(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記乳化重合ポリマーが、ホモポリマーまたはコポリマーを含み、前記コポリマーが、統計コポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、または勾配コポリマーである、請求項1に記載の水性分散液。
請求項1〜3いずれか1項に記載の水性分散液および少なくとも1種の追加的塗料成分、コーティング剤成分、または接着剤成分を含む、塗料組成物、コーティング剤組成物、または接着剤組成物。
前記アルコキシアミン化合物が、N−(2−メチルプロピル)−N−(1−ジエチルホスホノ−2,2−ジメチルプロピル)−O−(2−カルボキシプロパ−2−イル)ヒドロキシルアミンである、請求項8または9に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の態様は、水性媒体中のポリマー粒子分散液、およびポリマー粒子分散液の製造に用いられる、重合形態におけるpH非感受性モノマーを含むリビングマクロ開始剤を含む。
【0013】
本明細書に用いられる「ラテックス」および「ポリマー粒子分散液」は交換可能に用いられ、当業者に知られた任意のポリマー粒子を包含し、これは、安定な水性コロイド分散液、エマルジョン、もしくは分散体またはそれから分離したポリマー粒子の形態であり得る。
【0014】
別に特定されない限り、本明細書に用いられる構成成分または成分の値は、各要素の重量パーセントまたは重量%で表される。本明細書に提供される全ての値は、与えられる終点の値を含み、また与えられる終点を含む。
【0015】
本発明の一実施形態において、水性媒体中のポリマー粒子分散液は、乳化重合ポリマーおよびマクロ開始剤を含み、このマクロ開始剤は、乳化重合ポリマーに共有結合した反応形態における親水性のpH非感受性モノマーを含む。乳化重合ポリマーは、(メタ)アクリレート類、スチレン類、(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリロニトリル類、およびそれらの混合物などの重合形態における少なくとも1種の追加的エチレン性不飽和モノマーから構成される。
【0016】
ポリマー粒子分散液は、反応形態または重合形態のマクロ開始剤を含む。したがって、モノマーが記述されている時、マクロ開始剤が反応形態におけるモノマーを含むことを当業者は理解されるであろう。言い換えると、ポリマーにおける反復単位は、その反復単位を形成したモノマーの「残基」として知られている。ポリマーは線状、分枝状、架橋状など、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。ポリマーはホモポリマー(すなわち1つのタイプのモノマーから構築されている)またはコポリマー(2つ以上のタイプのモノマーから構築されている)であり得る。コポリマーは、ランダムに、ブロックで、連続して、統計的に、勾配で、またはそれらの組み合わせで配置されたモノマー単位を有してもよい。勾配モノマーは、構造または組成が肉眼的には均一ではないが、サンプル中の位置の関数として変化する多成分ポリマーを含む。マクロ開始剤を製造する方法は以下に記載してある。
【0017】
マクロ開始剤は、制御(またはリビング)フリーラジカル重合過程時に、開始剤、安定化剤、および/または制御剤として作用する。エチレン性不飽和モノマーによるマクロ開始剤の連鎖延長によって、インサイチュで自己集合する両親媒性ブロックコポリマーが生じ、リビングミセルが形成される。リビング重合が続くと、これらのリビングミセルは、従来の界面活性剤を何ら必要とせずに自己安定化ポリマー粒子になる。連鎖延長後、マクロ開始剤はもはやリビング状態ではないが、最終ポリマー粒子分散液はリビング状態であり、界面活性剤フリーの乳化重合における複合ポリマー構造の合成を可能にする。
【0018】
リビングマクロ開始剤は、親水性のpH非感受性のモノマーまたはポリマーを含む。本明細書に用いられる「親水性」および「水溶性」は、水性媒体中に容易に溶解できるモノマーを記述するために交換可能に用いられる。特にこのモノマーは、電荷が極在化していて水素結合のできる親水性の分子またはその一部を含有してもよい。リビングマクロ開始剤はpH非感受性であり、周囲媒体のpHの変化に応答しない。例えば、pH非感受性のモノマーまたはポリマーは、pHの変化に応答して膨潤または崩壊しない。特に、効果的なpH非感受性のモノマーまたはポリマーは、pHに関わらずに水溶性を保つ。
【0019】
リビングマクロ開始剤は、任意の好適な水溶性およびpH非感受性のモノマーまたはポリマーを含んでもよい。好適な親水性かつpH非感受性のモノマーまたはポリマーは、以下から選択される置換基または官能基/官能性を担持するものを含んでもよい:−OH、CO
2H、SO
3H、アンモニウム、ホスホノ−(例えば、−PO
3H)、エポキシド、アミノ、アミド、およびそれらの塩。
【0020】
