特許第5993044号(P5993044)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5993044
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】管理データラベル
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/00 20060101AFI20160901BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
   G09F3/00 M
   G09F3/00 S
   G06K19/06 009
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-25733(P2015-25733)
(22)【出願日】2015年2月12日
(65)【公開番号】特開2016-148782(P2016-148782A)
(43)【公開日】2016年8月18日
【審査請求日】2015年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】515026502
【氏名又は名称】小森山 憲次
(74)【代理人】
【識別番号】100099014
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 滿茂
(72)【発明者】
【氏名】小森山 憲次
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭64−012390(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/00
G06K 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平および垂直の枠線からなる方形の枠線と、
当該枠線の対向頂点を結んで交差させた傾斜線と、
当該傾斜線によって仕切られた4つの空白領域のそれぞれに、
0から9までの数字、アルファベット文字、記号のうち、一以上の任意のキャラクタを記入してなる方形コードを、
左右方向または/および上下方向に整列させて配置したことを特徴とする管理データラベル。
【請求項2】
方形コードは、
左右一列で配置することを特徴とする請求項1記載の管理データラベル。
【請求項3】
左右方向に一列に配置した方形コード列を、
上下方向に複数段重ねて表示することを特徴とする請求項1記載の管理データラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品その他の管理に使用する管理用のデータラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
商品管理その他の各種管理/識別に用いる管理データラベルとしては、従来、例えば、バーコード、QRコード(登録商標)が知られている。
【0003】
バーコードは多数の種類があるが、現在、日本で使用されるバーコード(JANコード;Japan Article Number)は、縦線のバーとバー同士の間隔によって、標準バージョンでは、0〜9の数字を13桁まで表示する機能がある。また、短縮バージョンでは0〜9の数字を8桁まで表示する。
【0004】
現在、多くの商品管理ラベルとして使用されているバーコードは、左右方向に一列で縦線を表示した一次元コードであるが、この一列のバーコードを上下に複数重ねた二次元コード(スタック型2次元コード)も公知である。
【0005】
このような、一次元コードを積み重ねたスタック型に対し、セルと呼ばれる白黒交互の点を用いてデータラベルを作るマトリックス型二次元コードも広く普及している。これは方形のデータ枠線内に、左右方向と上下方向のデータ点を配置して、情報密度を高めたものである。現在、日本国内で広く使用されているQRコード(登録商標)もこのタイプである。
【0006】
図5に示すように、QRコード(登録商標)は、方形のデータ枠線1内の隅角部に、若干の隙間(マージン)を設けて、3個の切り出しシンボル2を配し、3個の切り出しシンボル2の間に白黒交互で表示した小さな正方形のセル(タイミングパターン)4を配したものである。5は、歪み耐性を高めるために設けられるアライメントパターンである。
【0007】
そして、データ枠線1内のデータセル領域に小さな正方形の白黒セルを配することで、左右方向および上下方向に意味をもったデータを書き込む。
【0008】
