(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5992496
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】改善された生物材料凍結
(51)【国際特許分類】
A61J 1/14 20060101AFI20160901BHJP
G01K 1/02 20060101ALI20160901BHJP
A61J 1/05 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
A61J1/14 390Z
G01K1/02 R
G01K1/02 E
A61J1/05 353
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-246132(P2014-246132)
(22)【出願日】2014年12月4日
(62)【分割の表示】特願2011-546300(P2011-546300)の分割
【原出願日】2010年1月12日
(65)【公開番号】特開2015-44064(P2015-44064A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2015年1月5日
(31)【優先権主張番号】61/144,177
(32)【優先日】2009年1月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504115013
【氏名又は名称】イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アーロン・バーク
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・フェロ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ペレイラ
(72)【発明者】
【氏名】エリアス・ヌーカス
(72)【発明者】
【氏名】デニス・ウォン
【審査官】
今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】
特表2004−527720(JP,A)
【文献】
特表2006−511774(JP,A)
【文献】
特開2010−150219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/14
A61J 1/05
G01K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオコンテナ内の凍結される生物医薬材料の完全性を検証する方法であって、
前記方法は:
既定の容量の滅菌されたバイオコンテナを設けるステップであって、前記バイオコンテナはセンサー取り付けメカニズムを備え、前記センサー取り付けメカニズムは、前記バイオコンテナの対向するエッジに対して固定され、前記バイオコンテナ内に配置され、前記バイオコンテナの幾何学中心部を通過し、前記センサー取り付けメカニズムは密封された格納機を含み、前記密封された格納機は、少なくとも1つの無線温度センサーを含み、前記センサーは前記バイオコンテナの前記幾何学中心付近に位置する、該ステップと、
前記バイオコンテナに、前記容量まで、液体生物医薬材料を満たすステップと、
前記バイオコンテナを、凍結装置中に設置し、前記バイオコンテナ中の前記液体生物医薬材料を凍結させるステップと、
前記バイオコンテナ内の前記少なくとも1つの無線温度センサーによって、前記液体生物医薬材料の熱中心又はその付近での、前記液体生物医薬材料の温度をモニターするステップと、
前記液体生物医薬材料が、前記凍結装置中で凍結することを可能にするステップと、
前記バイオコンテナ内に備えられたプロセッサが、前記液体生物医薬材料の前記モニター温度を、許容可能限界と比較するステップと、
前記モニター温度が前記許容可能限界から逸脱しているかどうか決定するステップと、
前記決定の結果を表示するステップと
を含む該方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記モニター温度が前記許容可能限界から逸脱しているかどうか決定するステップが、前記生物医薬材料が適切に凍結されたかどうかを決定することを含む、該方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記液体生物医薬材料の前記モニター温度を許容可能限界と比較するステップが、前記モニター温度と、参照温度プロファイルと比較することを含み、前記参照温度プロファイルは時間の関数として許容可能な温度の範囲を含む、該方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記バイオコンテナ内に備えられ、且つ前記プロセッサと通信する記憶素子中に、前記参照温度プロファイルが存在する該方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記液体生物医薬材料の前記モニター温度を許容可能限界と比較するステップが、前記モニター温度を、1以上の予め測定した温度と比較することを含む該方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記モニター温度が、前記参照温度プロファイルから逸脱しているかどうかを決定するステップが、前記液体生物医薬材料が完全に凍結した後で行われる該方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記バイオコンテナ内に備えられた記憶素子上に前記決定を記憶するステップを更に含む方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記決定の結果を表示することが、前記記憶素