(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
自装置に対応する対応タグ及び前記対応タグに付加された患者情報を含む個別データと、前記自装置に未対応の未対応タグ及び前記未対応タグに付加された個別データとを少なくとも含む第1のデータを受信する受信部と、
前記受信した第1のデータに含まれるタグが対応タグであるか、未対応タグであるかを判定する判定部と、
前記第1のデータを、前記対応タグの個別データを含み、前記未対応タグの個別データを除いた第2のデータと、少なくとも前記未対応タグの個別データを含む第3のデータとに分割し、前記第2のデータを第1の記憶部に記憶する分割部と、
前記第2のデータに含まれる個別データを参照して被検体についてのデータ処理を実施する処理制御部と、
前記処理により取得されたデータに、前記参照した個別データを含む第2のデータを付加して第4のデータを作成し、前記作成した第4のデータを前記第1の記憶部へ記録する記憶処理部と
を具備することを特徴とする医用画像処理装置。
前記第2の記憶部に記憶される第3のデータに含まれる未対応タグに基づき、未対応タグリストを作成するリスト作成部をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
前記判定部は、対応タグが記載される対応タグリストを参照することで、前記受信した第1のデータに含まれるタグが対応タグであるか、未対応タグであるかを判定することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
自装置に対応する対応タグ及び前記対応タグに付加された患者情報を含む個別データと、前記自装置に未対応の未対応タグ及び前記未対応タグに付加された個別データとを少なくとも含む第1のデータを受信する医用画像処理装置に備えられるコンピュータで使用されるプログラムであって、
前記受信した第1のデータに含まれるタグが対応タグであるか、未対応タグであるかを判定する判定処理と、
前記第1のデータを、前記対応タグの個別データを含み、前記未対応タグの個別データを除いた第2のデータと、少なくとも前記未対応タグの個別データを含む第3のデータとに分割する分割処理と、
前記第2のデータを第1の記憶部に記録する第1の記録処理と、
前記第3のデータを第2の記憶部に記録する第2の記録処理と、
前記第1の記憶部に記録した第2のデータに含まれる個別データを参照して被検体についてのデータ処理を実施する実施処理と、
前記データ処理により取得したデータに、前記参照した個別データを含む第2のデータを付加して第4のデータを作成し、前記作成した第4のデータを前記第1の記憶部へ記録する第3の記録処理と、
前記第1の記憶部に記録した第4のデータと、前記第2の記憶部に記録した第3のデータとを結合し、第5のデータを作成する結合処理と
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
自装置に対応する対応タグ及び前記対応タグに付加された患者情報を含む個別データと、前記自装置に未対応の未対応タグ及び前記未対応タグに付加された個別データとを少なくとも含む第1のデータを受信する受信部と、
前記受信した第1のデータに含まれるタグが対応タグであるか、未対応タグであるかを判定する判定部と、
前記第1のデータを、前記対応タグの個別データを含み、前記未対応タグの個別データを除いた第2のデータと、少なくとも前記未対応タグの個別データを含む第3のデータとに分割する分割部と、
前記第2のデータを記憶する第1の記憶部と、
前記第3のデータを記憶する第2の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶される第2のデータと関連付けられた第3のデータを、前記第2の記憶部から検索する検索部と、
前記第2のデータに前記検索により取得された第3のデータを結合させ、第5のデータを作成する結合部と、
前記第5のデータを送信する送信部と
を具備することを特徴とする医用装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る医用装置が用いられる医療情報システムの構成を示す図である。
図1に示す医療情報システムでは、様々な種類の医用装置と、主治医等が使用するPC端末とがネットワークN上に配置されている。
