(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5992523
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】断熱絶縁パネルを有した絶縁ガラス
(51)【国際特許分類】
C03C 27/06 20060101AFI20160901BHJP
E06B 3/663 20060101ALI20160901BHJP
E06B 3/67 20060101ALI20160901BHJP
E06B 5/20 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
C03C27/06 101K
C03C27/06 101E
C03C27/06 101J
E06B3/663 E
E06B3/67 B
E06B5/20
【請求項の数】16
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-527548(P2014-527548)
(86)(22)【出願日】2012年7月19日
(65)【公表番号】特表2014-531384(P2014-531384A)
(43)【公表日】2014年11月27日
(86)【国際出願番号】EP2012064204
(87)【国際公開番号】WO2013029871
(87)【国際公開日】20130307
【審査請求日】2015年1月28日
(31)【優先権主張番号】11178971.5
(32)【優先日】2011年8月26日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512212885
【氏名又は名称】サン−ゴバン グラス フランス
【氏名又は名称原語表記】Saint−Gobain Glass France
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター シュライバー
(72)【発明者】
【氏名】カトリン アメディック
【審査官】
吉川 潤
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第02366840(EP,A1)
【文献】
特開平10−219865(JP,A)
【文献】
特開昭58−143042(JP,A)
【文献】
特開昭60−055148(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/049521(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0201105(US,A1)
【文献】
特開平10−087350(JP,A)
【文献】
実開昭61−198492(JP,U)
【文献】
特開昭53−034866(JP,A)
【文献】
特開2010−138027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 27/06
E04B 1/74 − 1/90
E04C 2/34
E06B 3/66 − 3/677
E06B 5/20
B32B 17/06 − 17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮音性の絶縁ガラスであって、少なくとも、
a.第1のガラス板(1)及び第2のガラス板(2)と、
b.前記第1のガラス板(1)と前記第2のガラス板(2)との間の環状のスペーサ(3)と、
c.前記第1のガラス板(1)と前記スペーサ(3)と前記第2のガラス板(2)との間の隙間(5´)内に位置する外側の環状のシール部材(5)と、
d.前記第1のガラス板(1)と前記第2のガラス板(2)と前記スペーサ(3)との間の真空絶縁パネル(6)と、
を有する絶縁ガラスであって、
e.前記真空絶縁パネル(6)の少なくとも1つの表面上に少なくとも1つの遮音板(7)が配置されていることを特徴とする、絶縁ガラス。
【請求項2】
2つ又はそれ以上の真空絶縁パネル(6)を含んでいる、請求項1記載の絶縁ガラス。
【請求項3】
前記複数の真空絶縁パネル(6)の間に音分離板(4)が配置されている、請求項2記載の絶縁ガラス。
