特許第5992125号(P5992125)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5992125表示情報共有システム、表示情報共有方法、および表示情報共有プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5992125
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】表示情報共有システム、表示情報共有方法、および表示情報共有プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20160901BHJP
【FI】
   G06F13/00 650A
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-113433(P2016-113433)
(22)【出願日】2016年6月7日
【審査請求日】2016年6月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516168964
【氏名又は名称】株式会社ニイム
(74)【代理人】
【識別番号】100131853
【弁理士】
【氏名又は名称】澤邉 由美子
(72)【発明者】
【氏名】鈴本 康弘
(72)【発明者】
【氏名】石川 賢治
【審査官】 新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−293166(JP,A)
【文献】 特開2014−203167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1情報端末装置と、前記第1情報端末装置と通信する第2情報端末装置と、からなる表示情報共有システムであって、
前記第1情報端末装置は、
受診履歴情報と、処方箋情報とを対応付けて記憶する処方箋情報記憶手段と、
前記第2情報端末装置から送信された通信許可の要求を受信する第1近距離無線通信手段と、
前記第1近距離無線通信手段によって受信した前記通信許可の要求に応じ、通信を許可するか否かの入力を受付ける第1受付手段と、
前記第1受付手段によって通信を許可する旨を受付けた場合に、前記受診履歴情報を前記処方箋情報記憶手段から取得し、取得した前記受診履歴情報から受診履歴ページを生成する第1ページ生成手段と、を備え、
前記第1近距離無線通信手段が、前記第1ページ生成手段によって取得した前記受診履歴情報を前記第2情報端末装置に送信し、
前記第1ページ生成手段によって生成した前記受診履歴ページを表示する第1表示手段、を備え、
前記第2情報端末装置は、
前記受診履歴情報を前記第1情報端末装置から受信する第2近距離無線通信手段と、
前記第2近距離無線通信手段によって受信した前記受診履歴情報から前記受診履歴ページを生成する第2ページ生成手段と、
前記第2ページ生成手段によって生成した前記受診履歴ページを表示する第2表示手段と、
を備えることを特徴とする表示情報共有システム。
【請求項2】
前記第2情報端末装置は、
前記受診履歴ページから前記受信履歴情報の選択を受付ける第2受付手段、を備え、
前記第2近距離無線通信手段が、前記第2受付手段によって選択した前記受信履歴情報を送信し、
前記第1情報端末装置は、
前記第1近距離無線通信手段が、前記受信履歴情報を受信し、
前記第1ページ生成手段が、前記受信履歴情報に対応する前記処方箋情報を前記処方箋情報記憶手段から取得し、取得した前記処方箋情報から処方箋ページを生成し、
前記第1近距離無線通信手段が、前記第1ページ生成手段によって取得した前記処方箋情報を前記第2情報端末装置に送信し、
前記第1表示手段が、前記第1ページ生成手段によって生成した前記処方箋ページを表示し、
前記第2情報端末装置は、
前記第2近距離無線通信手段が、前記処方箋情報を受信し、
前記第2ページ生成手段が、前記第2近距離無線通信手段によって受信した前記処方箋情報から前記処方箋ページを生成し、
前記第2表示手段が、前記第2ページ生成手段によって生成した前記処方箋ページを表示すること、を特徴とする請求項1に記載の表示情報共有システム。
【請求項3】
前記第2情報端末装置は、
前記第2受付手段が、前記処方箋情報に対する追加情報の入力を受付け、
前記第2近距離無線通信手段が、前記第2受付手段によって受付けた前記追加情報を前記第1情報端末装置に送信し、
前記第2表示手段が、前記追加情報を表示し、
前記第1情報端末装置は、
前記第1近距離無線通信手段が、前記追加情報を受信し、
前記第1表示手段が、前記第1近距離無線通信手段によって受信した前記追加情報を表示すること、を特徴とする請求項に記載の表示情報共有システム。
【請求項4】
前記第2情報端末装置は、
前記第2受付手段が、表示画面に対する操作を受付け、
