(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
[構成]
図1と
図2と
図3Aと
図3Bと
図3Cと
図3Dとを参照して第1の実施形態について説明する。
【0014】
[内視鏡10]
図1に示すように内視鏡10は、例えば体腔に挿入される中空の細長い挿入部20と、挿入部20の基端部と連結し、内視鏡10を操作する操作部30とを有している。
【0015】
[挿入部20]
挿入部20は、挿入部20の先端部側から挿入部20の基端部側に向かって、先端硬質部21と、湾曲部23と、可撓管部25とを有している。先端硬質部21の基端部は湾曲部23の先端部と連結し、湾曲部23の基端部は可撓管部25の先端部と連結している。
先端硬質部21は、挿入部20の先端部であり、硬く、曲がらない。
湾曲部23は、後述する湾曲操作部37の操作によって、例えば上下左右といった所望の方向に湾曲する。湾曲部23が湾曲することにより、先端硬質部21の位置と向きとが変わり、図示しない照明光が観察対象物に照明され、観察対象物が観察視野内に捉えられる。この観察対象物とは、例えば、被検体(例えば体腔)内における患部や病変部等である。
可撓管部25は、所望な可撓性を有している。よって可撓管部25は、外力によって曲がる。可撓管部25は、操作部30における後述する本体部31から延出されている管状部材である。
先端硬質部21と湾曲部23と可撓管部25とを含む挿入部20の詳細な構成については、後述する。
【0016】
[操作部30]
操作部30は、可撓管部25が延出している本体部31と、本体部31の基端部と連結し、内視鏡10を操作する操作者によって把持される把持部33と、把持部33と接続しているユニバーサルコード41とを有している。
【0017】
[本体部31]
本体部31は、処置具挿入口35aを有している。処置具挿入口35aは、
図3Cと
図3Dとに示す処置具挿通チャンネル35cの基端部と連結している。処置具挿通チャンネル35cは、挿入部20の内部に配設され、可撓管部25から先端硬質部21に渡って配設されている。処置具挿通チャンネル35cの先端部は、
図3Aに示すように先端硬質部21に配設されている先端開口部35bと連通している。処置具挿入口35aは、図示しない内視鏡用処置具を処置具挿通チャンネル35cに挿入するための挿入口である。図示しない内視鏡用処置具は、処置具挿入口35aから処置具挿通チャンネル35cに挿入され、先端硬質部21側まで押し込まれる。そして内視鏡用処置具は、先端開口部35bから突出される。
【0018】
[把持部33]
把持部33は、湾曲部23を湾曲操作する湾曲操作部37と、スイッチ部39とを有している。
【0019】
[湾曲操作部37]
湾曲操作部37は、湾曲部23を左右に湾曲操作させる左右湾曲操作ノブ37aと、湾曲部23を上下に湾曲操作させる上下湾曲操作ノブ37bと、湾曲した湾曲部23の位置を固定する固定ノブ37cとを有している。
【0020】
[スイッチ部39]
スイッチ部39は、吸引スイッチ39aと、送気・送水スイッチ39bと、内視鏡撮影用の各種スイッチ39cとを有している。吸引スイッチ39aと送気・送水スイッチ39bと各種スイッチ39cとは、把持部33が操作者に把持された際に、操作者の手によって操作される。
吸引スイッチ39aは、吸引開口部を兼ねる前記した先端開口部35bから吸引チャンネルを兼ねる処置具挿通チャンネル35cを介して、粘液や流体等を内視鏡10が吸引するときに操作される。
送気・送水スイッチ39bは、先端硬質部21において撮像ユニット50の観察視野を確保するために、図示しない送気チューブと
図3Cと
図3Dとに示す送気・送水チューブ203fとから流体を送気するときと、図示しない送水チューブと送気・送水チューブ203fとから流体を送水するときに操作される。流体は、水や気体を含む。
送気チューブと、送水チューブと、送気・送水チューブ203fとは、内視鏡10の内部において、挿入部20から本体部31と把持部33とを介してユニバーサルコード41にまで配設されている。
【0021】
[ユニバーサルコード41]
ユニバーサルコード41は、制御装置14に着脱自在な接続コネクタ41aを有している。制御装置14は、内視鏡10を制御する。また制御装置14は、後述する撮像ユニット50によって撮像された画像を処理する画像処理部を有している。また制御装置14は、撮像ユニットによって撮像された画像を表示する表示部であるモニタ16と接続している。
【0022】
[挿入部20の構成]
図2と
図3Aと
図3Bと
図3Cと
図3Dとを参照して、可撓管部25と湾曲部23と先端硬質部21との構成をそれぞれ、説明する。
【0023】
[可撓管部25の構成]
