特許第5992720号(P5992720)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イトーキの特許一覧 ▶ 伊藤喜オールスチール株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5992720-什器 図000002
  • 特許5992720-什器 図000003
  • 特許5992720-什器 図000004
  • 特許5992720-什器 図000005
  • 特許5992720-什器 図000006
  • 特許5992720-什器 図000007
  • 特許5992720-什器 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5992720
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】什器
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20160901BHJP
【FI】
   A61G12/00 C
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-98376(P2012-98376)
(22)【出願日】2012年4月24日
(65)【公開番号】特開2013-226168(P2013-226168A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2015年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(73)【特許権者】
【識別番号】390005452
【氏名又は名称】伊藤喜オールスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 総
【審査官】 今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−017702(JP,A)
【文献】 特開2009−017972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
什器本体の内部と外部を連通する配線用開口部を通ってコードが配線される什器であって、
前記什器本体に、前記配線用開口部を1つ又は2つ以上設け、
前記什器本体に設けた前記配線用開口部内に、前記コードを当該コードの長手方向に移動可能に保持するコード保持部材を前記1つの配線用開口部に対して1つ又は2つ以上設け、
前記コード保持部材が、前記コードの外部側の先端に設けられたコネクタ又は前記コードの外周に取り付けられた取付部材に接触して前記コードの抜け落ちを防止し得る形状に形成され、
前記コネクタ又は前記取付部材が前記コード保持部材に接触して前記コードの抜け落ちが防止された状態で前記コネクタが前記配線用開口部から外部に突出するか又は前記配線用開口部内に位置されるように前記コード保持部材を配置したことを特徴とする什器。
【請求項2】
什器本体の内部と外部を連通する配線用開口部を通ってコードが配線される什器であって、
前記什器本体に、前記配線用開口部を1つ又は2つ以上設け、
前記什器本体に設けた前記配線用開口部内に、前記コードを当該コードの長手方向に移動可能に保持するコード保持部材を前記配線用開口部に対して平行に移動可能に設け、
前記コード保持部材が、前記コードの外部側の先端に設けられたコネクタ又は前記コードの外周に取り付けられた取付部材に接触して前記コードの抜け落ちを防止し得る形状に形成され、
前記配線用開口部を、上面から見たとき、前記コード保持部材が移動し得る前記天板の箇所にスリット状に形成
前記コネクタ又は前記取付部材が前記コード保持部材に接触して前記コードの抜け落ちが防止された状態で前記コネクタが前記配線用開口部から外部に突出するか又は前記配線用開口部内に位置されるように前記コード保持部材を配置したことを特徴とする什器。
【請求項3】
什器本体の内部と外部を連通する配線用開口部を通ってコードが配線される什器であって、
前記什器本体に、前記配線用開口部を1つ又は2つ以上設け、
前記什器本体に設けた配線用開口部内に、当該什器本体の配線用開口部に対して平行に移動可能で上面から見たとき当該移動方向に対して直交する方向に長い矩形状の移動体を設け、
この移動体の矩形状の四隅近傍の4箇所に、前記コード保持部材をそれぞれ取り付け、
前記コード保持部材が、前記コードの外部側の先端に設けられたコネクタ又は前記コードの外周に取り付けられた取付部材に接触して前記コードの抜け落ちを防止し得る形状に形成され、
前記配線用開口部を、上面から見たとき、前記移動体の移動方向と平行な側に設けた前記4つのコード保持部材の移動方向に沿った前記天板の2箇所にスリット状に形成し、
前記コネクタ又は前記取付部材が前記コード保持部材に接触して前記コードの抜け落ちが防止された状態で前記コネクタが前記配線用開口部から外部に突出するか又は前記配線用開口部内に位置されるように前記コード保持部材を配置したことを特徴とする什器。
