特許第5992191号(P5992191)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5992191
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】位置制御装置
(51)【国際特許分類】
   G05D 3/00 20060101AFI20160901BHJP
   G05B 19/404 20060101ALI20160901BHJP
   B23Q 15/00 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
   G05D3/00 V
   G05B19/404 E
   B23Q15/00 A
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-80171(P2012-80171)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-210809(P2013-210809A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2014年10月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000149066
【氏名又は名称】オークマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 知宏
【審査官】 稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−258922(JP,A)
【文献】 特開2007−058278(JP,A)
【文献】 特許第4115916(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 3/00
B23Q 15/00
G05B 19/404
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動対象を正逆両方向に駆動可能な送り軸の位置制御装置であって、
駆動方向の反転を検出し、このとき駆動対象の位置を基準位置として設定し、所定の解除条件が満たされるまで、この基準位置を維持する、基準位置設定部と、
基準位置が設定されてからの、駆動対象が移動した経路の長さである移動経路長を算出する移動経路長算出部と、
駆動方向の反転を検出し、このときの駆動対象の位置である反転位置から駆動対象が最も離れたときの、反転位置と駆動対象の距離のうち、前記基準位置が設定されてからの最大の距離である最大離隔距離を算出する最大離隔距離算出部と、
前記移動経路長が大きいほど、また前記最大離隔距離が小さいほど、より大きくかつ前記移動経路長が0のとき以上の、送り軸の駆動トルクの補償量を算出する補償量算出部と、
を有し、
前記解除条件は、前記反転位置から駆動対象が最も離れたときの、反転位置と駆動対象の距離が送り軸の摺動面に設けられた油溝の1ピッチを超えることである、
位置制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の位置制御装置であって、前記移動経路長が所定値を超えると、これを報知する報知部を有する、位置制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械等における送り軸(テーブル)の位置制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械の送り軸において、軸移動方向反転時に高精度に動作させるために各種の試みがなされている。軸移動方向反転時に高精度に動作させるためには、移動方向反転により向きが急に変化する摩擦力が主成分である外乱を補償する必要がある。公知の外乱オブザーバ等で外乱を推測し、軸移動方向反転時にその外乱推測値をトルク指令に補償することで、移動方向反転により向きが急に変化する摩擦力の外乱の影響が除去できる。その結果、軸移動方向反転時に高精度な送り軸の制御が可能となる。
【0003】
図3に従来制御のブロック図を示す。モータ10に取り付けられた位置検出器9の位置検出値Pmをフィードバック値として、位置指令演算器1から出力された位置指令Pcとの位置偏差Pdifを算出し、速度指令演算部3が位置偏差Pdifに基づき比例ゲインKpを乗算し速度指令Vc出力する。位置検出値Pmを微分器13が微分しモータの速度検出値Vmを出力する。速度指令Vcとモータの速度検出値Vmの偏差を減算器4により求め、速度偏差として出力する。この速度偏差と速度ループ比例ゲインPvと速度ループ積分ゲインIvに基づき速度偏差比例演算器5と速度偏差積分演算器6がそれぞれ速度偏差比例成分と速度偏差積分成分を出力し、加算器7が速度偏差比例成分と速度偏差積分成分を加算しトルク指令Tcを出力する。モータ位置検出値Pmを2回微分比例演算器20が2回微分し、イナーシャ値を乗じて駆動トルクTaを出力する。この駆動トルクTaと前記トルク指令Tcの偏差を減算器21より求め、ローパスフィルタ22においてローパスフィルタ処理し、外乱トルク絶対値|Tf|を算出する。微分器14は前記位置指令を微分し、符号演算器15が符号反転タイミングすなわち軸移動方向反転を検出し、符号を出力する。この符号と外乱トルク絶対値|Tf|を乗算器18が乗じ、外乱トルクTfを算出し、加算器23でトルク指令Tcに加算し、補償後トルク指令Tc’を出力する。記号8は、補償後トルク指令Tc’をフィルタリングする各種のフィルタ部と電流制御部を示す。
