特許第5992470号(P5992470)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5992470生ごみ処理用攪拌粉砕装置における付着物の防止用掻取羽
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5992470
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】生ごみ処理用攪拌粉砕装置における付着物の防止用掻取羽
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/00 20060101AFI20160901BHJP
   B01F 7/02 20060101ALI20160901BHJP
   B02C 18/00 20060101ALI20160901BHJP
   B01F 15/00 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
   B09B3/00 D
   B01F7/02 ZZAB
   B02C18/00 104A
   B01F15/00 D
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-102073(P2014-102073)
(22)【出願日】2014年5月16日
(65)【公開番号】特開2015-217337(P2015-217337A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2016年1月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592250414
【氏名又は名称】株式会社テックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100074055
【弁理士】
【氏名又は名称】三原 靖雄
(72)【発明者】
【氏名】中本 義範
【審査官】 岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−035721(JP,A)
【文献】 特許第3041620(JP,B2)
【文献】 特開2004−115300(JP,A)
【文献】 特開平07−204615(JP,A)
【文献】 特開2003−048794(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0291773(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 3/00
B01F 7/02
B01F 15/00
B02C 18/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒タンク状の処理槽(W)の軸心部(X)に横設する回転軸(Y)の外周に、ステンレス鋼からなる複数の単羽根(A)と掻板付刃(B)を、前記処理槽(W)内に設けた生ごみ処理における攪拌粉砕装置であって、
前記回転軸(Y)の両端部であって、処理槽(W)の側壁面(Wa)に沿ってそれぞれ側壁面掻取羽(1)を設けた生ごみ処理用攪拌粉砕装置における付着物の防止用掻取羽において、
前記側壁面掻取羽(1)が、適宜な幅と長さを有し、
前記側壁面掻取羽(1)の回転軸側の一端部付近には、ビス穴(2)を穿設し、
前記側壁面掻取羽(1)の長さ方向の中央部付近には、前記掻取羽(1)と適宜な角度を有して直交する方向に中部掻板(3)を設け、
前記側壁面掻取羽(1)の他端部には、該側壁面掻取羽(1)と直交する先部掻板(4)を設け、
該先部掻板(4)の両端は、それぞれ前記中部掻板(3)とは逆方向に向かう帯形状の先部掻板(4)を設けた
ことを特徴とする生ごみ処理用攪拌粉砕装置における付着物の防止用掻取羽。
【請求項2】
前記先部掻板(4)が、前記側壁面掻取羽(1)に対して、73°の角度傾斜し、
かつ、左右両翼(4a,4b)が、前記側壁面掻取羽(1)に対して、165°の角度を有するV字状に形成して設けた
ことを特徴とする請求項1記載の生ごみ処理用攪拌粉砕装置における付着物の防止用掻取羽。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、生ごみ処理用攪拌粉砕装置における付着物の防止用掻取羽に関するものであり、特に、生ごみ処理用攪拌粉砕装置における処理槽の両側壁面に付着する付着物を取り除く掻取羽に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、生ごみ処理は、焼却する方法、肥料や土壌改良材として利用する方法、固形分を攪拌粉砕して微細化したものを微生物により醗酵分解して消滅させる方法があり、生ごみを粉砕し微生物による処理を行なって固形分(特に有機物)を消滅させる生ごみ処理用攪拌粉砕装置は存在している。例えば、特許文献1のように。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3041620号公報
【0004】
しかし、この特許文献1に開示された発明である生ごみ処理用攪拌粉砕装置の回転軸には、単板羽と掻板付羽は、回転軸の外周から立ち上がって横方向に屈折または屈曲して処理槽内周面に接近する長いアームを形成しており、回転により多くの生ごみに接するよう構成されており、攪拌破砕能力を高めるものであるが、単板羽の先端は左または右に折り曲げて形成され、生ごみの攪拌を促進するとともに、左右方向に移動させることにより槽内を平均化させ、さらに処理槽内周面に押しつけて潰す作用により粉砕混合を促進させるものであった。
【0005】