【請求項4】
什器本体の内部と外部を連通する配線用開口部を通ってコードが配線される什器であって、
前記什器本体の天板に、当該什器本体内に手を挿入し得る大きさの開口を設け、
前記開口の一部を取り外し可能な蓋で覆って前記コードが通る程度の寸法で形成されている前記配線用開口部を設け、
前記什器本体に設けた前記配線用開口部内に、前記コードを当該コードの長手方向に移動可能に保持するコード保持部材を前記1つの配線用開口部に対して1つ又は2つ以上設け、
前記コード保持部材が、前記コードの外部側の先端に設けられたコネクタ又は前記コードの外周に取り付けられた取付部材に接触して前記コードの抜け落ちを防止し得る形状に形成され、
前記コネクタ又は前記取付部材が前記コード保持部材に接触して前記コードの抜け落ちが防止された状態で前記コネクタが前記配線用開口部から外部に突出するか又は前記配線用開口部内に位置されるように前記コード保持部材を配置したことを特徴とする什器。
【請求項5】
前記開口から手を挿入して接し得る前記什器本体の箇所に、前記コードが接続される機器を置けるトレイが設けられている請求項4に記載の什器。
【請求項6】
前記什器本体の天板の嵌合穴に嵌合され、手を挿入し得る幅の開口を形成する細長矩形筒体状の枠体と、この枠体に、開口内を開口の長手方向に移動可能に設けられる移動体と、前記移動体に取り付けられる前記コード保持部材と、前記開口の一部を取り外し可能に覆って前記コードが通る程度の寸法の前記配線用開口部を形成するための蓋とでコード取出ユニットを形成し、このコード取出ユニットが前記ターミナル本体の天板に1つ又は2つ以上設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器本体の内部と外部を連通する配線用開口部を通ってコードが配線される什器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
病院や介護施設等、特に入院設備のある病院では、床面上を移動可能なナースカートが利用されている。ナースカートは、非回診時に例えば什器であるカートターミナルの周囲に置かれ、回診時に病室等に移動させて利用されており、カルテなどの電子化に伴う情報端末等の電子機器例えばノートブック型パーソナルコンピュータ(以下、「ノートパソコン」という。)が載置され、回診や体温などのデータ等をノートパソコンにその場で入力していることが多い。ノートパソコンを載置したナースカートをカートターミナルに戻したときに、ノートパソコンの充電を行うようにしている。すなわち、カートターミナルは、ノートパソコンの充電用のアダプタがカートターミナルの内部に収容され、このアダプタのコネクタをカートターミナルの上部に設けられている配線用開口部から上方に引き出してノートパソコンに接続することにより、ノートパソコンが充電されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−17972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述のカートターミナルでは、アダプタのコネクタを、カートターミナルの上部の配線用開口部から上方に引き出した状態でノートパソコンの充電を行うが、配線用開口部の大きさがコネクタが通る大きさに形成されている場合、充電を行わないときにコネクタをカートターミナルの上面に置いておくと、コネクタとコネクタに接続されるコードの自重によりコード及びコネクタが配線用開口部からカートターミナル内に落ちてしまうことがある。その結果、次にノートパソコンの充電を行う場合、カートターミナル内に落ちたコネクタを見つけ出し配線用開口部から上方に突出させるようにコネクタ及びコードをカートターミナル内で移動させなければならず、特に配線用開口部からカートターミナル内に手を挿入できない場合には、カートターミナルの前面のパネルを外したりしなければならず手間のかかる作業となった。
本発明が解決しようとする課題は、配線用開口部を通って配線されるコードの先端に設けられているコネクタの配線用開口部から本体内への落下を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明に係る什器は、什器本体の内部と外部を連通する配線用開口部を通ってコードが配線される什器であって、
前記什器本体に、前記配線用開口部を1つ又は2つ以上設け、
前記什器本体に設けた前記配線用開口部内に、前記コードを当該コードの長手方向に移動可能に保持するコード保持部材を前記1つの配線用開口部に対して1つ又は2つ以上設け、
前記コード保持部材が、前記コードの外部側の先端に設けられたコネクタ又は前記コードの外周に取り付けられた取付部材に接触して前記コードの抜け落ちを防止し得る形状に形成され、
前記コネクタ又は前記取付部材が前記コード保持部材に接触して前記コードの抜け落ちが防止された状態で前記コネクタが前記配線用開口部から外部に突出するか又は前記配線用開口部内に位置されるように前記コード保持部材を配置したことを特徴とする。
【0006】
