【課題を解決するための手段】
【0007】
外科医が比較的より容易な経脛骨技法の原理のうちのいくつかを利用してACL再建を行うことを可能にする一方でより技法的に困難なAMポータル技法と関連付けられる改善されたグラフト位置付けを提供する外科用器具が、提供される。
実施形態において、本発明は、例えば、下記の項目を提供する。
(項目1)
外科用器具であって、前記外科用器具は、
第1の端部および第2の端部を有する細長い部材と、
前記細長い部材の前記第1の端部に近接する把持可能なハンドルと、
前記細長い部材の前記第2の端部に近接するヘッド部であって、前記ヘッド部は、第1の溝端部および第2の溝端部を伴って前記ヘッド部に形成された溝を有する、ヘッド部と、
前記細長い部材上に形成された隆起であって、前記隆起は、前記第1の溝端部と前記第2の溝端部との中間の前記溝内へ延びるように構造化される、隆起と
を備え、
前記隆起に近接する前記溝の幅は、前記第1の端部に近接する前記溝の幅よりも狭められる、外科用器具。
(項目2)
前記ハンドル部は、略円筒状であり、前記ハンドル部が前記部材の前記第1の端部から前記部材の前記第2の端部へ向かって延びるにつれて徐々に減少する直径を有する、項目1に記載の外科用器具。
(項目3)
前記ハンドル部は、人間工学的に輪郭形成され、前記器具のユーザの把持を容易にするために刻み付き表面を有する、項目1に記載の外科用器具。
(項目4)
前記ハンドル部と前記ヘッド部との間に、角度付けられた中間部をさらに備える、項目1に記載の外科用器具。
(項目5)
前記中間部は、前記細長い部材の長手方向軸から約50〜約80度の角度で屈曲される、項目4に記載の外科用器具。
(項目6)
前記ハンドル部および前記中間部は、ある直径を有する略円筒状部を画定し、前記直径は、前記ハンドル部が前記部材の前記第1の端部に近接して始まるところで最大であり、前記中間部が前記ヘッド部で終結するまで徐々に減少する、項目4に記載の外科用器具。
(項目7)
前記ヘッド部は、前記部材の第2の端部を画定する弓状端部分をさらに備える、項目1に記載の外科用器具。
(項目8)
前記隆起に近接する前記溝の幅は、前記第1の端部および前記第2の端部に近接する前記溝の幅未満である、項目1に記載の外科用器具。
(項目9)
前十字靱帯再建手術を行うことにおける使用のための外科用器具であって、前記器具は、
第1の細長い本体端部および第2の細長い本体端部を有する細長い本体と、
前記細長い本体の第1の端部に近接して前記細長い本体に動作可能に結合されたハンドルと、
前記細長い本体の前記第2の端部に近接するヘッド部であって、前記ヘッド部は、前記ヘッド部に形成された曲線状の溝を有し、前記曲線状の溝は、ガイドワイヤを受け取り、かつ、前記ガイドワイヤに摩擦係合するために適合させられる、ヘッド部と
を備える、器具。
(項目10)
前記曲線状の溝は、第1の溝端部および第2の溝端部と、前記細長い本体上の隆起とを含み、前記隆起の一部は、前記第1の溝端部と前記第2の溝端部との中間の前記溝内へ延びるよう構造化され、前記隆起は、前記溝内の前記ガイドワイヤに摩擦係合するよう構造化される、項目9に記載の器具。
(項目11)
前記溝は、様々な幅を有し、前記隆起に近接する幅は、前記第1の端部および前記第2の溝端部に近接する前記溝の幅よりも狭い、項目10に記載の器具。
(項目12)
前記溝内の前記ガイドワイヤの前記摩擦係合は、前記器具が前記ワイヤに向かって第1の方向に回転させられるにつれて増加する、項目10に記載の器具。
(項目13)
前記第1の方向と反対の第2の方向における前記器具の回転は、前記溝内の摩擦係合から前記ワイヤを解放する、項目12に記載の器具。
(項目14)
前記本体部は、前記ハンドル部と前記ヘッド部との間に位置付けられた中間部を含み、前記中間部は、ある角度で屈曲され、前記角度によって、前記器具は、後十字靱帯に対して梃子作用を受けることができる、項目9に記載の器具。
(項目15)
前記本体部は、略円筒状であり、前記本体部が前記器具の前記第1の端部から前記ヘッド部に向かって延びるにつれて徐々に減少する直径を有する、項目9に記載の器具。
