(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前身頃を構成する前側外装体及び後身頃を構成する後側外装体と、前側外装体の内面から後側外装体の内面にかけて幅方向中央部に設けられた、吸収体を含む内装体とを備え、
前記前側外装体及び後側外装体と内装体とを固定する内外固定部と、前記前側外装体の両側部と前記後側外装体の両側部とがそれぞれ接合されたサイドシール部と、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部とを有し、
前記前側外装体及び後側外装体が前後方向に離間され、
前記前側外装体及び後側外装体の少なくとも一方は、前記吸収体を有する前後方向範囲に、幅方向中間に設けられた非伸縮領域と、この非伸縮領域の幅方向両側に設けられた伸縮領域とを有しており、
前記伸縮領域は、内側シート層と、外側シート層と、これら内側シート層及び外側シート層間に、前後方向に間隔を空けてそれぞれ幅方向に沿って取り付けられた複数本の細長状の弾性伸縮部材とを有する領域であり、
前記非伸縮領域は、前記伸縮領域から連続する内側シート層及び外側シート層と、これら内側シート層及び外側シート層間に残された、前記伸縮領域の弾性伸縮部材から連続する切断残部、及び両方の前記伸縮領域の弾性伸縮部材と連続しない弾性伸縮部材の切断片の少なくとも一方からなる不要弾性伸縮部材とを有しており、
前記非伸縮領域に、外面から視認可能な表示シートを備えている、
パンツタイプ使い捨ておむつにおいて;
前記表示シートを、前記非伸縮領域における前記外側シート層の内側に隣接して備え、
前記不要弾性伸縮部材は、前記表示シートの内側面及び内側シート層の外側面に対して非固定とされ、
前記前側外装体及び後側外装体のうち前記表示シートを有する外装体は、前記外側シート層を形成するシート材が股間側の端部において内側シート層の内側に折り返された股間側折り返し部分を有しており、
前記非伸縮領域の幅方向範囲は、前記内外固定部の幅方向範囲を含んでおり、
前記股間側折り返し部分は、前記サイドシール部に位置する部分、前記内外固定部に位置する部分、及びこれらの間の中間部分を有しており、
前記サイドシール部に位置する部分は前記前側外装体及び後側外装体の間に挟まれて固定され、前記内外固定部に位置する部分は外面が対向面に固定されずに内面が前記内装体に固定され、前記中間部分は外面が対向面に固定されていない、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
前記表示シートを有する外装体は、前記内側シート層を形成するシート材と、前記外側シート層を形成するシート材とを個別に有する、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
前身頃を構成する前側外装体及び後身頃を構成する後側外装体と、前側外装体の内面から後側外装体の内面にかけて幅方向中央部に設けられた、吸収体を含む内装体とを備え、
前記前側外装体及び後側外装体と内装体とを固定する内外固定部と、前記前側外装体の両側部と前記後側外装体の両側部とがそれぞれ接合されたサイドシール部と、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部とを有し、
前記前側外装体及び後側外装体が前後方向に離間され、
前記前側外装体及び後側外装体の少なくとも一方は、前記吸収体を有する前後方向範囲に、幅方向中間に設けられた非伸縮領域と、この非伸縮領域の幅方向両側に設けられた伸縮領域とを有しており、
前記伸縮領域は、内側シート層と、外側シート層と、これら内側シート層及び外側シート層間に、前後方向に間隔を空けてそれぞれ幅方向に沿って取り付けられた複数本の細長状の弾性伸縮部材とを有する領域であり、
前記非伸縮領域は、前記伸縮領域から連続する内側シート層及び外側シート層と、これら内側シート層及び外側シート層間に残された、前記伸縮領域の弾性伸縮部材から連続する切断残部、及び両方の前記伸縮領域の弾性伸縮部材と連続しない弾性伸縮部材の切断片の少なくとも一方からなる不要弾性伸縮部材とを有しており、
前記非伸縮領域に、外面から視認可能な表示シートを備えている、
パンツタイプ使い捨ておむつにおいて;
前記表示シートを、前記非伸縮領域における前記外側シート層の内側に隣接して備え、
前記不要弾性伸縮部材は、前記表示シートの内側面及び内側シート層の外側面に対して非固定とされ、
前記前側外装体及び後側外装体のうち前記表示シートを有する外装体は、前記内側シート層を形成するシート材及び外側シート層を形成するシート材の両方が股間側の端部で内側に折り返された股間側折り返し部分を有しており、
前記非伸縮領域の幅方向範囲は、前記内外固定部の幅方向範囲を含んでおり、
前記股間側折り返し部分は、前記サイドシール部に位置する部分、前記内外固定部に位置する部分、及びこれらの間の中間部分を有しており、
前記サイドシール部に位置する部分は前記前側外装体及び後側外装体の間に挟まれて固定され、前記内外固定部に位置する部分は外面が対向面に固定されずに内面が前記内装体に固定され、前記中間部分は外面が対向面に固定されていない、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
前記不要弾性伸縮部材は、幅方向一方側の前記伸縮領域の弾性伸縮部材から連続するものが、幅方向他方側の前記伸縮領域の弾性伸縮部材から連続するものより長い、請求項5記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明の主たる課題は、表示シートの表示をはっきりと見やすいものとしつつ、外装体における股間側の端部の開口を防止した外装体分割構造のパンツタイプ使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
前身頃を構成する前側外装体及び後身頃を構成する後側外装体と、前側外装体の内面から後側外装体の内面にかけて幅方向中央部に設けられた、吸収体を含む内装体とを備え、
前記前側外装体及び後側外装体と内装体とを固定する内外固定部と、前記前側外装体の両側部と前記後側外装体の両側部とがそれぞれ接合され
たサイドシール部と、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部
とを有し、
前記前側外装体及び後側外装体が前後方向に離間され、
前記前側外装体及び後側外装体の少なくとも一方は、前記吸収体を有する前後方向範囲に、幅方向中間に設けられた非伸縮領域と、この非伸縮領域の幅方向両側に設けられた伸縮領域とを有しており、
前記伸縮領域は、内側シート層と、外側シート層と、これら内側シート層及び外側シート層間に、前後方向に間隔を空けてそれぞれ幅方向に沿って取り付けられた複数本の細長状の弾性伸縮部材とを有する領域であり、