さらに、掻板付羽は、面積の広い掻板であり、大量の生ごみを掬い上げて落下させることで攪拌粉砕効率を高めるとともに、外面で生ごみを処理槽内周面に押し付けて潰す作用をするものであり、攪拌粉砕効果を大幅に高める作用をしている。
【0006】
しかし、これらの単板羽と掻板付羽は、生ごみの攪拌粉砕効率は高めるが、処理槽内周面を外れた、左右内壁面に付着した生ごみは攪拌粉砕されることなく、左右壁面に固着してしまい、他の羽の回転を妨げたり、場合によって破損する等の恐れもあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこでこの発明は、生ごみの処理槽の両側面に固形物が付着せず、羽の破損や修理等を必要としない生ごみ処理用攪拌粉砕装置における付着物の防止用掻取羽を開発・提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の生ごみ処理用攪拌粉砕装置における付着物の防止用掻取羽は、
円筒タンク状の処理槽(W)の軸心部(X)に横設する回転軸(Y)の外周に、ステンレス鋼からなる複数の単板羽(A)と掻板付刃(B)を、前記処理槽(W)内に設けた生ごみ処理における攪拌粉砕装置において、
前記回転軸(Y)の両端部であって、処理槽(W)の両側面に沿ってそれぞれ側壁面掻取羽(1)を設けた
ことを特徴とする生ごみ処理用攪拌粉砕装置における付着物の防止用掻取羽
を特徴とする。
【0009】
側壁面掻取羽(1)が、適宜な幅と長さを有し、
該側壁面掻取羽本体(1)の一端部付近には、ビス穴(2)を穿設し、
長さ方向の中央部付近には、該掻取羽本体(1)と適宜な角度を有して直交する方向に中部掻板(3)を設け、
長さ寸法の先端部には、該掻取羽本体(1)と直交し、両端がやや上方に向かう帯形状の先部掻板(4)を設けたことを特徴とする。
【0010】
前記中部掻板(3)が、側壁面掻取羽(1)に対して、所定角度(α)傾斜して設けこことを特徴とする。
【0011】
前記先部掻板(4)が、側壁面掻取羽(1)に対して、所定角度(α)傾斜し、
かつ、左右両翼とのなす角度が、側壁面掻取羽(1)に対して所定角度(β)を有するV字状に形成して設けた
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る生ごみ処理用攪拌粉砕装置における付着物の防止用掻取羽本体(1)は、回転軸(Y)の末端部に先部掻板(4)と、該板と前記回転軸との中途に中部掻板(3)を設けることにより、処理槽(W)の側壁面(Wa)に固着した生ごみを、二枚の掻板(4,3)で確実に掻取ることができるため、回転の阻止や単板羽(A)や掻板付刃(B)を損傷することがなく、且つ、固着した生ごみを除去することにより悪臭の発生を完全に防止できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の一実施例を示す内部構造を示す説明図である。
図2】この発明の一実施例を示す右側面図である。
図3】この発明に使用する側壁面掻取羽の一実施例を示し、(A)は、正面図であり、(B)は、側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について説明する。本発明は本発明の生ごみ処理用攪拌粉砕装置における付着物の防止用掻取羽は、円筒タンク状の処理槽の軸心部に横設する回転軸の外周に、ステンレス鋼からなる複数の単板羽と掻板付刃を、前記処理槽内に設けた生ごみ処理における攪拌粉砕装置において、前記回転軸の両端部であって、処理槽の両側面に沿ってそれぞれ側壁面掻取羽を設けた生ごみ処理用攪拌粉砕装置における付着物の防止用掻取羽である。
尚、本発明においては、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においては適宜変更可能である。
【実施例】
【0015】
以下、本発明の実施に係る生ごみ処理用攪拌粉砕装置における付着物の防止用掻取羽について、図面を基に説明すると、防止用掻取羽は、円筒タンク状の処理槽(W)の軸心部(X)に横設する回転軸(Y)の外周に、ステンレス鋼からなる複数の単板羽(A)と掻板付刃(B)を、前記処理槽(W)内に設けた生ごみ処理における攪拌粉砕装置において、前記回転軸(Y)の両端部であって、処理槽(W)の側壁面に沿ってそれぞれ側壁面掻取羽(1)を設けたことを特徴とする生ごみ処理用攪拌粉砕装置における付着物の防止用掻取羽から構成される。
【0016】
また、側壁面掻取羽(1)が、適宜な幅と長さを有し、該側壁面掻取羽本体(1)の一端部付近には、ビス穴(2)を穿設し、長さ方向の中央部付近には、該掻取羽本体(1)と適宜な角度を有して直交する方向に中部掻板(3)を設け、長さ寸法の先端部には、該掻取羽本体(1)と直交し、両端がやや上方に向かう帯形状の先部掻板(4)を設けたことを特徴とする生ごみ処理用攪拌粉砕装置における付着物の防止用掻取羽から構成されるものである。
【0017】
尚、前記中部掻板(3)が、側壁面掻取羽(1)に対して、所定角度(α)傾斜して設けているが、その最適な角度は73°であるが、その数値に限定されることはない。
【0018】
さらに、前記左右両翼が、側壁面掻取羽(1)に対して所定角度(β)を有する緩やかなV字状に形成されているが、その最適な角度は165°であるが、この数値に限定されることはない。
【産業上の利用可能性】
【0019】
この発明の生ごみ処理用攪拌粉砕装置における付着物の防止用掻取羽の技術を確立し、実施することにより産業上利用可能性があるものである。
【符号の説明】
【0020】
1 側壁面掻取羽
2 ビス穴
3 中部掻板
4 先部掻板
A 単板羽
B 掻板付刃
W 円筒タンク状の処理槽
Wa 側壁面
X 軸心部
Y 回転軸
α 所定角度
β 所定角度
図1
図2
図3