【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決することを目的とする。
【0009】
本発明の第1の態様は、クリーンルームと、少なくとも一種のプロセス圧力によりプラスチックプリフォームを成型するためのブロー成形金型を備える少なくとも1つのブローステーションと、プロセス圧力もしくは回収圧力に減圧されたプロセス圧力を大気に
開放する
開放デバイスとを備えたプラスチックプリフォームをプラスチック容器に成形する装置に関し、この
開放デバイスは、消音器を介してプロセス圧力もしくは回収圧力を大気に
開放することが可能である少なくとも1つの
開放バルブを備えている。
【0010】
本発明の目的は、上記本発明の第1の態様である、クリーンルームと、少なくとも一種のプロセス圧力によりプラスチックプリフォームを成型するためのブロー成形金型を備える少なくとも1つのブローステーションと、プロセス圧力もしくは回収圧力に減圧されたプロセス圧力を大気に
開放する
開放デバイスとを備えるプラスチックプリフォームをプラスチック容器に成形する装置により達成され、ここで、
開放デバイスは少なくとも1つの
開放バルブを備えており、これにより、プロセス圧力もしくは回収圧力は消音器を介して大気に
開放されることが可能であり、上記成形装置は、
開放デバイスにおいて大気圧レベルに達する前に、
開放バルブを閉じる圧力低下安全デバイスを備える。
【0011】
本発明による上記圧力低下安全デバイスにより、
開放バルブにおいては、プラスチックプリフォームを成形するための圧力手段の流体流れ方向は、常に
開放デバイスから出る方向となることが確実に保証されることとなり、その結果、細菌等が、クリーンルームの外部から
開放デバイス通って(特に
開放バルブを通って)クリーンルームに侵入し、上記クリーンルームを汚染することが、構造的にきわめて簡便に阻止できることとなる。
【0012】
上記の場合において、大気圧に達する前に
開放バルブが閉じられることが好ましい。このようにすることで、プラスチック容器もしくは上記成形装置の無菌ゾーンに細菌が侵入するリスクを低減させる。好ましくは、
開放バルブは、遅くとも、以下に説明するとおり、仕上げブロー成形されたプラスチック容器において予め規定された正圧に達した時に閉じられる。この処置により、一方向のみへの空気の流れが担保されるので、プラスチック容器のある方向へ細菌が拡散することを防止できる。装置のブローノズルが持ち上げられる場合に、プラスチック容器から少しでも残圧が
開放されることが好ましい。これにより、消音器が衛生的には最適ではない場合であっても使用することができる。
【0013】
本発明の第2の態様は、クリーンルーム中のブロー成形金型を用いてプラスチックプリフォームをプラスチック容器に成形する方法に関し、プラスチックプリフォームは、第1のプロセス圧力によりブロー成形金型中で成形され、予備成形されたプラスチックプリフォームが、その後第2のプロセス圧力によってブロー成形金型中で仕上げ成形され、第2のプロセス圧力が仕上げ成形の直後に
開放バルブを介して大気中に
開放されるか、または、第2のプロセス圧力が回収圧力に減圧され、この回収圧力が
開放バルブを介して大気に
開放される。
【0014】
本発明の目的は、上記本発明の第2の態様である、クリーンルーム中のブロー成形金型を用いてプラスチックプリフォームをプラスチック容器に成形する方法により達成され、ここで、プラスチックプリフォームは第1のプロセス圧力によりブロー成形金型中で予備成形され、その後予備成形されたプラスチックプリフォームが第2のプロセス圧力によりブロー成形金型中で仕上げ成形され、第2のプロセス圧力は、仕上げ成形の直後に
開放バルブを介して大気に
開放されるか、または、第2のプロセス圧力は、回収圧力に減圧され、この回収圧力が
開放バルブを介して大気に
開放され、前記方法は、プロセス圧力もしくは回収圧力が
開放されつつ、大気圧レベルに達する前に、または、大気圧レベルに達するに伴って、
開放バルブが閉じられる。
【0015】
開放プロセスにおいて、大気圧レベルに達する前に
開放バルブが既に閉じられていることが好ましく、これにより、汚染を完全に排除できる。
【0016】
代替的なプロセスとして、大気圧レベルに到達しようとしている間に
開放バルブを閉じることもできるが、これは、
開放バルブへの、および、クリーンルーム側の方向への細菌の拡散のリスクが上記の場合よりは高まるかもしれない。
【0017】
上記態様において、本発明の目的は、クリーンルームと、少なくとも一種のプロセス圧力によりプラスチックプリフォームを成型するためのブロー成形金型を備える少なくとも1つのブローステーションと、および、プロセス圧力もしくは回収圧力に減圧されたプロセス圧力を大気に
開放する
開放デバイスとを備えるプラスチックプリフォームをプラスチック容器に成形する装置によっても達成され、ここで、
開放デバイスは少なくとも1つの
開放バルブを備えており、これにより、プロセス圧力もしくは回収圧力は消音器を介して大気に
開放されることができる。上記成形装置は、
開放デバイスが、少なくとも
開放バルブにおいて防汚圧力を維持するための圧力維持装置を有する圧力低下安全デバイスを備えており、この防汚圧力はプロセス圧力もしくは回収圧力と大気圧との間であることとしてもよい。