前記非伸縮領域は、前記伸縮領域から連続する内側シート層及び外側シート層と、これら内側シート層及び外側シート層間に残された、前記伸縮領域の弾性伸縮部材から連続する切断残部、及び両方の前記伸縮領域の弾性伸縮部材と連続しない弾性伸縮部材の切断片の少なくとも一方からなる不要弾性伸縮部材とを有しており、
前記非伸縮領域に、外面から視認可能な表示シートを備えている、
パンツタイプ使い捨ておむつにおいて;
前記表示シートを、前記非伸縮領域における前記外側シート層の内側に隣接して備え、
前記不要弾性伸縮部材は、前記表示シートの内側面及び内側シート層の外側面に対して非固定とされ、
前記前側外装体及び後側外装体のうち前記表示シートを有する外装体は、
前記外側シート層を形成するシート材が股間側の端部において内側シート層の内側に折り返された股間側折り返し部分を有して
おり、
前記非伸縮領域の幅方向範囲は、前記内外固定部の幅方向範囲を含んでおり、
前記股間側折り返し部分は、前記サイドシール部に位置する部分、前記内外固定部に位置する部分、及びこれらの間の中間部分を有しており、
前記サイドシール部に位置する部分は前記前側外装体及び後側外装体の間に挟まれて固定され、前記内外固定部に位置する部分は外面が対向面に固定されずに内面が前記内装体に固定され、前記中間部分は外面が対向面に固定されていない、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
【0012】
(作用効果)
本発明では、表示シートは非伸縮領域における外側シート層の内側に隣接して設けられているため、表示シートの表示がはっきりと見えるようになる。また、不要弾性伸縮部材が表示シートの内側面及び内側シート層の外側面に対して非固定とされた表示シート裏非固定構造であるため、表示シートに対する不要弾性伸縮部材の収縮力の影響を完全に無くすことができる。そして、特に本発明では、表示シートを有する外装体は、前記内側シート層及び外側シート層のいずれか一方を形成するシート材が、股間側の縁で他方の背後に折り返されて固定された股間側折り返し部分を有している。よって、表示シートを有する外装体は、表示シートと内側シート層との隙間が股間型の端部においてシート材により閉じられるため、当該隙間が股間側に開口することが確実に防止される。その結果、表示シートと内側シート層との隙間が股間側に開口することにより見栄えが悪化したり、外装体のシート層が剥離したり、伸縮性を殺すために切断した弾性伸縮部材が開口からはみ出したり、又は弾性伸縮部材の破片が開口から外に出てきたりすることも確実に防止されるようになる。
【0013】
<請求項2記載の発明>
前記表示シートを有する外装体は、前記内側シート層を形成するシート材と、前記外側シート層を形成するシート材とを個別に有する、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
【0014】
(作用効果)
このように、内側シート層を形成するシート材と、前記外側シート層を形成するシート材とを個別に有する形態では、シート材の折り返し工程が少ないため、内側シート層及び外側シート層を貼り合わせる際にずれにくいという利点がある。また、外側シート層を内側シート層の内側に折り返すことにより、外側シート層の折り返し部分がおむつ外面に露出しないため、折り返しによる見栄えの悪化を防止することができる。
【0015】
【0016】
【0017】
<請求項
3記載の発明>
前身頃を構成する前側外装体及び後身頃を構成する後側外装体と、前側外装体の内面から後側外装体の内面にかけて幅方向中央部に設けられた、吸収体を含む内装体とを備え、
前記前側外装体及び後側外装体と内装体とを固定する内外固定部と、前記前側外装体の両側部と前記後側外装体の両側部とがそれぞれ接合され
たサイドシール部と、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部
とを有し、
前記前側外装体及び後側外装体が前後方向に離間され、
前記前側外装体及び後側外装体の少なくとも一方は、前記吸収体を有する前後方向範囲に、幅方向中間に設けられた非伸縮領域と、この非伸縮領域の幅方向両側に設けられた伸縮領域とを有しており、
前記伸縮領域は、内側シート層と、外側シート層と、これら内側シート層及び外側シート層間に、前後方向に間隔を空けてそれぞれ幅方向に沿って取り付けられた複数本の細長状の弾性伸縮部材とを有する領域であり、
前記非伸縮領域は、前記伸縮領域から連続する内側シート層及び外側シート層と、これら内側シート層及び外側シート層間に残された、前記伸縮領域の弾性伸縮部材から連続する切断残部、及び両方の前記伸縮領域の弾性伸縮部材と連続しない弾性伸縮部材の切断片の少なくとも一方からなる不要弾性伸縮部材とを有しており、
前記非伸縮領域に、外面から視認可能な表示シートを備えている、
パンツタイプ使い捨ておむつにおいて;
前記表示シートを、前記非伸縮領域における前記外側シート層の内側に隣接して備え、
前記不要弾性伸縮部材は、前記表示シートの内側面及び内側シート層の外側面に対して非固定とされ、
前記前側外装体及び後側外装体のうち前記表示シートを有する外装体は、前記内側シート層を形成するシート材及び外側シート層を形成するシート材の両方が股間側の端部で内側に折り返された股間側折り返し部分を有して
おり、
前記非伸縮領域の幅方向範囲は、前記内外固定部の幅方向範囲を含んでおり、
前記股間側折り返し部分は、前記サイドシール部に位置する部分、前記内外固定部に位置する部分、及びこれらの間の中間部分を有しており、
前記サイドシール部に位置する部分は前記前側外装体及び後側外装体の間に挟まれて固定され、前記内外固定部に位置する部分は外面が対向面に固定されずに内面が前記内装体に固定され、前記中間部分は外面が対向面に固定されていない、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
【0018】
(作用効果)
本発明では、表示シートは非伸縮領域における外側シート層の内側に隣接して設けられているため、表示シートの表示がはっきりと見えるようになる。また、不要弾性伸縮部材が表示シートの内側面及び内側シート層の外側面に対して非固定とされた表示シート裏非固定構造であるため、表示シートに対する不要弾性伸縮部材の収縮力の影響を完全に無くすことができる。そして、特に本発明では、表示シートを有する外装体は、内側シート層を形成するシート材及び外側シート層を形成するシート材の両方が股間側の端部で内側又は外側に折り返されて固定された股間側折り返し部分を有している。よって、表示シートを有する外装体は、表示シートと内側シート層との隙間が股間型の端部においてシート材により閉じられるため、当該隙間が股間側に開口することが確実に防止される。その結果、表示シートと内側シート層との隙間が股間側に開口することにより見栄えが悪化したり、外装体のシート層が剥離したり、伸縮性を殺すために切断した弾性伸縮部材が開口からはみ出したり、又は弾性伸縮部材の破片が開口から外に出てきたりすることも確実に防止されるようになる。
