(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記綴杆ピンの複数の段差は、軸線を中心にして、前記綴杆ピンの高さ方向において異なる高さ位置で、外周面に周方向に前記第1綴じ板に対して平行に延在して形成されている複数の突条部によって、段差状に形成され、
前記各受け部が、前記綴杆ピンに形成された複数の段差状の前記突条部のうち、前記綴杆ピンの頭部に近い側の段差状の前記突条部から順に係止することによって、前記綴杆ピンの前記綴杆挿入穴への挿入深さが調整されるようになっていること、 を特徴とする請求項4に記載の綴じ具。
前記綴杆ピン部と前記綴杆挿入穴部と前記連設部および/または前記ヒンジ部とが一体ものであり、樹脂材からなることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の綴じ具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の綴じ具は、リング状の凸部が、突起部の外周方向に1周延在して、突起部の高さ方向において異なる高さ位置で、等間隔に配設されている。従って、突起部に形成することができるリング状の凸部の数には制限があり、段階数が少なかった。そのため、この綴じ具は、被綴じ物の厚みに細かく合わせることができないという不具合があった。
【0005】
それゆえに、本発明の主たる目的は、被綴じ物の厚みに合わせて細かく調整することができる綴じ具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る綴じ具は、
綴杆ピンと前記綴杆ピンが立設された第1綴じ板とで構成された綴杆ピン部と、
前記綴杆ピンが挿入して係止する受け部を有している綴杆挿入穴と前記綴杆挿入穴が設けられた第2綴じ板とで構成された綴杆挿入穴部と、
前記第1綴じ板と前記第2綴じ板とを繋ぐために前記第1綴じ板と前記第2綴じ板との間に屈曲自在に配設された連設部および/またはヒンジ部と、を備え、
前記綴杆ピンは、外周面に周方向に間隔をおいて境界部が設けられ、
前記境界部は、頭部から根元部に向かって第1綴じ板の当接面に対して垂直な方向に延在しており、
前記綴杆挿入穴は、綴杆ピンの境界部に対応する位置からスリット穴が形成され、
前記綴杆ピンは、
該境界部によって外周面が周方向に複数の区間に区分され、前記区間ごとに段差が形成され、かつ、複数の前記段差の位置は綴杆ピンの高さ方向に異なっており、
被綴じ物を綴じる際、前記綴杆挿入穴のスリット穴に、前記綴杆ピンの境界部が挿入され、かつ、前記綴杆挿入穴の受け部が前記綴杆ピンの段差のいずれかに係止することによって、前記綴杆ピンの前記綴杆挿入穴への挿入深さが調整されるようになっていること、
を特徴とする綴じ具である。
【0007】
また、本発明に係る綴じ具は、
綴杆ピンは、軸線を中心にして、外周面が周方向に間隔をおいて、複数区間に区分され、かつ、一つの区間は、綴じ具の幅方向の中心線の位置に形成され、
区画ごとに形成された、複数の段差を形成する複数の突条部は、段差状に形成され、かつ、区画ごとに、綴杆ピンの高さ方向において異なる高さ位置で、綴杆ピンの周方向に断続的に形成され、
綴杆挿入穴の受け部は、綴杆挿入穴の周方向に間隔をおいて、複数に区分され、かつ、一つの受け部の位置は、綴じ具の幅方向の中心線の位置にあり、
各受け部は、綴杆ピンの挿入方向において同一の高さ位置に位置し、
各受け部が、綴杆ピンに形成された複数の段差状の突条部のうち、綴杆ピンの頭部に近い側の段差状の突条部から順に係止することによって、綴杆ピンの綴杆挿入穴への挿入深さが調整されるようになっていること、
を特徴とする綴じ具である。
【0008】
また、本発明に係る綴じ具は、
複数の綴杆ピンの区間は、平面視で、綴杆ピンの外周面に周方向に間隔をおいて複数に区分され、
平面視で、綴杆挿入穴において、等間隔に区分された区間の境界に対応する位置から放射状に等間隔で複数のスリット穴が延在していることを特徴とする綴じ具である。
【0009】
また、本発明に係る綴じ具は、
綴杆ピンと前記綴杆ピンが立設された第1綴じ板とで構成された綴杆ピン部と、
前記綴杆ピンが挿入して係止する受け部を有している綴杆挿入穴と前記綴杆挿入穴が設けられた第2綴じ板とで構成された綴杆挿入穴部と、
前記第1綴じ板と前記第2綴じ板とを繋ぐために前記第1綴じ板と前記第2綴じ板との間に屈曲自在に配設された連設部および/またはヒンジ部と、を備え、
前記綴杆ピンは、外周面に周方向に間隔をおいて境界部が設けられ、前記境界部によって外周面が周方向に複数の区間に区分され、
前記境界部は、頭部から根元部に向かって第1綴じ板の当接面に対して垂直な方向に延在しており、
前記綴杆挿入穴は、綴杆ピンの境界部に対応する位置からスリット穴が形成され、
前記綴杆挿入穴は、穴内壁面の周方向に間隔をおいて、複数の受け部が形成され、かつ、複数の前記受け部の位置は前記綴杆挿入穴の深さ方向に異なっており、
被綴じ物を綴じる際、前記綴杆挿入穴のスリット穴に、前記綴杆ピンの境界部が挿入され、かつ、前記綴杆ピンの外周面に周方向に形成された段差が、前記綴杆挿入穴の受け部のいずれかに係止することによって、前記綴杆ピンの前記綴杆挿入穴への挿入深さが調整されるようになっていること、
を特徴とする綴じ具である。
また、本発明に係る綴じ具は、
綴杆ピンの複数の段差は、軸線を中心にして、綴杆ピンの高さ方向において異なる高さ
位置で、外周面に周方向に第1綴じ板に対して平行に延在して形成されている複数の突条
部によって、段差状に形成され、
各受け部が、綴杆ピンに形成された複数の段差状の突条部のうち、綴杆ピンの頭部に近
い側の段差状の突条部から順に係止することによって、綴杆ピンの綴杆挿入穴への挿入深
さが調整されるようになっていること、
を特徴とする綴じ具である。
【0010】
また、本発明に係る綴じ具は、
綴杆ピンと前記綴杆ピンが立設された第1綴じ板とで構成された綴杆ピン部と、
前記綴杆ピンが挿入して係止する受け部を有している綴杆挿入穴と前記綴杆挿入穴が設けられた第2綴じ板とで構成された綴杆挿入穴部と、
前記第1綴じ板と前記第2綴じ板とを繋ぐために前記第1綴じ板と前記第2綴じ板との間に屈曲自在に配設された連設部および/またはヒンジ部と、を備え、
前記綴杆ピンは、外周面に周方向に間隔をおいて境界部が設けられ、
前記境界部は、頭部から根元部に向かって第1綴じ板の当接面に対して垂直な方向に延在しており、
前記綴杆挿入穴は、綴杆ピンの境界部に対応する位置からスリット穴が形成され、
前記綴杆ピンは、
該境界部によって外周面が周方向に複数の区間に区分され、前記区間ごとに段差が形成され、かつ、複数の前記段差の位置は綴杆ピンの高さ方向に異なっており、
前記綴杆挿入穴は、穴内壁面の周方向に間隔をおいて、複数の受け部が形成され、かつ、複数の前記受け部の位置は前記綴杆挿入穴の深さ方向に異なっており、
被綴じ物を綴じる際、前記綴杆挿入穴のスリット穴に、前記綴杆ピンの境界部が挿入され、かつ、前記綴杆ピンの段差いずれかが、前記綴杆挿入穴の受け部のいずれかに係止することによって、前記綴杆ピンの前記綴杆挿入穴への挿入深さが調整されるようになっていること、
を特徴とする綴じ具である。
また、本発明に係る綴じ具は、
綴杆ピン部と綴杆挿入穴部と連設部および/またはヒンジ部とが一体ものであり、樹脂
材からなることを特徴とする綴じ具である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、綴杆ピンの外周が複数の区間に区分され、区間ごとに段差が形成され、かつ、複数の段差の位置は綴杆ピンの高さ方向に異なっているので、段差の数を増やすことでき、被綴じ物の厚みに合わせて細かく調整することができる。
【0012】
また、本発明によれば、綴杆挿入穴は、穴内壁面の周方向に間隔をおいて、複数の受け部が形成され、かつ、複数の受け部の位置は綴杆挿入穴の深さ方向に異なっているので、綴杆ピンと綴杆挿入穴との係止位置の数を増やすことができ、被綴じ物の厚みに合わせて細かく調整することができる。
【0013】
また、本発明によれば、綴杆挿入穴から放射状に設けられたスリット穴が、綴杆ピンが綴杆挿入穴に押し込まれるときに加わる力を第2綴じ板全体に分散させて、第2綴じ板にかかる機械的ストレスを緩和させることができる。
また、本発明によれば、綴杆ピン部と綴杆挿入穴部と連接部と第1ヒンジ部と第2ヒンジ部とが一体もので、かつ樹脂材からなるので、構造が簡素で、重量が軽く安価な綴じ具になる。
