特許第5992109号(P5992109)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5992109
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】外科用器具およびそれの使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/16 20060101AFI20160901BHJP
   A61F 2/08 20060101ALI20160901BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
   A61B17/16
   A61F2/08
   A61B17/56
【請求項の数】20
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-539687(P2015-539687)
(86)(22)【出願日】2013年10月21日
(65)【公表番号】特表2015-534849(P2015-534849A)
(43)【公表日】2015年12月7日
(86)【国際出願番号】US2013065882
(87)【国際公開番号】WO2014066233
(87)【国際公開日】20140501
【審査請求日】2015年4月23日
(31)【優先権主張番号】13/662,475
(32)【優先日】2012年10月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515111646
【氏名又は名称】ダナメド, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ピアセッキー, ダナ ピー.
【審査官】 川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−212703(JP,A)
【文献】 特開2002−191613(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0004731(US,A1)
【文献】 米国特許第5879353(US,A)
【文献】 米国特許第5891147(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/16
A61B 17/56
A61F 2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、前記外科用器具は、
第1の端部および第2の端部を有する細長い部材と、
前記細長い部材の前記第1の端部に近接する把持可能なハンドルと、
前記細長い部材の前記第2の端部に近接するヘッド部であって、前記ヘッド部は、第1の溝端部および第2の溝端部を伴って前記ヘッド部に形成された溝を有する、ヘッド部と、
前記細長い部材上に形成された隆起であって、前記隆起は、前記第1の溝端部と前記第2の溝端部との中間の前記溝内へ延びるように構造化される、隆起と
を備え、
前記隆起に近接する前記溝の幅は、前記第1の端部に近接する前記溝の幅よりも狭く、
前記溝は、ガイドワイヤを受け取るように構成され、前記隆起は、前記溝内の前記ガイドワイヤに摩擦係合するように構成される、外科用器具。
【請求項2】
前記ハンドル部は、略円筒状であり、前記ハンドル部が前記部材の前記第1の端部から前記部材の前記第2の端部へ向かって延びるにつれて徐々に減少する直径を有する、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記ハンドル部は、人間工学的に輪郭形成され、前記器具のユーザの把持を容易にするために刻み付き表面を有する、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記ハンドル部と前記ヘッド部との間に、角度付けられた中間部をさらに備える、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記中間部は、前記細長い部材の長手方向軸から約50〜約80度の角度で屈曲される、請求項4に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記ハンドル部および前記中間部は、ある直径を有する略円筒状部を画定し、前記直径は、前記ハンドル部が前記部材の前記第1の端部に近接して始まるところで最大であり、前記中間部が前記ヘッド部で終結するまで徐々に減少する、請求項4に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記ヘッド部は、前記部材の第2の端部を画定する弓状端部分をさらに備える、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記隆起に近接する前記溝の幅は、前記第1の端部および前記第2の端部に近接する前記溝の幅未満である、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項9】
