(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5992408
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】車両用のシャーシ部材及び車両
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20060101AFI20160901BHJP
B60L 11/18 20060101ALI20160901BHJP
B62D 21/00 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B60L11/18 Z
B62D21/00 A
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-520205(P2013-520205)
(86)(22)【出願日】2011年7月22日
(65)【公表番号】特表2013-536113(P2013-536113A)
(43)【公表日】2013年9月19日
(86)【国際出願番号】GB2011001105
(87)【国際公開番号】WO2012010850
(87)【国際公開日】20120126
【審査請求日】2014年5月16日
(31)【優先権主張番号】1012332.1
(32)【優先日】2010年7月22日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】509257444
【氏名又は名称】ゴードン・マレー・デザイン・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100123559
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 俊和
(72)【発明者】
【氏名】マレー,イアン,ゴードン
【審査官】
岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05704644(US,A)
【文献】
特開2006−182295(JP,A)
【文献】
特開平10−162797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
B62D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の取り外し可能なシャーシ部材であって、
前記車両用のシャーシ部材は、外側表皮材料、外側表皮材料に内包される内コア材料、及び、シート内に形成された少なくとも1列の整列ファイバーの平坦なシートに形成され、
衝突の場合に電気バッテリーが動かないようにする前記電気バッテリー用のカバーと、
前記車両用のシャーシ部材を車両シャーシに着脱可能に取り付け、前記シャーシ部材が前記車両シャーシ内に確実に保持されるために前記シートの周縁に提供された複数の固定ポイントと、を有し、
前記平坦なシートが前記複数の固定ポイントの間で平面状に延伸している、車両用のシャーシ部材。
【請求項2】
前記整列ファイバーは、1つの固定ポイントから他の固定ポイントへ向けて延びる、請求項1に記載の車両用のシャーシ部材。
【請求項3】
複数列の整列ファイバーを有する、請求項1又は請求項2に記載の車両用のシャーシ部材。
【請求項4】
前記複数列の整列ファイバーが、互いに所定角度で交差している、請求項3に記載の車両用のシャーシ部材。
【請求項5】
前記所定角度が、90度未満である、請求項4に記載の車両用のシャーシ部材。
【請求項6】
3列の整列ファイバーを有する、請求項3に記載の車両用のシャーシ部材。
【請求項7】
前記3列の整列ファイバーが、互いに60度の角度で配置されている、請求項6に記載の車両用のシャーシ部材。
【請求項8】
前記整列ファイバーが、前記表皮内に配置されている、請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載の車両用のシャーシ部材。
【請求項9】
前記内コア材料が、前記外側表皮材料よりも低密度である、請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載の車両用のシャーシ部材。
【請求項10】
前記外側表皮材料が、前記内コア材料の両端において第1の部分と第2の部分とを備える、請求項9に記載の車両用のシャーシ部材。
【請求項11】
車両シャーシと、電気モーターと、請求項1から請求項10のうちいずれか1項に記載の車両用のシャーシ部材と、前記電気バッテリーから前記電気モーターへの電気接続と、を備えた車両であって、
前記車両用のシャーシ部材が、車両用のシャーシ部材の固定ポイントを通って車両シャーシ上の対応する固定ポイントへと延びる取外し可能な固定部を介して、車両シャーシへと取り付けられている、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの電気自動車は内燃機関用の自動車に用いられる設計を基本とし、内燃エンジンを電気モーターに置換したり必要なバッテリーを車両内の適切な位置に格納するなどの必要な変形を加えている。これが、バッテリーの実際の重量に配慮した最適化が殆どなされず、また将来、バッテリーを交換するであろうことについても殆ど考慮されないまま、従来の自動車のシャーシが電気自動車に引き継がれていることの原因となっている。一般的に、バッテリーは充電と放電を周期的に繰り返すにつれて容量が次第に低下し、そのうち交換が必要となる。