【0004】
軸移動反転時に外乱トルクを加算するため、移動方向反転によりその方向が急峻に変化する摩擦力が主成分である外乱を補償でき、高精度に制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4115916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図3に示した従来技術において、微少な範囲の位置を低速で繰り返し軸方向反転動作をさせた場合、送り軸の摺動面の潤滑油が少なくなり摩擦力が増大しても、動作が低速であるため、位置検出値を2回微分する前記外乱オブザーバが正確に外乱の大きさを検出できず、移動方向反転時に高精度な送り軸の制御ができない。図5に摺動面が初期状態と摩擦力が増大した場合の位置指令Pcが反転する際の摩擦力、外乱トルクTf、位置偏差Pdifの特性例を示す。点線で示すように摩擦力が図中aの大きさまで増大した際に、摩擦力は速度が低くなるほど大きくなるが、速度が低い状態では位置検出値の変化量が小さく、前記外乱オブザーバは、前記位置検出値を2回微分するため、分解能が低くなり正確に外乱の大きさを検出できず(図中b参照)、補償値がずれ、位置偏差Pdifが大きくなり、高精度な送り軸の制御ができない。また、潤滑油が少ない状態で軸動作させるため、摺動面に大きな負荷がかかり、摺動面を傷め機械寿命を短くする場合もあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る駆動対象を正逆両方向に駆動可能な送り軸の位置制御装置は、移動の向きが頻繁に変わる、つまり一方向に連続して移動する距離が短く、これを繰り返す場合(以下、反復短距離移動と記す。)に、この反復短距離移動が継続している間の移動した経路の長さと、反復短距離移動が継続している間の移動の向きが反転した位置からの距離の最大値と、に基づき、駆動トルクの補償量を算出する。
【0008】
より具体的には、まず、前記の反復短距離移動の開始点として、駆動方向が反転したときの位置を設定する。この位置を基準位置と記す。この基準位置は、解除条件が満たされるまで維持され、解除条件が満たされると基準位置は解除される。この解除条件は、一方向に連続して移動する距離が所定の値を超えることである。解除後、新たに駆動方向の反転が検出されると、このときの位置を新たに基準位置に設定する。基準位置が設定された時点から駆動対象が移動した経路の長さである移動経路長を算出する。一方、移動の向きが反転した位置から駆動対象が最も離れた距離が監視され、この距離のうち、前記基準位置が設定されてからの最大の値である最大離隔距離を算出する。そして、算出された移動経路長および最大離隔距離に基づき駆動トルクの補償量を算出する。
【0009】
好ましくは、前記移動経路長が大きいとトルク補償量が増加するようにし、また前記最大離隔距離が小さいとトルク補償量が増加するようにする。
【0010】
また、前記解除条件を、駆動対象が1方向に連続して移動する距離が、送り軸の摺動面に設けられた油溝の1ピッチを超えることとすることが好ましい。
【0011】
さらに、前記移動経路長が所定値を超えると、これを報知することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明による位置制御装置によれば、微少な範囲の位置を低速で繰り返し軸方向反転動作をさせた場合、送り軸の摺動面の潤滑油が少なくなり摩擦力が増大しても、移動経路長、最大離隔距離に応じて駆動トルクの補償量を変更できるため、高精度な送り軸の制御ができる。さらに、潤滑油が少ない状態で軸動作させた場合に、その状態を表示できるため、摺動面に大きな負荷がかかり、摺動面を傷め機械寿命を短くすることもなくなった。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態を示すブロック図である。
図2】本実施形態の補償トルク出力器を示すブロック図である。
図3】従来技術を示すブロック図である。
図4】本発明の効果を説明するための図である。
図5】従来の実施形態における課題を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について説明する。従来例と同一要素には同一符号を付しており説明は省略する。本実施形態の制御ブロック図を図1、2に示す。
【0015】
