特許第5993204号(P5993204)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5993204
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】2次元コード読取装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20160901BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20160901BHJP
   G10L 13/02 20130101ALI20160901BHJP
【FI】
   G06K7/10 392
   G06K7/14 017
   G10L13/02 110B
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-114178(P2012-114178)
(22)【出願日】2012年5月18日
(65)【公開番号】特開2013-242636(P2013-242636A)
(43)【公開日】2013年12月5日
【審査請求日】2015年4月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】504203572
【氏名又は名称】国立大学法人茨城大学
(74)【代理人】
【識別番号】100093872
【弁理士】
【氏名又は名称】高崎 芳紘
(74)【代理人】
【識別番号】100166132
【弁理士】
【氏名又は名称】木船 英雄
(72)【発明者】
【氏名】藤芳 明生
【審査官】 伏本 正典
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−199984(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3156332(JP,U)
【文献】 特開平10−154202(JP,A)
【文献】 米国特許第05905250(US,A)
【文献】 米国特許第05802179(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00−7/14
G06K 17/00
G06K 19/00−19/18
G10L 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字や図、写真に重ねて、またはその近傍に印刷された2次元コードを光学的に読み取る2次元コード読取部と、前記2次元コードに対応する音声データを記憶する音声データ記憶部と、前記2次元コード読取部で読み取った2次元コードに対応する音声データを前記音声データ記憶部から読み出す音声データ読出部と、当該音声データ読出部で読み出した音声データを再生する音声データ再生部とを有する2次元コード読取装置であって、
前記音声データ読出部は、
前記2次元コード読取部で読み取られた2次元コードに対応する音声データを前記音声データ記憶部から読み出して一時的に保存すると共に、最後に読み取られた2次元コードの読み取り終了時から一定時間次の2次元コードの読み取りがないときは、それまでに読み出したすべての音声データを前記音声データ再生部に送り、
前記音声データ再生部は、
前記音声データ読出部で読み出したすべての音声データを連続して再すると共に、前記音声データ読出部で読み出したすべての音声データのうち、最後に読み出した音声データがその直前の音声データと同じときは、読み出したすべての音声データを繰り返し再生することを特徴とする2次元コード読取装置。
【請求項2】
文字や図、写真に重ねて、またはその近傍に印刷された2次元コードを光学的に読み取る2次元コード読取部と、前記2次元コードに対応する音声データを記憶する音声データ記憶部と、前記2次元コード読取部で読み取った2次元コードに対応する音声データを前記音声データ記憶部から読み出す音声データ読出部と、当該音声データ読出部で読み出した音声データを再生する音声データ再生部とを有する2次元コード読取装置であって、
前記音声データ読出部は、
前記2次元コード読取部で読み取られた2次元コードに対応する音声データを前記音声データ記憶部から読み出して一時的に保存すると共に、最後に読み取られた2次元コードの読み取り終了時から一定時間次の2次元コードの読み取りがないときは、それまでに読み出したすべての音声データを前記音声データ再生部に送り、
前記音声データ再生部は、
前記音声データ読出部で読み出したすべての音声データを連続して再生し、
前記音声データ記憶部は、
前記2次元コードに対応する音声データごとに1種類以上の副音声データを記憶しており、
