(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
米国特許第5,789,486号明細書(マルオカ等)は内部的に架橋されたポリマーゲル微細粒子の分散
系からなる
ペイント層を含むゴルフボールを開示する。
米国特許第6,186,906号明細書(Sullivan等)は、個別粒子のゲルを有するゴルフボール組成物を開示している。
米国特許第7,402,114号明細書(Binette等)は、部分的から高度までに中和されたコポリマーブレンド、脂肪酸または脂肪酸の塩、および、重い重量のフィラーを有するゴルフボール材料を開示している。
米国特許第7,612,135号明細書(Kennedy III等)は、部分的から高度までに中和された酸コポリマーブレンド、メタローセン触媒アルファ−オレフィンおよび軟化コモノマー、ならびに脂肪酸または脂肪酸塩を有するゴルフボール材料を開示している。
米国特許出願公開第2008/0234070号明細書(Comeau等)は、ゴルフボール層中に架橋ゴムのナノ粒子を使用することを開示している。
米国特許第5,733,974号明細書(ヤマダ等)は、エラストマーから製造されたコア、およびコアを被覆するカバーを有し、カバーは、ゴム粉末および熱可塑性エラストマーを有する熱可塑性材料から製造されるゴルフボールを開示している。
米国特許第6,465,573号明細書(マルコ等)は、コア、中間層、および、カバーを有し、中間層が、ゴム粉末を混合させた熱可塑性樹脂を有するときに反発力、距離、およびフィーリングが改善される、ソリッドゴルフボールを開示している。
米国特許第5,779,561号明細書(Sullivan等)は、(1)少なくとも50重量部の非アイオノマー性ポリオレフィン材料、および(2)少なくとも1重量部のフィラーを有する内側カバー層を含むゴルフボールを開示している。
米国特許出願公開第2003/0216520号明細書(イリイ等)は、コアがカバーで被覆され、コアが、ポリブタジエンゴムを含む組成物から構成され、カバーがアイオノマー樹脂およびジエンゴムから成る樹脂組成物から構成される、ゴルフボールを開示している。
米国特許出願公開第2012/0165122号明細書(Kim等)は、外側カバー層および中間層のうちの少なくとも1つが、約2から約40wt%のポリアミドおよび約60から約98wt%の1または複数のブロックコポリマー、酸性コポリマー;酸性ターポリマー;アイオノマー、またはマルチコンオーネントブレンド組成物のブレンド組成物を有し、ポリアミドの融点が他のブレンドコンポーネントの融点より約5°Cから約200°Cだけ高い、ゴルフボールを開示している。
米国特許第6,361,453号明細書(ナカムラ等)は、ソリッドコアおよびカバーを具備し、ソリッドコアがコア形成材料および異なる材料の粒子からなるソリッドゴルフボールを開示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明のゴルフボール組成物は、熱硬化性ポリマーマトリックス中に分散された非溶融の熱可塑性個別粒子を有する異種組成物である。熱可塑性の粒子組成物の融点はマトリックス組成物の硬化温度より高く、異種組成物から製造されるゴルフボールコンポーネントの形成時に粒子が溶けないようになっている。
【0010】
具体的な実施例において、マトリックス組成物の比重と粒子組成物の比重との間の差は、少なくとも0.10g/cm
3、または少なくとも0.11g/cm
3、または少なくとも0.12g/cm
3、または少なくとも0.13g/cm
3、または少なくとも0.14g/cm
3、または少なくとも0.15g/cm
3、または少なくとも0.16g/cm
3、または少なくとも0.17g/cm
3、または少なくとも0.18g/cm
3、または少なくとも0.19g/cm
3、または少なくとも0.20g/cm
3である。
【0011】
異種組成物は、ゴルフボール層を形成する前に、あるいは、ゴルフボール層を成型または鋳造する際に、マトリックス組成物に粒子を添加することにより形成される。
【0012】
具体的な実施例において、異種組成物は、下限が0.450、または0.500、または0.550、または0.600、または0.650、または0.700で、上限が0.710、または0.730、または0.750、または0.770、または0.800、または0.820、または0.850、または0.870、または0.900、または0.950の範囲である、ソリッド球反発係数、「COR」を伴う。この開示目的において、組成物の「ソリッド球COR」は、組成物を射出成形して得た1.55インチの径の球のCORを指す。CORは既知の手順で決定され、ここで、球を空気砲から2つの所定の速度で打ち出し、125ft/sの速度でのCORを計算することにより決定される。複数の弾道光スクリーンがボール速度を測定するために固定距離で空気砲およびスチール板の間に配置される。ボールがスチール板へ移動するときに、各光スクリーンが活性化され、各光スクリーンにおける時間を測定する。これにより、ボールの入射速度に反比例した入射移行時間が得られる。ボールはスチール板と衝突して複数の光スクリーンを通り抜けてリバウンドし、これが光スクリーン間を移行するのに要する時間間隔を測定する。これにより、ボールの飛び出し速度に反比例した飛び出し移行時間が得られる。CORは飛び出し移行時間間隔の入射移行時間間隔に対する比、COR=V
out/V
in=T
in/T
outとして計算される。
【0013】
具体的な実施例において、異種組成物は、下限が−75、または−50、または−20、または0、または10、または15で、上限が20、または25、または30、または35、または40、または50の範囲のソリッド球圧縮を伴う。他の具体的な実施例において、異種組成物は、下限が70、または75、または80、または85、または90で、上限が90、または95、または100、または105、または115、または120、または125の範囲のソリッド球圧縮を伴う。他の具体的な実施例において、異種組成物は、下限が120、または130、または140、または150、または155、または160で、上限が160、または165、または170、または180、または190、または200の範囲のソリッド球圧縮を伴う。他の具体的な実施例において、異種組成物は、130以上、または140以上、または150以上、または155以上、または160以上、または165以上、または170以上のソリッド球圧縮を伴う。この開示の目的において、組成物の「ソリッド球圧縮」は組成物を射出成形して得た1.55インチの径の球の圧縮を指す。球の圧縮は、Atti圧縮試験装置を用いて既知の手順で決定され、ここで、ピストンを用いてボールをバネに対して圧縮させる。Atti圧縮からRiele(コア)、Riele(ボール)、100kg偏向、130−10kg偏向、または実効弾性係数の変換は、Jeff Dalton's Compression by Any Other Name、Science and Golf IV、Proceeding of World Science Congress of Golf(Eric Thain ed.,Routledge、2002)において与えられる公式に従って実行できる。
【0014】
具体的な実施例において、異種組成物の曲げ弾性率は以下の[例]で与えられる方法に従って測定すると、5ksi以上、または6ksi以上、または8ksi以上、または10ksi以上、または15ksi以上、または20ksi以上、または25ksi以上、または30ksi以上、または35ksi以上、または40ksi以上、または45ksi以上、または48ksi以上、または50ksi以上、または52ksi以上、または55ksi以上、または60ksi以上、または63ksi以上、または65ksi以上、または70ksi以上、または100ksi以上、または120ksi以上、または150ksi以上、または160ksi以上、または170ksi以上、または180ksi以上、または195si以上であり、または、下限が5または6または8または10または15または20または25または30または35または40または45または48または50または52または55または55または60または63または65または70ksiで、上限が75または80または85または90または95または100または105または110または115ksiの範囲であり、または、下限が20または25または30または35または40または45または50または55または60ksiで、上限が60または65または70または75または80ksiの範囲であり、または、下限が50または60または70または90または120または130で、上限が150または170または200または210の範囲である。
【0015】
具体的な実施例において、粒子は、組成物の総重量を基準にして、1wt%以上、または2wt%以上、または3wt%以上、または5wt%以上、または10wt%以上、または15wt%以上、または20wt%以上、または25wt%以上、または30wt%以上、または35wt%以上、または40wt%以上、または45wt%以上、または50wt%以上、または55wt%以上、または60wt%以上、あるいは、下限が1または2または3または5または10または15または20または25または30または35または40wt%で、上限が50または55または60または65または70または75または80または85または90wt%の範囲で、組成物中に存在する。