前記第2受付手段によって受付けた操作に対する操作情報を生成する操作情報生成手段、を備え、
前記第2近距離無線通信手段が、前記操作情報生成手段によって生成した前記操作情報を前記第1情報端末装置に送信し、
前記第2表示手段が、前記操作情報に応じた表示画面を表示し、
前記第1情報端末装置は、
前記第1近距離無線通信手段が、前記操作情報を受信し、
前記第1表示手段が、前記第1近距離無線通信手段によって受信した前記操作情報に応じた表示画面を表示すること、を特徴とする請求項2または請求項3に記載の表示情報共有システム。
【請求項5】
前記第1情報端末装置は、
前記第1受付手段が、前記第2情報端末装置に前記受診履歴情報を送信した後から前記第2情報端末装置との通信が終了するまでの間は、前記第2情報端末装置との通信を切断する指示を除く操作を受付けないこと、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の表示情報共有システム。
【請求項6】
前記第2情報端末装置は、
前記第2近距離無線通信手段が、前記第1情報端末装置との通信が切断したと判断した場合、前記第1情報端末装置から受信した情報および前記情報から生成した情報を削除すること、を特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の表示情報共有システム。
【請求項7】
第1情報端末装置と、前記第1情報端末装置と通信する第2情報端末装置と、からなる表示情報共有システムで実行される表示情報共有方法であって、
前記第1情報端末装置は、
受診履歴情報と、処方箋情報とを対応付けて記憶する処方箋情報記憶手段、を備え、
前記第2情報端末装置から送信された通信許可の要求を受信する第1近距離無線通信ステップと、
前記第1近距離無線通信ステップによって受信した前記通信許可の要求に応じ、通信を許可するか否かの入力を受付ける第1受付ステップと、
前記第1受付ステップによって通信を許可する旨を受付けた場合に、前記受診履歴情報を前記処方箋情報記憶手段から取得し、取得した前記受診履歴情報から受診履歴ページを生成する第1ページ生成ステップと、を含み、
前記第1近距離無線通信ステップが、前記第1ページ生成ステップによって取得した前記受診履歴情報を前記第2情報端末装置に送信し、
前記第1ページ生成ステップによって生成した前記受診履歴ページを表示する第1表示ステップ、を含み、
前記第2情報端末装置は、
前記受診履歴情報を前記第1情報端末装置から受信する第2近距離無線通信ステップと、
前記第2近距離無線通信ステップによって受信した前記受診履歴情報から前記受診履歴ページを生成する第2ページ生成ステップと、
前記第2ページ生成ステップによって生成した前記受診履歴ページを表示する第2表示ステップと、
を含むことを特徴とする表示情報共有方法。
【請求項8】
受診履歴情報と、処方箋情報とを対応付けて記憶する処方箋情報記憶手段、を備える第1情報端末装置に、
前記第1情報端末装置と通信する第2情報端末装置から送信された通信許可の要求を受信する第1近距離無線通信ステップと、
前記第1近距離無線通信ステップによって受信した前記通信許可の要求に応じ、通信を許可するか否かの入力を受付ける第1受付ステップと、
前記第1受付ステップによって通信を許可する旨を受付けた場合に、前記受診履歴情報を前記処方箋情報記憶手段から取得し、取得した前記受診履歴情報から受診履歴ページを生成する第1ページ生成ステップと、を実行させ、
前記第1近距離無線通信ステップが、前記第1ページ生成ステップによって取得した前記受診履歴情報を前記第2情報端末装置に送信し、
前記第1ページ生成ステップによって生成した前記受診履歴ページを表示する第1表示ステップ、を実行させ、
前記第2情報端末装置は、
前記受診履歴情報を前記第1情報端末装置から受信する第2近距離無線通信ステップと、
前記第2近距離無線通信ステップによって受信した前記受診履歴情報から前記受診履歴ページを生成する第2ページ生成ステップと、
前記第2ページ生成ステップによって生成した前記受診履歴ページを表示する第2表示ステップと、
を実行させることを特徴とする表示情報共有プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示情報共有システム、表示情報共有方法、および表示情報共有プログラム