【0014】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.第1実施の形態の綴じ具
図1は、用紙を綴じる前の状態の第1実施の形態の綴じ具10を示す平面図である。
図2は、綴じ具10の正面図である。
図3は、綴じ具10の底面図である。
図4は
図1のA−A断面図である。
図5は
図1のB−B断面図である。
図6は
図1のC−C断面図である。
図7は
図1のD−D断面図である。
図8は
図1のE−E断面図である。
図9は
図1のF−F断面図である。
第1実施の形態の綴じ具10の綴杆ピン22は、外周面が周方向に複数の境界部24,25,26によって複数の区間S1,S2,S3に区分され、区間S1,S2,S3ごとに段差が形成され、かつ、複数の段差の位置は綴杆ピン22の高さ方向に異なっている。
【0017】
綴じ具10は、綴杆ピン部12と、綴杆挿入穴部14と、連接部16と、第1ヒンジ部18と、第2ヒンジ部19とを備え、これらの順で連接されている。綴杆ピン部12と綴杆挿入穴部14と連接部16と第1ヒンジ部18と第2ヒンジ部19とは一体ものであり、弾力性を有し、かつ、剛性をある程度有する樹脂材、例えばポリプロピレン樹脂などからなる。従って、綴じ具10は、構造が簡素で、重量が軽く安価な綴じ具になる。
綴じ具10は、被綴じ物を綴じた後の状態では、
図14に示すように、綴杆ピン部12と綴杆挿入穴部14とが対向するように、綴じ具10の長さ方向の内側に折り曲げられて変形され、略逆コ字形状の状態となる。以下、
図14に示すように、明細書中の「上側」、「下側」、「左側」、「右側(被綴じ物の差込方向)」は、綴じ具10が、綴杆ピン部12を下側に、綴杆挿入穴部14を上側にして、被綴じ物を綴じた後の状態での方向を意味するものとする。
なお、第1実施の形態では、綴杆ピン22およびこれに対応する綴杆挿入穴42をそれぞれ一つ有している綴じ具10について説明するけれども、これに限るものではなく、2つ以上の綴杆ピン22および綴杆挿入穴42を有している綴じ具であってもよい。
【0018】
(1)綴杆ピン部
綴杆ピン部12は、略矩形の第1綴じ板20と、第1綴じ板20の上面(被綴じ物が綴じ具10に綴じられた状態では、被綴じ物が当接する面であり、以下、当接面と称する)20aの略中央部に設けられた1つの綴杆ピン22と、を有している。第1綴じ板20の当接面20aは、被綴じ物が当接するため平滑面になっている。
【0019】
綴杆ピン22は、頭部23aの右側(第1ヒンジ部18が設けられた側)半分が曲面になっており、左側(第1ヒンジ部18が設けられた側とは反対の側)半分が傾斜面になっており、後述の綴杆挿入穴42に挿入し易いようになっている。この綴杆ピン22は、外周が凹凸になっており、そのため、複数の段差を有している。第1実施の形態の場合は、綴杆ピン22の最大径はφ3mm、長さは4.2mmである。綴杆ピン22の最大径は、被綴じ物の綴じ穴の径が一般的にφ3mmであるので、それに等しい寸法に設定している。
【0020】
綴杆ピン22は、その外周面を区切るために、軸線を中心にして、その外周面に周方向に間隔をおいて、第1境界部24、第2境界部25、第3境界部26が設けられている。第1境界部24〜第3境界部26は、それぞれ、頭部23aから根元部23bに向かって、第1綴じ板20の当接面20aに対して垂直な方向に延在している。
第1境界部24〜第3境界部26は、それぞれ、後述の第1スリット穴45〜第3スリット穴47と協働して綴杆ピン22が綴杆挿入穴42に挿入される際のガイドとしての機能も有している。第1境界部24〜第3境界部26は、上側からの平面視で、120度の等間隔で配置されている。第1境界部24の位置は、綴じ具10の幅方向の中心線F−Fの位置にある。第2境界部25および第3境界部26は、それぞれ、中心線F−Fに対して、第1境界部24の位置から120度離れた対称の位置関係にある。
なお、第1境界部24〜第3境界部26は、仮想的なものであって、第1実施の形態においては便宜上設けられたものであるので、必ずしも必要なものではなく、省略されていてもよい。
【0021】
表1は、第1綴じ板20の当接面20aからの高さと、綴杆ピン22の外周の段差との関係を示す表である。
【0023】
綴杆ピン22の外周面は、第1境界部24〜第3境界部26によって、第1境界部24と第2境界部25との間の第1区間S1と、第1境界部24と第3境界部26との間の第2区間S2と、第2境界部25と第3境界部26との間の第3区間S3とに仕切られている。第1区間S1〜第3区間S3は、上側からの平面視で、120度の等間隔で配置されている。第3区間S3の位置は、綴じ具10の幅方向の中心線F−Fの位置にある。なお、綴杆ピン22の外周面の周方向に仕切られる区間は3つに限定されるものではなく、2または4以上であってもよい。
第1区間S1の外周面には、綴杆ピン22の頭部23aから根元部23bに向かって、径が中程度の円弧状の第1突条部27a(突条の最外周でφ2.6mm)、径が小さい第1小円周面28a(φ2mm)、径が中程度の円弧状の第2突条部29a(径は第1突条部27aと同じφ2.6mm)、径が小さい第2小円周面30a(径は第1小円周面28aと同じφ2mm)、傾斜面31a、径が大きい大円周面32a(φ3mm)が連接している。第1突条部27aおよび第2突条部29aは、第1区間S1の外周面上に第1綴じ板20の当接面20aに対して平行な方向に延在している。
【0024】
そして、綴杆ピン22の高さ方向において、大円周面32aは、第1綴じ板20の当接面20aから1.8mmの高さまで配設されている。傾斜面31aは1.8〜2.4mmの高さに配設されている。第2小円周面30aは2.4〜2.7mmの高さに配設されている。第2突条部29aは2.7〜3.3mmの高さに配設されている。第1小円周面28aは3.3〜3.6mmの高さに配設されている。第1突条部27aは3.6〜4.2mmの高さに配設されている。
【0025】
従って、綴杆ピン22は、第1区間S1において、第1突条部27aと第2突条部29aとによって形成される、高さ方向に位置が異なる2個の段差を有していることになる。そして、これら第1突条部27aと第2突条部29aによってそれぞれ形成される2個の段差は、後述の綴杆挿入穴部14の受け部50aと係止することになる。
【0026】
第2区間S2の外周面も、
図5に示すように、綴杆ピン22の頭部23aから根元部23bに向かって、径が中程度の円弧状の第1突条部27b(突条の最外周でφ2.6mm)、径が小さい第1小円周面28b(φ2mm)、径が中程度の円弧状の第2突条部29b(径は第1突条部27bと同じφ2.6mm)、径が小さい第2小円周面30b(径は第1小円周面28bと同じφ2mm)、傾斜面31b、径が大きい大円周面32b(φ3mm)が連接している。第1突条部27bおよび第2突条部29bは、第2区間S2の外周面上に第1綴じ板20の当接面20aに対して平行な方向に延在している。
【0027】
そして、綴杆ピン22の高さ方向において、大円周面32bは、第1綴じ板20の当接面20aから1.5mmの高さまで配設されている。傾斜面31bは1.5〜2.1mmの高さに配設されている。第2小円周面30bは2.1〜2.4mmの高さに配設されている。第2突条部29bは2.4〜3.0mmの高さに配設されている。第1小円周面28bは3.0〜3.3mmの高さに配設されている。第1突条部27bは3.3〜3.9mmの高さに配設されている。
【0028】
従って、綴杆ピン22は、第2区間S2において、第1突条部27bと第2突条部29bによって形成される、高さ方向に位置が異なる2個の段差を有していることになる。そして、これら第1突条部27bと第2突条部29bによってそれぞれ形成される2個の段差は、後述の綴杆挿入穴部14の受け部50bと係止することになる。
【0029】
第3区間S3の外周面には、綴杆ピン22の頭部23aから根元部23bに向かって、径が中程度の円弧状の第1突条部27c(突条の最外周でφ2.6mm)、綴杆ピン22の中心軸から所定の距離(1mm)離れた第1平面28c、径が中程度の円弧状の第2突条部29c(径は第6突条部27cと同じφ2.6mm)、綴杆ピン22の中心軸から所定の距離(1mm)離れた第2平面30c(綴杆ピン22の中心軸からの距離は第1平面28cと同じ)、傾斜面31c、径が大きい大円周面32c(φ3mm)が連接している。第1突条部27cおよび第2突条部29cは、第3区間S3の外周面上に第1綴じ板20の当接面20aに対して平行な方向に延在している。第1平面28cと第2平面30cとは、それぞれ中心線F−Fに対して直交する面である。面28cおよび面30cは、後述の綴杆挿入穴42の第3受け部50cに当接して、綴杆挿入穴42内に挿入し易いように平面とされているけれども、必ずしも平面に限るものではなく、例えば、前記第1小円周面28aと同様の小円周面であってもよい。