図2に示すように、可撓管部25は、例えば、中空形状を有している。詳細には、可撓管部25は、例えば、螺旋管25aと、この螺旋管25aの外側に配設され、螺旋管25aに積層するように螺旋管25aをカバーする網状の網状管25bと、この網状管25bの外側に配設され、網状管25bに積層するように網状管25bをカバーする外皮25cとを有している。
このように可撓管部25は、螺旋管25aと網状管25bと外皮25cとによって構成される3層構造を有している。
【0024】
この場合、可撓管部25において、例えば、網状管25bと、最も外側に配設されている最外層として機能する外皮25cとは、カバー部材27として機能する。カバー部材27は、挿入部20に含まれる。
【0025】
螺旋管25aは、例えば帯状の薄板素材が螺旋形状に成形されることによって、略円管状に形成されている。薄板素材は、例えばステンレス鋼材製である。螺旋管25aの先端部と基端部とは、螺旋管25aの中心軸に対して略90度となるようにカットされている。螺旋管25aは、例えば薄肉金属螺旋管である。螺旋管25aは、例えば、疎巻きに形成されている。螺旋管25aは、可撓管部25全体の潰れと、可撓管部25の局所的な潰れとを防止するために、可撓管部25の長手(軸)方向に沿って可撓管部25全体に渡って配設されている。螺旋管25aは、先端部から基端部まで均一の太さを有している。
【0026】
網状管25bは、例えば素線束が略円管状に編み込まれることで、形成される。素線束は、複数の素線が束にされることで形成される。素線は、例えばステンレス鋼材製である。網状管25bにおいて、素線束同士は、交差され、格子状となっている。網状管25bは、網状管25bの先端部から網状管25bの基端部まで均一の太さを有している。
【0027】
外皮25cは、例えばゴム材などのフレキシブル性を有する樹脂材によって形成されている。外皮25cは、網状管25bの外側をカバーするように略円管状に形成されている。
【0028】
[湾曲部23の構成]
図2に示すように、湾曲部23は、複数の略円筒(環状)形状の節輪231が挿入部20の長手方向に沿って並設されていることで、構成されている。隣り合う(挿入部20の長手方向に沿って前後に位置する)節輪231は、例えばピンなどの連結部材233によって回動可能に連結されている。このように隣り合う節輪231同士が互いに回動可能に連結されることで、上述したように湾曲(回動)可能な湾曲部23が形成される。
【0029】
図1に示すように、湾曲部23は、先端硬質部21よりも操作部30側に配設されている。湾曲部23の先端部に配設されている節輪231は、接続管(口金)231aを介して先端硬質部21と連結している。この接続管231aは、湾曲部23の先端部に配設されており、この湾曲部23の先端部に配設されている節輪231を後述する本体部201に接続する。
図2に示すように、湾曲部23の最も基端部に配設されている節輪231bは、口金235を介して可撓管部25(螺旋管25a)の先端部と連結している。接続管231aと口金235とは、湾曲部23に含まれてもよい。この場合、接続管231aは、湾曲部23の先端部に含まれる。
【0030】
図2と
図3Bとに示すように、湾曲部23は、例えば、節輪231の外側に配設され、節輪231に積層するように節輪231をカバーする網状の網状管23bと、この網状管23bの外側に配設され、網状管23bに積層するように網状管23bをカバーする外皮23cとを有している。
このように湾曲部23は、節輪231と網状管23bと外皮23cとによって構成される3層構造を有している。
【0031】
この場合、湾曲部23において、例えば、網状管23bと、最も外側に配設されている最外層として機能する外皮23cとは、カバー部材27として機能する。カバー部材27は、挿入部20に含まれる。外皮23cは、
図3Bに示すように、先端硬質部21もカバーする。
【0032】
湾曲部23の網状管23bと外皮23cとは、可撓管部25の網状管25bと外皮25cと略同一の構成である。
【0033】
[先端硬質部21の構成]
図3Aと
図3Bとに示すように、先端硬質部21は、例えば金属などの硬質部材によって形成されている本体部201と、例えば樹脂などの軟質部材によって形成され、本体部201の先端部をカバーするカバー部211とによって形成されている。
【0034】
[本体部201]
本体部201は、接続管231aを介して湾曲部23の最も先端部に配設されている節輪231と連結する。
図3Aと
図3Cとに示すように、本体部201は、撮像ユニット50と、1対の照明ユニット60と、処置具挿通チャンネル35cと、送気・送水チューブ203fとを保持する保持部材である。
【0035】