このQRコード(登録商標)は、切り出しシンボル2が、水平方向、垂直方向、角部頂点を結ぶ斜め方向の白黒パターンの比率が、必ず1:1:3:1:1になっているので、どの方向から管理データレベルを読み込んでも、3個の切り出しシンボル2によって高速安定のデータ処理ができるようになっている。記録できる最大データ量は、数字のみなら7,089字、英数字が4,296字、漢字が1,817字である。
【0009】
近時、このような管理データラベルの情報量をさらに増やす技術として、下記特許文献1、2のように、表示色の濃淡設定やカラー表示を用いる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−326582号
【特許文献2】特開平05−094556号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来の管理データラベルは、情報量、歪みに対する耐性等、各種の問題点を解消しつつ実用に耐えてきた実績がある。しかしながら、情報量が少ない場合でも、比較的多くの印刷面積を要するという問題がある。
【0012】
一次元コードであるバーコードの場合でも、左右に一定長の幅をもった領域に縦線(コード表示バー)を印刷するので、印刷に要するインク量は、情報量の多寡によらず略一定である。
【0013】
二次元コードであるQRコード(登録商標)は、略正方形の領域に、多数の黒色セルを点在させる必要があり、また、読み取りの高速化と安定のために、少なくとも隅角部の三点に白黒表示した正方形の切り出しシンボルを設けることが必要なので、情報量の多寡によらず、印刷に要するインク量は節約ができない。
【0014】
もちろん、情報量が少ない場合には、切り出しシンボルの数を減らしたり、黒色セルの数を減らす等の改善もなされているが、黒色表示する印刷量を大幅に減らせるわけではない。
【0015】
また、特許文献1、2のように、表示色の濃淡設定やカラー表示を用いる管理データラベルは、白黒表示を用いる通常のFAXを介した送信利用ができない問題があるほか、印刷装置(プリンタ等)またはリーダ装置(読取装置)の表現精度または読取精度に高い精度技術が求められるため、一般的な使用の実情には適さない。
【0016】
そこで、本発明の目的は、情報量を自在に増減できることを条件として、よりシンプルな構造で、インク使用量を低減させる点にある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記目的を達成するため、本発明に係る管理データラベルは、方形の枠線と、当該枠線の対向頂点を結んで交差させた傾斜線と、当該傾斜線によって仕切られた4つの空白領域のそれぞれに、数字、文字、記号の任意のキャラクタを記入してなる方形コードを、左右方向または/および上下方向に整列させて配置したことを特徴とする(請求項1)。
【0018】
本発明に係る管理データラベルは、方形の枠線内に、交差する傾斜線によって4つの空白領域を作り、それぞれの空白領域(キャラクタ記入領域)に任意のキャラクタを記入して、それを一単位の方形コードとして、その方形コードを左右方向または/および上下方向に整列させて配置するものである。
【0019】
ひとつの方形コードがもつ4つの空白領域には、数字、文字、記号等の任意キャラクタを記入するが、例えば、0〜9までの数字のみを限定使用する場合であって、ひとつの空白領域には10種類の数字を記入できる。従って、4つの空白領域に記入できる数字の組合せは10(10,000)通りである。
【0020】
つまり、ひとつの方形コードが10通りの数字の組合せをもつので、2つの方形コードを組み合わせたときは10通りの組合せとなり、以下、1012、1016・・・と組合せ数を増大させてゆくことが出来る。他の文字、例えばアルファベットの大文字、小文字等を組み合わせた場合は、ひとつの方形コードによって表現できる組合せ数は、さらに増大する。
【0021】
キャラクタは、数字、文字、記号の一を単独で使用しても良いし、数字、文字、記号を組み合わせて使用しても良い。同種類のキャラクタの組合せ、例えば数字と数字の組合せに限らず、異種のキャラクタの組合せ、例えば数字と文字との組合せ等、適宜の組合せでも良い。
【0022】
方形コードは、方形の枠線を備えるので、上下および左右の方向をリーダ装置(読取装置)に認識させることが出来るとともに、方形の対向頂点を結んだ二つの傾斜線によって、読み取り角度の補正(または微調整)ができるので、読み取り処理を高速安定させることが可能である。
【0023】