【0030】
そして、綴杆ピン22の高さ方向において、大円周面32cは、第1綴じ板20の当接面20aから1.0mmの高さまで配設されている。傾斜面31cは1.0〜1.8mmの高さに配設されている。第2平面30cは1.8〜2.1mmの高さに配設されている。第2突条部29cは2.1〜2.7mmの高さに配設されている。第1平面28cは2.7〜3.0mmの高さに配設されている。第1突条部27cは3.0〜3.6mmの高さに配設されている。
【0031】
従って、綴杆ピン22は、第3区間S3において、第1突条部27cと第2突条部29cによって形成される、高さ方向に位置が異なる2個の段差を有していることになる。そして、これら第1突条部27cと第2突条部29cによってそれぞれ形成される2個の段差は、後述の綴杆挿入穴部14の受け部50cと係止することになる。
【0032】
この結果、綴杆ピン22全体では、第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cの6個の突条部によって形成される、高さ方向に位置が異なる6個の段差を有していることになる。
表1に示すように、第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cは、綴杆ピン22の高さ方向に0.3mmピッチで配置されている。従って、第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cによって形成されている6個の段差は、綴杆ピン22の高さ方向に0.3mmピッチで配置されている。つまり、綴じ具10は、綴杆ピン22の頭部23aに近い側の段差(第1突条部27b)を始端としたとき、第1突条部27bが形成する段差から、第1突条部27aが形成する段差、第1突条部27cが形成する段差、第2突条部29bが形成する段差、第2突条部29aが形成する段差、そして、終端である根元部23bに近い側の段差(第2突条部29c)へと順に、綴杆ピン22の高さ方向に0.3mmピッチで6段階の係止位置を有している構造となり、被綴じ物Pの厚みに合わせて1段ずつ細かく調整することができる。ここで、例えば、綴杆ピン22の高さ方向において、第1突条部27bが形成する段差から、隣接する第1突条部27aが形成する段差までの距離が、0.3mmピッチの1単位となっている。
【0033】
第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cのそれぞれは、後述の綴杆挿入穴42に挿入する方向の側の面35(
図4参照)が、綴杆挿入穴42に挿入し易いように傾斜面になっている。
一方、第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cのそれぞれの、綴杆挿入穴42に挿入する方向の側とは反対側の面36は、後述の綴杆挿入穴42の第1受け部50a〜第3受け部50cが引っ掛かり易いように、第1綴じ板20の当接面20aに対して平行な平面になっている。つまり、面36のそれぞれの位置が、第1受け部50a〜第3受け部50cのいずれか一つとの係止位置となる。第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cの形状は任意であり、綴杆挿入穴42の第1受け部50a〜第3受け部50cに引っ掛かるものであればその形状は問わない。
図10は、綴杆ピン22の第1区間S1〜第3区間S3の高さ方向の位置関係を示す説明図である。
図10に示すように、段差を形成する第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cは、綴杆ピン22の高さ方向に隣接する突条部が段差状にずれて形成されており、かつ、第1区間S1〜第3区間S3ごとに、綴杆ピン22の高さ方向において異なる高さ位置で、綴杆ピン22の周方向に断続的に形成されている。第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cの6個の突条部は、綴杆ピン22の頭部23aに近い側の始端の第1突条部27bから、根元部23bに近い側の終端の第2突条部29cへと順に、綴杆ピン22の周方向に反時計回りに階段状に下がりながら、略2周しているような構造となっている。つまり、第1区間S1〜第3区間S3の第1突条部27a〜27cが、綴杆ピン22の周方向に反時計回りに階段状に下がりながら略1周した後、更に、第1区間S1〜第3区間S3の第2突条部29a〜29cが、綴杆ピン22の周方向に反時計回りに階段状に下がりながら略1周しているような構造となっている。
【0034】
例えば、第1綴じ板20の当接面20aから3.0mmの高さの位置での綴杆ピン22の横断面は、
図11に示すような形状となる。
図11は
図2のG−G断面図である。この位置には第2突条部29aが配置されている。
また、例えば、第1綴じ板20の当接面20aから2.4mmの高さの位置での綴杆ピン22の横断面は、
図12に示すような形状となる。
図12は、
図2のH−H断面図である。この位置には第2突条部29cが配置されている。
【0035】
さらに、第1綴じ板20の下面(被綴じ物が綴じ具10に綴じられた状態では、外側になる面であり、以下、外側面と称する)20bの略中央部には、綴杆ピン22が立設されている位置に対応する位置に半円弧状凹部38が形成されている。被綴じ物を綴じる際には、この位置に力を加えることによって、力を有効に綴杆ピン22に伝えることができる。
【0036】
(2)綴杆挿入穴部
綴杆挿入穴部14は、略矩形の第2綴じ板40と、第2綴じ板40の略中央部に設けられた1つの円形綴杆挿入穴42とを有している。この綴杆挿入穴42は、綴じ具10の長さ方向の中心線D−Dに対して、綴杆ピン22の位置と対称の位置に配設されている。綴杆挿入穴42は、綴杆ピン22が挿通して綴杆ピン22と共に被綴じ物を綴じるためのものである。
【0037】
第2綴じ板40は、綴じ具10が被綴じ物を綴じた状態では、その上面(被綴じ物が綴じ具10に綴じられた状態では、被綴じ物が当接する面であり、以下、当接面と称する)40aが、綴杆ピン部12の第1綴じ板20の当接面20aに対向する位置関係になる。第2綴じ板40の当接面40aには、綴杆挿入穴42の外側に所定の距離を置いて、横断面がU字形の円環状の溝44が設けられている。第2綴じ板40の当接面40aは、被綴じ物が当接するため平滑面になっている。
【0038】
綴杆挿入穴42において、綴杆ピン22
に等間隔に区分された第1区間S1〜第3区間S3の第1境界部24〜第3境界部26に対応する位置から幅広の第1スリット穴45、第2スリット穴46および第3スリット穴47が、上側からの平面視で、120度の等間隔で三方に放射状に延在し、その先端は溝44の外周内壁にまで達している。第1スリット穴45の位置は綴じ具10の幅方向の中心線F−Fの位置にあり、第1スリット穴45〜第3スリット穴47は、中心線F−Fに対して線対称の位置関係となっている。そして、第1スリット穴45〜第3スリット穴47は、その先端が第2綴じ板40の縁端から一番離れた位置になるように配置されている。第1スリット穴45〜第3スリット穴47の先端を、第2綴じ板40の縁端から離すことによって第2綴じ板40は千切れ難くなる。
【0039】
被綴じ物を綴じる際、第1スリット穴45には、綴杆ピン22の第1境界部24が挿入される。第2スリット穴46には、第2境界部25が挿入される。第3スリット穴47には、第3境界部26が挿入される。従って、第1スリット穴45〜第3スリット穴47のスリット幅は、第1境界部24〜第3境界部26の幅よりも大きく設定されている。
【0040】
溝44と第1スリット穴45〜第3スリット穴47とは、被綴じ物を綴じる際に、綴杆ピン22が綴杆挿入穴42に押し込まれるときに加わる力を、協働して第2綴じ板40全体に分散させて、機械的ストレスを緩和させることができる。
【0041】