【0019】
<請求項
4記載の発明>
前記表示シートを有する外装体は、股間側の端部まで前記表示シートが延在されている、請求項1〜
3のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
【0020】
(作用効果)
このような構造であると、表示シートと内側シート層との隙間が股間側に開口しやすくなる。よって、本発明はこのような形態に好適である。
【0021】
<請求項
5記載の発明>
前記不要弾性伸縮部材は、前記伸縮領域の弾性伸縮部材から連続する切断残部のみからなる、請求項1〜
4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
【0022】
(作用効果)
このような形態は、非伸縮領域を形成するための弾性伸縮部材の切断を、非伸縮領域の幅方向の一か所のみで切断することにより可能となる。この場合、シート層の切断痕跡(溶融痕跡や加圧痕跡)が少なくなり、切断痕跡が重なる等により表示シートの表示が見にくくなることは防止できるが、不要弾性伸縮部材が長く残るため、表示シートと内側シート層との隙間が股間側に開口すると、その開口からはみ出しやすくなる。よって、本発明はこのような形態に好適である。
【0023】
<請求項
6記載の発明>
前記不要弾性伸縮部材は、幅方向一方側の前記伸縮領域の弾性伸縮部材から連続するものが、幅方向他方側の前記伸縮領域の弾性伸縮部材から連続するものより長い、請求項
5記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
【0024】
(作用効果)
このような形態は、非伸縮領域を形成するための弾性伸縮部材の切断を、非伸縮領域の幅方向中央以外で切断することにより可能となる。この場合、シート層の切断痕跡(溶融痕跡や加圧痕跡)が少なくなるだけでなく、切断痕跡の位置が中央以外となるため切断痕跡が重なる等により表示シートの表示が見にくくなることを効果的に防止できるが、幅方向一方側の不要弾性伸縮部材が特に長く残るため、表示シートと内側シート層との隙間が股間側に開口すると、その開口からはみ出しやすくなる。よって、本発明はこのような形態に好適である。
【発明の効果】
【0025】
以上のとおり、本発明によれば、表示シートの表示をはっきりと見やすいものとしつつ、外装体における股間側の端部の開口を防止した外装体分割構造のパンツタイプ使い捨ておむつとなる、等の利点がもたらされる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。
図1〜
図6は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例100を示している。断面図における点模様部分はその表側及び裏側に位置する各構成部材を接合する接合手段としての接着剤を示しており、ホットメルト接着剤のベタ、ビード、カーテン、サミット若しくはスパイラル塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)などにより、あるいは弾性伸縮部材の固定部分はこれに代えて又はこれとともにコームガンやシュアラップ塗布などの弾性伸縮部材の外周面への塗布により形成されるものである。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
【0028】
本形態のパンツタイプ使い捨ておむつ100は、前身頃Fを構成する前側外装体12F及び後身頃Bを構成する後側外装体12Bと、前側外装体12Fから股間部を経て後側外装体12Bまで延在するように外装体12F,12Bの内側に設けられた内装体200とを備えており、前側外装体12Fの両側部と後側外装体12Bの両側部とが接合されてサイドシール部12Aが形成されることにより、外装体12F,12Bの前後端部により形成される開口が装着者の胴を通すウエスト開口WOとなり、内装体200の幅方向両側において外装体12F,12Bの下縁及び内装体200の側縁によりそれぞれ囲まれる部分が脚を通す脚開口部LOとなる。内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装体12は着用者の身体に対して内装体200を支えるための部分である。また、符号Yは展開状態におけるおむつの全長(前身頃Fのウエスト開口WOの縁から後身頃Bのウエスト開口WOの縁までの前後方向長さ)を示しており、符号Xは展開状態におけるおむつの全幅を示している。
【0029】
また、本形態のパンツタイプ使い捨ておむつ100は、サイドシール部12Aを有する前後方向範囲(ウエスト開口WOから脚開口LOの上端に至る前後方向範囲)として定まる胴周り領域Tと、脚開口LOを形成する部分の前後方向範囲(前身頃Fのサイドシール部12Aを有する前後方向領域と後身頃Bのサイドシール部12Aを有する前後方向領域との間)として定まる中間領域Lとを有する。胴周り領域Tは、概念的にウエスト開口の縁部を形成する「ウエスト部」Wと、これよりも下側の部分である「ウエスト下方部」Uとに分けることができる。通常、胴周り領域T内に幅方向伸縮応力が変化する境界(例えば弾性伸縮部材の太さや伸長率が変化する)を有する場合は、最もウエスト開口WO側の境界よりもウエスト開口WO側がウエスト部Wとなり、このような境界が無い場合は吸収体56又は内装体200よりもウエスト開口WO側がウエスト部Wとなる。これらの前後方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト部Wは15〜40mm、ウエスト下方部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間領域Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うようにコ字状又は曲線状に括れており、ここが装着者の脚を入れる部位となる。この結果、展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつは、全体として略砂時計形状をなしている。
【0030】
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、
図3〜
図5に示されるように、身体側となるトップシート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立する立体ギャザー60を示している。
【0031】
