特許第5992034号(P5992034)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5992034液体および気体の間接的磁気処理のための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5992034
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】液体および気体の間接的磁気処理のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   C10G 15/08 20060101AFI20160901BHJP
【FI】
   C10G15/08
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-510807(P2014-510807)
(86)(22)【出願日】2012年5月16日
(65)【公表番号】特表2014-513747(P2014-513747A)
(43)【公表日】2014年6月5日
(86)【国際出願番号】EP2012059164
(87)【国際公開番号】WO2012156464
(87)【国際公開日】20121122
【審査請求日】2015年5月18日
(31)【優先権主張番号】2,740,584
(32)【優先日】2011年5月19日
(33)【優先権主張国】CA
(73)【特許権者】
【識別番号】513291377
【氏名又は名称】プロフェッショナルズ フォー エナジー − エンバイロンメント アンド ウォーター ソリューションズ リミティド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100130133
【弁理士】
【氏名又は名称】曽根 太樹
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】ザエル アボ−ハンムール
【審査官】 菅野 芳男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−172214(JP,A)
【文献】 特開平07−259666(JP,A)
【文献】 特開2001−029775(JP,A)
【文献】 特開2006−105443(JP,A)
【文献】 特開昭57−136990(JP,A)
【文献】 米国特許第04734202(US,A)
【文献】 特開昭62−013489(JP,A)
【文献】 特開平08−014121(JP,A)
【文献】 特開2005−120175(JP,A)
【文献】 特開昭62−007789(JP,A)
【文献】 国際公開第97/001702(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディーゼル燃料の間接的磁気処理方法において、
第1の容器を準備し、
第2の容器を準備し、
第3の容器を準備し、
ディーゼル燃料を準備して処理ユニットによって該ディーゼル燃料に一定の流束密度および幾何形状の直接的磁場または電磁場を印加して直接磁化されたディーゼル燃料を生成し、
前記直接磁化されたディーゼル燃料を前記第1の容器に貯留し、
前記第2の容器に磁化されていないディーゼル燃料を準備し、
前記直接磁化されたディーゼル燃料と前記磁化されていないディーゼル燃料とを混合し、混合したディーゼル燃料を前記第3の容器に貯留することを含む方法。
【請求項2】
直接磁化されたディーゼル燃料を生成するための前記処理ユニットが、コイルおよび制御型電流/電圧源を用いる電磁装置または永久磁石装置を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ディーゼル燃料が循環している間に、一定の流束密度および幾何形状の磁場または電磁場を前記処理ユニット内のディーゼル燃料に接印加するようにした請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記直接磁化されたディーゼル燃料生成プロセスが、
ディーゼル燃料第1の容器内に充填する段階と、
ディーゼル燃料を処理ユニットへ供給し、処理ユニットから第1の容器に戻すように循環させることを含む請求項1〜の何れか1項に記載の液体/気体の処理方法。
【請求項5】
混合段階は
前記第3の容器の下部に前記直接磁化されたディーゼル燃料配置する段階と、
