特許第5992852号(P5992852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5992852
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20160901BHJP
   H04N 1/393 20060101ALI20160901BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
   H04N1/393
   G06T1/00 200A
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-64819(P2013-64819)
(22)【出願日】2013年3月26日
(65)【公開番号】特開2014-192606(P2014-192606A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2015年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】591044164
【氏名又は名称】株式会社沖データ
(74)【代理人】
【識別番号】100083840
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】岸 透
【審査官】 橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−198257(JP,A)
【文献】 特開2006−067116(JP,A)
【文献】 特開2006−180405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/38− 1/393
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連の原稿を読み取り、頁単位の画像データを生成する画像読取手段と、
前記画像データのサムネイルを生成するサムネイル生成手段と、
前記画像データの1つ以上を選択する画像選択手段と、
前記選択された1つ以上の画像データを集合してファイル化するファイル生成手段と、
前記ファイル生成手段により生成されるファイルのサイズを計算するファイルサイズ計算手段と、
前記サムネイル、前記画像選択手段による選択状態、及び前記計算されたファイルサイズを表わす表示手段と、
前記選択を決定する決定手段と
を有し、
前記表示手段は、前記画像データの指定された区切り位置に、区切られた画像データのファイルのサイズを表示し、
前記画像選択手段は、1つ以上の連続したサムネイルの区切り位置を指定することによって選択し、
前記決定手段により前記選択が決定されたときに、前記ファイル生成手段が、前記画像選択手段によって選択された前記画像データをファイル化することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
一連の原稿を読み取り、頁単位の画像データを生成する画像読取手段と、
前記画像データのサムネイルを生成するサムネイル生成手段と、
前記画像データの1つ以上を選択する画像選択手段と、
前記選択された1つ以上の画像データを集合してファイル化するファイル生成手段と、
前記ファイル生成手段により生成されるファイルのサイズを計算するファイルサイズ計算手段と、
前記サムネイル、前記画像選択手段による選択状態、及び前記計算されたファイルサイズを表わす表示手段と、
前記選択を決定する決定手段と
を有し、
前記表示手段は、読み取った順に連続して配置される各サムネイルに対応して、設定された区切り位置からの画像データのファイルのサイズを表示し、
前記画像選択手段は、1つ以上の連続したサムネイルの区切り位置を指定することによって選択し、
前記決定手段により前記選択が決定されたときに、前記ファイル生成手段が、前記画像選択手段によって選択された前記画像データをファイル化することを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
一連の原稿を読み取り、頁単位の画像データを生成する画像読取手段と、
前記画像データのサムネイルを生成するサムネイル生成手段と、
前記画像データの1つ以上を選択する画像選択手段と、
前記選択された1つ以上の画像データを集合してファイル化するファイル生成手段と、
前記ファイル生成手段により生成されるファイルのサイズを計算するファイルサイズ計算手段と、
前記サムネイル、前記画像選択手段による選択状態、及び前記計算されたファイルサイズを表わす表示手段と、
前記選択を決定する決定手段と
を有し、
前記画像選択手段は、前記ファイル生成手段によって生成されるファイルから削除したい画像データを指定し、
前記表示手段は、前記指定された画像データのサムネイルを識別可能に表示すると共に、前記画像データの指定された区切り位置に、前記指定された画像データを除いて、区切られた画像データのファイルのサイズを表示し、
