特許第5992179号(P5992179)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5992179
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】発光素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/38 20100101AFI20160901BHJP
   H01L 33/44 20100101ALI20160901BHJP
【FI】
   H01L33/38
   H01L33/44
【請求項の数】18
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-34105(P2012-34105)
(22)【出願日】2012年2月20日
(65)【公開番号】特開2012-253318(P2012-253318A)
(43)【公開日】2012年12月20日
【審査請求日】2015年2月10日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0053183
(32)【優先日】2011年6月2日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513276101
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ファニ
【審査官】 金高 敏康
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−087515(JP,A)
【文献】 特開昭60−201680(JP,A)
【文献】 特開2010−153814(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0062480(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0163599(US,A1)
【文献】 特開2007−134415(JP,A)
【文献】 特開2011−086907(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電型基板と、
前記導電型基板上に配置され、第1半導体層、第2半導体層、及び前記第1半導体層と
前記第2半導体層との間の活性層を有する複数の発光セルと、
前記第1半導体層の側面及び前記活性層の側面を覆うように配置された保護層と、
一つ以上の前記発光セルの前記第2半導体層を相互接続させる第1電極と
を備え、
前記保護層は、
前記第1半導体層の側面及び前記活性層の側面から前記発光セルのそれぞれの内部に延在する突出部を有し、
前記第1電極は、
前記第2半導体層の上部面及び前記発光セルの側面に配置され、前記第2半導体層の側面と接触する第2電極と、
前記第2半導体層の側面及び前記保護層の側面に配置され、隣接する発光セルのそれぞれの第2電極を相互接続させる接続電極とを有する、発光素子。
【請求項2】
前記第1半導体層及び前記活性層は、それぞれの側面から内部への第1溝を有し、前記保護層は、前記第1溝に挿入される前記突出部を有する、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記保護層は、前記第2半導体層の側面の一部をさらに覆うように配置され、
前記保護層が覆う前記第2半導体層の側面の一部は、内部への第2溝を有し、前記第2溝を埋め込むように前記保護層の一部が延在する、請求項1または2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記接続電極は、前記第2半導体層の側面と接触する、請求項1乃至3のいずれかに記載の発光素子。
【請求項5】
前記第2電極は、前記第2半導体層の縁領域、及び前記発光セルのそれぞれの外側面上に配置される、請求項1乃至のいずれかに記載の発光素子。
【請求項6】
前記接続電極は、
前記発光セルのそれぞれの内側面のうち少なくとも一つの内側面上に配置された第1接続電極と、
前記発光セル同士の間に位置する前記導電型基板上に配置された第2接続電極と、を備える、請求項に記載の発光素子。
【請求項7】
前記保護層は、前記第2接続電極と前記導電型基板との間に配置された部分を含む、請求項に記載の発光素子。
【請求項8】
前記第2電極は、前記第2半導体層の縁領域上に配置されている、請求項1に記載の発光素子。
【請求項9】
前記導電型基板は、
支持基板と、
前記支持基板上の反射層と、
前記支持基板と前記反射層との間の接合層と、
前記反射層上のオーミック層とを備え、
前記保護層は前記オーミック層上に配置されている、請求項1乃至8のいずれかに記載の発光素子。
【請求項10】
前記保護層は、前記オーミック層の側面を覆い、
前記保護層は、前記オーミック層の側面から内部に入り込む突起を有する、請求項9に記載の発光素子。
【請求項11】
前記保護層は、
前記導電型基板の縁領域上に配置された第1サブ保護層と、
前記発光セルのそれぞれの側面の一部を覆うように前記導電型基板上に配置された第2サブ保護層と、
前記発光セルの間に位置する導電型基板上に配置された第3サブ保護層とを備える、請求項1乃至10のいずれかに記載の発光素子。
【請求項12】
複数のサブ発光領域に区分されるように定義され、個別サブ発光領域に配置された第1半導体層、第2半導体層、及び前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に配置された活性層を有する発光構造物と、
前記複数のサブ発光領域のそれぞれにおける発光構造物の側面に配置された保護層と、
一つ以上の前記サブ発光領域の前記第2半導体層を相互接続させる第1電極と、
前記第1半導体層の下部に配置され、前記それぞれのサブ発光領域の前記第1半導体層を共通に接続させる第2電極層とを備え、
前記発光構造物の側面は、
前記発光構造物の上面と隣接する第1面と、
前記発光構造物の下面と隣接し、前記第1面と段差を有する第2面と、
前記第1面と前記第2面とを接続する第3面とを有し、
前記保護層は前記第2面及び前記第3面を覆い、
前記発光構造物の前記第1面、前記第2面の一部、及び前記第3面は、前記第2半導体層の側面であり、前記発光構造物の前記第2面の残りの一部は、前記活性層及び前記第1半導体層の側面であり、
前記第1電極は、
前記第2半導体層の上部面及び前記発光セルの側面に配置され、前記第2半導体層の側面と接触する第2電極と、
前記第2半導体層の側面及び前記保護層の側面に配置され、隣接する発光セルのそれぞれの第2電極を相互接続させる接続電極とを有する、発光素子。
