特許第5991885号(P5991885)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大阪瓦斯株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5991885
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】電解液及び光電変換素子
(51)【国際特許分類】
   H01G 9/20 20060101AFI20160901BHJP
【FI】
   H01G9/20 107A
   H01G9/20 107B
   H01G9/20 107C
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-185130(P2012-185130)
(22)【出願日】2012年8月24日
(65)【公開番号】特開2014-44805(P2014-44805A)
(43)【公開日】2014年3月13日
【審査請求日】2015年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松好 弘明
(72)【発明者】
【氏名】冨田 晴雄
【審査官】 井原 純
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−231956(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/087099(WO,A1)
【文献】 特開2010−244857(JP,A)
【文献】 特開2011−198631(JP,A)
【文献】 特開2012−059686(JP,A)
【文献】 特表平09−507334(JP,A)
【文献】 特開2010−009831(JP,A)
【文献】 特開2010−013435(JP,A)
【文献】 特開2012−129089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨウ素、ヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウム及びヨウ化4級ホスホニウムを含有し、且つ、
ヨウ化4級ホスホニウムの含有量が、ヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウム及びヨウ化4級ホスホニウムの合計量に対して、1モル%以上20モル%未満である、光電変換素子用電解液。
【請求項2】
前記ヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウム及び前記ヨウ化4級ホスホニウムの合計量が、前記ヨウ素1モルに対して1〜10モルである、請求項1に記載の光電変換素子用電解液。
【請求項3】
前記ヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウムが、ヨウ化1,3−ジメチルイミダゾリウム、及び/又はヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムである、請求項1又は2に記載の光電変換素子用電解液。
【請求項4】
前記ヨウ化4級ホスホニウムが、ヨウ化テトラn−ブチルホスホニウム、及び/又はヨウ化トリ−n−ブチルメチルホスホニウムである、請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換素子用電解液。
【請求項5】
さらに、ヨウ化リチウム、及びグアニジンチオシアネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種の短絡電流密度を向上させる物質を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子用電解液。
【請求項6】
ヨウ素1モルに対して、前記短絡電流密度を向上させる物質を1〜5モル含有する、請求項5に記載の光電変換素子用電解液。
【請求項7】
さらに、4−ターシャリーブチルピリジン、及びn−アルキルベンズイミダゾールよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基性物質を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の光電変換素子用電解液。
【請求項8】
ヨウ素1モルに対して、前記塩基性物質を5〜15モル含有する、請求項7に記載の光電変換素子用電解液。
【請求項9】
さらに、ニトリル化合物、ラクトン化合物、カーボネート化合物、ラクタム化合物、尿素化合物、ウレタン化合物、エーテル類、アルコール類、スルホン類、イミダゾリウム系イオン液体、アンモニウム系イオン液体、ホスホニウム系イオン液体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の光電変換素子用電解液。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の電解液を備える光電変換素子。
【請求項11】
請求項10に記載の光電変換素子を備える色素増感太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解液及び光電変換素子に関する。
【背景技術】
【0002】