前記決定手段により前記選択が決定されたときに、前記ファイル生成手段が、前記指定された画像データを除いて、前記画像選択手段によって選択された前記画像データをファイル化することを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
前記画像読取手段による前記一連の原稿の読み取りが終了した段階で、最後に読み取った頁の前記サムネイルに対応して前記区切り位置が指定されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記画像データの区切り位置に、区切られた画像データのファイルサイズを表示することを特徴とする請求項2又は3記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記ファイルサイズが所定値を超える場合、所定値以下の場合と識別可能に表示することを特徴とする請求項1又は5記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記表示手段は、読み取った順に連続して配置される各サムネイルに対応して、設定された区切り位置からの画像データのファイルサイズを表示することを特徴とする請求項1又は3記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記画像選択手段は、前記ファイル生成手段によって生成されるファイルから削除したい画像データを指定し、
前記表示手段は、指定された画像データのサムネイルを識別可能に表示し、
前記ファイル生成手段は、前記指定された画像データを除いてファイル化することを特徴とする請求項1又は2記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記画像データの区切り位置に、前記指定された画像データを除いて、区切られた画像データのファイルサイズを表示することを特徴とする請求項記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記画像データ、前記サムネイル、及び前記画像データの区切り位置を保存する記憶手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の画像読取装置。
【請求項11】
前記ファイル生成手段によってファイル化されたファイルが複数の場合、ファイル名に連番を付すことを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の画像読取装置。
【請求項12】
前記最後に読み取った頁の前記サムネイルに対応して指定される前記区切り位置の指定を解除可能としたことを特徴とする請求項記載の画像読取装置。
【請求項13】
前記ファイルサイズが所定値を超える場合、前記決定手段による前記選択の決定を不可とすることを特徴とする請求項1又は5記載の画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置に関し、特に一連の原稿を読み取って画像データを生成し、更に画像データからファイルを生成する画像読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の画像読取装置として、例えば、読み取った一連の原稿の画像データからファイルを生成し、生成したファイルを電子メールに添付して、所定の宛先に送信するものがあり、ファイルの生成に関しては、読み取った一連の原稿の画像データから一個のファイルを生成するのが一般的であった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−114715号公報(第7〜8頁、図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザの都合で、読み取った一連の原稿の画像データから1つのファイルを生成するのではなく、例えば、原稿の章立て毎にファイルを生成する場合など、読み取った一連の原稿の画像データから複数のファイルを作成したいという場合がある。
このような場合、ユーザは、事前に原稿を分割した上で、複数回の読み取りを行うのが一般的であるが、手間がかかるという課題があった。
【0005】
また、一度に多量の頁の原稿を読み取ると、生成されるファイルのサイズが大きくなり、電子メールに添付できるファイルサイズの制限等によっては、送信できない場合が発生する。このような場合に対して、所定のファイルサイズやファイル数でファイルを分割する方法が知られているが、ユーザにとって意味のある分割ができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による画像読取装置は、
一連の原稿を読み取り、頁単位の画像データを生成する画像読取手段と、前記画像データのサムネイルを生成するサムネイル生成手段と、前記画像データの1つ以上を選択する画像選択手段と、前記選択された1つ以上の画像データを集合してファイル化するファイル生成手段と、前記ファイル生成手段により生成されるファイルのサイズを計算するファイルサイズ計算手段と、前記サムネイル、前記画像選択手段による選択状態、及び前記計算されたファイルサイズを表わす表示手段と、前記選択を決定する決定手段とを有し、
