特許第5992637号(P5992637)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5992637無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5992637
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラック
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20160901BHJP
【FI】
   C12M1/00 C
【請求項の数】16
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-548189(P2015-548189)
(86)(22)【出願日】2014年7月3日
(65)【公表番号】特表2016-501030(P2016-501030A)
(43)【公表日】2016年1月18日
(86)【国際出願番号】CN2014081583
(87)【国際公開番号】WO2015010525
(87)【国際公開日】20150129
【審査請求日】2015年6月18日
(31)【優先権主張番号】201310316906.X
(32)【優先日】2013年7月25日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515167311
【氏名又は名称】河北科技大学
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】周 暁輝
(72)【発明者】
【氏名】徐 楽
(72)【発明者】
【氏名】劉 軍
(72)【発明者】
【氏名】劉 浩
【審査官】 松原 寛子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2000−501289(JP,A)
【文献】 実用新案登録第3093807(JP,Y2)
【文献】 特開2001−245581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックにおいて、
角度を調節可能なサイドフレームおよびボトムフレームを含み、
前記サイドフレームと前記ボトムフレームとには、実験器具の位置決めを行う複数の位置決め部を有する少なくとも一つの耐熱バーが別々に設置され、
前記耐熱バーには、前記実験器具が前記位置決め部に固定されて載置され、
前記耐熱バーの少なくとも一つの温度検出待ち箇所に設けられる少なくとも一つの温度センサが、前記実験器具の温度データを測定し、測定した温度データを温度表示制御ユニットに出力し、
前記温度表示制御ユニットは、前記温度センサに連通し、温度を表示/提示する、
ことを特徴とする組み立てラック。
【請求項2】
請求項1に記載の無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックにおいて、
前記位置決め部が温度検出待ち箇所であり、前記温度センサが前記位置決め部に対応して設けられる、
ことを特徴とする組み立てラック。
【請求項3】
請求項2に記載の無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックにおいて、
前記位置決め部が半円形の位置決め部であり、前記耐熱バーにおいて均一に分布される、
ことを特徴とする組み立てラック。
【請求項4】
請求項1に記載の無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックにおいて、
前記サイドフレームのU型アームには、前記耐熱バーを水平に置くための複数のストッパーワイヤが対称的に設けられており、前記ボトムフレームのU型アームには、前記耐熱バーを固定する複数の連結リングが対称的に設けられており、前記ボトムフレーム上の前記耐熱バーが前記サイドフレーム上の前記耐熱バーに平行する、
ことを特徴とする組み立てラック。
【請求項5】
請求項1に記載の無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックにおいて、
前記サイドフレームは、前記ボトムフレームとは同一サイズのU型枠体である、
ことを特徴とする組み立てラック。
【請求項6】
請求項4に記載の無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックにおいて、
前記サイドフレームは、前記ボトムフレームとは同一長さのU型枠体であり、連結具を介して前記ボトムフレームに連結される、
ことを特徴とする組み立てラック。
【請求項7】