内装体200の外装体12F,12Bに対する固定は、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により行うことができる。図示形態では、内装体200の裏面、つまりこの場合は液不透過性シート11の裏面及び立体ギャザー60の取付部分65に塗布されたホットメルト接着剤により外装体12の内面に対して固定されている。この内装体200と外装体12F,12Bとを固定する内外固定部201は、両者が重なる領域のほぼ全体に設けることができ、通常は内装体の幅方向両端部を除いた部分に設けることが好ましい。
【0032】
(トップシート)
トップシート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
【0033】
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
【0034】
立体ギャザー60を設ける場合、トップシート30の両側部は、液不透過性シート11と立体ギャザー60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回り込ませ、液の浸透を防止するために、液不透過性シート11及び立体ギャザー60に対して接合するのが好ましい。
【0035】
トップシート30は、裏側部材に対する位置ずれを防止する等の目的で、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。図示形態では、トップシート30はその裏面に塗布されたホットメルト接着剤により中間シート40の表面及び包装シート58のうち吸収体56の表側に位置する部分の表面に固定されている。
【0036】
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、トップシート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
【0037】
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m
2が好ましく、25〜60g/m
2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.0〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
【0038】
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
【0039】
中間シート40は、裏側部材に対する位置ずれを防止する等の目的で、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。図示形態では、中間シート40はその裏面に塗布されたホットメルト接着剤により包装シート58のうち吸収体56の表側に位置する部分の表面に固定されている。
【0040】
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。この他にも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
【0041】
液不透過性シート11は、図示のように吸収要素50の裏側に収まる幅とする他、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回り込ませて吸収要素50のトップシート30側面の両側部まで延在させることもできる。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
【0042】
また、液不透過性シート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータを設けることができる。
【0043】
(立体ギャザー)
立体ギャザー60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、トップシート30上を伝わって横方向に移動する排泄物を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態の立体ギャザー60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
【0044】
より詳細には、立体ギャザー60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のギャザーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状のギャザー弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸長状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。立体ギャザー60のうち先端部と反対側に位置する基端部(幅方向においてシート折り返し部分と反対側の端部)は内装体200の側縁部の裏面に固定された取付部分65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、突出部分66は、幅方向中央側に向かう付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返された先端側部分とからなる。この形態は面接触タイプの立体ギャザーであるが、幅方向外側に折り返されない線接触タイプの立体ギャザー(図示略)も採用することができる。そして、突出部分66のうち前後方向両端部が倒伏状態でトップシート30の側部表面に対して固定された前後固定部67とされる一方で、これらの間に位置する前後方向中間部は非固定の自由部分68とされ、この自由部分68に前後方向に沿うギャザー弾性伸縮部材63が伸長状態で固定されている。
【0045】
立体ギャザー60の自由部分68では、ギャザーシート62の内側層及び外側層の貼り合わせや、その間に挟まれるギャザー弾性伸縮部材63の固定に、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段の少なくとも一方を用いることができる。ギャザーシート62の内側層及び外側層の全面を貼り合わせると柔軟性を損ねるため、ギャザー弾性伸縮部材63の接着部以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。図示形態では、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段によりギャザー弾性伸縮部材63の外周面にのみホットメルト接着剤を塗布してギャザーシート62の内側層及び外側層間に挟むことにより、当該ギャザー弾性伸縮部材63の外周面に塗布したホットメルト接着剤のみで、ギャザーシート62の内側層及び外側層への細長状弾性伸縮部材の固定と、ギャザーシート62の内側層及び外側層間の固定とを行う構造となっている。