前記直接磁化されたディーゼル燃料上に磁化されていないディーゼル燃料を配置する段階とを含む請求項1〜の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
混合段階は
前記第3の容器の下部に磁されていないディーゼル燃料を配置する段階と、
前記磁化されていないディーゼル燃料上に前記直接磁化されたディーゼル燃料配置する段階とを含む請求項1〜の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
されていないディーゼル燃料を磁化するための磁化剤または磁気処理剤として直接磁化されたディーゼル燃料を使用することを含む請求項1〜の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記直接磁化されたディーゼル燃料をある用途で直ちに使用るか、または、特定の用途で後に使用するため短期または長期貯蔵するようにした請求項1〜の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
混合したディーゼル燃料をある用途で直ちに使用るかまたは、ある用途で後に使用するために短期間または長期間貯蔵するようにした請求項1〜の何れか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、液体および/または気体の磁気処理の分野、より具体的には、主として、直接的に磁化された液体/気体(ある幾何形状および流束密度の直接的な磁場または電磁場を用いて処理された液体/気体)と磁化されていない通常の液体/気体との間で混合して、直接磁化液体/気体および非磁化常液体/気体よりも優れた性能を有する新しい混合または間接磁化液体/気体を得ることに基づく、液体や気体の間接的な磁気処理のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気流体力学(MHD)(magnetofluidodynamicsまたはhydromagnetics)は、磁場の効果の下における導電性流体の動力学を研究する科学的専門分野である。MHDは、磁場を意味する「magneto」と、液体を意味する「hydro」と、運動または動作を意味する「dynamics」から導出されている。MHDの分野は、1942年にHannes Alfvenにより創始され、この業績により氏は1970年にノーベル物理学賞を受けている。
【0003】
MHDの考え方は、移動する導電性流体内において磁場が電流を誘導することができ、これが磁場上に機械的力を作り出すと共に磁場自体が帯電する、というものである。MHDを説明する一組の方程式は、流体力学のおなじみのナビエ・ストークス方程式と電磁気力のマクスウェル方程式の組合せである。調査研究から、磁気流体力学的効果が、液体および気体の磁気的処理に関与していることがわかっている。
【0004】
液体および気体の磁気処理のこれまでの利用分野は全て、さまざまな流束密度および可変的幾何形状の磁場または電磁場を、移動する液体または気体に対して直接印加することに焦点をあててきたが、この場合、液体または気体を処理するためには、その全てが全面的に磁場または電磁場内を直接通過しなければならない。直接的処理のこの一面は磁気処理の一般化を制限する隠れた障害となっている。と言うのは、直接的な磁気処理は、磁気処理装置を設置した初期段階においてのみ有効で、通常、後期には処理が有効でなくなるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、液体および気体の直接的磁気処理の欠点を克服する液体および気体の間接的磁気処理のための方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここで提供されるのは、液体または気体の間接的磁気処理方法において、第1の液体または気体を提供する段階と、第1の液体または気体に対し一定の流束密度および幾何形状の直接的磁場または電磁場を印加して、直接磁化液体/気体を得る段階と、第2の非磁化常液体/気体を提供する段階と、第1の直接磁化液体/気体と第2の非磁化常液体/気体とを混合して、同様に処理されかつ第1の直接磁化液体/気体および第2の非磁化常液体/気体よりも有効な第3の混合または間接磁化液体/気体を得る段階とを含む方法である。
【0007】
本発明では、第1の液体/気体は直接的磁気または電磁処理を受ける直接磁化液体/気体であり、一方第2の液体/気体は、いかなる直接的磁場または電磁場内も通過しない非磁化常液体/気体である。第3の混合または間接磁化液体/気体内では、第2の非磁化常液体/気体は第1の直接磁化液体/気体から間接的に処理されており、第3の混合または間接磁化液体/気体は全体が間接的に処理された状態となる。換言すると、第1の直接磁化液体/気体は、第2の非磁化常液体/気体を磁化するための磁化剤または磁気処理剤として役立つ。