前記表示手段は、前記画像データの指定された区切り位置に、区切られた画像データのファイルのサイズを表示し、前記画像選択手段は、1つ以上の連続したサムネイルの区切り位置を指定することによって選択し、前記決定手段により前記選択が決定されたときに、前記ファイル生成手段が、前記画像選択手段によって選択された前記画像データをファイル化することを特徴とする。
本発明による別の画像読取装置は、
一連の原稿を読み取り、頁単位の画像データを生成する画像読取手段と、前記画像データのサムネイルを生成するサムネイル生成手段と、前記画像データの1つ以上を選択する画像選択手段と、前記選択された1つ以上の画像データを集合してファイル化するファイル生成手段と、前記ファイル生成手段により生成されるファイルのサイズを計算するファイルサイズ計算手段と、前記サムネイル、前記画像選択手段による選択状態、及び前記計算されたファイルサイズを表わす表示手段と、前記選択を決定する決定手段とを有し、
前記表示手段は、読み取った順に連続して配置される各サムネイルに対応して、設定された区切り位置からの画像データのファイルのサイズを表示し、前記画像選択手段は、1つ以上の連続したサムネイルの区切り位置を指定することによって選択し、前記決定手段により前記選択が決定されたときに、前記ファイル生成手段が、前記画像選択手段によって選択された前記画像データをファイル化することを特徴とする。
本発明による更に別の画像読取装置は、
一連の原稿を読み取り、頁単位の画像データを生成する画像読取手段と、前記画像データのサムネイルを生成するサムネイル生成手段と、前記画像データの1つ以上を選択する画像選択手段と、前記選択された1つ以上の画像データを集合してファイル化するファイル生成手段と、前記ファイル生成手段により生成されるファイルのサイズを計算するファイルサイズ計算手段と、前記サムネイル、前記画像選択手段による選択状態、及び前記計算されたファイルサイズを表わす表示手段と、前記選択を決定する決定手段とを有し、
前記画像選択手段は、前記ファイル生成手段によって生成されるファイルから削除したい画像データを指定し、前記表示手段は、前記指定された画像データのサムネイルを識別可能に表示すると共に、前記画像データの指定された区切り位置に、前記指定された画像データを除いて、区切られた画像データのファイルのサイズを表示し、前記決定手段により前記選択が決定されたときに、前記ファイル生成手段が、前記指定された画像データを除いて、前記画像選択手段によって選択された前記画像データをファイル化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、読み取った画像データをファイル化する際に、ファイルのサイズを確認しながら、ユーザの望む形で複数個のファイルに分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に基づく実施の形態1の画像読取装置の機能ブロック構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1において、画像読取装置が行う、原稿の読み取りからファイルの送信までの動作の流れを示すフローチャートである。
図3】実施の形態1において、分割ファイルを生成するための、区切り位置の指定からファイルの生成までの処理の流れを示すフローチャートである。
図4】実施の形態1において、ファイルサイズ(15MB)が上限値(12MB)を超えた場合において、読み取り完了後に最初に表示される画面の表示例を示す。
図5】実施の形態1において、ファイルサイズが上限値未満になるように、図4の状態から、ユーザが区切り位置を指定した時の画面の表示例である。
図6】実施の形態1において、ステップS303〜ステップS305のループによるユーザの指定が終了して、決定ボタンが押される直前の画面の表示例を示している。
図7】実施の形態1において、読取完了後に表示される画面の表示の変形例の説明に供する図である。
図8】実施の形態1において、読取完了後に表示される画面の表示の変形例の説明に供する図である。
図9】本発明に基づく実施の形態2の画像読取装置の機能ブロック構成を示すブロック図である。
図10】実施の形態2で、分割ファイルを生成するための、区切り位置の指定及びファイル化から除外する不要頁の指定からファイルの生成までの処理の流れを示すフローチャートである。
図11】実施の形態2で、ユーザが、区切り位置及び削除する頁を指定した時の画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、本発明に基づく実施の形態1の画像読取装置10の機能ブロック構成を示すブロック図である。
【0010】