(項目16)
前記ハンドル部は、輪郭形成され、前記器具の前記ユーザの操作を容易にするために前記ハンドル部において形成された複数のチャネルを有する、項目9に記載の外科用器具。
(項目17)
前記ヘッド部は、前記大腿骨に解剖学的に合致する輪郭を有する端部をさらに備える、項目9に記載の外科用器具。
(項目18)
前記器具の少なくとも一部は、透明材料を備える、項目9に記載の外科用器具。
(項目19)
ヒトの膝において前十字靱帯再建を行う方法であって、前記方法は、
外科用器具を提供することであって、前記外科用器具は、
細長い本体部であって、前記細長い本体部は、前記細長い本体の第1の端部に近接するハンドルを有する、細長い本体部と、
ヘッド部であって、前記ヘッド部は、前記ヘッド部に形成された曲線状の溝と、大腿骨に解剖学的に合致する輪郭を有する弓状端部とを有する、ヘッド部と
を備え、前記ヘッド部は、前記第1の端部と反対の前記器具の第2の端部に近接して位置付けられる、ことと、
脛骨を通して大腿骨上の所望の解剖学的位置にグラフトを誘導するためのガイドワイヤを提供し、かつ、前記脛骨を通して前記ガイドワイヤを挿入することと、
前記脛骨と前記大腿骨との間のジョイントラインに近接するポータルを通して前記ヘッド部を挿入することと、
前記ヘッド部溝内へ前記ガイドワイヤを挿入することと、
前記ヘッド部溝内の前記ガイドワイヤに摩擦係合するように第1の方向に前記器具を回転させることと、
前記大腿骨上の前記所望の解剖的位置に前記ガイドワイヤを方向付けるように前記器具を移動させることと
を含む、方法。
(項目20)
前記ヘッド部溝への摩擦係合から前記ガイドワイヤを解放するように、前記第1方向と反対の第2の方向に前記器具を回転させることをさらに含む、項目19に記載の方法。
【0008】
本発明に従う外科用器具は、ACL再建の容易性と転帰との両方を改善し得る。
【0009】
技法的な容易性に関して経脛骨技法と類似する一方、より困難なAMポータル技法に類似する改善されたグラフト位置付けを転帰にもたらすACL再建の方法もまた、提供される。
【0010】
本発明の1つの局面は、反対にある第1の端部および第2の端部を伴う細長い部材を有する外科用器具である。把持可能なハンドル部が細長い部材の第1の端部に近接して位置付けられ、ヘッド部は、その部材の第2の端部に近接して位置付けられる。ヘッド部は、第1の端部および第2の端部を有する、そのヘッド部に形成された溝を含む。隆起は、溝の第1の端部と第2の端部との中間の溝内へ延びる部分を有し、その結果として、溝は、隆起に近接する幅が第1の端部に近接する溝の幅よりも狭められる様々な幅を有する。
【0011】
本発明の別の局面において、ハンドル部は、略円筒状であり得、ハンドル部が細長い部材の第1の端部から細長い部材の第2の端部へ延びるにつれて徐々に減少する直径を有し得る。
【0012】
本発明の別の実施形態に従って、ハンドル部は、人間工学的に輪郭形成されることができ、ユーザの器具の把持を容易にするための刻み付き表面を有する。
【0013】
本発明の別の局面において、器具は、ハンドル部とヘッド部との間に、角度付けられた中間部を含む。
【0014】
本発明の別の局面において、中間部は、器具の長手方向軸から約50〜約80度オフセットされた角度である。
【0015】
本発明のさらに別の局面において、ハンドル部および中間部は、直径を有する略円筒状部を画定し、その直径は、ハンドル部が部材の第1の端部に近接して始まるところで最大であり、中間部がヘッド部で終結するまで徐々に減少する。
【0016】
本発明のさらに別の局面において、ヘッド部は、部材の第2の端部を画定する弓状端部分を含む。
【0017】
本発明のさらに別の局面において、隆起に近接する溝の幅は、第1の端部および第2の端部に近接する溝の幅未満である。
【0018】
