特許第5992445号(P5992445)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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▶ ハンツマン アドバンスト マテリアルズ (スイッツァランド) ゲーエムベーハーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5992445
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】分散形態にある蛍光増白剤の製剤
(51)【国際特許分類】
   C09B 67/46 20060101AFI20160901BHJP
   C09B 67/20 20060101ALI20160901BHJP
   D06P 1/00 20060101ALI20160901BHJP
   D06P 1/22 20060101ALI20160901BHJP
   D06P 3/52 20060101ALI20160901BHJP
   D06L 3/12 20060101ALI20160901BHJP
   C09B 23/00 20060101ALN20160901BHJP
   C09B 57/00 20060101ALN20160901BHJP
【FI】
   C09B67/46 C
   C09B67/20 L
   D06P1/00 E
   D06P1/00 K
   D06P1/22
   D06P3/52 Z
   D06L3/12
   !C09B23/00 L
   !C09B23/00 E
   !C09B57/00 N
   !C09B57/00 S
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-549763(P2013-549763)
(86)(22)【出願日】2012年1月4日
(65)【公表番号】特表2014-508197(P2014-508197A)
(43)【公表日】2014年4月3日
(86)【国際出願番号】EP2012050098
(87)【国際公開番号】WO2012098015
(87)【国際公開日】20120726
【審査請求日】2014年12月23日
(31)【優先権主張番号】11151511.0
(32)【優先日】2011年1月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】300052420
【氏名又は名称】ハンツマン アドバンスト マテリアルズ (スイッツァランド) ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】HUNTSMAN ADVANCED MATERIALS (SWITZERLAND) GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104385
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100163360
【弁理士】
【氏名又は名称】伴 知篤
(72)【発明者】
【氏名】グルエッター,サージ
(72)【発明者】
【氏名】ドンゼ,ジャン−ジャック
(72)【発明者】
【氏名】シュレーダー,サージ
(72)【発明者】
【氏名】フレイ,アンドレア
【審査官】 鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−508591(JP,A)
【文献】 特表2009−530478(JP,A)
【文献】 特開2006−077199(JP,A)
【文献】 特開2003−041300(JP,A)
【文献】 特表2006−509087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09B 67/46
C09B 67/20
D06L 3/12
D06P 1/00
D06P 3/52
C09B 23/00
C09B 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)蛍光増白剤として、式(2)
【化1】
(式中、Rは、水素原子、炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数5ないし14のアリール基又は炭素原子数6ないし24のアラルキル基を示し、
Xは式(3)、(4)又は(5)
【化2】
で表される二価の基を表わす。)で表される化合物、
(b)分散剤、及び
(c)β−1,3−グルカン
を含む水分散液。
【請求項2】
前記蛍光増白剤として、更に式(1):
【化3】
で表される化合物を含む、請求項1に記載の水分散液。
【請求項3】
前記分散剤として非イオン性界面活性剤を含む、請求項1又は請求項2に記載の水分散液。
【請求項4】
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールを更に含む、請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の水分散液。
【請求項5】
蛍光増白剤として、蛍光増白剤の全量に基づいた夫々の割合で、前記式(1)で表される化合物5ないし25質量%及び少なくとも1種の前記式(2)で表される化合物75ないし95質量%を含む混合物を含む、請求項1に記載の水分散液。
【請求項6】
蛍光増白剤として、蛍光増白剤の全量に基づいた夫々の割合で、式(1a)