微分器14は、位置指令値Pcを微分し、この微分値に基づき符号演算器15が符号反転タイミングを検出する。位置指令値の微分値は速度となるので、速度の符号の反転は、駆動対象であるテーブル11の移動方向、すなわち送り軸の駆動方向が反転したことを意味する。符号演算器15は、送り軸の駆動の向きを示す符号を出力する。この符号と反転時の摩擦力の外乱の影響を除去するために予め設定した補償トルク値Tf16を乗算器18が乗じ、Tf’を出力する。位置指令Pcから補償トルク係数演算器17が補償トルク係数Ktを出力する。補償トルク係数Ktの算出については後に詳述する。Tf’と補償トルク係数Ktを乗算器19が乗じ、補償トルクTfcを出力する。加算器23でトルク指令Tcに加算し、補償後トルク指令Tc’を出力する。
【0016】
次に、補償トルク係数演算器17について説明する。工作機械の摺動面においては、可動部に油溝が等ピッチで設けてあり、可動部が移動することにより油溝に保持されている潤滑油が摺動面に広げられ供給されている。可動部の移動、特に連続する一方向の移動が油溝の1ピッチ以下であるときには、油膜が溝から摺動面へと十分に広がらず、潤滑油が不足気味となる。一方、可動部の連続する移動が油溝の1ピッチを越えると、潤滑油が摺動面に広く供給される。微少な範囲の位置を低速で繰り返し軸方向反転動作する反復短距離移動をさせた場合、送り軸の摺動面の潤滑油が少なくなり摩擦力が増大するが、補償トルク係数演算器17は、移動経路長および最大離隔距離に応じて最適なトルク指令となるように補償トルク係数Ktを出力する。移動経路長および最大離隔距離については後に詳述する。可動部の連続する移動が油溝の1ピッチを越え、摩擦力が低減された場合にも最適なトルク指令となるように、補償トルク演算器17は補償トルク係数Ktを出力する。
【0017】
図2には、補償トルク係数演算器17の詳細構成が示されている。補償トルク係数演算器17は、位置指令値Pcを入力とし、移動経路長演算器172にて反転後に移動したトータルの距離である移動経路長∫Pcを出力する。最大離隔距離演算器171は、軸移動方向が反転してから移動した距離のうち、移動経路長∫Pcの積算が継続している間の最大の値である最大離隔距離ΔPcを出力する。補償トルク係数演算部173は、移動経路長∫Pcと最大離隔距離ΔPcから、移動経路長∫Pcが大きくなった場合には前記補償トルク係数Ktとして大きな値を、最大離隔距離ΔPcが小さい場合は大きな値を出力する。さらに、最大離隔距離演算器171は、最大離隔距離ΔPcが予め設定した値を超えた場合には、移動経路長∫Pcを0リセットするための信号∫rstを出力し、移動経路長演算器172の移動経路長∫Pcを0リセットする。
【0018】
移動経路長演算器172の詳細は次のとおりである。位置指令値Pcを微分器17iで微分した値を絶対値化器17fが絶対値化し、その値を積算器17jが積算し、その積算値∫Pcを出力する。積算器17jの積算値は、信号∫rstにより0リセットされる。この0リセット信号∫rstは、積算の開始時点、または積算の基準位置を定める信号であり、積算値∫Pcは、基準位置から、または基準位置が設定されてから駆動対象が移動した経路の長さを示す。この積算値∫Pcが前述の移動経路長∫Pcである。
【0019】
最大離隔距離演算器171の詳細は次のとおりである。符号演算器17aは、位置指令値Pcを微分する微分器17mの出力より軸移動方向が反転する符号変化点を検出する。ラッチ回路17bは、符号演算器17aが検出した符号変化点における位置指令値Pccを軸移動方向が反転したときの位置指令としてラッチする。つまり、位置指令値Pccは、最新の、駆動対象の駆動方向が反転した位置(反転位置)を表す。この反転位置は、駆動対象である可動部の移動の向きが反転するごとに更新される。
【0020】
軸移動方向が反転した位置である反転位置からの距離として、ラッチされた位置指令値Pccと現時点での位置指令値Pcとの差を減算器17cが算出する。算出値を丸め器17nが係数17gの大きさの範囲内となるように丸め処理し、絶対値化器17oで絶対値化することで、係数17gで丸められた、基準位置からの絶対値化された距離であるΔPc’を算出する。比較器17eは、ΔPc’と遅延器17dに保持されたΔPcの前回値とを比較し、大きい値を最大離隔距離ΔPcとして出力する。また、遅延器17dに保持されている最大離隔距離ΔPcの前回値は、ラッチ回路17bのラッチタイミングで、係数17gより大きい場合には、比較器17pがリセット信号を出力し、0クリアされる。すなわち、最大離隔距離ΔPcは係数17gを超えない場合は、過去の履歴のうち一番大きい距離を出力し、係数17gを超えた場合は、0クリアされる。また、最大離隔距離ΔPcが係数17gを超えると、比較器17hは、0リセット信号∫rstを積器17jに出力し、この0リセット信号により前述したように移動経路長∫Pcが0リセットされる。
【0021】