【0016】
他の具体的な実施例において、組成物は少なくとも500個の個別粒子を有する。
【0017】
具体的な実施例において、粒子の最大粒子サイズは、0.595mm、または0.707mm、または0.841mm、または1.00mm、または1.19mm、または1.41mm、または1.68mm、または2.00mm、または2.38mmである。他の実施例において、架橋粒子のサイズは、下限が、0.001mm、または0.002mm、または0.005mm、または0.007mm、または0.015mm、または0.030mm、または0.037mm、または0.074mmで、上限が、0.100mm、または0.125mm、または0.177mm、または0.354mm、または0.420mm、または0.500mm、または0.595mm、または0.707mm、または0.841mm、または1.000mm、または1.19mm、または1.41mm、または1.68mm、または2.00mm、または2.38mmの範囲内である。
【0018】
[マトリックス組成物]
マトリックスを製造するのに適切な熱硬化性組成物は、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリスチレン、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ホロブチルゴム、ポリウレタン、ポリ尿素、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリクロロプレン、アルキルアクリレートゴム、塩化イソプレンゴム、アクリロニトリル塩化イソプレンゴム、ポリアルケナマー、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、ポリエポキシド、ポリシロキサンポリエステ、アルキド、ポリイソシアヌレート、ポリシアヌレート、ポリアクリレート、およびこれらの2またはそれ以上の組み合わせを含む。
【0019】
適切な商業的に入手可能な熱硬化性材料の非制限的な例は、Lanxess Corporationから商業的に入手可能な、Buna CB 23のような、Buna CB 高シス−ネオジム触媒ポリブタジエンゴム、および、Buna CB 1220、および1221のような、Buna CB高シス−コバルト触媒ポリブタジエンゴム;The Dow Chemical Companyから商業的に入手可能な、SE BR−1220;Polimeri Europa(商標)から商業的に入手可能なEuroprene(商標) NEOCIS(商標) BR40およびBR60;UBE Industries,Incから商業的に入手可能なUBEPOL−BR(商標)ゴム;Japan Synthetic Rubber Co., Ltdから商業的に入手可能なBR01;Karbochemから商業的に入手可能なNeodene BR40のようなNeodene 高シスネオジム触媒ポリブタジエンゴム;Kuraray Co., Ltdから商業的に入手可能なTP−301トランスポリイソプレン;Evonic Industriesから商業的に入手可能な、Vestenamers(商標)ポリオクテナマー;ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能な、Butyl 065およびButyl 288ブチルゴム;Lanxess Corporationから商業的に入手可能なButyl 301およびButyl 101−3;ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能な、Bromobutyl 2224およびChlorobutyl 1066ハロブチルゴム;Lanxess Corporationから商業的に入手可能な、Bromobutyl X2およびChlorobutyl 1240ハロブチルゴム;Japan Synthetic Rubber Co., Ltdから商業的に入手可能な、Bromobutyl 2255ブチルゴム;ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能な、Vistalon(商標)404およびVistalon(商標)706エチレンプロピレンゴム;Polimeri Europaから商業的に入手可能な、Dutral CO 058エチレンプロピレンゴム;The Dow Chemical Companyから商業的に入手可能な、Nordel(商標) IP NDR 5565およびNordel(商標) IP 3670エチレンプロピレンジエンゴム;Mitsui Corporationから商業的に入手可能なEPT1045およびEPT1045エチレンプロピレンジエンゴム;Lanxess Corporationから商業的に入手可能な、Buna SE 1721 TE スチレンブタジエンゴム;Karbochemから商業的に入手可能なAfpol 1500およびAfpol 552スチレンブタジエンゴム;Zeon Chemicals、L.P.から商業的に入手可能な、Nipol(商標)DN407およびNipol(商標)1041Lアクリロニトリルブタジエンゴム;E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Neoprene GRTおよびNeoprene AD30ポリクロロプレンゴム;E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Vamac(商標)エチレンアクリル酸エラストマー;Zeon Chemicals、L.P.から商業的に入手可能な、Hytemp(商標)AR12およびAR214アルキルアクリレートゴム;および、E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Hypalon(商標)クロロスルホン化ポリエチレンゴムである。
【0020】
マトリックス組成物は1または複数のフィラーを内包して良い。事例的なフィラーは、沈降水和シリカ、クレイ、タルク、アスベスト、ガラス繊維、アラミド繊維、マイカ、メタ珪酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸バリウム、硫化亜鉛、リトポン、ケイ酸塩、炭化珪素、珪藻土、炭酸塩(例えば炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、および炭酸マグネシウム)、金属(例えば、チタン、タングステン、アルミニウム、ビスマス、ニッケル、モリブデン、鉄、鉛、銅、ホウ素、コバルト、ベリリウム、亜鉛、錫)、金属合金(例えば、スチール、黄銅、青銅、炭化ホウ素ウィスカー、および、炭化タングステンウィスカー)、酸化物(例えば、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、および、酸化ジルコニウム)、粒子炭素質材料(例えば、グラファイト、カーボンブラック、コットンフロック、天然ビチューメン、セルロースフロック、および、レザー繊維)、マイクロバルーン(例えば、ガラスおよびセラミック)、フライアッシュ、粉砕されて再利用されるコア材料、ナノフィラーおよびこれらの組み合わせを含む。
【0021】
マトリックス組成物は、また、1または複数の添加剤を含んでよく、これは、トランスイソプレン(例えば、Kuraray Co.,Ltdから商業的に入手可能なTP−301トランスポリイソプレン)のような処理助剤;処理オイル;可塑剤;着色剤;着香剤;化学膨張・発泡剤;消泡剤;安泰化剤;軟化剤;衝撃修正剤;フィリーラジカル捕捉剤;促進剤;スコーチ遅延剤;その他から選択される。
【0022】
適切なゴムは、例えば、米国特許第6,566,483号、同第6,695,718号、同第6,939,907号、同第7,041,721号、および、同第7,138,460号により充分に説明されており、これらの内容は参照してここに組み入れる。
【0023】
[粒子組成物]
この発明の粒子組成物は、熱可塑性材料である。この発明の目的において、熱可塑性材料は、ポリ−パラ−フェニレンテレフタルアミド(例えばKevlar(商標)パラ−アラミド繊維)のような、溶融する前に劣化するポリマーを含まない。
【0024】
分散粒子を形成するために適切な組成物は、マトリックス組成物の硬化温度より大きい溶融温度を有する熱可塑性ポリマーから選択される。粒子を形成するために適切な熱可塑性組成物の具体的な例は、アイオノマー、非アイオノマー性酸コポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルアミド、ポリエステルアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ゴム強化ポリオレフィン、スチレンコポリマーおよびスチレンブロックコポリマー、動的加硫エラストマー、エチレンビニルアセテート、エチレン(メタ)アクリレートを基礎にしたポリマー、エチレンエラストマー、プロピレンエラストマー、エチレンおよびプロピレンのコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Teflon(商標)ポリテトラフルオロエチレン)、これらの官能化誘導体、および、これらのうちの2つまたはそれ以上の組み合わせを含む。