これにより、コードがコード保持部材によって移動可能に保持され、かつ、このコードのコネクタが配線用開口部から什器本体内に落ちることもなく外部に突出するか又は配線用開口部内に位置されるので、配線用開口部を通って配線されるコードの先端に設けられているコネクタの配線用開口部から本体内への落下を防止することができる。
【0007】
この場合において、コード保持部材を、什器本体の天板に対して平行に移動可能に設け、配線用開口部を、上面から見たとき、コード保持部材が移動し得る天板の箇所にスリット状に形成することができる。また、什器本体に、什器本体の天板に対して平行に移動可能で上面から見たとき当該移動方向に対して直交する方向に長い矩形状の移動体を設け、この移動体の矩形状の両側部のそれぞれの両端の近傍の合計4箇所に、コード保持部材をそれぞれ取り付け、配線用開口部を、上面から見たとき、4つのコード保持部材のうち2つが移動し得る箇所と残りの2つが移動し得る箇所の天板の2箇所にスリット状に形成することができる。
【0008】
また、この場合において、什器本体の天板に、当該什器本体内に手を挿入し得る大きさの開口を設け、配線用開口部を、開口の一部を取り外し可能な蓋で覆ってコードが通る程度の寸法で形成することができる。この開口から手を挿入して接し得る什器本体の箇所に、コードが接続される機器を置けるトレイを設けることができる。
また、什器本体の天板の嵌合穴に嵌合され、手を挿入し得る幅の開口を形成する細長矩形筒体状の枠体と、この枠体に、開口内を開口の長手方向に移動可能に設けられる移動体と、移動体に取り付けられるコード保持部材と、開口の一部を取り外し可能に覆ってコードが通る程度の寸法の配線用開口部を形成するための蓋とでコード取出ユニットを形成し、このコード取出ユニットをターミナル本体の天板に1つ又は2つ以上設けることができる。
【0009】
本発明によれば、配線用開口部を通って配線されるコードの先端に設けられているコネクタの配線用開口部から本体内への落下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る実施形態の一例の什器であるカートターミナルを示す斜視図である。
図2】本実施形態のカートターミナルの要部を示す平面図である。
図3】本実施形態のカートターミナルを示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図4図3(a)中のA−A線矢視断面図である。
図5】本実施形態のカートターミナルの要部を示す斜視図である。
図6】本実施形態のカートターミナルの天板に枠体及び移動体を取り付けるための工程図で、(a)は分解斜視図、(b)は枠体を天板に取り付けた状態を示す斜視図、(c)は枠体に移動体の第2金具を係合した状態を示す斜視図、(d)は第2金具に第1金具を取り付け移動体を形成した状態を示す斜視図である。
図7】本実施形態のカートターミナルに用いられる移動体を示す図で、(a)は斜視図、(b)は移動体を形成する第1金具を示す平面図、(c)は移動体を形成する第1金具を示す側面図、(d)は移動体を形成する第1金具を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るカートターミナルの一実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1図4に示すように、本実施形態の什器は、什器本体の内部と外部を連通する配線用開口部10を通ってコード18が配線されるものである。什器としては、什器本体の内部と外部を連通する配線用開口部10を通ってコード18が配線されるものであれば特に限定されず、一例としてカートターミナル1が挙げられる。カートターミナル1は、病院や介護施設等において利用されているナースカートに載置された情報端末などの電子機器等を取り扱うことができるようにしたもので、床面F上に設置される什器本体であるターミナル本体1aを備えている。ターミナル本体1aは、例えば、床面F上に設置されるフレーム2と、フレーム2の上方に取り付けられている天板3とを備えている。
【0012】
フレーム2は、一対の脚フレーム21と、一対の脚フレーム21を連結する梁フレーム24と、前面と後面を覆う前面パネル26及び後面パネル27とを備えている。
一対の脚フレーム21は、床面Fに対して平行に延びるベースフレーム22と、ベースフレーム22の中央部から上方に延びる細長の垂直フレーム23とから略逆Tの字状に形成されている。ベースフレーム22の下面の両端部近傍には、ストッパ29がそれぞれ設けられている。垂直フレーム23は、略細長矩形筒体状に形成され、上端はカバー23aによって閉塞されている。一対の脚フレーム21は、互いに間隔をあけて対向した状態で例えば各垂直フレーム23の4角近傍がそれぞれ梁フレーム24で連結されて、フレーム体20が形成される。下方の2つの梁フレーム24は、2本の補強フレーム25で連結されている。フレーム体20の前面には、幅方向の中央部から左右に分かれる2つの前面パネル26が取り外し可能に取り付けられている。フレーム体20の後面には、後面パネル27が取り付けられている。フレーム体20の垂直フレーム23の内面の幅方向の中央部には、高さ方向に延びるスリット状の貫通部24bが設けられている。貫通部24bは、例えば、垂直フレーム23の略中央部と下端部の間の略中央部から略中央部と上端部の間の略中央部までの長さで幅がOAタップ15のコンセント15bが通り得る寸法で形成されている。