【0018】
クリーンルーム中の成形装置の構成要素および/またはアセンブリの汚染は、特に
開放デバイスにおける圧力を、
開放バルブが閉じられるまで常に大気圧より高く維持することにより、とても簡便に防止することができる。
【0019】
この構造物を必要としない細菌バリアにより、クリーンルームの外部からクリーンルーム内部への細菌の移動を、きわめて簡素な方法で完全に防止することができる。特に、上記細菌バリアは実体を伴わないので、実質的に維持管理が不要となる。
【0020】
閉じられる前の
開放バルブは、プロセス圧力または回収圧力と大気圧との間のレベルの防汚圧力が常に加えられていることが好ましい。
【0021】
ここで、プロセス圧力についての変形例として、常に大気圧より高い防汚圧力が、ブロー成形金型に対向する
開放バルブの接続側で少なくとも一時的に調整されることとしてもよい。
【0022】
さらに、防汚圧力は、5bar未満のレベル、好ましくは2bar未満のレベルであることが好ましい。このようにすることで、この低い圧力は、構造的に簡便な方法で、ブローステーションに直接配置されたブローノズルを持ち上げることによっても効果的にに
開放されることができる。このようにすることで、クリーンルーム中にさらなる
開放バルブの配置を省略することができる。
【0023】
さらなるプロセス圧力についての変形例では、防汚圧力がクリーンルーム中に、および、特にプラスチック容器に
開放されることとしてもよい。このようにすることで、全圧の除去を、プロセス工学の観点から特に簡便な方法により達成することができる。
【0024】
上記圧力低下安全デバイス、および、特に防汚圧力を維持するための維持手段がは多様に設計することができる。
【0025】
設計が特に簡便である上記第1の態様では、
開放バルブを閉じるための圧力低下安全デバイスに、機械的に作動可能なバルブピストン(特にバネ付勢バルブピストン)のための機械式予圧バネが備えられていることとしてもよい。このような構成は故障が生じにくいため、維持管理の必要性もきわめて低い。
【0026】
ここで、バネ付勢は、一旦プラスチック容器内が予め規定されたプロセス圧力に達すると、バネの力によりバルブピストンが閉止位置に移動するよう調整されることとしてもよい。
【0027】
このような予圧バネの強度は、
開放バルブの所望される閉止時間もしくは所望される防汚圧力に応じて選択または調整されることが好ましい。バネの予圧は、調整機構により予め調整されることとしてもよい。
【0028】
上記構成に関して、
開放バルブを閉じるために、圧力低下安全デバイスが、非接触的に作動可能であるバルブピストン(特に空気圧式バネ付勢バルブピストン)のための空気圧式予圧バネを備えていることとしてもよい。このようにすることで、低摩擦性の予圧バネを実現することができる。
【0029】
このような空気圧式の予圧は追加の制御ピストンにより構成される。空気圧は、一旦プラスチック容器内が予め規定されたプロセス圧力に達すると、空気圧による予圧によりバルブピストンが閉じるよう、圧力コントローラにより調整されることとしてもよい。必要な場合には、空気圧式の予圧のための追加の圧力コントローラの省略を可能とするために、装置に既に存在している制御空気を用いることができる。
【0030】
ここで、空気圧式予圧ピストンの直径は、一旦プラスチック容器内が予め規定されたプロセス圧力に達すると
開放バルブが閉じるようなものであることを基
準に選択すればよい。この点において、閉止力は、加圧空気のレベルおよび/またはピストン径のサイズを介するような、構造的に簡便な方法で調整することができる。
【0031】
さらに好ましくは、
開放バルブを閉じるための圧力低下安全デバイスに空気圧制御バルブによって作動可能であるバルブピストンが備えられており、この空気圧制御バルブは、防汚圧力に応じて制御可能であることとしてもよい。このようにすることで、防汚圧力または
開放バルブの閉止時間の調整を、きわめて高いレベルで柔軟に行うことができる。
【0032】
上記圧力低下安全デバイスは、圧力低下安全デバイスが
開放バルブを備えている場合に構造的にきわめて簡便に実現することができる。つまり、圧力低下安全デバイスは、既存の
開放バルブにそのまま少なくとも部分的に一体化されていることが好ましい。
【0033】
大気圧に達する前の適切な時間で
開放バルブを閉じることを可能とするために、圧力低下安全デバイスが、クリーンルーム側および/またはブロー成形金型側でプロセス圧力または回収圧力を検知する検知装置を備えていることが好ましい。
【0034】
必要に応じて、成形装置に既存の圧力センサーのいずれかが上記検知のために用いられることとしてもよい。
【0035】
上記構成
に加えて、または、上記構成に代えて、チェックバルブが、
開放デバイス領域の上もしくはその中に設けら
れることとしてもよい。このようなチェックバルブによって、クリーンルームに向かう空気の流れのあらゆるリスクをも軽減することができる。
【0036】
本発明が奏するさらなる効果並びに本発明の目的および特徴を、成形装置と様々に操作される圧力低下安全デバイスを有する種々の
開放バルブとが記載されている添付の図面および以下に続く実施形態の記載によって説明する。