特許第5992362号(P5992362)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5992362拡張アップリンクをサポートするMACレイヤアーキテクチャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5992362
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】拡張アップリンクをサポートするMACレイヤアーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20090101AFI20160901BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20160901BHJP
   H04W 72/14 20090101ALI20160901BHJP
   H04W 28/22 20090101ALI20160901BHJP
【FI】
   H04W72/12 150
   H04W28/04 110
   H04W72/14
   H04W28/22
【請求項の数】20
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-102409(P2013-102409)
(22)【出願日】2013年5月14日
(62)【分割の表示】特願2011-114992(P2011-114992)の分割
【原出願日】2005年4月29日
(65)【公開番号】特開2013-153542(P2013-153542A)
(43)【公開日】2013年8月8日
【審査請求日】2013年6月13日
(31)【優先権主張番号】60/568,944
(32)【優先日】2004年5月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/578,533
(32)【優先日】2004年6月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596008622
【氏名又は名称】インターデイジタル テクノロジー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ステファン イー.テリー
(72)【発明者】
【氏名】チャン グゥオドン
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ジー.ディック
【審査官】 桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】 3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network;Feasibility St,3GPP TR 25.896 V2.0.0 (2004-03),3GPP,2004年 3月,全文,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_36/Docs/Zips/R1-040392.zip
【文献】 LG Electronics,Further issues on L2/L3 protocols in E-DCH,TSG-RAN Working Group 2 #41 R2-040418,2004年 2月16日,全文,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_41/Docs/R2-040418.zip
【文献】 Siemens,EUDTCH Considerations[online], 3GPP TSG-RAN WG1#30 R1-030023,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_30/Docs/Zips/R1-030023.zip>,2003年 1月 7日
【文献】 Telecom MODUS,Robust feedback scheme for closed loop rate control in E-DCH.[online], 3GPP TSG-RAN WG1♯32 R1-030547,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_32/Docs/Zips/R1-030547.zip>,2003年 5月19日
【文献】 Nokia,Two threshold NodeB packet scheduling[online], 3GPP TSG-RAN WG1#29 R1-021277,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_29/Docs/Zips/R1-021277.zip>,2002年11月 5日
【文献】 Nokia,Scheduling Scheme Comparison[online], 3GPP TSG-RAN WG1#33 R1-030730,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_33/Docs/Zips/R1-030730.zip>,2003年 8月25日