前十字靱帯再建手術を行うことにおける使用のための外科用器具であって、前記器具は、
第1の細長い本体端部および第2の細長い本体端部を有する細長い本体と、
前記細長い本体の第1の端部に近接して前記細長い本体に動作可能に結合されたハンドルと、
前記細長い本体の前記第2の端部に近接するヘッド部であって、前記ヘッド部は、前記ヘッド部に形成された曲線状の溝を有し、前記曲線状の溝は、ガイドワイヤを受け取り、かつ、前記ガイドワイヤに摩擦係合するために適合させられる、ヘッド部と
を備える、器具。
【請求項10】
前記曲線状の溝は、第1の溝端部および第2の溝端部と、前記細長い本体上の隆起とを含み、前記隆起の一部は、前記第1の溝端部と前記第2の溝端部との中間の前記溝内へ延びるよう構造化され、前記隆起は、前記溝内の前記ガイドワイヤに摩擦係合するよう構造化される、請求項9に記載の器具。
【請求項11】
前記溝は、様々な幅を有し、前記隆起に近接する幅は、前記第1の端部および前記第2の溝端部に近接する前記溝の幅よりも狭い、請求項10に記載の器具。
【請求項12】
前記溝内の前記ガイドワイヤの前記摩擦係合は、前記器具が前記ワイヤに向かって第1の方向に回転させられるにつれて増加する、請求項10に記載の器具。
【請求項13】
前記第1の方向と反対の第2の方向における前記器具の回転は、前記溝内の摩擦係合から前記ワイヤを解放する、請求項12に記載の器具。
【請求項14】
前記本体部は、前記ハンドル部と前記ヘッド部との間に位置付けられた中間部を含み、前記中間部は、ある角度で屈曲され、前記角度によって、前記器具は、後十字靱帯に対して梃子作用を受けることができる、請求項9に記載の器具。
【請求項15】
前記本体部は、略円筒状であり、前記本体部が前記器具の前記第1の端部から前記ヘッド部に向かって延びるにつれて徐々に減少する直径を有する、請求項9に記載の器具。
【請求項16】
前記ハンドル部は、輪郭形成され、前記器具のユーザの操作を容易にするために前記ハンドル部において形成された複数のチャネルを有する、請求項9に記載の外科用器具。
【請求項17】
前記ヘッド部は、大腿骨に解剖学的に合致する輪郭を有する端部をさらに備える、請求項9に記載の外科用器具。
【請求項18】
前記器具の少なくとも一部は、透明材料を備える、請求項9に記載の外科用器具。
【請求項19】
ヒトの膝において前十字靱帯再建を行うためのシステムであって、前記システムは、
細長い本体部を備える外科用器具であって、前記外科用器具は、
前記細長い本体の第1の端部に近接するハンドルと、
ヘッド部であって、前記ヘッド部は、前記ヘッド部に形成された曲線状の溝と、大腿骨に解剖学的に合致する輪郭を有する弓状端部とを有する、ヘッド部と
を有し、前記ヘッド部は、前記第1の端部と反対の前記器具の第2の端部に近接して位置付けられる、外科用器具と、
脛骨を通して大腿骨上の所望の解剖学的位置にグラフトを誘導するためのガイドワイヤであって、前記ガイドワイヤは、前記脛骨を通して挿入されるように構成される、ガイドワイヤと
を備え、
前記ヘッド部は、前記脛骨と前記大腿骨との間のジョイントラインに近接するポータルを通して挿入されるように構成され、
前記ガイドワイヤは、前記ヘッド部溝内へ挿入されるように構成され、
前記器具は、前記ヘッド部溝内の前記ガイドワイヤに摩擦係合するように第1の方向に回転させられるように構成され、
前記器具は、前記大腿骨上の前記所望の解剖的位置に前記ガイドワイヤを方向付けるように移動させられるように構成される、
システム。
【請求項20】
前記器具は、前記ヘッド部溝への摩擦係合から前記ガイドワイヤを解放するように、前記第1方向と反対の第2の方向に回転させられるように構成される、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野および背景
本発明は、前十字靱帯の再建手術を行うことにおける使用のための外科用器具に関する。前十字靱帯(ACL)は、膝関節の中心において重要な靱帯である。ACLは、サッカーおよびバスケットボール等のスポーツにおける方向転換運動の最中に膝を安定させ、関節面の異常な動きを防止する。
【背景技術】
【0002】
断裂したACLは、典型的に、修復されることができない、すなわち、治癒せず、したがって、再建されなければならない。ACL再建は、靱帯と、グラフトとして公知の類似サイズの組織片とを交換することを伴う。定位置において治癒されると、グラフトは、正常なACLのように機能するように意図される。
【0003】