【請求項4】
少なくとも1つの遮音板(7)が、前記第2のガラス板(2)と前記真空絶縁パネル(6)との間に配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の絶縁ガラス。
【請求項5】
少なくとも1つの遮音板(7)が、前記スペーサ(3)と前記真空絶縁パネル(6)との間に配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の絶縁ガラス。
【請求項6】
前記遮音板(7)は0.5〜5mmの厚さを有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の絶縁ガラス。
【請求項7】
前記遮音板(7)又は音分離板(4)は、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、メラミン樹脂、ソフトポリウレタン、ハードポリウレタン、又はこれらの混合物又はコポリマから選択される、熱可塑性の、又は弾性の、又は熱硬化性の高分子発泡体を含む、請求項1から6までのいずれか1項記載の絶縁ガラス。
【請求項8】
前記真空絶縁パネル(6)は、粉体、顆粒、繊維、フェザーから選択される充填剤(8)を含む、請求項1から7までのいずれか1項記載の絶縁ガラス。
【請求項9】
前記充填剤(8)は、10nm〜100μmの平均直径を有する、請求項8記載の絶縁ガラス。
【請求項10】
前記真空絶縁パネル(6)は、気体及び湿分をシールするフィルム(9)を有している、請求項1から9までのいずれか1項記載の絶縁ガラス。
【請求項11】
前記シール部材(5)は、有機多硫化物、シリコン、RTV(室温硬化型)シリコンゴム、HTV(熱硬化型)シリコンゴム、過酸化物加硫シリコンゴム、付加架橋されたシリコンゴム、ポリウレタン、ブチルゴム、又はポリアクリレートから選択されるポリマ又はシラン変性ポリマを含む、請求項1から10までのいずれか1項記載の絶縁ガラス。
【請求項12】
前記シール部材(5)が1〜5mmの厚さ及び15〜30mmの高さを有している、請求項1から11までのいずれか1項記載の絶縁ガラス。
【請求項13】
前記スペーサ(3)が、シリカゲル、CaCl2、Na2SO4、活性炭、ケイ酸塩、ベントナイト、ゼオライト、又はこれらの混合物から選択される乾燥剤を含む、請求項1から12までのいずれか1項記載の絶縁ガラス。
【請求項14】
遮音性の絶縁ガラスを製造する方法であって、
a.スペーサ(3)を、第1のガラス板(1)の縁部上に環状に配置し、
b.前記スペーサ(3)の内側で前記第1のガラス板(1)上に遮音板(7)を配置し、
c.真空絶縁パネル(6)を前記遮音板(7)上に配置し、
d.前記第2のガラス板(2)を前記スペーサ(3)上に配置し、前記第1のガラス板(1)と、前記スペーサ(3)と、前記第2のガラス板(2)との間の隙間においてシール部材(5)に結合させて絶縁ガラスを形成する、
ことを特徴とする、絶縁ガラスを製造する方法。
【請求項15】
前記第2のガラス板(2)を前記スペーサ(3)上に配置する前に、前記真空絶縁パネル(6)はその表面に1つよりも多い遮音板(7)を有している、請求項14記載の方法。
【請求項16】
建築物の内ファサード又は外ファサードにおける、請求項1から13までのいずれか1項記載の絶縁ガラスの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱絶縁パネルを備えた絶縁ガラス、該絶縁ガラスの製造法、及び該絶縁ガラスの使用に関する。
【0002】
ガラスの伝熱性は、コンクリート又は類似の建築材料よりも約2〜3の因数分だけ低い。従って建築物が失う熱のうち最大の割合は外面ガラスを介して失われる。特にこの作用は、部分的に又は全体的にガラスのファサードを有する高層建築でより顕著である。これに対する重要な解決策の1つは絶縁ガラスである。とりわけ、ますます急速に上昇する原料価格とより厳しくなる環境保護条件により、もはや建築構造から絶縁ガラスを切り離して考えることはできない。従って、絶縁ガラスは、外側に向けられたガラス構造物のますます大きな部分を占めるようになっている。絶縁ガラスは通常、ガラス又はポリマ材料から成る少なくとも2つの板を有している。これらの板は、間隔保持体(スペーサ)によって規定される気体室又は真空室を介して互いに分離されている。絶縁ガラスの断熱性は、単層ガラスよりも著しく高く、3層ガラス又は特別な被覆を有したガラスではさらに向上し、改善されることができる。断熱性という重要な特性の他に、建築ガラスの分野では、視覚的特徴及び美的な特徴もますます重要となっている。