【0013】
また、フレーム体20内には、トレイ4が設けられている。トレイ4は、例えば、一端がフレーム体20の後面側に取り付けられて水平方向の前面側に延びる水平部4aと、水平部4aの前側の他端を上方に略直角に折り曲げてなる垂直部4bとから断面L字状に形成されている。水平部4aの前後方向の長さは、トレイ4(水平部4a)上にOAタップ15や電子機器であるノートパソコンの充電用のアダプタ16、ノートパソコンに接続を行う充電器以外の機器を十分に置ける寸法で形成されていることが好ましい。また、水平部4aの左右方向の長さは、枠体6の開口60の左右方向の長さより長い寸法で形成されていることが好ましい。具体的には例えば、トレイ4は、OAタップ15、充電用のアダプタ16、充電器以外の機器等を置ける大きさであって、上面から見たとき、枠体6の開口60の全部又は略全部と重なり合う大きさの矩形状に水平部が形成されてなることが好ましい。トレイ4は、フレーム体20内に枠体6の開口60に対してそれぞれ1段でも2段以上配置してもよく図示例では間隔をあけて2段設けられている(図3参照。)。上段のトレイ4は、枠体6の開口60から手を挿入して接し得る箇所に配置されていることが好ましい。なお、トレイ4を1段設ける場合には、このトレイ4を5の枠体6の開口60から手を挿入して接し得る箇所に配置することが好ましい。
【0014】
フレーム体20の上方には、天板3が取り付けられている。天板3は、例えば木製の細長の矩形平板状に形成されている。天板3の前後方向の長さは、垂直フレーム23の前後方向の長さと略同じ寸法で形成されている。天板3の幅(前後方向と直交する方向の長さ)は、フレーム体20の一対の垂直フレーム23の間隔と略同じ寸法で形成されている。天板3には、配線用開口部10を形成するための嵌合穴31が設けられている。嵌合穴31は、例えば、天板3の長手方向に長い細長の略矩形状に形成されている。嵌合穴31は、天板3に間隔をあけて例えば2つ設けられている。なお、嵌合穴31の天板に対する個数は、図示例では2つであるが、これに限定されず、1つでも3つ以上でもよい。嵌合穴31の位置は、特に限定されないが、例えば、天板3の長手方向の中央と両端との間の略中央を中央になるように位置されている。天板3の裏面の嵌合穴31の両端(嵌合穴31の長手方向の両端)近傍には、図5及び図6に示すように、嵌合穴31に嵌合された枠体6を載置した状態で取り付ける取付部材32がそれぞれ設けられている。
【0015】
取付部材32は、天板3の裏面にビス等により取り付けられる天板取付部32aと、天板取付部32aから嵌合穴31内を上方に若干延びてから嵌合穴31内を水平方向に延びさらに下方に延びる断面コ字状に形成された枠体取付部32bとからなる。天板取付部32aは、例えば、長手方向の長さが嵌合穴31の前後方向の長さより長い矩形状の板部の両側を天板3の裏面側に略直角に曲げた断面コ字状に形成されている。天板取付部32aは、一方の側部の中央部が嵌合穴31の端部の下方に位置されるように天板3の裏面に取り付けられるようになっている。この天板取付部32aの嵌合穴31の下方に位置される側部の一部が枠体取付部32bとして形成されている。
【0016】
枠体取付部32bは、天板3の前後方向の長さが、嵌合穴31の前後方向の長さより短い例えば若干短い寸法で形成されてなる。枠体取付部32bの水平部の嵌合穴31の長手方向の長さは、枠体6を載置した状態で取り付けることができる範囲から任意に設定される。この枠体取付部32bの水平部には、2つのネジ穴32cが設けられている。また、枠体取付部32bの嵌合穴31内を水平方向に延びてから下方に延びる外側の角部がRに形成されている。これにより、この角部に配線用開口部10を通したコード18が接触したとしてもRに形成されているので、コード18を傷つけることがないようになっている。
【0017】
枠体6は、例えば金属製の2つの細長の側枠61とこれら2つの側枠61の両端をそれぞれ連結する2つの端枠62とから略細長矩形筒体状に形成されている。側枠61は、外面となる側が開口された断面略コ字状に形成されている。側枠61の上片(コ字状の上側の側部である片)61aの先端が天板3の嵌合穴31の縁を覆い隠すように延びて形成されている(特に図4参照。)。側枠61の下片(コ字状の下側の側部である片)61cの先端が下方に略直角に折り曲げられて垂直片61dとして形成されている。この垂直片61dの下端が枠体6の内側に略直角に折り曲げられてスライド片61eとして形成されている。スライド片61eの前後方向の長さは、下片61cの前後方向の長さより短い例えば略半分の寸法で形成されている。すなわち、枠体6の下片61cと垂直片とスライド片61eは、断面略コ字状に形成されている。また、側枠61のコ字状の基部である基片61bの外側面の高さ方向の略中央部には、例えば、半円より大きな円弧(優弧)状の取付部61fが枠体6の長手方向に延びて形成されている。