前記音声データ読出部は、
前記2次元コード読取部から送られてきたすべての2次元コードのうち、最後に送られてきた2次元コードがその直前の2次元コードと同じときは、2次元コードに対応する音声データごとに関連した副音声データを前記音声データ再生部に送り、
前記音声データ再生部は、
前記音声データ読出部から送られてきた副音声データを再生することを特徴とする2次元コード読取装置。
【請求項3】
文字や図、写真に重ねて、またはその近傍に印刷された2次元コードを光学的に読み取る2次元コード読取部と、前記2次元コードに対応する音声データを記憶する音声データ記憶部と、前記2次元コード読取部で読み取った2次元コードに対応する音声データを前記音声データ記憶部から読み出す音声データ読出部と、当該音声データ読出部で読み出した音声データを再生する音声データ再生部とを有する2次元コード読取装置であって、
前記2次元コード読取部は、前記2次元コードが印刷された紙面上を任意の範囲でスライドさせて複数の2次元コードを連続的に読み取ると共に、その動きを一定時間停止または紙面から離したときにその読み取りを終了し、
前記音声データ読出部は、
前記2次元コード読取部で連続的に読み取られた2次元コードに対応する音声データを前記音声データ記憶部から読み出して一時的に保存すると共に2次元コードの読み取りが終了したときは、それまでに読み出したすべての音声データをその読み取り順に前記音声データ再生部に送り、
前記音声データ再生部は、
前記音声データ読出部で読み出したすべての音声データをその読み取り順に連続して再生することを特徴とする2次元コード読取装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の2次元コード読取装置において、
前記音声データ再生部は、
前記音声データ読出部で読み出した音声データの再生中に前記音声データ読出部から新たな音声データが送られてきたときは、その再生を中止して新たな音声データを再生することを特徴とする2次元コード読取装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の2次元コード読取装置において、
前記音声データ記憶部、音声データ読出部、音声データ再生部は、ペン型の筐体内に収容されていると共に、前記2次元コード読取部は、前記ペン型筐体のペン先部分に収容されて当該ペン先部分から前記2次元コードを読み取ることを特徴とする2次元コード読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の文字や図、写真などに重ねて印刷された2次元コードを光学的に読み取り、それに対応する音声を再生する2次元コード読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、文字や画像に重ねてQRコード(登録商標)やドットコードなどの2次元コードが印刷された出版物が多く出回るようになってきた。これらの出版物は、印刷された文字や図、写真の近傍またはこれらに重ねて2次元コードが印刷されたものであり、専用の光学的読取装置によってこれらの2次元コードを読み取ると、読み取った2次元コードに対応する文章の朗読や図、写真の解説などの音声がその読取装置から逐次再生(出力)されるものである。
【0003】
この種の技術に関する先行技術文献として例えば以下の特許文献1では、印刷物に印刷した文字領域や画像領域に操作ペンでタッチするだけで、そのタッチした領域に対応した情報が音声で出力される音声ガイドシステムが提案されている。また、以下の特許文献2では、本に印刷されている視覚情報に関連する情報を視覚情報に付加されたドットコードに基づいて記憶手段から読み出し、音声や画像で入手できる音声入手システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−116479号公報
【特許文献2】特開2005−38252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のシステムでは、2次元コードの読取り操作と、それに対応する音声の再生が1対1の関係となっている。そのため、ある領域の文章を纏めて朗読(再生)する場合や任意の文章のみを任意の回数朗読(音声再生)させる場合などには、その都度その部分の2次元コードを読み取ったり、あるいは別のスイッチを操作するなどの複数の操作を組み合わせる必要があり、きめ細かい音声再生を簡単に行うことは困難であった。
【0006】