【0012】
図1に示す医療情報システムは、医用装置の例として、医用画像診断装置10、RIS(Radiology Information System)サーバ20、画像サーバ30、画像参照装置40及びレポートサーバ50を備える。なお、医用画像診断装置10及び画像参照装置40は、医用画像処理装置に属する。
【0013】
医用画像診断装置10は、例えば、X線CT装置、超音波診断装置及びMRI装置等である。医用画像診断装置10は、RISサーバ20から被検体の撮像に関する情報(患者名、患者ID及び性別等の患者情報と、診断部位等とを含むオーダ情報)を受信し、この情報を参照して被検体を撮像することで医用画像を生成する。
【0014】
RISサーバ20は、放射線検査業務に係る情報の管理を行う。すなわち、RISサーバ20は、RIS端末(図示せず)から放射線検査依頼を受け付け、この放射線検査依頼を参照して被検体の撮像に関する情報を作成する。RISサーバ20は、作成した情報を医用画像診断装置10へ送信する。
【0015】
画像サーバ30、画像参照装置40及びレポートサーバ50は、PACS(Picture Archiving and Communication System)を構成する。画像サーバ30は、医用画像診断装置10で生成された医用画像を保管し、要求に応じて保管している医用画像を出力する。画像参照装置40は、画像サーバ30で保管される医用画像を表示し、表示する医用画像に対する読影レポート等を操作者に作成させる。レポートサーバ50は、作成された読影レポートを保管し、要求に応じて保管している読影レポートを出力する。
【0016】
上記の医用装置である医用画像診断装置10、RISサーバ20、画像サーバ30、画像参照装置40及びレポートサーバ50の間の通信は、DICOM(Digital Imaging and Communication Medicine)規格に準拠して行われる。以下では、DICOM規格に準拠した医用装置の例として、医用画像診断装置10であるX線CTについて詳細に説明する。
【0017】
図2は、本実施形態に係る医用画像診断装置10の機能構成を示すブロック図である。
図2に係る医用画像診断装置10は、架台11及び情報処理部12を備える。
【0018】
架台11は、被検体Pに関する投影データを収集するために構成されたものである。架台11は、スリップリング111、架台駆動部112、X線管球113、X線検出器115、回転フレーム116、データ収集部117、非接触データ伝送装置118を備える。
【0019】
情報処理部12は、架台11におけるデータ収集動作の制御、及び、架台11において収集されたデータに所定の処理を施すことで、X線CT画像及びこれを用いた各種臨床情報を生成する。情報処理部12は、高電圧発生装置121、前処理部122、メモリ部123、再構成部124、画像処理部125、第1の記憶部126、第2の記憶部127、制御部128、表示部129、入力部1210及び送受信部1211を備える。
【0020】
架台駆動部112は、回転フレーム116を回転駆動する。この回転駆動により、X線管球113とX線検出器115とが対向しながら、被検体Pの体軸を中心に螺旋状に回転することになる。
【0021】
X線管球113は、X線を発生する真空管であり、回転フレーム116に設けられている。当該X線管球113には、X線の曝射に必要な電力(管電流、管電圧)が高電圧発生装置121からスリップリング111を介して供給される。X線管球113は、供給された高電圧により電子を加速させターゲットに衝突させることで、有効視野領域FOV内に載置された被検体Pに対してX線を曝射する。
【0022】
X線検出器115は、被検体を透過したX線を検出する検出器システムであり、X線管球113に対向する向きで回転フレーム116に取り付けられている。当該X線検出器115は、シングルスライスタイプ又はマルチスライスタイプの検出器であり、シンチレータとフォトダイオードとの組み合わせで構成される複数の検出素子が、それぞれのタイプに応じて一次元的又は二次元的に配列されている。
【0023】
回転フレーム116は、Z軸を中心として回転駆動されるリングであり、X線管球113とX線検出器115とを搭載している。この回転フレーム116の中央部分は開口されており、この開口部に、寝台(図示せず)上に載置された被検体Pが挿入される。