また、数字、文字等のキャラクタによってコードを作るので、FAX送信によってキャラクタがかすれても、推測補正等の処理によって、略正確なコード伝達ができる。小さな黒色点(セル)を用いる従来の二次元コードに較べ、FAX伝送等によるかすれや歪みに起因した、コードの意味内容の誤変換が少なくなるので、信頼性も確保できる。
【0024】
情報量が少ない場合は、数個の方形コードでデータ化できるので、光学的なリーダ装置を用いなくても、目視による正誤認識が可能となることもあるので、とくに小規模事業の現場(例えば小売商店、クリーニング店等)では、顧客との対面会話する課程で簡単にコードを目視確認できる等、顧客とのコミュニケーション機会を健全に担保することができる利点がある。
【0025】
また、シンプルな構成なので、コードの印刷に要するインク量も低減させることが出来る。事業規模の大小にかかわらず、インク量の節約は、コードの発行者にとっても、FAXや電子メール等による受信者にとっても、大きな課題であるところ、本発明に係る管理データラベルは、システムコストを確実に低減できる点でも優れる。
【0026】
記入するキャラクタは、数字、文字、記号の一を単独で使用しても良いし、数字、文字、記号を組み合わせて使用しても良い。組み合わせて使用する場合は、同種類のキャラクタの組合せ、例えば数字と数字の組合せに限らず、異種のキャラクタの組合せ、例えば数字と文字との組合せ、数字と記号の組合せ等、適宜の組合せで良い。
【0027】
方形コードは、左右一列で配置する場合がある(請求項2)。
【0028】
データ量が少ない場合は、従来の一次元コードと同様に、横長のコードラベルを用いて表示し、読み取りをさせることが好ましい。裏面に粘着材を備える専用ラベルを、安価に使用することが出来るからである。光学的な読取装置も横方向に長いラベルを読み取る形式のものが多いので、システムの導入コストを低減させるには、方形コードを左右一列で配置することが望ましい。
【0029】
左右方向に一列に配置した方形コード列を、上下方向に複数段重ねて表示する場合がある(請求項3)。
【0030】
データ量を増加させる場合は、上下方向に方形コード列を重ねることで対応することが出来る。二段配置、三段配置など、読取装置がコードを構成するキャラクタを正確に読み取れる限度で重ねて良い。
【0031】
好ましくは、一段目、二段目、三段目・・・に配する方形コード列の左右方向の数は同一とさせる。例えば、一段目の方形コード列の左右方向の配置数が4個の場合は、二段目の方形コード列の左右方向の配置数も4個とし、三段目以降も同じとする等である。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る管理データラベルによれば、情報量を自在に増減でき、構成がシンプルなので、インク使用量を確実に低減させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】実施形態に係る管理データラベルを例示する図である。
図2】実施形態に係る方形コードを示す図である。
図3】実施形態に係るキャラクタの好ましい配設位置を示す図である。
図4図1に示す管理データラベルにテスト文字を表示する場合を示す図である。
図5】従来の二次元コードの原理を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、実施形態に係る管理データラベル10を示すものである。この実施形態は、適宜数、例えば、3つの方形コード20を左右方向に並べて表示する場合を示すもので、コードの実質を構成するキャラクタ(数字、アルファベット文字等)は図示していない。11は、方形コード20を印刷するための台紙である。
【0035】
台紙11は、例えば裏面に粘着材を備え、商品、管理ノート等に貼着できるようにしておく。管理データラベル10を、PC装置内の文書等に貼り付けて使用する場合や、WEB上のホームページ画面に貼り付けて使用する場合は、台紙11は必ずしも必要がない。ただし、台紙11に代えて、モニタ画面で閲覧する場合や印刷出力する場合に、見やすいように方形コード20の周囲にエリア枠線(図示せず;図1の台紙11と外観は略同じ)を設けておくことが望ましい。
【0036】
図2は、方形コード20の具体例を示すものである。方形コード20は、方形の枠線21と、当該枠線21の対向頂点を結んで交差させた傾斜線22と、当該傾斜線22によって仕切られた4つの空白領域25を備え、4つの空白領域25のそれぞれに、数字、文字、記号の任意のキャラクタCを記入してなる。
【0037】
枠線21は、上下二本の横線21−1、21−2と、左右二本の縦線21−3、21−4とを備える。枠線21は、方形を呈するので、上下二本の横線21−1、21−2の長さは同一であり、左右二本の縦線21−3、21−4も同一とする。また、横線21−1、21−2と縦線21−3、21−4が作る4つの角部は、すべて90度である。