そこで、本発明はこれらの課題を解決するために案出されたものであり、その目的は、簡単な動作を加えるだけできめ細かい音声再生を行うことができる新規な2次元コード読取装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために第1の発明は、文字や図、写真に重ねて、またはその近傍に印刷された2次元コードを光学的に読み取る2次元コード読取部と、前記2次元コードに対応する音声データを記憶する音声データ記憶部と、前記2次元コード読取部で読み取った2次元コードに対応する音声データを前記音声データ記憶部から読み出す音声データ読出部と、当該音声データ読出部で読み出した音声データを再生する音声データ再生部とを有する2次元コード読取装置であって、前記音声データ読出部は、前記2次元コード読取部で読み取られた2次元コードに対応する音声データを前記音声データ記憶部から読み出して一時的に保存すると共に、最後に読み取られた2次元コードの読み取り終了時から一定時間次の2次元コードの読み取りがないときは、それまでに読み出したすべての音声データを前記音声データ再生部に送り、前記音声データ再生部は、前記音声データ読出部で読み出したすべての音声データを連続して再生することを特徴とする2次元コード読取装置である。
【0008】
このような構成によれば、文字や図、写真に重ねて印刷された2次元コードを連続して読み取るように2次元コード読取部を任意の箇所から他の箇所まで滑らせるように移動させる動作(スライド)をするだけで、その読み取った2次元コードに対応する音声をまとめて再生することができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記音声データ再生部は、前記音声データ読出部で読み出したすべての音声データのうち、最後に読み出した音声データがその直前の音声データと同じときは、読み出したすべての音声データを繰り返し再生することを特徴とする2次元コード読取装置である。
【0010】
このような構成によれば、前記2次元コード読取部を同じ2次元コードに対して繰り返して触れるような動作(ダブルタッチ:2度読取り動作)をするだけで、読み出した音声データを繰り返し再生することができる。
【0011】
第3の発明は、第1の発明において、前記2次元コードに対応する音声データごとに1種類以上の副音声データを記憶しており、前記音声データ読出部は、前記2次元コード読取部から送られてきたすべての2次元コードのうち、最後に送られてきた2次元コードがその直前の2次元コードと同じときは、2次元コードに対応する音声データごとに関連した副音声データを前記音声データ再生部に送り、前記音声データ再生部は、前記音声データ読出部から送られてきた副音声データを再生することを特徴とする2次元コード読取装置である。
【0012】
このような構成によれば、前記2次元コード読取部を同じ2次元コードに繰り返して触れるような動作(ダブルタッチ:2度読取り動作)をするだけで、2次元コードに対応する音声データごとに関連した副音声データを再生することができる。
【0013】
第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記音声データ再生部は、前記音声データ読出部で読み出した音声データの再生中に前記音声データ読出部から新たな音声データが送られてきたときは、その再生を中止して新たな音声データを再生することを特徴とする2次元コード読取装置である。
【0014】
このような構成によれば、音声データの再生中に、前記2次元コード読取部で新たな2次元コードを読み取るような動作をすれば、その再生がキャンセルされて後から読み取られた新たな2次元コードに対応する音声データを直ちに読み出して再生することができる。
【0015】
第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記音声データ記憶部、音声データ読出部、音声データ再生部はペン型の筐体内に収容されていると共に、前記2次元コード読取部は前記ペン型筐体のペン先部分に収容されて当該ペン先部分から前記2次元コードを読み取ることを特徴とする2次元コード読取装置である。
【0016】
このような構成によれば、片手でペンを握り、そのペン先を目的とする文字や図上にあてがって動かすような操作をするだけで、目的とする領域間の音声データの連続再生や繰り返し再生などのきめ細やかな操作をより簡単かつ確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、文字や図、写真に重ねて印刷された2次元コードを連続して読み取るような動作(スライド)や2度読み動作(ダブルタッチ)などの簡単な動作(アクション)を加えるだけで、その動作に応じた音声再生を行うことができる。これによって、再生したい部分の2次元コードをその都度読み取ったり、あるいは別のスイッチを操作する必要がなくなって、きめ細かい音声再生を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る2次元コード読取装置100の実施の一形態を示すブロック図である。