【0003】
例えば、BMW社のMINI”E”車両では、電気モーターは従来通りのフロントエンジンルーム内に配置されており、バッテリーは後部座席と後部の積荷スペースの一部との場所を取っている。結果として、比較的大きなボディーシェルであるにもかかわらず2人しか乗ることができない設計となっている。トヨタ社のプリウスハイブリッドは、より効果的にバッテリーを車両に組み込んでいるが、バッテリーの交換が経済的に実行可能でないと考えられ、その結果、車両の耐用走行距離がたったの150,000キロメートル(約100,000マイル)となる。客室の下にバッテリーを格納可能な空間を提供する二重床のシャーシを備えたメルセデス社のAクラスのように、電気推進の必要性に基づいて一から設計されている車はわずかである。
【0004】
このようなアプローチは、電気自動車の設計を阻害する。これまでのシャーシは通常、プレス鋼板構造であり、そのために実重量上での不利益をもたらしている。このことは、逆に、車両を駆動するためにより強力なバッテリーが必要であることを意味し、車両の重量をより一層増加させる。各セルは典型的に6キログラムであり、実際の車両には多数のセルが必要となる。しかしながら、強い耐衝撃性を有するシャーシやバッテリーを拘束する他の形態は、衝突の際にバッテリーを拘束するために不可欠である。しばしば、バッテリーは乗客の後方に配置され、それゆえ、前方からの衝突の際、拘束されていなければ乗客に重症を負わせる可能性がある。そのようなカバーや拘束手段は、通常、鋼鉄や他の類似の構造物であり、より一層重量が増加する。バッテリーの容易な交換を許容するようにこれを設計すると、さらに複雑になり重量が増加する。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明は、外側表皮材料、外側表皮材料に内包された内部コア材料、及び、少なくとも1列の整列ファイバーとによって形成され、電気バッテリー用のカバーと部材をシャーシに取り付けるための複数の固定ポイントとを含む、車両用のシャーシ部材を提供する。
【0006】
整列ファイバーは、1つの固定ポイントから他の固定ポイントへと延びてもよく、結合された構造同士内での、すなわち、シャーシ部材とそれ以外のシャーシとの間の荷重伝達を許容する。これにより、バッテリーケースがシャーシの耐荷重構造の一部を形成することが可能となり、車両の全体重量が軽量となり、車両性能が向上する。同時に、バッテリーケースをシャーシの一部とすることにより、それへのアクセスが可能となる。車両のシャーシ部材は(例えば、)車両の下方からアクセス可能となり、それ以外のシャーシから解除可能となり、そして、車両から下方に取り出し可能となる。そして、新しいバッテリーを収容するユニットとの交換が可能となったり、その内部のバッテリー交換のために開放可能となったりする。
【0007】
このように、本発明は、取り付けられた際にはシャーシの耐荷重設計に不可欠な部分を形成し、バッテリー交換のためには簡単に取り外し可能となるような、シャーシの取外し可能部の設計を可能にする。一体型のシャーシ内のどこかにバッテリーを設置するだけという既存のアプローチと比較すると、重量を大きく軽減することができ、バッテリーへのアクセス性を大きく向上させることができる。
【0008】
複数列の整列ファイバーであってもよく、互いに90°以下の交差角で配置されることが好ましい。互いに60°の角度に配置された3列の整列ファイバーであることが好ましい。ファイバーは表皮材料の内部に配置されてもよい。
【0009】
拘束手段は、理想的には衝突やその他の急な動作の場合にバッテリーが動かないようにする直立壁を備えているが、メンテナンスのため又は消耗したバッテリーセットを充電済みのセットに交換するために、バッテリーの交換が容易となっている。または、拘束手段が、バッテリーの取付けポイントを備えていてもよい。
【0010】
コア材料は表皮材料よりも低密度であることが好ましく、それによって複合部材は軽量性と高剛性とを備える。
【0011】
実施の形態では、外側表皮材料の一部は、1つの固定ポイントから他の固定ポイントへと平面状に延伸している。例えば、外側表皮材料が内側コア材料の両端に第1の部分と第2の部分とを備える場合、第1の部分は複数の固定ポイントの間を平面状に延伸する。表皮の平坦部分はシートに高い剛性を与え、シャーシの一部として接続されると耐荷重性を発揮する。それは、他の場合と比較して、シャーシの空力抵抗をも改善する。
【0012】
また別の側面において、本発明はシャーシと、電気モーターと、上記のように画定されたシャーシ部材と、バッテリーからモーターへの電気接続と、を備えた車両であって、シャーシ部材が、シャーシ部材の固定ポイントを通ってシャーシ上の対応する固定ポイントへと延びる取外し可能な固定部を介して、シャーシへと取り付けられている、車両を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、以下の図面を参照しつつ例示的に説明する。
【
図1】
図1は、車両シャーシの内部に配置された、本発明の実施の形態1に係るバッテリー搭載プレートの平面図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態1のバッテリーカバーの垂直断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態2に係るバッテリーカバーの開放状態の斜視図である。