【文献】 InterDigital,Text Proposal on Enhanced Uplink MAC Architecture for TS 25.309[online], 3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2004_06_Rel_6 R2-041276,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_AHs/2004_06_Rel-6/Docs/R2-041276.zip>,2014年 6月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送信/受信ユニット(WTRU)であって、前記WTRUは、
エンハンストアップリンク(EU)チャネルを通じてデータを送信するためアップリンクリソースについての要求を送信する手段であって、前記アップリンクリソースについての要求は、無線リンクの制御データのトラフィック量を考慮することによって決定され、前記アップリンクリソースについての要求は、個別のデータフローについてのトラフィック量インジケータおよびトラフィック量測定値を含む、手段と、
アップリンクリソースグラントを受信する手段および処理する手段と、
MAC−d(medium access control for dedicated channel)フローデータの割り当てを複数のMAC−dフローの各々に関連付けられるプライオリティに従って管理する手段と、
MAC−dフローデータをMAC−e(medium access control for enhanced uplink) PDU(protocol data unit)に多重化する手段と、
前記MAC−e PDUの送信のためにエンハンストアップリンクトランスポートフォーマット組合せ(E−TFC)を選択する手段であって、前記E−TFCは、前記アップリンクリソースグラントに少なくとも基づいて選択される、手段と、
複数のハイブリッド自動再送要求(H−ARQ)プロセスの一つを使用して前記EUチャネルを通じて前記MAC−e PDUを送信する手段と
を備えWTRU。
【請求項2】
前記アップリンクリソースについての要求はNode−Bに送信され、前記アップリンクリソースグラントは前記Node−Bから受信される請求項1に記載のWTRU。
【請求項3】
前記E−TFCは、最大許可送信電力に基づいて選択される請求項1に記載のWTRU。
【請求項4】
前記MAC−dフローは論理チャネルに関連付けられ前記E−TFCは論理チャネルプライオリティに基づいて選択される請求項1に記載のWTRU。
【請求項5】
更新された、アップリンクリソースについての要求を送信する手段をさらに備えた請求項1に記載のWTRU。
【請求項6】
前記H−ARQプロセスは、前記WTRUおよびNode−Bの間で同期される請求項1に記載のWTRU。
【請求項7】
前記アップリンクリソースグラントは絶対グラントであり、前記絶対グラントは前記WTRUが使用することができるアップリンクリソースの最大量の絶対的な限界を提供する請求項1に記載のWTRU。
【請求項8】
前記アップリンクリソースグラントは相対グラントであり、前記相対グラントは以前使用されていた値と比べてリソースの限界を増大させ、または減少させる請求項1に記載のWTRU。
【請求項9】
前記多重化する手段は、MAC−dフローの許可された組合せを多重化することの影響下にあり、前記MAC−dフローの許可された組合せは、無線ネットワークから受信される請求項1に記載のWTRU。
【請求項10】
前記無線ネットワークは、無線ネットワークコントローラ(RNC)である請求項9に記載のWTRU。
【請求項11】
無線送信/受信ユニット(WTRU)によって実行される方法であって、前記方法は、
エンハンストアップリンク(EU)チャネルを通じてデータを送信するためアップリンクリソースについての要求を送信するステップであって、前記アップリンクリソースについての要求は、無線リンクの制御データのトラフィック量を考慮することによって決定され、前記アップリンクリソースについての要求は、個別のデータフローについてのトラフィック量インジケータおよびトラフィック量測定値を含む、ステップと、
アップリンクリソースグラントを受信し、および処理するステップと、
MAC−d(medium access control for dedicated channel)フローデータの割り当てを複数のMAC−dフローの各々に関連付けられるプライオリティに従って管理するステップと、
MAC−dフローデータをMAC−e(medium access control for enhanced uplink) PDU(protocol data unit)に多重化するステップと、
前記MAC−e PDUの送信のためにエンハンストアップリンクトランスポートフォーマット組合せ(E−TFC)を選択するステップであって、前記E−TFCは、前記アップリンクリソースグラントに基づいて選択される、ステップと、