リビングマクロ開始剤は、非イオン性モノマー、アニオン性モノマー、カチオン性モノマー、および一分子中にアニオン性とカチオン性を有する両性モノマーを含んでもよい。非イオン性モノマーは、本質的にpH非感受性として一般に分類できる。好適な非イオン性モノマーとしては、例えば、N−ビニルピロリドン、アクリルアミドおよびメタクリルアミドならびにそれらの誘導体、およびアクリル酸ならびにメタクリル酸の誘導体が挙げられる。アニオン性モノマーはpH非感受性であり得、重合形態であってポリ(アクリル酸)よりも酸性であるものを含んでもよい。また、好適なpH非感受性モノマーとしては低いpKaを有する酸性モノマーを挙げることができる。当業者には明白であろうが、「低いpKa」の定義は、スルホネート類、ホスホネート類など、モノマー中の官能基に基づいて変わり得る。好適なアニオン性モノマーは、例えば、スルホン酸基またはリン酸基を有するアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、またはアクリレート類およびメタクリレート類から選択できる。
【0021】
典型的な一実施形態において、リビングマクロ開始剤は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)ならびにそれらの塩、ビニルベンジルホスホン酸ならびにそれらの塩、ジメチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、シロキサン官能モノマー、ならびにそれらの混合物から選択されるモノマーを含んでもよい。
【0022】
リビングマクロ開始剤は、重合形態におけるアクリロイル基(H
2C=CH−C(=O)−)およびスルホン酸基(−S(=O)
2−OH)を含むモノマーの水溶性塩の少なくとも1種を含んでもよい。特に、アクリロイル基およびスルホン酸基を含んでもよいモノマーは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)であり得る。
【0023】
モノマーは水溶性塩を含んでもよい。例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、およびアンモニウムなどの一価のカチオンが、塩を形成するために使用できる。したがって、例えば水溶性AMPS塩としては、AMPSNa、AMPSLi、AMPSK、AMPSNH
4などを挙げることができる。典型的な一実施形態において、モノマーは2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩またはビニルベンジルホスホン酸ナトリウムである。反応形態において、モノマー残基は「p」すなわち「重合化」として示すことができる(例えば、pAMPSNa)。
【0024】
リビングマクロ開始剤は、重合化形態において、以下の式を有してもよい:
R−{[(A)
x(B)
y]−Y}
nまたは1
式中、Aは親水性のpH非感受性モノマーであり、Bはコモノマーであり、Yは末端基であり、x≧1、y≧0、n≧2であり、式中のAとBは任意の順序または配列で生じてもよく、Rは式(I)または(III)である:
【化4】
式中、同一または異なるR
1とR
3は、1から3の炭素原子数を有する線状または分枝状のアルキル基を表し;R
2は水素原子、1から8の炭素原子数を有する線状または分枝状のアルキル基、フェニル基、アルカリ金属イオン、またはアンモニウムイオンを表し;Zはアリール基または式Z
1−[X−C(O)]
nの基であり、式中、Z
1は多官能構造を表し、Xは酸素原子、炭素基を担持する窒素原子、水素原子または硫黄原子である。
【0025】
Yとしては任意の好適な末端基を挙げることができ、これらは通常の当業者によって容易に確認されるであろう。末端基は、本明細書に記載された任意のモノマーからの末端モノマー単位であり得る。典型的な一実施形態において、YはR’であり、これは式(II)を含む:
【化5】
一実施形態において、Rはジメチルカルボキシル基であり、R’はN−tert−ブチル−N−(1−ジエチルホスホノ−2,2−ジメチルプロピル)ニトロキシドである。
【0026】
例えば、AがAMPSNaである場合、xは1超(例えばpAMPSNa)であり、yはゼロであり、マクロ開始剤は以下の形状となってもよく:
【化6】
ここでBB−MA由来のメタクリル酸断片はイオン化されている。
【0027】
pH非感受性モノマーは、アルコキシアミン開始剤(例えば、ニトロキシドを形成できる−N−O−結合を含有する開始剤)によって重合化され、マクロ開始剤を形成する。水性リビングマクロ開始剤溶液は、式(IV)または(V)を有するアルコキシアミン化合物の存在下で、親水性のpH非感受性モノマーの制御ラジカル重合の実施によって形成できる:
【化7】
式中、同一または異なるR
1とR
3は、1から3の炭素原子数を有する線状または分枝状のアルキル基を表す。R
2は水素原子、1から8の炭素原子数を有する線状または分枝状のアルキル基、フェニル基、アルカリ金属イオン、またはアンモニウムイオンを表す。Zはアリール基または式Z