請求項6に記載の無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックにおいて、
前記連結具が双方向ラチェット機構である、
ことを特徴とする組み立てラック。
【請求項8】
請求項7に記載の無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックにおいて、
前記連結具は、2つの円心A、Bを有する貫通穴を設けており、前記貫通穴の穴壁に内歯が対称的に設けられており、前記貫通穴には、外壁に歯が一周設けられたラチェットが内置されており、前記ラチェットは径方向に円心A、B方向に沿って往復移動可能であり、前記ラチェットの歯は、前記内歯の各歯と互いに噛み合う、
ことを特徴とする組み立てラック。
【請求項9】
請求項8に記載の無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックにおいて、
前記貫通穴の径方向の外壁には、ハンドルが連結されており、中間線がハンドル中心線であり、前記ハンドル中心線は、円心A、Bを繋ぐ線の延長線とは同一の直線であるか、平行又は交差するものである、
ことを特徴とする組み立てラック。
【請求項10】
請求項9に記載の無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックにおいて、
前記ラチェットには、ナットレンチ穴又は方形ほぞが設けられている、
ことを特徴とする組み立てラック。
【請求項11】
請求項10に記載の無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックにおいて、
前記ラチェットは、各歯の歯上面Cが円弧状であり、歯上面幅Dが歯根元幅E以上であり、前記内歯は、各歯の歯上面Fが円弧状又は平面形状であり、歯上面幅Tが歯根元幅L以上である、
ことを特徴とする組み立てラック。
【請求項12】
請求項11に記載の無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックにおいて、
前記ラチェットの両端の外壁には、前記ラチェットを貫通穴に位置させる2つのサークリップと前記サークリップを収納する2つの溝を設けており、前記サークリップは、半径において切断されたばねリングである、
ことを特徴とする組み立てラック。
【請求項13】
請求項1に記載の無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックにおいて、
前記温度表示制御ユニットは、コントローラ、ディスプレイ、電源回路及びブザーを含み、
前記コントローラは、前記温度センサから温度センシング信号を入力され、温度表示信号とブザー開始制御信号を出力し、
前記ディスプレイは、前記コントローラから温度表示信号を入力され、
前記ブザーは、前記コントローラからブザー開始制御信号を入力されて提示音を発し、
前記電源回路は、前記コントローラ、前記ディスプレイ、前記ブザーに電力を供給する、
ことを特徴とする組み立てラック。
【請求項14】
請求項13に記載の無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックにおいて、
前記電源回路の電源出力は、それぞれ前記コントローラの電源入力、前記ディスプレイの電源入力、前記ブザーの電源入力に対応して連通し、
前記コントローラの少なくとも一つの温度センシング信号の入力は、少なくとも一つの温度センサのセンシング信号の出力に対応して連通し、
前記コントローラの表示信号の出力は、前記ディスプレイの表示信号の入力に連通し、
前記コントローラのブザー開始制御信号の出力は、前記ブザーのブザー開始制御信号の入力に連通する、
ことを特徴とする組み立てラック。
【請求項15】
無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックにおいて、
サイドフレーム(1)、ストッパーワイヤ(2)、連結具(3)、ボトムフレーム(4)、実験器具の位置決めを行う複数の半円形の位置決めリングを有する耐熱バー(5)、連結リング(6)、温度表示制御ユニット(7)及びN(1以上の整数)個の温度センサ(8)を含み、サイドフレーム(1)は、ボトムフレーム(4)とは同一サイズのU型枠体であり、連結具(3)を介してボトムフレーム(4)に連結されており、サイドフレーム(1)のU型アームには、複数のストッパーワイヤ(2)が対称的に設けられており、耐熱バー(5)は、ストッパーワイヤ(2)に水平に置かれており、ボトムフレーム(4)のU型アームには、複数の連結リング(6)が対称的に設けられており、耐熱バー(5)は、連結リング(6)に固定され、サイドフレーム(1)上の耐熱バー(5)に平行しており、N個の温度センサ(8)は、それぞれ耐熱バー(5)のN個の温度検出待ち箇所に対応して設けられており、N個の温度センサ(8)のセンシング信号の出力は、温度表示制御ユニット(7)のN個の温度センシング信号の入力に対応して連通し、
