(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記先端側挿入部の外周面及び前記基端側挿入部の外周面の、前記保護部材が接続される領域には、全周にわたって、少なくとも1つの溝部が設けられており、前記保護部材が接続される際に、前記保護部材の端部に設けられた突起部が嵌合するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の体内水分計。
前記先端側挿入部の外周面及び前記基端側挿入部の外周面の、前記保護部材が接続される領域には、全周にわたって、前記保護部材の端部の厚さに対応する深さの溝部が設けられており、前記保護部材が接続される際に、前記保護部材の端部が嵌合するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の体内水分計。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0018】
[第1の実施形態]
<1.体内水分計の外観構成>
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る体内水分計100の外観構成を示す図である。体内水分計100は、被検者の体表面である腋窩の皮膚にセンサ部を接触させ、センサ部において供給した電気信号に応じた物理量を検出することで被検者の体内の水分量を検出する。本実施形態に係る体内水分計100では、当該物理量(生体内の水分に関するデータ)として被検者の静電容量を測定することにより、腋窩の皮膚の湿り具合を検出し、体内の水分量を算出する。
【0019】
図1Aに示すように、体内水分計100は本体部110と、本体部110の一端から湾曲して延設された挿入部120とを備える。本体部110は、上面114、下面115、側面116、117がそれぞれ長軸方向(不図示)に略平行に形成されており、全体として、直線状に形成されている。また、本体部110の筐体表面には、各種ユーザインターフェースが配置され、筐体内部には体内の水分量を算出するための電子回路が収納されている。
【0020】
図1Aの例では、ユーザインターフェースとして、電源スイッチ111及び表示部112が示されている。電源スイッチ111は、本体部110の後端面113の凹部に配されている。このように凹部に電源スイッチ111を配する構成とすることで、電源スイッチ111の誤操作を防ぐことができる。なお、電源スイッチ111がオンされると後述の電源部211(
図2)から体内水分計100の各部への電源供給が開始され、体内水分計100は動作状態となる。
【0021】
表示部112は、本体部110の側面117上において、長軸方向のやや前方側に配されている。これは、体内水分計100を用いて被検者の体内の水分量を測定するにあたり、測定者が把持領域118を把持した場合であっても、測定者の把持した手で表示部112が完全に覆われることがないようにするためである(把持した状態でも測定結果が視認できるようにするためである)。
【0022】
表示部112には、今回の水分量の測定結果131が表示される。また、参考として前回の測定結果132もあわせて表示される。さらに、電池表示部133には、電池(
図2の電源部211)の残量が表示される。また、無効な測定結果が得られた場合や測定エラーが検出された場合には、表示部112に“E”が表示され、その旨が測定者に報知される。なお、表示部112に表示される文字等は、本体部110の上面114側を上とし、下面115側を下として、表示されるものとする。
【0023】
体内水分計100の挿入部120は、上面124及び下面125が曲面形状を有しており、本体部110に対して、全体として、下向きに緩やかに湾曲している。
【0024】
挿入部120の先端面122には、センサ部121が固定されている。センサ部121は、先端面122に略平行な面を有するセンサヘッド123を有している。
【0025】