本発明のさらに別の局面において、前十字靱帯手術の再建を行うことにおける使用のための外科用器具は、ユーザが器具を把持するためのハンドル部分を有する細長い本体部を備える。ハンドル部は、器具の近位端に近接して位置付けされ、ヘッド部は、器具の遠位端に近接している。ヘッド部は、ガイドワイヤを受け取り、かつ、それに摩擦係合するために適合させられた、ヘッド部の中に形成された曲線状の溝を有する。
【0019】
本発明のさらに別の局面において、曲線状の溝は、第1の端部および第2の端部を含み、隆起は、溝内のガイドワイヤに摩擦係合するために、溝の第1の端部と第2の端部との中間の溝内へ延びる。
【0020】
本発明のさらに別の局面において、溝は、様々な幅を有し、隆起に近接する幅は、第1の端部および第2の端部に近接する溝の幅に対して狭められる。
【0021】
本発明のさらに別の局面において、第1の方向における器具の回転が、溝内のワイヤの摩擦係合を増加させ、第1の方向と反対の第2の方向における器具の回転は、溝内の摩擦係合からワイヤを解放する。
【0022】
本発明のさらに別の局面において、本体部は、ハンドル部とヘッド部との間に位置付けられた中間部を含み、中間部は、器具が後十字靱帯に対して梃子作用を受けることができるような角度で屈曲される。
【0023】
本発明のさらに別の局面において、本体部は、略円筒状であり得、本体部が器具の第1の端部からヘッド部に向かって延びるにつれて徐々に減少する直径を有する。
【0024】
本発明のさらに別の局面において、ハンドル部は、輪郭形成され、ユーザの器具の操作を容易にするためにそのヘッド部に形成された複数のチャネルを有する。
【0025】
本発明のさらに別の局面において、ヘッド部は、大腿骨に解剖学的に合致する輪郭を有する端部を含む。
【0026】
本発明のさらに別の局面において、器具は、透明材料で作製され得、その結果として、ユーザは、ガイドワイヤが溝を通過することを視認できる。
【0027】
本発明のさらに別の局面において、ヒトの膝において前十字靱帯再建を行う方法は、器具の第1の端部に近接するハンドルを有する細長い本体部と、そのヘッド部に形成された曲線状の溝および大腿骨に解剖学的に合致する輪郭を有する弓状端部を有するヘッド部とを備える外科用器具を提供することを含む。ガイドワイヤが、脛骨を通して大腿骨上の所望の解剖学的位置にグラフトを誘導し、かつ、脛骨を通してガイドワイヤを挿入するために提供される。ヘッド部は、脛骨と大腿骨との間のジョイントラインに近接するポータルを通して挿入され、ガイドワイヤは、ヘッド部溝内へ挿入される。器具は、ヘッド部溝内のガイドワイヤに摩擦係合するように第1の方向に回転させられ、その器具は、大腿骨上の所望の解剖的位置にガイドワイヤを方向付けるように移動させられ得る。
【0028】
本発明のさらに別の局面において、器具は、ヘッド部溝との摩擦係合からガイドワイヤを解放するために、第1方向と反対の第2の方向に回転させられ得る。
【0029】
さらなる局面において、本発明は、下記の番号付けされた条項に提示され得る。
条項1
外科用器具であって、該外科用器具は、
第1の端部および第2の端部を有する細長い部材と、
該細長い部材の該第1の端部に近接する把持可能なハンドルと、
該細長い部材の該第2の端部に近接するヘッド部であって、該ヘッド部は、第1の溝端部および第2の溝端部を伴って該ヘッド部に形成された溝を有する、ヘッド部と、
該細長い部材上に形成された隆起であって、該隆起は、該第1の溝端部と該第2の溝端部との中間の該溝内へ延びるように構造化される、隆起と
を備え、
該隆起に近接する該溝の幅は、該第1の端部に近接する該溝の幅よりも狭められる、外科用器具。
条項2
該ハンドル部は、略円筒状であり、該ハンドル部が該部材の該第1の端部から該部材の該第2の端部へ向かって延びるにつれて徐々に減少する直径を有する、条項1に記載の外科用器具。
条項3
該ハンドル部は、人間工学的に輪郭形成され、該器具のユーザの把持を容易にするために刻み付き表面を有する、条項1に記載の外科用器具。
条項4
該ハンドル部と該ヘッド部との間に、角度付けられた中間部をさらに備える、条項1に記載の外科用器具。
条項5