【0018】
端枠62は、側枠61の上片61a、基片61b、下辺61cの端部を覆う大きさの略矩形平板状に形成されている。端枠62の上端は、天板3の嵌合穴31の縁を覆い隠すように外側に略直角に折り曲げられて断面略L字状に形成されている。端枠62の両側近傍には、2つの側枠61の取付部61fに対応する位置に貫通穴が設けられている。これにより、2つの側枠61を互いに間隔をあけて平行に配置し、これら側枠61の両端部に端枠62を接触させて端枠62の貫通穴から例えばビス等の螺合部材を挿入して側枠61の取付部61fに螺合させることによって、嵌合穴31に嵌合される略細長矩形筒体状の枠体6が形成されるようになっている。また、枠体6は、枠体6の両端部の下方の下片61cと垂直片61dとスライド片61eで形成される空間に後述する第2受け具72を枠体6の両端部から挿入し得るようになっている。
【0019】
枠体6内の細長矩形状の開口60の前後方向の長さは、手を挿入し得る寸法で形成されていることが好ましく、例えば、一例として約70mmで形成されている。この開口60の長さ(枠体6の長手方向の長さ)は、特に限定されず、任意に設定され、例えば、一例として約400mmで形成されている。また、端枠62の下方には、枠体6が嵌合穴31に嵌合されたとき、天板3の裏面に取り付けられた取付部材32の枠体取付部32bの水平部に載置される底片62aが水平方向に延びて形成されている。底片62aの枠体6の長手方向の長さは、枠体取付部32bの水平部に載置されたとき、先端部が水平部の端部より若干内側に位置される寸法で形成されている。底片62aの先端部の中央部には、略直角に上方に折り曲げられた位置決め部62bが設けられている。また、取付部材32の枠体取付部32bの2つのネジ穴32cに対応する底片62aの2箇所には、貫通穴62cが設けられており、枠体6が嵌合穴31に嵌合されて枠体6の端枠62が取付部材32の枠体取付部32bに載置された状態で、例えば、ビス12を端枠62の貫通穴62cから挿入して取付部材32の枠体取付部32bのネジ穴32cに螺合させて締め付けることで、枠体6が天板3に固定された状態で取り付けられるようになっている(図6(a)及び(b)参照。)。この枠体6に移動体7が枠体6の長手方向に移動可能に設けられている。
【0020】
移動体7は、枠体6に移動可能に設けられるならばその構成は特に限定されず、例えば、図4図7に示すように、第1受け具71と第2受け具72とからなる。第1受け具71は、例えば金属製で枠体6の前後方向(以下、単に「前後方向」ということがある。)に長い水平方向に延びる矩形板状の上板71aと、上板71aの両側部から下方に延びる前後方向に長い細長の矩形平板状の側板71bとから断面コ字状に形成されている。両側板71bの下端が、互いに対向する側に略直角に断面L字状に折り曲げられている。上板71aの前後方向及び幅方向の略中央部には、貫通穴71cが設けられている。上板71aの裏面の略中央部には、貫通穴71cと略同軸上にナット71dが固定されている。
【0021】
上板71aの長手方向(前後方向)の長さは、枠体6のスライド片61e間の長さより短い例えばやや短い寸法で形成されている。両側板71bの長手方向(前後方向)の長さは、枠体6のスライド片61e間の長さより長い例えばスライド片61eの下面の外側端部間の長さより若干短い寸法で形成されている。すなわち、側板71bの長手方向の両端が上板71aより長手方向に突出して形成されている。側板71bの上板71aより突出している箇所の上端面は、上板71aの上面との間の長さがスライド片61eの厚さより短い寸法で形成されている。すなわち、側板71bの上端面が枠体6のスライド片61eの下面に当接する当接面71eとして形成されている。側板71bの両側近傍であって、上面から見たとき、後述するように蓋9で枠体6の開口60の一部を覆って枠体6の側枠61と蓋9との間に形成されるスリット状の配線用開口部10の前後方向の略中央の位置には、コード保持部材8を取り付けるための取付穴71fがそれぞれ設けられている。
【0022】
コード保持部材8は、配線用開口部10を通す全てのコード特に電源用のコード18をコード18の長手方向に移動可能に保持するものである。コード保持部材8としては、コード18を移動可能に保持することができればその構造は特に限定されないが、例えば、取付穴71fに挿入されて装着される装着部8aとコード18を保持する保持部8bとから弾性変形可能な材料で形成されている。装着部8aは、取付穴71fに挿入されて装着されるものであれば特に限定されない。保持部8bは、例えば、コ字状の両側部8cの先端を内側(互いに対向する側)に略直角に折り曲げて可撓可能な係合片8dとして形成し、これら係合片8dを、先端が互いに近接する長さで、かつ、係合片8dの先端を内側に湾曲させて形成されている。すなわち、コード保持部材8は、おおよそ長辺の中央が切断された略矩形筒体状に形成され、この中央が切断されて形成されて2つの片が係合片8dとして形成されている。コード保持部材8の大きさ、特に、2つの係合片8dの湾曲された先端と対向する基部との間の長さは、コード18を2つの係合片8dの先端に押し付けて係合片8d及び両側部8cが付勢力に抗して可撓し、この2つの係合片8dの間からコード保持部材8内にコード18が押し込められ、このとき、2つの係合片8d及び両側部8cが付勢力によって元の形状に復帰し得るように設定されている。