なお、挿入部120は、本体部110と接続された基端側挿入部120−1と、センサ部121が固定された先端側挿入部120−2とに分離されており、先端側挿入部120−2は、センサヘッド123の皮膚への密着を保証する上での押圧力を確保するため、ばね等の弾性部材により、矢印141b方向に付勢されている(たとえば150gf程度の付勢力)。そして、センサヘッド123が被検者の腋窩の皮膚に押し当てられると、先端側挿入部120−2全体が、矢印141a方向(先端面122と略直交する方向、すなわち先端面122の法線方向)に所定量(例えば、1mm〜10mm、本実施形態では3mm)スライドし、これにより測定が開始されることとなる(以下、矢印141aの方向をスライド方向と称す)。なお、基端側挿入部120−1の外周面と先端側挿入部120−2の外周面とは、スライド方向に伸縮可能な(蛇腹状の)弾性部材からなる保護部材151により接続されている(保護部材151を含む体内水分計100の先端領域(点線161で示す領域)の詳細構成は後述する)。
【0026】
かかる構成のもと、測定者が電源スイッチ111をオンして体内水分計100を動作状態とした後、センサヘッド123が被検者の腋窩に押し当てられたことが検知されると、体内水分量の測定が開始される。あるいは、測定者が電源スイッチ111をオンして体内水分計100を動作状態とした後、センサヘッド123が被検者の腋窩に所定負荷(例えば20gf〜200gf、さらに好ましくは100gf〜190gf、本実施形態では150gf)で押し当てられたことが検知されると、体内水分量の測定が開始される。このような仕組みにより、測定時におけるセンサヘッド123の腋窩への密着の程度を一定にすることができる。
【0027】
<2.体内水分計の先端領域の構成>
次に、体内水分計100の先端領域(
図1Aの点線161で示す領域)の詳細構成について説明する。
図1Bは、体内水分計100の先端領域の構成を示す図であり、保護部材151により覆われた領域の内側の構成がわかるように示した図である。
【0028】
図1Bに示すように、保護部材151は、基端側挿入部120−1の外周面及び先端側挿入部120−2の外周面に沿って設けられており、本体部110に対して下向きに緩やかに湾曲し先端に向かって細くなる挿入部120において、基端側挿入部120−1の外周面と先端側挿入部120−2の外周面とが一体的に構成されるよう、滑らかに接続している。
【0029】
このように、基端側挿入部120−1の外周面と先端側挿入部120−2の外周面と一体的に構成することにより、測定者は、挿入部120に付着した汚れを拭き取る際の拭き取り作業を容易に行うことができる。
【0030】
保護部材151の内側には、支持部材171が配され、先端側挿入部120−2をスライド可能に支持している。また、ばね等の弾性部材172が配されており、先端側挿入部120−2を矢印141b方向に付勢している。
【0031】
このように、先端側挿入部120−2をスライドさせるための機構(スライド機構)を、保護部材151の内側に配する構成とすることで、スライド機構を介して体内水分計100内部への液体の浸入を防ぐことが可能となる。つまり、体内水分計100の防水性・防汚性を向上させることが可能となる。
【0032】
なお、保護部材151は、スライド方向に伸縮可能であり、センサヘッド123が被検者の腋窩の皮膚に押し当てられ、弾性部材172による付勢力に抗して押圧されることで、先端側挿入部120−2が矢印141a方向にスライドすると、保護部材151がスライド方向に縮む(紙面右側参照)。
【0033】
このように、保護部材151をスライド方向に伸縮可能な構成とすることで、先端側挿入部120−2のスライド動作が、保護部材151によって妨げられることがなくなるため、測定者は、一定の押圧力で押圧することができる。保護部材151の好ましい材料としては、例えば、シリコーン、ポリウレタン、スチレン系エラストマーなどのエラストマー、ポリエチレンなどのポリオレフィン、等の弾性部材が挙げられる。更に、防汚性を持たせるために、官能基としてトリフルオロメチル基(−CF3)を有するフッ素系樹脂でコーティングしてもよい。
【0034】
なお、挿入部120を基端側挿入部120−1と先端側挿入部120−2とに分離し、基端側挿入部120−1と先端側挿入部120−2との間にスライド機構を設ける構成とした場合、更に、以下のような利点がある。
【0035】
一例として、
図12に示した、挿入部1220とセンサ部1221との間にスライド機構を設けた体内水分計1200について、先端面1222とセンサ部1221との間に、保護部材を配する場合と対比して検討する。
【0036】
この場合、保護部材の一端は先端面1222に接続され、他端はセンサ部1221の側面に接続されることとなる。ここで、
図12から明らかなように、センサ部1221の側面のうち、挿入部1220から露出している領域はわずかであり、また、先端面1222のうち、開口部1251を除く領域もわずかである。つまり、