【0025】
適切なアイオノマー組成物は、部分的に中和されたアイオノマーおよび高度に中和されたアイオノマーを含み、これらは、2またはそれ以上の部分的に中和されたアイオノマーのブレンド、2またはそれ以上の高度に中和されたアイオノマーのブレンド、および1または複数の部分的に中和されたアイオノマーおよび1または複数の高度の中和されたアイオノマーのブレンドを含む。好ましいアイオノマーは、O/XおよびO/X/Yタイプの酸コポリマーの塩であり、ここで、Oはα−オレフィン、XはC
3−C
8α,βエチレン系不飽和カルボン酸、Yは軟化モノマーである。Oは好ましくはエチレンおよびプロピレンから選択される。Xは好ましくはメタクリル酸、アクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、およびイタコン酸から選択される。メタクリル酸およびアクリル酸がとくに好ましい。ここで使用されるように「(メタ)アクリル酸」はメタクリル酸および/またはアクリル酸を意味する。同様に、「(メタ)アクリレート」はメタクリレートおよびアクリレートを意味する。Yは好ましくは(メタ)アクリレートおよびアクリル(メタ)アクリレートであり、アクリル基は1〜8の炭素原子を含む、これに限定されないが、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、およびエチル(メタ)アクリレートを含む。とくに好ましいO/X/Yタイプのコポリマーはエチレン/(メタ)アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/イソブチル(メタ)アクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/メチルアクリレート、およびエチレン/(メタ)アクリル酸/エチルアクリレートである。酸は典型的には酸コポリマー中に、酸コポリマーの総重量を基準にして、6wt%以上、または9wt%以上、または10wt%以上、または11wt%以上、または15wt%以上、または16wt%以上の量だけ、あるいは、下限が1または4または6または8または10または11または12または15wt%で上限が15または16または20または25または30または35または40wt%の範囲内の量だけ存在する。酸コポリマーはカチオン源によって少なくとも部分的に中和され、オプションとして大きな分子量の有機酸、例えば、米国特許第6,756,436号に開示されたものの存在下で中和され、その内容は参照してここに組み入れる。適切なカチオン源は、これに限定されないが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移金属の金属イオンおよび化合物;アンモニウム塩およびモノアミン塩;およびこれらの組み合わせを含む。好ましいカチオン源は、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、亜鉛、錫、リチウム、および希土類金属の金属塩および化合物である。適切なアイオノマーは、さらに、米国特許出願公開第2005/0049367号、同第2005/0148725号、同第2005/0020741号、同第2004/0220343号、および同第2003/0130434号、並びに、米国特許第5,587,430号、同第5,691,418号、同第5,866,658号、同第6,100,321号、同第6,562,906号、同第6,653,382号、同第6,777,472号、同第6,762,246号、同第6,815,480号、および同第6,953,820号にも開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0026】
適切な商業的に入手可能な熱可塑性材料の非制限的な例は、E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能なSyrlyn(商標)アイオノマー、DuPont(商標)HPF1000およびHPF2000高中和アイオノマー;A.Schulman,Incから商業的に入手可能なClarix(商標)アイオノマー;ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能なIotek(商標)アイオノマー;The Dow Chemical Companyから商業的に入手可能なAmplify(商標)IOアイオノマー;The Dow Chemical Companyから商業的に入手可能なAmplify(商標)GR官能性ポリマーおよびAmplify(商標)TY官能性ポリマー;E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、エチレンビニルアセテート、ポリエチレン、メタローセン触媒ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、およびポリプロピレンを含む、Fusabond(商標)官能化ポリマー;ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能な、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、準結晶性エチレンコポリマー、非晶質エチレンコポリマーを含む、Exxelor(商標)無水マレイン酸ドラフト化ポリマー;ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能な、PP7032E3、PP7032KN、PP7033E3、PP7684KNのようなExxonMobile(商標)PPシリーズポリプロピレンインパクトコポリマー;ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能な、Vistamaxx(商標)プロピレンベースのエラストマー;ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能な、Vitalon(商標)EPDMゴム;ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能な、Exact(商標)プラストマー;ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能な、Santoprene(商標)熱可塑性加硫エラストマー;E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Nucrel(商標)酸コポリマー;ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能な、Escor(商標)酸コポリマー;The Dow Chemical Companyから商業的に入手可能な、Primacor(商標)酸コポリマー;Kraton Performance Polymer Incから商業的に入手可能な、Kraton(商標)スチレンブロックコポリマー;Kuraray Co., Ltdから商業的に入手可能な、Septon(商標)スチレンブロックコポリマー;Arkema Corporationから商業的に入手可能な、Lotader(商標)エチレンアクリレートベースのポリマー;Chemtura Corporationから商業的に入手可能な、Polybond(商標)グラフト化ポリエチレンおよびポリプロピレン;Chemtura Corporationから商業的に入手可能な、Royaltuf(商標)化学改質EPDM;Evonik Industriesから商業的に入手可能な、Vestenamers(商標)ポリオクテナマー;Arkema Corporationから商業的に入手可能な、Pebax(商標)ポリエーテルおよびポリエステルアミド;E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Hytrel(商標)のようなポリエステルベースの熱可塑性エラストマーおよびTiconaから商業的に入手可能なRiteflex(商標)ポリエステルエラストマー;The Lubrizol Corporationから商業的に入手可能な、Estane(商標)熱可塑性ポリウレタン;EMS Grivoryから商業的に入手可能な、Grovory(商標)ポリアミドおよびGrilamid(商標)ポリアミド;E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Zytel(商標)ポリアミド樹脂およびElvamide(商標)ナイロンマルチポリマー樹脂;およびE.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Elvaloy(商標)アクリレートコポリマー樹脂である。
【0027】
具体的な実施例において、粒子組成物は、少なくとも2つの異なるポリマーのブレンドから形成される。この実施例の具体的な側面では、少なくとも1つのポリマーはアイオノマーである。