1−[X−C(O)]
nの基であり、式中、Z
1は多官能構造を表し、Xは酸素原子、炭素基を担持する窒素原子、水素原子または硫黄原子であり;n≧2である。
【0028】
アルコキシアミン開始剤はニトロキシドベースのアルコキシアミン開始剤であることが好ましい。好適なニトロキシドベースのアルコキシアミンは、以下の式:
【化8】
を有するN−(2−メチルプロピル)−N−(1−ジエチルホスホノ−2,2,−ジメチルプロピル)−O−(2−カルボキシプロパ−2−イル)ヒドロキシルアミン(BLOCBUILDER(登録商標)またはBBまたはBB−MAとしても知られており、ペンシルベニア州フィラデルフィア所在のArkema Inc.から入手可能)である。
【0029】
BLOCBUILDER(商標)開始剤は、以下の式:
【化9】
を有するN−t−ブチル−N−(1−ジエチルホスホノ−2,2−ジメチルプロピル)ニトロキシド(SG1またはSG−1としても知られており、やはりArkema Inc.から入手可能)であるニトロキシド成分を含有する。
【0030】
アルコキシアミン化合物とpH非感受性モノマーとの間の反応をさらに制御するために、第2のまたは追加のニトロキシド化合物を加えることもできる。例えば、親水性のpH非感受性モノマーとアルコキシアミン化合物の制御ラジカル重合中に、N−t−ブチル−N−(1−ジエチルホスホノ−2,2−ジメチルプロピル)ニトロキシド(SG1)を添加することができる。
【0031】
親水性のpH非感受性モノマーまたはポリマーは、他のコモノマー(B)とも共重合できる。例えば、リビングマクロ開始剤の性質を改変するために、またはpH非感受性成分の必要量をより少なくすることでコストを減少させるために、他のコモノマーを選択することができる。好適なコモノマー(B)は、広範領域のpHにわたって本質的にアニオン性を保つものを含んでもよい。例えば、リビングマクロ開始剤は、親水性のpH非感受性モノマーと共重合した非スルホン化モノマーを含んでもよい。追加して、または代替として、リビングマクロ開始剤は、親水性のpH非感受性モノマーと共重合したスルホン化またはホスホン酸化モノマーを含んでもよい。
【0032】
ポリマー粒子分散液は、乳化重合ポリマー(C)を含む。乳化重合ポリマーは、重合形態における少なくとも1種の追加のエチレン性不飽和モノマーから構成されてもよい。例えば、乳化重合ポリマーは、(メタ)アクリレート類、スチレン類、(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリロニトリル類、およびそれらの混合物からなる群から選択される重合形態における1種または複数種のモノマーを含んでもよい。本明細書に用いられる指示「(メタ)」は、通常の当業者に認識されるように、任意選択の置換基を意味している。言い換えると、(メタ)アクリレート類は、アクリレート類およびメタクリレート類の双方を包含する。また、「アクリレート類」、「アクリルアミド類」などの指示は、本明細書に記載されたモノマーとして使用できる化合物のエステル類、塩類、および遊離酸を包含する。
【0033】
好適なアクリレート類としては、例えば、アクリル酸のC
1〜C
12アルキルエステル類が挙げられる。アクリルモノマーとしては、例えば、アクリル酸またはその塩類、アルキル;シクロアルキルまたはアリールアクリレート類;メチル、エチル、ブチル、エチルヘキシルまたはフェニルアクリレート;ヒドロキシアルキルアクリレート類;2−ヒドロキシエチルアクリレート;エーテルアルキルアクリレート類;2−メトキシエチルアクリレート類;アルコキシまたはアリールオキシポリアルキレングリコールアクリレート類;メトキシポリエチレングリコールアクリレート類;エトキシポリエチレングリコールアクリレート類、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート類、メトキシポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールアクリレート類またはそれらの混合物;アミノアルキルアクリレート類;2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート(DMAEA);アミン塩アクリレート類;[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリドまたはスルフェート;[2−(アクリロイルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムクロリドまたはスルフェート;フッ素化アクリレート類;シリル化アクリレート類またはリン含有アクリレート類;アルキレングリコールホスフェートアクリレート類などを挙げることができる。好ましいモノマーとしては、ブチルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレートなどを挙げることができる。