色素増感太陽電池の電解液の導電性向上のために、イミダゾリウム塩やホスホニウム塩を用いる検討がなされている。例えば、イミダゾリウム塩の対アニオンがヨウ素の場合は、ヨウ化1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、ヨウ化1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウム、ヨウ化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、ヨウ化1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム等が使用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、4級ホスホニウム塩とイミダゾリウム塩の2種を電解液中に含有させ、その割合は四級ホスホニウム塩が20〜80mol%、イミダゾリウム塩が20〜80mol%とすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−231956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のヨウ化1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、ヨウ化1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウム、ヨウ化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、ヨウ化1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム等を使用した場合には、光電変換効率の向上効果は充分ではない。
【0006】
また、特許文献1では、実施例においては四級ホスホニウム塩とイミダゾリウム塩をモル比1:1で混合したデータしか開示しておらず、両者の混合割合を最適化しているとは言い難い。また、実施例に記載された負極面積0.283cmの小型セルにおいてフィルファクターが0.59と著しく低く、実用化には不十分な値である。
【0007】
これらの理由から、色素増感太陽電池セルを組み立てたときに充分な光電変換効率を有する電解液はいまだ存在しておらず、このような電解液を提供することを本発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、電解液中のヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウムとヨウ化四級ホスホニウムを特定範囲の割合にすることで、前記課題を解決できることを見出した。本発明は、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、完成したものである。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.ヨウ素、ヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウム及びヨウ化4級ホスホニウムを含有し、且つ、
ヨウ化4級ホスホニウムの含有量が、ヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウム及びヨウ化4級ホスホニウムの合計量に対して、1モル%以上20モル%未満である、電解液。
項2.前記ヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウム及び前記ヨウ化4級ホスホニウムの合計量が、前記ヨウ素1モルに対して1〜10モルである、項1に記載の電解液。
項3.前記ヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウムが、ヨウ化1,3−ジメチルイミダゾリウム、及び/又はヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムである、項1又は2に記載の電解液。
項4.前記ヨウ化4級ホスホニウムが、ヨウ化テトラn−ブチルホスホニウム、及び/又はヨウ化トリ−n−ブチルメチルホスホニウムである、項1〜3のいずれかに記載の電解液。
項5.さらに、ヨウ化リチウム、及びグアニジンチオシアネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種の短絡電流密度を向上させる物質を含有する、項1〜4のいずれかに記載の電解液。
項6.ヨウ素1モルに対して、前記短絡電流密度を向上させる物質を1〜5モル含有する、項5に記載の電解液。
項7.さらに、4−ターシャリーブチルピリジン、及びn−アルキルベンズイミダゾールよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基性物質を含有する、項1〜6のいずれかに記載の電解液。
項8.ヨウ素1モルに対して、前記塩基性物質を5〜15モル含有する、項7に記載の電解液。
項9.さらに、ニトリル化合物、ラクトン化合物、カーボネート化合物、ラクタム化合物、尿素化合物、ウレタン化合物、エーテル類、アルコール類、スルホン類、イミダゾリウム系イオン液体、アンモニウム系イオン液体、ホスホニウム系イオン液体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有する、項1〜8のいずれかに記載の電解液。
項10.項1〜9のいずれかに記載の電解液を備える光電変換素子。
項11.項10に記載の光電変換素子を備える色素増感太陽電池。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電解液を光電変換素子に用いれば、従来の電解液と比較し、短絡電流密度及びフィルファクターをバランスよく向上させ、さらに、光電変換効率を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.電解液