ACL再建のために一般的に行われる技法は、「経脛骨(transtibial)」技法である。この技法において、骨トンネルが、ACLが正常に付着する膝関節にトンネルが進入するように、脛骨を通して穿孔される。次いで、穿孔ガイドが、穿孔されたトンネルを通して挿入されることにより、大腿骨上にガイドワイヤを位置付ける。カニュレイテッドリーマ(cannulated reamer)が、大腿骨上に第2の骨トンネルを穿孔するために使用される。次いで、グラフトは、脛骨トンネルを通して関節腔を横切って大腿骨トンネル内へと通過させられる。グラフトが定位置に固定されると、元のACLの2つの正常付着点を接続し、それによって、正常なACLの機能を再現する。
【0004】
最近の医療研究は、経脛骨技法と関連付けられた潜在的な問題を示唆する。主要な問題は、脛骨トンネルが、外科医が解剖学的位置で大腿骨トンネルについてのガイドピンを位置付けることを妨げることである。これは、脛骨トンネルの配向および剛性に関連する。脛骨トンネルを通過させられる器具は、概して、正確に大腿骨トンネルを位置付けることができない。
【0005】
経脛骨技法に対する代替は、AMポータル技法である。この技法において、穿孔ガイドが、脛骨トンネルを通してではなく、前内側(AM)ポータルとして公知の、ジョイントラインにおける小切開を通過させられる。この技法は、より良好なグラフト留置を可能にするが、技法的にはるかに困難である。これは、膝が外科手術中にはるかに多く屈曲されることを要求し、このことは、外科医の視界を減少させ、より高い合併症率と関連付けられている。他のACL再建技法も存在するが、それらは、概して、AMポータル技法よりも外科医にとって扱いにくい。
【0006】
多くのの開業整形外科医は、経脛骨技法を使用してACL再建を行うために訓練されていたが、ほとんどの整形外科医は、毎年、比較的少数のACL再建外科手術を行う。したがって、精通していなくかつより複雑な技法の使用は、多くの開業医にとってあまり望ましくない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
外科医が比較的より容易な経脛骨技法の原理のうちのいくつかを利用してACL再建を行うことを可能にする一方でより技法的に困難なAMポータル技法と関連付けられる改善されたグラフト位置付けを提供する外科用器具が、提供される。
実施形態において、本発明は、例えば、下記の項目を提供する。
(項目1)
外科用器具であって、前記外科用器具は、
第1の端部および第2の端部を有する細長い部材と、
前記細長い部材の前記第1の端部に近接する把持可能なハンドルと、
前記細長い部材の前記第2の端部に近接するヘッド部であって、前記ヘッド部は、第1の溝端部および第2の溝端部を伴って前記ヘッド部に形成された溝を有する、ヘッド部と、
前記細長い部材上に形成された隆起であって、前記隆起は、前記第1の溝端部と前記第2の溝端部との中間の前記溝内へ延びるように構造化される、隆起と
を備え、
前記隆起に近接する前記溝の幅は、前記第1の端部に近接する前記溝の幅よりも狭められる、外科用器具。
(項目2)
前記ハンドル部は、略円筒状であり、前記ハンドル部が前記部材の前記第1の端部から前記部材の前記第2の端部へ向かって延びるにつれて徐々に減少する直径を有する、項目1に記載の外科用器具。
(項目3)
前記ハンドル部は、人間工学的に輪郭形成され、前記器具のユーザの把持を容易にするために刻み付き表面を有する、項目1に記載の外科用器具。
(項目4)
前記ハンドル部と前記ヘッド部との間に、角度付けられた中間部をさらに備える、項目1に記載の外科用器具。
(項目5)
前記中間部は、前記細長い部材の長手方向軸から約50〜約80度の角度で屈曲される、項目4に記載の外科用器具。
(項目6)
前記ハンドル部および前記中間部は、ある直径を有する略円筒状部を画定し、前記直径は、前記ハンドル部が前記部材の前記第1の端部に近接して始まるところで最大であり、前記中間部が前記ヘッド部で終結するまで徐々に減少する、項目4に記載の外科用器具。
(項目7)
前記ヘッド部は、前記部材の第2の端部を画定する弓状端部分をさらに備える、項目1に記載の外科用器具。
(項目8)
前記隆起に近接する前記溝の幅は、前記第1の端部および前記第2の端部に近接する前記溝の幅未満である、項目1に記載の外科用器具。
(項目9)
前十字靱帯再建手術を行うことにおける使用のための外科用器具であって、前記器具は、
第1の細長い本体端部および第2の細長い本体端部を有する細長い本体と、
前記細長い本体の第1の端部に近接して前記細長い本体に動作可能に結合されたハンドルと、
前記細長い本体の前記第2の端部に近接するヘッド部であって、前記ヘッド部は、前記ヘッド部に形成された曲線状の溝を有し、前記曲線状の溝は、ガイドワイヤを受け取り、かつ、前記ガイドワイヤに摩擦係合するために適合させられる、ヘッド部と
を備える、器具。
(項目10)