【0023】
また、コード保持部材8は、コード18の長手方向の移動を許容するが、当該コード18の先端に設けられた電子機器例えばノートパソコンへ接続されるコネクタ17又はこのコード18の外周に取り付けられたフェライトコアなどの取付部材が接触してコード18の抜け落ちを防止し得る形状及び大きさで形成されている。さらに、コード保持部材8は、コネクタ17又は取付部材がコード保持部材8に接触してコード18の抜け落ちが防止された状態でコネクタ17が配線用開口部10から外部に突出するか又は配線用開口部10内に位置されるように配置されていることが好ましい。具体的には例えば、コード保持部材8は、移動体7の両側板71bに合計4つ取り付けられたとき、コネクタ17が配線用開口部10から外部に突出するか又は配線用開口部10内に位置されるように配置されている。これら4つのコード保持部材8は、上面から見たとき、後述するように蓋9で枠体6の開口60の一部を覆って枠体6の側枠61と蓋9との間に形成されるスリット状の配線用開口部10内に各コード保持部材8の保持部8bの開口の全部又は略全部が位置されるように形成されている。なお、コード保持部材8は、移動体7に4つ取り付けたが、これに限定されず、移動体7に取り付ける個数は、1つでも2つでも3つでも5つ以上でもよい。また、コード保持部材8は、配線用開口部10に対する個数も特に限定されず、1つでも2つ以上でもよい。
【0024】
第2受け具72は、例えば金属製で前後方向に長い矩形平板状に形成されている。第2受け具72の前後方向の長さは、枠体6のスライド片61e間の長さより長く、かつ、枠体6の下片の内面間の長さより短い、例えば、下片の内面間の長さより若干短い寸法で形成されている。第2受け具72の幅方向の長さは、例えば、第1金具の上板71aの幅方向の長さより若干短い寸法で形成されている。第2受け具72の前後方向及び幅方向の略中央部には、貫通穴72cが設けられている。第2受け具72の厚さは、枠体6の下片の内面の高さ方向の長さより短い寸法で形成されている。
【0025】
これにより、第2受け具72は、枠体6の2つの側枠61の下片61cの内面間であって2つのスライド片61eの上方の空間に枠体6の端部から挿入可能で、かつ、挿入されたときスライド片61eの上面を摺動(スライド)し得るようになっている。すなわち、第2受け具72は、枠体6の長手方向にスライド可能に支持されるようになっている。また、例えば、図6(c)に示すように、天板3に取り付けた枠体6にスライド可能に支持させた第2受け具72の貫通穴72cに対して第1受け具71を下方から貫通穴71cを略同軸上に位置決めした状態で近接させてから例えば頭部が第2受け具72の貫通穴72cより大径の締付部材例えばビス73を上方から第2受け具72の貫通穴72c及び第1受け具71の貫通穴71cを通してから第1受け具71のナット71dに螺合させることで、図6(d)に示すように、移動体7が形成されるようになっている。移動体7は、ビス73の締め付けを緩めることで、枠体6の長手方向にスライド可能(移動可能)で、かつ、ビス73の締め付けにより、第1受け具71の当接面71eと第2受け具72の端部とがスライド片61eを挟持して任意の位置に取り付けることができるようになっている(図4参照。)。
【0026】
また、第2受け具72の一方の側端部の中央部は、図4図7に示すように、下方に延びる係止片72aが設けられている。第2受け具72は、係止片72aとで断面L字状に形成されている。係止片72aの前後方向の長さは、上面から見たとき、装着された蓋9によって隠れるような長さ、すなわち、蓋9の前後方向(幅)の長さより短く、例えば、やや短い寸法で形成されている。係止片72aは、内面(第1受け具71の側板71bに対向する側の面)が第1受け具71の側板71bに近接又は接触するように形成されていることが好ましい。これにより、第2受け具72の貫通穴72cを通して第1受け具71のナット71dにビス73を螺合させるとき、第1受け具71の側板71bが第2受け具72の係止片72aに接触して第2受け具72に対して第1受け具71の回転が防止されるようになっている。
【0027】
蓋9は、下方が開口された断面コ字状に細長に形成されている。蓋9の両側部の下端は、互いに対向する側に略直角に折り曲げられて載置片9aとしてそれぞれ形成されている。載置片9aの先端は、さらに上方に略直角に折り曲げられている。この蓋9の2つの載置片9aの長さは、例えば、蓋9の2つの載置片9a間の長さが枠体6の位置決め部62bの前後方向の長さより若干長くなるような寸法で形成されている。蓋9の長手方向の長さは、枠体6の底片62aの先端間の長さより長く、かつ、枠体6の端枠62の内面間の長さより短い、例えば、枠体6の端枠62の内面間の長さより若干短い寸法で形成されていることが好ましい。すなわち、蓋9の長手方向の長さは、長手方向の両端が枠体6の2つの端枠62の底片62aに載置し得る寸法で形成されている。これにより、蓋9は、前後方向の中央が枠体6の前後方向の略中央に位置決めされた状態で枠体6の底片62aに載置片9aが接触して載置されるようになっている(図5参照。)。すなわち、蓋9は、枠体6の開口60内に開口60の前後方向の中央部を塞ぐように載置されるようになっている。また、蓋9の高さは、特に限定されないが、枠体6内に載置されたとき、蓋9の上面と側枠61の上片61aの上面とが略同一平面上になるような寸法で形成されていることが好ましい。