複数のハイブリッド自動再送要求(H−ARQ)プロセスの一つを使用して前記EUチャネルを通じて前記MAC−e PDUを送信するステップと
を備え方法。
【請求項12】
前記アップリンクリソースについての要求はNode−Bに送信され、前記アップリンクリソースグラントは前記Node−Bから受信される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記E−TFCは、最大許可送信電力に基づいて選択される請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記MAC−dフローは論理チャネルに関連付けられ前記E−TFCは論理チャネルプライオリティに基づいて選択される請求項11に記載の方法。
【請求項15】
更新された、アップリンクリソースについての要求を送信するステップをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記H−ARQプロセスは、前記WTRUおよびNode−Bの間で同期される請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記アップリンクリソースグラントは絶対グラントであり、前記絶対グラントは前記WTRUが使用することができるアップリンクリソースの最大量の絶対的な限界を提供する請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記アップリンクリソースグラントは相対グラントであり、前記相対グラントは以前使用されていた値と比べてリソースの限界を増大させ、または減少させる請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記多重化するステップは、MAC−dフローの許可された組合せを多重化することの影響下にあり、前記MAC−dフローの許可された組合せは、無線ネットワークから受信される請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記無線ネットワークは、無線ネットワークコントローラ(RNC)である請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線送受信ユニット(WTRU)およびノードBを含む無線通信システムに関する。より詳細には、本発明は、無線通信システムの拡張アップリンク(EU)をサポートする媒体アクセス制御(MAC)レイヤアーキテクチャおよび機能に関する。
【背景技術】
【0002】
アップリンク(UL)のカバレッジ、スループット、および伝送待ち時間を改善するための方法は、3GPP(Third Generation Partnership Project)のリリース6において研究されている。これらの方法を首尾よく実装するために、ULの物理リソースのスケジューリングおよび割り当ては、無線ネットワーク制御装置(RNC)からノードBへ移され、RNCがノードBの全体的制御を維持するとしても、ノードBは、RNCよりも短期ベースで効率的にUL無線リソースを決定し、管理することが可能である。
【0003】
1つまたは複数の独立したUL伝送は、WTRUと一般的な移動通信システム(UMTS)の地上波無線アクセスネットワーク(UTRAN)との間の拡張された専用チャネル(E−DCH)で共通の時間間隔内で処理される。この一例は、MACレイヤのハイブリッドオートマティックリピートリクエスト(hybrid-automatic repeat request)(H−ARQ)や単純なMACレイヤのARQ動作であり、それぞれの別個の伝送は、異なる伝送番号がUTRANによって首尾よく受信されることを必要とする場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、EUをサポートする改善されたMACレイヤアーキテクチャおよび機能に関する。MAC−eエンティティと呼ばれるEUについての新たなMACエンティティは、定義され、WTRU、ノードB、およびRNCに組み込まれる。WTRUのMAC−eは、H−ARQの伝送と再伝送、優先処理、MAC−e多重化、およびトランスポートフォーマットコンビネーション(transport format combination)(TFC)選択を処理する。ノードBのMAC−eエンティティは、H−ARQの伝送と再伝送、拡張された専用チャネル(E−DCH)のスケジューリング、およびMAC−e逆多重化を処理する。RNCのMAC−eエンティティは、インシーケンス配信(in-sequence delivery)を提供し、かつ異なるノードBからのデータの結合を処理する。
【0005】