【0003】
特に大きな面積のガラスの外ファサードを持った建築物では、絶縁効果はコスト的な理由からだけではなく重要である。通常、石工壁と比較して極めて薄いガラスの断熱性は悪いので、この点で改善が必要である。建物の全体的印象を損なわないように、絶縁性の良い石工壁とガラス要素とを組み合わせるのは簡単ではない。考えられる1つの解決策は、複数のガラス板の間の中間室に配置された絶縁エレメントを備えた絶縁ガラス板である。この絶縁エレメントは種々様々な断熱材料や絶縁材を含む。しばしば絶縁材は気体及び湿分をシールするフィルム内にパッキングされている。次いで絶縁エレメント全体を真空にする。この絶縁エレメントは、単なる絶縁ガラスよりも極めて小さい熱伝達性を有している。とりわけ、絶縁ガラスの透明性が不要なところでは、ファサードの全体的印象を損なうことなく建築物の断熱性を著しく高めることができる。
【0004】
しかしながら絶縁ガラスへのこの絶縁エレメントの組み込みは簡単に行えるものではない。絶縁ガラスはしばしば絶縁エレメントによって完全には充填されず、空所が形成されてしまう。このような空所は、寸法誤差又は1つの絶縁ガラスに複数の絶縁エレメントを使用することにより生じる。特に比較的大きな外ファサードエレメントは複数の絶縁エレメントを要し、従って殆ど必然的に空所が生じてしまう。
【0005】
断熱性の他に遮音性もますます重要である。とりわけ、交通量の増加により発生する街道騒音は、建築物内部の生活・居住性に悪影響を与える。断熱性と同様に、ガラス板材の遮音効果も、例えば石材やコンクリートに著しく劣っている。
【0006】
DE4029405A1号明細書には、断熱成形体の構造と組成が開示されている。この断熱成形体を形成するために、粉状ないしは繊維状材料を微細孔性の被覆内に充填し乾燥させている。次いで微細孔性の被覆をガス及び湿分に対して良好なシール性を有するフィルム内に設け、場合によっては真空にしている。
【0007】
DE4319763A1号明細書には、真空化された光不透過性の多層絶縁ガラスパネルが開示されている。複数のガラス板の間の中間室には、ミクロ結晶又はナノ結晶粉体を充填し、次いで排気している。
【0008】
DE4339435A1号明細書には、建築物ファサード、中間壁、冷蔵室用の光不透過性の多層ガラスパネルが開示されている。絶縁ガラスの内側には、少なくとも1つの板状の排気された成形体が配置されている。
【0009】
DE10034764A1号明細書には、内側・外側のガラス板と水密、蒸気密、ガス密な縁部結合体とを有したパネルが開示されている。中間室は、排気された袋内にある断熱粉体を含んでいる。
【0010】
本発明の課題は、断熱効果と遮音効果を両立させ、石、モルタル又はコンクリートから成る構成要素に匹敵する特性を備えた絶縁ガラスを提供することである。
【0011】
この課題は本発明によれば、請求項1に記載の遮音性絶縁ガラスにより解決される。好ましい構成は従属請求項に記載されている。
【0012】
本発明による遮音性絶縁ガラスを製造する方法及びその使用は、別の独立請求項に記載されている。
【0013】
本発明による、遮音絶縁ガラスは少なくとも1つの第1のガラス板と第2のガラス板とを有している。第1のガラス板と第2のガラス板との間に環状の間隔保持体(スペーサ)が配置されている。スペーサは好適には中空室を含んでいる。スペーサの中空室は好適には、乾燥剤、特に好適にはシリカゲル、CaCl
2、Na
2SO
4、MgSO