【0046】
また、立体ギャザー60に組み込まれる防水フィルム64とギャザーシート62との固定や、前後固定部67の内装体200の側部表面への固定に、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤、及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段の少なくとも一方を用いることができる。図示形態では、防水フィルム64の固定にホットメルト接着剤のスロット塗布を使用している。また、図示形態の前後固定部67の固定には、ホットメルト接着剤と素材溶着による手段を組み合わせているが、いずれか一方の手段のみで、これらの固定を行うこともできる。
【0047】
ギャザーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m
2程度とするのが好ましい。細長状弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。なお、用語「伸長率」は自然長を100%としたときの値を意味する。また、図示のように、二つに折り重ねたギャザーシートの間に防水フィルム64を介在させることもできる。
【0048】
立体ギャザー60の自由部分に設けられる細長状弾性伸縮部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、細長状弾性伸縮部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にも細長状弾性伸縮部材63を配置しても良い。
【0049】
立体ギャザー60の取付部分65の固定対象は、内装体200におけるトップシート30、液不透過性シート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
【0050】
かくして構成された立体ギャザー60では、細長状弾性伸縮部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが
図3に示すように身体側に当接するように起立する。特に、取付部分65が内装体200の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍において立体ギャザー60が幅方向外側に開くように起立するため、立体ギャザー60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
【0051】
立体ギャザー60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば
図3に示すように、立体ギャザー60の起立高さ(展開状態における突出部分66の幅方向長さ)W6は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、立体ギャザー60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
【0052】
なお、図示形態と異なり、内装体200の左右各側において立体ギャザーを二重に(二列)設けることもできる。
【0053】
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
【0054】
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m
2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m
2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
【0055】
吸収体56は長方形形状でも良いが、
図1及び
図2にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する砂時計形状を成していると、吸収体56自体と立体ギャザー60の、脚周りへのフィット性が向上するため好ましい。
【0056】
また、吸収体56の寸法は排尿口位置の前後左右にわたる限り適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の幅を示している。
【0057】
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の使い捨ておむつに使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
【0058】
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
【0059】
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
【0060】
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
【0061】
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m
2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m
2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m
2を超えると、効果が飽和する。
【0062】
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。例えば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
【0063】
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m
2、特に10〜30g/m
2のものが望ましい。
【0064】
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後からはみ出させ、巻き重なる部分及び前後はみ出し部分の重なり部分をホットメルト接着剤、素材溶着等の接合手段により接合する形態が好ましい。
【0065】
(外装体)
外装体12F,12Bは、前身頃Fを構成する部分である前側外装体12Fと、後身頃Bを構成する部分である後側外装体12Bとからなり、前側外装体12F及び後側外装体12Bは股間側で連続しておらず、前後方向に離間されている。この離間距離12dは150〜250mm程度とすることができる。この離間部分における内装体200の裏面の露出部分の一部(例えば前側外装体12Fと後側外装体12Bとの間に露出する部分の前後方向全体にわたるが、内装体200の前後端まで延びず、また幅方向両側縁も内装体200の両側縁までは達しない程度)又は全体を覆うように、不織布等からなる股間部カバーシート12Mを貼り付けることが望ましいが、省略することもできる。