子に問い合わせして前記決定にアクセスすることを含む該方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記決定の結果を表示することが、前記バイオコンテナの可視表面上に配置された視覚表示装置を作動させることを含む該方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、外部装置に前記決定を伝送するステップを更に含む該方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記凍結装置内での場所が、前記液体生物医薬材料の凍結に適しているかどうかを決定するステップを更に含む該方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、前記決定に基づいて凍結装置の凍結プロトコルを確認するステップを更に含む該方法。
【請求項13】
バイオコンテナ内の凍結される生物医薬材料が融解したときの、該生物医薬材料の完全性を検証する方法であって、
前記バイオコンテナはセンサー取り付けメカニズムと、処理ユニットと、記憶素子とを備え、前記センサー取り付けメカニズムは、前記バイオコンテナの対向するエッジに対して固定され、前記バイオコンテナ内に配置され、前記バイオコンテナの幾何学中心部を通過し、前記センサー取り付けメカニズムは密封された格納機を含み、前記密封された格納機は、少なくとも1つの無線温度センサーを含み、前記センサーは前記バイオコンテナの前記幾何学中心付近に位置し、
前記方法は:
前記凍結される生物医薬材料が融解したときに、前記バイオコンテナ内に配置された前記少なくとも1つの無線温度センサーが、前記凍結される生物医薬材料の温度を測定するステップ、
前記バイオコンテナ内に配置された前記記憶素子上に複数の測定温度を記憶するステップ、
前記バイオコンテナ内に配置された前記処理ユニットが、前記複数の測定温度を、既定の値と比較するステップと、
前記凍結される生物医薬材料が融解することを可能にするステップと、
前記比較に基づいて、前記複数の測定温度が前記既定の値から逸脱しているかどうかを決定するステップと、
前記決定の結果を表示するステップと
を含む該方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記複数の測定温度が前記既定の値から逸脱しているかどうかを決定することが、前記凍結される生物医薬材料が適切に融解されたかどうかを決定することを含む該方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、前記バイオコンテナを、凍結装置から除去するステップを更に含む該方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法であって、
前記バイオコンテナの幾何学中心から外れた位置において、前記凍結される生物医薬材料が融解したときに、該材料の温度を、第二の温度センサーが測定するステップを更に含み、
前記複数の測定温度を既定の値と比較するステップが、前記複数の第二の測定温度と既定の値とを比較することを更に含む該方法。
【請求項17】
請求項13に記載の方法であって、
前記バイオコンテナが、外部装置からの電磁波を受け取るステップと、
前記電磁波を電力に変換するステップと、
前記電力を用いて、前記温度センサーと前記処理ユニットとを稼働させるステップと
を更に含む該方法。
【請求項18】
バイオコンテナ内の凍結される生物医薬材料の完全性を検証する方法であって、
前記バイオコンテナはセンサー取り付けメカニズムと、プロセッサとを備え、前記センサー取り付けメカニズムは、前記バイオコンテナの対向するエッジに対して固定され、前記バイオコンテナ内に配置され、前記バイオコンテナの幾何学中心部を通過し、前記センサー取り付けメカニズムは密封された格納機を含み、前記密封された格納機は、少なくとも1つの無線温度センサーを含み、前記センサーは前記バイオコンテナの前記幾何学中心付近に位置し、
前記方法は:
凍結される生物医薬材料を内部に含むバイオコンテナを設けるステップと、
前記バイオコンテナ内に配置された前記少なくとも1つの無線温度センサーによって、前記バイオコンテナの幾何学中心又はその付近での、前記凍結される液体生物医薬材料の温度をモニターするステップと、
前記バイオコンテナ内に配置された前記プロセッサが、前記生物医薬材料の前記モニター温度を、参照温度プロファイルと比較するステップと、
前記プロセッサが、前記比較に基づいて、前記モニター温度が前記参照温度プロファイルから逸脱しているかどうか決定するステップと、及び
前記プロセッサが、前記バイオコンテナの外部表面にある視覚表示装置を作動させて、前記決定の結果を表示するステップと
を含む該方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、前記モニターするステップが、輸送中に起こる該方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米国仮特許出願61/144,177の優先権を主張し(2009年1月13日出願)、前記出願の開示内容を全てここに援用する。
【背景技術】
【0002】
生物医薬材料の保存は、これらの製品の製造及び保存において非常に重要である。これら医薬材料を保存する為に使用される従来の方法1つとして凍結する方法があり、冷凍保存としても知られている。
【0003】