図1において、ネットワーク40を介して、メールサーバ30と接続されている画像読取装置10は、読取部11、サムネイル生成部12、記憶部13、ファイルサイズ計算部14、表示部15、区切り位置指定部16、ファイル生成部17、通信部18、及び各部を接続する内部バス19等を備え、後述する種々の動作を実行する。
【0011】
画像読取手段としての読取部11は、ユーザが用意した一連の複数頁からなる原稿を読み取って頁単位で画像データを生成し、サムネイル生成手段としてのサムネイル生成部12は、読取部11によって読み取った1ページ分の画像データを縮小表示した画像(以下、サムネイルと称す)を生成する。記憶部13は、RAMやハードディスクといった読み書き可能な記憶デバイスなどから構成され、画像データ、サムネイルといった情報を保持する。
【0012】
ファイルサイズ計算手段としてのファイルサイズ計算部14は、指定された画像データから生成するファイルのサイズを、このファイルに関する設定、例えばファイルフォーマット(PDF、XPS等)、解像度(DPI)、及び圧縮率等に基づいて算出する。尚、ファイルサイズは、実際にファイルを生成して求めることが望ましいが、計算式などにより簡易的に計算して求めることも可能である。
【0013】
表示手段としての表示部15は、液晶表示パネル等の表示デバイスで構成され、ユーザに対して、サムネイル、区切り位置、ファイルサイズ等を表示し、画像選択手段としての区切り位置指定部16は、表示部15上に配置され、ユーザからの入力を受け付けることができるタッチパネルなどから構成され、ユーザの操作により、表示部15上に表示された一連のサムネイルを確認しながら、ファイルを生成する際の区切りとする位置を指定する。
【0014】
ファイル生成手段としてのファイル生成部17は、ユーザが指定した区切り位置に従って、生成するファイルに関する設定、例えばファイルフォーマット(PDF、XPS等)、解像度(DPI)、及び圧縮率等に基づいて一連の画像データからファイルを生成する。
【0015】
通信部18は、ファイルを送信する電子メールに関する設定、例えば、送信先の宛先、添付するファイルのファイル命名規則、及び1電子メールに添付できるファイルのサイズの上限値等に基づき、ファイルを添付した電子メールを作成し、ネットワーク40に接続されたメールサーバ30に送信する。
【0016】
以上の構成において、画像読取装置10の動作について説明する。図2は、画像読取装置10が行う、原稿の読み取りからファイルの送信までの動作の流れを示すフローチャートである。このフローチャートに基づいて、図1を参照しながら画像読取装置10の動作について説明する。
【0017】
最初に、ユーザによって、読み取った画像データから生成するファイルに関する設定、及び生成されたファイルを送信する電子メールに関する設定を行う(ステップS101)。生成するファイルに関する設定には、ファイルフォーマット(PDF,XPS等)、解像度(DPI)、及び圧縮率等があり、送信する電子メールに関する設定には、送信先の宛先、添付するファイルのファイル命名規則、1電子メールに添付できるファイルのサイズの上限値等がある。尚、これらの設定は、読み取りの都度に行う必要は無く、事前に設定しておいた既定値を使用することもできる。
【0018】
各種設定に続いて、ユーザは、一連の原稿を自動給紙装置(ADF)等にセットし、画像読取装置10に読み取りを指示し(ステップS102)、画像読取装置10は、読取部11で1頁分の原稿を読み取り、画像データを生成する(ステップS103)。続いて画像読取装置10は、生成した1頁分の画像データのサムネイルをサムネイル生成部12にて作成し、1頁分の画像データとサムネイルを記憶部13に保存する(ステップS104)。
【0019】
その後、画像読取装置10は、以後の動作に支障をきたすほどに、記憶部13の残りの容量が少なくなったかを確認し(ステップS105)、少なくなったと判断した場合(ステップS105、Yes)、読取部11による原稿の読み取りを中断する(ステップS106)。
【0020】
続いて画像読取装置10は、ファイル分割に必要な情報を表示部15に表示し、区切り位置指定部16を介したユーザの指示によって指定される区切り位置に基づいて1つ以上のファイルを生成する(ステップS107)。尚、このステップS107の処理については後で詳しく説明する。
【0021】
続いて画像読取装置10は、通信部18によって、生成されたファイル毎に電子メールを生成し、対応するファイルを電子メールに添付して指定された宛先に送信する(ステップS108)。尚、複数のファイルが生成されて複数の電子メールを送信する場合、各電子メールに添付されるファイルのファイル名は、既定のファイル名の後ろに連番を付与する等、受信側にて、ファイルを生成した順が識別できるようにする。
【0022】
続いて、画像読取装置10は、ファイル生成済みの画像データとサムネイルとを記憶部13から削除する(ステップS109)。尚、ファイル生成されなかった画像データとサムネイルは、後述するように次の分割ファイル生成の処理時に使うため、記憶部13に保持しておく。続いて画像読取装置10は、読取部11によって次のページの読み取りを再開し(ステップS110)、ステップS103に戻り、以後同様の処理を繰り返す。