【請求項13】
前記接続電極は、前記第2半導体層の側面と接触する、請求項12に記載の発光素子。
【請求項14】
前記保護層の外側面は、前記第1面と同一平面上に位置する、請求項12または13に記載の発光素子。
【請求項15】
前記保護層は、前記第2面と隣接する前記発光構造物の下面の縁領域を覆う、請求項12乃至14のいずれかに記載の発光素子。
【請求項16】
前記保護層は、前記第1電極が前記活性層及び前記第1半導体層と電気的に接触することを防ぐ、請求項1乃至15のいずれかに記載の発光素子。
【請求項17】
前記第2電極層は、前記発光構造物の下に配置される導電型基板を含む、請求項12に記載の発光素子。
【請求項18】
前記第2電極は、前記第2半導体層の縁領域、及び前記発光セルのそれぞれの外側面上に配置される、請求項12乃至17のいずれかに記載の発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、発光素子及びその製造方法並びに発光素子パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
窒化ガリウム(GaN)の金属有機化学気相蒸着法及び分子線成長法などの発達に伴い、高輝度及び白色光の具現が可能な赤色、緑色及び青色LED(Light Emitting Diode)が開発されている。
【0003】
かかるLEDは、白熱灯や蛍光灯などの既存の照明器具に用いられてきた水銀(Hg)のような環境有害物質が含まれていないため環境親和的であり、かつ、長寿命、低電力消費特性などの長所を有することから、既存の光源に取って代わるものとされている。このようなLED素子の肝心な競争要素は、高効率・高出力チップ及びパッケージング技術による高輝度の具現である。
【0004】
高輝度を具現するには光取り出し効率を高めることが重要である。光取り出し効率を高めるために、フリップチップ(flip−chip)構造、表面凹凸の形成(surface Texturing)、凹凸の形成されたサファイア基板(patterned sapphire substrate:PSS)、光結晶(photonic crystal)技術、及び反射防止膜(anti−reflection layer)構造などを用いる種々の方法が研究されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、発光効率を向上させることができる発光素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例に係る発光素子は、導電型基板と、前記導電型基板上に配置され、第1半導体層、第2半導体層、及び前記第1半導体層と前記第2半導体層との間の活性層を有する複数の発光セルと、前記第1半導体層の側面及び前記活性層の側面を覆うように配置された保護層と、1つ以上の前記発光セルの前記第2半導体層を相互接続させる第1電極とを備え、前記保護層は、前記第1半導体層の側面及び前記活性層の側面から前記発光セルのそれぞれの内部に延在する(extend)突出部を有する。
【0007】
前記第1半導体層及び前記活性層は、それぞれの側面から内部への第1溝を有し、前記保護層は、前記第1溝に挿入された前記突出部を有することができる。
【0008】
前記保護層は、前記第2半導体層の側面の一部をさらに覆うように配置され、前記保護層が覆う前記第2半導体層の側面の一部は、内部への第2溝を有し、前記第2溝を埋め込むように前記保護層の一部が延在してもよい。
【0009】
前記第1電極は、隣接している発光セルの第2半導体層を相互接続させることができる。
【0010】
前記第1電極は、前記第2半導体層の上部に配置された第2電極と、隣接している発光セルのそれぞれの第2電極を相互接続させる接続電極とを備えることができる。前記接続電極は、前記第1半導体層の側面及び前記保護層上に配置されるとよい。前記第1電極は、前記第2半導体層の側面に配置された第3電極をさらに備えることができる。
【0011】
前記第2電極は、前記第2半導体層の縁領域上に配置されるとよい。
【0012】
前記導電型基板は、支持基板と、前記支持基板上の反射層と、前記支持基板と前記反射層との間の接合層と、前記反射層上のオーミック層とを備え、前記保護層は、前記オーミック層上に配置されるとよい。
【0013】
前記保護層は、前記オーミック層の側面を覆い、前記保護層は、前記オーミック層の側面から内部に入り込む突起を有することができる。
【0014】
前記保護層は、前記導電型基板の縁領域上に配置された第1サブ保護層と、前記発光セルのそれぞれの側面の一部を覆うように前記導電型基板上に配置された第2サブ保護層と、前記発光セルの間に位置する導電型基板上に配置された第3サブ保護層とを備えることができる。
【0015】
他の実施例に係る発光素子は、複数のサブ発光領域に区分されるように定義され、個別サブ発光領域に配置された第1半導体層、第2半導体層、及び前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に配置される活性層を有する発光構造物と、前記複数のサブ発光領域のそれぞれにおける発光構造物の側面に配置された保護層と、1つ以上の前記サブ発光領域の前記第2半導体層を相互接続させる第1電極と、前記第1半導体層の下部に配置され、前記それぞれのサブ発光領域の前記第1半導体層を共通に接続させる第2電極とを備え、前記発光構造物の側面は、前記発光構造物の上面と隣接する第1面と、前記発光構造物の下面と隣接し、前記第1面と段差を有する第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面とを有し、前記保護層は、前記第2面及び前記第3面を覆う。
【0016】
前記第1面、前記第3面、及び前記第2面の一部は、前記第2半導体層の側面であり、前記第2面の残りの部分は、前記活性層及び前記第1半導体層の側面でよい。
【0017】
前記保護層の外側面は、前記第1面と同一平面上に位置してもよい。前記保護層は、前記第2面と隣接する前記発光構造物の下面の縁領域を覆うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施例は、発光効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施例に係る発光素子の平面図である。
図2図1に示す発光素子のAB線断面図である。
図3】第2実施例に係る発光素子を示す図である。
図4図3に示す発光素子のCD線断面図である。
図5】第3実施例に係る発光素子示す図である。
図6図5に示す発光素子のEF線断面図である。