温度表示制御ユニット(7)は、コントローラ(7−1)、ディスプレイ(7−2)、電源回路(7−3)及びブザー(7−4)を含み、
電源回路(7−3)の電源出力は、それぞれコントローラ(7−1)の電源入力、ディスプレイ(7−2)の電源入力、ブザー(7−4)の電源入力に対応して連通し、
コントローラ(7−1)のN個の温度センシング信号の入力は、N個の温度センサ(8)のセンシング信号の出力に対応して連通し、
コントローラ(7−1)の表示信号の出力は、ディスプレイ(7−2)の表示信号の入力に連通し、
コントローラ(7−1)のブザー開始制御信号の出力は、ブザー(7−4)のブザー開始制御信号の入力に連通し、
サイドフレーム(1)とボトムフレーム(4)は、ともに耐熱枠体を採用しており、耐熱バー(5)は、金属材質の耐熱バーを採用しており、連結具(3)は、双方向のラチェット機構を採用しており、
連結具(3)は、同一厚さの平面において、2つの円心A、Bを有する貫通穴を設けており、円心A、Bを接続する線の延長線と貫通穴の一端のR又はrの穴壁との交差点を中心として、穴壁に径方向に対称的に1〜20の内歯(3−3)が設けられており、
貫通穴には、外壁に歯が一周設けられたラチェット(3−5)が内置されており、ラチェット(3−5)は、径方向に円心A、B方向に沿って往復移動可能であり、ラチェット(3−5)の歯は、内歯(3−3)の各歯と互いに噛み合い、共同で径方向に時計回り又は逆時計回りに回転することや、分離してそれぞれ回転することができ、
貫通穴の径方向の外壁には、ハンドル(3−2)が連結されており、ハンドル(3−2)は、中間線がハンドル中心線(3−1)であり、ハンドル中心線(3−1)は、円心A、Bを繋ぐ線の延長線とは同一の直線であるか、平行又は交差するものであり、
ラチェット(3−5)には、ナットレンチ穴又は方形ほぞが設けられており、
ラチェット(3−5)は、各歯の歯上面Cが円弧状であり、歯上面幅Dが歯根元幅E以上であり、
内歯(3−3)は、各歯の歯上面Fが円弧状又は平面形状であり、歯上面幅Tが歯根元幅L以上であり、
ラチェット(3−5)の両端の外壁には、ラチェット(3−5)を貫通穴に位置させる2つのサークリップ(3−6)とサークリップ(3−6)を収納する2つの溝を設けており、サークリップ(3−6)は、半径において切断されたばねリングであり、
径方向に僅かに力を入れて、ハンドル(3−2)側寄りの内歯(3−3)の歯とラチェット(3−5)の歯とを噛み合わせ、径方向に回転してブラケットを開け、
径方向にハンドル(3−2)を軽く引っ張り、内歯(3−3)の歯とラチェット(3−5)の歯を分離させ、ハンドル(3−2)が回転してブラケットが閉じる、
ことを特徴とする組み立てラック。
【請求項16】
請求項15に記載の無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックにおいて、
耐熱バー(5)における位置決めリングは、均一に分布する
ことを特徴とする組み立てラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物と細胞培養実験における支持装置に係る。
【背景技術】
【0002】
現在、スパークリーン作業台内の接種リング、塗布器などは、台面に水平に置かれるため、実験の操作において、アルコールランプの火炎により乾式加熱による殺菌を行い、それを手に持ったまま冷却するのを待つ必要があり、不便である。特に複数菌の接種や、異なる平板の塗布時に、順に火炎により乾式加熱して殺菌する必要があり、非常に時間がかかる。しかも灼熱後の接種リング、塗布器及び蒸気殺菌後の培地などは、その温度を経験に頼って判断するしかできず、判断が正確でないゆえ実験結果に大きく影響することがあり、実験の効率に大きく影響する。また、培養箱における方形シャーレの垂直培養について、いまだ効果的なラックがない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来の接種リング、塗布器は実験の操作においてアルコールランプの火炎により乾式加熱して殺菌してから手に持ったまま冷却するのを待つ必要があることと、蒸気殺菌後の培地はその温度を経験に頼って判断するしかできず、実験結果の正確さに影響することを解決するために、無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックは、サイドフレーム、ストッパーワイヤ、連結具、ボトムフレーム、複数の半円形の位置決めリングを有する耐熱バー、連結リング、温度表示制御ユニット及びN(1以上の整数)個の温度センサを含む。