【化4】
で表される化合物2.5ないし25質量%、式(2a)
【化5】
で表される2.5ないし20質量%及び式(2b)
【化6】
で表される化合物55ないし95質量%を含む混合物を含む、請求項1に記載の水分散液。
【請求項7】
水分散液の全量に基づいた夫々の割合で、
(a)蛍光増白剤5ないし40質量%
(b)分散剤0.5ないし15質量%、及び
(c)β−1,3−グルカン0.5ないし10質量%
を含む、請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の水分散液。
【請求項8】
(d)バット染料
更に含む、請求項1に記載の水分散液。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の水分散液で処理することによる、織物材料の増白方法。
【請求項10】
合成繊維を増白するための、請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の水分散液の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散形態にある蛍光増白剤(FWA)の製剤及び織物材料の増白のためのそれらの使用に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
蛍光増白剤は合成織物繊維に優れた増白作用を提供するが、これらの剤の水分散液はしばしば十分な保存安定性でない、すなわち数ヶ月以上の室温での保存は分散液の沈殿及び濁りを導く。
【0003】
驚くべきことに、スチルベン増白剤の安定な水分散液が、少量のβ−1,3−グルカンの添加によって得ることが出来ることが、いまや見出された。この安定剤の添加は、pHの実質的な制御を容易にし、そしてこの剤の増白作用及び処理した繊維の特性に悪影響を与えない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、(a)蛍光増白剤、(b)分散剤及び(c)β−1,3−グルカンを含む水分散液に関する。
【0005】
基本的に、この目的で知られている何れのFWAは本発明に係る水分散液において適用され得る。好ましくは、ジシアノ−1,4−ビス−スチリルベンゼン及びビスベンゾオキサゾールが使用される。
【0006】
したがって、本発明は、上述したように、蛍光増白剤として、式(1)
【化1】
で表される化合物を含む水分散液に関する。
【0007】
より好ましくは、本発明に係る水分散液は蛍光増白剤として式(1a)
【化2】
で表される化合物含む。
【0008】
さらに好ましい態様として、本発明に係る水分散液は、蛍光増白剤として式(2)
【化3】
(式中、R1は水素原子、炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数6ないし14
のアリール基、炭素原子数7ないし24のアラルキル基を表し、及び
Xは式(3)、(4)又は(5)
【化4】
で表される2価の基を表わす。)で表される化合物を含む。
【0009】
1としての炭素原子数1ないし6のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、tert−アミル基(1,1−ジメチルプロピル基)、n−ペンチル基、ネオペンチル基及びn−ヘキシル基を含む。
【0010】
炭素原子数6ないし14のアリール気の例として、フェニル基、トリル基、メシチル基、イシチル(isityl)基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基及びフェナントリル基が挙げられる。
【0011】
1としての炭素原子数7ないし24のアラルキル基は、例えば、ベンジル基、2−フ
ェニルエチル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基及び2−ナフチルエチル基を含む。
【0012】
特に好ましくは、式(2)で表されるFWAが式(2a)及び(2b)
【化5】
で表される化合物である。
【0013】
本発明に係る分散液に適した分散剤は、好ましくは非イオン性界面活性剤である。
【0014】
非イオン性分散剤の例は、脂肪酸アルコールのエチレンオキシド付加物、高級脂肪酸、アルキルフェノール、ソルビトールエステル、ジ−及びトリ−スチリルフェノール;エト
レンオキシド及びプロピレンオキシドのコポリマー又はエチレンジアミンのエチレンオキシド/プロピレンオキシド付加物。
【0015】
さらに、目的にかなう本発明に係る水分散液は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール等の有機溶媒を含む。
【0016】
β−1,3−グルカンは、グルコースに対するの特定の微生物の働きによって製造される多糖類である。水中での増粘剤として適ようできる適したグルカンは、例えば米国特許第3,301,848号明細書に開示されている。
【0017】
好ましいβ−1,3−グルカンはスクレログルカンである。
【0018】
蛍光増白剤は、しばしば二種以上の成分の混合物の形態で使用される。というのも斯様な混合物は、単独の個々の成分の合計の白色度よりも高い白色度を示し得るからである。
【0019】
好ましい態様としては、本発明に係る水分散液は蛍光白色剤として、蛍光増白剤の全量に基づいた夫々の割合で、式(1)で表される化合物5ないし25質量%、特に10ないし20質量%と、少なくとも一種の式(2)で表される化合物75ないし95%、好ましくは80ないし90質量%とを含む混合物を含む。