【0008】
本発明の意味合いにおいて、液体および/または気体に関して「直接磁化された」または「直接処理(された)」あるいは単に「処理された(済み)」という用語は、詳細には、液体および/または気体が、例えば前記それぞれの場を生成する装置またはユニットによって提供され得る一定の幾何形状および流束密度の直接的磁場または電磁場を用いてそれぞれ処理または磁化されることを意味する。さらに、液体および/または気体に関して「非磁化常」あるいは「通常」という用語はそれぞれ、詳細には、それぞれの液体および/または気体が磁化されていないかまたは任意の直接的磁場または電磁場内を通過していないまたは通過しなかったことを意味している。さらに、液体および/または気体に関して「混合(された)」または「間接的に磁化された(間接磁化)」という用語は詳細には、磁化剤または磁気処理剤として役立つ直接磁化液体/気体によって間接的に磁気処理された状態の液体および/または気体を意味する。その上、「間接的磁気液体/気体処理」という用語は、詳細には、常液体および/または気体がそれぞれ、(「直接的に磁化された(直接磁化)」液体および/または気体に関してそうであるように)直接的な磁場または電磁場を受けることなく、「直接的に磁化された(直接磁化)」液体および/または気体(と例えば混合されかつそのようにすること)によって磁化されることによって処理されるかまたは磁化されることを意味する。
【0009】
好ましくは、第1の直接磁化液体/気体と第2の非磁化常液体/気体との間の混合段階は、既定の混合比に従って、実施され、ここで混合物の大部分は、第2の非磁化常液体/気体である。
【0010】
好ましくは、直接磁化液体/気体を生産するために使用される処理ユニットは、コイルおよび制御型電流源を用いる電磁装置または永久磁石装置の何れかとすることができる。処理ユニット内の磁場または電磁場は、任意の幾何形状(B、B、Bの所望の流束密度値に応じて一次元、2次元または3次元磁場)とすることができ、磁場の性質は、引力形態または斥力形態(永久磁石装置の場合)とすることができる。磁場と液体/気体流の方向の間の所定角度は、90、0、180°などの任意の角度あるいは他の任意の所定角度とすることができる。
【0011】
好ましくは、一定の流束密度および幾何形状の磁場または電磁場を処理ユニット内の直接磁化液体/気体に対して印加するプロセスは、液体/気体が循環状態にある間に実施される。
【0012】
好ましくは、直接磁化液体/気体の生産プロセスは、第1に、非磁化常液体/気体を常流体の主供給タンクから処理容器内に充填する段階と、第2に、処理容器に戻るようにその流れを出力する処理ユニットを通した制御流の循環プロセスを実施する段階とで構成される「インライン前処理センサーおよび後処理センサー構成」を用いて達成可能である。この構成においては、(利用分野および流体に左右されるかもしれない)所定の一群のセンサーが処理ユニットの前後に設置され、それが、分析目的で処理ユニットの前後での直接磁化液体/気体の物理的および化学的数量の経時的変化を追跡するために、その感知データを制御ボックスに送る。
【0013】
代替的には、直接磁化液体/気体の生産プロセスは同様に、第1に、非磁化常液体/気体を常流体の主供給タンクから処理容器内に充填する段階と、第2に、処理容器に戻るようにその流れを出力する処理ユニットを通した制御流の循環プロセスを実施する段階とで構成される「インタンクセンサー構成」を用いて達成することも可能である。この構成においては、(利用分野および液体に左右されるかもしれない)所定の一群のセンサーが処理ユニット内に設置され、それが、処理タンク内の液体/気体について直接磁化液体/気体の物理的および化学的数量の経時的変化を追跡するために、その感知データを制御ボックスに送る。
【0014】
代替的には、直接磁化液体/気体の生産プロセスは、第1に、非磁化常液体/気体を常流体の主供給タンクから処理容器内に充填する段階と、第2に、処理容器が処理ユニットを通して第1の制御流を受入れると同時に処理容器から直接第2の制御流を受入れる、制御流の循環プロセスを実施する段階とで構成される「並流構成」を用いて達成することも可能である。
【0015】