前記曲線状の溝は、第1の溝端部および第2の溝端部と、前記細長い本体上の隆起とを含み、前記隆起の一部は、前記第1の溝端部と前記第2の溝端部との中間の前記溝内へ延びるよう構造化され、前記隆起は、前記溝内の前記ガイドワイヤに摩擦係合するよう構造化される、項目9に記載の器具。
(項目11)
前記溝は、様々な幅を有し、前記隆起に近接する幅は、前記第1の端部および前記第2の溝端部に近接する前記溝の幅よりも狭い、項目10に記載の器具。
(項目12)
前記溝内の前記ガイドワイヤの前記摩擦係合は、前記器具が前記ワイヤに向かって第1の方向に回転させられるにつれて増加する、項目10に記載の器具。
(項目13)
前記第1の方向と反対の第2の方向における前記器具の回転は、前記溝内の摩擦係合から前記ワイヤを解放する、項目12に記載の器具。
(項目14)
前記本体部は、前記ハンドル部と前記ヘッド部との間に位置付けられた中間部を含み、前記中間部は、ある角度で屈曲され、前記角度によって、前記器具は、後十字靱帯に対して梃子作用を受けることができる、項目9に記載の器具。
(項目15)
前記本体部は、略円筒状であり、前記本体部が前記器具の前記第1の端部から前記ヘッド部に向かって延びるにつれて徐々に減少する直径を有する、項目9に記載の器具。
(項目16)
前記ハンドル部は、輪郭形成され、前記器具の前記ユーザの操作を容易にするために前記ハンドル部において形成された複数のチャネルを有する、項目9に記載の外科用器具。
(項目17)
前記ヘッド部は、前記大腿骨に解剖学的に合致する輪郭を有する端部をさらに備える、項目9に記載の外科用器具。
(項目18)
前記器具の少なくとも一部は、透明材料を備える、項目9に記載の外科用器具。
(項目19)
ヒトの膝において前十字靱帯再建を行う方法であって、前記方法は、
外科用器具を提供することであって、前記外科用器具は、
細長い本体部であって、前記細長い本体部は、前記細長い本体の第1の端部に近接するハンドルを有する、細長い本体部と、
ヘッド部であって、前記ヘッド部は、前記ヘッド部に形成された曲線状の溝と、大腿骨に解剖学的に合致する輪郭を有する弓状端部とを有する、ヘッド部と
を備え、前記ヘッド部は、前記第1の端部と反対の前記器具の第2の端部に近接して位置付けられる、ことと、
脛骨を通して大腿骨上の所望の解剖学的位置にグラフトを誘導するためのガイドワイヤを提供し、かつ、前記脛骨を通して前記ガイドワイヤを挿入することと、
前記脛骨と前記大腿骨との間のジョイントラインに近接するポータルを通して前記ヘッド部を挿入することと、
前記ヘッド部溝内へ前記ガイドワイヤを挿入することと、
前記ヘッド部溝内の前記ガイドワイヤに摩擦係合するように第1の方向に前記器具を回転させることと、
前記大腿骨上の前記所望の解剖的位置に前記ガイドワイヤを方向付けるように前記器具を移動させることと
を含む、方法。
(項目20)
前記ヘッド部溝への摩擦係合から前記ガイドワイヤを解放するように、前記第1方向と反対の第2の方向に前記器具を回転させることをさらに含む、項目19に記載の方法。
【0008】
本発明に従う外科用器具は、ACL再建の容易性と転帰との両方を改善し得る。
【0009】
技法的な容易性に関して経脛骨技法と類似する一方、より困難なAMポータル技法に類似する改善されたグラフト位置付けを転帰にもたらすACL再建の方法もまた、提供される。
【0010】
本発明の1つの局面は、反対にある第1の端部および第2の端部を伴う細長い部材を有する外科用器具である。把持可能なハンドル部が細長い部材の第1の端部に近接して位置付けられ、ヘッド部は、その部材の第2の端部に近接して位置付けられる。ヘッド部は、第1の端部および第2の端部を有する、そのヘッド部に形成された溝を含む。隆起は、溝の第1の端部と第2の端部との中間の溝内へ延びる部分を有し、その結果として、溝は、隆起に近接する幅が第1の端部に近接する溝の幅よりも狭められる様々な幅を有する。
【0011】
本発明の別の局面において、ハンドル部は、略円筒状であり得、ハンドル部が細長い部材の第1の端部から細長い部材の第2の端部へ延びるにつれて徐々に減少する直径を有し得る。
【0012】
本発明の別の実施形態に従って、ハンドル部は、人間工学的に輪郭形成されることができ、ユーザの器具の把持を容易にするための刻み付き表面を有する。
【0013】
本発明の別の局面において、器具は、ハンドル部とヘッド部との間に、角度付けられた中間部を含む。
【0014】
本発明の別の局面において、中間部は、器具の長手方向軸から約50〜約80度オフセットされた角度である。
【0015】
本発明のさらに別の局面において、ハンドル部および中間部は、直径を有する略円筒状部を画定し、その直径は、ハンドル部が部材の第1の端部に近接して始まるところで最大であり、中間部がヘッド部で終結するまで徐々に減少する。
【0016】
本発明のさらに別の局面において、ヘッド部は、部材の第2の端部を画定する弓状端部分を含む。
【0017】