【0038】
傾斜線22は、枠線21の対向頂点Q1〜Q4を結んで交差させるものであり、二本の傾斜線22によって、枠線21内に4つの空白領域25を作る。
【0039】
空白領域25は、上下左右にそれぞれひとつずつ出来る。この実施形態では、上の空白領域を25−1、右の空白領域を25−2、下の空白領域を25−3、左の空白領域を25−4として示す。
【0040】
各空白領域25には、コードの実質を構成するための、適宜のキャラクタCを記入する。この実施形態では、6〜9の数字を、それぞれの空白領域25に割り当てる場合を図示した。
【0041】
符号C1は、枠線21の上下中央を示す仮想線、C2は、枠線21の左右中央を示す仮想線である。これらの仮想線C1、C2は、実際の管理データラベル10には記入しないが、キャラクタC(数字6〜9)は、仮想線C1、C2の上に位置するよう表示することが望ましい。
【0042】
図3は、キャラクタC(数字6〜9)の好ましい配設位置を示すものである。キャラクタC(数字6〜9)は、仮想線である横線F1、F2と仮想線C2が交差する位置、および、仮想線である縦線F3、F4と仮想線C1が交差する位置にキャラクタC(数字6〜9)を配するが、この配設位置は、厳密な中央位置よりも若干外側(枠線21寄りの位置)にある。
【0043】
すなわち、仮想線である縦線F3と中央仮想線C2との離隔寸法をW1、仮想線である縦線F3と縦線21−3との離隔寸法をW2とした場合、W1>W2とすることが望ましく、横線F1と中央仮想線C1との離隔寸法をW3、横線F1と横線21−1との離隔寸法をW4とした場合、W3>W4とすることが望ましい。
【0044】
なぜなら、W1=W2、W3=W4とした場合、あるいは、W1<W2、W3<W4とした場合は、キャラクタC(数字6〜9)が傾斜線22の交点に近づいて、表示スペースが狭くなるため、読み取り時の精度が低下する虞れがあるからである。
【0045】
方形コード20は、水平および垂直の枠線21を備えるとともに、一定角度に設定できる傾斜線22を備えるので、光学的なリーダ装置による読取時にも読取角度の誤認は生じない。水平方向、垂直方向、あらかじめ設定した傾斜線の角度によって、正確な読取角度をリーダ装置に認識処理させることが出来るからである。
【0046】
方形コード20に記入表示するキャラクタCと、その情報量は、例えば次の通りである。
【0047】
まず、本発明の場合、光学的なリーダ装置を介したOCR(optical character recognition)の処理では、台紙11の歪み等による誤読を避けるため、4つの空白領域25のそれぞれには、できるだけ大きな文字数字を表示することが望ましい。
【0048】
4つの空白領域25のそれぞれには、原理的には、制限なくキャラクタCを表示できるが、実用に耐える大きさのラベル用紙(台紙11)を使用する場合、リーダ装置の誤読を避けるためには、空白領域25のそれぞれに、例えば、20個以下のキャラクタC列を表示する。
【0049】
誤読回避の安全性を考慮して、例えば、空白領域25のそれぞれに、10個のキャラクタCを表示する場合であって、計算を単純化するために、表示するキャラクタCの種類を0〜9の数字だけに限定した場合、1つの空白領域25に書き込める数字列の組合せは1010である。
【0050】
そして、方形コード20は4つの空白領域25をもつので、ひとつの方形コード20が作る数字列の組合せは1040となる。
【0051】
従って、図1に示した3個並列の方形コード20の場合であって、1つの空白領域25に0〜9の数字を10桁表示する場合に限定した場合、当該管理データラベル10には、(1040通りのコードを記入できることになる。
【0052】
空白領域25には、適宜のキャラクタC、例えばアルファベットを混合使用でき、その場合は、さらにコード数を増加させることができる。
【0053】
ただし、アルファベットを使用する場合は、数字の「0」とアルファベットの「O」が誤読されやすい等の問題があるので、誤読率が低いアルファベットを大文字、小文字それぞれ20個ずつ、計40個使用するとした場合、1つの空白領域25には0〜9の数字を加えて、全部で50種類のキャラクタC列を書き込むことが出来、コードの組合せは1050通りとなる。
【0054】
4つの空白領域25をもつ方形コード20の組合数(P4)は、P4=10200通りであり、3個並列の方形コード20の場合の組合数(P5)は、P5=(10200通りである。
【0055】