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療機関で診察を受けた患者は、診察で薬を処方された場合、紙に印刷された処方箋を薬局に提示することによって薬を処方されることが多い。薬局では、処方薬を管理するために、お薬手帳を用意し処方薬に関する情報を記載し運用することが推奨されている。しかし、紙製のお薬手帳は、患者が持参し忘れることも多く、処方薬に関する情報を漏れなく管理することが難しかった。このような問題に対応するため、患者ごとの処方データをデータベースで管理し薬局ごとに配置された薬局情報端末で患者識別情報に応じた処方データを受信する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-288473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した公報に記載した技術では、1人の患者に処方された薬のすべてを管理するためには、患者が通院するすべての病院との連携が必要となり、システムの規模が大きく複雑になってしまうという問題があった。
【0005】
また、患者は、体や病気に関する情報を患者自身の知らないところで管理されたくない、他人に公開されたくないという感情を持つとともに、信頼できる薬剤師や医師には個別に相談し適切なアドバイスを受けたいという要望があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、大規模なシステムを必要とせず、患者自身が情報を管理できるとともに、医療関係者と容易に情報を共有することができる表示情報共有システム、表示情報共有方法、および表示情報共有プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明では、受診履歴情報と処方箋情報とを対応付けて記憶する処方箋情報記憶手段を備える第1情報端末装置が、第2情報端末装置から送信された通信許可の要求を受信し、受信した通信許可の要求に応じ、通信を許可するか否かの入力を受付け、通信を許可する旨を受付けた場合に、受診履歴情報を処方箋情報記憶手段から取得し、取得した受診履歴情報から受診履歴ページを生成し、取得した受診履歴情報を第2情報端末装置に送信し、生成した受診履歴ページを表示し、第2情報端末装置は、受診履歴情報を第1情報端末装置から受信し、受信した受診履歴情報から受診履歴ページを生成し、生成した受診履歴ページを表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成した本発明によれば、大規模なシステムを必要とせず、患者自身が情報を管理できるとともに、医療関係者と容易に情報を共有することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施例にかかる表示情報共有システム10の構成例を示すブロック図である。
図2】処方箋情報記憶部110のデータ構成の一例を示す説明図である。
図3】情報端末装置100と情報端末装置200で表示する表示画面の一例を示す説明図である。
図4】情報端末装置100と情報端末装置200で実行する表示情報共有処理手順を示すフローチャートである。
図5】情報端末装置100と情報端末装置200で実行する表示情報共有処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照し本発明の実施例を説明する。なお、以下の説明は、実施の形態の一例であり、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0011】
図1は、本実施例にかかる表示情報共有システム10の構成例を示すブロック図である。表示情報共有システム10は、携帯端末装置100と、情報端末装置200とを備え、情報端末装置100と情報端末装置200は、近距離無線通信によって互いに通信可能に接続する。近距離無線通信方式は、一例としてBluetooth(登録商標)であるが、Wi−Fi(登録商標)等の無線LAN、ZigBee(登録商標)、赤外線通信、可視光通信、NFC(Near Field Communication)、その他無線で通信できる方式であれば、どのような方式であってもよい。
【0012】
次に、情報端末装置100について説明する。情報端末装置100は、患者として医療機関を受診する利用者が操作する情報端末装置であり、例えばスマートフォン、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ等の患者が携帯できる情報処理装置であれば、どのようなものであってもよい。情報端末装置100は、近距離無線通信部101と、操作表示部102と、ページ生成部103と、処方箋情報記憶部110とを備える。
【0013】
図2は、処方箋情報記憶部110のデータ構成の一例を示す説明図である。処方箋情報記憶部110は、患者が受診した医療機関で受け取った処方箋に関する情報を記憶する。具体的には、処方箋情報記憶部110は、受診履歴情報と、処方箋情報とを対応付けて記憶する。受診履歴情報は、患者が受診し処方箋を発行した医療機関に関する情報であり、受診日時と、受診医療機関名・受診科とを含む。処方箋情報は、処方箋に記載する情報であり、例えば、医療機関名、医師氏名、診療科名、処方薬、服用方法、処方量等を含む。なお、処方箋情報記憶部110に記憶する処方箋情報は、医療機関が発行する紙の処方箋に印字されたQRコード(登録商標)を読み取ることによって処方箋情報記憶部110に格納するようにしてもよい。