【0034】
好適なメタクリレート類としては、例えば、メタクリル酸のC
1〜C
12アルキルエステルを挙げることができる。メタクリレートモノマーとしては、例えば、メタクリルモノマー類;メタクリル酸またはその塩;アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたはアリールメタクリレート類;メチル、ラウリル、シクロヘキシル、アリルまたはフェニルメタクリレート類;ヒドロキシアルキルメタクリレート類;2−ヒドロキシエチルメタクリレートまたは2−ヒドロキシプロピルメタクリレート;エーテルアルキルメタクリレート類;2−エトキシエチルメタクリレート;アルコキシまたはアリールオキシポリアルキレングリコールメタクリレート類;メトキシポリエチレングリコールメタクリレート類、エトキシポリエチレングリコールメタクリレート類、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート類、メトキシポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールメタクリレート類またはそれらの混合物;アミノアルキルメタクリレート類;2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(MADAME);アミン塩類メタクリレート類;[2−(メタクリロイロキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリドまたはスルフェートおよび[2−(メタクリロイロキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムクロリドまたはスルフェート;フッ素化メタクリレート類;2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート;シリル化メタクリレート類;3−メタクリロイロキシプロピルトリメチルシラン;リン含有メタクリレート類;アルキレングリコールホスフェートメタクリレート類、ヒドロキシエチルイミダゾリドンメタクリレート、ヒドロキシエチルイミダゾリジノンメタクリレートおよび2−(2−オキソ−1−イミダゾリジニル)エチルメタクリレートを挙げることができる。
【0035】
好適なスチレン類としては、アルファメチルスチレン、2−クロロスチレン、4−クロロスチレン、ブロモスチレン、2,5−ジクロロスチレンおよび4−メトキシスチレンなどのスチレン、C
1〜C
4アルキル置換スチレンなどの置換スチレン類、スチレンスルホン酸ナトリウム、およびハロゲン化スチレン類を挙げることができる。好適なアクリルアミドおよびメタクリルアミドのモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、およびN−t−オクチル(メタ)アクリルアミドを挙げることができる。好適なアクリロニトリル類およびメタクリロニトリル類もまた当業者によって選択できる。
【0036】
リビングマクロ開始剤と少なくとも1種のモノマーとを反応させて、以下の式のポリマーを形成することができ:
R−{[(A)
x(B)
y]−[(C)
m]
p−Y}
nまたは1
式中Aは、親水性のpH非感受性モノマーであり、Bは、コモノマーであり、Cは、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーであり、Yは、末端基であり、x≧1、y≧0、m≧1、n≧2およびp≧1であり、p>1の場合、各Cのセグメントは、異なる組成を有し、AおよびBは、リビングマクロ開始剤内で任意の順序または配列で生じてもよく、Rは、式(I)または(III)であり;
【化10】
式中、同一かまたは異なるR
1およびR
3は、1から3の炭素原子数を有する線状または分枝状アルキル基を表し;R
2は、水素原子または1から8の炭素原子数を有する線状または分枝状アルキル基、フェニル基、アルカリ金属イオン、またはアンモニウムイオンを表し;Zは、アリール基または式Z
1−[X−C(O)]
nの基を表し、式中Z
1は、多官能構造を表わし、Xは、酸素原子、炭素基を担持する窒素原子、水素原子、または硫黄原子である。
【0037】
例えば、Yは、式(II)のR’であってもよい。
【化11】
【0038】
マクロ開始剤の少なくとも一部は、乳化重合ポリマーに共有結合している。言い換えれば、マクロ開始剤の全てが、乳化重合ポリマーに共有結合している必要はない。
【0039】
