(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光源から入射した光に対して、所定波長の光を反射および/または透過するミラーユニットを複数保持し、前記光源の光軸上に配置するミラーユニットを切替可能なミラーユニット切替装置であって、
前記光源から出射された光を内部に取り込むための光源側開口部、および前記ミラーユニットを取り出すための取出用開口部が形成され、内部に前記ミラーユニットを収容する筐体と、
前記筐体に対して移動可能に設けられ、該移動可能な経路上の所定位置において、少なくとも前記光源側開口部および前記取出用開口部のいずれか一方を遮蔽するシャッタ部材と、
を備え、
前記シャッタ部材は、前記取出用開口部を遮蔽した状態で、前記光源側開口部と該光源側開口部に最も近いミラーユニットとの間に位置し、前記光源側開口部を介して前記ミラーユニットに入射する光を減光する減光部を有する
ことを特徴とするミラーユニット切替装置。
光源から入射した光に対して、所定波長の光を反射および/または透過するミラーユニットを複数保持し、前記光源の光軸上に配置するミラーユニットを切替可能なミラーユニット切替装置であって、
前記光源から出射された光を内部に取り込むための光源側開口部、および前記ミラーユニットを取り出すための取出用開口部が形成され、内部に前記ミラーユニットを収容する筐体と、
前記筐体に対して移動可能に設けられ、該移動可能な経路上の所定位置において、少なくとも前記光源側開口部および前記取出用開口部のいずれか一方を遮蔽するシャッタ部材と、
前記取出用開口部に対して着脱自在に取り付けられる蓋部材と、
を備え、
前記シャッタ部材は、一端で前記取出用開口部を遮蔽するとともに、他端で前記光源側開口部を遮蔽し、
前記蓋部材は、前記シャッタ部材が前記光源側開口部を遮光している状態でのみ、前記取出用開口部に対して着脱可能である
ことを特徴とするミラーユニット切替装置。
光源から入射した光に対して、所定波長の光を反射および/または透過するミラーユニットを複数保持し、前記光源の光軸上に配置するミラーユニットを切替可能なミラーユニット切替装置であって、
前記光源から出射された光を内部に取り込むための光源側開口部、および前記ミラーユニットを取り出すための取出用開口部が形成され、内部に前記ミラーユニットを収容する筐体と、
前記筐体に対して移動可能に設けられ、該移動可能な経路上の所定位置において、前記光源側開口部および前記取出用開口部を遮蔽するシャッタ部材と、
を備えたことを特徴とするミラーユニット切替装置。
前記シャッタ部材は、弾性変形可能な部材からなり、前記光源側開口部を遮蔽した場合の形状と、前記取出用開口部を遮蔽した場合の形状とが異なることを特徴とする請求項1に記載のミラーユニット切替装置。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡の全体構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態1にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示すA−A線に対応するミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図4】
図4は、
図2に示すB−B線に対応するミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態1にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図6】
図6は、
図5に示すC−C線に対応するミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図7】
図7は、
図5に示すD−D線に対応するミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施の形態1の他の例にかかるミラーユニット切替装置の構成を示す部分断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施の形態1の変形例1−1にかかるミラーユニット切替装置の構成を示す部分断面図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施の形態1の変形例1−2にかかるミラーユニット切替装置の構成を示す部分断面図であって、シャッタが開いた状態の図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施の形態1の変形例1