【
図4】
図4は実施の形態2のバッテリーカバーの閉鎖状態の図である。
【
図5】
図5は車両を一側方から見た場合の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、シャーシ構造12に取り付けられた本発明のシャーシ部材10を示している。シャーシ構造は、その内容が参照により本明細書に含まれ、本発明の充分な理解のために当業者が参照すべき我々の先の出願である国際公開番号WO2009/122178及び国際出願PCT/GB2010/001253に開示されている。シャーシは非平面の複合シート16が接合された管状鉄鋼フレーム14を有している。機械的荷重が単一構造として作用する鉄鋼フレーム及び複合シートを介して伝達される。シートは、特定の方向における構造全体の耐衝撃性を向上させるために、指向性ファイバーを有してもよい。
【0015】
本発明によれば、シャーシ12は複数の取付けポイント18を有している。この場合、それらは鉄鋼フレーム14に溶接された鉄鋼タブ部材として形成され、複数の貫通穴20を有する。
図2により明確に示すように、シャーシ部材10は、軽量でありながら強く硬いシート25を形成するために、内コア部材24を内包する表皮22を有して形成される。バッテリーケース26は、表皮材料で形成されたシート25に対して取付け可能とされ、複数のバッテリーセル28を覆っている。アクセスを許容するため、ケース26は表皮22に固着された下トレイ部30と、連結構造34を介してトレイ部30上に適合する上蓋部32とによって形成されている。ボルト、ネジなど他の取付け手段を代替的に採用してもよい。
【0016】
シート25の外側端部において、各々シート25の反対側からともに表皮を持ってきて接着的に(又は、他の方法により)結合することで、シート25の端部周囲に薄い外側フランジ36が画定されるように、表皮22は両側において内コア24に重複している。これにより、フランジ36に貫通穴をあけることによって、フランジ36上に固定ポイントが画定される。ボルトを、シャーシ12上のタブ18の貫通穴20を通し、フランジ36を通して、適切なナット、ワッシャーその他に締結可能である。タブ18と貫通穴20の位置に対応するようにフランジ36の周囲に間隔を空けて配置された複数の貫通穴により、シャーシ部材10がシャーシ12内の所定の場所に確実に保持され得る。
【0017】
図2から見て取れるように、表皮22は、内コア材料24の一方側(図示された実施の形態においては、コア材料の下側)において平坦すなわち平板であり、1つの貫通穴20から別の貫通穴へと平面状に延伸している。表皮22の平坦部分はシート25に高い剛性を与え、それによりシャーシの一部として接合されると耐荷重性を発揮する(以下に例示する)。
【0018】
シート25はまた、一連の指向性ファイバー強化材38を有している。
図2に示すようにそれらはシート25内に形成されており、表皮22の対向する内面に接着されている。各々の強化材は、カーボン、ケブラー、ガラス又は他の硬質繊維強化材料などの整列ファイバーの束を含み、ファイバーの方向においてシートに付加的な剛性を提供する。
【0019】
図1に示されるように、シート25は合計で8つの固定ポイントを有する。各側辺に沿って、各々2つの固定ポイントがあり、シート25の端部に沿って長手方向に間隔を空けて配置されている。1つの指向性ファイバー強化材40が、一対の固定ポイント間でシート25を側方に横断して延びている。第2の指向性ファイバー強化材42が、長手方向において第1のものから間隔を空けて、他の一対の固定ポイント間でシート25を側方に横断して延びている。
【0020】
他の4つの固定ポイントは、シート25の前方に一対が間隔を空けて、シート25の後方に一対が間隔を空けて配置されている。第3の指向性ファイバー強化材44は、前方の固定部から反対側の後方の固定部に向けて、シート25の中央を通ってシート25を斜めに横断する。第4の指向性ファイバー強化材46は、他方の前方の固定部から他方の後方の固定部へ、再びシート25の中央を通って、第3の指向性ファイバー強化材44に交差してシート25を斜めに横断する。
【0021】
指向性ファイバー強化材は、各々の終端部がフランジ部36へと延びており、このようにして、フランジ部36に画定された固定ポイントを囲む。したがって、すべての指向性ファイバー強化材40,42,44及び46が、1つの固定部から他の固定部へと延びているので、これらすべてが、シャーシ部材10が取り付けられたシャーシ12全体の剛性に寄与している。力は、シャーシ12から固定ポイントを介して指向性ファイバー強化材4,42,44及び46へと伝達可能となる。
【0022】
これには2つの利点がある。第1に、上述のバッテリーケース構造がシャーシの全体的な性能に貢献するので、シャーシ全体の軽量化(または、一層の高剛性化)が可能となる。第2に、バッテリーケース周辺に追加的なシャーシ構造が不要となるので、それをバッテリーの取外しや交換時のアクセスが容易となるシャーシの外側端部(例えば、底面側)に設置することができる。
【0023】