<電解質>
本発明の電解液は、電解質として、ヨウ素、ヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウム、及びヨウ化4級ホスホニウムを含有する。
【0011】
ヨウ素
ヨウ素と、ヨウ化物であるヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウム及びヨウ化4級ホスホニウムは、本発明の電解液中で酸化還元対であるI/Iを形成する(I存在下にIを添加することでIが生成する)。その結果、チタニア伝導帯を下げて色素からチタニアへの電子注入速度を向上させる効果がある。また、チタニアに注入された電子の輸送を促進させる効果もある。これにより、短絡電流密度を向上させ、結果的に光電変換効率を向上させることができる。ヨウ化物の添加量は、ヨウ素1モルに対して、1,3−ジアルキルイミダゾリウム及びヨウ化4級ホスホニウムの合計量で1〜10モル程度、特に2〜8モル程度が好ましい。この範囲とすることで、より短絡電流密度を向上させ、より光電変換効率を向上させることができる。
【0012】
ヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウム
ヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウムを添加することで、色素が吸着したチタニアの色素表面に吸着し、Iイオンがチタニアに接近することをよりブロックする。これによりチタニアに注入された電子とIイオンの再結合によるリーク電流をより防止するため、色素増感太陽電池セルを作製した際には該セルの開放電圧をより高くし、抵抗成分を低くしてフィルファクターをより高くし、光電変換効率をより向上させることができる(Brian. A. Gregg, Coordination Chemistry Reviews, 248, 1215-1224 (2004))。
【0013】
1位と3位にアルキル基を有するヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウムとしては、窒素原子に結合するアルキル基は、イオン半径が小さい方がより電解液中で拡散しやすく、電解液の粘度を低くした方がよりイオンが拡散しやすい点から、いずれも炭素数1〜6程度が好ましく、炭素数1〜4程度がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
【0014】
このような1位と3位にアルキル基を有するヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウムとしては、具体的には、ヨウ化1,3−ジメチルイミダゾリウム、ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、ヨウ化1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、ヨウ化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、ヨウ化1−ペンチル−3−メチルイミダゾリウム、ヨウ化1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム等が挙げられる。
【0015】
なかでも、イオン半径が小さい点から、ヨウ化1,3−ジメチルイミダゾリウム、ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムが好ましい。
【0016】
ヨウ化4級ホスホニウム
ヨウ化4級ホスホニウムを添加することで、本発明の電解液中の4級ホスホニウムカチオンの拡散が、イオン半径の大きい1,3−ジアルキルイミダゾリウムよりも速いため、色素増感太陽電池セルを作製した際には該セルの短絡電流密度をより高くし、光電変換効率をより向上させることができる。
【0017】
ヨウ化4級ホスホニウムにおいて、リン原子に結合する4つの基は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルコキシアルキル基、アリール基等が挙げられる。
【0018】
アルキル基としては、イオン半径が小さい方がより電解液中で拡散しやすく、電解液の粘度を低くした方がよりイオンが拡散しやすい点から、いずれも炭素数1〜6程度が好ましく、炭素数1〜4程度がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
【0019】
アルケニル基としては、イオン半径が小さい方がより電解液中で拡散しやすく、電解液の粘度を低くした方がよりイオンが拡散しやすい点から、いずれも炭素数2〜6程度が好ましく、炭素数2〜4程度がより好ましい。具体的には、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等が挙げられる。
【0020】
アルコキシアルキル基としては、イオン半径が小さい方がより電解液中で拡散しやすく、電解液の粘度を低くした方がよりイオンが拡散しやすい点から、いずれも、合計炭素数2〜6程度が好ましく、炭素数2〜4程度がより好ましい。具体的には、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシメチル基等が挙げられる。
【0021】
アリール基としては、イオン半径が小さい方がより電解液中で拡散しやすく、電解液の粘度を低くした方がよりイオンが拡散しやすい点から、炭素数が6〜15程度が好ましく、炭素数6〜10程度がより好ましい。具体的には、フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0022】