サイドフレームは、ボトムフレームとは同一サイズのU型枠体であり、連結具を介してボトムフレームに連結される。サイドフレームのU型アームには、複数のストッパーワイヤが対称的に設けられている。耐熱バーは、ストッパーワイヤに水平に置かれる。ボトムフレームのU型アームには、複数の連結リングが対称的に設けられている。耐熱バーは、連結リングに固定され、サイドフレーム上の耐熱バーに平行する。N個の温度センサは、それぞれN個の温度検出待ち箇所に対応して設けられている。N個の温度センサのセンシング信号の出力は、温度表示制御ユニットのN個の温度センシング信号の入力に対応して連通する。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、位置決めリングを有する複数の耐熱バーをサイドフレームとボトムフレームにそれぞれ設置し、かつボトムフレームとサイドフレームとの角度を調節可能にすることにより、サイドフレームの位置決めリングとボトムフレームの位置決めリングとの間での接種リング又は塗布器の配置を便利にする。本発明は、構造が簡単であり、角度が調節可能であり、用途に応じて組み付け可能であるという特徴を有する。温度センサは、リアルタイムの温度データを測定して温度表示制御ユニットに表示させることにより、実験の正確度及び効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の構造模式図である。
図2】具体的な実施形態2に係る温度表示制御ユニットの構造模式図である。
図3】具体的な実施形態6に係る連結具3である双方向ラチェット機構の断面図である。
図4】具体的な実施形態6に係る連結具3である双方向ラチェット機構の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(実施の形態1)
図1を参照して本実施形態を説明する。本実施形態に記載する無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックは、サイドフレーム1、ストッパーワイヤ2、連結具3、ボトムフレーム4、複数の半円形の位置決めリングを有する耐熱バー5、連結リング6、温度表示制御ユニット7及びN(1以上の整数)個の温度センサ8を含む。サイドフレーム1は、ボトムフレーム4とは同一サイズのU型枠体であり、連結具3を介してボトムフレーム4に連結される。サイドフレーム1のU型アームには、複数のストッパーワイヤ2が対称的に設けられている。耐熱バー5は、ストッパーワイヤ2に水平に置かれる。ボトムフレーム4のU型アームには、複数の連結リング6が対称的に設けられている。耐熱バー5は、連結リング6に固定され、サイドフレーム1上の耐熱バー5に平行する。N個の温度センサ8は、それぞれN個の温度検出待ち箇所に対応して設けられている。N個の温度センサ8のセンシング信号の出力は、温度表示制御ユニット7のN個の温度センシング信号の入力に対応して連通する。
【0008】
本実施形態において、金属材質の耐熱バー、特にプラチナ耐熱バーを選択することができる。金属材質の耐熱バーは、伝熱が速いという特徴を有し、接種リング、塗布器の降温速度を加速させることができる。
【0009】
(実施の形態2)
図2を参照して本実施形態を説明する。本実施形態は、具体的な実施形態1に記載する無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックに対してさらに限定するものである。温度表示制御ユニット7は、コントローラ7−1、ディスプレイ7−2、電源回路7−3及びブザー7−4を含む。電源回路7−3の電源出力は、それぞれコントローラ7−1の電源入力、ディスプレイ7−2の電源入力、ブザー7−4の電源入力に対応して連通する。コントローラ7−1のN個の温度センシング信号の入力は、N個の温度センサ8のセンシング信号の出力に対応して連通する。コントローラ7−1の表示信号の出力は、ディスプレイ7−2の表示信号の入力に連通する。コントローラ7−1のブザー開始制御信号の出力は、ブザー7−4のブザー開始制御信号の入力に連通する。
【0010】
(実施の形態3)
図2を参照して本実施形態を説明する。本実施形態は、具体的な実施形態2に記載する無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックに対してさらに限定するものである。コントローラ7−1は、シングルチップマイクロコンピュータを用いる。
【0011】
(実施の形態4)