【0028】
また、蓋9の前後方向の長さは、蓋9の両側部と枠体6の2つの側枠61との間に電子機器例えばノートパソコンの充電用のアダプタのコード18やそのノートパソコンに接続される充電用のコード18以外のコード、そのノートパソコン以外の別の電子機器に接続されるコードの3種類のコードが通り得る寸法で形成されている。すなわち、図1図2図4及び図5に示すように、蓋9の両側部と枠体6の2つの側枠61との間にターミナル本体1aの内部と外部を連通してコード18が配線される空間つまりスリット状の配線用開口部10が形成される。配線用開口部10の前後方向の長さ、つまり、蓋9の前後方向の長さは、3種類のコードが通り得る寸法であれば特に限定されず、コードが通る程度の寸法で形成されていることが好ましい。コードが通る程度の寸法とは、3種類のコード及び3種類のコードのすべてのコネクタ17や3種類のコードの外周に取り付けられたフェライトコア等の取付部材が配線用開口部10を通り得る最小の寸法及びこの寸法より若干長い寸法であってもよいが、3種類のコードが通り得る寸法であって3種類のコードのすべてのコネクタ17や3種類のコードの外周に取り付けられたフェライトコア等の取付部材が配線用開口部10を通らない寸法であることが好ましい。具体的には例えば、蓋9の前後方向の長さは、上面から見たとき、枠体6の開口60の一部を覆って枠体6の側枠61との間に形成されるスリット状の配線用開口部10内に各コード保持部材8の開口の全部又は略全部が位置されるように形成されている。
【0029】
次に、本実施形態のカートターミナル1の作用を説明する。まず、周囲にナースカートが止められる床面F上の所望の位置にカートターミナル1を移動させた後に、ストッパ29によりカートターミナル1をその位置に固定する。電源コード例えばOAタップ15のコンセント15bを床面Fのコンセント19に接続し、OAタップ15のタップ本体15aをカートターミナル1の下方からカートターミナル1内を移動してトレイ4上に置く。このとき、OAタップ15の配線は、前面パネル26を外した状態で行い、また、垂直フレーム23内をはわせるようにしてもよい。トレイ4上に置いたOAタップ15のタップ本体15aに、周囲に止められるナースカートに搭載されるノートパソコンを充電するためのアダプタ16のコンセント16bを接続し、アダプタ本体16aをトレイ4上に置く。アダプタ本体16aとノートパソコンに接続されるコネクタ17とを結ぶ電源用のコード18を移動体7のコード保持部材8に保持させ、かつ、コネクタ17及びコネクタ17の近傍のコード18の外周にフェライトコアなどの取付部材が取り付けられている場合には取付部材を配線用開口部10(又は枠体6の開口60)を通して天板3より上方に位置させる。
【0030】
このとき、蓋9は、枠体6に載置(装着)せずに、コネクタ17(及び取付部材)を枠体6の開口60を通してから、枠体6に載置することで、コネクタ17(及び取付部材)が配線用開口部10を通った状態になる。すなわち、コード18が配線用開口部10を通って配線されることになる。これにより、コネクタ17を配線用開口部10に通す作業が容易となる。この天板3上に位置させたコネクタ17に外力が作用しないと、コネクタ17は天板3上にそのままその位置に位置するか、又は、コード18の自重によりコード18がカートターミナル1内を下方に移動することもあるが、この場合、コネクタ17(や取付部材)がコード保持部材8に接触してコネクタ17が配線用開口部10に落ちることもなく外部に突出するか又は配線用開口部10内に位置された状態になる。また、コード保持部材8は、トレイ4より上方で配線用開口部10より下方、すなわち、上面から見たとき、コード保持部材8がトレイ4及び配線用開口部10に重なり合っているので、コード18の配線が容易に行え、かつ、コード18が極度に曲がったりよれたりすることがなくコード18の配線を行える。
【0031】