図7図1に示すサブ発光領域の側面を示す図である。
図8】本発明の一実施例に係る発光素子を備える発光素子パッケージを示す図である。
図9A】本発明の一実施例に係る発光素子パッケージを備える表示装置を示す図である。
図9B図9Aに示す表示装置の光源部分の断面図である。
図10】本発明の一実施例に係る発光素子パッケージを含む照明装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例は、添付の図面及び実施例についての説明から明らかになるであろう。本発明の実施例の説明において、各層(膜)、領域、パターンまたは構造物が、基板、各層(膜)、領域、パッドまたはパターンの「上/上側(on)」にまたは「下/下側(under)」に形成されると記載される場合において、「上/上側(on)」または「下/下側(under)」に「直接(directly)」形成される場合も、「他の層を介在して(indirectly)」形成される場合も含むことができる。また、各層の上/上部または下/下部に対する基準は、図面を基準にして説明する。
【0021】
図面において、大きさは説明の便宜及び明確性のために誇張または省略して示されており、各構成要素の大きさは、実際の大きさを全的に反映するものではない。なお、図面中、同一の参照番号は同一の要素を指す。以下、添付の図面を参照して、実施例に係る発光素子及びその製造方法並びに発光素子パッケージについて説明する。
【0022】
図1は、第1実施例に係る発光素子100の平面図であり、図2は、図1に示す発光素子100のAB線断面図である。
【0023】
図1及び図2を参照すると、発光素子100は、第2電極層105、電流遮断層130、保護層135、発光構造物140、第1電極162乃至168、及び接続電極172乃至178を備える。
【0024】
第2電極層105は、導電型基板でよく、支持基板110、接合層112、バリアー層(barrier layer)115、反射層120、及びオーミック層125を含むことができる。第2電極層105は、図8に示す発光素子パッケージにおける第2金属層614と接触することができる。
【0025】
支持基板110は、発光構造物140を支持し、第1電極160と共に発光構造物140に電源を提供する。支持基板110は伝導性を有するもので、例えば、銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、銅−タングステン(Cu−W)のような金属物質、またはSi、Ge、GaAs、ZnO、SiC、及びSiGeの少なくとも一つを含む半導体物質で形成できる。
【0026】
接合層112は、支持基板110上に配置され、バリアー層115と支持基板110との間に挿入されて両者を接合させることができる。接合層112は、支持基板110をボンディング方式で接合するために形成されているもので、支持基板110をメッキや蒸着方法で形成する場合は接合層112は省略下面よい。接合層112は、Au、Sn、Ni、Nb、In、Cu、Ag及びPdの少なくとも一つを含むことができる。
【0027】
バリアー層115は、支持基板110の金属イオンが反射層115及びオーミック層120に拡散することを遮断する。例えば、バリアー層115は、Ni、Pt、Ti、W、V、Fe、Moの少なくとも一つを含み、単一層(single layer)または多層(multi layer)にすることができる。
【0028】
反射層120は、バリアー層115上に配置される。反射層120は、発光構造物140から入射する光を反射させて、光取り出し効率を改善させることができる。反射層120は、例えば、Ag、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、Hfの少なくとも一つを含む金属または合金で形成できる。
【0029】
また、反射層120は、金属または合金と、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)などの投光性伝導性物質とを用いて多層に形成してもよい。例えば、反射層118は、IZO/Ni、AZO/Ag、IZO/Ag/Ni、AZO/Ag/Niなどにすることができる。
【0030】
オーミック層125は、反射層120と発光構造物140との間に配置される。オーミック層125は、発光構造物140の第1導電型半導体層146にオーミック接触し、発光構造物140へ電源が円滑に供給されるようにする。
【0031】
例えば、オーミック層119は、In、Zn、Sn、Ni、Pt、及びAgの少なくとも一つを含むことができる。また、オーミック層119は、投光性伝導層と金属を選択的に用いることができ、例えば、オーミック層119は、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)、GZO(gallium zinc oxide)、IrO、RuO、RuO/ITO、Ni、Ag、Ni/IrO/Au、及びNi/IrO/Au/ITOの一つ以上を含み、単層または多層に形成できる。
【0032】
他の実施例では、オーミック層125を別に形成せずに、反射層12に用いられる物質を、第1導電型半導体層146とオーミック接触をする物質とすることでオーミック接触をなしてもよい。
【0033】
電流遮断層(Current Blocking Layer)130は、オーミック層125と第1導電型半導体層146との間に形成される。電流遮断層130の上面は第1導電型半導体層146に接触し、電流遮断層130の下面及び側面はオーミック層125に接触できる。
【0034】
電流遮断層130は、少なくとも一部が第1電極162乃至168とオーバーラップするように形成できる。これにより、第1電極162乃至168と支持基板110との間の最短距離で電流が集中する現象を緩和し、発光素子100の発光効率を向上させることができる。
【0035】
電流遮断層130は、反射層120またはオーミック層125に比べて電気伝導性の低い物質、第1導電型半導体層146とショットキー接触を形成する物質、または電気絶縁性物質を用いて形成できる。例えば、電流遮断層130は、ZnO、SiO、SiON、Si、Al、TiO、Ti、Al、Crの少なくとも一つを含むことができる。
【0036】
電流遮断層130は、オーミック層125と第2導電型半導体層146との間に配置される。または、他の実施例では、電流遮断層130は、反射層120とオーミック層125との間に配置されてもよい。
【0037】
電流遮断層130は、第1方向に第1電極162乃至168と一部がオーバーラップするように配置されるとよい。ここで、第1方向は、第2電極層105から発光構造物140に向かう方向でよい。電流遮断層130は、発光構造物140の特定部位に電流が集中する現象を緩和することで、発光素子100の発光効率を向上させることができる。