本発明の一実施形態において、乳化重合ポリマー粒子は、単一タイプモノマーのホモポリマー類、または2タイプ以上のモノマーのコポリマー類を含んでもよい。コポリマー類は、統計コポリマー、ランダムコポリマー、または勾配コポリマーであり得る。コポリマー類は、純粋な(メタ)アクリルブロック、混合(メタ)アクリルブロック、および混合(メタ)アクリル/スチレンブロックからなる群から選択される1つまたは複数のブロックを含有してもよい。一実施形態において、乳化重合ポリマー粒子は、ポリブチルアクリレートおよびポリメチルメタクリレートを含む。別の実施形態において、乳化重合ポリマーは、ポリブチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、およびポリスチレンを含む。さらに別の実施形態において、乳化重合ポリマーは、ポリブチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、およびポリメタクリル酸を含む。
【0040】
粒子分散液は、水性媒体中にある。好ましい水性媒体は水であるが、極性非プロトン性溶媒を含む他の水性溶媒もまた好適であり得る。水は、任意の好適なタイプ、例えば、蒸留水、脱イオン水、処理水などであり得る。水性媒体のタイプと量は、特に限定されないが、適切な乳化を達成し、所望の粒径および粒径分布を提供するための量で使用することができる。
【0041】
本発明は、全てのpH値で安定なポリマー粒子分散液を提供する。特に、分散液は、低いpH値(例えば、7未満)で安定である。本発明の一実施形態において、ポリマー粒子分散液は、7未満のpHを有する。これらの分散液は、約3のオーダーという極めて低いpHでも安定であることが判明した。このように、本発明は、典型的なラテックス製剤のpH感受性を減少、または除去した。したがって、pHは、特定の塩基性値に維持する必要はなく、必要なpHを維持または達成するための緩衝液を必要としない。
【0042】
安定なラテックスは、塗料組成物、コーティング剤組成物、または接着剤組成物などの適用に特に有効である。このように塗料組成物、コーティング剤組成物、または接着剤組成物は、乳化重合ポリマーとこの乳化重合ポリマーに共有結合した反応形態における親水性のpH非感受性モノマーを含むマクロ開始剤とを含む本明細書に記載されたポリマー粒子分散液を含んでもよい。
【0043】
塗料組成物、コーティング剤組成物、または接着剤組成物は、少なくとも1種の追加の塗料成分、コーティング剤成分、または接着剤成分を含むこともできる。塗料成分は当業者に知られており、例えば、顔料、結合剤、溶剤、触媒、増粘剤、安定化剤、乳化剤、テクスチャライザー、接着促進剤、UV安定化剤、フラットナー(脱光沢剤)、殺虫剤などを挙げることができる。コーティング剤成分も産業界によく知られており、例えば、脱泡剤、潤滑剤、可塑剤などを挙げることができる。接着剤成分もよく知られており、例えば、脱泡剤、硬化触媒、解離触媒、充填剤、レオロジー調節剤、抗酸化剤、顔料、粘着付与剤、可塑剤、接着促進剤、安定化剤、難燃剤などを挙げることができる。これらの添加物は、従来の様式で、またラテックスもしくは塗料組成物、コーティング剤組成物、または接着剤組成物の製造における任意の好適な時点で組み込むことができる。
【0044】
本発明の一実施形態において、ポリマー粒子分散液の製造方法は、水性媒体中、界面活性剤なしで少なくとも1種のモノマーとリビングマクロ開始剤とを反応させて少なくとも1種のモノマーの重合化を達成することを含んでおり、このリビングマクロ開始剤は、重合形態における親水性のpH非感受性モノマーを含み、少なくとも1種のモノマーは、エチレン性不飽和モノマーである。
【0045】
本明細書に用いられる「界面活性剤フリー」または「界面活性剤なし」とは、界面活性剤がないかまたはその微量のみを包含することを意味している。言い換えれば、界面活性剤は、反応媒体中に意図的には添加されない。
【0046】
マクロ開始剤は、当業界に知られた任意の好適な技法を用いて形成することができる。本発明の一実施形態において、マクロ開始剤は、親水性のpH非感受性モノマーと窒素−酸素結合を含むアルコキシアミン化合物との制御ラジカル重合を実施することによって形成される。
【0047】
制御ラジカル重合化は、ニトロキシド媒介重合(NMP)であってもよいし、可逆的付加−開裂連鎖移動(RAFT)重合であってもよい。ニトロキシド媒介重合(NMP)は、当業者によく知られており、増殖するラジカル濃度を、制御重合を可能にするレベルに制限することができる。可逆的付加−開裂連鎖移動(RAFT)重合もまた、当業者によく知られており、安定化されたラジカル中間体が、制限された末端反応により、モノマーによって再開始できるか、または増殖できるラジカルを再導入することから有効である。
【0048】
