(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5992612
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】床下車両持ち上げジャッキ用分割反転カバープレート装置
(51)【国際特許分類】
B66F 7/28 20060101AFI20160901BHJP
B61K 13/00 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
B66F7/28 M
B61K13/00 Z
B66F7/28 L
【請求項の数】4
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-514333(P2015-514333)
(86)(22)【出願日】2013年5月13日
(65)【公表番号】特表2015-523940(P2015-523940A)
(43)【公表日】2015年8月20日
(86)【国際出願番号】CN2013075550
(87)【国際公開番号】WO2013185520
(87)【国際公開日】20131219
【審査請求日】2014年12月2日
(31)【優先権主張番号】201210192426.2
(32)【優先日】2012年6月13日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514222673
【氏名又は名称】中▲車▼青▲島▼四方▲車▼▲輛▼研究所有限公司
【氏名又は名称原語表記】CRRC QINGDAO SIFANG ROLLING STOCK RESEARCH INSTITUTE CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丁▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】▲けい▼▲暁▼▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】邵立▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】王明▲海▼
【審査官】
今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭59−120798(JP,U)
【文献】
特開平10−044945(JP,A)
【文献】
実開平05−024814(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 7/28
B66F 7/02
B66F 7/06
B61K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床下車両持ち上げジャッキ用分割反転カバープレート装置であって、カバープレートを含み、前記カバープレートは分割構造となっており、第一可動カバープレート(4)と、第二可動カバープレート(6)とを含み、前記第一可動カバープレート(4)と前記第二可動カバープレート(6)はそれぞれ異なるピン軸によって旋回するようになっており、前記第二可動カバープレート(6)を旋回させるピン軸の直下には反転防止ブロック(5)が設けられ、前記反転防止ブロック(5)は別のピン軸によって前記第一可動カバープレート(4)に接続されている床下車両持ち上げジャッキ用分割反転カバープレート装置。
【請求項2】
案内輪(7)が、前記第一可動カバープレート(4)から離れて前記第二可動カバープレート(6)の端部の下に設けられている請求項1記載の床下車両持ち上げジャッキ用分割反転カバープレート装置。
【請求項3】
反転アーム(3)が前記第一可動カバープレート(4)の下に設けられ、前記反転アーム(3)の一端はベアリングによって前記反転防止ブロック(5)に接続され、他端はさらに別のピン軸と含油ベアリングによって動力作動プッシュロッド(1)に接続されており、前記動力作動プッシュロッド(1)は、動力作動プッシュロッド取り付け台座(2)上に設けられている請求項1又は2記載の床下車両持ち上げジャッキ用分割反転カバープレート装置。
【請求項4】
前記動力作動プッシュロッド取付け台座(2)は、前記第一可動カバープレート(4)に接続される請求項3記載の床下車両持ち上げジャッキ用分割反転カバープレート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道機関車修理設備に関するものであり、特に鉄道車両を検査及び修理するために用いられる床下車両持ち上げジャッキ用カバープレート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
床下車両持ち上げジャッキは、損傷を受けておらず分解もされていない動力車列車、高速列車、高出力機関車又は都市鉄道車両の検査や修理に用いられ、それには鉄道車両のボギー台車の交換、車体の底部及び上部にある電気設備の検査、修理及び交換などが含まれる。中国における動力車列車と高速列車の大規模な使用とともに、動力車列車用の床下車両持ち上げジャッキは列車のハイレベルな検査と修理に重要な役割を担う。動力車列車の車輪を外すために、初めに列車全体が同調して一定の高さまでボギー台車持ち上げ装置によって持ち上げられてボギー台車が分解され、それから客車が車体持ち上げ装置によって支持される。
【0003】