代替的には、直接磁化液体/気体の生産プロセスは同様に、第1に、非磁化常液体/気体を常流体の主供給タンクから常流体容器内に充填する段階と、第2に、処理ユニットを通して制御流を受け入れる第2の処理容器まで制御流を実施する段階とで構成される「単一サイクル構成」を用いて達成することも可能である。
【0016】
好ましくは、混合プロセスは、第1に、混合容器の下部に第1の直接磁化液体/気体を置く段階と、第2に、第1の直接磁化液体/気体の上部に第2の非磁化常液体/気体を置く段階とで構成される下部構成を用いて達成可能である。このプロセスは、多数回繰返してもよい(代替的底層構成)。
【0017】
代替的には、混合プロセスは、第1に、混合容器の下部に第2の非磁化常液体/気体を置く段階と、第2に、第2の非磁化常液体/気体の上部に第1の直接磁化液体/気体を置く段階とで構成される上層構成を用いて達成することも可能である。このプロセスは、多数回繰返してもよい(代替的上層構成)。
【0018】
代替的には、混合プロセスは、第1の直接磁化液体/気体を受入れるための第1の容器を提供する段階と、第2の非磁化常液体/気体を受入れるための第2の容器を提供する段階と、第1の直接磁化液体/気体の第1の制御流と第2の非磁化常液体/気体の第2の制御流とを同時に受入れるための第1および第2の容器と連通している第3の混合または間接磁化液体/気体を受入れるための第3の容器を提供する段階とで構成される並流2タンク構成を用いて達成することも可能である。
【0019】
代替的には、混合プロセスは、一定の流束密度および幾何形状の磁場または電磁場を第2の非磁化常液体/気体に印加して第1の直接磁化液体/気体を瞬時に生成するためのインライン磁気処理ユニットを提供する段階と、処理ユニットおよび混合または間接磁化液体/気体用の第2の容器と連通している非磁化常液体/気体用の第1の容器を提供する段階であって、ここで処理ユニットは第1の容器から、第2の非磁化常液体/気体の制御流を受入れ、第2の液体/気体に対して磁場または電磁場を印加し、第2の容器が、処理ユニットからの第1の直接磁化液体/気体の第1の制御流と同時に第1の容器からの第2の非磁化常液体の第2の制御流を受入れる段階とで構成される並流1タンク構成を用いて達成することも可能である。
【0020】
代替的には、混合プロセスは、第2の非磁化常液体/気体を受入れるための第1の容器を提供する段階と、第1の直接磁化液体/気体を受入れるための第2のより小さい容器を提供する段階と、混合または間接磁化液体/気体を受入れるための第3の容器を提供する段階であって、ここで第2の小さい容器が第1の容器から第2の非磁化常液体/気体の制御流を受入れかつ、第1の直接磁化液体/気体および第2の非磁化常液体/気体を含む第3の容器に向かって混合または間接磁化液体/気体の流れを出力する段階とで構成される直列流1タンク構成を用いて達成することも可能である。
【0021】
本発明のさらなる態様として、図1に示すインライン前処理センサーおよび後処理センサー構成、図2に示すインタンクセンサー構成、図3に示す並流構成、図4に示す単一サイクル構成を含む、直接磁化液体/気体を生産するための装置が提供される。
【0022】
本発明のさらなる態様として、図5に示す下部構成、図6に示す代替的下部構成、図7に示す上層構成、図8に示す代替的上層構成、図9に示す並流2タンク構成、図10に示す並流1タンク構成、図11に示す直列流1タンク構成を含む、混合プロセスのための装置が提供される。
【0023】
本発明の別の態様として、第2の非磁化常液体/気体を磁化するための磁化剤または磁気処理剤として第1の直接磁化液体/気体を使用する段階を含む、液体/気体の処理方法が提供される。
【0024】
好ましくは、第2の非磁化常液体/気体を磁化するための磁化剤または磁気処理剤として第1の直接磁化液体/気体を使用する段階には、既定の混合比に従って、第1および第2の液体/気体を混合する段階が含まれる。
【0025】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面と組合せて考慮される以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】インライン前処理センサーおよび後処理センサー構成を用いた直接磁化液体/気体の生産プロセス例を示す。
図2】インタンクセンサー構成を用いた直接磁化液体/気体の生産プロセス例を示す。
図3】並流構成を用いた直接磁化液体/気体の生産プロセス例を示す。
図4】単一サイクル構成を用いた直接磁化液体/気体の生産プロセス例を示す。
図5】下部構成を用いた混合プロセス例を示す。