【0024】
データ収集部117は、一般的にDAS(Data Acquisition System)と呼ばれ、検出器15からチャンネル毎に出力される信号を電圧信号に変換し、増幅し、さらにディジタル信号に変換する。このデータ(生データ)は、非接触データ伝送装置118を介して情報処理部12に取り込まれる。
【0025】
高電圧発生装置121は、スリップリング111を介して、X線の曝射に必要な電力をX線管球113に供給する装置であり、高電圧変圧器、フィラメント加熱変換器、整流器、高電圧切替器等から成る。
【0026】
前処理部122は、非接触データ伝送装置118を介してデータ収集部117から生データを受け取り、感度補正やX線強度補正を実行する。各種補正を受けた360度分の生データは、第1の記憶部126に一旦記憶される。なお、当該前処理部122によって前処理が施された生データは、「投影データ」と呼ばれる。
【0027】
再構成部124は、複数種類の再構成法を装備し、操作者から選択された再構成法により画像データを再構成する。複数種類の再構成法には、例えば、ファンビーム再構成法(ファンビーム・コンボリューション・バックプロジェクション法ともいう)、再構成面に対して投影レイが斜めに交差する場合の再構成法として、コーン角が小さいことを前提として畳み込みの際にはファン投影ビームとみなして処理し、逆投影はスキャンの際のレイに沿って処理する近似的画像再構成法としてのフェルドカンプ法、フェルドカンプ法よりもコーン角エラーを抑える方法として再構成面に対するレイの角度に応じて投影データを補正するコーンビーム再構成法等が含まれる。
【0028】
画像処理部125は、再構成部124により生成された再構成画像データに対して、ウィンドウ変換、RGB処理等の表示のための画像処理を行い、表示部129に出力する。また、画像処理部125は、オペレータの指示に基づき、任意断面の断層像、任意方向からの投影像、3次元表面画像等のいわゆる疑似3次元画像の生成を行い、表示部129に出力する。
【0029】
表示部129は、画像処理部125から供給されるコンピュータ断層画像、スキャノグラム像等のCT画像を表示する出力装置である。ここで、CT値とは、物質のX線吸収係数を、基準物質(例えば、水)からの相対値として表したものである。また、表示部129は、後述する制御部128で作成される未対応タグリストを表示する。また、表示部129は、図示していない計画補助システムによって実現されるスキャン計画画面等を表示する。
【0030】
入力部1210は、キーボードや各種スイッチ、マウス等を備え、オペレータを介してスライス厚やスライス数等の各種スキャン条件を入力可能な装置である。
【0031】
送受信部1211は、ネットワークNを介して、他の医用装置とDICOM規格に準拠した通信を行い、画像データ、患者情報等を送受信する。特に、送受信部1211は、ネットワークNに接続されたRISサーバ20から、当該被検体の撮像に関する情報を受信する。また、送受信部1211は、ネットワークNに接続された画像サーバ30へ、取得した医用画像を送信する。
【0032】
図3は、RISサーバ20から医用画像診断装置10へ、DICOM規格に準拠して送信されるデータ(以下、第1のデータと称する。)の例を模式的に示した図である。第1のデータは、複数のデータエレメントを有し、各データエレメントは、タグ、VR、データサイズ及び実データを有する。タグは、データエレメントの属性を識別するための識別子である。データサイズは、実データのサイズを示す。実データは、患者名、患者ID及び性別等の患者情報等についてのデータである。以下では、VR、データサイズ及び実データを個別データと称する。なお、VRは、DICOM規格の形式によって、存在しない場合も有り得る。なお、第1のデータは、例えば、患者毎に存在する。すなわち、患者が複数存在する場合には、第1のデータは、患者数分だけ存在することになる。
【0033】
制御部128は、例えば、CPU(Central Processing Unit)のみならず、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のCPUが処理を実行するためのプログラムやデータの格納領域等を含む。制御部128は、専用プログラムをCPUに実行させることで、
図4に示す各処理部の機能を実現する。すなわち、