円形綴杆挿入穴42の第2綴じ板40の当接面40aでの径は、綴杆ピン22が挿入し易いように綴杆ピン22の径(φ3mm)より大きい(φ3.2mm)。円形綴杆挿入穴42の内周壁面には、綴杆挿入穴42の中心を中心にして、綴杆挿入穴42の周方向に間隔をおいて、3つに区分され、綴杆ピン22に係止する第1受け部50a、第2受け部50b、第3受け部50cが形成されている。第3受け部50cの位置は、綴じ具10の幅方向の中心線F−Fの位置にあり、第1受け部50a〜第3受け部50cは、中心線F−Fに対して線対称の位置関係となっている。
第1受け部50a〜第3受け部50cのそれぞれは、綴杆ピン22が挿入される方向の側の面51(
図13参照)が、綴杆ピン22を挿入し易いように、第2綴じ板40の当接面40aから綴杆挿入穴42の奥に向かって進むにしたがって綴杆挿入穴42の径が小さくなるように傾斜しており、その最小径は綴杆ピン22の最大径(φ3mm)より小さい(φ2.2mm)。
【0042】
一方、第1受け部50a〜第3受け部50cのそれぞれの、綴杆ピン22が挿入される方向の側とは反対側の面52は、綴杆ピン22の第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cが引っ掛かり易いように、第2綴じ板40の当接面40aに対して平行な平面となっている。つまり、面52のそれぞれの位置が、突条部27a〜27c,29a〜29cのいずれか一つとの係止位置となる。そして、第1受け部50a〜第3受け部50cのそれぞれの面52は、綴杆ピン22が挿入される方向において、同じ位置に存在している。
ただし、第1受け部50a〜第3受け部50cは、弾性を有しており、綴杆ピン22に係止したときは、第1受け部50a〜第3受け部50cの高さ位置が変わる。つまり、第1受け部50a〜第3受け部50cは、弾性力で綴杆ピン22に係止しており、綴杆ピン22は綴杆挿入穴42に密に嵌まっている。
第2綴じ板40の下面(被綴じ物が綴じ具10に綴じられた状態では、外側になる面であり、以下、外側面と称する)40bでの綴杆挿入穴42の径は綴杆ピン22の最大径(φ3mm)と同じである。なお、第1受け部50a〜第3受け部50cの形状は任意であり、綴杆ピン22の第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cに引っ掛かるものであればその形状は問わない。
【0043】
(3)連接部
連接部16は、綴杆ピン部12と綴杆挿入穴部14との間に配置されている。矩形の連接部16の上面(被綴じ物が綴じ具10に綴じられた状態では、被綴じ物が当接する面であり、以下、当接面と称する)16aは、被綴じ物の端が当接するため平滑面になっている。当接面16aは、綴杆ピン部12の第1綴じ板20の当接面20aや綴杆挿入穴部14の第2綴じ板40の当接面40aより後退した位置にある。従って、綴じ具10をヒンジ部18,19によって綴じ具10の長さ方向に内側に折り曲げた際に、連接部16が綴杆ピン部12や綴杆挿入穴部14に衝突することを防止できる。
【0044】
一方、連接部16の下面(被綴じ物が綴じ具10に綴じられた状態では、外側になる面であり、以下、外側面と称する)16bは、下側に湾曲して膨らんでいる。なお、第1綴じ板20の当接面20aと第2綴じ板40の当接面40aとは、略面一の関係にある。
【0045】
(4)ヒンジ部
第1ヒンジ部18は、綴杆ピン部12と連接部16とを繋ぐためのものであり、綴杆ピン部12と連接部16との間に屈曲自在に配設されている。第2ヒンジ部19は、綴杆挿入穴部14と連接部16とを繋ぐためのものであり、綴杆挿入穴部14と連接部16との間に屈曲自在に配設されている。ヒンジ部18,19は、綴じ具10の幅方向に延在し、綴じ具10をその長さ方向に折り曲げることができる。なお、ヒンジ部18,19の形状は任意であり、例えばヒンジ幅は狭くてもよいし、ヒンジ肉厚は薄くてもよい。
【0046】
ヒンジ部18,19のそれぞれの両端部は、R状凹部18a,18b,19a,19bが形成されており、ヒンジ部18,19が千切れ難い構造となっている。
なお、ヒンジ部18,19や連接部16は必ずしも必要なものではなく、いずれか一方が他方の機能を併せ持つような構成となっていてもよい。
【0047】
2.第1実施の形態の綴じ具による綴じ方法
図14は第1実施の形態の綴じ具10よる綴じ方法を説明するための斜視図である。
図15は
図14に示した綴じ具10の一部断面図である。
図16は
図14に示した綴じ具1おの平面図である。
【0048】
綴じる前の綴じ具10は、
図1に示すように、板状の状態である。
先ず、被綴じ物Pが、左側から右側に向かって差し込まれ、綴じ具10の綴杆ピン22に、被綴じ物Pの綴じ穴Paが通されて、綴杆ピン部12の当接面20aに被綴じ物Pが1枚〜複数枚載置される。
【0049】
次に、綴じ具10は、綴杆挿入穴部14の第2綴じ板40が綴杆ピン部12の第1綴じ板20に対向するように、綴杆挿入穴部14がヒンジ部19の位置にて、また、連接部16がヒンジ部18の位置にて、それぞれ綴じ具10の長さ方向の内側に略直角に折り曲げられ、綴杆挿入穴42に綴杆ピン22が上側から強く押し込まれて挿入され、逆コ字形状に変形される。そして、綴杆ピン22の第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cのいずれかに、綴杆挿入穴42の第1受け部50a〜第3受け部50cのいずれかが係止することによって、被綴じ物Pは綴じられる。
【0050】
例えば、
図17は、被綴じ物Pである用紙を20枚綴じたときの
図16のI1−I1断面図である。
図18は、用紙Pを20枚綴じたときの
図16のI2−I2断面図である。
図19は、用紙Pを20枚綴じたときの
図16のI3−I3断面図である。
【0051】
図17〜
図19より、綴じ具10によって20枚の用紙Pを綴じた場合は、綴杆挿入穴42の第1受け部50aと綴杆ピン22の第1突条部27aとが係止し、かつ、第3受け部50cと第1突条部27cとが係止し、さらに、第2受け部50bと第1突条部27bとが係止していることによって綴じられていることが分かる。
【0052】
また、
図20は、用紙Pを12枚綴じたときの
図16のI1−I1断面図である。
図20より、綴じ具10によって12枚の用紙Pを綴じた場合は、綴杆挿入穴42の第1受け部50aと綴杆ピン22の第2突条部29aとが係止していることによって綴じられていることが分かる。
【0053】
また、
図21は、用紙Pを5枚綴じたときの
図16のI3−I3断面図である。
図21より、綴じ具10によって5枚の用紙Pを綴じた場合は、綴杆挿入穴42の第2受け部50bと綴杆ピン22の第2突条部29bとが係止し、かつ、第3受け部50cと第2突条部29cとが係止していることによって綴じられていることが分かる。
【0054】
3.第2実施の形態の綴じ具
図22は、用紙を綴じる前の状態の第2実施の形態の綴じ具110を示す平面図である。
図23は、綴じ具110の断面図である。
第2実施の形態の綴じ具110の綴杆挿入穴142は、穴内壁面の周方向に間隔をおいて、受け部150a,150bが形成され、かつ、受け部150a,150bの位置は綴杆挿入穴142の深さ方向に異なっている。
【0055】
綴じ具110は、綴杆ピン部112と、綴杆挿入穴部114と、連接部116と、第1ヒンジ部118と、第2ヒンジ部119とを備え、これらの順で連接されている。綴杆ピン部112と綴杆挿入穴部114と連接部116と第1ヒンジ部118と第2ヒンジ部119とは一体ものであり、弾力性を有し、かつ、剛性をある程度有する樹脂材、例えばポリプロピレン樹脂などからなる。従って、綴じ具110は、構造が簡素で、重量が軽く安価な綴じ具になる。
綴じ具110は、被綴じ物を綴じた後の状態では、前記
図14に示すように、綴杆ピン部112と綴杆挿入穴部114とが対向するように、綴じ具110の長さ方向の内側に折り曲げられて変形され、略逆コ字形状の状態となる。以下、
図14に示すように、明細書中の「上側」、「下側」、「左側」、「右側(被綴じ物の差込方向)」は、綴じ具110が、綴杆ピン部112を下側に、綴杆挿入穴部114を上側にして、被綴じ物を綴じた後の状態での方向を意味するものとする。
なお、第2実施の形態では、綴杆ピン122およびこれに対応する綴杆挿入穴142をそれぞれ一つ有している綴じ具110について説明するけれども、これに限るものではなく、2つ以上の綴杆ピン122および綴杆挿入穴142を有している綴じ具であってもよい。
【0056】
(1)綴杆ピン部