【0014】
近距離無線通信部101は、情報端末装置100の通信領域に存在する情報端末装置200と無線通信する。近距離無線通信部101は、情報端末装置200から送信された、通信許可の要求を受信し、通信許可を情報端末装置200に送信する。また、近距離無線通信部101は、受診履歴情報の要求を受信し、受診履歴情報を情報端末装置200に送信する。近距離無線通信部101は、処方箋情報の要求を受信し、処方箋情報を情報端末装置200に送信する。また、近距離無線通信部101は、情報端末装置200で操作した操作情報や処方箋情報に対する追記情報を受信する。
【0015】
操作表示部102は、入力部と表示部とからなり、情報端末装置100がスマートフォンの場合は、液晶ディスプレイとタッチセンサを重畳し構成するタッチパネルである。表示部は、情報端末装置200から要求された受診履歴情報を示す受診履歴ページ、処方箋情報を示す処方箋ページを表示する。
【0016】
図3は、情報端末装置100と情報端末装置200で表示する表示画面の一例を示す説明図である。表示画面31は、受診履歴情報の一覧である受診履歴ページを示す表示画面である。表示画面32は、処方箋情報から生成された処方箋ページを示す表示画面である。
【0017】
操作表示部102は、情報端末装置200で受付けた画面に対する操作、例えばスクロール操作に応じた表示画面、情報端末装置200で受付けた処方箋情報に対する追記情報を含む表示画面を表示する。操作表示部102は、受診履歴ページ、処方箋ページを表示している間、画面に対する操作や文字入力は、情報端末装置200との通信を切断する等の一部の操作を除き受付けない。操作表示部102は、上述したタッチパネルのほか、ディスプレイとマウス、キーボード、音声入出力を制御するマイクロフォン、スピーカ、その他の入出力装置であってもよい。
【0018】
ページ生成部103は、近距離無線通信部101によって受信した受診履歴情報の要求に応じ、処方箋情報記憶部110から受診履歴情報を取得し、受診履歴ページを生成する。ページ生成部103は、近距離無線通信部101によって受信した処方箋情報の要求に応じ、処方箋情報記憶部110から処方箋情報を取得し、処方箋ページを生成する。
【0019】
次に、情報端末装置200について説明する。情報端末装置200は、薬剤師や医師等の医療関係者が操作する情報端末装置であり、例えばタブレット端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等の近距離通信が可能な情報処理装置である。情報端末装置200は、近距離無線通信部201と、操作表示部202と、端末判断部203と、操作情報生成部204と、ページ生成部205と、表示情報記憶部210とを備える。
【0020】
表示情報記憶部210は、携帯端末装置100から送信された受診履歴情報、受診履歴情報から生成した受診履歴ページ、処方箋情報、処方箋情報から生成した処方箋ページ、操作表示部202で入力を受付けた操作情報、追記情報を記憶する。表示情報記憶部210に記憶する受診履歴情報、受診履歴ページ、処方箋情報、処方箋ページ、操作情報、追記情報は、携帯端末装置100との通信が切断されたと判断された場合に削除する。
【0021】
近距離無線通信部201は、情報端末装置200の通信領域に存在する情報端末装置100と無線通信する。近距離無線通信部201は、通信許可の要求を情報端末装置100に送信し、通信許可を情報端末装置100から受信する。また、近距離無線通信部201は、受診履歴情報の要求を送信し、受診履歴情報を受信する。近距離無線通信部201は、処方箋情報の要求を送信し、処方箋情報を受信する。近距離無線通信部201は、情報端末装置200で操作した操作情報や処方箋情報に対する追記情報を情報端末装置100に送信する。
【0022】
操作表示部202は、入力部と表示部とからなり、情報端末装置200がタブレット端末の場合は、液晶ディスプレイとタッチセンサを重畳して構成するタッチパネルである。表示部は、ページ生成部205で生成した受診履歴ページ、処方箋ページを表示する。受診履歴ページ、処方箋ページを表示する表示画面は、図3に示す表示画面31、32である。また、操作表示部202は、情報端末装置200で操作した操作情報に応じた表示画面や処方箋情報に対する追記情報を入力した表示画面を表示する。操作表示部202は、画面に対する操作や文字入力等を受付ける。操作表示部202は、タッチパネルのほか、ディスプレイとマウス、キーボード、音声入出力を制御するマイクロフォン、スピーカ、その他の入出力装置であってもよい。
【0023】