生物医薬材料は、製造工程中並びにその後の搬送等で凍結と解凍が頻繁に行われる。これらの材料を凍結することによって、室温で生じうる劣化、微生物汚染及び変性等の可能性を減らしている。例えば、冷凍保存によって材料は部分的には調製され、その後中間的な状態で保存され、従って製品の製造中に伴う様々な活性のデカップリングが生じる。このような状態にするため、前記材料はよく、(しばしば数ミリリットルから数千リットルのサイズにわたるバイオコンテナとして称される)保存コンテナ内に置かれる。幾つかの例において、前記バイオコンテナは、プラスチック材料から固定形状に作られる。また別のバイオコンテナではより可塑的であり、様々な形状になることができる。ある特定の例では、これらのバイオコンテナは、前記バイオコンテナの形状を決定するフレーム、キャリア又は他の構造物内に設置される。
【0004】
しかし、冷凍保存を成功させるためには、パラメータの操作に細心の注意を払う必要がある。生物医薬材料が凍結する速度はその後の有用性に非常に重要であることが報告されている。例えば、材料を過剰にゆっくりと凍結させると、液体バルク中の溶質の拡散が悪化して、pHシフト、イオン強度上昇、及び相分離等の潜在的な問題につながる。さらに、例えばタンパク質構造のように、生物医薬材料内の小さな氷結晶の形成等の問題によって、前記材料にストレスをかけ、例えば蛋白質の変性等が生じる。変性は、蛋白質のアンフォールディングの形で現れ、それによって該蛋白質の効果を失い、潜在的に凝集することになる。
【0005】
バルクサンプル内では、熱サイクルの非均一性が原因で、材料の変性が不均一に生じる可能性がある。例えば、搬送中に瞬間的に熱源にさらされた凍結サンプルは、外側表面だけが融解する可能性がある。境界層内での分子は過剰なせん断ひずみ(Shear)を受けるので、サンプル間での均一な凍結速度によって、局所的な変性を減らすことが理想である。
【0006】
こうした幾つかの問題点の軽減を試みるべく、カスタムフリーザーが開発されてきており、例えば、該フリーザーは、該フリーザーの不可欠な部品である1以上の温度センサーを有している。これら不可欠な温度センサーは、バイオコンテナ内部に設置されているか、或いは生物医薬材料コンテナに隣接するように位置しており、それによって、バイオコンテナの中身の温度を記録することができる。前記センサーが測定した読み取り内容に基づいて、フリーザーはその動作パラメータを調整し、より急速に冷却するか又は温度を維持するかのいずれかを試みる。
【0007】
前記フリーザーは適切な冷凍保存において有用ではあるかもしれないが、多くの欠点が存在する。例えば、ユーザーは前述の利点を享受するために完全なシステムを購入することを余儀なくされる。更には、フリーザーの容量が制限されたり、温度センサーの数が制限されたりする可能性もある。換言すれば、あるバイオコンテナでは、凍結処理中に温度プロファイルをモニターする温度センサーを有する可能性がある一方で、同じフリーザー内での別のバイオコンテナは適切にモニターされていない可能性がある。こうしたことが問題になりうるのは、フリーザー格納内で温度プロファイルが変化するためである。例えば、ドア付近のバイオコンテナは、凝結しており、それによって異なる熱伝導経路が生じている可能性がある。内部壁付近に位置するバイオコンテナはより急速に凍結する可能性がある。更に、これらフリーザーは、該フリーザー中にいる間のみ、生物医薬材料の温度をモニターするだけである。輸送中または解凍処理中の温度変化についてはモニターしていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、各バイオコンテナの完全性を保証するために、凍結処理中の各生物医薬コンテナの温度プロファイルをユーザーがモニターすることを可能にする、低コストでシンプルな解決手段に対するニーズが存在する。また、解凍処理中又は輸送中の温度をモニターする方法があれば有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、組み込み温度センサーを有する生物医薬コンテナ(バイオコンテナ)を提供する。
【0010】
本発明のバイオコンテナは、生物医薬材料の搬送、凍結、解凍中に直面する多くの問題に対する低コストでシンプルな解決手段を提供する。各バイオコンテナ内での材料の完全性を保証できるよう、本発明は、低温処理中の各生物医薬コンテナの温度プロファイルをユーザーがモニターすることを可能にする。生物医薬凍結処理の要件を満たすために、生物医薬コンテナは、予め設置されかつ滅菌された温度センサーを有する。また、本明細書中では、凍結処理又は解凍処理中の温度を監視する方法も提供する。
【0011】
幾つかの実施形態では、前記材料の熱中心又はその付近になるようにセンサー組立体はバイオコンテナ内に位置する。ある実施形態においては、バイオコンテナ中の1以上の位置に取り付けられるが、センサーの取り付けメカニズムは、センサー組立体を特定の場所に保持するのに使用される。バイオコンテナ内部は、前記医薬的材料を投入する前に滅菌する必要があるため、前記センサー部品は、簡単に滅菌できる材料で構成される。ある実施形態において、温度センサーは、SOI技術(Silicon on Insulator)を用いて構築し、その結果バイオコンテナ中に該センサーを挿入後ガンマ線滅菌等による滅菌に耐えうるようになる。
【0012】
生物医薬コンテナ中に組み込み温度センサーが存在することによって、数多くの機能を実施することが可能となる。幾つかの実施形態では、前記センサー組立体は無線送信機を備え、測定された読み取り内容に関する情報を送信することができる。他の実施形態では、前記センサー組立体は処理ユニットを備え、温度プロファイルが許容可能かどうかを決定する。更なる実施形態では、処理ユニットが生物医薬材料が適切に凍結されているかどうかを示すことができるよう、視覚的インジケータ等のインジケータを備える。他の実施形態では、前記センサー組立体は記憶素子(記憶要素)も含み、凍結処理中に様々なパラメータを記憶することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図4】本発明の一実施形態による内部の回路部品を示す。
【