綴杆ピン部112は、略矩形の第1綴じ板120と、第1綴じ板120の上面(被綴じ物が綴じ具110に綴じられた状態では、被綴じ物が当接する面であり、以下、当接面と称する)120aの略中央部に設けられた1つの綴杆ピン122と、を有している。第1綴じ板120の当接面120aは、被綴じ物が当接するため平滑面になっている。
【0057】
綴杆ピン122は、頭部123aが曲面になっており、後述の綴杆挿入穴142に挿入し易いようになっている。この綴杆ピン122は、外周が凹凸になっており、そのため、複数の段差を有している。第2実施の形態の場合は、綴杆ピン122の最大径はφ3mm、長さは4.2mmである。綴杆ピン122の最大径は、被綴じ物の綴じ穴の径が一般的にφ3mmであるので、それに等しい寸法に設定している。
【0058】
綴杆ピン122の外周面には、頭部123aから根元部123bに向かって、径が中程度のリング形状の第1突条部127(突条の最外周でφ2.6mm)、径が小さい第1小円周面128(φ2mm)、径が中程度のリング形状の第2突条部129(径は第1突条部127と同じφ2.6mm)、径が小さい第2小円周面130(径は第1小円周面128と同じφ2mm)、傾斜面131、径が大きい大円周面132(φ3mm)が連接している。第1突条部127および第2突条部129は、第1綴じ板120の当接面120aに対して平行な方向に、綴杆ピン122の周りを1周して延在している。
【0059】
そして、例えば、綴杆ピン122の高さ方向において、大円周面132は、第1綴じ板120の当接面120aから1.8mmの高さまで配設されている。傾斜面131は1.8〜2.4mmの高さに配設されている。第2小円周面130は2.4〜2.7mmの高さに配設されている。第2突条部129は2.7〜3.3mmの高さに配設されている。第1小円周面128は3.3〜3.6mmの高さに配設されている。第1突条部127は3.6〜4.2mmの高さに配設されている。
【0060】
従って、綴杆ピン122は、外周面において、第1突条部127と第2突条部129とによって形成される、高さ方向に位置が異なる2個の段差を有していることになる。そして、これら第1突条部127と第2突条部129によってそれぞれ形成される2個の段差は、後述の綴杆挿入穴部114の受け部150a,150bのいずれか一つと係止することになる。
【0061】
綴杆ピン122の高さ方向において、第1突条部127が形成する段差から、隣接する第2突条部129が形成する段差までの距離は、0.9mmである。つまり、綴じ具110は、綴杆ピン122の頭部123aに近い側の段差(第1突条部127)を始端としたとき、終端である根元部123bに近い側の段差(第2突条部129)へと順に、綴杆ピン122の高さ方向に0.9mmピッチで2段階の係止位置を有している。
【0062】
第1突条部127および第2突条部129のそれぞれは、後述の綴杆挿入穴142に挿入する方向の側の面135(
図23参照)が、綴杆挿入穴142に挿入し易いように傾斜面になっている。
一方、第1突条部127および第2突条部129のそれぞれの、綴杆挿入穴42に挿入する方向の側とは反対側の面136は、後述の綴杆挿入穴142の第1受け部150aおよび第2受け部150bが引っ掛かり易いように、第1綴じ板120の当接面120aに対して平行な平面になっている。つまり、面136のそれぞれの位置が、第1受け部150aおよび第2受け部150bのいずれか一つとの係止位置となる。第1突条部127および第2突条部129の形状は任意であり、綴杆挿入穴142の第1受け部150aおよび第2受け部150bに引っ掛かるものであればその形状は問わない。
【0063】
さらに、第1綴じ板120の下面(被綴じ物が綴じ具110に綴じられた状態では、外側になる面であり、以下、外側面と称する)120bの略中央部には、綴杆ピン122が立設されている位置に対応する位置に半円弧状凹部138が形成されている。被綴じ物を綴じる際には、この位置に力を加えることによって、力を有効に綴杆ピン122に伝えることができる。
【0064】
(2)綴杆挿入穴部
綴杆挿入穴部114は、略矩形の第2綴じ板140と、第2綴じ板140の略中央部に設けられた1つの円形綴杆挿入穴142とを有している。この綴杆挿入穴142は、綴じ具110の長さ方向の中心線D−Dに対して、綴杆ピン122の位置と対称の位置に配設されている。綴杆挿入穴142は、綴杆ピン122が挿通して綴杆ピン122と共に被綴じ物を綴じるためのものである。
【0065】
第2綴じ板140は、綴じ具110が被綴じ物を綴じた状態では、その上面(被綴じ物が綴じ具110に綴じられた状態では、被綴じ物が当接する面であり、以下、当接面と称する)140aが、綴杆ピン部112の第1綴じ板120の当接面120aに対向する位置関係になる。第2綴じ板140の当接面140aは、被綴じ物が当接するため平滑面になっている。
【0066】
なお、第2実施の形態の綴じ具110は、第1実施の形態の綴じ具10と異なり、第2綴じ板140の当接面140aに、綴杆挿入穴142の外側に所定の距離を置いて、横断面がU字形の円環状の溝が設けられていない。また、綴杆挿入穴142からは、幅広の第1スリット穴、第2スリット穴および第3スリット穴が設けられていない。しかしながら、円環状の溝や第1スリット穴〜第3スリット穴を設けて、溝と第1スリット穴〜第3スリット穴とによって、被綴じ物を綴じる際に、綴杆ピン122が綴杆挿入穴142に押し込まれるときに加わる力を、協働して第2綴じ板140全体に分散させて、機械的ストレスを緩和させてもよいことは言うまでもない。
【0067】
円形綴杆挿入穴142の第2綴じ板140の当接面140aでの径は、綴杆ピン122が挿入し易いように綴杆ピン122の径(φ3mm)より大きい(φ3.2mm)。円形綴杆挿入穴142の内周壁面には、綴杆挿入穴142の中心を中心にして、綴杆挿入穴142の周方向に180度の間隔をおいて、綴杆ピン122に係止する第1受け部150aおよび第2受け部150bが形成されている。第1受け部150aおよび第2受け部150bは、対向して綴じ具110の幅方向の中心線F−Fの位置にあり、第1受け部150aおよび第2受け部150bは、中心線F−Fに対して線対称となっている。なお、綴杆挿入穴142の内周壁面の周方向に設けられる受け部は、2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。
第1受け部150aおよび第2受け部150bのそれぞれは、綴杆ピン122が挿入される方向の側の面151a,151b(
図23参照)が、綴杆ピン122を挿入し易いように、第2綴じ板140の当接面140aから綴杆挿入穴142の奥に向かって進むにしたがって綴杆挿入穴142の径が小さくなるように傾斜しており、その最小径は綴杆ピン122の最大径(φ3mm)より小さい(φ2.2mm)。
【0068】
一方、第1受け部150aおよび第2受け部150bのそれぞれの、綴杆ピン122が挿入される方向の側とは反対側の面152a,152bは、綴杆ピン122の第1突条部127および第2突条部129が引っ掛かり易いように、第2綴じ板140の当接面140aに対して平行な平面となっている。つまり、面152a,152bのそれぞれの位置が、突条部127,129のいずれか一つとの係止位置となる。
第1受け部150aの面152aの位置と第2受け部150bの面152bの位置とは、綴杆挿入穴142の深さ方向に異なっている。ここで、綴杆挿入穴142の深さ方向において隣接する面152aの位置と面152bとの位置の距離(ピッチ)は、綴杆ピン122の高さ方向において隣接する第1突条部127と第2突条部129との距離(ピッチ)より小さくなるように設定されている。
従って、綴じ具110が被綴じ物を綴じる際に、綴杆ピン122が綴杆挿入穴142に挿入されると、先ず、第1受け部150aの面152aが、綴杆ピン122の第1突条部127に引っ掛かり、次に、第2受け部150bの面152bが、綴杆ピン122の第1突条部127に引っ掛かる。さらに、綴杆ピン122が綴杆挿入穴142に挿入されると、第1受け部150aの面152aが、綴杆ピン122の第2突条部129に引っ掛かり、次に、第2受け部150bの面152bが、綴杆ピン122の第2突条部129に引っ掛かるようになっている。つまり、綴杆ピン122が綴杆挿入穴142に挿入される深さに従って、綴杆ピン122の突条部127,129のいずれかが、綴杆挿入穴142の受け部150a,150bのいずれかに順に係止し、綴杆ピン122の綴杆挿入穴142への挿入深さが調整されるようになっている。
