【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、(a)蛍光増白剤、(b)分散剤及び(c)β−1,3−グルカンを含む水分散液に関する。
【0005】
基本的に、この目的で知られている何れのFWAは本発明に係る水分散液において適用され得る。好ましくは、ジシアノ−1,4−ビス−スチリルベンゼン及びビスベンゾオキサゾールが使用される。
【0006】
したがって、本発明は、上述したように、蛍光増白剤として、式(1)
【化1】
で表される化合物を含む水分散液に関する。
【0007】
より好ましくは、本発明に係る水分散液は蛍光増白剤として式(1a)
【化2】
で表される化合物含む。
【0008】
さらに好ましい態様として、本発明に係る水分散液は、蛍光増白剤として式(2)
【化3】
(式中、R
1は水素原子、炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数6ないし14
のアリール基、炭素原子数7ないし24のアラルキル基を表し、及び
Xは式(3)、(4)又は(5)
【化4】
で表される2価の基を表わす。)で表される化合物を含む。
【0009】
R
1としての炭素原子数1ないし6のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、tert−アミル基(1,1−ジメチルプロピル基)、n−ペンチル基、ネオペンチル基及びn−ヘキシル基を含む。
【0010】
炭素原子数6ないし14のアリール気の例として、フェニル基、トリル基、メシチル基、イシチル(isityl)基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基及びフェナントリル基が挙げられる。
【0011】
R
1としての炭素原子数7ないし24のアラルキル基は、例えば、ベンジル基、2−フ
ェニルエチル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基及び2−ナフチルエチル基を含む。
【0012】
特に好ましくは、式(2)で表されるFWAが式(2a)及び(2b)
【化5】
で表される化合物である。
【0013】
本発明に係る分散液に適した分散剤は、好ましくは非イオン性界面活性剤である。
【0014】
非イオン性分散剤の例は、脂肪酸アルコールのエチレンオキシド付加物、高級脂肪酸、アルキルフェノール、ソルビトールエステル、ジ−及びトリ−スチリルフェノール;エト
レンオキシド及びプロピレンオキシドのコポリマー又はエチレンジアミンのエチレンオキシド/プロピレンオキシド付加物。
【0015】
さらに、目的にかなう本発明に係る水分散液は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール等の有機溶媒を含む。
【0016】
β−1,3−グルカンは、グルコースに対するの特定の微生物の働きによって製造される多糖類である。水中での増粘剤として適ようできる適したグルカンは、例えば米国特許第3,301,848号明細書に開示されている。
【0017】
好ましいβ−1,3−グルカンはスクレログルカンである。
【0018】
蛍光増白剤は、しばしば二種以上の成分の混合物の形態で使用される。というのも斯様な混合物は、単独の個々の成分の合計の白色度よりも高い白色度を示し得るからである。
【0019】
好ましい態様としては、本発明に係る水分散液は蛍光白色剤として、蛍光増白剤の全量に基づいた夫々の割合で、式(1)で表される化合物5ないし25質量%、特に10ないし20質量%と、少なくとも一種の式(2)で表される化合物75ないし95%、好ましくは80ないし90質量%とを含む混合物を含む。
【0020】
特に好ましくは、上述したように、式(1a)
【化6】
で表される化合物2.5ないし25%、式(2a)
【化7】
で表される化合物2.5ないし20質量%、及び式(2b)
【化8】
で表される化合物55ないし95質量%を含む混合物を、蛍光増白剤として含む水分散液である。
【0021】
さらに、
水分散液の全量に基づいた夫々の割合で、
(a)蛍光増白剤5ないし40質量%、特に10ないし30質量%、
(b)分散剤0.5ないし15質量%、特に1.0ないし10質量%、及び