マクロ開始剤は、可逆的付加−開裂連鎖移動(RAFT)剤により製造することもできる。RAFT剤としては、例えば、N,N’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、ジベンジルトリチオカルボネート(DBTTC)、1−フェニルプロパ−2−イル−フェニルジチオアセテート;1−フェニルエチルフェニルジチオアセテート、クミルフェニルジチオアセテート、2−フェニルプロパ−2−イルジチオベンゾエート;1−フェニルプロパ−2−イルp−ブロモジチオベンゾエート;1−フェニルエチルジチオベンゾエート;2−シアノプロパ−2−イルジチオベンゾエート;4−シアノペンタン酸ジチオベンゾエート;1−アセトキシエチルジチオベンゾエート;ヘキサキス(チオベンゾイルチオメチル)ベンゼン;1,4−ビス(チオベンゾイルチオメチル)ベンゼン;1,2,4,5−テトラキス(チオベンゾイルチオメチル)ベンゼン;エトキシカルボニルメチルジチオアセテート;2−(エトキシカルボニル)プロパ−2−イルジチオベンゾエート;t−ブチルジチオベンゾエート;1,4−ビス(2−チオベンゾイルチオプロパ−2−イル)ベンゼン;4−シアノ−4−(チオベンゾイルチオ)ペンタン酸;ジベンジルトリチオカーボネート;カルボキシメチルジチオベンゾエート;s−ベンジルジエトキシホスフィニルドチオホルメート;2,4,4−トリメチルペンチ−2−イルジチオベンゾエート;2−(エトキシカルボキシル)プロパ−2−イルジチオベンゾエート;2−フェニルプロパ−2−イル1−ジチオナフタレート;2−フェニルプロパ−2−イル4−クロロジチオベンゾエートを挙げることができる。
【0049】
他の好適な成分を、本明細書に記載された任意の重合反応にも含むことができる。例えば、酸、塩類、連鎖移動剤、開始剤、還元剤、および制御剤を、リビングマクロ開始剤またはポリマー粒子分散液の製造に使用することもでき、任意の好適な時点で組み込むことができる。
【0050】
本発明の別の実施形態によれば、ラテックスを形成する製法は:
(a)親水性のpH非感受性モノマーと窒素−酸素結合を含むアルコキシアミン化合物とを反応させてリビングマクロ開始剤を形成すること;
(b)少なくとも1種のモノマー、リビングマクロ開始剤を含むが、界面活性剤を除外した水性エマルジョンを製造すること;
(c)重合条件下で前記エマルジョンを維持して分散されたポリマー粒子を含有するラテックスを提供すること、
を含む。
【0051】
親水性のpH非感受性モノマーとアルコキシアミン化合物とを、例えば、水中で反応させてマクロ開始剤を形成する。リビングマクロ開始剤は、水性溶媒または非水性溶媒中で形成することができる。リビングマクロ開始剤を、非水性溶媒中で形成する場合、リビングマクロ開始剤を、後で水性溶媒に溶解することができる。典型的な実施形態では、リビングマクロ開始剤を、水などの水性媒体中で形成し、リビングマクロ開始剤の水溶液を提供する。
【0052】
任意の好適な条件を選択して、マクロ開始剤を効率的に形成することができる。例えば、混合物を連続攪拌しながら、約90℃以上、例えば、90℃と130℃との間の温度に加熱することによって、重合を開始させることができる。モノマーまたはモノマー類が所望のポリマーへの変換に到達するまで、混合物を選択された温度に維持することによって重合を継続させる。例えば、これは、数時間程度であり得る。
【0053】
リビングマクロ開始剤は、水性エマルジョンに導入する前に精製または単離する必要はない。言い換えれば、リビングマクロ開始剤と未反応のモノマーを含有するステップ(a)から得られた混合物を、ステップ(b)に直接添加することができる。したがって、このようにして得られた水性リビングマクロ開始剤(例えば、未反応のAMPSモノマーを含有する)を、モノマー混合物と直接反応させることができる。
【0054】
少なくとも1種のモノマー、ステップ(a)で形成されたリビングマクロ開始剤、および溶媒を含むが、界面活性剤を除外したエマルジョンを製造する。重合条件下でエマルジョンを維持して分散したポリマー粒子を含有するラテックスを提供する。任意の好適な条件を選択して混合物をラテックスに効率的に変換することができる。例えば、マクロ開始剤は、重合を生じさせるのに十分な量で使用する。上記のとおり、乳化混合物を連続攪拌しながら、約90℃以上、例えば、90℃と130℃との間の温度に加熱することによって、重合を開始させることができる。ラテックスへの変換に到達するまで、乳化混合物を選択された温度に維持することによって重合を継続する。
【0055】
リビングマクロ開始剤の形成またはポリマー粒子分散液の形成において重合成分を組み合わせる様式は、モノマーの連続添加、モノマーの漸増添加、またはモノマー類全量の単一供給での添加(すなわち、バッチ式)など、種々の既知の供給法により可能である。モノマー類の導入前に重合添加物と共に水性媒体の全量が重合用容器に入っていてもよいし、そうではなく、水性媒体、またはその任意の一部を、重合過程時に連続的にまたは漸増させて添加してもよい。
【0056】
エマルジョンをさらに処理するために、好適な任意の方法を使用することができる。例えば、当業者に知られた技法を用いて、ポリマー粒子分散液はクエンチまたは追跡でき、それによって反応時間を短縮し、残留モノマー濃度のより低い生成物を製造することができる。言い換えれば、未反応のモノマーを消費するために、「追跡」ステップを用いることができる。残留モノマー類を重合させるために、過硫酸カリウムなどの従来の水溶性開始剤または、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシドおよびホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウムなどの開始剤/還元剤(「レドックス」)対を使用することができる。さらに、還元剤の添加により制御剤を破壊し、それによって重合の制御性を減少させながら速度を増加させることができる。