図6】代替的下部構成を用いた混合プロセス例を示す。
図7】上層構成を用いた混合プロセス例を示す。
図8】代替的上層構成を用いた混合プロセス例を示す。
図9】並流2タンク構成を用いた混合プロセス例を示す。
図10】並流1タンク構成を用いた混合プロセス例を示す。
図11】直列流1タンク構成を用いた混合プロセス例を示す。
図12】可変電磁場を生成するためのコイル機構例を示す。
図13】可変電磁場を生成するための永久磁石装置例を示す。
図14】永久磁石装置のための油圧回路例を示す。
図15】ステッピングモータを用いた永久磁石装置の磁石回転例を示す。
図16】永久磁石装置の磁場極性の手動反転例を示す。
図17】磁場効果の下で可能なパイプ構成例を示す。
図18】応用事例において使用される引力モードを用いた永久磁石装置の3次元磁束密度例を示す。
図19】応用事例において使用される斥力モードを用いた永久磁石装置の3次元磁束密度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の第1の態様によると、一例として、常液体/気体が直接的磁場または電磁場を受けることなく磁気処理される、間接的な磁気液体/気体処理方法が提供される。
【0028】
間接的磁気液体/気体処理方法は、以下の段階のうちの1つ以上または全てを含むことができる。
1.以下のことによって第1の直接磁化液体/気体を生産する段階。
a.以下の要件のうちの1つ以上または全てに従って、作動液体/気体に対して直接的磁場または電磁場を印加すること、
i.磁場の所定幾何形状(1次元、2次元次元磁場を印加することができる)、
ii.流束密度Bx、ByおよびBzの所定値、
iii.引力形態または斥力形態のいずれかである磁場の性質(これは永久磁石の場合にのみ該当する)、
iv.角度が90、0、180°または他の任意の所定角度とすることができる磁場と液体/気体流の間の所定角度、
v.作動液体/気体の所定温度、圧力および体積、
b.所定循環時間中(図1〜4に示す通りの)選択された処理構成に従って、磁場または電磁場の効果の下で作動液体/気体を循環させること(循環プロセスは、少なくとも磁場または電磁場を横断した作動液体/気体の一回の通過であってよく、最長7日間に及ぶ可能性があると考えられる)、
2.(図5〜11に示す通りの)選択された混合構成に従って、第1の直接磁化液体/気体の体積(Vt)と第2の非磁化常液体/気体(Vn)の体積の間の所定混合比で、第1の直接磁化液体/気体と第2の非磁化常液体/気体とを混合する段階。混合プロセスは以下の形態のうちの1つとすることができる。
a.混合容器内への一度に1タイプの流体の添加。このプロセスは、以下の構成の1つをとる可能性がある。
i.下部構成。図5に示す通り、混合容器の下部に第1の直接磁化液体/気体を添加し、次に上部に第2の非磁化常液体/気体を添加する。
ii.代替的下部構成。混合容器の下部に第1の直接磁化液体/気体を添加し、次に上部に第2の非磁化常液体/気体を添加する。その後、図6に示す通り、このプロセスを多数回繰り返す。
iii.上層構成。図7に示す通り、混合容器の下部に第2の非磁化常液体/気体を添加し、次に上部に第1の直接磁化液体/気体を添加する。
iv.代替的上層構成。混合容器の下部に第2の非磁化常液体/気体を添加し、次に上部に直接磁化液体/気体を添加する。次に、図8に示す通り、このプロセスを多数回繰り返す。
b.並流2タンク構成。このシナリオでは、直接磁化液体/気体用の1つのタンク、非磁化常液体/気体用の第2のタンクおよび混合または間接磁化液体/気体用の第3のタンクがある。図9に示すように、第1および第2のタンク出力端には2つの比例弁が設置され、これらが、直接磁化液体/気体と非磁化常液体/気体との間の同時混合比を制御する。
c.並流1タンク構成。このシナリオでは、非磁化常液体/気体用の1つのタンクと混合または間接磁化液体/気体用の第2のタンクがある。2つの出力パイプが、並行して第1のタンクから出ている。第1のパイプは、磁気処理ユニット内を通り、処理ユニットの出力(直接磁化液体/気体)は第2の混合タンク内で混合される。直接磁化液体/気体と非磁化常液体/気体の間の同時混合比を制御する2つの比例弁が、第1のタンク出力端に設置されている。実際には、これは、直接磁化されたまたは処理された液体/気体用の貯蔵タンクが無く、液体/気体が処理ユニットを通って瞬間的に処理された後に第2のタンク内で非磁化常液体/気体と混合される場合にあてはまる。図10に示すように、磁気処理ユニット内の流れは処理中、そこから出てくる出力流とは異なる内部流量を有している可能性があることを指摘しておくべきである。