図1を参照して本実施形態を説明する。本実施形態は、具体的な実施形態1に記載する無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックに対してさらに限定するものである。耐熱バー5における位置決めリングは、均一に分布する。
【0012】
(実施の形態5)
図1を参照して本実施形態を説明する。本実施形態は、具体的な実施形態1に記載する無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックに対してさらに限定するものである。サイドフレーム1とボトムフレーム4は、ともに耐熱枠体を採用している。
【0013】
(実施の形態6)
図3、4を参照して本実施形態を説明する。本実施形態は、具体的な実施形態1に記載する無菌操作実験用の殺菌可能な組み立てラックに対してさらに限定するものである。連結具3は、双方向のラチェット機構を採用している。
【0014】
連結具3は、同一厚さの平面において、2つの円心A、Bを有する貫通穴を設けており、円心A、Bを接続する線の延長線と貫通穴の一端のR又はrの穴壁との交差点を中心として、穴壁に径方向に対称的に1〜20の内歯3−3が設けられている。貫通穴には、外壁に歯が一周設けられたラチェット3−5が内置されており、ラチェット3−5は、径方向に円心A、B方向に沿って往復移動可能である。ラチェット3−5の歯は、内歯3−3の各歯と互いに噛み合い、共同で径方向に時計回り又は逆時計回りに回転することや、分離してそれぞれ回転することができる。貫通穴の径方向の外壁には、ハンドル3−2が連結されており、ハンドル3−2は、中間線がハンドル中心線3−1である。ハンドル中心線3−1は、円心A、Bを繋ぐ線の延長線とは同一の直線であるか、平行又は交差するものである。ラチェット3−5には、ナットレンチ穴又は方形ほぞ又は機械部品3−4が設けられている。ラチェット3−5は、各歯の歯上面Cが円弧状であり、歯上面幅Dが歯根元幅E以上である。内歯3−3は、各歯の歯上面Fが円弧状又は平面形状であり、歯上面幅Tが歯根元幅L以上である。ラチェット3−5の両端の外壁には、ラチェット3−5を貫通穴に位置させる2つのサークリップ3−6とサークリップ3−6を収納する2つの溝を設けており、サークリップ3−6は、半径において切断されたばねリングである。
【0015】
ブラケットの開閉方法として、径方向に僅かに力を入れて、ハンドル3−2側寄りの内歯3−3の歯とラチェット3−5の歯とを噛み合わせ、径方向に回転してブラケットを開け、径方向にハンドル3−2を軽く引っ張り、内歯3−3の歯とラチェット3−5の歯を分離させ、ハンドル3−2が回転してブラケットが閉じる。
【0016】
本発明の具体的な応用は、以下である。ボトムフレームに複数の位置決めリングを有する耐熱バーを設け、ボトムフレームとサイドフレームは、異なる実験の要求を満たすよう、両者の角度を調節することができる。双方向ラチェット機構である連結具を採用することにより、ボトムフレームとサイドフレームの角度の大きさをコントロールできる。ブラケットの解放角度は、鈍角、直角又は鋭角である。しかも、サイドフレームに対して固定・保持機能を果たす。サイドフレームには、複数のストッパーワイヤが設けられ、複数の位置決めリングを有する耐熱バーを載置することができる。使用時に、接種リング又は塗布器を上下二つの位置決めリングの間に置かれる。センサは、ラックの異なる位置に載置可能であり、加熱後の培地又は灼熱後の接種リング及び塗布器などの実験用具の温度を測定する。殺菌後の培地容器を温度センサに置く場合、温度表示制御ユニットは、培地の温度を表示することができる。実験において設置された所定温度に達すると、ブザーは、「ドゥー、ドゥー」の提示音を発することにより、固体培地傾倒平板の配置時に過度に低温又は高温になる現象を防止する。当該温度センサにより灼熱後の接種リング又は塗布器などの温度を感知する場合、表示パネルから温度を読み出すことができ、過熱した状態で接種して微生物の成長に影響を与えることを防止する。
【0017】
本発明の先進性は、以下である。(1)設計が合理である。構造が簡単であり、角度が調節可能であり、用途に応じて組み立てることができる。(2)用途が広範にわたる。複数の接種リング又は塗布器など火炎殺菌器具を同時に載置することができ、垂直培養時の方形シャーレのラックとすることもでき、接種リング、塗布器、三角フラスコなどの実験器具の温度を感知することができる。(3)専門的で実用的である。ラックが高温に耐えることで、高圧で殺菌することができ、微生物実験の無菌操作及び細胞培養の要求に適用することができる。(4)ハイレベルの機能を具備する。温度センサとプロンプターの付加機能により、実験のミスを軽減し、実験の効率を高めることができる。
図1
図2
図3
図4