本発明のさらに別の局面において、隆起に近接する溝の幅は、第1の端部および第2の端部に近接する溝の幅未満である。
【0018】
本発明のさらに別の局面において、前十字靱帯手術の再建を行うことにおける使用のための外科用器具は、ユーザが器具を把持するためのハンドル部分を有する細長い本体部を備える。ハンドル部は、器具の近位端に近接して位置付けされ、ヘッド部は、器具の遠位端に近接している。ヘッド部は、ガイドワイヤを受け取り、かつ、それに摩擦係合するために適合させられた、ヘッド部の中に形成された曲線状の溝を有する。
【0019】
本発明のさらに別の局面において、曲線状の溝は、第1の端部および第2の端部を含み、隆起は、溝内のガイドワイヤに摩擦係合するために、溝の第1の端部と第2の端部との中間の溝内へ延びる。
【0020】
本発明のさらに別の局面において、溝は、様々な幅を有し、隆起に近接する幅は、第1の端部および第2の端部に近接する溝の幅に対して狭められる。
【0021】
本発明のさらに別の局面において、第1の方向における器具の回転が、溝内のワイヤの摩擦係合を増加させ、第1の方向と反対の第2の方向における器具の回転は、溝内の摩擦係合からワイヤを解放する。
【0022】
本発明のさらに別の局面において、本体部は、ハンドル部とヘッド部との間に位置付けられた中間部を含み、中間部は、器具が後十字靱帯に対して梃子作用を受けることができるような角度で屈曲される。
【0023】
本発明のさらに別の局面において、本体部は、略円筒状であり得、本体部が器具の第1の端部からヘッド部に向かって延びるにつれて徐々に減少する直径を有する。
【0024】
本発明のさらに別の局面において、ハンドル部は、輪郭形成され、ユーザの器具の操作を容易にするためにそのヘッド部に形成された複数のチャネルを有する。
【0025】
本発明のさらに別の局面において、ヘッド部は、大腿骨に解剖学的に合致する輪郭を有する端部を含む。
【0026】
本発明のさらに別の局面において、器具は、透明材料で作製され得、その結果として、ユーザは、ガイドワイヤが溝を通過することを視認できる。
【0027】
本発明のさらに別の局面において、ヒトの膝において前十字靱帯再建を行う方法は、器具の第1の端部に近接するハンドルを有する細長い本体部と、そのヘッド部に形成された曲線状の溝および大腿骨に解剖学的に合致する輪郭を有する弓状端部を有するヘッド部とを備える外科用器具を提供することを含む。ガイドワイヤが、脛骨を通して大腿骨上の所望の解剖学的位置にグラフトを誘導し、かつ、脛骨を通してガイドワイヤを挿入するために提供される。ヘッド部は、脛骨と大腿骨との間のジョイントラインに近接するポータルを通して挿入され、ガイドワイヤは、ヘッド部溝内へ挿入される。器具は、ヘッド部溝内のガイドワイヤに摩擦係合するように第1の方向に回転させられ、その器具は、大腿骨上の所望の解剖的位置にガイドワイヤを方向付けるように移動させられ得る。
【0028】
本発明のさらに別の局面において、器具は、ヘッド部溝との摩擦係合からガイドワイヤを解放するために、第1方向と反対の第2の方向に回転させられ得る。
【0029】
さらなる局面において、本発明は、下記の番号付けされた条項に提示され得る。
条項1
外科用器具であって、該外科用器具は、
第1の端部および第2の端部を有する細長い部材と、
該細長い部材の該第1の端部に近接する把持可能なハンドルと、
該細長い部材の該第2の端部に近接するヘッド部であって、該ヘッド部は、第1の溝端部および第2の溝端部を伴って該ヘッド部に形成された溝を有する、ヘッド部と、
該細長い部材上に形成された隆起であって、該隆起は、該第1の溝端部と該第2の溝端部との中間の該溝内へ延びるように構造化される、隆起と
を備え、
該隆起に近接する該溝の幅は、該第1の端部に近接する該溝の幅よりも狭められる、外科用器具。
条項2
該ハンドル部は、略円筒状であり、該ハンドル部が該部材の該第1の端部から該部材の該第2の端部へ向かって延びるにつれて徐々に減少する直径を有する、条項1に記載の外科用器具。
条項3
該ハンドル部は、人間工学的に輪郭形成され、該器具のユーザの把持を容易にするために刻み付き表面を有する、条項1に記載の外科用器具。
条項4
該ハンドル部と該ヘッド部との間に、角度付けられた中間部をさらに備える、条項1に記載の外科用器具。
条項5
該中間部は、該細長い部材の長手方向軸から約50〜約80度の角度で屈曲される、条項4に記載の外科用器具。
条項6
該ハンドル部および該中間部は、ある直径を有する略円筒状部を画定し、該直径は、該ハンドル部が該部材の該第1の端部に近接して始まるところで最大であり、該中間部が該ヘッド部で終結するまで徐々に減少する、条項4に記載の外科用器具。
条項7
該ヘッド部は、該部材の第2の端部を画定する弓状端部分をさらに備える、条項1に記載の外科用器具。
条項8