−2にかかるミラーユニット切替装置の構成を示す側面図であって、シャッタが開いた状態の図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施の形態1の変形例1−2にかかるミラーユニット切替装置の構成を示す部分断面図であって、シャッタが閉じた状態の図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施の形態1の変形例1−2にかかるミラーユニット切替装置の構成を示す側面図であって、シャッタが閉じた状態の図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施の形態1の変形例1−3にかかるミラーユニット切替装置の構成を示す部分断面図であって、シャッタの開閉ストロークを短くした状態の図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施の形態1の変形例1−3にかかるミラーユニット切替装置の構成を示す側面図であって、シャッタの開閉ストロークを短くした状態の図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施の形態2にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図17】
図17は、本発明の実施の形態2にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図18】
図18は、本発明の実施の形態2にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図19】
図19は、本発明の実施の形態2の変形例2−1にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図20】
図20は、本発明の実施の形態2の変形例2−1にかかるミラーユニット切替装置のシャッタ部材の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図21】
図21は、本発明の実施の形態2の変形例2−2にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図22】
図22は、本発明の実施の形態3にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図23】
図23は、本発明の実施の形態3にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図24】
図24は、本発明のその他の実施の形態にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図25】
図25は、本発明のその他の実施の形態にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図26】
図26は、本発明のその他の実施の形態の変形例にかかるミラーユニット切替装置の要部の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図27】
図27は、本発明のその他の実施の形態の変形例にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図28】
図28は、本発明のその他の実施の形態の変形例にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解し得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。すなわち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態1)
まず、本実施の形態1にかかる顕微鏡について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態1にかかる顕微鏡の全体構成を示す模式図である。
図1に示すように、顕微鏡1は、蛍光色素にて特異的に染色された標本Sの標本像を結像して標本Sを観察するための倒立顕微鏡であって、光源から入射した光に対して、所定波長の光を反射および/または透過するミラーユニット2を複数保持し、光源の光軸上に配置するミラーユニット2を切替可能なミラーユニット切替装置3を備える。
【0021】
顕微鏡1は、観察対象の標本Sが載置されるステージ10と、略凹状をなし、上端部でステージ10を支持するとともに、標本Sを拡大観察するための対物レンズ11を保持する顕微鏡本体12と、顕微鏡本体12の上部後方(