【0023】
一方ステップS105において、画像読取装置10は、記憶部13の残りの容量に問題が無いと判断した場合(ステップS105、No)、先ず全ての原稿を読み取ったか否かを確認する(ステップS111)。ここで、まだ原稿が存在する場合(ステップS111、Yes)、ステップS103に戻って、以後同様の処理を繰り返し、一方、全ての原稿を読み取った場合(ステップS111、No)、画像読取装置10は、分割ファイル生成の処理を実行する(ステップS112)。ここでの分割ファイル生成の処理は、ステップS107における処理と略同じであり、後で詳しく説明する。
【0024】
続いて、画像読取装置10は、通信部18によって、生成されたファイル毎に電子メールを生成し、対応するファイルを電子メールに添付して指定された宛先に送信し(ステップS113)、ファイル生成済みの画像データとサムネイルとを記憶部13から削除し(ステップS114)、処理を終了する。
【0025】
従って、画像読取装置10は、図2のフローのステップS103〜S105、S111のループによって、1頁毎の、読込、画像データ及びサムネイルの生成、保存を繰り返す過程で、記憶部13の残り容量が不足した場合にはステップS107で分割ファイル生成の処理を行ってメール送信を行った後、ステップS109で記憶部13の残り容量を復活させて、前記ループに戻って同様の処理を繰り返し、読込原稿がなくなった段階で、ステップS112で分割ファイル生成の処理を行って、メール送信を行った後、ステップS1114で記憶部13の残り容量を復活させて処理を終了する。
【0026】
次に、分割ファイルを生成するステップS107及びステップS112の処理内容について説明する。図3は、この分割ファイルを生成するための、区切り位置の指定からファイルの生成までの処理の流れを示すフローチャートであり、図4図8は、その説明に供する図である。
【0027】
図3のフローチャートにおいて、画像読取装置10は、先ずファイルサイズ計算部14において、記憶部13に保存されている全ての画像データに対して、事前に指定された生成するファイルに関する設定、例えば、ファイルフォーマット(PDF,XPS等)、解像度(DPI)、及び圧縮率等に基づき、ファイルサイズを計算する(ステップS301)。
【0028】
次に画像読取装置10は、計算されたファイルサイズが、1電子メールに添付できるファイルのサイズの上限値以上か否を確認し(ステップS302)、ファイルサイズが上限値未満の場合(ステップS302、No)、ファイルを分割するか否かをユーザに確認する(ステップS306)。ここでユーザが分割を希望しない場合(ステップS306、No)、後述するように、まだ指定された有効な区切り位置が存在しない為、最後の頁の後ろを区切り位置と見なして、全ての画像データによって1個のファイルを生成し(ステップS307)、処理を終了する。
【0029】
一方、ファイルサイズが上限値以上の場合(ステップS302、Yes)又はステップS306でユーザが分割を希望した場合(ステップS306、Yes)、画像読取装置10は、後述するように、表示部15に一連のサムネイル、区切り位置、及び区切り位置でファイルを分割した場合に生成されるファイルのファイルサイズ等を表示する(ステップS303)。
【0030】
ここで、表示部15での表示に関しての表示概要について説明する。
(1)ファイルサイズの表示において、ファイルサイズが上限値以上の場合、ユーザが上限値以上であることが分かるように、文字を反転表示するなどし、且つユーザがファイルの生成を指示できないようにする。
(2)表示デバイスのサイズを考慮し、一度に一部の頁のサムネイルのみを表示し、スクロール機能を使って、前後の頁のサムネイルを表示させる。
(3)最初に表示するときの区切り位置は、最後のサムネイルの後ろとする(つまり、全ての画像データから1ファイルを生成する指定に相当する状態)。
尚、これらの表示概要については、あとでまた詳しく説明する。
【0031】
次に画像読取装置10は、ユーザによる入力を確認し(ステップS304)、ユーザが、区切り位置指定部16によって、いずれかの区切り位置を指定した場合(ステップS304、指定)、後述するように、区切り位置にてファイルを分割した場合に生成される各ファイルのファイルサイズを計算し(ステップS305)、ステップS303に戻って表示内容を更新し、同様の動作を繰り返す。
【0032】
一方、ユーザがファイルの生成を指示した場合(ステップS304、生成)、画像読取装置10は、ファイル生成部17にて、指定された区切り位置に従って1個以上のファイルを生成し(ステップS307)、処理を終了する。但し、ここでも、ファイルサイズが上限値以上の場合には、ファイル生成の指示ができない、即ちステップS304からステップS307に進めないようになっている。