WTRUのMAC−eは、EUレート要求/割り当てエンティティ、優先処理エンティティ、TFC選択エンティティ、およびH−ARQエンティティを備える。EUレート要求/割り当てエンティティは、E−DCHを介してデータを伝送し、かつノードBから受信されるレート付与(rate grant)を処理するためにノードBにレート要求(rate request)を送信する。優先処理エンティティは、伝送されるデータのプライオリティに従ってデータの割り当て、およびH−ARQ処理を管理する。TFC選択エンティティは、データのTFCを選択する。H−ARQエンティティは、ノードBからの伝送フィードバックに従ってデータを再伝送する。ノードBのMAC−eは、スケジューラ、デマルチプレクサ、およびH−ARQエンティティを備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明に係る無線通信システムのブロック図である。
図2】本発明に係るWTRUのプロトコルアーキテクチャのブロック図である。
図3】本発明に係るWTRUにおけるMAC−eアーキテクチャのブロック図である。
図4】本発明に係るノードBにおけるMAC−eアーキテクチャのブロック図である。
図5】本発明に係るWTRUとノードBとの間の信号処理に加えて、WTRUとノードBのMAC−eアーキテクチャのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、「WTRU」という用語は、ユーザ機器、移動局、固定式または移動式の加入者装置、ページャ、または無線環境において動作可能な他の種類のデバイスに限定されないが含む。以下で参照する場合、「ノードB」という用語は、基地局、サイトコントローラ、アクセスポイント、または無線環境においてインターフェースで接続する他の種類のデバイスに限定されないが含む。
【0008】
本発明の特徴は、集積回路(IC)に組み込むことが可能であり、または相互接続する複数のコンポーネントを備える回路に構成されることが可能である。
【0009】
図1は、本発明に係る無線通信システム10のブロック図である。システム10は、WTRU100、ノードB200、およびRNC300を備える。RNC300は、ノードBおよびWTRU100についてのEUパラメータ、例えば、初期伝送電力レベル、許可されたEU伝送電力の最大値、またはノードBごとの利用可能なチャネルリソースを構成することによって全体的なEU動作を制御する。WTRU100とノードB200との間で、E−DCH102は、EU伝送をサポートするために確立される。
【0010】
E−DCH伝送のために、WTRU100は、レート要求をULのEU信号チャネル104を介してノードB200に送信する。それに応じて、ノードB200は、レート付与をダウンリンク(DL)のEU信号チャネル106を介してWTRU100に送信する。EUの無線リソースがWTRU100に割り当てられた後、WTRU100は、E−DCHデータをE−DCH102を介して伝送する。E−DCH伝送に応答して、ノードBは、H−ARQ動作についての確認応答メッセージ(ACK)または非確認応答メッセージ(NACK)をDLのEU信号チャネル106を介して送信する。ノードB200は、E−DCHデータ伝送に応答してレート付与でWTRU100に応答することも可能である。
【0011】
図2は、本発明に係るE−DCH102のプロトコルアーキテクチャのブロック図である。MAC−eと呼ばれるEUについての新たなMACエンティティは、WTRU100、ノードB200、およびRNC300において生成され、E−DCHの伝送および受信に関するすべての機能を処理する。MAC−eエンティティ120は、MAC−dエンティティ130と物理レイヤ(PHY)エンティティ110との間でWTRU100に組み込まれる。WTRU100のMAC−e120は、H−ARQの伝送と再伝送、優先処理、MAC−e多重化、およびTFC選択を処理する。MAC−eエンティティ220は、H−ARQ伝送と再伝送、E−DCHスケジューリング、およびMAC−e非多重化を処理するノードB200に組み込まれる。MAC−eエンティティ320は、RNC300に組み込まれ、インシーケンス配信を提供し、異なるノードBからのデータの結合を処理する。
【0012】
図3は、本発明に係るWTRU100におけるMAC−e120のアーキテクチャのブロック図である。WTRUのMAC−e120は、EUレート要求/割り当てエンティティ122、優先処理エンティティ124、TFC選択エンティティ126、およびH−ARQエンティティ128を備える。注目すべきは、図3は本発明の好ましい実施形態の一例として提供され、図3に示されるエンティティは共通のMAC機能エンティティに組み込まれることが可能であり、その機能はおおよそ機能エンティティによって実装されることが可能である、ということである。
【0013】
EUレート要求/割り当てエンティティ122は、WTRU100がE−DCH102を介して伝送されることを待つE−DCHデータを有する場合、ノードB200に無線リソースを要求することに関与する。EUレート要求は、各データフローについてのトラフィック量インジケータ、要求されるデータ転送速度、TFCインデックス、およびトラフィック量測定値(TVM)量の1つである場合がある。レート要求は、物理レイヤ信号またはMACレイヤ信号を介してノードB200に送信されることが可能である。レート要求は、無線リンク制御(RLC)のデータのTVMに基づいて生成される。TVMは、E−DCH伝送のデータのトラフィック量を含むことが可能であり、動作中のH−ARQ処理とともに再伝送を待つデータを選択的にさらに含むことが可能である。