【0028】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は、少なくとも第1および第2のアイオノマーのブレンドから形成される。
【0029】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は、1または複数のアイオノマーと、非アイオノマー性のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、および、これらの官能化された誘導体から選択される1または複数の付加的なポリマーとのブレンドから形成される。
【0030】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は、少なくとも、官能化されたポリエチレンと、メタローセン触媒および非メタローセン触媒のポリエチレンを含む、ポリエチレンと、エチレンビニルアセテート、エチレン酸コポリマー、エチレンアクリレートコポリマー、エチレンエラストマー、および、ポリプロピレンから選択された官能化されたポリマーとを有するブレンドから形成される。この実施例の具体的な側面では、官能化されたポリエチレンはエチレンホモポリマー、エチレン−ヘキセンコポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、およびエチレン−ブテンコポリマーから選択される無水マレイン酸グラフト化ポリマーである。
【0031】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は、少なくとも、アイオノマーと、官能化されたポリエチレンと、メタローセン触媒および非メタローセン触媒のポリエチレンを含む、ポリエチレンと、エチレンビニルアセテート、エチレン酸コポリマー、エチレンアクリレートコポリマー、エチレンエラストマー、および、ポリプロピレンから選択された官能化されたポリマーとを有するブレンドから形成される。この実施例の具体的な側面では、官能化されたポリエチレンは、エチレンホモポリマー、エチレン−ヘキセンコポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、およびエチレン−ブテンコポリマーから選択される無水マレイン酸グラフト化ポリマーである。
【0032】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は、少なくとも、アイオノマーと、無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンとのブレンドから形成される。この実施例の具体的な側面では、エチレンは、エチレンホモポリマー、エチレン−ヘキセンコポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、およびエチレン−ブテンコポリマーから選択される。
【0033】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は、少なくとも、アイオノマーと、エチレンビニルアセテート、エチレン酸コポリマー、エチレンアクリレートコポリマー、エチレンエラストマー、および、ポリプロピレンから選択された官能化されたポリマーとのブレンドから形成される。
【0034】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は、少なくとも、アイオノマーと、酸コポリマーとのブレンドから形成される。
【0035】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は、少なくとも、アイオノマーと、スチレンブロックコポリマーまたはその官能化された誘導体とのブレンドから形成される。
【0036】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は、少なくとも、アイオノマーと、エチレン(メタ)アクリレートベースのポリマーまたはその官能化された誘導体とのブレンドから形成される。
【0037】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は、少なくとも、アイオノマーと、EPDMまたはその官能化された誘導体とのブレンドから形成される。
【0038】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は、少なくとも、アイオノマーと、ポリオクテナマーまたはその官能化された誘導体とのブレンドから形成される。
【0039】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は、少なくともアイオノマーを含み、ここで、アイオノマーは、部分的、または充分に中和された、非常に低い酸のエチレンコポリマーである。
【0040】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は、少なくとも、官能化されたエチレンホモポリマー、またはコポリマーを含むブレンドから形成され、これは、それに限定されないが、官能化されたエチレンアクリレートコポリマー、とくに、グリシジルメタクリレートグラフト化ポリエチレンおよびグリシジルメタクリレートグラフト化エチレン/n−ブチルアクリレートコポリマーを含む。
【0041】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は、少なくとも、アイオノマーと熱可塑性ポリウレタンとを含むブレンドから形成される。この実施例の具体的な側面では、ポリウレタンは、米国特許出願公開第2005/0256294号明細書に開示されたポリウレタンから選択され、その内容は参照してここに組み入れる。
【0042】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は、以下を含むブレンドから形成される。
(a)ポリエステルエラストマー(例えば、Hytrel(商標)ポリエステルエラストマー);ポリエーテルブロックアミド(例えば、Pebax(商標)ポリエーテルブロックアミド;ポリエステル−エーテルアミド;および、ポリプロピレンエーテルグリコール組成物、米国特許出願公開第2005/0256294号明細書に開示されたもの(その内容は参照してここに組み入れる);ならびにこれらの2またはそれ以上の組み合わせから選択される第1の要素。
(b)部分的にまたは高度に中和された、とくに、脂肪酸塩を有し高度に中和されたアイオノマー、例えばDuPont(商標)HFP1000およびHFP2000、および、VLMIタイプのアイオノマー、例えばSurlyn(商標)9320アイオノマーを含む、O/X/YタイプおよびO/Xタイプアイオノマー;O/X/Yタイプ酸コポリマー;および、ポリアミドおよびポリアミドのブレンド、特に、先に開示したポリアミドおよびポリアミドのブレンドから選択されたもの、から選択された第2の要素。
この実施例の具体的な側面では、粒子組成物は、少なくとも、ポリエステルエラストマーと、脂肪酸塩を有し高度に中和されたアイオノマーとを含むブレンドから形成される。そのようなブレンドは、例えば、米国特許第7,375,151号明細書に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。
【0043】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は、少なくとも、ポリエステルと、アイオノマーと、グラフト化EPDMとを含むブレンドから形成される。そのようなブレンドは、例えば、米国特許第4,303,573号明細書にさらに開示され、その内容は参照してここに組み入れる。
【0044】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は非ハロゲン化熱可塑性ポリマー組成物である。
【0045】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は非塩化熱可塑性ポリマー組成物である。この実施例の具体的な側面において、粒子組成物はポリ塩化ビニルを有しない。
【0046】
他の具体的な実施例において、粒子組成物は、ポリカーボネート、ポリアミド、並びに、ポリエーテルおよびポリエステルアミド(例えば、Pebax(商標)熱可塑性ポリエーテルおよびポリエステルアミド)から選択される。他の具体的な実施例において、粒子組成物はポリアミドを含まない。
【0047】
具体的な実施例において、粒子組成物はベースポリマーを有し、このベースポリマーの比重は、1.40g/cm
3以下、または1.40g/cm
3未満、または、1.38g/cm
3以下、または1.38g/cm
3未満、1.35g/cm
3以下、または1.30g/cm
3未満、1.31g/cm
3以下、または、1.30g/cm
3以下、または、1.25g/cm
3以下、または、1.20g/cm
3以下、または、1.15g/cm
3以下、または、1.10g/cm
3以下である。他の具体的な実施例において、粒子組成物はベースポリマーを有し、このベースポリマーの比重は、1.40g/cm
3以上、または1.40g/cm