該隆起に近接する該溝の幅は、該第1の端部および該第2の端部に近接する該溝の幅未満である、条項1に記載の外科用器具。
条項9
前十字靱帯再建手術を行うことにおける使用のための外科用器具であって、該器具は、
第1の細長い本体端部および第2の細長い本体端部を有する細長い本体と、
該細長い本体の第1の端部に近接して該細長い本体に動作可能に結合されたハンドルと、
該細長い本体の該第2の端部に近接するヘッド部であって、該ヘッド部は、該ヘッド部に形成された曲線状の溝を有し、該曲線状の溝は、ガイドワイヤを受け取り、かつ、該ガイドワイヤに摩擦係合するために適合させられる、ヘッド部と
を備える、器具。
条項10
該曲線状の溝は、第1の溝端部および第2の溝端部と、該細長い本体上の隆起とを含み、該隆起の一部は、該第1の溝端部と該第2の溝端部との中間の該溝内へ延びるよう構造化され、該隆起は、該溝内の該ガイドワイヤに摩擦係合するよう構造化される、条項9に記載の器具。
条項11
該溝は、様々な幅を有し、該隆起に近接する幅は、該第1の端部および該第2の溝端部に近接する該溝の幅よりも狭い、条項10に記載の器具。
条項12
該溝内の該ガイドワイヤの該摩擦係合は、該器具が該ワイヤに向かって第1の方向に回転させられるにつれて増加する、条項10に記載の器具。
条項13
該第1の方向と反対の第2の方向における該器具の回転は、該溝内の摩擦係合から該ワイヤを解放する、条項12に記載の器具。
条項14
該本体部は、該ハンドル部と該ヘッド部との間に位置付けられた中間部を含み、該中間部は、ある角度で屈曲され、該角度によって、該器具は、後十字靱帯に対して梃子作用を受けることができる、条項9に記載の器具。
条項15
該本体部は、略円筒状であり、該本体部が該器具の該第1の端部から該ヘッド部に向かって延びるにつれて徐々に減少する直径を有する、条項9に記載の器具。
条項16
該ハンドル部は、輪郭形成され、該器具の該ユーザの操作を容易にするために該ハンドル部において形成された複数のチャネルを有する、条項9に記載の外科用器具。
条項17
該ヘッド部は、該大腿骨に解剖学的に合致する輪郭を有する端部をさらに備える、条項9に記載の外科用器具。
条項18
該器具の少なくとも一部は、透明材料を備える、条項9に記載の外科用器具。
条項19
ヒトの膝において前十字靱帯再建を行う方法であって、該方法は、
外科用器具を提供することであって、該外科用器具は、
細長い本体部であって、該細長い本体部は、該細長い本体の第1の端部に近接するハンドルを有する、細長い本体部と、
ヘッド部であって、該ヘッド部は、該ヘッド部に形成された曲線状の溝と、大腿骨に解剖学的に合致する輪郭を有する弓状端部とを有する、ヘッド部と
を備え、該ヘッド部は、該第1の端部と反対の該器具の第2の端部に近接して位置付けられる、ことと、
脛骨を通して大腿骨上の所望の解剖学的位置にグラフトを誘導するためのガイドワイヤを提供し、かつ、該脛骨を通して該ガイドワイヤを挿入することと、
該脛骨と該大腿骨との間のジョイントラインに近接するポータルを通して該ヘッド部を挿入することと、
該ヘッド部溝内へ該ガイドワイヤを挿入することと、
該ヘッド部溝内の該ガイドワイヤに摩擦係合するように第1の方向に該器具を回転させることと、
該大腿骨上の該所望の解剖的位置に該ガイドワイヤを方向付けるように該器具を移動させることと
を含む、方法。
条項20
該ヘッド部溝への摩擦係合から該ガイドワイヤを解放するように、該第1方向と反対の第2の方向に該器具を回転させることをさらに含む、条項19に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本発明に従う外科用器具の斜視図である。図1Aは、図1の器具の拡大部分図である。
【0031】
図2図2は、図1の器具の別の斜視図である。図2Aは、図2の器具の拡大部分図である。
【0032】
図3図3は、図1の器具の別の斜視図である。
【0033】
図4図4は、図1の器具の別の斜視図である。
【0034】
図4A図4Aは、図4の器具の拡大部分図である。
【0035】
図5図5は、本発明に従う外科用器具の別の局面の斜視図である。
【0036】
図5A図5Aは、図5の器具の拡大部分図である。
【0037】
図6図6は、図1の器具の別の斜視図である。図6Aは、図6の器具の拡大部分図である。
【0038】
図7図7は、本発明の好ましい実施形態に従う、図1の器具を使用する方法を例証する環境斜視図である。
【0039】
図7A図7Aは、図7の器具の拡大部分概略図である。
【0040】
図8図8は、本発明の1つの局面に従う、図1の器具を使用する方法を例証する別の環境斜視図である。
【0041】
図9図9は、本発明の1つの局面に従う、図1の器具を使用する方法を例証する別の環境斜視図である。
【0042】
図9A図9Aは、図9における器具の拡大部分概略図である。
【0043】