【0014】
WTRU100がノードB200からレート付与(すなわち、レート、および/またはタイムスケジューリング)を受信する場合、(WTRUは1つより多いノードBからレート付与を受信することが可能であり)、EUレート要求/割り当てエンティティ122は、リソースがデータの伝送のために利用可能であることを優先処理エンティティ124に通知する。受信されたレート付与は、E−DCHトランスポートフォーマットコンビネーションセット(TFCS)のサブセット、および/または開始時間、および継続期間(任意)を決定する。
【0015】
レート要求を送信することによって、WTRU100は、ノードB200にTFCS内の一連の許可されたULのTFCを変更することを求め、ノードB200は、レート付与を送信することによってTFCS内の許可されたULのTFCを変更することができる。WTRU100は、スケジューリング情報アップデートをノードB200に送信し、バッファ占有率(occupancy)、および/または利用可能な伝送電力情報を提供することが可能であり、ノードB200のスケジューリングエンティティ222は、適切なTFCSインジケータおよび伝送時間間隔を決定することが可能である。継続制御による高速レートスケジューリングのため、ノードB200は、システムが容認できる利用可能な干渉を表すパラメータを送信し、レート制御モードのWTRUが追加的な干渉に出会うことを防ぐことができる。このことを達成することができる1つのやり方は、ノードB200が、WTRU100がEU伝送のために使用可能な許可された伝送電力をレート付与において信号で伝えることである。
【0016】
優先処理エンティティ124は、データのプライオリティに従ってデータフローの割り当ておよびH−ARQ処理を管理する。関連したDLのEU信号からの伝送フィードバックに基づいて、新たな伝送または再伝送は決定される。さらに、それぞれのMACプロトコルデータユニット(PDU)についての待ち行列識別子(ID)および伝送シーケンス番号(TSN)は決定される。TSNは、E−DCH内の各プライオリティクラスに対してユニークであり、それぞれの新しいデータブロックについてインクリメントされる。任意で、優先処理エンティティ124は、より低いプライオリティのデータの再伝送を阻止する(preempt)ことが可能である。より高いプライオリティのデータの新たな伝送は、優先処理をサポートするためにいつでもより低いプライオリティのデータの未決定の(pending)再伝送の代わりに開始することが可能である。
【0017】
TFC選択エンティティ126は、レート付与において信号で伝えられた情報に従ってE−DCH102上で伝送されるデータについてのTFCを選択し、複数のMAC−dフローを1つのMAC−eのPDUに多重化する。レート付与は、絶対付与(absolute grant)または相対付与(relative grant)である場合がある。絶対付与は、WTRUが使用可能なULリソースの最大量の絶対的な限界を提供する。相対付与は、以前に使用した値に比べてリソースの限界を増大させ、または減少させる。
【0018】
TFC選択は、最大の許可された伝送電力、およびノードB200からのレート付与によって許可された対応するTFCSサブセットの影響を受けやすい。TFC選択は、論理チャネルのプライオリティに基づくものであり、TFC選択はより高いプライオリティのデータの伝送を最大化する。RNCによって構成される1つのMAC−eのPDUにおけるMAC−dフローの許可された結合は、TFCを選択する際にまた考慮される。
【0019】
H−ARQエンティティ128は、H−ARQプロトコルに必要とされるすべてのタスクを処理する。H−ARQエンティティ128は、MAC−eペイロードを格納すること、および送信失敗の場合にはMAC−eペイロードを再伝送することに関与する。H−ARQエンティティ128は、H−ARQプロトコルの複数のインスタンス(H−ARQ処理)をサポートすることができる。WTRU100で構成されるEUについての1つより多いH−ARQ処理が存在する場合がある。
【0020】
本発明に従って、同時に起こるH−ARQは、実装されることが好ましい。従って、H−ARQの動作は、同時に起こるDLのACKとNACK、およびULにおいて同時に起こる再伝送に基づくものである。
【0021】
図4は、本発明に係るノードB200のMAC−e220のアーキテクチャのブロック図である。ノードBのMAC−e220は、スケジューラ222、デマルチプレクサ224、およびH−ARQエンティティ226を備える。ノードBにおいて、1つのMAC−eエンティティ220は、各WTRUについて提供されることが好ましく、1つのスケジューラは各セルに提供されることが好ましい。スケジューラ222は、WTRU間のE−DCHセルリソースを管理する。
【0022】