【0057】
重合後、得られた水性ポリマーラテックスの固体含量は、水の添加により、または水の除去、例えば、蒸留によって所望の濃度に調整することができる。所望ならば、水性分散液からポリマー粒子を回収することができる。ポリマー粒子の粒径は変わり得る。好適な粒径を重合から直接達成することができる。より大きな粒子を除去、または粒径分布を狭めるために、得られたラテックスのスクリーニングを用いることができる。
【実施例】
【0058】
実施例1:3kg/モルのポリ(AMPSNa)マクロ開始剤および界面活性剤フリーのポリ(AMPSNa−b−BA−b−BA/MMA/St)ラテックスの製造
2Lのステンレススチール製反応器に、以下の成分を秤量した:389.29gの50重量%のAMPS−Na(水性)、2.265gのSG1、481.515gの脱イオン水、24.805gのBB−MA(ペンシルバニア州フィラデルフィア所在のArkema Inc.から入手可能、6.50×10
-2モル、目標M
n約3.0kg/モル)、および17.296gの20重量%のNaOH(水性)。この混合物を、178.71gの脱イオン水で希釈し、窒素により10分間脱気する。この混合物を攪拌しながら、95〜105℃で4時間加熱する。生成物を回収した(約95%cvのAMPSNa)。この水性マクロ開始剤溶液(pAMPSNaまたは重合化AMPSNa)は、さらに精製することなく用いた。
【0059】
2Lのステンレススチール製反応器に、653.2gの脱イオン水、2.42gの炭酸ナトリウムおよび80.4gの水性p(AMPSNa)マクロ開始剤溶液を加えた。この均一性溶液に、16.8gのブチルアクリレート(BA)を加えた。この混合物を、攪拌しながら窒素で泡立たせてから、100℃で2時間加熱した(95%cvのBA)。得られたラテックスは、低粒径を有する約4.8%固体である。
【0060】
752gの上記ラテックスに、424.2gのBA、35.0gのスチレン、224.0gのメチルメタクリレート(MMA)を、攪拌しながら加えた。ポリマーを、MMAの92%変換まで反応させてから、残留モノマーを「追跡」するために従来のフリーラジカル開始剤を加えた。3.22gのホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウムおよび32.2gの脱イオン水の溶液をラテックスに加え、100℃で15分間保持し、次いで3.79gのn−オクチルメルカプタンを加えてから、1.89gのt−ブチルヒドロペルオキシドおよび16.5gの脱イオン水を加えた。モノマーの99+%を変換させるまで、このポリマーを108℃で2時間反応させた。
【0061】
実施例2:界面活性剤フリーの2.8kg/モルのポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)およびポリ(ヒドロキシエチルアクリレート−b−MMA)ラテックスの製造
非イオン性第一ブロックを、ヒドロキシエチルアクリレートから製造した。5.0400gのヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、9.949gの脱イオン水、0.174gの炭酸ナトリウム、および0.682gのBB−MA(1.79×10
-3モル、目標M
n約2.8kg/モル)を、90℃で3時間重合させた(98%cvのHEA)。
【0062】
この低分子量の水性p(ヒドロキシエチルアクリレート)溶液1.2626gを、11.424gの脱イオン水および3.514gのMMAを有するバイアルに加えた。この混合物を、100℃で1時間重合させると、MMAの65%変換に到達した。この粒径は二峰性であったが、ラテックスは安定であった。
【0063】
実施例3:界面活性剤フリーのポリ(AMPSNa−b−BA−b−MMA/BA−勾配)トリブロックコポリマーラテックスの製造
50kg/モルのpBA第一ブロックを、2kg/モルのp(AMPSNa)マクロ開始剤を用いて製造した。2Lのパール(Parr)高圧反応器に、257.7gの脱イオン水、0.43gのNaHCO
3、35.3gの14.4重量%水性p(AMPSNa)マクロ開始剤溶液(5.1gのp(AMPSNa)、2.54×10
-3モル、M
n約2.0kg/モル)および149.5gのブチルアクリレート(BA)を装填した。この反応器を密閉し、攪拌し、窒素を散布し、85%のBA変換が得られるまで120℃に加熱した。次いで反応器を室温まで冷却した。ラテックスには、28.4%固体および強度平均粒径、D
I=130nmを有した。
【0064】