このようなヨウ化4級ホスホニウムとしては、具体的には、ヨウ化テトラメチルホスホニウム、ヨウ化トリエチルメチルホスホニウム、ヨウ化トリエチル(メトキシメチル)ホスホニウム、ヨウ化テトラエチルホスホニウム、ヨウ化エチルトリn−プロピルホスホニウム、ヨウ化テトラn−プロピルホスホニウム、ヨウ化テトラn−ブチルホスホニウム、ヨウ化トリ−n−ブチルメチルホスホニウム等が挙げられる。なかでも、ヨウ化テトラn−ブチルホスホニウム、ヨウ化トリ−n−ブチルメチルホスホニウム等が好ましい。
【0023】
ヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウムとヨウ化4級ホスホニウムの混合割合
ヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウムを添加することで、色素増感太陽電池セルを作製した際には該セルの開放電圧をより高くし、抵抗成分を低くしてフィルファクターをより高くし、光電変換効率をより向上させることができる。
【0024】
一方、ヨウ化4級ホスホニウムを添加することで、色素増感太陽電池セルを作製した際には該セルの短絡電流密度をより高くし、光電変換効率をより向上させることができる。
【0025】
本発明の電解液において、ヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウムとヨウ化4級ホスホニウムとの混合割合としては、ヨウ化4級ホスホニウムの含有量が、これらの合計量に対して、1モル%以上20モル%未満であり、好ましくは5〜18モル%である。ヨウ化4級ホスホニウムの含有量が小さすぎると短絡電流密度が不十分であるため光電変換効率を向上させることができない。一方、ヨウ化4級ホスホニウムの含有量が大きすぎると開放電圧、フィルファクターが不十分であるため光電変換効率を向上させることができない。
【0026】
その他の成分
本発明の電解液には、上記した成分以外にも、チタニアの伝導帯を下げて色素からチタニアへの電子注入速度を向上させ、結果として短絡電流密度を向上させる物質として、ヨウ化リチウム、グアニジンチオシアネート等を含有させることもできる。
【0027】
なお、ヨウ化リチウムを添加した場合、ヨウ素との間で酸化還元対であるI/Iを形成することも可能であり(I存在下にIを添加することでIが生成する)、チタニア伝導帯を下げて色素からチタニアへの電子注入速度をより向上させる効果がある。また、リチウムイオンが発生し、色素増感太陽電池のチタニア負極等に用いられる多孔質チタニアに吸着する。これらの添加量は、ヨウ素1モルに対して1〜5モル程度、特に2〜4モル程度が好ましい。
【0028】
また、開放電圧を向上させる塩基性物質、例えば、4−ターシャリーブチルピリジン、N−アルキルベンズイミダゾール(N−メチルベンズイミダゾール、N−n−ブチルベンズイミダゾール等)等を含有させることもできる。これらの塩基性物質を含有させれば、光電変換素子を作製した際に、チタニア電極のチタニア表面に吸着し、チタニア電極からの逆電子移動を防ぐことができ、開放電圧をより向上させるとともに、光電変換効率をより向上させることができる。
【0029】
また、チタニアに吸着した増感色素を脱離させないため、塩基性物質の添加量は、金属錯体色素を使用する場合は、ヨウ素1モルに対して、5〜15モル程度、特に8〜12モル程度が好ましい。また、有機色素を使用する場合はヨウ素1モルに対して、0.5〜1.5モル程度、特に0.8〜1.2モル程度が好ましい。
【0030】
<溶媒>
本発明の電解液には、溶媒を使用してもよい。この際に使用される溶媒としては、特に制限はなく、ニトリル化合物(アセトニトリル、バレロニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ビスシアノエチルエーテル等)、ラクトン化合物(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等)、カーボネート化合物(環状カーボネートが好ましく、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、ラクタム化合物(環の一部が−CO−NR−(Rは水素又は任意の置換基)である化合物であり、具体例として1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン等)、尿素化合物(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−2−ピリジミノン等)、ウレタン化合物(3−メチル−2−オキサゾリドン等)、エーテル類(ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等)、スルホン類(エチルイソプロピルスルホン、エチルイソブチルスルホン、イソプロピルイソブチルスルホン等)、イミダゾリウム系イオン液体(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ビスフルオロスルホニルイミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・テトラシアノボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ジシアナミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・チオシアネート等)、ホスホニウム系イオン液体(トリエチルペンチルホスホニウム・ビスフルオロスルホニルイミド、トリエチルオクチルホスホニウム・ビスフルオロスルホニルイミド、トリブチルメチルホスホニウム・ビスフルオロスルホニルイミド、トリエチル(メトキシメチル)ホスホニウム・ビスフルオロスルホニルイミド、トリエチル(2−メトキシエチル)ホスホニウム・ビスフルオロスルホニルイミド等)等のいずれも使用でき、これらの溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。