通常の使用形態を考慮すると、10桁を超える大きな桁数のコード表記は必ずしも必要ではない。実用上は、1つの空白領域25に0〜9までの数字または/および誤読されにくいアルファベット(大文字および小文字)、つまり約50種類のキャラクタCを使用して、2〜3桁のコード表記を行うことが望ましい。光学文字認識の場合、表示された文字の大きさも誤読率に関係するので、1つの空白領域25に表示するキャラクタC列の桁数を小さくして、キャラクタCを大きく表記する方が読取精度を向上させることが出来るからである。
【0056】
1つの空白領域25に2〜3桁のキャラクタC列コードを表示するだけでも、通常の使用、例えば、商品管理、在庫管理、期限管理等、各種の管理用途に用いるには十分なデータ量を確保できる。
【0057】
従って、かかる管理データラベル10によれば、数字等のキャラクタCを用いてシンプルな仕組みのデータラベルを構成することが出来る。このため印刷時のインク量を抑えることが出来るほか、目視による数字等のキャラクタC確認も出来るので、データ内容が単純な場合、例えば、先頭の方形コード20に購入年月日、製造年月日、賞味期限等が記載されている場合は、リーダ装置を用いなくても簡単に確認できる利点がある。
【0058】
情報の搭載量を増大させるには、横方向または/および縦方向に複数の方形コード20を整列表記すれば良い。
【0059】
リーダ装置を含む読取装置が所定数の方形コード20を読み取る前提でシステム化されている場合は、所定数の方形コード20を整列表示した上で、キャラクタCを記入する必要がない方形コード20の空白領域25は空欄とするか、或いは、当該方形コード20が情報を持たないことを意味する所定のキャラクタCを空白領域25に記入する。この場合は、4つの空白領域25のうち、少なくとも一つに記入しておけば良い。
【0060】
本発明に係る管理データラベル10は、光学的読取装置が方向を認識することが出来る作りであるが、必要に応じて二次元コードで使用される切り出しシンボルを設けても構わない。前記実施形態では、横長長方形の方形コードを例示したが、縦長長方形でも良いし、正方形でも良い。
【0061】
なお、前記説明では使用するキャラクタCとして、数字とアルファベットを例にとって説明したが、他の言語の文字や、記号を用いても良い。ただし、数字の「1」とアルファベットの「I」、アルファベットの「D」と「O」など、OCR装置での誤読の可能性が高いものは、少なくとも一方を最初から使用しない条件でシステムを作れば、読取精度をより高めることが出来る。
【0062】
複数の方形コード20を整列表記する場合、すべての方形コード20が同一の数(または桁数)のキャラクタCを使用する必要はない。キャラクタCの数や数字の桁数を統一させなくても、各方形コード20が独立した意味内容を表示する機能をもつ場合もあるからである。例えば、先頭の方形コード20が2桁の数字列を使用し、二番目の方形コード20が一桁の数字、三番目の方形コードがアルファベット3文字で表示する等、自由な組合せをして構わない。
【0063】
方形コード20には、リーダ装置の誤読を検出するためのテスト文字を表示しても良い。例えば、図4に示すように、データを構成するキャラクタCの内側にテスト文字Kを表示する等である。
【0064】
テスト文字Kは、例えば、予め定めた数字/文字を用い、データを構成するキャラクタCの表示位置に較べて誤読が生じやすい位置、例えば傾斜線22の交点付近、あるいは空白領域25の隅部に表示する。
【0065】
またテスト文字Kは、データを構成するキャラクタCに較べてより誤読が生じやすい条件、例えば、より小さな文字サイズで表示する。OCR装置は、フォントによっても誤読率が変動するので、例えば、データを構成するキャラクタCは誤読しにくいフォントを使用し、テスト文字Kは、誤読しやすいフォントを使用して、誤読の確率を低下させることが望ましい。
【符号の説明】
【0066】
10 管理データラベル
11 台紙
20 方形コード
21 枠線
22 傾斜線
25 空白領域
21−1、21−2 横線
21−3、21−4 縦線
25−1 上の空白領域
25−2 右の空白領域
25−3 下の空白領域
25−4 左の空白領域
C1 枠線の上下中央を示す仮想線
C2 枠線の左右中央を示す仮想線
F1、F2 仮想線である横線
F3、F4 仮想線である縦線
K テスト文字
Q1〜Q4 頂点
W1 縦線(F3)と中央仮想線(C2)との離隔寸法
W2 縦線(F3)と縦線(21−3)との離隔寸法
W3 横線(F1)と中央仮想線(C1)との離隔寸法
W4 横線(F1)と横線(21−1)との離隔寸法
図1
図2
図3
図4
図5