d.直列流1タンク構成。ここでは、直接磁化液体/気体と非磁化常液体/気体の間の同時直列混合が実施される。このシナリオでは、直接磁化液体/気体用の1つのタンクと、非磁化常液体/気体用の第2のタンクと、混合または間接磁化液体/気体用の第3のタンクがある。非磁化常液体/気体は、比例弁により制御されるそのタンクから流出し、処理済みタンクの中を通過し、ここで処理済みタンクの出力流は利用分野において直ちに使用されるかまたは第3の混合済みタンク内に貯蔵され得る。この場合、図11に示す通り処理済みタンクの体積と比例弁開口比が制御パラメータである。
3.混合または間接磁化液体/気体を適切な利用分野で使用する。この場合、2つのシナリオがある。第1のシナリオでは、混合または間接磁化液体/気体は後で使用するため混合タンク内に貯蔵され、一方第2のシナリオでは、混合または間接磁化液体/気体は混合タンク内に貯蔵されることなく利用分野において直ちに使用される。
【0029】
以上で言及した処理プロセスは、一液体/気体依存性および利用分野依存性の以下の制御パラメータのうちの1つ以上または全てを有するということを指摘しておくべきである。すなわち、
1.直接磁化液体/気体の直接的な磁場または電磁場の処理パラメータ。
a.磁場の次元および幾何形状(1次元、2次元、3次元)、
b.所与の次元に応じた所望の流束密度値(Bx、By、Bz)、
c.引力形態または斥力形態(永久磁石装置の場合)のいずれかである磁場の性質、
d.磁場と液体/気体の間の所定角度[なおここで角度は、90°(直交方向)、0°(同一方向)、180°(反対方向)または任意の他の所定角度とすることができる]、
e.直接磁化液体/気体の所定体積、
f.直接磁化液体/気体の所定温度および圧力、
g.場の効果の下での液体/気体の流量、
h.液体/気体に対する磁場の所定印加時間または循環時間、
i.磁気処理下のパイプの幾何形状およびそれらの内部断面積。
2.混合プロセスパラメータ。
a.非磁化常液体/気体の体積、
b.直接磁化液体/気体の体積、
c.非磁化常液体/気体および直接磁化液体/気体の所定温度および圧力、
d.比例弁により制御される2つの流体が使用される場合にはつねに、それらの間の混合比、
e.非磁化常液体/気体および直接磁化液体/気体についての混合流量。
【0030】
本発明の主要な特徴としては、以下のもののうちの1つ以上または全てが含まれる可能性がある。
1.非磁化常液体/気体用の磁化剤または磁気処理剤としての直接磁化または処理済液体/気体の使用。
2.非磁化常液体/気体のための処理方法としての直接磁化液体/気体内に保存された磁場の使用。
3.直接磁化液体/気体の調製における、一定の流束密度の1次元、2次元または3次元磁気幾何形状の使用。永久磁石装置の場合には、最高3次元の流束密度を、磁気装置間の距離、磁気装置の幾何形状および磁気装置間の引力または斥力に応じて生成することができる。
4.直接磁化液体/気体の調製における任意の磁気または電磁装置の使用。これには、使用される磁石のタイプ(Nd-Fe-Bまたは任意の他の磁気材料)、磁石の形状(矩形、円筒形または任意の他の形状)、使用される磁石の数、装置の3次元構成、および装置に関する他の関連パラメータが含まれる。
5.直接磁化液体/気体の調製における、数ガウスからテスラ範囲までの範囲内の流束密度(Bx、By、Bz)の使用。
6.直接磁化液体/気体の調製における永久磁石の場合の、引力形態または斥力形態のいずれかの磁場の使用。
7.電磁場装置の場合の電流制御システムは、可変抵抗器と直列のDC電流源またはDC電圧源とすることができる。AC源を使用する場合には、ACをDCに変換した後に前述の2つシナリオの1つを適用するために変換器を使用することができる。
8.直接磁化液体/気体の温度、圧力および体積(レベル)は、直接磁化液体/気体の生成および混合プロセス中に調整され制御される。
9.非磁化常液体/気体および混合または間接磁化液体/気体の温度、圧力および体積(レベル)は、混合プロセス中および貯蔵段階において調整され制御される。
10.図中のいずれかにおいて使用されている加熱または冷却要素は、所望通り正確に液体/気体の温度を制御する加熱および/または冷却システムを意味する。
11.直接磁化液体/気体の調製中、磁場の効果の下で移動している液体/気体の流量を制御するために、作動液体/気体用の流れ制御システムを使用することができる。