図12に示した体内水分計において保護部材を接続しようとすると、保護部材の両端を接続できる領域がそれぞれ限られていることから、製造が困難になることが予想される。
【0037】
これに対して、本実施形態に係る体内水分計100の場合、接続できる領域を広く確保することができることから、製造過程において保護部材151の取り付けが容易になるという利点がある。
【0038】
更に、
図12に示したように、先端面1222よりも、センサ部1221の大きさが小さい体内水分計の場合、保護部材を接続すると、保護部材が斜めに配されることとなる。つまり、保護部材の伸縮方向とセンサ部1221のスライド方向とが一致せず、スライド方向に不均一な保護部材の弾性力が、センサ部1221の押圧力にも影響を与えることとなる。
【0039】
これに対して、本実施形態に係る体内水分計100の場合、スライド方向に均一な弾性力を実現できるため、保護部材151の弾性力がスライド方向の押圧力に及ぼす影響を排除できるという利点がある。
【0040】
<3.体内水分計の機能構成>
次に、体内水分計100の機能構成について説明する。
図2は、体内水分計100の機能構成を示す図である。
図2において、制御部201は、CPU202、メモリ203を有し、CPU202はメモリ203に格納されているプログラムを実行することにより、体内水分計100における種々の制御を実行する。
【0041】
例えば、CPU202は、
図4のフローチャートにより後述する表示部112の表示制御、ブザー222やLEDランプ223の駆動制御、体内水分量の測定(本実施形態では静電容量測定)などを実行する。メモリ203は、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含み、不揮発性メモリはプログラムメモリとして、揮発性メモリはCPU202の作業メモリとして利用される。
【0042】
電源部211は、交換が可能なバッテリー、或いは充電が可能なバッテリーを有しており、体内水分計100の各部へ電源を供給する。電圧レギュレータ212は、制御部201等へ一定電圧(例えば、2.3V)を供給する。電池残量検出部213は、電源部211から供給される電圧値に基づいて、電池の残量を検出し、その検出結果を制御部201に通知する。制御部201は、電池残量検出部213からの電池残量検出信号に基づいて、電池表示部133の表示を制御する。
【0043】
電源スイッチ111が押下されると、各部への電源部211からの電力供給が開始される。そして、制御部201は、電源スイッチ111の測定者による押下が1秒以上継続したことを検出すると、電源部211からの各部への電源供給を維持させ、体内水分計100を動作状態とする。上述したように、測定スイッチ214は、電源部211からの電力供給が開始されると同時にオン状態になる。制御部201は、先端側挿入部120−2が矢印141aの方向へ所定量以上押されると水分量の測定を開始し、測定スイッチ214のオン状態が所定時間(例えば2秒)継続すると、測定を終了する。なお、電源部211の消耗を防止するために、体内水分計100が動作状態になってから2分経過しても測定開始とならない場合は、制御部201は自動的に体内水分計100を電源オフの状態へと移行させる。
【0044】
測定回路221は、センサヘッド123と接続され、静電容量を測定する。
図3は、測定回路221の構成例を示す図である。
図3に示すように、インバータ301、302、抵抗303、304、被検者容量310によりCR発振回路が形成される。被検者容量310によって出力信号305の発振周波数が変化するので、制御部201は、出力信号305の周波数を測定することにより、被検者容量310を算出する。なお、本実施形態のセンサヘッド123は、2つの櫛形の電極が、それぞれの櫛歯が互い違いに並ぶように配置されてなるものとする。
【0045】
図2に戻る。表示部112は、
図1Aで説明したような表示を制御部201の制御下で行う。ブザー222は、先端側挿入部120−2の押下による測定の開始や、体内水分量の測定が完了した際に鳴動し、測定の開始や完了を測定者に通知する。LEDランプ223もブザー222と同様の通知を行う。すなわち、LEDランプ223は、先端側挿入部120−2の押下による測定の開始や、体内水分量の測定が完了した際に点灯し、測定の開始や完了を測定者に通知する。計時部224は、電源がオフの状態であっても電源部211からの電源供給を受けて動作し、動作状態においては時刻を制御部201に通知する。