(c)β−1,3−グルカン0.5ないし10質量%、特に1.0ないし5.0質量%
を含む水分散液は特に興味深い。
【0022】
式(1)及び(2)で表される化合物は、周知のFWAであり、そして市販されているか或いは既知の方法に従って製造できる。
【0023】
本発明のさらなる目的は、上述したような水分散液を用いて処理することによる織物材料の増白方法である。
【0024】
本発明のさらに他の目的は、合成繊維、特にポリエステル繊維の増白のための、上述したような水分散液の使用である。
【0025】
蛍光増白剤の混合物の慣例により、個々の成分は、液体媒体、好ましくは水の中に分散させることによって商業形態に加工することができる。これは、個々の成分を分散させ、次いでそのようにして得られた分散液を組み合わせることによって得ることができる。しかしながら、実質的に個々の成分を一緒に混合し、ついでそれらを一緒に分散させることも可能である。分散操作は、ボールミル、コロイドミル、ビーズミルなどの慣用の方法で実施される。
【0026】
好ましくは、水と分散剤とを一緒に組み合わせたFWAは、ガラスビーズの存在下で湿式粉砕される。細かくした原料は、貯蔵され、異なる部分に分割され、そしてそれ自体を既知の方法で処理される。
【0027】
本発明に係る水分散液は、助剤0.1ないし60質量%、好ましくは5ないし50質量%をさらに含み得る。
【0028】
適した助剤は、例えば、湿潤剤、不凍剤、消泡剤、増粘剤/安定剤及び殺生物剤を含む。
【0029】
増粘剤/安定剤の例は、N−ビニルピロリドンと3−ビニルプロピオン酸との共重合体、ポリビニルアルコール又は非イオン性/アニオン性の多糖類である。
【0030】
助剤の全種類は、乳化剤&洗剤及び機能性材料のマカッチャン年鑑に開示されている。
【0031】
本発明の水分散液及びそれを含む組成物は、合成繊維から製造される、特にポリエステルから製造される織物材料の増白のために適している。しかしながら、それらの混合物及び組成物はまた、ポリエステルを含むブレンドの増白に対して使用できる。
【0032】
本発明の混合物は、例えば、染色機械における吸尽染色工程によるか、又はパッド−熱固着による、蛍光増白剤の適用のために一般的に使用される方法により利用される。この処理は、化合物が懸濁液、マイクロ分散液又は場合によっては溶液のような微細粒子形態で存在する水性媒体中で、都合よく実施される。適切であれば、分散剤、安定剤、湿潤剤及び他の助剤はこの処理中に添加され得る。この処理は、通常、約90℃ないし140℃、好ましくは110ないし130℃の温度範囲で実施される。混合物がパッド−熱固着法により適用された場合、熱固着は、170及び220℃の間の温度で好ましくは実施される。
【0033】
本発明に係る水分散液は、シェーディング染料の添加なしに、青い色調を提供できる。
【0034】
その上、本発明に係る水分散液で処理された材料は、高い光堅牢度及び高い白色度と優れた輝きとを示す。
【0035】
驚くべきことに、β−1,3−グルカンはFWAの分散だけでなくバット染料とFWAとを含む分散にも効果的な安定剤であり、色調変化を伴うポリアクリロニトリル(PAN)繊維の増白のために適していることが見出された。
【0036】
それに応じて、本発明はさらに、(a)蛍光増白剤、(b)分散剤、(c)β−1,3−グルカン及び(d)バット染料を含む水分散液に関する。
【0037】
PAN繊維に適用できるFWAは当業者に既知である。適した増白剤は、例えば、C.I.蛍光増白剤363のようなベンズイミダゾール誘導体である。
【0038】
PANの染色に適しているバット染料は、同様に当業者に既知である。例えばC.I.バットバイオレット1及びC.I.バットブルー66である。
【0039】
本発明はさらに、上記で定義されたような、成分(a)+(b)+(c)を含む水分散液か、又は成分(a)+(b)+(c)+(d)を含む水分散液を用いて処理することによって、織物材料を増白するための工程に関する。
【0040】
本発明はさらに、上記で定義されたような合成繊維を増白するための、成分(a)+(b)+(c)を含む水分散液か又は成分(a)+(b)+(c)+(d)を含む分散液の使用に関する。
【0041】
下記実施例は本発明の説明に約立ち;部及びパーセンテージは、特に明記しない限り質量である。