この結果、綴じ具110は4段階の係止位置を有している構造となり、被綴じ物Pの厚みに合わせて1段ずつ細かく調整することができる。
ただし、第1受け部150aおよび第2受け部150bは、弾性を有しており、綴杆ピン122に係止したときは、第1受け部150aおよび第2受け部150bの高さ位置が変わる。つまり、第1受け部150aおよび第2受け部150bは、弾性力で綴杆ピン122に係止しており、綴杆ピン122は綴杆挿入穴142に密に嵌まっている。
第2綴じ板140の下面(被綴じ物が綴じ具110に綴じられた状態では、外側になる面であり、以下、外側面と称する)140bでの綴杆挿入穴142の径は綴杆ピン122の最大径(φ3mm)と同じである。なお、第1受け部150aおよび第2受け部150bの形状は任意であり、綴杆ピン122の第1突条部127および第2突条部129に引っ掛かるものであればその形状は問わない。
【0069】
(3)連接部
連接部116は、綴杆ピン部112と綴杆挿入穴部114との間に配置されている。矩形の連接部116の上面(被綴じ物が綴じ具110に綴じられた状態では、被綴じ物が当接する面であり、以下、当接面と称する)116aは、被綴じ物の端が当接するため平滑面になっている。当接面116aは、綴杆ピン部112の第1綴じ板120の当接面120aや綴杆挿入穴部114の第2綴じ板140の当接面140aより後退した位置にある。従って、綴じ具110をヒンジ部118,119によって綴じ具110の長さ方向に内側に折り曲げた際に、連接部116が綴杆ピン部112や綴杆挿入穴部114に衝突することを防止できる。
【0070】
一方、連接部116の下面(被綴じ物が綴じ具110に綴じられた状態では、外側になる面であり、以下、外側面と称する)116bは、下側に湾曲して膨らんでいる。なお、第1綴じ板120の当接面120aと第2綴じ板140の当接面140aとは、略面一の関係にある。
【0071】
(4)ヒンジ部
第1ヒンジ部118は、綴杆ピン部112と連接部116とを繋ぐためのものであり、綴杆ピン部112と連接部116との間に屈曲自在に配設されている。第2ヒンジ部119は、綴杆挿入穴部114と連接部116とを繋ぐためのものであり、綴杆挿入穴部114と連接部116との間に屈曲自在に配設されている。ヒンジ部118,119は、綴じ具110の幅方向に延在し、綴じ具110をその長さ方向に折り曲げることができる。なお、ヒンジ部118,119の形状は任意であり、例えばヒンジ幅は狭くてもよいし、ヒンジ肉厚は薄くてもよい。
【0072】
なお、ヒンジ部118,119や連接部116は必ずしも必要なものではなく、いずれか一方が他方の機能を併せ持つような構成となっていてもよい。
【0073】
4.第3実施の形態の綴じ具
第3実施の形態の綴じ具は、
図1〜
図13に示した第1実施の形態の綴じ具10において、綴杆挿入穴部14の綴杆挿入穴42の内周壁面に形成されている第1受け部50a、第2受け部50bおよび第3受け部50cの位置が、綴杆挿入穴42の深さ方向に異なっていること以外は、第1実施の形態の綴じ具10と略同様のものである。従って、第3実施の形態の綴じ具については、前記第1実施の形態の
図1〜
図13を参照(流用)して説明する。なお、以下の説明において、同一部品および同一部分には同一の符号を使用して説明する。
【0074】
第3実施の形態の綴じ具は、第1実施の形態の綴杆ピン部12と、綴杆挿入穴部14と、連接部16と、第1ヒンジ部18と、第2ヒンジ部19とを備え、これらの順で連接されている。綴杆ピン部12と綴杆挿入穴部114と連接部16と第1ヒンジ部18と第2ヒンジ部19とは一体ものであり、弾力性を有し、かつ、剛性をある程度有する樹脂材、例えばポリプロピレン樹脂などからなる。従って、第3実施の形態の綴じ具は、構造が簡素で、重量が軽く安価な綴じ具になる。
第3実施の形態の綴じ具は、被綴じ物を綴じた後の状態では、
図14に示すように、綴杆ピン部12と綴杆挿入穴部14とが対向するように、綴じ具の長さ方向の内側に折り曲げられて変形され、略逆コ字形状の状態となる。以下、
図14に示すように、明細書中の「上側」、「下側」、「左側」、「右側(被綴じ物の差込方向)」は、綴じ具が、綴杆ピン部12を下側に、綴杆挿入穴部14を上側にして、被綴じ物を綴じた後の状態での方向を意味するものとする。
なお、第3実施の形態では、綴杆ピン22およびこれに対応する綴杆挿入穴42をそれぞれ一つ有している綴じ具について説明するけれども、これに限るものではなく、2つ以上の綴杆ピン22および綴杆挿入穴42を有している綴じ具であってもよい。
【0075】
(1)綴杆ピン部
綴杆ピン部12は、略矩形の第1綴じ板20と、第1綴じ板20の上面(被綴じ物が第3実施の形態の綴じ具に綴じられた状態では、被綴じ物が当接する面であり、以下、当接面と称する)20aの略中央部に設けられた1つの綴杆ピン22と、を有している。第1綴じ板20の当接面20aは、被綴じ物が当接するため平滑面になっている。
【0076】
綴杆ピン22は、頭部23aの右側(第1ヒンジ部18が設けられた側)半分が曲面になっており、左側(第1ヒンジ部18が設けられた側とは反対の側)半分が傾斜面になっており、後述の綴杆挿入穴42に挿入し易いようになっている。この綴杆ピン22は、外周が凹凸になっており、そのため、複数の段差を有している。第3実施の形態の綴じ具の場合は、綴杆ピン22の最大径はφ3mm、長さは4.2mmである。綴杆ピン22の最大径は、被綴じ物の綴じ穴の径が一般的にφ3mmであるので、それに等しい寸法に設定している。
【0077】
綴杆ピン22は、その外周面を区切るために、軸線を中心にして、その外周面に周方向に間隔をおいて、第1境界部24、第2境界部25、第3境界部26が設けられている。第1境界部24〜第3境界部26は、それぞれ、頭部23aから根元部23bに向かって、第1綴じ板20の当接面20aに対して垂直な方向に延在している。
第1境界部24〜第3境界部26は、それぞれ、後述の第1スリット穴45〜第3スリット穴47と協働して綴杆ピン22が綴杆挿入穴42に挿入される際のガイドとしての機能も有している。第1境界部24〜第3境界部26は、上側からの平面視で、120度の等間隔で配置されている。第1境界部24の位置は、第3実施の形態の綴じ具の幅方向の中心線F−Fの位置にある。第2境界部25および第3境界部26は、それぞれ、中心線F−Fに対して、第1境界部24の位置から120度離れた対称の位置関係にある。
なお、第1境界部24〜第3境界部26は、仮想的なものであって、第1実施の形態においては便宜上設けられたものであるので、必ずしも必要なものではなく、省略されていてもよい。
【0078】
第1綴じ板20の当接面20aからの高さと、綴杆ピン22の外周の段差との関係は、前記表1に示されているとおりである。
【0079】
綴杆ピン22の外周面は、第1境界部24〜第3境界部26によって、第1境界部24と第2境界部25との間の第1区間S1と、第1境界部24と第3境界部26との間の第2区間S2と、第2境界部25と第3境界部26との間の第3区間S3とに仕切られている。第1区間S1〜第3区間S3は、上側からの平面視で、120度の等間隔で配置されている。第3区間S3の位置は、第3実施の形態の綴じ具の幅方向の中心線F−Fの位置にある。なお、綴杆ピン22の外周面の周方向に仕切られる区間は3つに限定されるものではなく、2または4以上であってもよい。
第1区間S1の外周面には、綴杆ピン22の頭部23aから根元部23bに向かって、径が中程度の円弧状の第1突条部27a(突条の最外周でφ2.6mm)、径が小さい第1小円周面28a(φ2mm)、径が中程度の円弧状の第2突条部29a(径は第1突条部27aと同じφ2.6mm)、径が小さい第2小円周面30a(径は第1小円周面28aと同じφ2mm)、傾斜面31a、径が大きい大円周面32a(φ3mm)が連接している。第1突条部27aおよび第2突条部29aは、第1区間S1の外周面上に第1綴じ板20の当接面20aに対して平行な方向に延在している。
【0080】
そして、綴杆ピン22の高さ方向において、大円周面32aは、第1綴じ板20の当接面20aから1.8mmの高さまで配設されている。傾斜面31aは1.8〜2.4mmの高さに配設されている。第2小円周面30aは2.4〜2.7mmの高さに配設されている。第2突条部29aは2.7〜3.3mmの高さに配設されている。第1小円周面28aは3.3〜3.6mmの高さに配設されている。第1突条部27aは3.6〜4.2mmの高さに配設されている。