3より大きく、または、1.41g/cm
3以上、または1.41g/cm
3より大きく、または、1.42g/cm
3以上、または1.42g/cm
3より大きく、または、1.43g/cm
3以上、または、1.44g/cm
3以上、または、1.45g/cm
3以上、または1.45g/cm
3より大きく、または、1.46g/cm
3以上、または、1.47g/cm
3以上、または、1.50g/cm
3以上または1.50g/cm
3より大きく、または、1.55g/cm
3以上、または、1.60g/cm
3以上または1.60g/cm
3より大きく、または、1.70g/cm
3以上、または、1.75g/cm
3以上、または、1.80g/cm
3以上、または、
【0048】
粒子組成物はオプションとしてマトリックス組成物の総重量を基準にして50wt%以下、または30wt%以下、または20wt%以下、または15wt%以下の添加剤および/またはフィラーを含む。適切な添加剤およびフィラーは、これに限定されないが、化学ブローイング剤およびフォーミング剤、光学的光沢剤、着色剤、蛍光剤、白色化剤、UV吸収剤、光安定化剤、消泡剤、処理助剤、酸化防止剤、安定化剤、軟化剤、香料成分、可塑剤、衝撃修正剤、TiO
2、酸コポリマーワックス、表面活性剤、性能添加剤(例えば、Honeywell International社から商業的に入手可能な、A−C(商標)性能添加剤、とくに、A−C(商標)低分子量アイオノマーおよびコポリマー、A−C(商標)酸化ポリエチレン、およびA−C(商標)エチレンビニルアセテートワックス)、脂肪酸アミド(例えば、エチレンビス−ステアリン酸アミド、およびエチレン−ビスオレイン酸アミド)、脂肪酸およびその塩(例えば、ステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、およびオレイン酸マグネシウム)、および、フィラー、例えば、酸化亜鉛、酸化錫、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、タングステン、タングステン炭化物、シリカ、珪酸鉛、クレイ、マイカ、タルク、ナノフィラー、カーボンブラック、ガラスフレーク、粉砕ガラス、フロック、ファイバ、およびこれらの混合物を含む。適切な添加剤は、例えば、米国特許出願公開第2003/0225197号明細書により充分に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。具体的な実施例において、粒子組成物中に存在する添加剤およびフィラーの総量は、粒子組成物の総重量を基準にして、20wt%以下、または、15wt%以下、または、12wt%以下、または、10wt%以下、または、9wt%以下、または、6wt%以下、または、5wt%以下、または、4wt%以下、または、3wt%以下、または、下限が、粒子組成物の総重量を基準にして、0、または2、または3、または5wt%で、上限が、粒子組成物の総重量を基準にして、9、または10、または12、または15、または20wt%の範囲である。この実施例の具体的な側面では、粒子組成物は、カーボンブラック、マイクロおよびナノスケールのクレイおよび有機クレイ(例えば、Southern Clay Product社から商業的に入手可能な、Cloisite(商標)およびNanofil(商標)ナノクレイ;Nanocor社から商業的に入手可能なNanomax(商標)およびNanomer(商標)ナノクレイ、およびAkzo Nobel Polymer Chemicals社から商業的に入手可能なPerkalite(商標)ナノクレイを含む)、マイクロまたはナノスケールのタルク(例えば、Luzenac America社から商業的に入手可能な、Luzenac HAR(商標)高アスペクト比タルク)、ガラス(例えば、ガラスフレーク、粉砕ガラス、マイクロガラス、およびグラスファイバー)、マイクロまたはナノスケールのマイカおよびマイカをベースにした顔料(例えば、Merck Groupから商業的に入手可能なIriodin(商標)パール光沢顔料)、および、これらの組み合わせを含む。とくに適切なフィラーの組み合わせは、これに限定されないが、ナノスケールフィラーを組み合わせたマイクロスケールフィラー、および、有機フィラーを伴う有機フィラーである。
【0049】
粒子組成物は、オプションで、1または複数のメルトフロー修正剤を含む。適切なメルトフロー修正剤は、ASTMD−1238、条件Eを用いて、190°Cで、2160グラム重量を用いて測定したときに組成物のメルトフローを増大させる材料を含む。適切なメルトフロー修正剤の例は、これに限定されないが、脂肪酸または脂肪酸塩(これに限定されないが、米国特許第5,306,760号明細書に開示されたものを含み、その内容は参照してここに組み入れる);脂肪アミドおよびその塩;多価アルコール(これに限定されないが、米国特許第7,356,128号明細書および米国特許出願公開第2010/0099514号明細書に開示されたものを含み、その内容は参照してここに組み入れる);ポリ乳酸(これに限定されないが、米国特許第7,642,319号に開示されたものを含み、その内容は参照してここに組み入れる);および、米国特許出願公開第2010/0099514号明細書および同第2009/0203469号明細書に開示された修正剤を含む。フロー増強添加剤は、これに限定されないが、モンタン酸およびその塩、ビス−ステオロイルエチレンジアミン、モノ−およびポリアルコールエステル、例えば、ペンタエリトリトールテトラステアレート、両性イオン化合物、および、メタローセン触媒ポリエチレンおよびポリプロピレンワックス(そのマレイン酸無水物修正バージョンを含む)、アミドワックス、およびアルキレンジアミド、例えばビステアルアミド(bistearamide)も含む。とくに適切な脂肪アミドは、これに限定されないが、飽和脂肪酸モノアミド(例えば、ラウリンサン酸アミド、バルトミン酸アミド、アラキン酸アミド、ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミド、および、12−ヒドロキシステアリン酸アミド);不飽和脂肪酸モノアミド(例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、およびリシノール酸アミド);N−置換脂肪酸アミド(例えば、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ベヘニルベヘン酸アミド、N−ステアリルベヘン酸アミド、N−ベヘニルステアリン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、エルシルエルカ酸アミド、およびエルシルステアリン酸アミド、N−オレイルパルミトアミド、メチロールアミド、より好ましくは、メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘン酸アミド);飽和脂肪酸ビス−アミド(例えば、メチレンビス−ステアリン酸アミド、エチレンビス−ステアリン酸アミド、エチレンビス−イソステアリン酸アミド、エチレンビス−ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビス−ベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビス−ステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス−ベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビス−ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N'−ジステアリルアジピン酸アミド、およびN,N'−ジステアリルセバカミド);不飽和脂肪酸ビス−アミド(例えば、エチレンビス−オレイン酸アミド、ヘキサメチレンビス−オレイン酸アミド、N,N'−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N'−ジオレイルセバカミド);および、飽和および不飽和脂肪酸テトラアミド、ステアリルエルカ酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、およびエチレンビス−オレイン酸アミドを含む。商業的に入手可能な脂肪酸アミドの適切な例は、これに限定されないが、Chemtura社から商業的に入手可能なKemamide(商標)脂肪酸、例えば、Kemamide(商標)B(ベヘン酸アミド/アラキドアミド)、Kemamide(商標)W40(N,N'−エチレンビスステアリン酸アミド)、Kemamide(商標)P181(オレイルパルミトアミド)、Kemamide(商標)S(ステアリン酸アミド)、Kemamide(商標)U(オレイン酸アミド)、Kemamide(商標)E(エルカ酸アミド)、Kemamide(商標)O(オレイン酸アミド)、Kemamide(商標)W45(N,N'−エチレンビスステアリン酸アミド)、Kemamide(商標)W20(N,N'−エチレンビスオレイン酸アミド)、Kemamide(商標)E180(ステアリルエルカ酸アミド)、Kemamide(商標)E221(エルシルエルカ酸アミド)、Kemamide(商標)S180(ステアリルステアリン酸アミド)、Kemamide(商標)S221(エルシルステアリン酸アミド);および、Croda Universal社から商業的に入手可能な、Crodamide(商標)脂肪アミド、例えば、Crodamide(商標)OR(オレイン酸アミド)、Crodamide(商標)SR(ステアリン酸アミド)、Crodamide(商標)BR(ベヘン酸アミド)、Crodamide(商標)203(オレイルパルミトアミド)、および、Crodamide(商標)212(ステアリルエルカ酸アミド)を含む。