【0066】
外装体12F,12Bは、胴周り領域Tと対応する前後方向範囲である胴周り部を有する。また、本形態では、前側外装体12Fには中間領域Lと対応する部分を有していないが、後側外装体12Bは胴周り領域Tから中間領域L側に延び出る臀部カバー部14を有している。図示しないが、前側外装体12Fにも胴周り領域Tから中間領域L側に延び出る鼠蹊カバー部を設けたり、鼠径カバー部は設けるものの臀部カバー部は設けない形態としたり、前側外装体12F及び後側外装体12Bの両方に中間領域Lと対応する部分を設けなくても良い。また、図示形態では、臀部カバー部14の下縁は、前側外装体12Fの下縁と同様、幅方向に沿う直線状に形成しているが、幅方向外側に向かうにつれてウエスト開口側に位置するようになる曲線とすることもできる。
【0067】
外装体12F,12Bは、
図3〜
図5に示されるように、外側シート層12S及び内側シート層12Hをホットメルト接着剤や溶着等の接合手段により接合して形成されたものである。外側シート層12Sを形成するシート材及び内側シート層12Hを形成するシート材は、
図5、
図7、
図8、
図11及び
図12に示す形態のように個別のシート材とする他、
図9及び
図10に示す形態のように共通の一枚のシート材とすることもできる。すなわち、後者の場合、股間側の縁で折り返された一枚のシート材の内側の部分及び外側の部分により内側シート層12H及び外側シート層12Sがそれぞれ形成される。なお、前者の形態では、シート材の折り返し工程が少ないため、内側シート層12H及び外側シート層12Sを貼り合わせる際にずれにくいという利点があり、後者の形態ではシート材の資材数が少ないという利点がある。
【0068】
図10に示すように外側シート層12S及び内側シート層12Hを形成するシート材の端部や内装体200の前後端をウエスト開口WOに露出させると、シート材の角が肌に当たり肌触りが悪化するおそれや、後述するウエスト部W弾性伸縮部材やこれを固定するためのホットメルト接着剤が露出するおそれがある。よって、
図5、
図7〜
図9、
図11に示す形態のように、外側シート層12Sを形成するシート材を、内側シート層12Hを形成するシート材のウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返してウエスト側折り返し部分を形成し、このウエスト側折り返し部分12rを内装体200のウエスト側の端部上まで延在させるのは好ましい。
図12に示すように、外側シート層12Sを形成するシート材及び内側シート層12Hを形成するシート材の両方を、ウエスト側の縁で内側に折り返し、この折り返し部分12rを内装体200のウエスト側の端部上まで延在させても良い。
【0069】
外側シート層12S及び内側シート層12Hに用いるシート材としては、シート状のものであれば特に限定無く使用できるが、不織布であるのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その目付けは10〜30g/m
2程度とするのが好ましい。
【0070】
また、外装体12F,12Bの総目付けは20〜60g/m
2程度であるのが好ましい。
【0071】
そして、外装体12F,12Bには、装着者の胴周りに対するフィット性を高めるために、外側シート層12S及び内側シート層12H間に糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材15〜19が所定の伸長率で設けられている。細長状弾性伸縮部材15〜19としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。外装体12F,12Bにおける外側シート層12S及び内側シート層12Hの貼り合わせや、その間に挟まれる細長状弾性伸縮部材15〜19の固定には、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段の少なくとも一方を用いることができる。外装体12F,12B全面を強固に固定すると柔軟性を損ねるため、細長状弾性伸縮部材15〜19の接着部以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。図示形態では、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段により細長状弾性伸縮部材15〜19の外周面にのみホットメルト接着剤を塗布して両シート層12S,12H間に挟むことにより、当該細長状弾性伸縮部材15〜19の外周面に塗布したホットメルト接着剤のみで、両シート層12S,12Hへの細長状弾性伸縮部材15〜19の固定と、両シート層12S,12H間の固定とを行う構造となっている。
【0072】
より詳細には、外装体12F,12Bのウエスト部Wにおける外側シート層12S及び内側シート層12H間には、幅方向全体にわたり連続するように、複数のウエスト部弾性伸縮部材17が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。また、ウエスト部弾性伸縮部材17のうち、ウエスト下方部Uに隣接する領域に配設される1本又は複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト部弾性伸縮部材17としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm
2、特に0.1〜1.0mm
2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸長率150〜400%、特に220〜320%程度で固定するのが好ましい。また、ウエスト部弾性伸縮部材17は、その全てを同じ太さと伸長率にする必要はなく、例えばウエスト部Wの上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸長率が異なるようにしてもよい。
【0073】
また、外装体12F,12Bのウエスト下方部Uにおける外側シート層12S及び内側シート層12H間には、細長状弾性伸縮部材からなるウエスト下方部弾性伸縮部材15,19が複数本、上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。
【0074】
ウエスト下方部弾性伸縮部材15,19としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm
2、特に0.1〜1.0mm
2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸長率200〜350%、特に240〜300%程度で固定するのが好ましい。