図1の右方)に配設され、複数の励起波長の光を含む照射光を、投光管13を介してミラーユニット切替装置3に出射する光源14と、顕微鏡本体12の上部に載置された鏡筒15と、鏡筒15に取り付けられ、標本Sの標本像を目視観察するための双眼部16と、を備える。また、ミラーユニット切替装置3は、ミラーユニット2が、光源14の光軸N1と対物レンズ11の光軸N2との交点に位置できるように顕微鏡本体12に配設される。
【0022】
鏡筒15は、ミラーユニット切替装置3から図示しない内部の光学系を介して入射する観察光の光路を切り換えて双眼部16へと導く。標本Sの標本像は、鏡筒15の内部で双眼部16内に導入され、接眼レンズを介して検鏡者に目視観察される。あるいは、鏡筒15に接続されるテレビカメラ等によって撮像される。
【0023】
図2は、本実施の形態1にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
図3は、
図2に示すA−A線に対応するミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
図4は、
図2に示すB−B線に対応するミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【0024】
ミラーユニット2(2a〜2d)は、光源14から出射された光軸N1の光のうち、所定波長の光を反射するとともに、標本Sが発した光軸N2の光のうち、所定波長の光を透過するダイクロイックミラー20(20a〜20d)と、ダイクロイックミラー20によって反射させる励起波長に対応した光を光源14から出射された出射光から抽出する励起フィルタ21(21a〜21d)と、標本Sが発した光から所望の波長の光を抽出する吸収フィルタ22(22a〜22d)と、を有する。
【0025】
ここで、各ダイクロイックミラー20a〜20dは、各ミラーユニット2a〜2dに応じた励起波長に対応する波長の光を反射し、標本Sから発せられる所定波長の光を透過する。
【0026】
ミラーユニット切替装置3は、内部に上述したミラーユニット2(2a〜2d)を収容する筐体30と、ミラーユニット2a〜2dを保持するターレット31と、ターレット31の外縁に沿って形成されるガイド部材32(ガイド部)と、ガイド部材32に保持され、ガイド部材32に沿って移動可能なシャッタ部材33と、を有する。
【0027】
筐体30には、光源14から出射された光を筐体30の内部に取り込むための光源側開口部30aと、筐体30の内部からミラーユニット2を取り出して交換するための取出用開口部30bと、ダイクロイックミラー20によって反射された光および標本Sが発した光を通過させるための第1観察光開口部30cと、第1観察光開口部30cと同軸上に設けられ、ダイクロイックミラー20が透過した標本Sが発した光を通過させるための第2観察光開口部30dと、が形成されている。光源側開口部30aは、ミラーユニット切替装置3が顕微鏡1に取り付けられた際に、光源14の光軸N1を中心として開口する位置に設けられる。また、第1観察光開口部30cおよび第2観察光開口部30dは、ミラーユニット切替装置3が顕微鏡1に取り付けられた際に、対物レンズ11の光軸N2を中心として開口するようにそれぞれ設けられる。
【0028】
ターレット31は、略円板状をなす載置面でミラーユニット2を保持し、この載置面の中心を通過する軸と同軸の軸31aを回転軸として回転可能であり、回転することによって所望のミラーユニットを第1観察光開口部30cおよび第2観察光開口部30dとの間に配置する。このとき、光源14の光軸N1と対物レンズ11の光軸N2とが、ミラーユニット2のダイクロイックミラー20上で交差する。また、ターレット31は、保持するミラーユニット2a〜2dに対応して設けられる複数の開口部31bを有する。開口部31bは、ミラーユニット2が第1観察光開口部30cおよび第2観察光開口部30dとの間に配置された際に、第1観察光開口部30cおよび第2観察光開口部30dの軸(光軸N2)と同軸の開口をなすように設けられる。
【0029】
ガイド部材32は、筐体30の上下にそれぞれ設けられ、このシャッタ部材33の移動経路に沿って延びている。具体的には、ガイド部材32は、ターレット31の外縁に沿って延び、ガイド部材32が延びる方向に垂直な方向の断面が凹状をなしている。ガイド部材32は、この凹状の内部空間でシャッタ部材33を移動可能に保持する。
【0030】