図2】文字列と2次元コードCが印刷された印刷物Sの一例を示す図である。
図3】外部記憶装置(メモリーカード)31に記憶された音声ファイル(音声データ)データ構造を示す図である。
図4】本発明に係る2次元コード読取装置100の動作処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
図5】本発明に係る2次元コード読取装置100の動作例(2次元コード読取り例)を示す概念図である。
図6】本発明に係る2次元コード読取装置100の動作例(2次元コード読取り例)を示す概念図である。
図7】本発明に係る2次元コード読取装置100の動作処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る2次元コード読取装置100の実施の一形態を示したものである。図示するようにこの2次元コード読取装置100は、片手で持てる程度の大きさのペン型筐体10内に、2次元コード読取部20と、音声データ記憶部30と、音声データ読出部40と、音声データ再生部50とをそれぞれ構成する各種電子部品およびこれらを動作する電源(乾電池)60とが収容された構造となっている。
【0020】
2次元コード読取部20は、このペン型筐体10のペン先部分に収容されており、赤外線照射部21と、読取りセンサー22と、ICデコーダ23とから構成されている。そして、ペン型筐体10のペン先部分に形成された開口部11を介して赤外線照射部21から印刷物S上に赤外線を照射し、反射してきた赤外線(2次元コード)を読取りセンサー22で読み取り、読み取った2次元コードをICデコーダ23によって、例えば7〜10桁程度の英数字コードに変換して音声データ読出部40に送るようになっている。
【0021】
音声データ記憶部30は、例えばカード型の半導体メモリーなどからなる外部記憶装置31と、この外部記憶装置31を着脱自在に装着するカード差込部32とから構成されている。この外部記憶装置31には、2次元コードが印刷された印刷物Sの印刷内容に対応した大量の音声データが音声ファイルとして記憶(保存)されており、カード差込部32に装着されることで保存された音声データ(音声ファイル)が音声データ読出部40に読み出されるようになっている。
【0022】
音声データ読出部40は、2次元コード読取部20で読み取った2次元コードに対応する音声データを音声データ記憶部30から読み出して音声データ再生部50に送るようになっている。この音声データ読出部40は、具体的にはMPUとROMとRAMなどをパッケージした情報処理装置(ICチップ)で構成されており、2次元コード読取部20から送られてきた英数字コードに対応するアドレスに基づいて音声データ記憶部30にアクセスし、そのアドレスに対応する音声ファイルを読み出してきてその音声データを個別にあるいはまとめて音声データ再生部50に送るようになっている。
【0023】
また、この音声データ読出部40は、音声データ記憶部30から読み出した音声データを直ちに音声データ再生部50に送るのではなく、所定時間ストックしておく機能を有している。すなわち、この音声データ読出部40は、2次元コード読取部20によって2次元コードを連続して読み取った場合に、最後に送られてきた英数字コードの送信時から一定時間(例えば、数百ミリ秒〜1秒程度)次の英数字コードの送信がないときは、読み取りが終了したと判断してそれまでに送られてきた英数字コードに対応する音声データをまとめて音声データ再生部50に送るようになっている。
【0024】
音声データ再生部50は、音声データ読出部40で読み出した音声データを再生するものであり、データ処理部51と、スピーカー52とから構成されている。そして、このデータ処理部51の処理プログラムによって音声データを処理(デコード)して電気信号に変換し、適宜増幅してスピーカー52から聴覚可能な音声として再生出力するようになっている。なお、この音声データ再生部50には図示しないボリュームスイッチなどが付設されており、ユーザーの操作によってその再生音量や再生速度などが調整可能となっている。
【0025】