図8】輸送中の材料温度をモニターするためのフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上述したように、冷凍保存中に生物医薬材料の温度プロファイルをモニターし保証するというニーズは不可欠なものである。更に、製造及び輸送等の運搬工程における他のステップ中に、生物医薬材料の温度をモニターすることができることは非常に重要である。
【0015】
本発明に従った様々な実施形態において、生物医薬材料は、アミノ酸、ペプチド、蛋白質、DNA分子、RNA分子、薬剤、酵素、抗体又はこれらのフラグメント、組織又はこれらのフラグメント、器官又はこれらのフラグメント、保存薬、血液製品、細胞、細胞器官、封入体、及び細胞凝集体が挙げられるがこれらに限定されない。更に前記材料は、血清、血液、血漿、アミノ酸配合物、蛋白質配合物、核酸配合物、及び細胞培養培地配合物であってもよい。
【0016】
図1は、本発明の装置の第一の実施形態を示す。バイオコンテナ(100)は、生物医薬材料を保持するために使用される。該バイオコンテナは、ポリエチレン又はMillipore PureFlex(商標)フィルムのようなラミネート材料等の適切なプラスチックで通常は構成される。前記材料は可塑性で、低コストで、ガンマ線滅菌等の滅菌に耐えられることが好ましい。センサー組立体(110)は、センサー取り付けメカニズム(120)を介して等で、バイオコンテナ(100)内に取り付けられる。幾つかの実施形態では、該取り付けメカニズム(120)は、センサー組立体を生物医薬材料から保護できるように、密封可能なスリーブである。ある実施形態では、プラスチックスリーブが、センサーが取り付けられた後で密封される。他の実施形態では、取り付けメカニズムは、オーバーコーティング又は所定の位置に位置する密封可能な格納機を有する可塑性材料である。センサー組立体は、前記オーバーコーティング又は密封可能な格納機内に位置する。取り付けメカニズム(120)は、全体的な可塑性及び有用性を維持できるよう、バイオコンテナに用いられるものと類似の材料で構成されることが好ましい。
【0017】
そして、バイオコンテナ(100)、取り付けメカニズム(120)、及びセンサー組立体(110)は、同時に全て滅菌することができる。前記滅菌は任意の適切な手段によるものであればよく、オートクレーブ、ETO(エチレンオキサイド)ガスを用いる等のガス滅菌、及びガンマ線滅菌が挙げられるが、これらに限定されない。滅菌中取り付けメカニズム内にセンサー組立体が位置することができるようにするために、SOI(Silicon on Insulator)等のガンマ線高耐性の方法を用いて製造することが好ましい。他の実施形態では、従来の半導体製造方法を用いて、センサー組立体を製造し、前記組立体は、オートクレーブを用いて滅菌する。一旦バイオコンテナが滅菌されれば、使用準備が整う。
【0018】
センサー組立体を保持及び保護するために使用する前記機械とは無関係に、バイオコンテナが満タン又はほぼ満タンになったときに、温度センサーが凡そ材料の熱中心に位置するよう、バイオコンテナ内に位置することが好ましい。このことは、好ましくは、充填されたバイオコンテナの幾何学中心又はその付近に温度センサーが位置することによって実現できる。幾何学中心は、充填されたバイオコンテナの形状に基づいて決定できる。例えば、長方形の角柱の幾何学中心は、反対側の対角線を結ぶことによって見出される。これらの対角線の交点が幾何学中心である。円柱の場合、幾何学中心は円の中心であり、高さの半分に等しい所に位置する。同様に、当業者は他の容積形状の中心を決定することが可能である。
【0019】
充填されるバイオコンテナの幾何学中心に位置することにより、温度センサーは、バイオコンテナ内で凍結する最終ポイントの温度を測定することができる。なぜなら、バイオコンテナ中の生物医薬材料の密度及び組成物が均一であると仮定すれば、充填されるバイオコンテナの幾何学中心は、材料の熱中心と等しい位置であるからである。無論、もしバイオコンテナがその容量に対して完全に充填されていない場合、バイオコンテナの幾何学中心は、材料の熱中心とは対応しない可能性はある。
【0020】
理論によって限定されることを企図しないが、バイオコンテナがその容量に対して完全に充填されないことを意図する場合であっても、当業者はバイオコンテナ内部にある液体の規定容積の熱中心又はその付近に温度センサーを導入することができる。例えば、バイオコンテナは最大容量未満で、しかし既定の容量で充填されることが意図される可能性がある。従って、バイオコンテナ内に設置される温度センサーの位置は、バイオコンテナ内部に含まれる液体の既定容積の熱中心に基づいて算出してもよい。ここで、熱中心は必ずしも、バイオコンテナの幾何学中心に対応するとは限らないが、液体の既定容量の熱中心には対応する。従って、前記バイオコンテナには、使用するために、続いて特定の既定の容量の液体を供給することができる。更なる実施形態では、温度センサーを備えるバイオコンテナは、既定の容量の液体と共に使用するための指示を受け、ここで温度センサーは、既定容量の液体の熱中心又はその付近に位置する。
【0021】
充填されたコンテナの幾何学中心に正確にセンサーを設置することが難しい可能性もあるため、本発明は、該幾何学中心付近にセンサーを設置することも含む。幾何学中心の付近、しかし幾何学中心ではない位置に設置したとしても、本明細書で記述した全ての利点を達成できることは当業者にとって明らかである。従って、「幾何学中心」という表現は、熱特性が実際の幾何学中心と類似するような近接する範囲の位置も含む。
【0022】
図1に戻り、前記センサー取り付けメカニズム(120)は、バイオコンテナの中心にまで延びているのが示されている。特定の実施形態において、