【0020】
特に好ましくは、上述したように、式(1a)
【化6】
で表される化合物2.5ないし25%、式(2a)
【化7】
で表される化合物2.5ないし20質量%、及び式(2b)
【化8】
で表される化合物55ないし95質量%を含む混合物を、蛍光増白剤として含む水分散液である。
【0021】
さらに、水分散液の全量に基づいた夫々の割合で、
(a)蛍光増白剤5ないし40質量%、特に10ないし30質量%、
(b)分散剤0.5ないし15質量%、特に1.0ないし10質量%、及び
(c)β−1,3−グルカン0.5ないし10質量%、特に1.0ないし5.0質量%
を含む水分散液は特に興味深い。
【0022】
式(1)及び(2)で表される化合物は、周知のFWAであり、そして市販されているか或いは既知の方法に従って製造できる。
【0023】
本発明のさらなる目的は、上述したような水分散液を用いて処理することによる織物材料の増白方法である。
【0024】
本発明のさらに他の目的は、合成繊維、特にポリエステル繊維の増白のための、上述したような水分散液の使用である。
【0025】
蛍光増白剤の混合物の慣例により、個々の成分は、液体媒体、好ましくは水の中に分散させることによって商業形態に加工することができる。これは、個々の成分を分散させ、次いでそのようにして得られた分散液を組み合わせることによって得ることができる。しかしながら、実質的に個々の成分を一緒に混合し、ついでそれらを一緒に分散させることも可能である。分散操作は、ボールミル、コロイドミル、ビーズミルなどの慣用の方法で実施される。
【0026】
好ましくは、水と分散剤とを一緒に組み合わせたFWAは、ガラスビーズの存在下で湿式粉砕される。細かくした原料は、貯蔵され、異なる部分に分割され、そしてそれ自体を既知の方法で処理される。
【0027】
本発明に係る水分散液は、助剤0.1ないし60質量%、好ましくは5ないし50質量%をさらに含み得る。
【0028】
適した助剤は、例えば、湿潤剤、不凍剤、消泡剤、増粘剤/安定剤及び殺生物剤を含む。
【0029】
増粘剤/安定剤の例は、N−ビニルピロリドンと3−ビニルプロピオン酸との共重合体、ポリビニルアルコール又は非イオン性/アニオン性の多糖類である。
【0030】
助剤の全種類は、乳化剤&洗剤及び機能性材料のマカッチャン年鑑に開示されている。
【0031】
本発明の水分散液及びそれを含む組成物は、合成繊維から製造される、特にポリエステルから製造される織物材料の増白のために適している。しかしながら、それらの混合物及び組成物はまた、ポリエステルを含むブレンドの増白に対して使用できる。
【0032】
本発明の混合物は、例えば、染色機械における吸尽染色工程によるか、又はパッド−熱固着による、蛍光増白剤の適用のために一般的に使用される方法により利用される。この処理は、化合物が懸濁液、マイクロ分散液又は場合によっては溶液のような微細粒子形態で存在する水性媒体中で、都合よく実施される。適切であれば、分散剤、安定剤、湿潤剤及び他の助剤はこの処理中に添加され得る。この処理は、通常、約90℃ないし140℃、好ましくは110ないし130℃の温度範囲で実施される。混合物がパッド−熱固着法により適用された場合、熱固着は、170及び220℃の間の温度で好ましくは実施される。
【0033】
本発明に係る水分散液は、シェーディング染料の添加なしに、青い色調を提供できる。
【0034】
その上、本発明に係る水分散液で処理された材料は、高い光堅牢度及び高い白色度と優れた輝きとを示す。
【0035】
驚くべきことに、β−1,3−グルカンはFWAの分散だけでなくバット染料とFWAとを含む分散にも効果的な安定剤であり、色調変化を伴うポリアクリロニトリル(PAN)繊維の増白のために適していることが見出された。
【0036】
それに応じて、本発明はさらに、(a)蛍光増白剤、(b)分散剤、(c)β−1,3−グルカン及び(d)バット染料を含む水分散液に関する。
【0037】
PAN繊維に適用できるFWAは当業者に既知である。適した増白剤は、例えば、C.I.蛍光増白剤363のようなベンズイミダゾール誘導体である。
【0038】
PANの染色に適しているバット染料は、同様に当業者に既知である。例えばC.I.バットバイオレット1及びC.I.バットブルー66である。
【0039】
本発明はさらに、上記で定義されたような、成分(a)+(b)+(c)を含む水分散液か、又は成分(a)+(b)+(c)+(d)を含む水分散液を用いて処理することによって、織物材料を増白するための工程に関する。
【0040】
本発明はさらに、上記で定義されたような合成繊維を増白するための、成分(a)+(b)+(c)を含む水分散液か又は成分(a)+(b)+(c)+(d)を含む分散液の使用に関する。
【0041】
下記実施例は本発明の説明に約立ち;部及びパーセンテージは、特に明記しない限り質量である。
【実施例】
【0042】
実施例1
式(2b)で表されるビスベンゾオキサゾール100g、PPG 1750/80 EO(エトキシ化ポリプロピレングリコール、80エチレンオキシド単位)10g、1,2−プロピレングリコール12.5g及びグルタルアルデヒド0.25gを脱イオン水127.25gに添加した。水で冷却できるグライディングビーカー内で、この分散液をガラスビーズ(1mmφ)500gと混合し、従来の撹拌装置(700rpm)によって冷却下で9時間粉砕した。濾過後、FWA40質量%を含むグラウンドストック250gを得た。