図3は、本発明が特定の車両に適用された例を示している。この場合、関連する車両は我々の先の出願である国際公開番号WO2009/122178及び国際出願PCT/GB2010/001253に示される形式のシャーシ、すなわち1又はそれ以上の複合材シートが結合された管状鋼鉄フレームを本質的に備えたシャーシを有している。それらの複合材シートは、鋼鉄フレーム部材間の力の伝達を助け、それによってシャーシ全体の剛性に寄与する。
【0024】
図3に示された例では、最後部の複合材シートの代わりに、図示されたシート100が設置されている。これは、上記で参照される出願及び国際公開番号WO2008/110814において議論される、3人乗りレイアウトの車両を想定した設計である。それゆえ、シート100は、シャーシの鉄鋼フレーム部材内に適合する形状とされた実質的に平板状のベース102を含み、上記で説明した内部構造、すなわち、指向性ファイバー強化材の軽量コアの周囲に外側表皮を有する構造を備える。外側フランジ104は、シート100が鋼鉄フレーム上で支持されることを可能とし、シート100をボルト(または、類似のものの)を介してフレームに取り付けるための貫通穴106を有する。それにより、バッテリー交換のために後に解除可能である。上述の通り、ベース102内部の指向性ファイバーは、1つの貫通穴から他の貫通穴に向けて延伸しており、それによって、シート100を介したシャーシ内部の力の伝達が許容される。
【0025】
直立部108は、ベース102から上方へ延伸し、閉鎖空間110を画定する。複数のセルが垂直部108内部に配置され、保持されてもよい。理想的には、直立部108は、セルの周囲に不可欠な換気スペースのみを残して、セルが大きく動かないように、内部にぴったり収まるように設計される。ストラップ、スペーサ、その他の追加的な保持構造が提供されてもよい。
【0026】
この例では、直立部108は、3人乗りの構造下で利用可能なスペース内に収まるようにも設計されている。すなわち、中央の運転席の下方に位置する直立部108の幅狭領域112と、後部座席の下方位置のすぐ後方の幅広領域114とがある。
【0027】
図4に示されるように、蓋116は直立部108を覆っている。直立部108の外側上端部にある構造118は、蓋116の内側下端部の対応する構造と係合し、蓋116をセットした位置に保持する。電力及び電気信号の伝達のためのバッテリーへの又はバッテリーからの必要なケーブルを通すために、直立部108内又は蓋116内に開口部(不図示)が提供されてもよい。シート100の構造的剛性はベース102によって提供されているので、その開口部はシャーシの完全性に影響を与えない。
【0028】
ベース102内の一対の換気口120,122は、車両後部にある電気モーターへ向けた冷風の通過を許容する。これらの換気口は、ベース102に設けられているので、ベース102が必要な剛性を保持するためには、指向性ファイバー強化材がこれらの周囲に設計される必要がある。
【0029】
図5は、車両126内部におけるバッテリーの一般的な配置を示している。理解されるであろうが、
図5は単なる概略図であって、幾何学的にも寸法的にも正確ではない。したがって、
図5内のバッテリーケースの厳密な形状は、
図3及び4に示されるシート100の厳密な形状と対応しない。しかしながら、全体的な理解は提供する。すなわち、シート100はバッテリー(以下、バッテリーケース100として参照される)を有して、車両のベース上であって、前輪128の後方に、後輪130の前方に、及び、客室の下方に配置される。電気モーター132とギアボックス134とは後輪を駆動し、制御ユニット136を介してバッテリーケース100から電力が供給される。ラジエーター/熱交換器138は、換気口120,122(
図3)を通り、モーター132、ギアボックス134及び制御ユニット136を通り、ラジエーター/熱交換器138を通って排出される空気流を利用して、様々なシステムの冷却を可能にしている。
【0030】
バッテリーケース100は、車両126を適切なリフトで持ち上げ、バッテリーケース100をジャッキで支持し、バッテリーケース100を外側フランジ104においてシャーシに固定している固定部を解除することにより、それ以外の車両から取外し可能である。その後、バッテリーケース100を車両126から下方へ取り出し、ジャッキを下げることができる。バッテリーケース100は、車両126の他の部材と干渉しないように形成されている。例えば、その最後部124は、リアサスペンションを避けるためにテーパ形状とされている。
【0031】
このように、本発明においては、電気自動車のバッテリーを、安全でありながら更新及び/又は交換においてアクセス容易な方法で格納することができ、一方、シャーシの合計重量を最小化することができる。
【0032】
また、バッテリーパック100、モーター132、制御ユニット136及びギアボックス134を含む駆動伝達系の高電圧(400V)部材が、全てコンパクトで安全な配置内に包含される。そして、バッテリー、制御ユニット及びモーターが車両全体に分散配置され、曝露により乗員や救助員への衝突後のリスクをもたらす400Vのシステムの危険性を増加させるような内燃動力系のドナー車体車両から引き継がれた他の機構よりも、優れた耐衝撃性を発揮する。
【0033】
本発明の範囲を超えなければ、上記に説明された実施の形態に対する種々の変形が可能であることは言うまでもなく理解されるであろう。例えば、本発明の種々の部材の特定の寸法や形状は、これら部材が取り付けられるシャーシの設計や使用されるセルのサイズや数に依存する。