このように、充電用のコード18がコード保持部材8によって移動可能に保持され、かつ、このコード18のコネクタ17が配線用開口部10に落ちることもなく外部に突出するか又は配線用開口部10内に位置されるので、常に容易にコネクタ17を指で掴め、かつ、このコネクタ17をコード18を介して配線用開口部10から引き出せる。このとき、配線用開口部10がコネクタや取付部材を通さない大きさで形成されていると、コネクタ17が常に天板3から上方に突出しているので、コネクタ17を指で一層容易に掴むことができる。また、トレイ4、コード保持部材8及び配線用開口部10が高さ方向に順次配置されている、すなわち、上面から見たとき、トレイ4、コード保持部材8及び配線用開口部10が重なり合っているので、コード18の引き出しを容易に行える。よって、カートターミナル1の周囲にナースカートを止めてからこのナースカートに載置されたノートパソコンの充電を行う際には、コネクタ17を簡単に指で掴めさらにコネクタ及びコードを配線用開口部10から引き出せるので、ノートパソコンに簡単に接続することができ、ノートパソコンの充電を簡単に行える。また、充電用のコード18と同様に充電用コード以外のコード例えば外部通信用のコードをコード保持部材8に保持させ、かつ、このコードのコネクタを配線用開口部10から天板3より位置させることで、例えばノートパソコンに簡単に接続することができる。さらに、ナースカートに載置されたり搭載されたりするノートパソコン以外の別の電子機器やナースカート以外のカートターミナル1の周囲に位置される電子機器に接続するコードをコード保持部材8に保持させ、かつ、このコードのコネクタを配線用開口部10から天板3より位置させることで、電子機器に簡単に接続することが可能となる。
【0032】
したがって、本実施形態のカートターミナル1は、コード18を移動可能に保持しかつコネクタ17が配線用開口部10に落ちることもなく外部に突出するか又は配線用開口部10内に位置するコード保持部材8を設けたので、コネクタ17が配線用開口部10からターミナル本体1a内に落下することが防止される。その結果、充電用のコネクタ17をナースカートに載置された電子機器等に簡単に接続することができる。
【0033】
スリット状の配線用開口部10の長手方向に沿って移動体7を移動可能に設け、この移動体7にコード保持部材8を設けたことで、ビス73の締め付けを緩めることで、移動体7を介してコード保持部材8を移動させることができるとともに、ビス73の締め付けにより任意の位置に固定した状態でコード保持部材8を配置することができるので、カートターミナル1の周囲に止めるナースカートの配置や大きさに応じてコード保持部材8の位置を任意に移動させることができる。また、移動体7に2つ以上例えば4つのコード保持部材8を取り付けることで、コード18が絡み合うこともないし、またコード18が通る箇所をまとめることができる。この場合、配線用開口部10を2つ以上例えば2つ設けることで、コード18が一層絡み合うこともない。
【0034】
配線用開口部10が、カートターミナル1内に手を挿入し得る大きさの開口60の一部を取り外し可能な蓋9で覆って形成することで、開口60にコード18を通すとき手を外から内へ通して行え、開口60にコード18を通してから開口60の一部を蓋9で覆うことで、コード18が配線用開口部10に通されたことになるので、コード18を通す作業を容易に行える。また、トレイ4が開口60から手を挿入して接し得る箇所に配置されていることで、例えば、アダプタの交換や追加、トレイ4上の使わなくなった機器の取り出しや別の機器のトレイ4上への配置を行う際に、蓋9を枠体6の開口60から取り外してこの開口60に手を入れて行えるので、アダプタ16の交換や追加、機器の取り外しや設置を容易に行える。
【0035】
また、図6に示すように、まず、枠体6を天板3の嵌合穴31に嵌合して取り付ける。次に、この枠体6に第2受け具72を移動可能に支持させてから、この第2受け具72に、コード保持部材8が取り付けられた第1受け具71を取り付ける。そして、枠体6に蓋9を載置して装着し配線用開口部10を形成するが、枠体6と移動体7とコード保持部材8と蓋9とでコード取出ユニット5を形成し、このコード取出ユニット5を天板3に取り付けるようにしてもよい。すなわち、まず、枠体6に第2受け具72を移動可能に支持させ、この第2受け具72にコード保持部材8が取り付けられた第1受け具71を取り付け、この枠体6に蓋9を載置して、コード取出ユニット5を形成する。このとき、粘着テープ等で蓋9が枠体6から簡単に外れないようにしておくことが好ましい。次に、このコード取出ユニット5を天板3の嵌合穴31に嵌合して取り付けて、配線用開口部10を形成するようにしてもよい。これにより、枠体6とコード保持部材8を含む移動体7とを天板3に順に取り付ける際に必要となる天板3の下すなわちカートターミナル1内での作業が不要となり、配線用開口部10を簡単に形成することができる。また、移動体7やコード保持部材8等のメンテナンスを容易に行える。なお、枠体6と移動体7とコード保持部材8とでコード取出ユニットを形成し、このコード取出ユニットを天板3に取り付けてから、蓋9を装着するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 カートターミナル(什器)
1a ターミナル本体(什器本体)
3 天板
4 トレイ
5 コード取出ユニット
6 枠体
7 移動体
8 コード保持部材
9 蓋
10 配線用開口部
17 コネクタ
18 コード
60 開口
71 第1受け具
72 第2受け具
73 ビス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7