【0033】
次に上記したフローによって表示される画面の表示例(図4図8)を参照しながら、画像読取装置10の具体的な動作例について更に説明する。尚、ここでの例では、メールに添付できるファイルサイズの上限値を12MBとし、全ての画像データから1個のファイルを生成した場合のファイルサイズは15MBであるとする。
【0034】
図4は、ファイルサイズ(15MB)が上限値(12MB)を超えた場合において、読み取り完了後に最初に表示される画面の表示例である。図3のフローチャートでは、(ステップS302、Yes)を経由してステップS303に至った段階を示している。尚、図4のタッチパネル式ディスプレイ(以下、単にタッチパネルと称す)50は、表示部15のディスプレイ機能と、区切り位置指定部16のタッチパネル機能を備えている。
【0035】
ここで、タッチパネル50による表示の仕様について説明する。
(1)このタッチパネル50には、複数(ここでは4個)のサムネイル51k〜51n(区別する必要が無い場合には単に51を付す)を表示し、直近に読み取った4頁分を、左側から右側に、読み取った順番に表示する。
(2)各サムネイルの間、及び最後のサムネイルの後ろには、サムネイル51k〜51nにそれぞれ対応する区切り位置指定ボタン53k〜53n(区別する必要が無い場合には単に53を付す)を表示する。
(3)ここでの区切り位置指定ボタン53は、トグルボタン、即ちボタンを押すごとに有効/無効が切り替わる四角いボタンであり、ボタンが有効状態のときが区切り(ファイルの分割)位置となる。尚、ここでは黒ぬり状態が有効状態を示し、白ぬり状態が無効状態を示す。また有効状態の区切り位置指定ボタン53の位置情報は記憶部13によって保持される。
(4)図4に示す読取完了直後の区切り位置は、前記した表示概要(3)に従って、最後のサムネイル51nの後の区切り位置ボタン53nに設定される。
(5)前後する有効な2つの区切り位置間に存在する頁が、1つのファイルを構成する。但し、前に有効な区切り位置が存在しない場合は、最初の頁からその区切り位置間までに存在する頁が、1つのファイルを構成する。
(6)前記した表示概要(2)に従って、スクロールボタン52a、52bにて、現在位置の前または後のサムネイルを表示することができる。但し、前または後に頁が存在しない場合は、スクロールボタンは無効となる。図4の例では、サムネイル51nが最後の頁なので、右側のスクロールボタン52b(白塗り状態の三角矢印を含む)が無効である。
(7)区切り位置指定ボタン53が有効状態のとき、そのボタンの下には、この区切り位置でファイルを生成した場合のファイルサイズ文字54n(図4の例では15MB)を表示する。
(8)前記した表示概要(1)に従って、ファイルサイズが上限値以上の場合にその文字54を反転表示することでユーザに示す。図4の例では、ファイルサイズ15MBが、上限値12MB以上なので、ファイルサイズ文字54nを反転表示している。
(9)前記した表示概要(1)に従って、図4の例では、有効状態の区切り位置指定ボタン53nでのファイルサイズ15MBが上限値以上なので、決定手段としての決定ボタン55を無効(黒塗り状態)として、ユーザがファイルの生成を指示できないようにする。
【0036】
図5は、ファイルサイズが上限値未満になるように、例えば図4の状態から、ユーザが区切り位置を指定した時の画面の表示例である。ここではユーザが、区切り位置指定ボタン53kを有効、即ちこの場所を区切り位置に指定し、区切り位置が2ヶ所(53kと5n)となっている。区切り位置指定が変更になると、ファイルサイズ計算部14がファイルサイズを計算し直し、有効な区切り位置指定ボタンの下部に、ファイルサイズ文字(ここでは54k(10MB)及び54n(5MB))を表示する。尚ここでの動作は、図3のフローのステップS303〜S305の繰り返し処理、及び上記表示仕様(7)に基づいている。
【0037】
その結果、何れのファイルサイズも上限値(ここでは12MB)未満なので、ファイルサイズ文字は通常表示(非反転表示)となり、決定ボタン55も有効となる。尚、決定ボタン55は、ここではタッチパネル式ディスプレイ50に表示して備えたが、タッチパネル50に設ける代りに、例えば有効の時に自照する自照式のトグルスイッチで構成してもよい。
【0038】
ここでユーザが決定ボタン55を押すと、画像読取装置10は、図3のフローのステップS304の判断に従って、ファイル生成部17によってファイルを生成する。即ち、ファイル生成部17は、ここでは、有効状態の区切り位置指定ボタン53k及び53nが指定する区切り位置に従って、最初からサムネイル51kまでの1ファイル(サイズは10MB)と、サムネイル51lからサムネイル51nまでの1ファイル(サイズは5MB)の合計2ファイルを生成する。
【0039】
以上の説明は、分割ファイルを生成するステップS107及びステップS112の処理に共通する説明であるが、記憶容量が不足して読み取る原稿が残っているステップS107の処理の場合、更に最後の区切り位置53nを無効にできるようになっている。