【0038】
電流遮断層130は、反射層120またはオーミック層125に比べて電気伝導性の低い物質、または第1導電型半導体層146とショットキー接触(Schottky contact)を形成する物質、または電気絶縁性物質で形成できる。例えば、電流遮断層130は、ZnO、SiO、SiON、Si、Al、TiO、Ti、Al、Crの少なくとも一つを含むことができる。
【0039】
発光構造物140は、第2電極層105上に配置される。例えば、発光構造物140は、オーミック層125及び保護層135上に配置できる。
【0040】
発光構造物140は、複数の3族−5族元素の化合物半導体層を含むことができる。発光構造物140は、第2電極層105上に、第1導電型半導体層146、活性層144、及び第2導電型半導体層142が順に積層された構造でよい。
【0041】
第1導電型半導体層146は、オーミック層125上に配置され、第1導電型ドーパントがドープされている3族−5族元素の化合物半導体で形成できる。第1導電型半導体層146は、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料、例えば、GaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPなどから選択でき、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどのp型ドーパントがドープされるとよい。
【0042】
活性層144は、第1導電型半導体層146上に配置され、第2導電型半導体層142及び第1導電型半導体層146から提供される電子(electron)と正孔(hole)の再結合(recombination)過程で発生するエネルギーにより光を生成することができる。活性層144は、単一量子井戸構造、多重量子井戸構造(MQW)、量子点構造または量子線構造のいずれか一つを含むことができる。
【0043】
例えば、活性層144が量子井戸構造である場合に、活性層144は、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する井戸層と、InAlGa1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)の組成式を有する障壁層と、を含む単一または量子井戸構造を有することができる。井戸層は、障壁層のエネルギーバンドギャップよりも小さいバンドギャップを有する物質で形成できる。
【0044】
第2導電型半導体層142は、活性層144上に配置され、第2導電型ドーパントがドープされている3族−5族元素の化合物半導体でよい。第2導電型半導体層142は、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料、例えば、GaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPなどから選択でき、Si、Ge、Sn、Se、Teなどのn型ドーパントがドープされるとよい。
【0045】
発光構造物140は、複数個の互いに隔たっているサブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)と、サブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)の間の境界領域Sと、を含むことができる。ここで、サブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)は、個別に発光可能であり、発光セル(emitting light cell)といえる。
【0046】
単位発光構造物140は、境界領域Sによって複数個のサブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)に区分でき、この場合、境界領域S上には保護層135が配置され、保護層135によってサブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)を定義できる。
【0047】
例えば、図1に示す発光構造物140は、4個のサブ発光領域P1〜Pn(n=4)、及びサブ発光領域P1〜P4の間に位置する境界領域Sを含む。
【0048】
サブ発光領域P1〜Pn(n=4)のそれぞれは、第1導電型半導体層146、活性層144及び第2導電型半導体層142が垂直方向に積層された形態でよい。ここで、垂直方向とは、第1導電型半導体層146から第2導電型半導体層142へ向かう方向、または、第2電極層105と垂直な方向でよい。そして、境界領域Sは、サブ発光領域P1〜P4によって露出される第2電極層105の一部分でよい。
【0049】
保護層135は、第2電極層105の縁領域、及びサブ発光領域P1〜P4の間に位置する第2電極層105部分(境界領域S)上に配置される。
【0050】
ここで、第2電極層105の縁領域は、単位発光素子を区分する基準線、例えば、スクライブライン(scribe line)から一定の距離K以内の第2電極層105の外郭領域でよい。スクライブラインは、単位発光素子を分離するためのウエハー上の切断線でよい。
【0051】
保護層135は、第2電極層105の縁領域上に配置される第1サブ保護層135−1、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれの側面の一部を覆うように第2電極層105上に配置される第2サブ保護層135−2、及びサブ発光領域P1〜P4の間における第2電極層105上に配置される第3サブ保護層135−3を含む。
【0052】
スクライブラインとサブ発光領域P1〜P4との間の第2電極層105上には第1サブ保護層135−1が配置されることから、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれは、第2電極層105の単位発光素子を区分する基準線から一定の距離隔たって第2電極層105上に配置されるとよい。
【0053】
第2サブ保護層135−2は、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれの第1導電型半導体層146の側面、活性層144の側面、第2導電型半導体層142の側面の一部を覆うことができる。ここで、第2導電型半導体層142の側面の残り他部は、第2サブ保護層135−2により露出される。
【0054】
