳化剤等が挙げられる。
【0048】
また、上記分散安定剤と補助安定剤との組み合わせとしては特に限定されず、例えば、コロイダルシリカと縮合生成物との組み合わせ、コロイダルシリカと水溶性窒素含有化合物との組み合わせ、水酸化マグネシウム又はリン酸カルシウムと乳化剤との組み合わせ等が挙げられる。これらの中では、コロイダルシリカと縮合生成物との組み合わせが好ましい。
更に、上記縮合生成物としては、ジエタノールアミンと脂肪族ジカルボン酸との縮合生成物が好ましく、特にジエタノールアミンとアジピン酸との縮合物やジエタノールアミンとイタコン酸との縮合生成物が好ましい。
【0049】
上記水溶性窒素含有化合物としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリジメチルアミノエチルメタクリレートやポリジメチルアミノエチルアクリレートに代表されるポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ポリジメチルアミノプロピルアクリルアミドやポリジメチルアミノプロピルメタクリルアミドに代表されるポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ポリアクリルアミド、ポリカチオン性アクリルアミド、ポリアミンサルフォン、ポリアリルアミン等が挙げられる。これらのなかでは、ポリビニルピロリドンが好適に用いられる。
【0050】
上記コロイダルシリカの添加量は、熱膨張性マイクロカプセルの粒子径により適宜決定されるが、モノマー100重量部に対して、好ましい下限が1重量部、好ましい上限が20重量部である。更に好ましい下限は2重量部、更に好ましい上限は10重量部である。また、上記縮合生成物又は水溶性窒素含有化合物の量についても熱膨張性マイクロカプセルの粒子径により適宜決定されるが、モノマー100重量部に対して、好ましい下限が0.05重量部、好ましい上限が2重量部である。
【0051】
上記分散安定剤及び補助安定剤に加えて、更に塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を添加してもよい。無機塩を添加することで、より均一な粒子形状を有する熱膨張性マイクロカプセルが得ることができる。上記無機塩の添加量は、通常、モノマー100重量部に対して0〜100重量部が好ましい。
【0052】
上記分散安定剤を含有する水性分散媒体は、分散安定剤や補助安定剤を脱イオン水に配合して調製され、この際の水相のpHは、使用する分散安定剤や補助安定剤の種類によって適宜決められる。例えば、分散安定剤としてコロイダルシリカ等のシリカを使用する場合は、酸性媒体で重合がおこなわれ、水性媒体を酸性にするには、必要に応じて塩酸等の酸を加えて系のpHが3〜4に調製される。一方、水酸化マグネシウム又はリン酸カルシウムを使用する場合は、アルカリ性媒体の中で重合させる。
【0053】
次いで、油性混合液を水性媒体中に分散させる工程を行う。なお、上記モノマーを重合するために、重合開始剤が使用されるが、上記重合開始剤は、予め上記油性混合液に添加してもよく、水性分散媒体と油性混合液とを重合反応容器内で攪拌混合した後に添加してもよい。
【0054】
上記油性混合液を水性分散媒体中に所定の粒子径で乳化分散させる方法としては、ホモミキサー(例えば、特殊機化工業社製)等により攪拌する方法や、ラインミキサーやエレメント式静止型分散器等の静止型分散装置を通過させる方法等が挙げられる。
なお、上記静止型分散装置には水系分散媒体と重合性混合物を別々に供給してもよいし、予め混合、攪拌した分散液を供給してもよい。
【0055】
本発明の熱膨張性マイクロカプセルに、熱可塑性樹脂等のマトリックス樹脂を加えた樹脂組成物、又は、熱膨張性マイクロカプセルと熱可塑性樹脂等のベースレジンとを混合したマスターバッチペレットに熱可塑性樹脂等のマトリックス樹脂を加えた樹脂組成物を添加し、射出成形等の成形方法を用いて成形した後、成形時の加熱により、上記熱膨張性マイクロカプセルを発泡させることにより、発泡成形体を製造することができる。
【0056】
上記発泡成形体の成形方法としては、特に限定されず、例えば、混練成形、カレンダー成形、押出成形、射出成形等が挙げられる。射出成形の場合、工法は特に限定されず、金型に樹脂材料を一部入れて発泡させるショートショート法や金型に樹脂材料をフル充填した後に金型を発泡させたいところまで開くコアバック法等が挙げられる。
【発明の効果】
【0057】
本発明によれば、貯蔵安定性に優れ、強い剪断力が加えられる混練成形、カレンダー成形、押出成形、射出成形等にも好適に使用可能な熱膨張性マイクロカプセルを提供できる。また、本発明は、該熱膨張性マイクロカプセルの製造方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0059】
(実施例1)
(熱膨張性マイクロカプセルの作製)
水100重量部にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3重量部を溶解し、次いで、モノマーとして、メタクリル酸ターシャリーブチル5重量部及びメタクリロニトリル5重量部を加えた。
その後、攪拌、加熱機能を有する反応器に投入し、窒素還流下で70℃まで加熱した。