図2に例示するように、バイオコンテナの外縁に沿ってシーム(130)が存在する。様々なプラスチック片が組立てられ融合される際に、取り付けメカニズム(120)は、バイオコンテナ(100)の反対側にあるシーム(130)に挿入される。このようにして、取り付けメカニズム(120)は、バイオコンテナ製造工程中に、該バイオコンテナ(100)に直接融合され、それによって製造工程及び取り扱いを最小限にする。
【0023】
図1はバイオコンテナ中水平に延びた取り付けメカニズム(120)を示しているが、充填されるバイオコンテナの幾何学中心を通過する限りは取り付けメカニズム(120)は任意の方向で設置することができる。
図3は、別の実施形態をしており、ここでセンサー(110)は、上方左の角と、下方右の角に接続された取り付けメカニズム(120)を介して保持されている。また他の取り付け位置も想定され、それも本発明の範囲内である。
【0024】
別の実施形態において、大きなプラスチック片を使用する。前記片は、自身の上に重ねて折りたたまれ、オープンエッジにそって融合される。この実施形態において、取り付けポイントは、
図3に示す等の、オープンエッジが融合した場所でなくてはならない。
【0025】
上図に見られるように、センサー取り付けメカニズム(120)は、バイオコンテナ側壁から、封入された電子装置まで物理的に延長した物を含む。前記延長物として、熱中心内に電子装置を保持するための薄いフィルム又はプラスチックの紐若しくは弦を含めることができる。幾つかの実施形態では、バイオコンテナと類似の構造物の熱可塑性材料を使用する。前記延長物の形及びサイズは、バイオコンテナの全体の熱特性(thermal signature)に最小限の影響しか与えないものが好ましい。これは、前記延長物に沿った熱伝導を原因とした熱異常を減らすために特に重要である。
【0026】
図5は、適切な位置内にセンサー組立体(120)を設置するために使用される別の実施形態を示す。この実施形態において、バイオコンテナ(100)は融合や溶接方法を用いて、該バイオコンテナ(100)に典型的に取り付けられたポート(150)を備える。換言すれば、生物学的材料がコンテナを出入りできるように、バイオコンテナ(100)中に既に存在する開口部に、ポートを取り付ける。センサー取り付けメカニズム(120)は、これらのポート(150)を使用してバイオコンテナ(100)に取り付けることができる。ある実施形態において、ポート(150)をバイオコンテナ(100)に取り付ける一方で、センサー取り付けメカニズム(120)は、ポート及びバイオコンテナに融合させる。別の実施形態において、センサー取り付けメカニズム(120)は、機械的な手段を介してポート(150)に取り付けられる。例えば、センサー取り付けメカニズム(120)は、ポート(150)の上(onto or over)に機械的に取り付けることが可能な末端部を有することができる。センサー取り付けメカニズム(120)の末端におけるループ部分は、外部の突出したポート(150)でループをかけるために使用することができる。
【0027】
センサー取り付けメカニズム(120)は適切な位置にセンサー組立体を設置するために使用される。上述したように、幾つかの実施形態では、取り付けメカニズムは保護コーティング又はプラスチック等の囲いを有しており、ここでセンサー組立体が設置され密封される。このことによって、センサー組立体と生物医薬材料との間で、堅密な流体バリアーが提供される。他の実施形態では、プラスチックスリーブを使用し、この中にセンサーが、バイオコンテナの別のプラスチック片に融合される前に設置される。環境から電子装置を隔離する他のありふれた方法として、エポキシコーティングや熱プラスチックインモールディング(in−molding)が挙げられる。
【0028】
センター組立体は前記囲いの中にあり、周囲の生物医薬材料の温度を測定することができる温度センサーを含む。接続数を最小限にし、並びに汚染及び誤差の可能性を最小限にするために、センサー組立体は、バイオコンテナから延びたワイヤーを有さないことが好ましい。従って、センサー組立体は無線で稼動することが好ましい。
【0029】
温度センサーは、幾つかの方法で用いることができる。ある実施形態では、温度センサーは電源を持たず、RFIDリーダー等の遠隔読取装置によって電力供給されたときに現時点の温度測定を単純に中継する。従って、ある実施形態では、センサー組立体は少なくとも1種の温度センサー、RFID信号を送受信する付属アンテナ、及びRFIDリーダーからの電磁力を少なくとも1種の温度センサーを稼動させるための電力に変換するのに必要な電力回路を有する。また、リモートRFIDリーダーは、冷凍保存処理中の生物医薬材料の温度プロファイルを決定するために、定期的にセンサーに問い合わせを行わなくてはならない。
【0030】
別の実施形態において、温度センサーは電源を備えている。ある実施形態では、センサー組立体は、前記囲いの中に含まれるバッテリーによって電力供給される。バッテリーは滅菌処理中に影響を受けないように収納する。更に別の実施形態において、センサー組立体は、電磁波又は誘導磁場(magnetic induction field)を介して等で無線で電力供給される。これらの電磁場はリモート電力アンテナによって発生する。幾つかの実施形態では、リモート電力アンテナは、エネルギー輸送を最大限にするためにフリーザー内に位置する。更なる実施形態では、電源を持たない集束コイルをバイオコンテナ(複数可)付近の電場を強化するために使用することもできる。送信された電磁波を捕らえるため、センサー組立体はアンテナを有することもできる。前記アンテナは電磁波を受信して、その後電力に変換し、該電力をセンサー及び他の電子部品を稼動させるために使用する。
【0031】