第2サブ保護層135−2は、第1導電型半導体層146の側面、活性層144の側面、第2導電型半導体層142の側面の一部からサブ発光領域P1〜P4の内部に入り込むまたは拡張される第1突出部192を含むことができる。
【0055】
例えば、第1導電型半導体層146の側面、活性層144の側面、第2導電型半導体層142の側面は溝を有し、第2サブ保護層135−2が溝に挿入される形態にすることができる。
【0056】
第2サブ保護層135−2の第1突出部192の上部面は、活性層144と第2導電型半導体層142との境界面よりも高くてよい。第2導電型半導体層142の一部は、第1突出部192上に位置し、第1突出部192の上部面は第2導電型半導体層142と接することができる。第1突出部192の上部面と接する第2導電型半導体層142部分は、活性層144及び第1導電型半導体層146と垂直方向にオーバーラップしなくなる。
【0057】
また、第2サブ保護層135−2は、オーミック層125または/及び反射層120の側面を覆うことができる。ここで、第2サブ保護層135−2は、オーミック層125または/及び反射層120の側面から内部に入り込む第2突出部194を含むことができる。この場合、第2突出部194は、第1突出部192に比べて水平方向にさらに拡張されるとよい。そして、第2突出部194は、後述する第1電極162乃至168と垂直方向にオーバーラップすることができる。
【0058】
図7は、図1に示すサブ発光領域(例えば、P1)の側面10を示す図である。図7を参照すると、第2導電型半導体層142の上面に形成される凸凹(roughness)は、図7では省略する。
【0059】
図7を参照すると、サブ発光領域P1〜Pn(n=4)のそれぞれの発光構造物140の側面10は、第2導電型半導体層142、活性層144、及び第1導電型半導体層146のそれぞれの側面を含むことができる。以下、サブ発光領域の発光構造物の側面を「サブ発光領域の側面」という。
【0060】
サブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)の側面10は、互いに段差を有する第1面12と第2面16、及びこれらの面12,16を連結する第3面14を有することができる。
【0061】
第1面12は、サブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)の上面15に隣接し、第2面16は、サブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)の下面16に隣接し、第3面14は、第1面12と第3面16とをつなぐことができる。第3面14は、サブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)の上面15と水平でよい。
【0062】
第1面12と第2面16とは段差を有することができる。例えば、第1面12と第2面16は、水平方向(horizontal direction)の段差を有することができ、水平方向は、第1面から第2面へ向かう方向、または、第1面または第2面と垂直な方向でよい。段差により、第1面12で囲まれたサブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)の幅w1が、第2面16で囲まれたサブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)の幅w2よりも大きいことがある。
【0063】
サブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)の第1面12、第3面14、及び第2面16の一部16−1は、第2導電型半導体層142の側面でよい。そして、サブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)の第2面16の残りの一部16−2は、活性層144及び第1導電型半導体層146の側面でよい。
【0064】
図1及び図7を参照すると、第2サブ保護層135−2は、サブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)の第2面16を覆う。また、第2サブ保護層135−2は、サブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)の第3面14を覆い、第3面14と接することができる。
【0065】
第2サブ保護層135−2の外側面121は、サブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)の第1面12と同一平面上に位置できるが、これに限定されるものではない。
【0066】
第2サブ保護層135−2は、サブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)の発光構造物140の下面16と接することができる。例えば、第2サブ保護層135−2は、第2面16に隣接するサブ発光領域P1〜Pn(n>1の自然数)の発光構造物140の下面16の縁領域を覆うことができる。
【0067】
図1に示す実施例では、保護層135(例えば、135−1〜135−3)は、バリアー層115上に配置できるが、これに限定されるものではなく、他の実施例において、保護層135は、オーミック層125の縁領域、反射層120の縁領域、接合層112の縁領域、または支持基板110の縁領域の上に配置されてもよい。
【0068】
保護層135は、第2電極層105に比べて電気伝導性の低い物質、または第2導電型の半導体層146とショットキー接触(schottcky contact)を形成する物質、または電気絶縁性物質で形成できる。例えば、保護層135は、ZnO、SiO、Si、TiO(xは、正の実数)、またはAlなどのような電気絶縁物質で形成されるとよい。
【0069】
第2サブ保護層及び第3サブ保護層135−2,135−3は、後述する接続電極172が活性層144及び第1導電型半導体層146と電気的に接触することを防止する。また、第1サブ保護層135−1は、発光構造物140を単位チップに分離するためのアイソレーション(isolation)エッチング時に発光構造物140と第2電極層105との界面が剥離することを防止し、発光素子100の信頼性が低下する現象を抑えることができる。
【0070】
第1導電型の半導体層142の上面は、光取り出し効率を増大させるために凸凹(roughness)170が形成されてもよい。第1電極162乃至168は、発光構造物140上に配置される。
第1電極162乃至168は、サブ発光領域P1〜Pn(n=4)のそれぞれの第2導電型半導体層142上に配置される。図1に示す第1電極162乃至168の形状は、上面視で長方形であるが、これに限定されるものではなく、第1電極162乃至168は様々な形態が可能である。