脱イオン水90.71g、粗製グルカン(スクレログルカン)の1.5%水溶液1.38g、アクチサイド(Acticie(登録商標))MBS(2−メチル−2H−イソチアゾール−3−オン2.5質量%及び1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン2.5質量%を含む殺生物剤)1.29gを容器中で混合した。FWAを含むグラウンドストック230gを添加し、そして混合物を30分間(600rpm)で撹拌し、そして均質化した。FWA20質量%を含む透明な分散液を得た。分散液のサンプルを貯蔵安定性に関して分析し;結果を表1に纏めた。
【0043】
比較例2
式(2b)で表されるビスベンゾオキサゾール100g、PPG 1750/80 EO(エトキシル化ポリプロピレングリコール、80エチレンオキシド単位)10g、1,2−プロピレングリコール12.5g及びグルタルアルデヒド0.25gを脱イオン水127.25gに添加した。水によって冷却できるグランディングビーカー内で、この分散液をガラスビース(1mmφ)500gと混合し、そして慣用の撹拌装置(700rpm
)によって冷却下で9時間粉砕した。濾過後、FWA40質量%を含むグランドストック250gを得た。
脱イオン水90.71g、ポリビニルアルコール(ゴーセノール(Gohsenol、登録商標)KH17、日本合成社供給)の10%水溶液138g及びアクチサイド(登録商標)MBS(2−メチル−2H−イソチアゾール−3−オン2.5質量%及び1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン2.5質量%を含む殺生物剤)1.29gを容器内で混合した。FWAを含むグラウンドストック230gを添加し、そしてこの混合物を30分間(600rpm)撹拌し、そして均質化した。FWA20質量%を含む透明分散液を得た。分散液の試料を貯蔵安定性に関して分析し;結果を表1に纏めた。
【表1】
【0044】
適用例1
a)吸尽法におけるポリエステルへの適用
染色装置中で、ポリエステル織物(前洗浄され、195℃でヒートセット、165g/m2)を、室温で及び浴比1:20で、実施例1又は比較例2に従うFWA夫々を含む水
浴を用いて、処理した。温度を、室温から130℃まで30分かけて昇温し、この温度をさらに30分保持し、続いて15分間で40℃まで冷却した。次いで、織物材料を流水で30秒間すすいで、そして70℃で乾燥した。試料を、ガンツ、ガンツ−グリセールに従う色値(TV)及び顕色プロファイル(developing profile)に従う白色度に関して分析した。結果を表2a、2b及び2cに纏める。
【0045】
【表2】
【表3】
【表4】
【0046】
b)パッド−ベイク法におけるポリエステルへの適用
ポリエステル織物(前洗浄され、ヒートセット195℃、165g/m2)を、分散形
態で、表2a及び2bに与えられた割合で例1又は2に従うFWAを夫々含む、スルホン化ジカルボン酸アルキルエステルのアルカリ塩1g/Lの存在している水性液を用いて、パッド−ベイク法によって、室温で処理した。この水溶液収集は50%である。次いで、織物試料を30分間70℃で乾燥し、そして30秒間185度で熱固着した。試料をガンツ、ガンツ−グリセールに従う色値(TV)及び顕色プロファイルに従う白色度に関して分析した。白色度と色値に関しては、両試料でおおよそ同じ結果が得られたが、一方本発明に係る分散液の顕色プロファイルは明らかに優れている。結果を表3a、3b及び3cに纏める。
【0047】
【表5】
【表6】
【表7】
【0048】
実施例3
A.グラウンドストックの製造
プロピレングリコール11.0g、プルロニック(Pluronic(登録商標))F
108(ポリプロピレングリコール)11.0g及びグルタルアルデヒドの50%溶液0.22gを室温で水43.78gに溶解した。式(1a)で表される化合物6.6g、式(2a)で表される化合物8.8g及び式(2b)で表される化合物28.6gを一部に添加した。この懸濁液を室温で30分間撹拌した。水で冷却できるグライディングビーカー中で、この分散液をガラスビーズ(1mmφ)と混合し、そして慣用の撹拌装置(2200rpm)によって冷却下で1時間粉砕した。濾過後、FWA40質量%を含むグラウンドストック200gが得られた。
【0049】
B.グルカン溶液の製造
粗製グルカン(スクレログルカン)2.0g、1,2−プロピレングリコール4.0g及びアクチサイド(登録商標)MBS 0.4gを、室温で、水93.6gに撹拌下で添加した。この混合物を80℃まで加熱し、そして透明水溶液が得られるまで撹拌した。
【0050】
C.最終分散液の製造
工程Aで製造したグランドストック75g、工程Bで製造したグルカン溶液67.5g、アクチサイド(登録商標)MBS 093g及び水156.67gを混合し、分散液を室塩で30分間撹拌した。このようにして得た最終分散液の試料を貯蔵安定性に関して分析し;結果を表4に纏めた。
【0051】
【表8】
【0052】
実施例4
C.I.蛍光増白剤363(15%製剤)560gの溶液を、ビーカー中で激しく撹拌しながら粗製グルカン3.15gと混合した。様々な量のC.I.バイオレット1又はC.I.バットブルー66を含むバット染料の湿式粉砕された分散液を脱イオン水と混合し、そしてFWA分散液を添加した。そして、分散液を30分間(500rpm)撹拌した。
このようにして得られた分散液は、明るく白い色合いを与える、98度での吸尽法でPAN繊維へ適用される。