これらの溶媒のなかでも、高い変換効率が望ましい場合は、ヨウ素イオンの拡散速度を速くできるという点から、ニトリル化合物、特にアセトニトリル、バレロニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等が好ましい。
【0031】
また、高い耐久性が望ましい場合は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ビスフルオロスルホニルイミド、トリエチル(メトキシメチル)ホスホニウム・ビスフルオロスルホニルイミド等が好ましい。
【0032】
ただし、含フッ素鎖状カーボネートは、光に対する安定性が低く、加水分解性も高く、分解するとガスを発生するため、色素増感太陽電池セルの封止を破壊する恐れがあり、安定性と耐久性に問題がある点から、含まないことが好ましい。
【0033】
なお、本発明の電解液においては、上記成分以外にも、粘度調整剤(ポリエチレングリコール等)や脱水剤(ゼオライト、シリカゲル等)等を、本発明の効果を損なわない範囲内で含ませることができる。
【0034】
ただし、本発明の電解液においては、存在するカウンターアニオンがヨウ素イオンのみであることが好ましい。これにより、ヨウ素イオン以外の移動をスムーズにすることができる。
【0035】
2.光電変換素子及び色素増感太陽電池
本発明の光電変換素子は、チタニア電極の多孔質チタニア膜の上に対向電極(対極)を形成し、これら電極間を本発明の電解液で満たすことにより得られる。
【0036】
上記チタニア電極は、例えば、樹脂基板又はガラス基板上に多孔質チタニア膜を形成してなる。
【0037】
多孔質チタニア膜に使用されるチタニアとしては、例えば、公知又は市販のチタニアナノ粒子;公知又は市販のチタニアナノチューブ;チタニアナノロッド;チタニアナノファイバー;チタニアナノ粒子のチューブ状集合体(特開2010−24132号公報等)等を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。また、「チタニア」とは、二酸化チタンのみを指すものではなく、三酸化二チタン(Ti);一酸化チタン(TiO);Ti、Ti等に代表される二酸化チタンから酸素欠損した組成のもの等も含むものである。また、末端OH基に代表されるように一部酸化チタンの合成に起因するTi−O−Ti以外の基を含んでいてもよい。
【0038】
樹脂基板としては、導電性の樹脂基板であれば特に制限されないが、例えば、ポリエチレンナフタレート樹脂基板(PEN樹脂基板)、ポリエチレンテレフタレート樹脂基板(PET樹脂基板)等のポリエステル;ポリアミド;ポリスルホン;ポリエーテルサルホン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリフェニレンサルファイド;ポリカーボネート;ポリイミド;ポリメチルメタクリレート;ポリスチレン;トリ酢酸セルロース;ポリメチルペンテン等が挙げられる。
【0039】
ガラス基板としても特に制限はなく、公知又は市販のものを使用すればよく、無色又は有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等のいずれでもよい。
【0040】
この樹脂基板又はガラス基板としては、板厚が0.05〜10mm程度のものを使用すればよい。
【0041】
本発明では、多孔質チタニア膜は、樹脂基板又はガラス基板の表面上に直接形成されていてもよいが、透明導電膜を介して形成されていてもよい。
【0042】
透明導電膜としては、例えば、スズドープ酸化インジウム膜(ITO膜)、フッ素ドープ酸化スズ膜(FTO膜)、アンチモンドープ酸化スズ膜(ATO膜)アルミニウムドープ酸化亜鉛膜(AZO膜)、ガリウムドープ酸化亜鉛膜(GZO膜)等が挙げられる。これらの透明導電膜を介することで、発生した電流を外部にとりだすことが容易となる。これらの透明導電膜の膜厚は、0.02〜10μm程度とするのが好ましい。
【0043】
樹脂基板又はガラス基板上に多孔質チタニア膜を形成する方法としては、特に制限されるわけではないが、例えば、上述したチタニアを含む膜形成用組成物を作製し、樹脂基板又はガラス基板上に当該膜形成用組成物を塗布及び乾燥させればよい。また、乾燥させた後、得られた膜に、必要に応じて加熱処理を施して焼成させてもよい。
【0044】
塗布方法は特に制限はなく、スクリーン印刷、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、スキージ法等の常法を採用すればよい。
【0045】
また、乾燥条件及び焼成条件は特に制限はなく、乾燥温度を60〜250℃程度、焼成温度を250〜800℃程度とすればよい。
【0046】
多孔質チタニア膜の作製に当たっては、得られる膜の膜厚が0.5〜50μm程度となるように塗布すればよい。
【0047】