シャッタ部材33は、板状の部材を用いて形成され、ガイド部材32に沿った弧状をなす。また、シャッタ部材33は、外部側の板面に設けられ、この板面に対して垂直な方向に突出した突出部材33aを有する。突出部材33aは、取出用開口部30bから外部に突出しており、この取出用開口部30bの開口壁面と当接することによってシャッタ部材33の移動量を調節するとともに、作業者がシャッタ部材33を操作する際の把持部材としても機能する。
【0031】
図2〜4に示すミラーユニット切替装置3は、シャッタ部材33が、取出用開口部30bを遮蔽した状態である。これにより、光源14から出射された光が光源側開口部30aを介してダイクロイックミラー2に進入して反射され、標本Sに照射される。この位置において、シャッタ部材33は、一端で取出用開口部30bを遮蔽しているため、筐体30内に進入した光が取出用開口部30bから外部に漏れることはない。
【0032】
図5は、
図2に示すミラーユニット切替装置3において、シャッタ部材を移動した場合の構成を模式的に示す部分断面図である。
図6は、
図5に示すC−C線に対応するミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
図7は、
図5に示すD−D線に対応するミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【0033】
図5〜7に示すミラーユニット切替装置3では、シャッタ部材33がガイド部材32に沿って光源側開口部30a側に移動している。この位置において、シャッタ部材33は、他端で光源側開口部30aを遮蔽するとともに、取出用開口部30bを開放する。これにより、光源14からの光が筐体30内に進入しないため、観察を行わないときに、標本に励起光源からの光が照射されることなく、ミラーユニット2の交換を行うことができる。
【0034】
上述した本実施の形態1によれば、光源側に設けられた光源側開口部およびミラーユニットを取り出すための取出用開口部を有するミラーユニット切替装置において、シャッタ部材が、光源側開口部および取出用開口部のいずれか一方の開放に伴って他方を遮蔽するようにしたので、ミラーユニットを取り出す際に取出用開口部を開放した場合、連動して光源側開口部が遮蔽されるため、簡易な構成でありながら、観察を行わないときに、標本に励起光源からの光が照射されることなく、ミラーユニットを交換することができる。
【0035】
また、ミラーユニットの取り出し作業中に光源から光が出射されている場合、作業者に対して光が漏れないことはもちろん、標本に対しても光が照射されない。このため、標本をステージに載置した状態でミラーユニットを交換した場合であっても、標本に光が照射された状態が維持されることによる標本の損傷を防止することができる。
【0036】
なお、上述した実施の形態1では、ミラーユニット切替装置がミラーユニットを4つ有するものとして説明したが、ミラーユニットの数は4つに限ることなく、
図8に示すミラーユニット切替装置3aのように、ターレット34に保持された8つのミラーユニット(ミラーユニット2a〜2h)であってもよい。ミラーユニット切替装置が保持するミラーユニットは、2以上の数であれば適用可能である。
【0037】
また、取出用開口部は、筐体の中心に対して光源側開口部と直交する位置に配置されるものとして説明したが、光源側開口部と対向する位置に配置されるものであってもよい。取出用開口部は、ミラーユニットが取出し可能な位置であれば形成可能である。
【0038】
ここで、上述した実施の形態1では、ミラーユニット切替装置のシャッタ部材が作業者の手作業による動作であるものとして説明したが、変形例1−1(
図9参照)に示すミラーユニット切替装置3bのように、制御部4によって、シャッタ部材33の移動が電気的に制御されるものであってもよい。制御部4は、図示しない入力部からの指示情報によって、シャッタ部材33を駆動する。このとき、シャッタ部材35は、モータ等の駆動機構によってガイド部材32上を移動する。
【0039】
また、
図10〜15を用いて、実施の形態1の変形例1−2を説明する。
図10は、本実施の形態1の変形例1−2にかかるミラーユニット切替装置の構成を示す部分断面図であって、シャッタが開いた状態の図である。
図11は、本実施の形態1の変形例1−2にかかるミラーユニット切替装置の構成を示す側面図であって、シャッタが開いた状態の図である。
図12は、本実施の形態1の変形例1−2にかかるミラーユニット切替装置の構成を示す部分断面図であって、シャッタが閉じた状態の図である。
図13は、本実施の形態1の変形例1−2にかかるミラーユニット切替装置の構成を示す側面図であって、シャッタが閉じた状態の図である。