【0081】
従って、綴杆ピン22は、第1区間S1において、第1突条部27aと第2突条部29aとによって形成される、高さ方向に位置が異なる2個の段差を有していることになる。そして、これら第1突条部27aと第2突条部29aによってそれぞれ形成される2個の段差は、後述の綴杆挿入穴部14の受け部50aと係止することになる。
【0082】
第2区間S2の外周面も、
図5に示すように、綴杆ピン22の頭部23aから根元部23bに向かって、径が中程度の円弧状の第1突条部27b(突条の最外周でφ2.6mm)、径が小さい第1小円周面28b(φ2mm)、径が中程度の円弧状の第2突条部29b(径は第1突条部27bと同じφ2.6mm)、径が小さい第2小円周面30b(径は第1小円周面28bと同じφ2mm)、傾斜面31b、径が大きい大円周面32b(φ3mm)が連接している。第1突条部27bおよび第2突条部29bは、第2区間S2の外周面上に第1綴じ板20の当接面20aに対して平行な方向に延在している。
【0083】
そして、綴杆ピン22の高さ方向において、大円周面32bは、第1綴じ板20の当接面20aから1.5mmの高さまで配設されている。傾斜面31bは1.5〜2.1mmの高さに配設されている。第2小円周面30bは2.1〜2.4mmの高さに配設されている。第2突条部29bは2.4〜3.0mmの高さに配設されている。第1小円周面28bは3.0〜3.3mmの高さに配設されている。第1突条部27bは3.3〜3.9mmの高さに配設されている。
【0084】
従って、綴杆ピン22は、第2区間S2において、第1突条部27bと第2突条部29bによって形成される、高さ方向に位置が異なる2個の段差を有していることになる。そして、これら第1突条部27bと第2突条部29bによってそれぞれ形成される2個の段差は、後述の綴杆挿入穴部14の受け部50bと係止することになる。
【0085】
第3区間S3の外周面には、綴杆ピン22の頭部23aから根元部23bに向かって、径が中程度の円弧状の第1突条部27c(突条の最外周でφ2.6mm)、綴杆ピン22の中心軸から所定の距離(1mm)離れた第1平面28c、径が中程度の円弧状の第2突条部29c(径は第6突条部27cと同じφ2.6mm)、綴杆ピン22の中心軸から所定の距離(1mm)離れた第2平面30c(綴杆ピン22の中心軸からの距離は第1平面28cと同じ)、傾斜面31c、径が大きい大円周面32c(φ3mm)が連接している。第1突条部27cおよび第2突条部29cは、第3区間S3の外周面上に第1綴じ板20の当接面20aに対して平行な方向に延在している。第1平面28cと第2平面30cとは、それぞれ中心線F−Fに対して直交する面である。面28cおよび面30cは、後述の綴杆挿入穴42の第3受け部50cに当接して、綴杆挿入穴42内に挿入し易いように平面とされているけれども、必ずしも平面に限るものではなく、例えば、前記第1小円周面28aと同様の小円周面であってもよい。
【0086】
そして、綴杆ピン22の高さ方向において、大円周面32cは、第1綴じ板20の当接面20aから1.0mmの高さまで配設されている。傾斜面31cは1.0〜1.8mmの高さに配設されている。第2平面30cは1.8〜2.1mmの高さに配設されている。第2突条部29cは2.1〜2.7mmの高さに配設されている。第1平面28cは2.7〜3.0mmの高さに配設されている。第1突条部27cは3.0〜3.6mmの高さに配設されている。
【0087】
従って、綴杆ピン22は、第3区間S3において、第1突条部27cと第2突条部29cによって形成される、高さ方向に位置が異なる2個の段差を有していることになる。そして、これら第1突条部27cと第2突条部29cによってそれぞれ形成される2個の段差は、後述の綴杆挿入穴部14の受け部50cと係止することになる。
【0088】
この結果、綴杆ピン22全体では、第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cの6個の突条部によって形成される、高さ方向に位置が異なる6個の段差を有していることになる。
表1に示すように、第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cは、綴杆ピン22の高さ方向に0.3mmピッチで配置されている。従って、第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cによって形成されている6個の段差は、綴杆ピン22の高さ方向に0.3mmピッチで配置されている。つまり、第3実施の形態の綴じ具は、綴杆ピン22の頭部23aに近い側の段差(第1突条部27b)を始端としたとき、第1突条部27bが形成する段差から、第1突条部27aが形成する段差、第1突条部27cが形成する段差、第2突条部29bが形成する段差、第2突条部29aが形成する段差、そして、終端である根元部23bに近い側の段差(第2突条部29c)へと順に、綴杆ピン22の高さ方向に0.3mmピッチで6段階の係止位置を有している。
【0089】
第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cのそれぞれは、後述の綴杆挿入穴42に挿入する方向の側の面35(
図4参照)が、綴杆挿入穴42に挿入し易いように傾斜面になっている。
一方、第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cのそれぞれの、綴杆挿入穴42に挿入する方向の側とは反対側の面36は、後述の綴杆挿入穴42の第1受け部50a〜第3受け部50cが引っ掛かり易いように、第1綴じ板20の当接面20aに対して平行な平面になっている。つまり、面36のそれぞれの位置が、第1受け部50a〜第3受け部50cのいずれか一つとの係止位置となる。第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cの形状は任意であり、綴杆挿入穴42の第1受け部50a〜第3受け部50cに引っ掛かるものであればその形状は問わない。
図10は、綴杆ピン22の第1区間S1〜第3区間S3の高さ方向の位置関係を示す説明図である。
図10に示すように、段差を形成する第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cは、綴杆ピン22の高さ方向に隣接する突条部が段差状にずれて形成されており、かつ、第1区間S1〜第3区間S3ごとに、綴杆ピン22の高さ方向において異なる高さ位置で、綴杆ピン22の周方向に断続的に形成されている。第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cの6個の突条部は、綴杆ピン22の頭部23aに近い側の始端の第1突条部27bから、根元部23bに近い側の終端の第2突条部29cへと順に、綴杆ピン22の周方向に反時計回りに階段状に下がりながら、略2周しているような構造となっている。つまり、第1区間S1〜第3区間S3の第1突条部27a〜27cが、綴杆ピン22の周方向に反時計回りに階段状に下がりながら略1周した後、更に、第1区間S1〜第3区間S3の第2突条部29a〜29cが、綴杆ピン22の周方向に反時計回りに階段状に下がりながら略1周しているような構造となっている。
【0090】
さらに、第1綴じ板20の下面(被綴じ物が第3実施の形態の綴じ具に綴じられた状態では、外側になる面であり、以下、外側面と称する)20bの略中央部には、綴杆ピン22が立設されている位置に対応する位置に半円弧状凹部38が形成されている。被綴じ物を綴じる際には、この位置に力を加えることによって、力を有効に綴杆ピン22に伝えることができる。
【0091】
(2)綴杆挿入穴部
綴杆挿入穴部14は、略矩形の第2綴じ板40と、第2綴じ板40の略中央部に設けられた1つの円形綴杆挿入穴42とを有している。この綴杆挿入穴42は、第3実施の形態の綴じ具の長さ方向の中心線D−Dに対して、綴杆ピン22の位置と対称の位置に配設されている。綴杆挿入穴42は、綴杆ピン22が挿通して綴杆ピン22と共に被綴じ物を綴じるためのものである。
【0092】
第2綴じ板40は、第3実施の形態の綴じ具が被綴じ物を綴じた状態では、その上面(被綴じ物が第3実施の形態の綴じ具に綴じられた状態では、被綴じ物が当接する面であり、以下、当接面と称する)40aが、綴杆ピン部12の第1綴じ板20の当接面20aに対向する位置関係になる。第2綴じ板40の当接面40aには、綴杆挿入穴42の外側に所定の距離を置いて、横断面がU字形の円環状の溝44が設けられている。第2綴じ板40の当接面40aは、被綴じ物が当接するため平滑面になっている。