撮像ユニット50と、照明ユニット60と、処置具挿通チャンネル35cと、送気・送水チューブ203fとは、先端硬質部21から湾曲部23と可撓管部25とを介して操作部30にまで内視鏡10を挿通している挿通部材であり、挿入部20と操作部30とに内蔵されている内蔵物である。このため本体部201は、このような挿通部材(内蔵物)を保持する保持部材である。
詳細には、本体部201は、挿通部材をそれぞれ保持するため、挿入部20の長手軸方向に本体部201を貫通している個別の貫通口部203を有している。
貫通口部203は、
図3Aと
図3Bと
図3Cとに示すように、撮像ユニット50が挿入される撮像挿入孔部203aと、照明ユニット60が挿入される1対の照明挿入孔部203bと、先端開口部35bと連通し、処置具挿通チャンネル35cが嵌り込むチャンネル挿入口部203cと、送気・送水ノズル203dと送気・送水チューブ203fとが互いに連通するように嵌り込む送気・送水貫通孔部203eとを有している。
撮像挿入孔部203aと照明挿入孔部203bとチャンネル挿入口部203cと送気・送水貫通孔部203eとは、それぞれ別体である。またこれらは、それぞれに挿入される内蔵物の形状に対応する形状を有している。つまり、例えば、照明挿入孔部203bは、照明ユニット60に対応する形状を有しており、詳細には照明ユニット60が嵌合するような形状を有している。
【0036】
照明挿入孔部203bは、先端硬質部21の平面方向において撮像挿入孔部203aを挟み込むように配設されている。これにより照明ユニット60は、先端硬質部21の平面方向において撮像ユニット50を挟み込むように配設される。つまり照明ユニット60は、撮像ユニット50を中心に対称に配設されている。送気・送水貫通孔部203eは、本体部201の径方向において、撮像挿入孔部203aと隣り合うように配設されている。また送気・送水チューブ203fは、先端硬質部21の平面方向において、撮像ユニット50と隣り合うように配設される。
【0037】
そして挿通部材(内蔵物)が各貫通口部203に挿入され配設されることで、本体部201は挿通部材(内蔵物)をそれぞれ保持する。つまり本体部201は、穿設されている中空部材である。
【0038】
このように、中空部材である本体部201は、内視鏡10の挿入部20の先端部に配設されており、本体部201の軸方向に本体部201を貫通している貫通口部203を有している。
【0039】
[カバー部211]
図3Aと
図3Bとに示すように、カバー部211は、撮像挿入孔部203aと照明挿入孔部203bと送気・送水チューブ203fとチャンネル挿入口部203cとの先端部と本体部201の先端面とを含む本体部201の先端部をカバーする。カバー部211は、透明な材料によって形成されていてもよい。
【0040】
カバー部211は、チャンネル挿入口部203cに対応する位置に配設され、カバー部211が本体部201の先端部をカバーする際に、外部とチャンネル挿入口部203cとに連通する先端開口部35bを有している。先端開口部35bは、内視鏡10処置具が内視鏡10の内部を示す処置具挿通チャンネル35cから外部に向けて突出するために配設されている。
【0041】
また
図3Aと
図3Bとに示すように、カバー部211は、撮像ユニット50の観察窓51が配設される開口部211aと、照明ユニット60(照明挿入孔部203b)に対応する位置に配設されている1対の照明窓211bとを有している。
図3Aに示すように、照明窓211bは、観察窓51を挟み込むように配設されている。つまり照明窓211bは、観察窓51を中心に対称に配設されている。照明窓211bは、レンズを有していても良い。
【0042】
また
図3Aと
図3Cとに示すように、カバー部211は、送気・送水貫通孔部203eに対応する位置に配設され、カバー部211が本体部201の先端部をカバーする際に、外部と送気・送水貫通孔部203eとに連通し、送気・送水ノズル203dが嵌まり込む送気・送水開口部211eを有している。
図2Bと
図2Cとに示すように、送気・送水開口部211eは、本体部201の径方向において、観察窓51と隣り合うように配設されている。
【0043】
[撮像ユニット50]
図3Bに示すように、撮像ユニット50は、観察窓51と、所定の像面歪曲を有する対物レンズ群である対物光学系53(レンズ系)と、対物光学系53の結像位置に配設されているCCD等の撮像素子55と、接続回路基板57とを有している。
【0044】
観察窓51と、対物光学系53と、撮像素子55と、接続回路基板57とは、観察窓51から順に挿入部20の長手軸方向に沿ってカバー部211から操作部30側に向って先端硬質部21に配設されている。より詳細には、観察窓51は、カバー部211に配設される。また対物光学系53(レンズ系)と撮像素子55と接続回路基板57とは、一体となっており、本体部201(貫通口部203)に配設されている。