【0071】
図1では、第1電極162乃至168の下部の第2導電型半導体層142に凸凹170が形成されていないが、これに限定されるものではなく、他の実施例では、第1電極162乃至168の下部の第2導電型半導体層142の部分に凸凹170が形成されてもよい。
【0072】
接続電極172乃至178は、サブ発光領域P1〜Pn(n=4)のそれぞれの第2導電型半導体層142上に配置される第1電極162乃至168を互いに接続させる。
【0073】
例えば、接続電極172は、サブ発光領域P1〜Pn(n=4)のいずれか一方(例えば、P1)に配置される第1電極162の一端と、サブ発光領域P1〜Pn(n=4)のいずれか他方(例えば、P2)に位置する第1電極164の一端とを接続させることができる。
【0074】
接続電極172乃至178は、サブ発光領域P1〜Pn(n=4)の側面、及び境界領域Sに位置する第2電極層105上に配置できる。
【0075】
接続電極172乃至178と境界領域Sにおける第2電極層105との間には、第3サブ保護層135−3を配置できる。また、接続電極172乃至178と活性層144との間、及び接続電極172乃至178と第1導電型半導体層146との間には、第2サブ保護層135−2を配置できる。また、接続電極172乃至178の一部は、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれの第2導電型半導体層142上に配置できる。
【0076】
例えば、第1接続電極172は、第1サブ発光領域P1上の第1電極162と第2サブ発光領域P2上の第1電極164とを電気的に接続させることができる。第2接続電極174は、第1サブ発光領域P1上の第1電極162と第3サブ発光領域P3上の第1電極166とを電気的に接続させることができる。第3接続電極176は、第3サブ発光領域P3上の第1電極166と第4サブ発光領域P4上の第1電極168とを電気的に接続させることができる。そして、第4接続電極178は、第4サブ発光領域P4上の第1電極168と第2サブ発光領域P2上の第1電極164とを電気的に接続させることができる。
【0077】
第1電極162乃至168及び接続電極172乃至178は、金属物質、例えば、Ti、Al、Al合金、In、Ta、Pd、Co、Ni、Si、Ge、Ag、Ag合金、Au、Hf、Pt、Ru及びAuのうちの一つ以上の物質または合金を含む物質で形成でき、その形態は単層または多層でよい。
【0078】
例えば、第1電極162乃至168及び接続電極172乃至178は、下部オーミック層、中間層、及び上部金属層を含むことができる。そして、下部オーミック層は、Cr、V、W、Tiの少なくとも一つを含み、中間層は、Pt、Pd、Ru、Rh、V、Ti、Ni、Al、Cu、Wの少なくとも一つを含み、上部金属層は、Auを含むことができる。
【0079】
第1実施例は、発光構造物140を複数のサブ発光領域P1〜P4に区分し、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれの第2導電型半導体層142上に第1電極162乃至168を配置するため、発光構造物140に電流を分散して供給することが可能になる。これにより、実施例は、電流集中を抑制し、発光素子100の発光効率を向上させることができる。
【0080】
また、第1実施例は、サブ発光領域P1〜P4同士の間の第2電極層105上に接続電極172乃至178が配置されるため、サブ発光領域P1〜P4から発生する光が接続電極172乃至178に吸収されることを防止し、発光効率を向上させることができる。
【0081】
また、第1実施例は、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれが並列に接続する複数の発光ダイオードである構造を有するため、発光構造物140に供給される電流がサブ発光領域P1〜P4のそれぞれに円滑に供給され、発光効率の向上が図られる。
【0082】
図3は、第2実施例に係る発光素子200を示す図であり、図4は、図3に示す発光素子200のCD線断面図である。図1及び図2に開示された実施例と同一の部分には同一の符号を付し、重複説明は省略する。
【0083】
図3及び図4を参照すると、発光素子200は、第2電極層105、電流遮断層130、保護層135、発光構造物140、第1電極210乃至240、及び接続電極172乃至176を含む。
【0084】
第1電極210乃至240は、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれにおける第2導電型半導体層142上に配置されるとともに、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれの側面上に配置される。第1実施例と異なる点は、第1電極210乃至240がサブ発光領域P1〜P4の側面を覆うということである。そのため、第1実施例に比べて、第2実施例は、発光構造物140に電流を一層分散させて供給し、発光効率をさらに向上させることができる。
【0085】
第1電極210乃至240と活性層144との間、及び第1電極210乃至240と第1導電型半導体層146との間には第2サブ保護層135−2が介在される。第2サブ保護層135−2は、活性層144及び第1導電型半導体層146から第1電極210乃至240を電気的に絶縁させる。
【0086】
また、第1電極210乃至240のそれぞれは、第3電極212,222,232,242、及び第4電極214,224,234,244を含む。第3電極212,222,232,242は、サブ発光領域P1〜P4における第2導電型半導体層142の上部面の縁領域上に配置される。ここで、第3電極212,222,232,242は、上面視で多角形(例えば、長方形)にしたが、これに限定されるものではない。また、第3電極212,222,232,242は、サブ発光領域P1〜P4の側面を覆うことができる。
【0087】
第4電極214,224,234,244は、第3電極212,222,232,242に接続するとともに、第3電極212,222,232,242の内部に配置される構成にすることができる。例えば、第4電極214は、第3電極212の一端と第3電極212の他端とを接続させることができる。
【0088】
第3電極212,222,232,242と活性層144との間、及び第3電極212,222,232,242と第1導電型半導体層146との間には、第2サブ保護層135−2を配置できる。
【0089】