図2は、この2次元コード読取装置100で読み取るための2次元コードが印刷された印刷物Sの一例を示したものである。この印刷物Sを構成する紙面上には、目視で判読可能な文字列が複数の段落に分けて印刷されている。そして、この文字列上には、照射された赤外線を吸収する多数の2次元コードCが、目視による識別困難な状態で重ねて印刷されている。この2次元コードCは、例えば図中拡大部に示すように小さな単位領域(0.5mm×0.5mm)の単位領域内に複数のドットを配置したドットコードなどからなっており、それぞれのドットコードには、例えばそれぞれの文字列を識別する情報(コード)C1とその領域を識別するコード(情報)C2が含まれている。
【0026】
図3は、音声データ記憶部30に保存されていて音声データ読出部40によって読み出される音声ファイル(音声データ)のデータ構造の一例を示したものである。例えば、最初のフォルダ「A001000」には3つの音声ファイル「A001001」、「A001002」、「A001003」が収容されており、1番目の音声ファイル「A001001」には「春はあけぼの(ハルワアケボノ)」という音声データが、また、2番目の音声ファイル「A001002」には、「やうやう白きなりゆき山ぎは(ヨウヨウシロクナリユキヤマギハ)」という音声データが、さらに3番目の音声ファイル「A001003」には、「少し明かりて紫だちたる雲の細くたなびきたる(スコシアカリテムラサキダチタルクモノホソクタナビキタル)」という音声データがそれぞれ収容されている。
【0027】
次に、このような構成をした2次元コード読取装置100による処理の流れを図4のフローチャートを主に参照しながら説明する。先ず、この2次元コード読取装置100は、図示しないスイッチを操作して電源を投入することによって初期のシステムチェックが終了したならば、最初のステップ101に移行して2次元コードCが読み取られたか否かを判断する。所定時間(例えば1〜2分間)経過しても2次元コードCが読み取られないとき(NO)は、電源を強制的に切ってそのまま処理を終了するが、所定時間内に2次元コードCが読み取られたとき(YES)は、次のステップS103に移行する。
【0028】
ステップS103では、直ちに読み取った2次元コードCに対応する音声データを外部記憶装置31から読み出してきてその音声データを一時的にストックして次のステップS105に移行する。ステップS105では、最後に読み取った2次元コードCの読み取り終了後、一定時間(例えば、数百ミリ秒〜1秒程度)内に他の2次元コードCを読み取ったか否かを判断し、読み取ったとき(YES)は、ステップS103に移行して同じ処理を繰り返す。
【0029】
一方、一定時間内に他の2次元コードCが読み取られないとき(NO)は、次のステップS107に移行してストックしておいたすべての音声データをその読み取り順に再生する。そして、最後の音声データの再生が終了したならば、最初のステップS101に戻って同様な処理を繰り返す。
【0030】
これら一連の処理を具体例を挙げて説明する。図2および図5に示すように、この2次元コード読取装置100を手に持った状態のユーザーは、文字列と2次元コードCとが印刷された印刷物Sの紙面の文字列のうち、音声として出力したい文章(段落)の最初の文字列、例えば「春はあけぼの」の文字列をそのペン先部分でタッチした状態でそのまま文末の「…わろし」の文字列まで一気にスライドしてから、その動きを停止または紙面から筐体10のペン先部分を離したとする。
【0031】
すると、この2次元コード読取装置100によって、最初の文字列に重ねて印刷された2次元コードから始まって次々と他の2次元コードが読み取られ、文末の文字列に重ねて印刷された最後の2次元コードまでの読み取りが一気に連続して行われる。このような動作がなされた場合、この2次元コード読取装置100は、印刷された文字列の最初から最後まで選択されたと判断して、それに対応するすべての音声データをメモリーカード31から読み出してきてまとめて再生する。これによって、その後特別な操作をすることなく、その文章全体を連続して音声再生(朗読)することができる。
【0032】
また、この2次元コード読取装置100のペン先部分を印刷された文字列の最初から2段落目の最後の文字列までスライドしてその動きを停止または紙面から離した場合には、その間の2次元コードだけが読み取られることになるため、それに対応する音声データのみがまとめて再生されてそれ以降の文字列は再生されない。また、1つの文字列おきに、あるいは一段落おきに短時間で順にタッチするようにペン先部分を動かした場合も同様にそのタッチした部分の文字列または段落に印刷された2次元コードのみが読み取られるため、その部分の音声だけが再生されてそれ以外の文字列または段落の音声の再生を省略することができる。
【0033】