端末判断部203は、近距離無線通信部201で受信する、情報端末装置100の信号から、表示情報共有システム10で情報を共有する情報端末装置100であるか否かを判断する。
【0024】
操作情報生成部204は、操作表示部202で受付けた、画面に対する操作に応じた操作情報を生成する。操作情報生成部204は、例えば図3の表示画面31に示す受診履歴情報の1つの指示を受付けた場合、受付けた操作に応じた操作情報である受診履歴情報に対応する処方箋情報の要求を生成する。また、操作情報生成部204は、操作表示部202で画面のスクロールや拡大・縮小等の操作を受付けた場合、それらの操作に応じた操作情報を生成する。
【0025】
ページ生成部205は、近距離無線通信部201によって受信した受診履歴情報から受診履歴ページを生成する。ページ生成部205は、近距離無線通信部201によって受信した処方箋情報から処方箋ページを生成する。
【0026】
上述のように構成された表示情報共有システム10で実行する表示情報共有処理について説明する。図4、5は、情報端末装置100と情報端末装置200で実行する表示情報共有処理手順を示すフローチャートである。
【0027】
患者が携帯する情報端末装置100と薬剤師・医師が操作する情報端末装置200は、互いが近距離無線通信可能な領域に入ったときに無線通信を開始する(ステップS401)。情報端末装置200の近距離無線通信部201は、通信可能な情報端末装置100を検知する(ステップS402)。操作表示部202は、通信可能な情報端末装置100のうち、端末判断部203によって本処理の対象となる情報端末装置100を選択し表示する(ステップS403)。例えば、“お薬手帳_患者A”、“お薬手帳_患者B”、“利用者C”のように、近距離無線通信可能な領域に情報端末装置100があった場合、端末判断部203は“お薬手帳”を含む識別情報から本処理の対象となる情報端末装置100を選択し、“お薬手帳_患者A”、“お薬手帳_患者B”のみを表示する。
【0028】
操作表示部202は、画面に表示した通信可能な情報端末装置100から1つの選択を受付ける(ステップS404)。近距離無線通信部201は、選択した情報端末装置100に通信許可の要求を送信する(ステップS405)。
【0029】
情報端末装置100の近距離無線通信部101は、通信許可の要求を受信する(ステップS406)。操作表示部102は、通信許可の要求を表示し、情報端末装置200との通信を許可するか否かの入力を受付ける(ステップS407)。情報端末装置200との通信を許可しない旨の入力を受付けた場合(ステップS407:No)、処理を終了する。情報端末装置200との通信を許可する旨の入力を受付けた場合(ステップS407:Yes)、近距離無線通信部101は、情報端末装置200との通信を許可する旨を情報端末装置200に送信する(ステップS408)。
【0030】
情報端末装置200の近距離無線通信部201は、情報端末装置200との通信を許可する旨を受信する(ステップS409)。近距離無線通信部201は、受診履歴情報の要求を情報端末装置100に送信する(ステップS410)。
【0031】
情報端末装置100の近距離無線通信部101は、受診履歴情報の要求を受信する(ステップS411)。ページ生成部103は、処方箋情報記憶部110から受診履歴情報を取得する(ステップS412)。近距離無線通信部101は、受診履歴情報を情報端末装置200に送信する(ステップS413)。ページ生成部103は、取得した受診履歴情報から受診履歴ページを生成する(ステップS414)。操作表示部102は、ページ生成部103で生成した受診履歴ページを表示する(ステップS415)。
【0032】
情報端末装置200の近距離無線通信部201は、受診履歴情報を受信する(ステップS416)。ページ生成部205は、受信した受診履歴情報から受診履歴ページを生成する(ステップS417)。操作表示部202は、受診履歴ページを表示する(ステップS418)。これにより、情報端末装置100と情報端末装置200は、同一の画面が表示され、表示情報を共有することができる。操作表示部202は、受診履歴ページから受信履歴情報の選択を受付ける(ステップS419)。近距離無線通信部201は、選択した受信履歴情報に対応する処方箋情報の要求を情報端末装置100に送信する(ステップS420)。
【0033】
情報端末装置100の近距離無線通信部101は、受信履歴情報に対応する処方箋情報の要求を受信する(ステップS421)。ページ生成部103は、処方箋情報記憶部110から処方箋情報を取得する(ステップS422)。近距離無線通信部101は、処方箋情報を情報端末装置200に送信する(ステップS423)。ページ生成部103は、取得した処方箋情報から処方箋ページを生成する(ステップS424)。操作表示部102は、ページ生成部103で生成した処方箋ページを表示する(ステップS425)。
【0034】