【0050】
具体的な実施例において、粒子組成物のショアD硬度は下限が20または30または35または45で上限が55または60または65または70または75または80または85または90または95の範囲内であり、またはそのショアD硬度は65以上、または70以上、または75以上、または80以上、または90以上である。
【0051】
[ゴルフボールへの適用]
この発明に従うゴルフボール組成物は、種々の構造において採用できる。例えば、この組成物は、ワンピース、ツーピース(すなわち、コアおよびカバー)、マルチ層(すなわち、1または複数の層から成るコア、および1または複数の層から成るカバー)、および、糸巻ゴルフボールに使用して好適であり、これらは種々のコア構造、中間層、カバー、およびコーティングを伴う。
【0052】
この発明のゴルフボールにおいて、少なくとも1つの層は、ここに説明したように、熱可塑性マトリックス中に架橋された材料の個別の粒子を有する異種組成物を有する。この発明の組成物を有
する、2またはそれ以上の層を具備するゴルフボールにおいては、1つの層におけるこの発明の組成物は他の層におけるこの発明の組成物と同一でも異なっていても良い。この発明の組成物を有する層は、コアの1または複数の層、中間層、またはカバー層であってよい。
【0053】
[コア層(1または複数)]
この発明に従う形成された、ゴルフボールのコアは、ソリッド、セミソリッド、空洞、流体、粉体、または
気体充填であってよく、またワンピースでもマルチレイヤでもよい。マルチレイヤのコアは、センタの最も内側の部分を含み、これはソリッド、セミソリッド、空洞、流体、粉体、または
気体充填であって良く、少なくとも1つの外側コア
層により包囲される。外側コア層はソリッドでも良いし、張力付与された弾性材料から形成された糸巻
き層であっても良い。この発明の目的の範囲で、用語「セミソリッド」は、ペースト、ゲル、またはそれに類似するものを指す。
【0054】
具体的な実施例において、この発明は、この発明の異種組成物から形成された最内コア層を具備するゴルフボールを実現する。他の具体的な実施例において、この発明は、この発明の異種組成物から形成された外側コア層を具備するゴルフボールを実現する。他の具体的な実施例において、この発明は、この発明の異種組成物から形成された中間コア層を具備するゴルフボールを実現する。
【0055】
この発明のゴルフボールコアは、この発明の異種組成物以外の適切な材料かれ形成される1または複数の層を含む。適切なコア材料は、これに限定されないが、スチレンブタジエン、ポリブタジエン、イソプレン、ポリイソプレン、およびトランス−イソプレンのような熱硬化性材料;アイオノマー樹脂、ポリアミド、およびポリエチレンのような熱可塑性樹脂;および、熱可塑性および熱硬化性のポリウレタンおよびポリ尿素を含む。
【0056】
[中間層(1または複数)]
この発明のゴルフボールが、1または複数の中間層、すなわち、ゴルフボールのコアおよびカバーの間に配される層を含むときには、各中間層は、熱可塑性および熱硬化性の材料を含む、当業者に知られている任意の材料を含んでよい。
【0057】
一実施例において、この発明は、この発明の異種組成物から形成された中間層を具備するゴルフボールを実現する。
【0058】
また、コア層を形成するために先に開示した組成物も中間層を形成するために適切である。
【0059】
水蒸気バリア層も、コアおよびカバーの間にオプションとして採用される。水蒸気バリア層は、例えば、米国特許第6,632,147号、同第6,838,028号、同第6,932,720号、同第7,994,854号、および同第7,182,702号、並びに、米国特許出願公開第2003/0069082号、同第2003/0069085号、同第2003/0130062号、同第2004/0147344号、同第2004/0185963号、同第2006/0068938号、同第2006/0128505号、および同第2007/0129172号にさらに開示されており、それらの内容は参照してここに組み入れる。
【0060】
[カバー]
この発明のゴルフボールカバーは、単一、二重、マルチ層カバーを含む。二重およびマルチ層カバーは、内側カバー層および外側カバー層を具備し、また、マルチ層カバーは付加的に内側カバー層および外側カバー層の間に少なくとも1つの中間カバー層を具備する。
【0061】
具体的な実施例において、この発明は、この発明の異種組成物から形成された最外カバー層を具備するゴルフボールを実現する。他の具体的な実施例において、この発明は、この発明の異種組成物から形成された内側カバー層を具備するゴルフボールを実現する。他の具体的な実施例において、この発明は、この発明の異種組成物から形成された中間カバー層を具備するゴルフボールを実現する。
【0062】
この発明のゴルフボールカバーは、この発明の異種組成物以外の適切な材料から製造された1または複数の層を含んで良い。カバー材料は、好ましくは、丈夫で切断耐性がある材料であり、所望の性能特性に基づいて選択される。ここで開示されるゴルフボール用の適切なカバー材料は、これに限定されないが、ポリウレタン、ポリ尿素、および、ポリウレタンおよびポリ尿素のハイブリッド;アイオノマー樹脂およびそれらのブレンド(例えば、DuPont de Nermours and Company社から商業的に入手可能な、Surlyn(商標)アイオノマー樹脂、およびDuPont(商標)HPF1000およびHPF2000、ExxonMobil Chemical社から商業的に入手可能なIotek(商標)アイオノマー;The Dow Chemical Company社から商業的に入手可能なAmplify(商標)IOエチレンアクリル酸コポリマーのアイオノマー;および、A. Schulman Incから商業的に入手可能なClarix(商標)アイオノマー樹脂);例えば低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、および高密度ポリエチレンを含むポリエチレン;ポリプロピレン;ゴム強化オレフィンポリマー;非アイオノマー性コポリマーの酸コポリマー、例えばポリアクリル(メタクリル)酸;プラストマー;フレクソマー;スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー;スチレン/エチレン−ブチレン/スチレンブロックコポリマー;動的に加硫したエラストマー;エチレンビニルアセテート;;エチレンメチルアクリレート;ポリビニルクロライド樹脂;ポリアミド、アミド−エステルエラストマー、および、例えば、Arkema社から商業的に入手可能なPebax(商標)熱可塑性ポリエーテルおよびポリエステルアミドを含むアイオノマーとポリアミドのグラフトコポリマー;架橋トランスポリイソプレンおよびそのブレンド;ポリエステルベースの熱可塑性エラストマー、例えば、DuPont de Nermours and Company社から商業的に入手可能なHytel(商標);ポリウレタンベースの熱可塑性エラストマー、例えば、BASF社から商業的に入手可能なElastollan(商標);合成または天然の加硫ゴム;およびこれらの組み合わせを含む。
【0063】
ポリウレタン、ポリ尿素、およびポリウレタン−ポリ尿素ハイブリッド(すなわち、ポリウレタンおよびポリ尿素のブレンドおよびコポリマー)はこの発明のカバー層を形成するのに特に適している。適切なポリウレタンおよびポリ尿素は、例えば、米国特許第5,334,673号、同第5,484,870号、同第6,506,851号、同第6,756,436号、同第6,835,794号、同第6,867,279号、同第6,960,630号、および同第7,105,623号;米国特許出願公開第2009/0011868号;および米国特許出願60/401,047号にされに開示され、それらの内容は参照してここに組み入れる。適切なポリウレタン−尿素カバー材料は、ウレタンおよび尿素セグメントを有するポリウレタン/ポリ尿素ブレンドおよびコポリマーを含み、これらは米国特許出願公開第2007/0117923号に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。
【0064】
1つのアイオノマーまたは2つ以上のアイオノマーのブレンドを有する組成物も、カバー層を生成するのに適している。好ましいアイオノマーのカバー組成物は以下を含む。
(a)「高酸アイオノマー」を有する組成物(すなわち酸顔料が16wt%を超えるもの)、例えば、Surlyn8150(商標)。