対極は、導電性材料からなる単層構造でもよいし、導電層と基板とから構成されていてもよい。基板としては、特に限定されず、材質、厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、無色又は有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等が用いられる他、樹脂でもよい。かかる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテン等が挙げられる。また、電荷輸送層上に直接導電性材料を塗布、メッキ又は蒸着(PVD、CVD)して対極を形成してもよい。
【0048】
導電性材料としては、白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属や、炭素材料、導電性有機物等の比抵抗の小さな材料が用いられる。
【0049】
また、対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いてもよい。金属リードは白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属からなるのが好ましく、アルミニウム又は銀からなるのが特に好ましい。
【0050】
本発明では、対極を形成する前に、前記チタニア電極の光吸収効率を向上すること等を目的として、多孔質チタニア膜に色素を担持(吸着、含有など)させることが好ましい。
【0051】
色素は、可視域や近赤外域に吸収特性を有し、チタニアの光吸収効率を向上(増感)させる色素であれば特に限定されないが、金属錯体色素、有機色素、天然色素、半導体等が好ましい。また、多孔質チタニア被膜への吸着性を付与するために、色素の分子中にカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、ホスホニル基、カルボキシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、スルホニルアルキル基、ホスホニルアルキル基等の官能基を有するものが好適に用いられる。
【0052】
金属錯体色素としては、例えば、ルテニウム、オスミウム、鉄、コバルト、亜鉛、水銀の錯体(例えば、メリクルクロム等)や、金属ポルフィリン、金属フタロシアニン、クロロフィル等を用いることができる。また、有機色素としては、例えば、シアニン系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、金属フリーフタロシアニン系色素、ペリレン系色素、クマリン系色素、ポリエン系色素、インドリン系色素、カリバゾール系色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。色素として用いることができる半導体としては、i型の光吸収係数が大きなアモルファス半導体や直接遷移型半導体、量子サイズ効果を示し、可視光を効率よく吸収する微粒子半導体が好ましい。通常、各種の半導体や金属錯体色素や有機色素の一種、又は光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二種類以上の色素を混合することができる。また、目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、混合する色素とその割合を選ぶことができる。
【0053】
色素を多孔質チタニア膜に吸着させる方法としては、例えば、溶媒に色素を溶解させた溶液を、多孔質チタニア膜上にスプレーコートやスピンコート等により塗布した後、乾燥する方法により形成することができる。この場合、適当な温度に基板を加熱してもよい。また、多孔質チタニア膜を溶液に浸漬して吸着させる方法を用いることもできる。浸漬する時間は色素が充分に吸着すれば特に制限されることはないが、好ましくは10分〜30時間、より好ましくは1〜20時間である。また、必要に応じて浸漬する際に溶媒や基板を加熱しても良い。溶液にする場合の色素の濃度としては、0.01〜100mmol/L、好ましくは0.1〜10mmol/L程度である。
【0054】
用いる溶媒は特に制限されるものではないが、水及び有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル等のニトリル類;ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ブタノン等のケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0055】
色素間の凝集等の相互作用を低減するために、界面活性剤としての性質を持つ無色の化合物を色素吸着液に添加し、多孔質酸化チタン膜に共吸着させてもよい。このような無色の化合物の例としては、カルボキシル基やスルホ基を有するコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸等のステロイド化合物やスルホン酸塩類等が挙げられる。
【0056】
未吸着の色素は、吸着工程後、速やかに洗浄により除去するのが好ましい。洗浄は湿式洗浄槽中でアセトニトリル、アルコール系溶媒等を用いて行うのが好ましい。
【0057】
色素を吸着させた後、アミン類、4級アンモニウム塩、少なくとも1つのウレイド基を有するウレイド化合物、少なくとも1つのシリル基を有するシリル化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を用いて、多孔質酸化チタン膜の表面を処理してもよい。好ましいアミン類の例としては、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。好ましい4級アンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド等が挙げられる。これらは有機溶媒に溶解して用いてもよく、液体の場合はそのまま用いてもよい。