図4に示す制御部128は、判定部1281、分割部1282、記憶処理部1283、撮像制御部1284、検索部1285、結合部1286及びリスト作成部1287を備える。
【0034】
判定部1281は、RISサーバ20から送受信部1211を介して受信される第1のデータに含まれるタグと、対応タグリストとを比較する。対応タグリストは、判定部1281に予め記憶され、医用画像診断装置10で利用可能な個別データに付加されるタグが記載されている。判定部1281は、第1のデータに含まれるタグと、対応タグリストとを比較することで、第1のデータに含まれるタグが自装置に対応する対応タグであるか、自装置に未対応の未対応タグであるかを判定する。
【0035】
図5は、制御部128が第1のデータを第1及び第2の記憶部126,127へ記憶する際の例を示す模式図である。
図5によれば、タグ1:(0x0010,0x0010)及びタグ3:(0x0010,0x0012)が対応タグリストに含まれ、タグ2:(0x0010,0x0011)が対応タグリストに含まれている。判定部1281は、タグ1及びタグ3を対応タグと判定し、タグ2を未対応タグと判定する。
【0036】
分割部1282は、判定部1281での判定結果を参照し、第1のデータを分割する。例えば、分割部1282は、第1のデータから、対応タグ及び対応タグが付加される個別データと、未対応タグ及び未対応タグが付加される個別データとを分割する。このとき、分割部1282は、第1のデータから分割した、対応タグ及び対応タグが付加される個別データと、未対応タグ及び未対応タグが付加される個別データとに、同一のUID(Unique ID)を付加する。以下では、対応タグ及び対応タグが付加される個別データにUIDが付加されたデータを第2のデータと称し、未対応タグ及び未対応タグが付加される個別データにUIDが付加されたデータを第3のデータと称する。同一のUIDが付加されることにより、第2のデータと第3のデータとは互いに関連付けられることとなる。なお、UIDは、第1のデータに予め記載されていても良いし、予め記載されていない場合は、分割部1282により作成されても良い。また、UIDは、例えば、Study Instance UID、Series Instance UID及びSOP Instance UID等である。
【0037】
例えば、
図5において、分割部1282は、第1のデータを、対応タグであるタグ1,3、及び、これらのタグがそれぞれ付加される個別データ1,3と、未対応タグであるタグ2及びタグ2が付加される個別データ2とに分割する。そして、分割部1282は、タグ1,3及び個別データ1,3にUIDを付加して第2のデータとし、タグ2及び個別データ2にUIDを付加して第3のデータとする。
【0038】
記憶処理部1283は、第2のデータを第1の記憶部126に記憶し、第3のデータを第2の記憶部127に記憶する。また、記憶処理部1283は、撮像制御部1284の制御により得られた生データ、投影データ、スキャノグラムデータ、断層像データ等の画像データを第1の記録部126に記憶する際に、撮像の際に参照した個別データを含む第2のデータを、取得された画像データに付加することで、第4のデータを作成する。記憶処理部1283は、作成した第4のデータを第1の記憶部126へ記憶する。
【0039】
例えば、
図5において、記憶処理部1283は、タグ1,3、個別データ1,3及びUIDを第2のデータとして第1の記憶部126へ記憶し、タグ2、個別データ2及びUIDを第3のデータとして第2の記憶部127へ記憶する。
図6は、第1の記憶部126に記憶される第4のデータの例を示す模式図である。
図6によれば、画像データは、タグ1,3、個別データ1,3及びUIDが付加されて、第1の記憶部126に記憶される。なお、
図6では、画像データに、タグ1,3、個別データ1,3及びUIDが付加される場合を例に示しているが、実際には、タグ1,3、個別データ1,3及びUIDの他に、例えば、撮像の際に用いられた条件等を含むデータと、このデータの属性を識別するタグとが、画像データにさらに付加されることとなる。
【0040】