【0046】
<4.体内水分計の動作>
以上のような構成を備えた、本実施形態に係る体内水分計100の動作を、
図4のフローチャートを参照して説明する。
【0047】
ステップS401では、制御部201が、測定開始の指示を検出する。本実施形態では、測定スイッチ214の状態を監視し、測定スイッチ214のオン状態が2秒以上継続した場合に測定開始の指示を検出したと判定する。制御部201は、測定開始の指示を検出すると、ステップS402において、測定回路221からの出力信号305の発振周波数を測定する。
【0048】
ステップS403では、ステップS402において測定された出力信号305の発振周波数に基づいて、被検者の体内水分量を算出する。
【0049】
ステップS404では、ステップS403で算出された体内水分量が所定の閾値を超えるか否かに基づいて被検者が脱水状態か否かを判定する。なお、この場合の閾値とは、例えば、水を100%、空気を0%とした時の35%に相当する値が望ましい。
【0050】
ステップS405では、今回の測定情報をメモリ203に格納する。
図5は、メモリ203に格納される測定情報のデータ構成を示す図である。
図5において、測定値501は、今回の測定により算出された体内水分量である。判定結果502は、今回の測定により算出された体内水分量に対して、ステップS404において判定された、脱水状態か非脱水状態かを示す情報である。測定時刻503は、今回の測定において計時部224から通知された時刻を示す情報である。測定時刻503としては、例えば、ステップS402において測定を実行した時点で計時部224から通知されている時刻とすることができる。
【0051】
ステップS406では、今回の測定により算出された体内水分量を表示部112に表示する。このとき、脱水状態か非脱水状態かの判定結果に応じた表示形態により表示を行う(例えば、脱水状態の場合には、赤色にて体内水分量を表示し、非脱水状態の場合には、青色にて体内水分量を表示する)。
【0052】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る体内水分計100は、挿入部120を、基端側挿入部120−1と先端側挿入部120−2とに分離し、両者の間にスライド機構を設ける構成とした。また、基端側挿入部120−1の外周面と先端側挿入部120−2の外周面との間を、スライド方向に伸縮可能な保護部材151により、滑らかに接続することで、スライド機構を液密に覆う構成とした。
【0053】
これにより、体内水分計100の防水性・防汚性を向上させることが可能となった。また、挿入部120に汚れが付着した場合であっても、容易に拭き取り作業を行うことが可能となった。更に、スライド動作が保護部材によって妨げられることがなく、測定者が、一定の押圧力で押圧することができるようになった。
【0054】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、保護部材151として、蛇腹状の弾性部材を用いる構成としたが、本発明はこれに限定されない。
【0055】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る体内水分計600の外観構成及び体内水分計600の先端領域661の構成を示す図である。なお、上記第1の実施形態において
図1A及び
図1Bを用いて説明した構成と同じ構成については、同じ参照番号を付し、ここでは説明を省略する。以下、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0056】
図6の6bに示すように、体内水分計600の場合、保護部材651は、スライド方向中央位置の厚さが薄くなっており、先端側挿入部120−2が矢印141a方向にスライドすると、保護部材651がスライド方向中央位置において外側に折れ曲がることでスライド方向に働く力を外側に逃すよう構成されている(紙面右側参照)。
【0057】
このように、折れ曲がり方向を誘導するよう、保護部材651の断面形状を形成することで、上記第1の実施形態同様、先端側挿入部120−2のスライド動作が、保護部材651によって妨げられることがなくなるため、測定者は、一定の押圧力で押圧することができる。保護部材651の好ましい材料としては、例えば、シリコーン、ポリウレタン、スチレン系エラストマーなどのエラストマー、ポリエチレンなどのポリオレフィン、等の弾性部材が挙げられる。更に、防汚性を持たせるために、官能基としてトリフルオロメチル基(−CF3)を有するフッ素系樹脂でコーティングしてもよい。