別の実施形態において、センター組立体は、メモリー装置等の記憶素子を含み、幾つかの実施形態では、電力がない状態であってもデータを保持する能力を持たせるために不揮発性のメモリを使用する。記憶素子は、定期的な間隔等の様々な時間に読み取った温度の内容を記憶するために使用する。その後、バイオコンテナを解凍したときに、生物医薬材料が有する温度プロファイルを決定するために、無線プロトコルを介して搭載された記憶素子にオペレータは問い合わせを行うことができる。既定の許容制限と記憶されたデータとを比較することにより、オペレータは材料が適切に凍結及び/又は解凍されているか、従って使用するために許容可能かどうかを決定することができる。
【0032】
こうした問い合わせを行うために、Zigbee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、RFID、Wifi(登録商標)、及び802.11a/b/g/nを含む種々の無線プロトコルが使用できるがこれらに限定されない。
【0033】
別の実施形態において、
図4に示すように、プロセッサー(200)及び記憶素子(210)をセンサー組立体中に、温度センサー(220)と共に組み込む。上述したようにデータを記憶することに以外に、記憶素子はプロセッサー(200)の実行のための指示を含むことができる。プロセッサー(200)を組み込むことによって、バイオコンテナはその機能を向上させることができる。幾つかの実施形態では、センサー組立体は、視覚的インジケータ等のインジケータ(230)も含み、該インジケータは材料が適切に凍結されたかどうかについてユーザーに警告をするために用いられる。この実施形態において、プロセッサー(200)は、許容限度と比較しながらセンサーの読み取り内容を分析し、材料が適切に凍結され従って使用可能であるかどうかを決定する。例えば、測定した温度値を参照温度プロファイルと比べることができる。この参照温度プロファイルは、時間の関数として許容可能な温度の範囲を包含することができる。別の実施形態において、プロセッサー(200)は、1つ以上の以前に測定した温度と、現在の測定温度とを比較して、凍結処理が適切に完了したかどうかを決定する。その後前記決定は、インジケータ(230)を介して伝えられる。一方の例においては、赤色LEDを用いて失敗を伝える;他方の実施形態では緑色LEDを用いて成功を伝える。
【0034】
別の実施形態において、凍結処理における前記成功の決定は、記憶素子(210)に記憶される。このようにして、オペレーターは単純に結果を決定するために記憶素子(210)に問い合わせを行う。本発明の別の例では、センサー組立体上の送信機(240)から無線信号を送信して、凍結処理の状態を伝える。以上のように凍結処理の結果を伝えることができる幾つかの方法を開示してきたが、これら列挙した内容は全てを包括するものであることを意図しているものではない。結果を伝える他の方法も企図しており、それらの本発明の範囲内である。
【0035】
図6は、材料の凍結処理をモニターするために使用されるステップのフローチャートを示す。最初に、ボックス600に示すように、規定の容量を持つ滅菌バイオコンテナを提供する。該バイオコンテナは、該バイオコンテナの幾何学中心又はその付近に位置する無線温度センサーを備える。そして、ボックス601に示すように、バイオコンテナには生物医薬材料を充填する。その後、ボックス602に示すようにバイオコンテナをフリーザー内に設置する。
【0036】
さらに、ボックス603に示すように、前記材料が凍結しているときのバイオコンテナ内の温度をモニターするために、温度センサーを使用する。幾つかの実施形態では、測定した温度値は記憶素子に記憶し、前記記憶素子は温度センサーと通信している。他の実施形態では、測定した温度値は無線送信機と通信する送信機により、無線で送信される。
【0037】
他の実施形態では、処理ユニットが温度センサーと通信しており、追加機能を実施する。例えば、ボックス604に示すように、プロセッサーは第二の温度と測定した温度値とを比較することができる。前記第二の温度は以前に測定した温度値であってもよい。他の実施形態では、前記第二の温度は参照温度プロファイルから得られ、前記プロファイルは記憶素子中に記憶されている。
【0038】
ボックス605に示すように、前記比較によって凍結処理に欠陥があることが示された場合には、インジケータが作動する。前記インジケータは、聴覚的又は視覚的なアラーム等のアラームであってよい。他の実施形態では、インジケータは記憶素子に書き込まれるデータパターンであってよい。他の実施形態では、測定した温度は全て記憶素子中に記憶することができる。そして、後でオペレータがそれらを読み取ることができる。
【0039】
また、こうした機能性により本発明は
確認ツールとしても機能することができる。別の実施形態では、(上述した1つ以上の技術を用いて決定して)一旦バイオコンテナの凍結が成功すると、オペレータは使用した凍結プロファイルを、同一の材料を含有する他のバイオコンテナを凍結させるのに適用できることを確信することができる。従って、新規の又は変更された凍結プロファイルをすぐに
確認するために、1つ以上の前記バイオコンテナを使用することができる。
【0040】
凍結処理をモニターしたり、確認したりするために使用する以外に、センサー組立体は凍結処理をコントロールするために使用することもできる。温度を測定し、無線で通信する機能により、センサー組立体はフリーザーに情報をフィードバックすることが可能となる。幾つかの実施形態では、センサー組立体は単純に材料の現在温度を送信するだけである。その後フリーザーは、従来技術として知られ或いは記載された技術を用いて、前記情報に基づき冷却処理を調整する。もし、多数のバイオコンテナが単一のフリーザー内に設置されている場合、フリーザーは各バイオコンテナの温度を決定するのみならず、フリーザー格納全体のマップも開発することができる。
【0041】