図14は、本実施の形態1の変形例1−2にかかるミラーユニット切替装置の構成を示す部分断面図であって、シャッタの開閉ストロークを短くした状態の図である。
図15は、本実施の形態1の変形例1−2にかかるミラーユニット切替装置の構成を示す側面図であって、シャッタの開閉ストロークを短くした状態の図である。なお、
図1等で上述したものと同じ構成要素には同じ符号を付してある。
【0040】
変形例1−2にかかるミラーユニット切替装置は、
図10,11に示すように、外周面の取出用開口部30bの周辺部に形成された凹部301aと、凹部301aに嵌る略板状をなす蓋部50と、を有する筐体301を備える。蓋部50には、この板面に略直交する方向に突出する取付けつまみ51が設けられている。取付けつまみ51は、板面に対して突出方向と反対方向において筐体301にねじ込まれた状態になっている。すなわち、蓋部50は、取付けつまみ51によって凹部301aに押付けられて固定されている。ここで、上述した突出部材33aには、シャッタ部材33との連結側と異なる側の端部に操作部33bが設けられている。
【0041】
また、蓋部50には、板厚方向に貫通し、シャッタ部材33に設けられた突出部材33bが挿通し、シャタ部材33の開閉に伴う突出部材33aの移動を妨げないような大きさの孔をなす開口部50aが形成されている。開口部50aには、シャタ部材33が照明光を完全に遮蔽する場合の突出部材33aの位置に設けられ、開口領域が突出部材33aの操作部33bよりも大きい大径部501aと、大径部501aからシャタ部材33移動方向に延び、操作部33bよりも狭く、かつ突出部材33aの径より大きい小径部501bとが形成されている。
【0042】
これにより、取付けつまみ51を緩めると、蓋部50と筐体301との固定が解除され、
図12,13のようにシャタ部材33が照明光を完全に遮蔽した位置では、操作部33bが大径部501aに位置しているため、操作部33bが大径部501aを潜り抜け、蓋部50は凹部301aから完全に外れる。一方、
図10,11のようにシャタ部材33が照明光を完全に遮蔽していない位置(突出部材33aが小径部501bに位置する場合)では、取付けつまみ51を緩めた場合であっても、操作部33bが小径部501bに位置しているため、操作部33bが開口部50aを潜り抜けることができず、蓋部50は凹部301a内で保持されたまま外れない。
【0043】
上述した実施の形態1の変形例1−2によれば、実施例1の効果に加え、シャタ部材33の移動中でも取出用開口部30bには蓋部50が被せられているため、光源からの光は外部に漏れにくい。そして、蓋部50は、シャタ部材33が照明光を完全に遮蔽していないと筐体301から外れないため、シャッタ部材33の移動中に不用意に取付けつまみ51を緩めても外れることがない。また、シャッタを閉じた状態でも蓋部50があるため、埃などが筐体301内部に侵入することを防ぐこともできる。さらに
図14,15に示す変形例1−3のように、上述した大径部501bと、小径部501bと比してシャッタ部材33の移動方向に沿った長さが短い小径部501cとからなる開口部50bを形成して、シャッタ部材33の移動量を減らすことによって同様の効果を得ることができ、筐体301内のシャッタ部材33の移動スペースに制約がある場合でも対応することが可能となる。
【0044】
(実施の形態2)
図16〜18は、本実施の形態2にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。なお、
図1等で上述したものと同じ構成要素には同じ符号を付してある。本実施の形態2にかかるミラーユニット切替装置3cは、上述した実施の形態1の構成に対し、移動方向に沿ってさらに延伸されたシャッタ部材36と、シャッタ部材36に対応して延伸されたガイド部材35とを有する。
【0045】
シャッタ部材36は、取出用開口部30b側の端部が、取出用開口部30bの光源側開口部30aから遠い側の端部近傍に位置した際、光源側開口部30a側の端部が、光源側開口部30aの取出用開口部30bから遠い側の端部近傍に位置するような長さまで延伸される(
図17参照)。このとき、光源側開口部30aおよび取出用開口部30bは、シャッタ部材36によって遮蔽される。
【0046】
また、
図17のシャッタ部材36の位置からさらに光源側開口部30a側に移動させると、取出用開口部30b側が開放されて、ミラーユニット2(2c)の交換が可能となる(
図18参照)。
【0047】