4、活性炭、ケイ酸塩、ベントナイト、ゼオライト、及び/又はこれらの混合物を含んでいる。乾燥剤は好適には、絶縁ガラスの内部で雰囲気との気体・湿分交換は行えるが、材料は飛散することなく、位置固定されるように配置されている。このことは好適には、空気・湿分透過性のポリマフィルム内に、又は微細メッシュのネット内に乾燥剤を封入することにより行うことができる。ガラス板とは好適には、板ガラス、フロートガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、及び/又はこれらの混合物を含む。選択的にはガラス板は、ポリカーボネート又はポリメタクリル酸メチル(プレキシガラス)も含んで良い。シール部材は、第1のガラス板とスペーサと第2のガラス板との間の外側の中間室、隙間、又は接合部を閉鎖している。第1のガラス板と第2のガラス板とは同様に又は異なるように設計することができる。好適な構成では、両ガラス板のうち一方を複合ガラス板として形成することができ、これにより全体として3層ガラスが形成される。選択的には、両ガラス板とも複合ガラス板として形成することができ、これにより全体として4層ガラスが形成される。第1のガラス板と第2のガラス板との間には真空絶縁パネルが配置されている。真空絶縁パネルは、気体及び湿分をシールするフィルムでパッキングされ真空化される、繊維状又は粉状の基板を含んでいる。粉状の基板の例は例えば前記DE4029405A1号明細書に記載されている。第1のガラス板と真空絶縁パネルとの間に(この真空絶縁パネルの又は互いに隣接する複数の真空絶縁パネルの表面上に)、遮音板が面状に又は平らに配置されている。遮音板は好適には、遮音性のポリマプレートを含み、好適には、少なくとも50mmの厚さで(ISO 10534−2に基づき600Hz〜4000Hzの範囲で測定して)少なくとも0.5の吸音性を有するポリマプレートを含む。
【0014】
本発明による絶縁ガラスは、好適には2つの又はそれ以上の真空絶縁パネルを含んでいる。真空絶縁パネルの数はとりわけ、絶縁ガラスのサイズに合わせられる。真空絶縁パネルの間には好適には音分離板が配置されている。音分離板は好適には、遮音板と同じ材料を有する。音分離板は好適には2つの真空絶縁パネルの間の中間室を充填している。
【0015】
さらに遮音板は好適には付加的に、第2のガラス板と真空絶縁パネルとの間に、かつ/又はスペーサと真空絶縁パネルとの間に、かつ/又は前記スペーサと前記真空絶縁パネルとの間に配置されている。従って遮音板は、ガラス板又はスペーサに面した真空絶縁パネルの全ての外面を占め、カバーすることができる。中間室を最大限充填することにより、遮音性及び断熱性も極めて著しく向上する。
【0016】
遮音板は好適には、0.5〜5mmの厚さを有している。遮音板の厚さは好適には、真空絶縁パネルと第1のガラス板又は第2のガラス板との間の中間室のサイズに合わせられる。
【0017】
遮音板及び/又は音分離板は好適には、熱可塑性の、又は弾性の、又は熱硬化性の高分子発泡体、好適にはポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、メラミン樹脂、ソフトPUR(軟質のポリウレタンフォーム)及び/又はハードPUR(硬質のポリウレタンフォーム)、又はこれらの混合物及び/又はコポリマを含む。
【0018】
真空絶縁パネルは好適には充填剤、特に好適には粉体、繊維、又はフェザー(Federn)、特に好適にはSiO
2又はエアロゲルパウダを含む。充填剤は、真空絶縁パネルの真空化と共に絶縁作用を改善する。
【0019】
充填剤は好適には、10nm〜100μmの平均直径を有している。充填剤の狭いサイズ分布及び均一な形状により、真空絶縁パネルの絶縁作用が改善される。
【0020】
真空絶縁パネルは好適には、気体及び湿分をシールするフィルム内に溶接により固定されている。真空絶縁パネル内の不密性により断熱性が減じられる。
【0021】
シール部材は、好適にはポリマ、又はシラン変性ポリマ、特に好適には有機多硫化物、シリコン、RTV(室温硬化型)シリコンゴム、HTV(熱硬化型)シリコンゴム、過酸化物加硫シリコンゴム、及び/又は付加架橋されたシリコンゴム、ポリウレタン、ブチルゴム、及び/又はポリアクリレート及び/又はこれらの混合物又はコポリマを含む。
【0022】
シール部材は好適には、1〜5mmの厚さ及び/又は15〜30mmの高さを有している。シール部材の寸法は好適にはスペーサの設計に合わせられる。
【0023】
スペーサは好適には乾燥剤、特に好適にはシリカゲル、CaCl
2、Na
2SO