情報端末装置200の近距離無線通信部201は、処方箋情報を受信する(ステップS426)。ページ生成部205は、受信した処方箋情報から処方箋ページを生成する(ステップS427)。操作表示部202は、ページ生成部205で生成した処方箋ページを表示する(ステップS428)。これにより、情報端末装置100と情報端末装置200は、同一の画面が表示され、表示情報を共有することができる。操作表示部202は、画面に対する操作を受付ける(ステップS429)。操作情報生成部204は、画面に対する操作から操作情報を生成する(ステップS430)。例えば、スクロール操作の場合は、画面に対するスクロール方向とスクロール距離を操作情報とする。近距離無線通信部201は、操作情報を情報端末装置100に送信する(ステップS431)。操作表示部202は、操作情報に応じ画面を表示する(ステップS432)。例えば、スクロール操作であれば、操作情報に応じ画面をスクロールする。
【0035】
情報端末装置100の近距離無線通信部101は、操作情報を受信する(ステップS433)。操作表示部102は、操作情報に応じ画面を表示する(ステップS434)。例えば、操作情報がスクロール操作である場合、情報端末装置200での表示と同様に画面をスクロールする。このように、患者の所持する情報端末装置100では、薬剤師・医師による操作に応じ情報端末装置200で表示する画面と同様の動きで画面を表示することができるため、患者は薬剤師・医師がどの画面を見ているかを自身の情報端末装置100で確認しながら説明を聞くことができる。
【0036】
情報端末装置200に戻り、操作表示部202は、処方箋に対する追記の入力を受付けたか否かを判断する(ステップS435)。処方箋に対する追記の入力の受付は、一例として、画面上の追記領域に文字入力することである。また、マイクロフォンによって入力された音声を文字変換し追記領域に入力してもよく、処方箋ページ上に丸や線等の図形や文字を指等で入力してもよい。処方箋に対する追記の入力を受付けていないと判断した場合は(ステップS435:No)、ステップS441に進む。処方箋に対する追記の入力を受付けたと判断した場合は(ステップS435:Yes)、操作表示部202は、追記情報を画面に表示する(ステップS436)。近距離無線通信部201は、追記情報を情報端末装置100に送信する(ステップS437)。
【0037】
情報端末装置100の近距離無線通信部101は、追記情報を受信する(ステップS438)。操作表示部102は、追記情報を画面に表示する(ステップS439)。これにより、薬剤師・医師が説明とともに画面に記載した内容が患者側でも確認することができ、患者の説明に対する理解が深まる。また、操作表示部102は、追記情報を受診履歴情報と処方箋情報とに対応付けて処方箋情報記憶部110に格納してもよい。追記情報を処方箋情報記憶部110に格納することによって、患者は説明の内容や注意点を後日確認することができる。
【0038】
操作表示部102または近距離無線通信部101は、通信を終了するか否かを判断する(ステップS440)。例えば、操作表示部102は、画面上に表示された患者が操作可能な通信切断ボタンの指示を受付けたか否かで通信を終了するか否かを判断する。また、近距離無線通信部101は、情報端末装置200との通信領域内ではないことを検知することで通信を終了するか否かを判断してもよい。通信を終了すると判断した場合は(ステップS440:Yes)、操作表示部102は、通信を終了した旨と初期画面を表示し、近距離無線通信部101は通信を終了する。通信を終了しないと判断した場合は(ステップS440:No)、ステップS415に戻る、または、情報端末装置200からの要求に応じ画面を表示する。
【0039】
情報端末装置200のステップ441に戻り、操作表示部202または近距離無線通信部201は、通信を終了するか否かを判断する(ステップS441)。情報端末装置100の場合と同様に、画面上に表示する通信切断ボタンの指示を受付けたか否か、または、情報端末装置100が通信領域内に存在しないことを検知したか否かによって、通信を終了するか否かを判断する。通信を終了すると判断した場合は(ステップS441:Yes)、操作表示部202または近距離無線通信部201は、表示情報記憶部210から情報端末装置100から受信した情報およびその情報から生成した情報、具体的には受信履歴情報、受信履歴ページ、処方箋情報、処方箋ページ、操作情報、追記されていれば追記情報を削除し(ステップS442)、さらに通信を終了した旨と初期画面を表示し通信を終了する。通信を終了しないと判断した場合は(ステップS441:No)、ステップS418に戻る、または、操作によって指示した画面を表示する。
【0040】