上述した本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様、光源側に設けられた光源側開口部およびミラーユニットを取り出すための取出用開口部を有するミラーユニット切替装置において、シャッタ部材が、光源側開口部および取出用開口部のいずれか一方の開放に伴って他方を遮蔽するようにしたので、ミラーユニットを取り出す際に取出用開口部を開放した場合、連動して光源側開口部が遮蔽されるため、簡易な構成でありながら、観察を行わないときに、標本に励起光源からの光が照射されることなく、ミラーユニットを交換することができる。
【0048】
また、実施の形態2では、シャッタ部材の位置によって光源側開口部および取出用開口部の両方を遮蔽するため、例えば、ミラーユニット切替装置(顕微鏡)の非使用時に、塵や埃等が筐体内部に進入することや、光がミラーユニット内に誤入射することを防止することができる。
【0049】
図19は、本発明の実施の形態2の変形例2−1にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
図20は、本発明の実施の形態2の変形例2−1にかかるミラーユニット切替装置のシャッタ部材の構成を模式的に示す部分断面図である。
【0050】
図19に示すミラーユニット切替装置3dでは、シャッタ部材36の光源側開口部30a側の端部にメッシュND部36a(減光部)が設けられている。メッシュND部36aは、シャッタ部材33が取出用開口部30bを遮蔽した状態で、光源側開口部30aと光源側開口部30aに最も近いミラーユニット2(2b)との間に位置し、光源側開口部30aに対応する範囲内に複数の孔36bが設けられている(
図20参照)。この孔36bによって光源14からの光を減光してミラーユニット2(2b)に入射させることができ、ミラーユニット切替装置3dにおいて、光量調整を行うことが可能となる。
【0051】
また、変形例2−1にかかるミラーユニット切替装置3dでは、シャッタ部材36の取出用開口部30b側から光源側開口部30a側への移動に連動して、光源からの光に対して、全光、減光、遮光の順で取り込み状態が変わるものとして説明したが、
図21に示す変形例2にかかるミラーユニット切替装置3eのように、メッシュND部36aの端部からさらにシャッタ部材を延伸した構成としてもよい。このとき、ミラーユニット切替装置3eでは、シャッタ部材36の取出用開口部30b側から光源側開口部30a側への移動に連動して、光源からの光に対して、全光、遮光、減光、遮光の順で取り込み状態が変わる。
【0052】
(実施の形態3)
図22,23は、本実施の形態3にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。なお、
図1等で上述したものと同じ構成要素には同じ符号を付してある。本実施の形態3にかかるミラーユニット切替装置3fは、上述した実施の形態1の構成に対し、少なくとも光源側開口部30aおよび取出用開口部30bに対応して形成されたガイド部材37と、平板状をなし、ガイド部材37に保持され、弾性変形可能なシャッタ部材38とを有する。シャッタ部材38は、弾性変形可能な部材からなり、板厚方向の面の形状において、光源側開口部30aを遮蔽した場合の形状と、取出用開口部30bを遮蔽した場合の形状とが異なる。
【0053】
ミラーユニット切替装置3fでは、ミラーユニットを交換する際、
図22に示すシャッタ部材38の位置から、
図23に示すシャッタ部材38の位置に移動させると、シャッタ部材38は、ガイド部材37の形状に沿って弾性変形しながら移動する。なお、シャッタ部材38の水平方向の長さは、ガイド部材37に沿って移動した際に、光源側開口部30aおよび取出用開口部30bの一方を遮蔽した際に、他方を開放することができる長さである。
【0054】
上述した本実施の形態3によれば、実施の形態1と同様、光源側に設けられた光源側開口部およびミラーユニットを取り出すための取出用開口部を有するミラーユニット切替装置において、シャッタ部材が、光源側開口部および取出用開口部のいずれか一方の開放に伴って他方を遮蔽するようにしたので、ミラーユニットを取り出す際に取出用開口部を開放した場合、連動して光源側開口部が遮蔽されるため、簡易な構成で安全にミラーユニットを交換することができる。
【0055】
また、実施の形態3では、弾性変形可能なシャッタ部材が、ガイド部材に沿って移動できるため、ガイド部材の形成領域の自由度を増大させることができ、その結果、筐体内における他の部材の配置の自由度を向上させることができる。なお、シャッタ部材は、弾性部材で形成されてもよいし、剛性材料で形成された蛇腹形状をなすものであってもよい。
【0056】
(その他の実施の形態)