接続電極172乃至176は、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれに配置される第3電極212,222,232,242を互いに接続させる。接続電極172乃至176は、サブ発光領域P1〜P4同士の間に位置する第2電極層105上に配置でき、接続電極172乃至176と第2電極層105との間には第3サブ保護層135−3を配置できる。
【0090】
図5は、第3実施例に係る発光素子300を示す図であり、図6は、図5に示す発光素子300のEF線断面図である。図1及び図2に開示された実施例と同一の部分には同一の符号を付し、重複説明は省略する。
【0091】
発光素子300は、第2電極層105、電流遮断層130、保護層135、発光構造物140、第1電極310、及び接続電極320を備える。
【0092】
第1電極310は、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれにおける第2導電型半導体層142の縁領域、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれの外側面、及びサブ発光領域P1〜P4の外側面の間の第2電極層105上に配置される。
【0093】
ここで、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれの外側面は、発光構造物140の側面に対応する側面であってもよい。または、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれの外側面は、第1サブ保護層135−1と隣接する側面であってもよい。
【0094】
一方、隣接するサブ発光領域P1〜P4の間に位置する側面を、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれの内側面と呼ぶ。または、境界領域Sに隣接するサブ発光領域P1〜P4の側面を内側面と呼ぶ。
【0095】
第1電極310は、第5電極312及び第6電極314を有する。第5電極312は、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれにおける第2導電型半導体層142の縁領域、及びサブ発光領域P1〜P4のそれぞれの外側面上に配置できる。そして、第6電極314は、サブ発光領域P1〜P4の第2導電型半導体層142を互いに接続させることができる。すなわち、第6電極314は、隣接するサブ発光領域P1〜P4に配置される第5電極312を互いに接続させることができる。
【0096】
第2サブ保護層135−2は、第1電極310と活性層との間、及び第1電極310と第1導電型半導体層146との間に配置でき、また、第1サブ保護層135−1は、第1電極310と第2電極層105との間にも配置できる。
【0097】
接続電極320は、第1電極310の一端と第1電極310の他端とを接続させることができ、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれにおける第2導電型半導体層142と接触できる。
【0098】
接続電極320は、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれの内側面の少なくとも一つの内側面上に配置される第1接続電極322、及び境界領域Sにおける第2電極層105上に配置される第2接続電極324を有することができる。この場合、第1接続電極322は、一部を、サブ発光領域P1〜P4のそれぞれの第2導電型半導体層142上に配置できる。
【0099】
例えば、接続電極320は、ある隣接する2個のサブ発光領域(P1及びP2)を接続させる第6電極314の第1部分と、他の隣接する2個のサブ発光領域(P3及びP4)を接続させる第6電極314の第2部分とを接続させることができる。
【0100】
第3サブ保護層135−3は、接続電極320と境界領域Sにおける第2電極層105との間に配置できる。第3サブ保護層135−3は、接続電極320が第2電極層105と電気的に接触することを防止する。
【0101】
第2実施例に比べて、第3実施例は、接続電極320が一挙にサブ発光領域P1〜P4上の第1電極310を接続させるため、電極パターンが簡単で、製作が容易である。
【0102】
図8に、実施例に係る発光素子を含む発光素子パッケージを示す。
【0103】
図8を参照すると、実施例に係る発光素子パッケージは、パッケージ胴体610、第1金属層612、第2金属層614、発光素子620、反射板625、ワイヤー630、及び封止層640を備える。
【0104】
パッケージ胴体610は、一側領域にキャビティー(cavity)が形成されている構造を有する。ここで、キャビティーの側壁は傾斜するように形成されるとよい。パッケージ胴体610は、シリコンベースのウエハーレベルパッケージ(wafer level package)、シリコン基板、炭化ケイ素(SiC)、窒化アルミニウム(aluminum nitride、AlN)などのように絶縁性または熱伝導度に優れた基板で形成でき、複数個の基板が積層されている構造でよい。実施例は、上述した胴体の材質、構造、及び形状に限定されない。
【0105】
第1金属層612及び第2金属層614は、熱排出や発光素子の装着を考慮して、互いに電気的に分離されるようにパッケージ胴体610の表面に配置することができる。発光素子620は、第1金属層612及び第2金属層614と電気的に接続する。ここで、発光素子620は、図1図3または図5に示す発光素子100,200,300でよい。
【0106】
例えば、図2に示す発光素子の第2電極層105は、第2金属層614に電気的に接続し、ワイヤー630によって第1電極162乃至168は第1金属層612に接合される。
【0107】
反射板625は、発光素子620から放出される光を所定の方向に向かわせるように、パッケージ胴体610のキャビティー側壁に形成される。反射板625は、光反射物質からなり、例えば、金属コーティングまたは金属薄片でよい。
【0108】
封止層640は、パッケージ胴体610のキャビティー内に配置されている発光素子620を包囲して、発光素子620を外部環境から保護する。封止層640は、エポキシまたはシリコンのような無色透明な高分子樹脂材質からなる。封止層640は、発光素子620から放出された光の波長を変化させるように、蛍光体を含むことができる。発光素子パッケージは、以上述べた実施例の発光素子の少なくとも一つを搭載できるが、これに限定されない。
【0109】
本発明の一実施例に係る発光素子パッケージは複数個が基板上にアレイされ、発光素子パッケージの光経路上に光学部材である導光板、プリズムシート、拡散シートなどが配置されるとよい。このような発光素子パッケージ、基板、光学部材は、バックライトユニットとして機能できる。