【0040】
図6は、ステップS107において、ステップS303〜ステップS305のループによるユーザの指定が終了して、決定ボタン55が押される直前の画面の表示例を示している。同図に示すように、ここでは有効状態になっていた区切り位置指定ボタン53nがユーザによって解除されて無効状態にされている。
【0041】
この状態でユーザが決定ボタン55を押すと、ファイル生成部17は、ここでは、ユーザが指定した有効状態の区切り位置指定ボタン53kが指定する区切り位置に従って、最初から51kまでの1ファイル(サイズは10MB)のファイルを生成し、区切り位置指定ボタン53k以降の頁は、ファイル生成では使われない為、画像データとサムネイルは記憶部13から削除されず、次のファイル生成で使われる。このように、区切り位置指定ボタン53nを無効とすることにより、区切り位置指定ボタン53k以降の頁を、次のファイル生成時の頁と組み合わせてファイル生成することができる。
【0042】
図7図8は、読取完了後に表示される画面の表示の変形例を示し、読み取り完了後の図4に示す表示状態から、ユーザがスクロールボタン52aを押して、表示頁領域を1頁分前に移動した状態に相当する。
【0043】
ここでは、ガイド表示部56が設けられ、各区切り位置指定ボタン53に対応して、前の有効な区切り位置(ここでは最初の頁)からの各位置までのファイルサイズを表示する。これにより、ユーザは、適切な区切り位置を事前に確認することができる。図8は、ユーザが区切り位置指定ボタン53kを有効な区切り位置として指定した場合を示している。このとき、ガイド表示部56では、区切り位置指定ボタン53kが指定する区切り位置から算出したファイルサイズを、各区切り位置指定ボタン53に対応して再表示する。
【0044】
以上のように、本実施の形態の画像読取装置10によれば、一連の原稿読み取りに関連して、ユーザがサムネイルを見ながら区切り位置を指定し、また、区切り位置でファイルを分割した時に生成される各ファイルのサイズを確認しながら、ユーザの望む形で複数個のファイルを生成することができ、利便性を向上できる。
また、ファイルサイズの上限値を超えた場合のファイル分割においても、ファイルサイズやファイル数で機械的に分割するのではなく、ユーザが望む場所で分割ができ、利便性を向上できる。
【0045】
実施の形態2.
図9は、本発明に基づく実施の形態2の画像読取装置210の機能ブロック構成を示すブロック図である。
【0046】
この画像読取装置210が、前記した図1に示す実施の形態1の画像読取装置10と主に異なる点は、区切り位置指定&原稿指定部216及びファイル生成部217の動作内容である。従って、この画像読取装置210が前記した実施の形態1の画像読取装置10と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0047】
画像選択手段としての区切り位置指定&原稿指定部216は、表示部15上に配置され、ユーザからの入力を受け付けることができるタッチパネルなどから構成され、ユーザの操作により、表示部15上に表示された一連のサムネイルを確認しながら、ファイルを生成する際の区切りとする位置、及びファイル生成から除外する不要な頁を指定する。
【0048】
ファイル生成手段としてのファイル生成部217は、ユーザが指定した、区切り位置及びファイル生成から除外する不要な頁に従って、生成するファイルに関する設定、例えば、ファイルフォーマット、解像度、及び圧縮率等に基づいて一連の画像データからファイルを生成する。
【0049】
以上の構成において、画像読取装置210の動作について説明する。尚、画像読取装置210が行う、原稿の読み取りからファイルの送信まで一連の動作は、ステップS107及びステップS112の分割ファイル生成処理以外、図2で説明した実施の形態1で説明した処理と同じであるため、同じ部分のここでの説明は省略する。
【0050】
図10は、本実施の形態で、分割ファイルを生成するための、区切り位置の指定及びファイル化から除外する不要頁の指定からファイルの生成までの処理の流れを示すフローチャートであり、図11は、その説明に供する図である。
【0051】
図10のフローチャートにおいて、画像読取装置210は、先ずファイルサイズ計算部14において、記憶部13に保存されている全ての画像データに対して、事前に指定された生成するファイルに関する設定、例えは、ファイルフォーマット(PDF,XPS等)、解像度(DPI)、及び圧縮率等に基づき、ファイルサイズを計算する(ステップS501)。
【0052】
次に画像読取装置210は、計算されたファイルサイズが、1電子メールに添付できるファイルのサイズの上限値以上か否を確認し(ステップS502)、ファイルサイズが上限値未満の場合(ステップS502、No)、ファイルを分割するか否かをユーザに確認する(ステップS506)。ここでユーザが分割を希望しない場合(ステップS506、No)、まだ指定された有効な区切り位置が存在しない為、最後の頁の後ろを区切り位置と見なして、全ての画像データによって1個のファイルを生成し(ステップS507)、処理を終了する。