図10図10は、本発明の1つの局面に従う、図1の器具を使用する方法を例証する別の環境斜視図である。
【0044】
図11図11は、本発明の1つの局面に従う、図1の器具を使用する方法を例証する別の環境斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
詳しい説明
本発明の例示的実施形態に従った外科用器具が、図1〜4に例証され、概して参照番号10として示される。図1〜3に示されるように、外科用器具10は、第1の近位端12と第2の遠位端14とを有する細長い部材を備える。器具10は、近位端12から始まる把持可能なハンドル部20と、遠位端14におけるヘッド部40と、ハンドル部20とヘッド部40との間にある角度付けられた中間部30とを含む。
【0046】
図1A、2A、4A、6Aに示されるように、ヘッド部40は、入口42および出口43を有する、そのヘッド部において形成された曲線状の溝41を有する。隆起44が、溝の第1の端部と第2の端部との中間の溝内へ延び、それによって、溝は、様々な幅を有し、図1A、4A、6Aに示されるように、隆起に近接する幅は、入口42および出口43における溝の幅に対して狭められる。図1A、2A、3、4Aに示されるように、ヘッド部40は、器具10の遠位端14に位置する弓状端部分46を含む。
【0047】
図1〜4に示されるように、ハンドル20は、ユーザによる人間工学的保持のために輪郭形成されることができる。また、ハンドル部20は、ユーザによる人間工学的保持を容易にするために刻み付き表面を有することができる。図1、3、4に示されるように、刻み付き表面は、ハンドル部20に形成される一連のチャネル22から成ることができる。
【0048】
図1、4に示されるように、中間部30は、細長い部材の長手方向軸から約50〜80度オフセットされた角度で屈曲される。
【0049】
図3に示されるように、ハンドル部20および中間部30は、直径を有する略円筒状部材を画定し、その直径は、ハンドル部20が器具10の近位端12から始まるところで最大であり、ヘッド部40の始端で中間部30が終結するまで徐々に減少する。
【0050】
器具10は、ヒトの膝に対する外科手術、特定すると、前十字靱帯(ACL)再建を行うことにおいて使用されることができる。したがって、左膝および右膝に対する使用について異なるバージョンがある。図1〜4に例証される器具10は、左膝のバージョンである。本発明の好ましい実施形態に従って、右膝に対して手術することにおいて使用するための器具は、図5に例証され、概して、参照番号10’で示される。図4、4A、5、5Aに例証されるように、右膝バージョン10’は、左膝バージョン10の鏡像であり得る。器具10’は、器具10と、その他の点では構造が同一であり得る。
【0051】
本発明の好ましい実施形態に従う、器具10を使用する方法が、図7〜11に例証される。図7〜11に示されるように、器具10は、経脛骨技法前十字靱帯(ACL)再建手技を行うために使用されることができる。図は、左膝ACL再建における器具10を使用する方法を例証することが、留意されるべきである。
【0052】
骨トンネル102が、ACLが正常に付着する膝関節にトンネル102が進入するように、脛骨100を通して穿孔される。小切開が、脛骨100および大腿骨110のジョイントラインにおいて作製され、前内側(AM)ポータル105を生じさせる。図7に示されるように、器具10の遠位端14は、AMポータル105を通して挿入される。図7、7Aに示されるように、ガイドワイヤ50が、経脛骨トンネル102を通過させられ、ヘッド部40の溝41の入口42内へ挿入される。本明細書で使用される場合、用語「ガイドワイヤ」は、概して、脛骨トンネル102を通して大腿骨110上の解剖学的位置までACLグラフトを誘導するためにACL再建において使用されることができるワイヤまたはピン等の任意の細長い部材を指す。
【0053】
図8に示されるように、ガイドワイヤ50は、溝41内へ挿入され、器具10は、溝41内でワイヤを捕捉するために、時計回りに回転させられる。器具10が時計回りに回転させられるとき、溝41における隆起44は、ガイドワイヤ50に係合する。器具10のさらなる時計回り回転は、摩擦係合を増加させる。図9、9Aに示されるように、器具は、ワイヤ50がヘッド部の溝40内にしっかりと保持されるように隆起44がそのワイヤに係合するまで、ワイヤ50に向かって内向きに回転させられる。
【0054】
図10に示されるように、ワイヤ50が溝41内にしっかりと保持された状態で、器具10は、大腿骨110に直接並置されるように移動させられ、弓状端部分46は、大腿骨110の周りに引っ掛けられる。端部分46の解剖学的輪郭は、溝41の内部の曲線状の配向との組み合わせで、大腿骨110上の所望の解剖学的位置にワイヤ50を方向付ける。ヘッド部40の端部分46は、大腿骨110の正常な骨の輪郭に解剖学的に合致する。大腿骨110に並置されるとき、端部分46の輪郭は、ACLの正常付着の中心にヘッド部溝41の出口43を自動的に位置付ける。参照文字Xを用いて指定される破線矢印は、ガイドワイヤ50の軌跡を例証する。ワイヤ50は、そのワイヤが大腿骨トンネル112を通して大腿骨110内へ穿孔されるとき、大腿骨110上の適切な解剖学的位置に器具10によって誘導される。