【0058】
また、上記第1の実施形態のように、蛇腹状の弾性部材を用いる場合と比較して、保護部材151の外周面の凹凸がないため、保護部材151自体に汚れが付着した場合であっても、容易に拭き取り作業を行うことができる。
【0059】
[第3の実施形態]
上記第2の実施形態では、保護部材651が外側に折れ曲がる構成としたが、本発明はこれに限定されず、内側に折れ曲がる構成としてもよい。
【0060】
図7は、本発明の第3の実施形態に係る体内水分計700の外観構成及び体内水分計700の先端領域761の構成を示す図である。なお、上記第1の実施形態において
図1A及び
図1Bを用いて説明した構成と同じ構成については、同じ参照番号を付し、ここでも説明は省略する。以下、上記第1及び第2の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0061】
図7の7bに示すように、体内水分計700の場合、保護部材751は、スライド方向中央位置の厚さが薄くなっており、先端側挿入部120−2が矢印141a方向にスライドすると、保護部材751がスライド方向中央位置において内側に折れ曲がることでスライド方向に働く力を内側に逃すよう構成されている(紙面右側参照)。
【0062】
このように、折れ曲がり方向を誘導するよう、保護部材751の断面形状を形成することで、上記第1の実施形態同様、先端側挿入部120−2のスライド動作が、保護部材751によって妨げられることがなくなるため、測定者は、一定の押圧力で押圧することができる。保護部材751の好ましい材料としては、例えば、シリコーン、ポリウレタン、スチレン系エラストマーなどのエラストマー、ポリエチレンなどのポリオレフィン、等の弾性部材が挙げられる。更に、防汚性を持たせるために、官能基としてトリフルオロメチル基(−CF3)を有するフッ素系樹脂でコーティングしてもよい。
【0063】
また、上記第2の実施形態のように、外側に折れ曲がる構成と比較して、測定時に被検者の腋窩と干渉する恐れがないといった利点もある。
【0064】
[第4の実施形態]
上記第1乃至第3の実施形態では、基端側挿入部120−1の外周面と先端側挿入部120−2の外周面との間を、保護部材により滑らかに接続することで、スライド機構を液密に覆う構成としたが、本発明はこれに限定されない。
【0065】
例えば、先端側挿入部をなくし、基端側挿入部120−1とセンサ部121とを、直接、保護部材により滑らかに接続する構成としてもよい。
【0066】
図8は、本発明の第4の実施形態に係る体内水分計800の外観構成及び体内水分計800の先端領域861の構成を示す図である。なお、上記第1の実施形態において
図1A及び
図1Bを用いて説明した構成と同じ構成については、同じ参照番号を付し、ここでも説明は省略する。以下、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0067】
図8の8bに示すように、本実施形態にかかる体内水分計800の場合、基端側挿入部120−1とセンサ部121の側面とが保護部材851により、直接、接続される。そして、センサ部121が矢印141a方向にスライドすると、保護部材851が外側に向かって湾曲するよう構成されている(紙面右側参照)。保護部材851の好ましい材料としては、例えば、シリコーン、ポリウレタン、スチレン系エラストマーなどのエラストマー、ポリエチレンなどのポリオレフィン、等の弾性部材が挙げられる。更に、防汚性を持たせるために、官能基としてトリフルオロメチル基(−CF3)を有するフッ素系樹脂でコーティングしてもよい。
【0068】
このように、センサ部121と基端側挿入部120−1とを直接接続する構成とすることにより、上記第1乃至第3の実施形態と比較して、先端側挿入部120−2の先端面122とセンサ部121との段差をなくすことが可能となり、センサ部121に汚れが付着した場合であっても、容易に拭き取り作業を行うことができる。
【0069】
[第5の実施形態]