【0053】
一方、ファイルサイズが上限値以上の場合(ステップS502、Yes)又はステップS506でユーザが分割を希望した場合(ステップS506、Yes)、画像読取装置210は、表示部15に一連のサムネイル、区切り位置、及び区切り位置でファイルを分割した場合に生成される、ファイルの不要な頁を除外したファイルサイズを表示する(ステップS503)。
【0054】
次に画像読取装置210は、ユーザによる入力を確認し(ステップS504)、ユーザが、区切り位置指定&原稿指定部216によって、いずれかの区切り位置を指定した場合、又は削除する頁を指定(ここでは該当する頁のサムネイルを押下して指定)した場合(ステップS504、指定)、区切り位置にてファイルを分割した場合に生成される各ファイルのファイルサイズを、削除指定した頁を除外して計算し(ステップS505)、ステップS503に戻って表示内容を更新し、同様の動作を繰り返す。
【0055】
一方、ユーザがファイルの生成を指示した場合(ステップS504、生成)、画像読取装置210は、ファイル生成部217にて、指定された区切り位置に従って、且つ削除指定された頁を除いて1個以上のファイルを生成し(ステップS507)、処理を終了する。但し、ここでも、ファイルサイズが上限値以上の場合には、ファイル生成の指示ができない、即ちステップS504からステップS507に進めないようになっている。
【0056】
次に上記したフローによって表示される画面の表示例(図11)を参照しながら画像読取装置210の具体的な動作例について、実施の形態1で説明した図5の表示例と比較しながら更に説明する。尚、ここでのタッチパネル50による表示の仕様は、前記した実施の形態1で記述した(1)〜(9)を満たすものであるが、更にユーザが削除する頁として該当するサムネイルを押下した際に、そのサムネイルが、有効状態を示す黒塗り表示される点が追加されている。
【0057】
図11は、ユーザが、区切り位置及び削除する頁を指定した時の画面の表示例である。ここでユーザは、実施の形態1の図5に示す操作例と同様に、区切り位置指定ボタン53kを有効、即ちこの場所を区切り位置に指定し、更に削除する頁としてサムネイル51mに対応する頁を指定している。
【0058】
従って、図11の表示例では、サムネイル51mが削除する頁として黒塗り表示され、有効な区切り位置指定ボタンの下部に、ファイルサイズ文字(ここでは54k(10MB)及び54n(4MB))を表示する。ここでは、削除したサムネイル51mの頁のサイズが1MBであるため、ファイルサイズ文字54nでは、前記した図5に比較して1MBだけ引かれたファイルサイズ4MBが表示される。
【0059】
ここでユーザが決定ボタン55を押すと、画像読取装置210は、図10のフローのステップS504の判断に従って、ファイル生成部217によってファイルを生成する。即ち、ファイル生成部217は、ここでは、有効状態の区切り位置指定ボタン53k及び53nが指定する区切り位置に従って、最初からサムネイル51kまでの1ファイル(サイズは10MB)と、サムネイル51mを除くサムネイル51lからサムネイル51nまでの1ファイル(サイズは4MB)の合計2ファイルを生成する。
【0060】
尚、上記した実施の形態では、画像読取装置が読み取った画像を、電子メールに添付してメールサーバへ送信する例を示しているが、これに限定されるものではなく、本発明は、ファイル共有やWebサービス等の通信機能を利用することによって、PCやファイルサーバーへ保存することも可能であるなど、種々の態様を取り得るものである。
【0061】
以上のように、前記した実施の形態1の効果に加えて、ユーザがサムネイルを見ながら、読み取った原稿の中からファイル生成に不要な頁を削除することができ、利便性が更に向上する。
【産業上の利用可能性】
【0062】
上記した実施の形態では、画像読取装置として説明を行ったが、本発明は、これに限定されるものではなく、画像を読み取って送信する機能があれば良く、例えばファクシミリ装置、複写装置、MFP(Multifunction Peripheral)等に適用可能である。
【符号の説明】
【0063】
10 画像読取装置、 11 読取部、 12 サムネイル生成部、 13 記憶部、 14 ファイルサイズ計算部、 15 表示部、 16 区切り位置指定部、 17 ファイル生成部、 18 通信部、 19 内部バス、 30 メールサーバ、 40 ネットワーク、 50 タッチパネル、 51 サムネイル、 52a スクロールボタン、 52b スクロールボタン、 53 区切り位置指定ボタン、 54 ファイルサイズ文字、 55 決定ボタン、 56 ガイド表示部、 210 画像読取装置、 216 区切り位置指定&原稿指定部、 217 ファイル生成部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11