【0110】
他の実施例は、以上述べた実施例に記載された発光素子または発光素子パッケージを含む表示装置、指示装置、照明システムとすることができ、例えば、照明システムは、ランプ、街灯を含むことができる。
【0111】
図9Aは、実施例に係る発光素子パッケージを含む表示装置を示す図であり、図9Bは、図9Aに示す表示装置における光源部分の断面図である。
【0112】
図9A及び図9Bを参照すると、表示装置は、バックライトユニット、液晶表示パネル860、トップカバー(Top Cover)870、固定部材850を含む。
【0113】
バックライトユニットは、ボトムカバー(Bottom Cover)810と、ボトムカバー810の内部の一側に設けられる発光モジュール880と、ボトムカバー810の前面に配置される反射板820と、反射板820の前方に配置され、発光モジュール880から発される光を表示装置の前方に導く導光板830と、導光板30の前方に配置される光学部材840と、を含む。液晶表示装置860は光学部材840の前方に配置され、トップカバー870は液晶表示パネル860の前方に設けられ、固定部材850はボトムカバー810とトップカバー870との間に配置されて、ボトムカバー810とトップカバー870とを固定させる。
【0114】
導光板830は、発光モジュール880から放出する光が面光源の形態で出射されるように導く役割を果たし、導光板830の後方に配置される反射板820は、発光モジュール880から放出されている光を導光板830の方に反射させることで光効率を上げる役割を担う。ただし、反射板820は、同図のように、別個の構成要素にしてもよく、導光板830の背面やボトムカバー810の前面に、反射度の高い物質でコーティングされる形態にしてもよい。ここで、反射板820は、反射率が高いとともに超薄型に形成可能な素材を用いるとよく、ポリエチレンテレフタレート(PolyEthylene Terephtalate;PET)を用いることができる。
【0115】
そして、導光板830は、発光モジュール880から放出される光を散乱させて、液晶表示装置の画面全領域にわたって光が均一に分布するようにする。したがって、導光板830は、屈折率及び透過率に優れた材料とすればよく、例えば、ポリメチルメタクリレート(PolyMethylMethAcrylate;PMMA)、ポリカーボネート(PolyCarbonate;PC)、またはポリエチレン(PolyEthylene;PE)などで形成できる。
【0116】
そして、光学部材840が導光板830の上部に設けられて、導光板830から出射される光を所定角度に拡散させる。光学部材840は、導光板830により導かれてきた光を、液晶表示パネル860の方に均一に照射させる。
【0117】
光学部材840としては、拡散シート、プリズムシートまたは保護シートなどの光学シートが選択的に積層されてもよく、マイクロレンズアレイを用いてもよい。この場合、複数の光学シートを使用でき、光学シートは、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂またはシリコン樹脂などのような透明樹脂とすればよい。そして、上記のプリズムシート中に蛍光シートが含まれてもよいことは、上述した通りである。
【0118】
そして、光学部材840の前面には液晶表示パネル860を備えることができる。ここで、液晶表示パネル860に限定されず、光源を必要とする他の種類のディスプレイ装置を備えてもよい。
【0119】
ボトムカバー810上には反射板820が置かれ、反射板820の上には導光板830が置かれる。そのため、反射板820は放熱部材(図示せず)と直接接触することがある。発光モジュール880は、発光素子パッケージ881及び印刷回路基板882を備える。発光素子パッケージ881は、印刷回路基板882上に実装される。ここで発光素子パッケージ881は、図8に示す実施例のものでよい。
【0120】
印刷回路基板882は、ブラケット812上に接合するとよい。ここで、ブラケット812は、発光素子パッケージ880の固定の他、熱放出のために熱伝導率の高い物質で構成するとよい。図示せぬが、ブラケット812と発光素子パッケージ880との間には熱パッドを設け、熱伝達を容易にすることができる。そして、ブラケット812は、同図のように、「L」状に設けられ、横部812aはボトムカバー810によって支持され、縦部812bは印刷回路基板882を固定することができる。
【0121】
図10は、実施例に係る発光素子パッケージを含む照明装置の分解斜視図である。図10を参照すると、照明装置は、光を投射する光源750と、光源750が内蔵されるハウジング700と、光源750の熱を放出する放熱部740と、光源750及び放熱部740をハウジング700に結合させるホルダー760と、を含む。
【0122】
ハウジング700は、電気ソケット(図示せず)に結合するソケット結合部710と、ソケット結合部710と連結され、光源750が内蔵される胴体部730と、を含む。胴体部730には一つの空気流動口720が穿設されるとよい。
【0123】
ハウジング700の胴体部730上に複数個の空気流動口720が設けられ、空気流動口720は一つでも複数個でもよい。空気流動口720は、胴体部730に放射状に配置されてもよく、その他の様々な形態に配置されてもよい。
【0124】
光源750は、基板754上に設けられる複数個の発光素子パッケージ752を含む。基板754はハウジング700の開口部にはめ込まれるような形状であればよく、後述するように、放熱部740に熱を伝達するために、熱伝導率の高い物質からなるとよい。複数個の発光素子パッケージは、上述の実施例のいずれかでよい。
【0125】
光源750の下部にはホルダー760が備えられ、ホルダー760は、フレーム及び空気流動口を含むことができる。また、図示せぬが、光源750の下部には光学部材が設けられて、光源750の発光素子パッケージ752から投射する光を拡散、散乱または収斂することができる。
【0126】
以上実施例に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれるもので、必ずしも一つの実施例にのみ限定されるものではない。なお、各実施例で例示された特徴、構造、効果などは、実施例の属する分野における通常の知識を有する者であれば、他の実施例に対しても組み合わせまたは変形して実施可能である。したがって、それらの組み合わせ及び変形に関連した内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10