4、活性炭、ケイ酸塩、ベントナイト、ゼオライト及び/又はこれらの混合物を有している。乾燥剤は、時間の経過と共に絶縁ガラスに侵入する湿分と結びつき、内部のガラス板面のカビを防止することができる。
【0024】
本発明はさらに、遮音性絶縁ガラスを製造する方法を含んでいる。第1のステップで、間隔保持体(スペーサ)を、第1のガラス板の縁部上に環状に配置する。次いで、スペーサの内側で第1のガラス板上に遮音板を配置する。遮音板は好適には、上述したように、ポリマ発泡剤プレートを含み、特に好適には、少なくとも50mmの厚さで(ISO 10534−2に基づき600Hz〜4000Hzの範囲で測定して)少なくとも0.5の吸音性を有するポリマ発泡剤プレートを含む。次のステップで、真空絶縁パネルを遮音板上に配置する。次いで、第2のガラス板をスペーサ上に配置し、第1のガラス板と、スペーサと、第2のガラス板との間の外側の中間室、隙間、接合部においてシール部材に結合して絶縁ガラスを形成する。絶縁ガラスの最終的な製造は、好適には当業者において慣用の形式で行われる。
【0025】
本発明はさらに、建築物、特に好適には内ファサード及び外ファサードにおける本発明による絶縁ガラスの使用を含む。本発明による絶縁ガラスは好適には、不透明の外ファサード又は透明及び不透明のエレメントから成る混合ファサードにおいて使用される。
【0026】
以下に図面につき本発明を詳しく説明する。図面は単なる概略図であって、正確な寸法ではない。本発明はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明による絶縁ガラスを示す横断面図である。
【
図2】本発明による絶縁ガラスの好適な構成を示す横断面図である。
【
図3】本発明による絶縁ガラスの製造法のフローチャートを示した図である。
【0028】
図1には、本発明による絶縁ガラス(I)の横断面が示されている。第1のガラス板(1)と第2のガラス板(2)との間には環状のスペーサ(3)が配置されている。第1のガラス板(1)と第2のガラス板(2)とスペーサ(3)との間の外縁はシール部材(5)によって閉じられ、封止されている。シール部材(5)は、第1のガラス板(1)とスペーサ(3)と第2のガラス板(2)との間の隙間(5´)内に位置している。スペーサ(3)の内側には2つの真空絶縁パネル(6)が配置されている。真空絶縁パネル(6)は、気体及び湿分をシールするフィルム(9)によってシールされている。真空絶縁パネル(6)の絶縁効果は、主として真空に、ひいては気体及び湿分をシールするフィルム(9)のシール性に依存している。遮音板(7)は、先行技術による絶縁ガラスに対して、本発明による絶縁ガラス(I)の音の透過性を著しく減じる。
【0029】
図2には、本発明による絶縁ガラス(II)の好適な構成の横断面が示されている。絶縁ガラス(II)の基本構造は
図1に示されたものに相応するものである。真空パネル(6)と、第1のガラス板(1)と、第2のガラス板(2)と、スペーサ(3)との間の全ての中間室には、遮音板(7)と音分離板(4)とが充填されている。音響的及び熱的絶縁性は、ここに図示した好適な構成の絶縁ガラス(II)において、
図1に示した絶縁ガラス(I)の構成よりも著しく高められている。
【0030】
図3には、本発明による絶縁ガラス(II)の製造法を示すフローチャートが示されている。第1のステップで、間隔保持体(スペーサ)(3)を、第1のガラス板(1)の縁部上に環状に配置する。次いで、スペーサ(3)の内側で第1のガラス板(1)上に遮音板(7)を配置する。次のステップで、真空絶縁パネル(6)を遮音板(7)上に配置する。次いで、第2のガラス板(2)をスペーサ(3)上に配置し、第1のガラス板(1)と、スペーサ(3)と、第2のガラス板(2)との間の外側の中間室においてシール部材(5)に結合して絶縁ガラス(II)を形成する。
【符号の説明】
【0031】
(1) 第1のガラス板
(2) 第2のガラス板
(3) スペーサ
(4) 音分離板
(5) シール部材
(5´) 第1のガラス板(1)とスペーサ(3)と第2のガラス板(2)との間の隙間、継ぎ目、又は中間室
(6) 真空絶縁パネル
(7) 遮音板
(I)、(II) 本発明による絶縁ガラス