p(MMA−コ−BA)勾配コポリマーの第二ブロックを、次のとおり製造した。80.5gのメチルメタクリレートを、上記ラテックスに加えた。この反応器を密閉し、攪拌し、窒素散布し、69.5%のMMA変換および残留BAの51%変換に到達するまで105℃に加熱した。この時点で、ラテックスは、36.9%の固体およびD
I=143.1nmを有した。反応器を105℃にして、0.61gのホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウムおよび10.0gの脱イオン水の溶液を、蠕動ポンプを介してこの反応器に装填した。1時間後、全てのモノマー変換が、>99+%であった。最終ラテックスは、42.6%固体およびD
I=158nmであった。ブロックコポリマーの組成は(GC変換に基づいた重量%で)、2.2%のp(AMPSNa)、55.6%のpBA、および42.2%のp(MMA
80.3%/BA
19.7%)であった。
【0065】
実施例4:界面活性剤フリーのポリ(AMPSNa−b−BA−b−MMA/MAA/BA−勾配)トリブロックコポリマーラテックスの製造
3kg/モルのpBA第一ブロックを、2kg/モルのp(AMPSNa)マクロ開始剤を用いて製造した。2Lのパール(Parr)高圧反応器に、853.3gの脱イオン水、3.57gのNa
2CO
3、0.14gのNaOH、39.80gの42.4重量%の水性p(AMPSNa)マクロ開始剤溶液(16.8gのp(AMPSNa)、5.60×10
-3モル、M
n約2.0kg/モル)および16.8gのブチルアクリレートを装填した。この反応器を密閉し、攪拌し、窒素散布し、100℃で1時間加熱すると、100%のBA変換が得られた。反応器を室温まで冷却した。ラテックスは、2.5%固体および強度平均粒径、D
I=373nmを有した。
【0066】
p(MMA−co−MAA−コ−BA勾配コポリマー)の第二ブロックを、以下のとおり製造した。246.8gのメチルメタクリレート、10.7gのメタクリル酸(MAA)、および428.54gのブチルアクリレートを、上記ラテックスに加えた。この反応器を密閉し、攪拌し、窒素散布し、108℃で10時間加熱し、次いで110℃で12時間加熱すると、97.5%のMMA変換、100%のMAA変換、および86.7%のBA変換(全体で91%のモノマー変換)を生じた。反応器を室温まで冷却した。ラテックスは、38.8%固体およびD
I=260nmを有した。
【0067】
従来のフリーラジカル開始剤により、残留モノマーを「追跡」した。上記のラテックスに、1.42gのn−オクチルメルカプタン、1.10gのホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウムおよび10.8gの脱イオン水の溶液を加えた。この反応器を密閉し、攪拌し、窒素散布し、70℃に加熱し、その後、0.7gのt−ブチルヒドロペルオキシドおよび6.0gの脱イオン水の溶液を、蠕動ポンプを介して反応器に装填した。70℃で1時間後、全てのモノマーの変換は、>99+%であった。最終ラテックスは、40.6%固体およびD
I=259nmを有した。ブロックコポリマーの組成は(GC変換に基づいた重量%で)、2.6%のp(AMPSNa)、2.6%のpBA、および94.9%のp(MMA
38.6%/MAA
1.7%/BA
59.6%)であった。
【0068】
実施例5:低pHにおける界面活性剤フリーのポリ(AMPSNa−b−BA−b−MMA/BA−勾配)トリブロックコポリマーラテックスの安定性
実施例3のラテックスの一定分量を、0.8%のHCl(水性)によりpH<3まで滴定した。
【0069】
【表1】
【0070】
実施例6:界面活性剤フリーの5kg/モルのポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート−コ−AMPSNa)およびポリ(HEMA/AMPS)−b−PMMAラテックスの製造
スルホネート/ヒドロキシル混合の第一ブロックを、ヒドロキシエチルメタクリレートから製造した。2.153gのヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、12.7742gの50重量%AMPS−Na(水性)、0.021gのSG1、1.580gの脱イオン水、および0.649gのBB−MA(1.79×10
-3モル、目標M
n5kg/モル)を、85℃で2時間重合させた(98%cvのHEMA)。
【0071】
1.7188gの上記低分子量水溶液を、11.1949gの脱イオン水および5.4146gのMMAを有するバイアルに加えた。この混合物を、90℃で2時間重合させると、MMAの33%変換に到達した。狭い分布(1.17)のDi=152であった。
【0072】
本明細書において本発明の好ましい実施形態を示し、記載したが、このような実施形態は、単なる例として提供されていることが理解されよう。本発明の意図から逸脱することなく、多くの変更、変化および置換が当業者に行われるであろう。したがって、添付の請求項は、本発明の意図および範囲内に入るような全ての変更を包含することが意図されている。