【0075】
また、後側外装体12Bの臀部カバー部14における外側シート層12S及び内側シート層12H間には、細長状弾性伸縮部材からなるカバー部弾性伸縮部材16が複数本、上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。
【0076】
カバー部弾性伸縮部材16としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm
2、特に0.1〜1.0mm
2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸長率150〜300%、特に180〜260%で固定するのが好ましい。
【0077】
前側外装体12Fに鼠径カバー部を設ける場合には同様にカバー部弾性伸縮部材を設けることができる。
【0078】
図示形態のウエスト下方部Uや臀部カバー部14のように、吸収体56を有する前後方向範囲に弾性伸縮部材15,16,19を設ける場合には、その一部又は全部において吸収体56の幅方向の収縮を防止するために、吸収体56と幅方向に重なる部分の一部又は全部を含む幅方向中間(好ましくは内外固定部201の全体を含む)が非伸縮領域A1とされ、その幅方向両側が幅方向全体にわたり伸縮領域A2とされる。このような構造は、一方のサイドシール部12Aから吸収体56を横切って他方のサイドシール部12Aまで弾性伸縮部材15,16,19を取り付け、非伸縮領域A1とする部分において、弾性伸縮部材15,16,19を内側シート層12H及び外側シート層12Sに非固定とするとともに幅方向中間の1か所で切断するか、又は弾性伸縮部材15,16,19のほぼ全体を細かく切断し、伸縮領域A2に伸縮性を残しつつ非伸縮領域A1では伸縮性を殺すことにより構築することができる。
【0079】
弾性伸縮部材15,16,19を内側シート層12H及び外側シート層12Sに非固定とするとともに幅方向中間の1か所で切断する場合、
図13(a)に示すように周方向の1か所に切断凸部72を有する加圧部71を外周面に備えたシールロール70と、これに対向配置された表面平滑なアンビルロール80とにより、内側シート層12H及び外側シート層12S間に後述の表示シート25及び弾性伸縮部材15〜17,19を取り付けた切断対象を挟み、必要に応じて切断凸部を加熱することにより、切断凸部72とアンビルロール80の外周面との間に挟まれる部位のみ弾性伸縮部材15,16,19を切断する手法を採用することができる。この場合、外側シート層12Sの一部が切断されても良いが、外側シート層12Sを切断せずに加熱、加圧のみで弾性伸縮部材15,16,19のみを切断することが望ましい。このような加工を施した製品では、
図14(a)(b)に示すように、外側シート層12S及び内側シート層12Hの少なくとも一方に切断痕跡22が残るとともに、外側シート層12S及び内側シート層12H間には、伸縮領域A2の弾性伸縮部材15,16,19から連続する切断残部のみが不要弾性伸縮部材18として残ることになる。
【0080】
また、弾性伸縮部材15,16,19のほぼ全体を細かく切断する場合、
図13(b)に示すように多数の切断凸部73を有する加圧部71を外周面に備えたシールロール70と、これに対向配置された表面平滑なアンビルロール80とにより、内側シート層12H及び外側シート層12S間に後述の表示シート25及び弾性伸縮部材15〜17,19を取り付けた切断対象を挟み、必要に応じて切断凸部73を加熱することにより、切断凸部73とアンビルロール80の外周面との間に挟まれる部位のみ弾性伸縮部材15,16,19を切断する手法を採用することができる。この場合、外側シート層12Sとともに切断しても良いが、外側シート層12Sを切断せずに加熱、加圧のみで弾性伸縮部材15,16,19のみを切断することが望ましい。このような加工を施した製品では、
図14(c)に示すように、外側シート層12S及び内側シート層12Hの少なくとも一方に切断痕跡22が残るとともに、外側シート層12S及び内側シート層12H間には、伸縮領域A2の弾性伸縮部材15,16,19から連続する切断残部、及び両方の伸縮領域A2の弾性伸縮部材15,16,19と連続しない弾性伸縮部材の切断片が不要弾性伸縮部材18として残ることになる。
【0081】
(表示シート)
特徴的には、前側外装体12F及び後側外装体12Bの少なくとも一方における非伸縮領域A1には、外側シート層12Sの内側に隣接するように、キャラクター等の表示を有する表示シート25が介在されており、この表示シート25の表示が外側シート層12Sを介して透けて見えるようになっている。表示シート25としては、紙や不織布等からなる基材シートに、装飾のための模様(絵やワンポイントのキャラクター含む)、使用方法や使用補助、サイズ等の機能表示、あるいは製造者や製品名、特徴的機能等の標章表示等の表示を、印刷等により付加したものを好適に用いることができる。
【0082】
また、特徴的には、表示シート25に対する不要弾性伸縮部材18の収縮力の影響を完全に無くすために、不要弾性伸縮部材18は表示シート25の内側面及び内側シート層12Hの外側面に非固定とされる。さらに、表示シート25の内側面、不要弾性伸縮部材18及び内側シート層12Hの外側面を互いに非固定としてもよい。すなわち、表示シート25の外側面や内側シート層12Hの内側面はホットメルト接着剤等の固定手段により対向面に固定することができるが、表示シート25の内側面、不要弾性伸縮部材18及び内側シート層12Hの外側面はホットメルト接着剤等の固定手段により対向面に固定しない。これにより、表示シート25の裏側に連続的な隙間が形成されるようになる。不要弾性伸縮部材18を固定しないためには、製造の際、弾性伸縮部材15,16,19のうち非伸縮領域A1となる部位はホットメルト接着剤等の固定手段により表示シート25の内側面及び内側シート層12Hの外側面に固定しないようにする。
【0083】
(股間側折り返し部分)
特徴的には、
図5、
図7、
図8に示す形態における前側外装体12F及び後側外装体12Bは、外側シート層12Sを形成するシート材が股間側の端部において内側シート層12Hの内側に折り返されて股間側折り返し部分20が形成され、この股間側折り返し部分20が開かないように固定されている。よって、前側外装体12F及び後側外装体12Bにおける表示シート25と内側シート層12Hとの隙間12iが股間型の端部においてシート材により閉じられるため、当該隙間12iが股間側に開口することが確実に防止される。その結果、表示シート25と内側シート層12Hとの隙間12iが股間側に開口することにより見栄えが悪化したり、外装体12F,12Bの内側シート層12H及び外側シート層12Sが剥離したり、伸縮性を殺すために切断した不要弾性伸縮部材18が開口からはみ出したり又は開口から外に出てきたりすることも確実に防止されるようになる。また、この形態のように外側シート層12Sを内側シート層12Hの内側に折り返して股間側折り返し部分20を形成すると、外側シート層12Sの折り返し部分がおむつ外面に露出しないため、折り返しによる見栄えの悪化を防止することができる