このように、患者の所有する情報端末装置100で保有する情報のうち、薬剤師・医師等の医療関係者と共有すべき情報のみを情報端末装置100と情報端末装置200で表示するため、患者は誤って医療に関係しない個人情報等を見られてしまう心配をする必要がなくなる。また、医療関係者の情報端末装置200での操作に応じ情報端末装置100と情報端末装置200とで同様の画面を表示することができるため、患者は手元で表示画面を確認しながら医療関係者の説明を聞くことができる。また、医療関係者は、患者の服用している処方薬を漏れなく確認することができるため、薬剤師であれば、薬の飲合せや服用の仕方等について適切なアドバイスをすることができる。医師であれば、薬を処方する際に、患者が現在服用している処方薬を把握することができるため、服薬による胃荒れを防ぐ胃腸薬等を重複し処方することがなくなり、無駄な薬を処方することを防ぐことができる。
【0041】
また、情報端末装置200で入力された処方箋に対する追記情報を情報端末装置100で確認でき、追記情報を処方箋に対応付けて記憶することによって後日医療関係者の説明の内容を確認することができる。
【0042】
他の実施例として、情報端末装置100の処方箋情報記憶部110は、処方箋情報に加えて、または処方箋情報に代えて、診察結果や血液検査結果、X線撮影やCT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonanse Imaging)の画像データを受診履歴情報に対応付けて記憶してもよい。これによって、患者は、自身の体や病気に関する情報を保有することができ、自由に医療関係者に相談することができる。医療関係者にとっても、過去の診察結果や検査状況を把握することができるため、より適切なアドバイスをすることができる。
【0043】
上述した実施例にかかる情報端末装置100、情報端末装置200のハードウェア構成は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置、通信制御装置等を備えた通常のコンピュータであり、ROMやRAM、HDD等に記憶されたプログラムをCPUが読み出し動作させることによって、上述した構成や機能を実現する。
【0044】
情報端末装置100、情報端末装置200で動作するプログラムは、患者用プログラム、医療関係者用プログラムとしてインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納しておき、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供したり、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、DVD、USBメモリ、SDカード等のコンピュータで読取り可能な記録媒体に記録し提供してもよい。また、上述した機能や処理を実現するプログラムは、API(Application Programming Interface)やSaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという利用形態で提供してもよい。
【0045】
なお、本発明は、上述した実施例そのままに限定されるものではなく、必ずしも物理的に図示のように構成されている必要はない。また、本発明は、実施例で説明した構成要素の全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じ、任意の単位で機能的または物理的に分割、統合、入替、変形または削除して構成することができる。
【符号の説明】
【0046】
10…表示情報共有システム、100…情報端末装置、101…近距離無線通信部、102…操作表示部、103…ページ生成部、110…処方箋情報記憶部、200…情報端末装置、201…近距離無線通信部、202…操作表示部、203…端末判断部、204…操作情報生成部、205…ページ生成部、210…表示情報記憶部
【要約】
【課題】大規模なシステムを必要とせず、患者自身が情報を管理できるとともに、医療関係者と容易に情報を共有することができる。
【解決手段】情報端末装置100は、近距離無線通信101が情報端末装置200から送信された通信許可の要求を受信し、操作表示部102が通信許可の要求に応じ、通信を許可するか否かの入力を受付け、通信を許可する旨を受付けた場合に、ページ生成部103が受診履歴情報を処方箋情報記憶部110から取得し、取得した受診履歴情報から受診履歴ページを生成し、近距離無線通信101が受診履歴情報を情報端末装置200に送信し、操作表示部102がページ生成部103の生成した受診履歴ページを表示する。情報端末装置200は、近距離無線通信201が受診履歴情報を受信し、ページ生成部103が受信した受診履歴情報から受診履歴ページを生成し、操作表示部202が受診履歴ページを表示する。
【選択図】図1
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図5