図24,25は、その他の実施の形態にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。なお、
図1等で上述したものと同じ構成要素には同じ符号を付してある。その他の実施の形態にかかるミラーユニット切替装置3gは、所定位置に設けられた軸を中心軸として回転するシャッタ部材39を有する。
【0057】
シャッタ部材39は、光源側開口部30aを遮蔽可能な板状をなす第1遮蔽部材39aと、第1遮蔽部材39aの端部に連結され、光源側開口部30aから取出用開口部30bへの入射光を遮蔽する第2遮蔽部材39bと、第1遮蔽部材39aと第2遮蔽部材39bとの連結部分に設けられ、ターレット31のミラーユニットの載置面に対して垂直な方向に延びる回転軸39cと、を有する。第1遮蔽部材39aおよび第2遮蔽部材39bは、回転軸39cを中心軸として回転可能である。
【0058】
また、ターレット31は、上述した軸31aおよび開口部31b(不図示)と、各ミラーユニット2a〜2d間にそれぞれ設けられ、隣接するミラーユニット等から漏れる光を遮蔽する遮光部材31cと、を有する。
【0059】
図24に示すように、取出用開口部30bは、第1遮蔽部材39aによって遮蔽された状態となる。一方、第1遮蔽部材39aおよび第2遮蔽部材39bを回転軸39cまわりに回転させると、取出用開口部30bが開放されるとともに、第2遮蔽部材39bと遮光部材31cとによって、光源側開口部30aから取出用開口部30bへの直線的な光の進入を遮断する。
【0060】
上述したその他の実施の形態によれば、実施の形態1と同様、光源側に設けられた光源側開口部およびミラーユニットを取り出すための取出用開口部を有するミラーユニット切替装置において、シャッタ部材が、取出用開口部の開放に伴って光源側開口部と取出用開口部との間の光の進入を遮断するようにしたので、ミラーユニットを取り出す際に取出用開口部を開放した場合、取出用開口部から光源側開口部の光が漏れ出ることがないため、簡易な構成でありながら、観察を行わないときに、標本に励起光源からの光が照射されることなく、ミラーユニットを交換することができる。
【0061】
図26は、その他の実施の形態の変形例にかかるミラーユニット切替装置の要部の構成を模式的に示す部分断面図である。
図27は、その他の実施の形態の変形例にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
図28は、その他の実施の形態の変形例にかかるミラーユニット切替装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【0062】
その他の実施の形態の変形例にかかるミラーユニット切替装置3hは、
図26に示すように、筐体30の上部(天板部)にガイド部材40が配設される。ガイド部材40は、取出用開口部30bに対応して延びるとともに、取出用開口部30bの光源側開口部30a側の端部でターレット31側に屈曲して延びている。このとき、ガイド部材40の光源側開口部30a側の端部は、遮光部材31cの端部近傍まで延びている。
【0063】
上述したガイド部材40に対し、
図27に示すように、シャッタ部材41を配設する。シャッタ部材41は、実施の形態3と同様、弾性変形可能な略板状をなす。また、シャッタ部材は、上述した突出部材33aを有する。シャッタ部材41のガイド部材に沿って移動する方向の長さは、少なくとも取出用開口部30bを覆うような長さであればよい。このとき、シャッタ部材41は、ガイド部材40に沿って移動可能となるようにガイド部材40によって保持されている。
【0064】
また、シャッタ部材41を光源側開口部30a側に移動させると、取出用開口部30bが開放されるとともに、シャッタ部材41と遮光部材31cとによって、光源側開口部30aと取出用開口部30bとの間の光の進入を遮断する。このとき、シャッタ部材41は、板厚方向の面の形状において、光源側開口部30aを遮蔽した場合の形状と、取出用開口部30bを遮蔽した場合の形状とが異なる。
【0065】
上述した実施の形態1〜3、その他の実施の形態では、
図1に示すような倒立顕微鏡を前提として説明したが、正立顕微鏡についても適用可能である。また、上述した実施の形態1〜3では、ガイド部材が凹状をなし、凹状の内部空間でシャッタ部材を保持するものとして説明したが、筐体の内部壁面に溝(ガイド部)を形成し、この溝によってシャッタ部材を保持するものであってもよい。
【0066】
以上のように、本発明にかかるミラーユニット切替装置および顕微鏡は、簡易な構成でありながら、観察を行わないときに、標本に励起光源からの光が照射されることなく、ミラーユニットを交換するのに有用である。