(b)高酸アイオノマーおよび無水マレイン酸グラフト化非アイオノマーポリマー(すなわち、Fusabond官能化ポリマー)を有する組成物。高酸アイオノマーおよび無水マレイン酸グラフト化非アイオノマーポリマーの、とくに好ましいブレンドは、Surlyn8150(商標)およびFusabond(商標)の84wt%および16wt%のブレンドである。高酸アイオノマーに無水マレイン酸グラフト化ポリマーを加えたブレンドはさらに米国特許第6,992,135号および同第6,677,401号に開示されており、それらの内容は参照してここに組み入れる。
(c)Surlyn(商標)8940/Surlyn(商標)9650/Nucrel(商標)960の50/45/5のブレンドを有する組成物。好ましくは、80〜85ショアCの材料硬度を有する。
(d)Surlyn(商標)8940/Surlyn(商標)9650/Surlyn(商標)9910の50/25/25のブレンドを有する組成物。好ましくは、約90ショアCの材料硬度を有する。
(e)Surlyn(商標)8940/Surlyn(商標)9650の50/50のブレンドを有する組成物。好ましくは、約86ショアCの材料硬度を有する。
(f)Surlyn(商標)7940/Surlyn(商標)8940のブレンドを有する組成物。オプションとしてメルトフロー修正剤を含む。
(g)第1の高酸アイオノマーおよび第2の高酸アイオノマーのブレンドを有する組成物で、第1の高酸アイオノマーは第2の高酸アイオノマーのカチオンと異なるカチオンで中和され(例えばSurlyn(商標)8150/Surlyn(商標)9150の50/50のブレンド)、オプションとして、アイオノマー、エチレン酸コポリマー、またはエステルポリマーのような1または複数のメルトフロー修正剤を含むもの。
(h)第1の高酸アイオノマーおよび第2の高酸アイオノマー(第1の高酸アイオノマーは第2の高酸アイオノマーのカチオンと異なるカチオンで中和される)、ならびに、0〜10wt%のエチレン/酸/エステルアイオノマー(エチレン/酸/エステルアイオノマーは、第1の高酸アイオノマーまたは第2の高酸アイオノマーのカチオンと同一のカチオンで中和され、あるいは、第1の高酸アイオノマーまたは第2の高酸アイオノマーのカチオンのいずれとも異なるカチオンで中和される。例えば、40−50wt%のSurlyn(商標)8140、40−50wt%のSurlyn(商標)9120、および0−10wt%のSurlyn(商標)6320のブレンド)のブレンドを有する組成物。
【0065】
Surlyn(商標)8150、Surlyn(商標)8940、およびSurlyn(商標)8140は、酸基がナトリウムイオンで部分的に中和されているE/MAAコポリマーの異なるグレードである。Surlyn(商標)9650、Surlyn(商標)9910、Surlyn(商標)9150、およびSurlyn(商標)9120は、酸基が亜鉛イオンで部分的に中和されているE/MAAコポリマーの異なるグレードである。Surlyn(商標)7940は、酸基がリチウムイオンで部分的に中和されているE/MAAコポリマーである。Surlyn(商標)6320は、中間的な酸含量を伴い、低モデュラスのマグネシウムアイオノマーである。Nucrel(商標)960は、名目上、15wt%のメタクリル酸を伴って製造されたE/MAAコポリマーである。Surlyn(商標)、Fusabond(商標)、およびNucrel(商標)コポリマーは、E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能である。
【0066】
アイオノマーのカバー組成物は、非アイオノマーの熱可塑性樹脂、例えば、ポリウレタン、ポリ−エーテル−エステル、ポリ−アミド−エステル、ポリエーテル−尿素、熱可塑性ポリエーテルブロックアミン(例えば、Arkema社から商業的に入手可能なPebax(商標)ポリエーテルおよびポリエステルアミド)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン(エチレン−ブチレン)−スチレンブロックコポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリエチレン−(メタ)アクリレート、ポリエチレン−(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸グラフト化で官能化されたポリマー、E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能なFusabond(商標)官能化ポリマー、エポキシ化によっれ官能化されたポリマー、エラストマー(例えばエチレンプロピレンジエンモノマーゴム、メタローセン触媒ポリオレフィン))および熱硬化性エラストマーの粉砕粉末とブレンドできる。
【0067】
アイオノマーのゴルフボールカバー組成物は、それに限定されないが、酸コポリマー樹脂(例えば、E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Nucrel(商標)酸コポリマー樹脂、とくに、Nucrel(商標)960)、性能添加剤(例えば、Honeywell International社から商業的に入手可能な、A−C(商標)性能添加剤、とくに、A−C(商標)低分子量アイオノマーおよびコポリマー、A−C(商標)酸化ポリエチレン、およびA−C(商標)エチレンビニルアセテートワックス)、脂肪酸アミド(例えば、エチレンビス−ステアリン酸アミド、およびエチレン−ビスオレイン酸アミド)、脂肪酸およびその塩のような、フロー修正剤を含んで良い。
【0068】
適切なアイオノマーのカバー材料は、例えば、米国特許第6,653,382号、同第6,756,436号、同第6,894,098号、同第6,919,393号、および同第6,953,820号にさらに開示され、それらの内容は参照してここに組み入れる。
【0069】
適切なカバー材料および構造は、これに限定されないが、米国特許出願公開第2005/0164810号、米国特許第5,919,100号、同第6,117,025号、同第6,767,940号、および同第6,960,630号、並びに、PCTパンフレット第WO00/23519号、および同第WO00/29129号に開示されたものも含み、それらの内容は少々してここに組み入れる。
【0070】
[部品寸法]
ゴルフボール部品の寸法、すなわち、厚さおよび直径は、所望の特性に応じて変化する。この発明の目的の範囲で、任意の層の厚さを採用できる。
【0071】
この発明は、任意の寸法のゴルフボールに関する。USGA使用は競技用ゴルフボールの寸法を直径で1.68インチより大なものに限定しているけれども、任意の寸法のゴルフボールを娯楽のゴルフ協議に使用できる。ゴルフボールの好ましい直径は、約1.68インチから約1.8インチである。より好ましい直径は、約1.68インチから約1.76インチである。約1.68インチから約1.74インチの直径が最も好ましいけれども、1.7インチから1.95インチの範囲のどの部分も、直径として使用できる。
【0072】
この発明のゴルフボールコアは、シングル、デュアル、およびマルチレイヤのコアを含み、好ましくは、全体の直径は、下限が0.75インチ、または1インチ、または1.25インチ、または1.4インチで、上限が1.55インチ、または1.6インチ、または1.62インチ、または1.63インチの範囲である。具体的な実施例において、ゴルフボールはコアとカバーとを有し、コアはソリッド、シングル層で、その直径が、下限が、0.750、または1.00、または,1.10、または1.15、または、1.20、または1.25、または、1.30、または、1.40、または、1.50、または、1.53、または、1.55インチで、上限が1.55、または1.60、または1.62、または1.63、または1.65インチの範囲である。他の具体的な実施例において、ゴルフボールはコアとカバーとを有し、コアは内側コア層と外側コア層とを有し、内側コア層の直径が、下限が、0.500、または0.750、または0.900、または0.950、または1.00インチで、上限が1.100、または1.200、または、1.250、または1.400、または1.550、または1.570、または1.580インチの範囲であり、外側コア層の厚さは、下限が0.020、または0.025、または0.032、または0.050、または0.100、または0.200インチで、上限が、0.310、または0.440、または0.500、または0.560、または0.800インチの範囲である。
【0073】
この発明のゴルフボールにおいてそれが存在するときには、各中間層の厚さは、下限が、0.002、または0.010、または0.020、または0.025、または0.030インチで、上限が、0.035、または0.040、または0.045、または0.050、または0.060、または0.090、または0.100、または0.150、または0.200インチの範囲である。この発明のゴルフボールにおいて中間層の総合厚さは、好ましくは、下限が、0.020、または0.250、または0.032インチで、上限が、0.150、または0.220、または0.28インチの範囲である。
【0074】