車輪を外す過程において、車体持ち上げ装置の持ち上げ支柱と支持頭部の両方が地面の上方に上昇する。従って、地表面のカバープレートには対応する隙間が形成される。それは検査や修理に都合が悪いだけでなく、整備員の安全に隠れた危険性をもたらす。度々、反転カバープレート装置は、車体持ち上げ支柱の伸長や格納に影響を及ぼすことなく、これらの隙間を塞ぐために用いられる。従来の反転カバープレートは次の二つの構造を有する:(1)反転カバープレートは車体持ち上げ装置によって直接に持ち上げられ、この持ち上げられた反転カバープレート上の案内輪が持ち上げ支柱に沿って転がり、;この種のカバープレートは、支持頭部が基本的に持ち上げ支柱と平行で高さが同じである場合に適用されるが、支持頭部が比較して長い場合には適用されず、(2)柵状反転カバープレート同様に、この構造の反転カバープレートは大きなスペースを占め、よって検査や修理のためのスペースを減少させ、持ち上げられた車両の検査や修理に不都合である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現存する床下車両持ち上げジャッキ用反転カバープレートの問題に鑑みて、本発明は構造上の信頼性と実現性があり、使用において安全で便利な床下車両持ち上げジャッキ用反転カバープレート装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的スキームは下記のとおりである:
床下車両持ち上げジャッキ用分割反転カバープレート装置であって、カバープレートを含み、前記カバープレートは分割構造となっており、第一可動カバープレートと、第二可動カバープレートとを含み、前記第一可動カバープレートと前記第二可動カバープレートはピン軸によって旋回式であり、前記ピン軸の直下には反転防止ブロックが設けられ、前記反転防止ブロックは前記ピン軸によって前記第一可動カバープレートに接続されている床下車両持ち上げジャッキ用分割反転カバープレート装置。
【0006】
好適には、案内輪が前記第一カバープレートから離れて前記第二プレートの端部の下に設けられる。
【0007】
好適には、反転アームが前記第一可動カバープレートの下に設けられ、前記反転アームの一端はベアリングによって前記反転防止ブロックに接続され、他端は前記ピン軸と含油ベアリングによって動力作動プッシュロッドに接続されており、前記動力作動プッシュロッドは、動力作動プッシュロッド取付け台座上に設けられる。
【0008】
好適には、前記動力作動プッシュロッド取付け台座(2)は、前記第一可動カバープレート(4)に接続される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の有益な効果:本発明は分割構造を採用し、持ち上げ装置が伸長した後、第一可動カバープレートが水平位置に戻り、第二可動カバープレートが持ち上げ支柱に寄り掛かって案内輪によって持ち上げ支柱と接触する。従来の反転カバープレートと比べて、本発明は次のような利点を有する:(1)検査及び修理の過程において、持ち上げ装置の持ち上げまたは降下は、反転カバープレートを開く必要がなくなり、使用において便利になり、(2)閉じられた第一可動カバープレートは検査または修理のための限られたスペースを占有することなく、潜在的な整備者の安全性の問題を低減し、(3)多くのタイプに適用できる車体持ち上げ装置は、支持頭部が持ち上げ支柱と平行であり、同じ高さであるかどうかにかかわらず本発明に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】
図3は作動状態にある従来の反転カバープレート1の構造図である。
【
図4】
図4は作動状態にある従来の反転カバープレート2の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
さらに本発明の詳細について添付図面を用いて説明する。
【0012】
床下車両持ち上げジャッキ用分割反転カバープレート装置は、カバープレートを含み、このカバープレートは分割構造を有し、第一可動カバープレート4と、第二可動カバープレート6とを含み、第一カバープレート4と第二カバープレート6は、ピン軸によって旋回式であり、案内輪7が第一可動カバープレート4から離れて第二可動カバープレート6の端部の下に設けられている。反転防止ブロック5がピン軸の直下に設けられ、ピン軸によって第一可動カバープレート4の下に接続されている。反転アーム3は、第一カバープレート4の下に設けられ、前記反転アーム3の一端はベアリングによって反転防止ブロック5に接続され、他端はピン軸と含油ベアリングによって動力作動プッシュロッドに接続される。動力作動プッシュロッド1は動力作動プッシュロッド取付け台座2上に配置される。動力作動プッシュロッド取付け台座2は第一カバープレート4に接続される。
【0013】
床下車両持ち上げジャッキ用分割反転カバープレート装置の作動原理:作動していない状態では、反転カバープレートは水平状態にある。
【0014】
車体持ち上げ装置の支持頭部8と持ち上げ支柱9が地面から持ち上がるとき、反転カバープレートは作動し始める:(1)動力作動プッシュロッド1によって駆動されると、反転アーム3が第一可動カバープレート4と第二可動カバープレート6をおよそ90°反転するまで移動するように駆動し、(2)車体持ち上げ装置の支持頭部8と持ち上げ支柱9が伸長し、(3)動力作動プッシュロッド1は反転アーム3を格納するように駆動し、反転カバープレート上の案内輪7が持ち上げ支柱9と接触して、第一可動カバープレート4は水平姿勢に戻り、第二可動カバープレート6は持ち上げ支柱9に寄り掛かる。