上記第1乃至第3の実施形態では、基端側挿入部及び先端側挿入部と、保護部材との接続方法の詳細について特に言及しなかったが、基端側挿入部及び先端側挿入部と、保護部材とは、その接触面からの液体の浸入を防ぐ構成となっていることが望ましい。なお、以下では、上記第2の実施形態の保護部材651を例に、接続方法の詳細について説明する。
【0070】
図9は、保護部材651の接続方法の詳細を説明するための図である。このうち、
図9の9aは、
図6の6bと同じ図であり、
図9の9bは、
図9の9aの点線901で示す領域の拡大図である。
【0071】
図9の9bに示すように、基端側挿入部120−1の外周面及び先端側挿入部120−2の外周面には、それぞれ、溝部911及び912が全周にわたって設けられている。一方、保護部材651の両端部には、スライド方向と略直交する方向に突起部921及び922が設けられており、保護部材651が基端側挿入部120−1及び先端側挿入部120−2に接続される際、突起部921及び922が、溝部911及び912に嵌合するよう構成されている。
【0072】
このように、液体の浸入方向と略直交する方向に溝部911、912を設ける構成とすることで、保護部材651と基端側挿入部120−1の外周面との接触面、または、保護部材651と先端側挿入部120−2の外周面との接触面からの液体の浸入を、確実に妨げることが可能となる。
【0073】
[第6の実施形態]
上記第5の実施形態では、基端側挿入部120−1の外周面及び先端側挿入部120−2の外周面に、それぞれ、溝部を1つずつ設ける構成としたが、本発明はこれに限定されない。
【0074】
図10は、保護部材651の他の接続方法を説明するための図である。
図10の10aは、
図6の6bと同じ図であり、
図10の10bは、
図10の10aの点線1001で示す領域の拡大図である。
【0075】
図10の10bに示すように、基端側挿入部120−1の外周面及び先端側挿入部120−2の外周面には、それぞれ、2箇所ずつ溝部(溝部1011、1012及び溝部1013、1014)が全周にわたって設けられている。
【0076】
一方、保護部材651の両端部には、スライド方向と略直交する方向に、2箇所ずつ突起部(突起部1021、1022及び突起部1023、1024)が設けられており、保護部材651が基端側挿入部120−1及び先端側挿入部120−2に接続される際、突起部1021〜1024が、溝部1011〜1014に嵌合するよう構成されている。
【0077】
このように、液体の浸入方向と略直交する方向に溝部を2箇所設けることで、保護部材651と基端側挿入部120−2の外周面との接触面、または、保護部材651と先端側挿入部120−2の外周面との接触面からの液体の浸入を、より確実に妨げることが可能となる。
【0078】
[第7の実施形態]
上記第5及び第6の実施形態では、基端側挿入部及び先端側挿入部と、保護部材との接続方法として、防水性・防汚性の向上を重視する構成について説明したが、本発明はこれに限定されず、防水性・防汚性を向上させつつ、拭き取り作業の容易性を加味した接続方法としてもよい。なお、以下においても、上記第2の実施形態の保護部材651を例にして、本実施形態の接続方法の詳細について説明する。
【0079】
図11は、保護部材651の他の接続方法を説明するための図である。
図11の11aは
図6お6bと同じ図であり、
図11の11bは、
図11の11aの点線1101で示す領域の拡大図である。
【0080】
図11の11bに示すように、基端側挿入部120−1の外周面端部及び先端側挿入部120−12の外周面端部には、それぞれ、保護部材651の端部の厚さに対応する深さの溝部1111及び1112が全周にわたって設けられている。
【0081】
これにより、保護部材651が基端側挿入部120−1及び先端側挿入部120−2に接続される際、保護部材651の端部は、溝部1111及び1112に嵌合されることとなる。
【0082】
この結果、保護部材651と基端側挿入部120−1の外周面との接触面、または、保護部材651と先端側挿入部120−2の外周面との接触面からの液体の浸入を、確実に妨げることが可能になるとともに、基端側挿入部120−1の外周面と保護部材651との間、及び、先端側挿入部120−2の外周面と保護部材651との間の段差を完全になくすことができるようになり、測定者による拭き取り作業を更に容易にすることが可能となる。
【0083】
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。