。反対に、
図11に示す形態のように、内側シート層12Hを形成するシート材が股間側の端部において外側シート層12Sの外側に折り返された構造
は本発明に含まれない。
【0084】
股間側折り返し部分20の固定構造は、
本発明では、図5に示す形態のように股間側折り返し部分20が内外固定部201における固定により結果的に固定される等、他の部材の固定を利用して固定
するものである。内外固定部201に位置する部分において、図7に示すように股間側折り返し部分20がホットメルト接着剤を介して対向面に固定されてい
るものや、図8に符号21でシール部分を示すように、股間側折り返し部分20を折り返し元の部分とともにヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段でシールすること
は、本発明に含まれない。
【0085】
共通の一枚のシート材で前側外装体12F及び後側外装体12Bの外側シート層12S及び内側シート層12Hを形成する場合、
図9及び
図10に示す形態のように、股間側の縁で折り返された一枚のシート材の内側の部分及び外側の部分により、前側外装体12F及び後側外装体12Bの内側シート層12H及び外側シート層12Sがそれぞれ形成される形態
は本発明に含まれない。このような形態でも、前側外装体12F及び後側外装体12Bにおける表示シート25と内側シート層12Hとの隙間12iが股間型の端部においてシート材により閉じられるため、当該隙間12iが股間側に開口することが確実に防止される。
【0086】
また、
図12に示す形態のように、前側外装体12F及び後側外装体12Bにおける内側シート層12Hを形成するシート材及び外側シート層12Sを形成するシート材の両方を股間側の端部で外側に折り返して股間側折り返し部分20を形成する形態
は本発明に含まれないが、内側に折り返す形態は本発明に含まれる。このような形態でも、前側外装体12F及び後側外装体12Bにおける表示シート25と内側シート層12Hとの隙間12iが股間型の端部においてシート材により閉じられるため、当該隙間12iが股間側に開口することが確実に防止される。
【0087】
これらの各種の形態からも分かるように、股間側折り返し部分20の折り返し長さは適宜定めることができ、5〜30mm程度の短い部分とする他、
図9及び
図10に示す形態のように当該折り返し部分を有する外装体の前後方向長さと同程度とすることもできる。
【0088】
上述のように、本発明では、表示シート25と内側シート層12Hとの隙間12iが股間側に開口しにくいため、表示シート25は前側外装体12F及び後側外装体12Bの股間側の端部まで延在させることができ、表示面積を広く確保することができる。よって、表示シート25の股間側の縁と、当該表示シート25を有する前側外装体12F及び後側外装体12Bの股間側の縁との離間距離25eは5〜30mm程度とすることができる。
【0089】
前述のように、非伸縮領域A1を形成するための弾性伸縮部材15,16,19の切断を、非伸縮領域A1の幅方向の一か所のみで切断することにより、
図14(a)(b)に示すように、不要弾性伸縮部材18が、伸縮領域A2の弾性伸縮部材から連続する切断残部のみからなる形態とするのは好ましい形態である。この場合、切断の痕跡22が少なくなり、切断痕跡22が重なる等により表示シート25の表示が見にくくなりにくい利点がある。特に、
図14(b)に示すように、非伸縮領域A1を形成するための弾性伸縮部材15,16,19の切断を、非伸縮領域A1の幅方向中央以外で切断すると、切断痕跡22の位置が中央以外となり表示シート25の表示を阻害しにくくなるため好ましい。この場合、不要弾性伸縮部材18は、幅方向一方側の伸縮領域A2の弾性伸縮部材から連続するものが長く残るが、表示シート25と内側シート層12Hとの隙間12iが股間側に開口しにくいため問題とならない。
【0090】
(その他)
上記例では、前側外装体12F及び後側外装体12Bの両方に股間側折り返し部分20を設けているが、いずれか一方のみとすることができる(両方に表示シート25を有するものの、一方のみ本発明の構造を適用する場合を含む)。
【0091】
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
【0092】
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
【0093】
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:2wt%、
塩化ナトリウム:
0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.
03wt%、
硫酸マグネシウム七水和物:0.
08wt%、
及びイオン交換水:
97.09wt%)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter−MAX ME−500)でゲル強度を測定する。
【0094】
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
【0095】
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:10gf/cm
2、及び加圧面積:2cm
2の条件下で自動測定する。
【0096】
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
【0097】
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
【0098】
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内で行うものとする。
【解決手段】非伸縮領域A1は伸縮領域A2から連続する内側シート層12H及び外側シート層12Sと、これら内側シート層12H及び外側シート層12S間に残された不要弾性伸縮部材18とを有し、非伸縮領域A1における外側シート層12Sの内側に隣接して、外面から視認可能な表示シート25を備え、不要弾性伸縮部材18は表示シート25の内側面及び内側シート層12Hの外側面に非固定とされ、前側外装体12F及び後側外装体12Bは、外側シート層12Sを形成するシート材が股間側の端部において内側シート層12Hの内側に折り返されて固定されて形成された股間側折り返し部分20を有していることにより解決される。