70℃に到達後、過硫酸アンモニウム0.05重量部を添加し、9時間加熱後、冷却した。
得られた液体を噴霧乾燥機で乾燥させることで、ドライパウダー状の熱膨張性マイクロカプセルを得た。
【0060】
(実施例2)
(熱膨張性マイクロカプセルの作製)
重合反応容器に、水100重量部と、調整剤として塩化ナトリウム30重量部、分散安定剤としてコロイダルシリカ(旭電化社製)2.5重量部(20%液で12.5重量部)及びポリビニルピロリドン(BASF社製)0.1重量部を投入し、1Nの塩酸で全体のpHが3〜4になるように調整した。次いで、モノマーとして、メタクリル酸ターシャリーブチル25重量部及びメタクリロニトリル25重量部に加えて、アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、アゾビスジメチルバレロニトリル0.3重量部を溶解した油相を加えた。
その後、攪拌、加熱機能を有する反応器に投入し、0.5MPaまで系内を窒素で加圧後、60℃まで加熱した。5時間加熱後80℃まで昇温し、さらに4時間加熱後冷却した。
得られた液体について、ろ紙と吸引ろ過器を用いて粒子を分離し、さらに100重量部の水を2回添加して洗浄を繰返し、得られたウェットケーキ状の粒子を50℃のオーブンに投入して24時間後に取り出し、乾燥することで熱膨張性マイクロカプセルを得た。
【0061】
(実施例3、5、7、9〜12、比較例3)
モノマーとして、表1に示すものを用いた以外は実施例1と同様にして熱膨張性マイクロカプセルを作製した。なお、ポリプロピレングリコールジメタクリレートとしては、PDP−400(日油社製)を用いた。
【0062】
(実施例4、6、8)
モノマーとして、表1に示すものを用いた以外は実施例2と同様にして熱膨張性マイクロカプセルを作製した。
【0063】
(比較例1)
モノマーとして、表1に示すものを用い、更に表1に示す量のイソペンタンを添加した以外は実施例1と同様にして熱膨張性マイクロカプセルを作製した。
【0064】
(比較例2)
モノマーとして、表1に示すものを用い、更に表1に示す量のイソペンタンを添加した以外は実施例2と同様にして熱膨張性マイクロカプセルを作製した。
【0065】
(評価)
実施例、比較例得られた熱膨張性マイクロカプセルについて、下記性能を評価した。結果を表1に示した。なお、比較例1で得られた熱膨張性マイクロカプセルについては、ブロック状で「(1)平均粒子径」の測定を行うことができなかったため、後の評価も行わなかった。
【0066】
(1)平均粒子径
得られた熱膨張性マイクロカプセルの乾燥粉体を、走査型電子顕微鏡により、1視野に約100個が観察できる倍率で観察し、任意に選択した50個の微粒子についてノギスを用いて最長径を測定し、この値の数平均値を発泡前平均粒子径とした。
【0067】
(2)重量減少率
得られた熱膨張性マイクロカプセル500mgを秤量してアルミパンにとり、100℃、及び200℃に加熱した熱風オーブンに15分間投入した。加熱前後の重量を測定し、([加熱後の重量/加熱前の重量]×100)を算出した。
【0068】
(100℃における重量減少率)
◎ 0.1重量%未満
○ 0.1重量%以上、1重量%未満
△ 1重量%以上、2重量%以下
× 2重量%を超える
【0069】
(200℃における重量減少率)
◎ 10重量%を超える
○ 5重量%以上、10重量%以下
△ 1重量%以上、5重量%未満
× 1重量%未満
【0070】
(3)発泡性
熱機械分析装置(TMA)(TMA2940、TA instruments社製)を用い、発泡性を評価した。具体的には、試料2〜3mgを直径7mm、深さ1mmのアルミ製容器に入れ、上から0.1Nの力を加えた状態で、5℃/minの昇温速度で30℃から300℃まで加熱し、測定端子の垂直方向における変位を測定し、200℃での変位量を測定した。また、変位の最大値を最大変位量とし、最大変位量における温度を最大発泡温度とした。
得られた数値を以下の基準で評価した。
【0071】
(発泡性)
◎ 200℃での変位量が100μmを超える
○ 200℃での変位量が20μm未満〜100μm以下
△ 200℃での変位量が10μm以上、20μm以下
× 200℃での変位量が10μm未満
【0072】
(4)耐久性
「(3)発泡性」で測定した最大変位量と最大発泡温度から、
([最大発泡温度+10℃での変位量/最大変位量]×100)を算出し、得られた数値が50%を超える場合を「◎」、20%未満、50%以下である場合を「○」、10%以上、20%以下である場合を「△」、10%未満である場合を「×」とした。
【0073】
(5)貯蔵安定性
アルミカップに熱膨張性マイクロカプセルを1〜2g秤量し、120℃のオーブンで、5時間加熱した。次いで、加熱後の重量を測定し、([加熱後の重量/加熱前の重量]×100)を算出した。
得られた数値が90%を超える場合を「◎」、80%未満、90%以下である場合を「○」、70%以上、80%以下である場合を「△」、70%未満である場合を「×」とした。
【0074】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明によれば、貯蔵安定性に優れ、強い剪断力が加えられる成形等にも好適に使用可能な熱膨張性マイクロカプセルを提供できる。また、本発明は、該熱膨張性マイクロカプセルの製造方法を提供できる。