【0055】
図11に示されるように、ワイヤ50が、大腿骨110内へ穿孔されていて、その大腿骨上に解剖学的に位置付けられたとき、器具10は、反時計回りに回転させられ、それによって、溝41からワイヤ50を係合解除する。ヘッド部40における曲線状の溝41は、ガイドワイヤ50の適切な方向を可能にするためにちょうど十分な制約を提供する一方で、また、ワイヤ50が大腿骨上の定位置に穿孔された後に、器具10がワイヤ50から取り外されることを可能にするために十分に可撓性である。
【0056】
器具10が取り外され、ガイドワイヤ50は、大腿骨110上の解剖学的位置への付着のために、脛骨トンネル102および大腿骨トンネル112を通してACLグラフトを引っ張るために使用されることができる。手術の残りは、従来の経脛骨技法ACL再建と同じように進行することができる。従来のAMポータル技法ACL再建のような膝の過屈曲は、要求されず、それによって、外科医のための視覚化と手術速度とを改善する。加えて、最終結果は、より効果的かつ解剖学的な様式で位置付けられたグラフトである。
【0057】
上記で留意されるように、図7〜11は、左膝ACL再建における器具10の使用を例証する。右膝バージョン10’が、右膝ACL再建において使用されることができ、器具10’が、ガイドワイヤに係合するように反時計回りに回転させられ、器具10’からガイドワイヤを係合解除するように時計回りに回転させられることを除いて、上記で説明されたものと同じ方法を利用する。
【0058】
ヘッド40の溝41が開放されているので、器具10は、ガイドワイヤ50とは別個の場所から挿入されることができる。これは、器具10が、脛骨トンネル102によっては影響されずに直接的な力をワイヤ50に印加することを可能にする。対照的に、ACL再建のための先行技術の器具は、典型的に、ガイドワイヤが辿るものと同じ経路に沿ってそれらが通過させられることを要求する「閉」構造を有する。
【0059】
ヘッド40の曲線状の溝41および張り出し隆起44は、器具10が内向きに回転させられるとき、ワイヤ50に若干の制限を提供する。ワイヤ50が溝41において係合されると、器具10は、外科医がワイヤ50を進ませたい場所にそのワイヤを方向付けるために使用されることができる。
【0060】
ヘッド40の端部分46は、大腿骨110の骨の輪郭に合致する。端部分46に対する溝41の内部の配向は、大腿骨110の後方を避ける特定の軌跡でガイドワイヤ50を方向付け、安全な場所で大腿骨110から出る。この特定の軌跡は、十分に長くかつ損傷のない骨トンネルをもたらす。
【0061】
器具10の中間部30における屈曲は、器具が、ACLに直接隣接する靭帯である後十字靱帯(PCL)に対して梃子作用を受けることを可能にし、PCLを保護し、かつ、ヘッド40の溝41および端部分46と大腿骨110との関係にさらなる安定性を提供する。それはまた、外科医が、脛骨トンネル102から器具10の溝41内へのワイヤ50の通過を視認することを可能にする。外科医が、ワイヤ50を、別個の場所、すなわち、アクセサリ中心ポータルから器具10内へ通過させることを決定する場合において、これは、外科医のための、ワイヤ50の通過の可視化を可能にする。
【0062】
把持され、かつ、輪郭形成されたハンドル20は、外科医による人間工学的保持を提供し、ワイヤ50が器具10を通過させられるときのその器具へのさらなる安定性の提供における梃子の作用を最適化する。
【0063】
器具は、ステンレス鋼、ポリカーボネートISO等の医療グレードプラスチック、または、他の好適な材料で作製されることができる。器具10が医療グレード透明プラスチックから作製される場合、それは、ワイヤ50が穿孔中に溝41を通過するときにそのワイヤの可視化を可能にする。透明器具10は、大腿骨110上のデバイスの留置について外科医を補助するために不透明ガイドマーキングを含むことができる。
【0064】
外科用器具および使用の方法は、上記で説明される。種々の変更が、その範囲から逸脱することなく本発明に対して行われることができる。好ましい実施形態の上記の説明および本発明の最良の形態は、例証のみの目的のために提供され、限定ではない。本発明は、下記の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって規定される。
図1-1A】
図2-2A】
図3
図4
図4A
図5
図5A
図6-6A】
図7
図7A
図8
図9
図9A
図10
図11