12.本発明の制御パラメータは全て、両方の処理段階(直接磁化液体/気体の生成と混合プロセス)において使用可能であるインラインセンサーのデータに従って、制御されてよい。これらのセンサーは液体/気体依存性でかつ利用分野依存性である。例えば、燃料処理の場合、我々は、液体/気体の物理的パラメータの変化を観察するためにインライン粘度および密度センサーを使用した。作動液体/気体が水である場合、インラインPHおよびTDSセンサーまたは任意の他のセンサーを使用してよい。
13.内部を液体/気体が流れているパイプの形状および磁場源に応じて磁場と液体/気体流の間の角度が90、0、180°または他の角度とすることができる、この角度に関して最も一般的に使用されている動作モードの使用。
14.直接磁化液体/気体の調製において磁場は、永久磁石装置(例えば非限定的に図13〜16)またはDC電流がコイル内を通過している電磁場(例えば非限定的に図12)を用いて生成されてよい。
15.可変距離の永久磁石装置の場合、2つの磁石間の距離を制御する駆動機構は、油圧式、空気式、電気式アクチュエータまたは他の任意の考えられる機構とすることができる。
16.磁場の効果の下で液体/気体が内部を流れるパイプの形状は、図17に示すように、直線、垂直−水平、らせん3次元(バネ様)の形状または他の任意の形状とすることができる。
17.直接磁化液体/気体調製中の磁場の効果の下にある液体/気体流は、垂直流の場合重力の影響を受けていてよく、あるいは水平流であってもよい。
18.図17に示す通り、磁場の効果の下にあるパイプの内部コアの断面として円形、方形または矩形断面を使用。
19.液体/気体が磁場の効果の下で内部を流れるパイプの直径は、ミクロレベルまたはマクロレベルであるか、またはピコサイズからセンチメートルサイズまでの任意の値をとってよい。
20.直接磁化液体/気体は、1回の循環時間(磁場内を1回通過)を用いて生成されるか、または一定の時間中連続して循環させられてもよい。
21.直接磁化液体/気体と非磁化常液体/気体の間の混合比は一般に、作動液体/気体、作動液体/気体の動作温度および圧力、3次元空間内の流束密度、液体/気体流と印加される磁束の間の角度、循環時間および利用分野に左右される。
22.直接磁化液体/気体および混合または間接磁化液体/気体は、後に使用するために貯蔵されている間、一定の期間中一定の圧力および温度に保たれてよい。このプロセスは、両方の液体/気体の磁気メモリを制御する。
23.非磁化常液体/気体および直接磁化液体/気体は一般に、同じ化学的構造を有するが、一部の利用分野においては、これらは異なる化学的構造を有していてもよい。
24.本発明の考えられる利用分野としては、液体/気体の直接的磁気処理の全ての従来の利用分野、例えば農業用水処理、スケーリング用水処理、塩分削減のための水処理、建設用水処理、燃料処理、ディーゼル燃料処理、ガソリン処理、ケロセン処理、燃料油処理、ジェット燃料処理そして他の全ての存在する磁気処理方法が含まれるが、これらに限定されない。
【0031】
応用事例
本発明に係る方法および装置は、ディーゼル燃料の処理において応用された。この実施例では、各磁石について15×10×6cmのサイズの矩形のNd-Fe-B磁石装置対が、図13〜16に示す磁気処理装置において使用された。図18は、引力モードについて、磁石の中心点横断幅および長きにおける流束密度(Bx、By、Bz)を磁石間内部距離の一関数として示している。図19は、斥力モードについて、磁石の中心点横断幅および長さでの流束密度(Bx、By、Bz)を磁石間の内部距離の一関数として示している。処理を目的として、磁石を引力モードで動作させ、2cmの距離だけ離隔した。最初に、ディーゼル燃料を36時間処理し、次にこの直接磁化されたディーゼル燃料を、さまざまな混合比に従って、通常ディーゼル燃料と混合した。混合されたまたは間接磁化されたディーゼル燃料の熱含有量および対応する粘度および密度の結果を表1に示す。混合比は体積比であり、合計試料体積は1リットルである。
【0032】
応用事例についての以上の記述は、多くの特異点を含んでいるが、これらは、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではなく、単に本発明の現在好まれている実施形態にすぎない。従って、以上で記述された本発明の実施形態は、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
【表1】
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