移動経路長演算器172において、積算器17jは、0リセット信号∫rstが出力されるまで、速度の絶対値の積算を継続する。前述のように、0リセット信号は、最大離隔距離ΔPcが、係数17gを超えると出力される。可動部の移動の向きが0リセット信号出力後もそのまま維持されていると符号は変化しないので、ラッチ回路17bは以前の位置指令値Pccを維持する。したがって、最大離隔距離ΔPcはその後も大きくなり、0リセット信号∫rstが引き続き出力され、移動経路長∫Pcの実質的な積算は開始されない。移動体の移動の向きが反転すると、その時点でラッチ回路17bは新たな位置指令値Pccをラッチする。このラッチのタイミングで、比較器17pが最大離隔距離ΔPcと係数17gの比較を行う。前記のように最大離隔距離ΔPcは、最初に0リセット信号∫rstが出力されたときよりも大きくなっているから、遅延器17dの値を0リセットする。これにより、比較器17eの出力は、ラッチされた位置指令値Pccと、現在の位置指令値Pcの差分となる。この時点は、位置指令値がラッチ回路17bでラッチされた直後であるから、その差分は係数17gに比して小さく、0リセット信号∫rstが出力されなくなる。これにより、移動経路長∫Pcの積算が開始される。したがって、最大離隔距離演算器171は、可動部の反転を検出し、この反転の位置を移動経路長演算部172における移動経路長の積算の基準位置として設定する。この基準位置は、最大離隔距離ΔPcが係数17gを超えるまで維持され、超えると解除される。
【0022】
最大離隔距離ΔPcは、比較器17eにおいて今回と前回の値の大きい方の値であるので、ラッチ回路17bにラッチされている反転位置から可動部が最も離れたときの距離を表している。ただし、最大離隔距離ΔPcの前回値は、最大離隔距離ΔPcが係数17gを超えると0リセットされるので、最大離隔距離ΔPcは、前回0リセットされたときからの最大値を表す。比較器17pの参照値ref1は、比較器17hの参照値ref1と同じであるので、最大離隔距離ΔPcの前回値が0リセットされるのと、移動経路長演算器172の移動経路長∫Pcが0リセットされるのとは、同じタイミングとなる。
【0023】
補償トルク係数演算部173は最大離隔距離ΔPcと移動経路長∫Pcから補償トルク係数Ktを出力する。補償トルク係数演算部173の具体例を示す。最大離隔距離ΔPcと移動経路長∫Pcから補償トルク係数Ktを出力する例を図2の符号173にて説明する。ΔPcをパラメータとして∫Pcに対する補償トルク係数Kt値のテーブル又は関数を予め準備しておく。ΔPcにa<d<bの範囲のdが入力された場合は、a、bそれぞれの値におけるKt(a)、Kt(b)の値より直線補間によってKt(d)を算出する。
【0024】
最大離隔距離ΔPcが小さい場合(例えばΔPc=a)、すなわち微少な位置範囲で移動する場合、移動経路長∫Pcが大きくなると、送り軸の摺動面の潤滑油が少なくなるため摩擦力が増大する。しかし、補償トルク係数演算部173が1以上の補償トルク係数Ktを出力するため、増大した摩擦力に対する補償を実施したトルク指令Tc’が出力される。このため、高精度な送り軸の制御ができる。工作機械の摺動面においては、可動部に油溝が等ピッチで設けてあり、可動部が移動することで摺動面全体に潤滑油を供給し、摺動面の焼き付きを防止している。よって、係数ref1を摺動面の油溝の1ピッチに対応して設定しておくことで、移動の向きの反転後に、反転することなく油溝1ピッチ分移動体が動くと、ΔPcがref1を超えるので摺動面全体に潤滑油がいきわたる。この油溝1ピッチ分移動により、摩擦力が小さくなった場合には、移動経路長∫Pcが0リセットされるため、補償トルク係数演算部173は補償トルク係数Ktとして1を出力し、過補償となることはない。図4に摺動面が初期状態と摩擦力が増大した場合の位置指令Pcが反転する際の摩擦力、外乱トルクTf、位置偏差Pdifの特性例を示す。点線で示すように摩擦力が図中aの大きさまで増大した際に、補償トルクTfcは図中bのように図中aと同等の大きさを出力する。よって、摩擦力と補償値が大きくずれることがなく、位置偏差Pdifが小さくなり、高精度な送り軸の制御が可能となる。
【0025】
比較器17lは、移動経路長∫Pcが予め設定した係数ef2を超えた場合に、動作状態が機械の許容駆動条件を超えていることを検出し、その状態を表示する。その結果、潤滑油が少ない状態で軸動作させた場合に、摺動面に大きな負荷がかかり、摺動面を傷め機械寿命を短くすることもなくなった。
【符号の説明】
【0026】
1 位置指令演算器、2,4 減算器、3 速度指令演算部、5 速度偏差比例演算器、6 速度偏差積分演算器、7 加算器、8 各種フィルタ部,電流制御部、9 モータ位置検出器、10 モータ、11 テーブル、12 ボールネジ、13,14 微分器、15 符号演算器、16 補償トルク値、17 補償トルク係数演算器、171 最大離隔距離演算器、172 移動経路長演算器、173 補償トルク係数演算部、17a 符号演算器、17b ラッチ回路、17c 減算器、17d 遅延器、17e,17h,17l,17p 比較器、17f,17o 絶対値化器、17g,17k 係数、17i,17m 微分器、17j 積算器、17n 丸め器、20 演算器、21 減算器、22 ローパスフィルタ。
図1
図2
図3
図4
図5