該中間部は、該細長い部材の長手方向軸から約50〜約80度の角度で屈曲される、条項4に記載の外科用器具。
条項6
該ハンドル部および該中間部は、ある直径を有する略円筒状部を画定し、該直径は、該ハンドル部が該部材の該第1の端部に近接して始まるところで最大であり、該中間部が該ヘッド部で終結するまで徐々に減少する、条項4に記載の外科用器具。
条項7
該ヘッド部は、該部材の第2の端部を画定する弓状端部分をさらに備える、条項1に記載の外科用器具。
条項8
該隆起に近接する該溝の幅は、該第1の端部および該第2の端部に近接する該溝の幅未満である、条項1に記載の外科用器具。
条項9
前十字靱帯再建手術を行うことにおける使用のための外科用器具であって、該器具は、
第1の細長い本体端部および第2の細長い本体端部を有する細長い本体と、
該細長い本体の第1の端部に近接して該細長い本体に動作可能に結合されたハンドルと、
該細長い本体の該第2の端部に近接するヘッド部であって、該ヘッド部は、該ヘッド部に形成された曲線状の溝を有し、該曲線状の溝は、ガイドワイヤを受け取り、かつ、該ガイドワイヤに摩擦係合するために適合させられる、ヘッド部と
を備える、器具。
条項10
該曲線状の溝は、第1の溝端部および第2の溝端部と、該細長い本体上の隆起とを含み、該隆起の一部は、該第1の溝端部と該第2の溝端部との中間の該溝内へ延びるよう構造化され、該隆起は、該溝内の該ガイドワイヤに摩擦係合するよう構造化される、条項9に記載の器具。
条項11
該溝は、様々な幅を有し、該隆起に近接する幅は、該第1の端部および該第2の溝端部に近接する該溝の幅よりも狭い、条項10に記載の器具。
条項12
該溝内の該ガイドワイヤの該摩擦係合は、該器具が該ワイヤに向かって第1の方向に回転させられるにつれて増加する、条項10に記載の器具。
条項13
該第1の方向と反対の第2の方向における該器具の回転は、該溝内の摩擦係合から該ワイヤを解放する、条項12に記載の器具。
条項14
該本体部は、該ハンドル部と該ヘッド部との間に位置付けられた中間部を含み、該中間部は、ある角度で屈曲され、該角度によって、該器具は、後十字靱帯に対して梃子作用を受けることができる、条項9に記載の器具。
条項15
該本体部は、略円筒状であり、該本体部が該器具の該第1の端部から該ヘッド部に向かって延びるにつれて徐々に減少する直径を有する、条項9に記載の器具。
条項16
該ハンドル部は、輪郭形成され、該器具の該ユーザの操作を容易にするために該ハンドル部において形成された複数のチャネルを有する、条項9に記載の外科用器具。
条項17
該ヘッド部は、該大腿骨に解剖学的に合致する輪郭を有する端部をさらに備える、条項9に記載の外科用器具。
条項18
該器具の少なくとも一部は、透明材料を備える、条項9に記載の外科用器具。
条項19
ヒトの膝において前十字靱帯再建を行う方法であって、該方法は、
外科用器具を提供することであって、該外科用器具は、
細長い本体部であって、該細長い本体部は、該細長い本体の第1の端部に近接するハンドルを有する、細長い本体部と、
ヘッド部であって、該ヘッド部は、該ヘッド部に形成された曲線状の溝と、大腿骨に解剖学的に合致する輪郭を有する弓状端部とを有する、ヘッド部と
を備え、該ヘッド部は、該第1の端部と反対の該器具の第2の端部に近接して位置付けられる、ことと、
脛骨を通して大腿骨上の所望の解剖学的位置にグラフトを誘導するためのガイドワイヤを提供し、かつ、該脛骨を通して該ガイドワイヤを挿入することと、
該脛骨と該大腿骨との間のジョイントラインに近接するポータルを通して該ヘッド部を挿入することと、
該ヘッド部溝内へ該ガイドワイヤを挿入することと、
該ヘッド部溝内の該ガイドワイヤに摩擦係合するように第1の方向に該器具を回転させることと、
該大腿骨上の該所望の解剖的位置に該ガイドワイヤを方向付けるように該器具を移動させることと
を含む、方法。
条項20
該ヘッド部溝への摩擦係合から該ガイドワイヤを解放するように、該第1方向と反対の第2の方向に該器具を回転させることをさらに含む、条項19に記載の方法。