【0058】
本発明の色素増感太陽電池は、本発明の光電変換素子をモジュール化するとともに、所定の電気配線を設けることによって製造することができる。
【実施例】
【0059】
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
【0060】
[チタニアを含む膜形成用組成物の作製]
チタンイソプロポキシド0.05molに酢酸0.05molを加えて15分撹拌した。蒸留水73mlを加えて1時間撹拌した。さらに濃硝酸1mlを加えて80℃で75分間加熱及び撹拌を行った。蒸留水を加えて全量を93mlとしてチタニアゾル水溶液を得た。このチタニアゾル水溶液40mlを内容積125mlの圧力反応容器に入れて250℃で12時間加熱した。得られた白色沈殿物(チタニア)をエタノールで溶媒置換した後、100mlエタノール分散液とした。これにα−テルピネオール7gとエチルセルロースの10重量%エタノール溶液8.65gを加えて撹拌した。十分に撹拌した後、エバポレータを用いてエタノールを留去してチタニアを含む膜形成用組成物10gを得た。
【0061】
[チタニア負極の作製]
フッ素ドープ酸化スズ(FTO)膜付きガラス(日本板硝子(株)製;4mm厚)にポリエステル製スクリーン印刷版(225メッシュ)を用いて、上記で作製したチタニアを含む膜形成用組成物を、5ミリ角の大きさに膜厚14μmになるまで繰り返しスクリーン印刷を行った。さらに電気炉に入れて500℃にて1時間焼成を行った。
【0062】
[増感色素の固定]
スイス・ソラロニクス社製のN−719色素をターシャリーブチルアルコールとアセトニトリルの容量比1:1の混合溶媒に0.5mmol/Lの濃度で溶解したものに上記550℃で焼成したチタニア負極を25℃で20時間浸漬して色素を固定した。
【0063】
[小型セルの組み立て]
色素を固定した上記チタニア負極に、カプトンテープ(35μm厚さ)をスペーサーとして用いて、白金をスパッタしたフッ素ドープ酸化スズ(FTO)膜付きガラス(ピルキントン社製;2.2mm厚)をエポキシ接着剤にて貼り合わせた。その後、後述する実施例1〜4及び比較例1〜4の電解液を注入して封止を行い、光電変換素子を作製した。
【0064】
[小型セルの評価]
作製した小型セルに(株)三永電機製作所製のソーラーシミュレータでAM1.5(JISC8912Aランク)の条件下の100mW/cmの強度の光を照射して上記光電変換素子の光電変換特性を評価した。
【0065】
実施例1
電解液の組成を以下のようにして、小型セルの評価を行った。結果を表1に示す。
ヨウ素:0.1M
グアニジンチオシアネート:0.1M
ヨウ化1,3−ジメチルイミダゾリウム:0.55M
ヨウ化トリn−ブチルメチルホスホニウム:0.05M
N−n−ブチルベンズイミダゾール:0.5M
溶媒は3−メトキシプロピオニトリルを使用した。
【0066】
実施例2
電解液の組成を以下のようにして、小型セルの評価を行った。結果を表1に示す。
ヨウ素:0.1M
グアニジンチオシアネート:0.1M
ヨウ化1,3−ジメチルイミダゾリウム:0.5M
ヨウ化トリn−ブチルメチルホスホニウム:0.1M
N−n−ブチルベンズイミダゾール:0.5M
溶媒は3−メトキシプロピオニトリルを使用した。
【0067】
実施例3
電解液の組成を以下のようにして、小型セルの評価を行った。結果を表1に示す。
ヨウ素:0.1M
グアニジンチオシアネート:0.1M
ヨウ化1,3−ジメチルイミダゾリウム:0.5M
ヨウ化テトラn−ブチルホスホニウム:0.1M
N−n−ブチルベンズイミダゾール:0.5M
溶媒は3−メトキシプロピオニトリルを使用した。
【0068】
実施例4
電解液の組成を以下のようにして、小型セルの評価を行った。結果を表1に示す。
ヨウ素:0.1M
グアニジンチオシアネート:0.1M
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.5M
ヨウ化トリn−ブチルメチルホスホニウム:0.1M
N−n−ブチルベンズイミダゾール:0.5M
溶媒は3−メトキシプロピオニトリルを使用した。
【0069】
比較例1
電解液の組成を以下のようにして、小型セルの評価を行った。結果を表1に示す。
ヨウ素:0.1M
グアニジンチオシアネート:0.1M
ヨウ化1,3−ジメチルイミダゾリウム:0.6M
N−n−ブチルベンズイミダゾール:0.5M
溶媒は3−メトキシプロピオニトリルを使用した。
【0070】
比較例2
電解液の組成を以下のようにして、小型セルの評価を行った。結果を表1に示す。
ヨウ素:0.1M
グアニジンチオシアネート:0.1M
ヨウ化1,3−ジメチルイミダゾリウム:0.4M
ヨウ化トリn−ブチルメチルホスホニウム:0.2M
N−n−ブチルベンズイミダゾール:0.5M
溶媒は3−メトキシプロピオニトリルを使用した。
【0071】
比較例3
電解液の組成を以下のようにして、小型セルの評価を行った。結果を表1に示す。
ヨウ素:0.1M
グアニジンチオシアネート:0.1M
ヨウ化1,3−ジメチルイミダゾリウム:0.3M
ヨウ化トリn−ブチルメチルホスホニウム:0.3M
N−n−ブチルベンズイミダゾール:0.5M
溶媒は3−メトキシプロピオニトリルを使用した。
【0072】
比較例4
電解液の組成を以下のようにして、小型セルの評価を行った。結果を表1に示す。
ヨウ素:0.1M
グアニジンチオシアネート:0.1M
ヨウ化トリn−ブチルメチルホスホニウム:0.6M
N−n−ブチルベンズイミダゾール:0.5M
溶媒は3−メトキシプロピオニトリルを使用した。
【0073】
【表1】