スケジューラ222は、WTRUとH−ARQ処理との間のE−DCHリソースを管理する。WTRU100からのレート要求に基づいて、スケジューラ222はレート付与を生成し、DLのEU信号チャネル106を介してレート付与をWTRU100に送信する。レート付与は、WTRU100が選択することが可能な一連のTFCを決定し、WTRUがE−DCH伝送のために使用することを許可される最大リソースを指し示す情報を提供する。スケジューラ222は、対応するEU信号チャネルでのレート要求の受信およびレート付与の伝送を制御する。また、別個の制御エンティティ(図示せず)は、レート要求の受信およびレート付与の伝送のために、ノードBのMAC−e220において提供されることが可能であり、スケジューラ222は、ノードBのMAC−e220から提供されることが可能である。
【0023】
デマルチプレクサ224は、MAC−eのPDUをMAC−dのPDUに逆多重化する。MAC−dのフローからMAC−eのPDUへの多重化は、WTRU100においてサポートされる。複数のMAC−dのフローは、1つのWTRUに構成することが可能であり、同じMAC−eのPDUにおいて多重化されることが可能である。1つのMAC−eのPDUにおいて多重化されることが可能なMAC−dのフローの結合は、RNC300によって構成される。多重化されたMAC−eのPDUは、デマルチプレクサ224によってMAC−dのフローに非多重化される。ノードBの非多重化は、MAC−dやRLCのPDUの並べ換えをもたらす可能性があり、MAC−eのPDUの並べ換えは、RNC300によって実行される可能性がある。
【0024】
並べ換えは、H−ARQ処理番号が知られているノードBのMAC−eにおいて、またはRNCのMAC−eにおいて実行される場合がある。図2に戻って参照すると、RNCのMAC−e320は、受信された伝送シーケンス番号(TSN)に従って、受信されたMAC−eのPDUを並べ換える並べ換えエンティティを含む。連続的なTSNを有するMAC−eのPDUは分解機能(disassembly function)に運ばれ、欠落した(missing)より低いTSNを有するPDUは分解機能に運ばれない。分解機能は、MAC−eヘッダをより高いレイヤに送信する前にMAC−eヘッダを取り除く。RNC300は、異なるプライオリティのクラスでPDUを並べ換える複数の並べ換え待ち行列を含む。
【0025】
並べ換えがRNCのMAC−eにおいて実行される場合には、ノードB200は、首尾よくデコードされたデータを有するH−ARQ処理番号をRNC300に渡す。H−ARQ処理は、RNCに渡されたノードBでの受信時間によって黙示的に知られることも可能である。H−ARQ処理番号は、WTRU100におけるH−ARQ処理割り当てスキームの知識とともにシステムフレーム番号(SFN)またはコネクションフレーム番号(CFN)から黙示的に得られる可能性がある。
【0026】
H−ARQエンティティ226は、E−DCH伝送の運搬状況を指し示すACKおよびNACKを生成する。1つのH−ARQエンティティは、複数のストップのインスタンスをサポートすることが可能であり、H−ARQプロトコルを待つことが可能である。
【0027】
図5は、本発明に係るWTRU100とノードB200との間の信号伝達処理に加えてWTRU100およびノードB200のMAC−eアーキテクチャのブロック図である。WTRUのMAC−e120は、ステップ502でE−DCH102を介して伝送されるデータをWTRUのRLCレイヤ140から受信する場合、EUレート要求エンティティ122は、レート要求をノードB200に送信する(ステップ504)。ノードB200は、レート付与で応答する(ステップ506)。レート付与を受信すると、EUレート要求エンティティ122は、無線リソースがデータ伝送に利用可能であることを優先処理ユニット124に通知する(ステップ508)。優先処理ユニット124は、データを多重化し、データのプライオリティに従ってH−ARQ処理を割り当て、そのデータについてのTFCはTFC選択エンティティ126によって選択される(ステップ510、512)。データは、E−DCH102を介して割り当てられたH−ARQ処理で伝送される(ステップ514)。ノードB200は、DLのEU信号チャネル106を介してフィードバック信号を送信する(ステップ516)。フィードバックがNACKである場合、データは自動的に再伝送されることが可能であり(ステップ518)、または別のレート付与が受信された後に再伝送されることが可能である(ステップ520)。
【0028】
本発明の特徴および要素が特定の組み合わせにおいて好ましい実施形態で説明されたけれども、それぞれの特徴または要素は好ましい実施形態の他の特徴および要素なしに単独で、または本発明の他の特徴および要素とともに、またはそれらをなしで様々な組み合わせで用いることが可能である。
【0029】
本発明は好ましい実施形態に関して説明されてきたが、特許請求の範囲において要点がまとめられているように本発明の範囲内である他の変形は当業者に明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5