実際の凍結処理で前記センサー組立体が有用である一方で、該センサーは他の目的でも貢献することができる。例えば、センサー組立体は解凍しているときの材料の温度プロファイルもモニターすることができ、前記プロファイルが許容可能なパラメータを満たすことを保証する。例えば、解凍処理では、参照温度プロファイルを含むことができる。前記プロファイルは、時間の関数として、許容可能な温度範囲を包含することができる。材料が解凍されているとき、温度を前記参照プロファイルと比較して、解凍処理が許容可能なものかどうかに関して決定を行う。別の実施形態において、解凍処理を、成功と言える読み取り値の範囲の材料温度変化を測定することによって追跡する。上述した第二の温度(参照温度又は以前に測定したもののいずれか)に対して、測定した温度とのずれが大きい場合には、インジケータが作動する。インジケータは聴覚的な若しくは視覚的なアラームであってもよく、又は他の実施形態では記憶素子中に記憶されたデータパターンであってもよい。他の実施形態では、全ての測定温度は記憶素子中に記憶される。そして、記憶素子中に記憶された値をレビューすることにより、後で上記処理の完全性についてチェックする。
図7に代表的な解凍処理のフローチャートを示す。
【0042】
更に、他の場所への輸送において移動する際に、センサー組立体は材料の完全性について確認するために使用することができる。例えば、輸送中は、材料は既定の温度限度内に保持しなければならないかもしれない。センサー組立体は、前記範囲に材料を保持することを保証するために、材料の温度を継続的にモニターすることができる。実際の測定温度は、参照温度又は参照範囲と比較することができる。そして、前記比較の結果をユーザーに示すことができる。ある実施形態では、温度センサーと通信している記憶素子中に比較結果を記憶する。別の実施形態において、聴覚的又は視覚的な信号等のアラームが、前記比較結果に応答して作動する。他の実施形態では、全ての測定温度が記憶素子中に記憶される。そして、記憶素子中に記憶された値をレビューすることによって、後で処理の完全性をチェックする。
【0043】
図8は、輸送中の生物医薬材料のモニターを示すフローチャートを示す。上記と同様、ボックス700に示すように、バイオコンテナの幾何学中心又はその付近に温度センサーを有するバイオコンテナを使用する。ボックス801に示すように、容器に材料を充填する。その後、ボックス802に示すように温度センサーは材料温度をモニターする。そして、ボックス803に示すように、測定温度を第二の温度と比較することができる。前記第二の温度は以前に測定した温度(温度変化の速度を対象とした場合)でもよく、又は参照温度若しくは参照範囲であってもよい。ボックス804に示すように、もし前記第二の温度と測定温度のずれがあまりにも大きい場合には、インジケータが作動する。インジケーターは聴覚的若しくは視覚的なアラームであってよく、又は他の実施形態では、記憶素子中に記憶されたデータパターンであっても良い。
【0044】
別の実施形態において、複数の温度センサーを用いることができる。上述したように、第一の温度センサーをバイオコンテナの幾何学中心又は熱中心に配置する。更なるセンサーは外側のエッジにそって配置することができる。これらのセンサーは、生物医薬材料の解凍を検出するのに特に有用である。例えば、
図3のセンサー取り付けメカニズムの上端又は下端に沿って配置したセンサーによって、早すぎる又は意図しない解凍が起こる2つの反対の場所で、バイオコンテナをモニターすることができる。
本発明は一側面において以下の発明を包含する。
(発明1)
生物医薬材料収納用バイオコンテナであって、前記バイオコンテナは、前記バイオコンテナの幾何学中心付近に位置する少なくとも1種の無線温度センサーを備える、該バイオコンテナ。
(発明2)
発明1に記載のバイオコンテナであって、前記バイオコンテナはその容量まで充填され、前記幾何学中心は、前記バイオコンテナに含まれる前記材料の熱中心を含む、該バイオコンテナ。
(発明3)
発明1に記載のバイオコンテナであって、前記バイオコンテナの外縁に位置する無線温度センサーを更に備える、該バイオコンテナ。
(発明4)
発明1に記載のバイオコンテナであって、前記バイオコンテナが約20ml〜約1000Lの範囲の容量を備える、該バイオコンテナ。
(発明5)
発明1に記載のバイオコンテナであって、前記生物医薬材料が、アミノ酸、ペプチド、蛋白質、DNA分子、RNA分子、薬剤、酵素、抗体又はこれらのフラグメント、組織又はこれらのフラグメント、器官又はこれらのフラグメント、保存薬、血液製品、細胞、細胞器官、封入体、及び細胞凝集体の群から選ばれる、該バイオコンテナ。
(発明6)
発明1に記載のバイオコンテナであって、前記生物医薬材料が、血清、血液、血漿、アミノ酸配合物、蛋白質配合物、核酸配合物、及び細胞培養培地配合物の群から選ばれる、該バイオコンテナ。
(発明7)
発明1に記載のバイオコンテナであって、前記温度センサーによって得られたデータ送信用の無線送信機を更に備える、該バイオコンテナ。
(発明8)
発明1に記載のバイオコンテナであって、前記温度センサーによって得られたデータを記憶用の記憶素子を更に備える、該バイオコンテナ。
(発明9)
発明1に記載のバイオコンテナであって、処理ユニットを更に備える、該バイオコンテナ。
(発明10)
発明9に記載のバイオコンテナであって、前記処理ユニットが、前記温度センサーによって得られたデータと既定値との比較用である、該バイオコンテナ。
(発明11)
発明10に記載のバイオコンテナであって、前記比較結果を示すためのインジケータを更に備える、該バイオコンテナ。
(発明12)
発明11に記載のバイオコンテナであって、前記インジケータがLEDを備える、該バイオコンテナ。
(発明13)
発明1に記載のバイオコンテナであって、前記生物医薬材料を受容する前に、前記バイオコンテナ及び前記温度センサーが滅菌されている、該バイオコンテナ。
(発明14)
バイオコンテナ中に含まれる生物医薬材料の凍結をモニターするための方法であって、以下のステップを含む該方法:
(a)前記バイオコンテナの幾何学中心又はその付近に位置する無線温度センサーを備える、既定の容量の滅菌バイオコンテナを提供するステップ;
(b)前記材料を、前記バイオコンテナの容量まで、前記バイオコンテナに充填するステップ;
(c)前記バイオコンテナを低温凍結装置中に設置し、それによって前記バイオコンテナ中に含まれる溶液を凍結させるステップ;及び
(d)前記幾何学中心での前記材料の温度をモニターするために前記センサーを用いるステップ。
(発明15)
発明14に記載の方法であって、更に以下のステップを含む該方法:
(e)前記温度センサーと通信する記憶素子を提供するステップ;及び
(f)前記センサーからのデータを前記記憶素子中に記憶するステップ。
(発明16)
発明14に記載の方法であって、更に以下のステップを含む該方法:
(e)前記温度センサーと通信する無線送信機を提供するステップ;及び
(f)前記無線送信機を介して前記センサーからのデータを送信するステップ。
(発明17)
発明14に記載の方法であって、更に以下のステップを含む該方法:
(e)前記温度センサーと通信する処理ユニットと、及び前記処理ユニットと通信するインジケータとを提供するステップ;
(f)前記センサーからのデータと既定値とを比較するために前記処理ユニットを使用するステップ;及び
(g)前記比較によって欠陥のある凍結プロファイルが示された場合に、前記処理ユニットが前記インジケータを活性化するステップ。
(発明18)
発明14に記載の方法であって、更に以下のステップを含む該方法:
(e)前記温度センサーと通信する処理ユニットと、及び前記処理ユニットと通信するインジケータとを提供するステップ;
(f)前記センサーからのデータと、前記センサーからの以前のデータとを比較するために前記処理ユニット使用するステップ;及び
(g)前記比較によって欠陥のある凍結プロファイルが示された場合に、前記処理ユニットが前記インジケータを作動させるステップ。
(発明19)
発明14に記載の方法であって、前記バイオコンテナがフレーム、キャリア又は他の構造物によって保持されている、該方法。
(発明20)
バイオコンテナ内部に温度センサーを取り付ける方法であって、
前記バイオコンテナは互いに融合した1種以上の複数のプラスチック片を備え、以下のステップを含む該方法:
(a)熱可塑性材料を前記センサーに取り付けるステップ;
(b)前記バイオコンテナに備えられた前記1種以上の複数のプラスチック片の2つのオープンエッジの間に前記熱可塑性材料の一部を設置するステップ;及び
(c)前記複数の片の前記エッジを融合させ、それによって前記材料を前記複数の片の間に取り付けるステップ。
(発明21)
バイオコンテナ内部に温度センサーを取り付ける方法であって、
前記バイオコンテナは、複数の外側表面を備え、少なくとも1つの前記外側表面は、ポートが取り付けられた開口部を備え、以下のステップを含む該方法:
(a)熱可塑性材料を前記センサーに取り付けるステップ;
(b)前記熱可塑性材料の一部を、前記開口部を通して、前記外側表面及び前記ポートの間に、設置するステップ;及び
(c)前記外側表面及び前記ポートを融合させ、それによって前記熱可塑性材料を前記外側表面と前記ポートとの間に取り付けるステップ。
(発明22)
バイオコンテナ中に含まれる生物医薬材料の保存温度をモニターするための方法であって、以下のステップを含む該方法:
(a)前記バイオコンテナの幾何学中心又はその付近に位置する無線温度センサーを含む既定の容量の滅菌バイオコンテナ中に、前記生物医薬材料を提供するステップ;
(b)前記バイオコンテナ内の前記材料の温度を、前記幾何学中心又はその付近で測定するステップ;
(c)前記温度を参照温度と比較するステップ;
(d)前記測定した温度と前記参照温度との差が許容可能かどうかを決定するステップ;及び
(e)前記決定の結果を示すステップ。
(発明23)
発明22に記載の方法であって、
(f)前記温度センサーと通信する記憶素子を提供するステップを更に含み;及び
(g)前記結果を示すステップが前記記憶素子中に前記決定の結果を記憶することを更に含む、該方法。
(発明24)
発明22に記載の方法であって、更に以下のステップを含む該方法:
(f)前記温度センサーと通信するアラームを提供するステップ;及び
(g)前記決定結果に基づいて、前記アラームを作動させるステップ。
(発明25)
バイオコンテナ中に含まれる凍結した生物医薬材料の解凍をモニターするための方法であって、以下のステップを含む、該方法:
(a)前記バイオコンテナの幾何学中心又はその付近に位置する無線温度センサーを備える既定の容量の滅菌バイオコンテナ中に、前記凍結した生物医薬材料を提供するステップ;
(b)前記バイオコンテナ内部の前記凍結した材料の温度を幾何学中心又はその付近で測定するステップ;
(c)前記測定した温度を第二の温度と比較するステップ;
(d)前記測定した温度と前記第二の温度との差が許容可能かどうかを決定するステップ;及び
(e)前記決定の結果を示すステップ。
(発明26)
発明25に記載の方法であって:
(f)前記温度センサーと通信する記憶素子を提供するステップを更に含み;及び
(g)前記結果を示すステップが前記記憶素子に前記決定の結果を記憶することを更に含む、該方法。
(発明27)
発明25に記載の方法であって、更に以下のステップを含む該方法:
(f)前記温度センサーと通信をするアラームを提供するステップ;及び
(g)前記決定結果に基づいて、前記アラームを作動させるステップ。
(発明28)
発明25に記載の方法であって、前記第二の温度が予め測定した温度である、該方法。
(発明29)
発明25に記載の方法であって、前記第二の温度が参照温度プロファイルに基づく、該方法。
【符号の説明】
【0045】
200 処理ユニット
210 記憶装置
220 温度センサー
240 無線送信機