撮像制御部1284は、第1の記憶部126に記憶される第2のデータに含まれるタグ及び個別データを参照し、スキャン処理、信号処理、画像生成処理、画像表示処理等において、医用画像診断装置10におけるX線CT画像の撮像処理の統括的な制御を行う。例えば、撮像制御部1284は、スキャン処理においては、個別データに含まれる患者ID及びスライス厚等によってスキャン条件を設定し、当該スキャン条件に基づいて、高電圧発生装置121、寝台駆動部12、及び寝台天板の体軸方向への送り量、送り速度、X線管球113及びX線検出器115の回転速度、回転ピッチ、及びX線の曝射タイミング等を制御し、被検体の所望の撮像領域に対して多方向からX線コーンビーム又はX線ファンビームを曝射させ、X線CT画像のデータ収集(スキャン)処理を行う。
【0041】
検索部1285は、医用画像診断装置10が、取得した医用画像を画像サーバ30等へ送信する指示を受けた場合、第2の記憶部127から、第1の記憶部126に記憶される第4のデータに含まれるUIDと同一のUIDを含む第3のデータを検索する。
【0042】
結合部1286は、第1の記憶部126から第4のデータを読み出し、第2の記憶部127から検索により取得された第3のデータを読み出す。結合部1286は、読み出した第4,3のデータを結合し、第5のデータを作成する。
図7は、結合部1286が作成する第5のデータの模式図を示す。
図7において、結合部1286は、タグ1,3、個別データ1,3、UID及び画像データを第1の記憶部126から読み出す。また、結合部1286は、タグ2、個別データ2及びUIDを第2の記憶部127から読み出す。結合部1286は、読み出したデータを結合し、タグ1〜3、個別データ1〜3、UID及び画像データを含む第5のデータを作成する。第5のデータは、送受信部1211から画像サーバ30等へ送信される。
【0043】
リスト作成部1287は、第2の記憶部127に記憶される第3のデータに含まれるタグを参照し、未対応タグリストを作成する。また、未対応タグリストがすでに作成されている場合には、リスト作成部1287は、第2の記憶部127に記憶される第3のデータに含まれるタグを参照し、未対応タグリストを更新する。
図8は、リスト作成部1287が作成する対応タグリストの例を示す模式図である。
【0044】
以上のように、上記実施形態では、判定部1281及び分割部1282により、DICOM規格に準拠して送信されるデータを、対応タグ及び対応タグが付加される個別データを含む第2のデータと、未対応タグ及び未対応タグが付加される個別データを含む第3のデータに分割する。撮像制御部1284は、第2のデータを参照して、被検体の画像データを取得する。記憶処理部1283は、画像データに、撮像の際に参照した個別データを含む第2のデータを付加して第4のデータを作成し、作成した第4のデータを第1の記憶部126へ記憶する。これにより、操作者は、受信した第1のデータから、自装置に未対応のタグ及び個別データを手動で除去する必要がなくなり、医用画像診断装置10により、第1のデータに含まれる対応タグ及び個別データが参照され、被検体の撮像が行われることとなる。
【0045】
従来の医用画像診断装置では、未対応タグ及び当該未対応タグが付加された個別データを含むために受信した第1のデータのサイズが大きい場合には、撮像の要求は受けることは可能であるが、撮像ができないおそれがあった。これは、従来の医用画像診断装置では、対応タグと未対応タグとを区別できないため、撮像された画像データが第1のデータに付加されることになり、画像データ取得後のデータサイズが医用画像診断装置の記憶容量を超えてしまうためである。一方、本実施形態に係る医用画像診断装置10では、未対応タグ及び当該未対応タグが付加された個別データを含むために受信した第1のデータのサイズが大きい場合であっても、対応タグ等と未対応タグ等とを区別して対応タグ等のみを抽出し、必要なデータを第1の記憶部126へ記憶するため、画像データ取得後のデータサイズ、すなわち、第4のデータのデータサイズが医用画像診断装置10の記憶容量を超えることはない。このため、未対応タグ及び当該未対応タグが付加された個別データを含むためにサイズの大きい第1のデータを受信した場合であっても、医用画像診断装置10は、被検体の撮像を中断するという状況を回避することが可能となる。
【0046】