この発明のゴルフボールカバーは、シングル、デュアル、およびマルチレイヤのカバーを含み、好ましくは、その総合厚さは、下限が、0.01インチ、または0.02インチ、または0.025インチ、または0.03インチ、または0.04インチ、または0.045インチ、または0.05インチ、または0.06インチで、上限が、0.07インチ、または0.075インチ、または0.08インチ、または0.09インチ、または0.1インチ、または0.15インチ、または0.2インチ、または0.3インチ、または0.5の範囲である。デュアルおよびマルチレイヤのカバーは、内側カバー層、および外側カバー層を有し、マルチレイヤのカバーは、付加的に少なくとも1つの中間カバー層を、内側カバー層および外側カバー層の間に有する。具体的な実施例において、カバーはシングル層であり、その厚さは、下限が、0.020、または0.025、または0.030インチで、上限が、0.030、または0.040、または0.045、または0.050、または0.070、または0.100、または0.120、または0.150、または0.350、または0.400インチの範囲である。他の具体的な実施例において、カバーは内側カバー層および外側カバー層を有し、内側カバー層の厚さは、下限が、0.010、または0.020、または0.025、または0.030インチで、上限が、0.035、または0.040、または0.050、または0.150、または0.200インチの範囲であり、外側カバー層の厚さは、下限が、0.010、または0.020、または0.025、または0.030インチで、上限が、0.035、または0.040、または0.050インチの範囲である。
【0075】
この発明のゴルフボールは、さらなる便益のために、ペインティング、コーティング、または表面処理をされて良い。
【0076】
数値の下限および数値の上限がここで示されるときには、それらの数値の任意の組み合わせが利用できることに留意されたい。
【0077】
ここに引用した全ての特許、刊行物、テスト手順書、および他の参考文献は、さらに優先権ドキュメントも含んで、参照してここに組み入れる。ただし、それは、そのような開示がこの発明と一貫性を有する範囲であり、そのような参照による組み込みを法令が許容する範囲である。
【0078】
この発明の事例的な実施例が具体的に説明されたが、この発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、種々の他の変形例が当業者に明らかであり、また当業者が容易になすことができることが理解される。したがって、添付の特許請求の範囲のスコープが上述した例や記載に限定されず、むしろ、特許請求の範囲は、この発明中に内在する特許性のある新規な特徴のすべてを包括するように構成されていることが意図されており、これは当業者が均等として扱うすべての特徴を含む。
以下、ここで説明した技術的特徴について列挙する。
[技術的特徴1]
異種組成物から製造された層を有するゴルフボールにおいて、
異種組成物は、
熱硬化性ポリマー組成物から形成されたマトリックスと、
上記マトリックス中に分散される熱可塑性ポリマー組成物の個別粒子であって、上記熱可塑性ポリマー組成物の融点が上記熱硬化性ポリマー組成物の硬化温度より大きいものとを有し、
上記粒子の最大粒子サイズは0.900mmであることを特徴とするゴルフボール。
[技術的特徴2]
上記個別粒子は上記組成物中に上記組成物の総合重量を基準にして18wt%以上の量だけ存在する技術的特徴1記載のゴルフボール。
[技術的特徴3]
上記個別粒子は上記組成物中に上記組成物の総合重量を基準にして20wt%以上の量だけ存在する技術的特徴1記載のゴルフボール。
[技術的特徴4]
上記粒子の最大粒子サイズは0.841mmである技術的特徴1記載のゴルフボール。
[技術的特徴5]
当該ゴルフボールはコアおよびカバーを有し、上記カバーは上記異種組成物から製造された層を有する技術的特徴1記載のゴルフボール。
[技術的特徴6]
当該ゴルフボールはコア、カバー、および当該コアおよびカバーの間に配される中間層を有し、上記中間層は上記異種組成物から製造される技術的特徴1記載のゴルフボール。
[技術的特徴7]
異種組成物から製造された層を有するゴルフボールにおいて、
異種組成物は、
熱硬化性ポリマー組成物から形成されたマトリックスと、
上記マトリックス中に分散される熱可塑性ポリマー組成物の個別粒子であって、上記熱可塑性ポリマー組成物の融点が上記熱硬化性ポリマー組成物の硬化温度より大きいものとを有し、
上記熱硬化性ポリマーの比重と上記熱可塑性組成物の比重との差が少なくとも0.13g/cm3であることを特徴とするゴルフボール。
[技術的特徴8]
上記熱硬化性ポリマーの比重と上記熱可塑性組成物の比重との差が少なくとも0.15g/cm3である技術的特徴7記載のゴルフボール。
[技術的特徴9]
上記個別粒子は上記組成物中に上記組成物の総合重量を基準にして18wt%以上の量だけ存在する技術的特徴7記載のゴルフボール。
[技術的特徴10]
上記個別粒子は上記組成物中に上記組成物の総合重量を基準にして20wt%以上の量だけ存在する技術的特徴7記載のゴルフボール。
[技術的特徴11]
上記粒子の最大粒子サイズは0.841mmである技術的特徴7記載のゴルフボール。
[技術的特徴12]
当該ゴルフボールはコアおよびカバーを有し、上記カバーは上記異種組成物から製造された層を有する技術的特徴7記載のゴルフボール。
[技術的特徴13]
当該ゴルフボールはコア、カバー、および当該コアおよびカバーの間に配される中間層を有し、上記中間層は上記異種組成物から製造される技術的特徴7記載のゴルフボール。
[技術的特徴14]
異種組成物から製造された層を有するゴルフボールにおいて、
異種組成物は、
熱硬化性ポリマー組成物から形成されたマトリックスと、
上記マトリックス中に分散される熱可塑性ポリマー組成物の個別粒子であって、上記熱可塑性ポリマー組成物の融点が上記熱硬化性ポリマー組成物の硬化温度より大きいものとを有し、
上記組成物は少なくとも500個の上記個別粒子を有することを特徴とするゴルフボール。
[技術的特徴15]
上記粒子の最大粒子サイズは0.841mmである技術的特徴14記載のゴルフボール。
[技術的特徴16]
上記個別粒子は上記組成物中に上記組成物の総合重量を基準にして18wt%以上の量だけ存在する技術的特徴15記載のゴルフボール。
[技術的特徴17]
上記個別粒子は上記組成物中に上記組成物の総合重量を基準にして20wt%以上の量だけ存在する技術的特徴15記載のゴルフボール。
[技術的特徴18]
当該ゴルフボールはコアおよびカバーを有し、上記カバーは上記異種組成物から製造された層を有する技術的特徴14記載のゴルフボール。
[技術的特徴19]
当該ゴルフボールはコア、カバー、および当該コアおよびカバーの間に配される中間層を有し、上記中間層は上記異種組成物から製造される技術的特徴14記載のゴルフボール。
[技術的特徴20]
上記熱硬化性ポリマーの比重と上記熱可塑性組成物の比重との差が少なくとも0.11g/cm3である技術的特徴14記載のゴルフボール。
[技術的特徴21]
異種組成物から製造された層を有するゴルフボールにおいて、
異種組成物は、
熱硬化性ポリマー組成物から形成されたマトリックスと、
上記マトリックス中に分散される熱可塑性ポリマー組成物の個別粒子であって、上記熱可塑性ポリマー組成物の融点が上記熱硬化性ポリマー組成物の硬化温度より大きいものとを有し、
上記粒子の最大粒子サイズは0.900mmであり、上記粒子は上記異種組成物中に上記異種組成物の総合重量を基準にして18wt%以上の量だけ存し、
上記熱硬化性ポリマーの比重と上記熱可塑性組成物の比重との差が少なくとも0.13g/cm3であることを特徴とするゴルフボール。
[技術的特徴22]
上記熱硬化性マトリックス組成物は、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ホロブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリクロロプレン、アルキルアクリレートゴム、塩化イソプレンゴム、アクリロニトリル塩化イソプレンゴム、ポリアルケナマー、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、ポリエポキシド、ポリシロキサンポリエステ、アルキド、ポリイソシアヌレート、ポリシアヌレート、ポリアクリレート、およびこれらの2またはそれ以上の組み合わせからなるグループから選択される技術的特徴21記載のゴルフボール。
[技術的特徴23]
上記熱可塑性マトリックス組成物は、非アイオノマー性酸コポリマー、ポリエーテルアミド、ポリエステルアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ゴム強化ポリオレフィン、スチレンコポリマーおよびスチレンブロックコポリマー、動的加硫エラストマー、エチレンビニルアセテート、エチレン(メタ)アクリレートを基礎にしたポリマー、エチレンエラストマー、プロピレンエラストマー、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、これらの官能化誘導体、および、これらのうちの2つまたはそれ以上の組み合わせからなるグループから選択される技術的特徴21記載のゴルフボール。