【0045】
接続回路基板57は、信号線などの撮像用ケーブル59と接続している。撮像用ケーブル59は、湾曲部23と可撓管部25と操作部30とユニバーサルコード41とを介して接続コネクタ41aまで内視鏡10を挿通している。接続コネクタ41aが制御装置14と接続することで、撮像用ケーブル59は制御装置14と接続し、撮像ユニット50によって撮像された観察対象物がモニタ16に表示される。撮像用ケーブル59は、撮像ユニット50と挿通部材(内蔵物)とに含まれている。
【0046】
また、撮像素子55に代えて図示しないイメージガイドファイバの先端部を固定して、内視鏡10を電子スコープに限らずにファイバースコープとしてもよい。
【0047】
このような撮像ユニット50は、
図3Bに示すように、貫通口部203の内部に配設され、発熱する発熱部として機能する。撮像ユニット50は、観察対象物を撮像し、撮像に伴い発熱する。
【0048】
[照明ユニット60]
図3Bに示すように、照明ユニット60は、例えばLEDなどの照明光を出射する照明部61を有している。照明部61が照明する照明光は、例えば白色光である。照明部61は、信号線などの照明用ケーブル69と接続している。照明用ケーブル69は、湾曲部23と可撓管部25と操作部30とユニバーサルコード41とを介して接続コネクタ41aまで内視鏡10を挿通している。接続コネクタ41aが制御装置14と接続することで、照明用ケーブル69は制御装置14と接続し、制御装置14によって照明を制御される。照明用ケーブル69は、照明ユニット60と挿通部材(内蔵物)とに含まれている。
【0049】
このような照明ユニット60は、
図3Bに示すように、貫通口部203の内部に配設され、発熱する発熱部として機能する。照明ユニット60は、観察対象物に照明光を照明し、照明に伴い発熱する。この発熱量は、光電変換の損失のため発光光量に比例して、増加する。この熱は、例えば照明ユニット60の寿命や、光量の低下に影響を与える。
【0050】
[内視鏡10の放熱構造80]
図3Bと
図3Cと
図3Dとに示すように、放熱構造80は、貫通口部203を有する中空部材である本体部201と、節輪231を本体部201に接続する接続管231aと、貫通口部203の内部に配設され、本体部201によって保持され、撮像ユニット50や照明ユニット60を含み、発熱する発熱部と、熱伝導の方向に異方性を有する熱伝導材81とを具備している。
【0051】
[熱伝導材81]
熱伝導材81は、例えば、熱異方性を有するシート状の部材である。この部材は、例えば、グラファイトシートである。熱伝導材81において、面方向(軸方向)の熱伝導率は、厚み方向の熱伝導率よりも高い。このため、熱は、厚み方向よりも平面方向に伝達される。
【0052】
図3Bと
図3Cと
図3Dとに示すように、熱伝導材81全体は、例えば、円筒形状を有している。詳細には、本実施形態では、例えば、シート状且つ短冊(帯)状の熱伝導材81が円筒形状を形成することで、円筒形状の熱伝導材81が形成される。
【0053】
図3Bに示すように、熱伝導材81は、例えば、本体部201よりも微小に長い。そして、
図3Bと
図3Cと
図3Dとに示すように、熱伝導材81は、本体部201と、接続管231aの先端部側とを全周に渡って囲うように配設されている。
詳細には、
図3Bに示すように、熱伝導材81の先端部81aは、本体部201の外周面に固定されている。また熱伝導材81の基端部81bは、本体部201に対して本体部201から操作部30側に延出されており、例えば湾曲部23の先端部である接続管231aにまで配設されている。
このように、熱伝導材81は、挿入部20の長手軸方向において、本体部201の先端部から湾曲部23の先端部である接続管231aまで配設されている。
【0054】
なお熱伝導材81の基端部81bは、湾曲部23に固定される必要はない。基端部81bは、例えば、接続管231aの外周面に載置されている。そして基端部81bは、挿入部20の外形形成部材として機能する例えば外皮23cに内接するように摺動自在に配設されている。
【0055】
このように先端部81aは固定端として機能し、基端部81bは自由端として機能する。先端部81aは、固定のために、例えば本体部201の外周面に貼り付けられている。この場合、例えば、熱伝導性を有する粒子が混入されている粘着材や接着剤が用いられる。なお熱伝導材81において、本体部201の外周面に対向する部分全体が本体部201の外周面に貼り付けられてもよい。
【0056】
前記したように配設されている熱伝導材81は、
図3Bと
図3Cと
図3Dとに示すように、先端硬質部21(本体部201)の内部と湾曲部23の内部とに配設されるのではなく、また内蔵物として機能するのではない。