このように本発明の2次元コード読取装置100は、その筐体10のペン先部分をある文字列(2次元コードC)から他の文字列(2次元コードC)に亘ってスライド移動させたり、順に文字列(2次元コードC)にタッチするなどしてユーザーが再生(音声出力)したい範囲や部分を指定する動きをするだけで、その指定した領域や部分の文字列を順にまとめて再生することが可能となる。これによって、再生したい部分の2次元コードCをその都度読み取ったり、あるいは別のスイッチを操作する必要がなくなって、きめ細かい音声再生を簡単に行うことができる。
【0034】
なお、図5に示すように、本発明の2次元コード読取装置100を、音声として出力したい文章(段落)の最初の文字列から最後の文字列まで一気にスライド移動させた場合、その移動速度が速いとその中間の文字列の2次元コードが読み取れない可能性がある。そのため、このような動きがなされた場合には、最初の文字列の2次元コードと最後の文字列の2次元コードの間にあるすべての文字列が選択されたものとみなしてその間の文字列をすべて音声出力するようにしても良い。
【0035】
また、本発明の2次元コード読取装置100は、その筐体10がペン型となってそのペン先部分に読取部が設けられているため、片手でペンを握り、そのペン先部分を目的とする文字や絵図上に触れてそのまま滑らすように動かす操作(スライド)をするだけで、目的とする文字列(2次元コードC)のみを簡単かつ正確に選択することができる。
【0036】
次に、図6および図7は本発明の他の実施形態を示したものである。図示するように本実施の形態では、同じ2次元コードを連続して2回以上読み取るように筐体10を動かした場合、つまり筐体10のペン先相当部分を印刷物Sの紙面に対してダブルタッチ(2度接触)するような動きをしたときの処理の一例を示したものである。この処理は図4で示したステップS105における2次元コードの読み取り終了後に、新たなステップS106と、S108を加えたものである。
【0037】
ステップS106では、最後に読み取った2次元コードとその直前に読み取った2次元コードを比較して同じであるか否か、つまり読み取り最後にダブルタッチされたか否かを判断し、ダブルタッチでないと判断したとき(NO)は、ステップS107に移行して読み取った2次元コードに対応する音声ファイルの音声データ(原文)を送信してステップS109に移行する。なお、ダブルタッチであるか否かは、筐体10を上下動することによって印刷物Sからの赤外線の反射光の明るさが変化(離れたときに一時的に減少)するために、容易に判断することができる。
【0038】
一方、ダブルタッチであると判断したとき(YES)は、ステップS108に移行して読み取った2次元コードCに対応する音声ファイルの副音声データ(現代語訳文)を送信してステップS109に移行する。そして、ステップS109では、それぞれ読み出された音声データを順次再生することになる。すなわち、原文の音声データに、それに対応する副音声データ(現代語訳文)を含めておき、図2に示すように、「枕草子」の原文の最後でダブルタッチの動作がなかった場合には、図4に示したように指定された範囲の原文をそのまま再生するが、ダブルタッチの動作があった場合には、その原文の副音声データである現代語訳を再生することになる。
【0039】
このように前述したスライドという動作に加えてダブルタッチのような動作を加えることで原文に対応する副音声データを再生出力するといった、よりきめ細かい音声再生を実施することができる。また、ダブルタッチした場合には、その範囲を繰り返し再生したり、その意味や発音などを再生するようにしても良い。例えば、文字列が英文などの外国語の場合には、任意の箇所をダブルタッチするだけで同じ単語や熟語を繰り返し再生したり、その発音や日本語訳を音声で再生するようにしても良い。
【0040】
さらに同じ箇所を3回以上タッチする動作やペン先を素早く振る動作などを組み合わせた複雑な動作に対応させた別の再生を行うようにしても良い。さらに、音声データの再生中に、新たな2次元コードを読み取るような動作をした場合には、その再生を直ちにキャンセルして後から読み取られた2次元コードCに対応する音声データを再生するようにしても良い。
【符号の説明】
【0041】
100…2次元コード読取装置
10…ペン型筐体
11…開口部
20…2次元コード読取部
21…赤外線照射部
22…読取りセンサー
23…ICデコーダ
30…音声データ記憶部
31…外部記憶装置(メモリーカード)
32…差込部
40…音声データ読出部
50…音声データ再生部
51…データ処理部
52…スピーカー
C…2次元コード
S…印刷物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7