また、本実施形態では、医用画像診断装置10が、取得した医用画像を画像サーバ30等へ送信する指示を受けた場合、検索部1285は、第2の記憶部127から、医用画像を含む第4のデータと関連付けられた第3のデータを検索する。結合部1286は、第4のデータと、検索により取得された第3のデータとを結合して第5のデータを作成する。受信した第1のデータに、通信元装置特有のプライベートデータや、多くのタグ及び個別データが含まれている場合、医用画像診断装置10は、画像データの取得後、画像データと共に、これらのデータも送信することが望ましい。本実施形態によれば、受信時の第1のデータに含まれる全てのタグ及び個別データ等を維持しつつ、本検査において撮像された画像をも加えた第5のデータを生成し、画像サーバ30等へ送信することが可能となる。
【0047】
また、上記実施形態では、リスト作成部1287は、第2の記憶部127に記憶される第3のデータに含まれるタグを参照し、未対応タグリストを作成するようにしている。これにより、他装置から受信した第1のデータ内に含まれる未対応タグの一覧が自動で更新されるため、医用画像診断装置10の接続性が向上することとなる。
【0048】
したがって、本実施形態に係る医用画像診断装置10によれば、例えば、DICOM規格に準拠して受信されたデータに、自装置に対応していない個別データ及びタグが含まれる場合に、操作者への負担を軽減させて被検体の撮像を行うことができる。すなわち、操作者への負担を軽減させて被検体についてのデータ処理を実施することができる。
【0049】
なお、上記実施形態では、対応タグリストを更新可能なようにしても構わない。例えば、医用画像診断装置10がアップデートされることにより、対応タグが増加する場合が考えうる。このような場合、対応タグリストを更新することで、このような医用画像診断装置10のアップデートに対応することが可能となる。
【0050】
また、上記実施形態では、受信した第1のデータに、対応タグ、対応タグが付加される個別データ、未対応タグ及び未対応タグが付加される個別データが含まれる場合を例に説明したが、第1のデータに含まれるデータはこれに限定される訳ではない。例えば、画像データが含まれていても構わない。
【0051】
また、上記実施形態では、医用画像診断装置10に含まれる制御部128が、DICOM規格に準拠して受信された第1のデータに対して行う処理を例に説明した。しかしながら、これに限定される訳ではない。例えば、画像サーバ30、画像参照装置40及びレポートサーバ50等の医用装置が制御部128と同様の処理を行う制御部を備えていても構わない。
【0052】
例えば、画像参照装置40が制御部128と同様の処理を行う制御部を備える場合を説明する。画像参照装置40は、画像データを含む第1のデータを受信する。画像参照装置40は、第1のデータを、対応タグ、対応タグが付加される個別データ及び画像データを含む第2のデータと、未対応タグ及び未対応タグが付加される個別データを含む第3のデータとに分割する。画像参照装置40は、画像参照装置40の操作者からの操作に基づき、制御部の処理制御機能により、第2のデータに含まれる画像データに対する読影レポート等を作成する。画像参照装置40は、作成した読影レポート等を第2のデータと結合させて第4のデータを作成する。画像参照装置40は、作成した第4のデータと、この第4のデータと対応する第3のデータとを結合して第5のデータとする。
【0053】
また、上記実施形態では、医用装置がDICOM規格に準拠した通信を行う場合を例に説明した。しかしながら、これに限定される訳ではない。例えば、上記の第1のデータと同様のデータ構造を採る規格ならば、医用装置は、DICOM規格以外に準拠した通信を行っても構わない。
【0054】
また、上記実施形態では、分割部1282は、第1のデータから、対応タグ及び対応タグが付加される個別データと、未対応タグ及び未対応タグが付加される個別データとを分割する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定される訳ではない。例えば、分割部1282は、第1のデータから、対応タグ及び対応タグが付加される個別データを含む第2のデータを分割する。このとき、第1のデータから分割される第3のデータは、対応タグ及び対応タグが付加される個別データのうち少なくともいずれかと、未対応タグ及び未対応タグが付加される個別データとを含むようにしても構わない。
【0055】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。