【0093】
綴杆挿入穴42において、綴杆ピン22等間隔に区分された第1区間S1〜第3区間S3の第1境界部24〜第3境界部26に対応する位置から幅広の第1スリット穴45、第2スリット穴46および第3スリット穴47が、上側からの平面視で、120度の等間隔で三方に放射状に延在し、その先端は溝44の外周内壁にまで達している。第1スリット穴45の位置は第3実施の形態の綴じ具の幅方向の中心線F−Fの位置にあり、第1スリット穴45〜第3スリット穴47は、中心線F−Fに対して線対称の位置関係となっている。そして、第1スリット穴45〜第3スリット穴47は、その先端が第2綴じ板40の縁端から一番離れた位置になるように配置されている。第1スリット穴45〜第3スリット穴47の先端を、第2綴じ板40の縁端から離すことによって第2綴じ板40は千切れ難くなる。
【0094】
被綴じ物を綴じる際、第1スリット穴45には、綴杆ピン22の第1境界部24が挿入される。第2スリット穴46には、第2境界部25が挿入される。第3スリット穴47には、第3境界部26が挿入される。従って、第1スリット穴45〜第3スリット穴47のスリット幅は、第1境界部24〜第3境界部26の幅よりも大きく設定されている。
【0095】
溝44と第1スリット穴45〜第3スリット穴47とは、被綴じ物を綴じる際に、綴杆ピン22が綴杆挿入穴42に押し込まれるときに加わる力を、協働して第2綴じ板40全体に分散させて、機械的ストレスを緩和させることができる。
【0096】
円形綴杆挿入穴42の第2綴じ板40の当接面40aでの径は、綴杆ピン22が挿入し易いように綴杆ピン22の径(φ3mm)より大きい(φ3.2mm)。円形綴杆挿入穴42の内周壁面には、綴杆挿入穴42の中心を中心にして、綴杆挿入穴42の周方向に間隔をおいて、3つに区分され、綴杆ピン22に係止する第1受け部50a、第2受け部50b、第3受け部50cが形成されている。第3受け部50cの位置は、綴じ具10の幅方向の中心線F−Fの位置にあり、第1受け部50a〜第3受け部50cは、中心線F−Fに対して線対称の位置関係となっている。
第1受け部50a〜第3受け部50cのそれぞれは、綴杆ピン22が挿入される方向の側の面51(
図13参照)が、綴杆ピン22を挿入し易いように、第2綴じ板40の当接面40aから綴杆挿入穴42の奥に向かって進むにしたがって綴杆挿入穴42の径が小さくなるように傾斜しており、その最小径は綴杆ピン22の最大径(φ3mm)より小さい(φ2.2mm)。
【0097】
一方、第1受け部50a〜第3受け部50cのそれぞれの、綴杆ピン22が挿入される方向の側とは反対側の面52は、綴杆ピン22の第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cが引っ掛かり易いように、第2綴じ板40の当接面40aに対して平行な平面となっている。つまり、面52のそれぞれの位置が、突条部27a〜27c,29a〜29cのいずれか一つとの係止位置となる。
【0098】
ここで、図示されていないけれども、第1受け部50a、第2受け部50bおよび第3受け部50cの位置は、綴杆挿入穴42の深さ方向に異なっている。つまり、第2綴じ板40の当接面40aから綴杆挿入穴42の奥に向かって、第1受け部50a、第2受け部50b、第3受け部50cが配置されている。従って、綴杆挿入穴42の深さ方向において、第2綴じ板40の当接面40aから綴杆挿入穴42の奥に向かって、第1受け部50aの面52の位置、第2受け部50bの面52の位置、第3受け部50cの面52の位置がある。
【0099】
そして、綴杆挿入穴42の深さ方向において、隣接する第1受け部50aの面52の位置と第2受け部50bの面52の位置との距離(ピッチ)は、隣接する第2受け部50bの面52の位置と第3受け部50cの面52の位置との距離(ピッチ)と等しくなるように設定されている。さらに、隣接する第1受け部50aの面52の位置と第2受け部50bの面52の位置との距離(ピッチ)と、隣接する第2受け部50bの面52の位置と第3受け部50cの面52の位置との距離(ピッチ)とは、例えば、綴杆ピン122の高さ方向において隣接する第1突条部127と第2突条部129との距離(ピッチ)より小さくなるように設定されている。
【0100】
従って、第3実施の形態の綴じ具が被綴じ物を綴じる際に、綴杆ピン22が綴杆挿入穴42に挿入されると、先ず、第1受け部50aの面52が、綴杆ピン22の第1区間S1の第1突条部27aに引っ掛かり、次に、第2受け部50bの面52が、綴杆ピン22の第2区間S2の第1突条部27bに引っ掛かる。同様にして、更に、綴杆ピン22が綴杆挿入穴42に挿入されると、第1受け部50aの面52〜第3受け部50cの面52のいずれかが、次々と、綴杆ピン22の第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cのいずれかに引っ掛かるようになっている。つまり、綴杆ピン22が綴杆挿入穴42に挿入される深さに従って、綴杆ピン22の第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cのいずれかが、綴杆挿入穴42の受け部50a〜50cのいずれかに順に係止し、綴杆ピン22の綴杆挿入穴42への挿入深さが調整されるようになっている。
この結果、第3実施の形態の綴じ具は多段階の係止位置を有している構造となり、被綴じ物Pの厚みに合わせて1段ずつ細かく調整することができる。
【0101】
ただし、第1受け部50a〜第3受け部50cは、弾性を有しており、綴杆ピン22に係止したときは、第1受け部50a〜第3受け部50cの高さ位置が変わる。つまり、第1受け部50a〜第3受け部50cは、弾性力で綴杆ピン22に係止しており、綴杆ピン22は綴杆挿入穴42に密に嵌まっている。
第2綴じ板40の下面(被綴じ物が第3実施の形態の綴じ具に綴じられた状態では、外側になる面であり、以下、外側面と称する)40bでの綴杆挿入穴42の径は綴杆ピン22の最大径(φ3mm)と同じである。なお、第1受け部50a〜第3受け部50cの形状は任意であり、綴杆ピン22の第1突条部27a〜27cおよび第2突条部29a〜29cに引っ掛かるものであればその形状は問わない。
【0102】
(3)連接部
連接部16は、綴杆ピン部12と綴杆挿入穴部14との間に配置されている。矩形の連接部16の上面(被綴じ物が第3実施の形態の綴じ具に綴じられた状態では、被綴じ物が当接する面であり、以下、当接面と称する)16aは、被綴じ物の端が当接するため平滑面になっている。当接面16aは、綴杆ピン部12の第1綴じ板20の当接面20aや綴杆挿入穴部14の第2綴じ板40の当接面40aより後退した位置にある。従って、第3実施の形態の綴じ具をヒンジ部18,19によって綴じ具の長さ方向に内側に折り曲げた際に、連接部16が綴杆ピン部12や綴杆挿入穴部14に衝突することを防止できる。
【0103】
一方、連接部16の下面(被綴じ物が第3実施の形態の綴じ具に綴じられた状態では、外側になる面であり、以下、外側面と称する)16bは、下側に湾曲して膨らんでいる。なお、第1綴じ板20の当接面20aと第2綴じ板40の当接面40aとは、略面一の関係にある。
【0104】
(4)ヒンジ部
第1ヒンジ部18は、綴杆ピン部12と連接部16とを繋ぐためのものであり、綴杆ピン部12と連接部16との間に屈曲自在に配設されている。第2ヒンジ部19は、綴杆挿入穴部14と連接部16とを繋ぐためのものであり、綴杆挿入穴部14と連接部16との間に屈曲自在に配設されている。ヒンジ部18,19は、第3実施の形態の綴じ具の幅方向に延在し、綴じ具をその長さ方向に折り曲げることができる。なお、ヒンジ部18,19の形状は任意であり、例えばヒンジ幅は狭くてもよいし、ヒンジ肉厚は薄くてもよい。
【0105】
ヒンジ部18,19のそれぞれの両端部は、R状凹部18a,18b,19a,19bが形成されており、ヒンジ部18,19が千切れ難い構造となっている。
なお、ヒンジ部18,19や連接部16は必ずしも必要なものではなく、いずれか一方が他方の機能を併せ持つような構成となっていてもよい。
【0106】
なお、この発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。