図3Bと
図3Cと
図3Dとに示すように、本実施形態の熱伝導材81は、前記したように、本体部201の外部と接続管231aの外部且つ、本体部201の外周面側と接続管231aの外周面側とに配設される。
また
図3Bと
図3Cとに示すように、前記したように配設されている熱伝導材81は、本体部201と熱的に接続しており、本体部201を介して撮像ユニット50と照明ユニット60とに対して熱的に接続している。また
図3Bと
図3Dとに示すように、熱伝導材81は、接続管231aに対して熱的に接続している。なお接続管231aは節輪231と連結しているため、接続管231aは節輪231と熱的に接続し、熱伝導材81は接続管231aを介して節輪231と熱的に接続することとなる。
【0057】
図3Bと
図3Cとに示すように、熱伝導材81の先端部81aは、本体部201の厚み方向において、カバー部材27と本体部201との間に介在している。このカバー部材27は、前記したように挿入部20に配設されており、先端硬質部21を含む挿入部20をカバーする。また熱伝導材81の先端部81aは、カバー部材27によってカバーされると同時に、カバー部材27によって本体部201の外周面に向かって押圧されている。詳細には、熱伝導材81は、カバー部材27において、例えば最も外側に配設されている最外層として機能する外皮23cによってカバーされている。そして熱伝導材81の先端部81aは、外皮23cが熱伝導材81に密着し熱伝導材81を本体部201に押圧することによって、本体部201からの脱落及び本体部201に対するずれを防止されている。
【0058】
また
図3Bと
図3Dとに示すように、熱伝導材81の基端部81bは、本体部201の厚み方向において、このカバー部材27と、湾曲部23との間に介在している。また熱伝導材81の基端部81bは、カバー部材27によってカバーされると同時に、カバー部材27によって接続管231aの外周面に押圧されている。詳細には、熱伝導材81の基端部81bは、外皮23cが熱伝導材81に密着し熱伝導材81を接続管231aの外周面に押圧することによって、湾曲部23からの脱落及び湾曲部23に対するずれを防止されている。
【0059】
このように熱伝導材81は、外皮23cと本体部201と接続管231aとによって挟持されている。
【0060】
また
図3Bと
図3Cと
図3Dとに示すように、熱伝導材81は、外皮23cによってカバーされているため、外皮23cと熱的に接続している。また熱伝導材81の基端部81bは、網状管23bと接続しており、網状管23bと熱的に接続している。熱伝導材81は、外皮23cよりも薄い。
【0061】
[作用1]
照明ユニット60の照明部61が照明光を出射し、撮像ユニット50が観察対象物を撮像すると、発熱部である照明ユニット60と撮像ユニット50とは、発熱する。
【0062】
この熱は、照明ユニット60と撮像ユニット50を保持する本体部201に伝達される。本体部201は熱伝導材81と熱的に接続しているため、熱は本体部201から熱伝導材81に伝達される。なお熱伝導材81は、
図3Bと
図3Cとに示すように、本体部201の外周面に配設されており、さらに本体部201を全周に渡って囲っている。このため、熱は、効率よく本体部201から熱伝導材81に伝達される。熱伝導材81において、面方向の熱伝導率は、厚み方向の熱伝導率よりも高い。このため、熱は、厚み方向よりも平面方向に伝達される。
【0063】
なお
図3Bに示すように、熱伝導材81は、熱的に外皮23cと網状管23bとにも接続している。よって、本体部201から熱伝導材81に伝達された熱は、熱伝導材81から外皮23cと網状管23bとにも伝達される。
すなわち、熱伝導材81の先端部81aは、本体部201の外周面に固定され、熱伝導材81の基端部81bは、外皮23cに内接するように摺動自在に配設されている。このため、発熱部から発生した熱は、挿入部20の内側から外側に伝達する。この場合、熱が挿入部20の内部側に伝達される場合に比べて、放熱するための表面積が広く、放熱性能が高く、発熱部は効率的に冷却される。
【0064】
これにより、発熱部である照明ユニット60と撮像ユニット50とは、冷却される。
【0065】
[作用2]
図3Bと
図3Cとに示すように、熱伝導材81の先端部81aは、本体部201の外周面に固定されており、さらに外皮23cによって本体部201の外周面に押圧されている。これにより、熱伝導材81の先端部81aは、本体部201からの脱落及び本体部201に対するずれを防止されている。このため、熱は、確実に本体部201から熱伝導材81に伝達される。
また
図3Cと
図3Dとに示すように、熱伝導材81の基端部81bは、接続管231aの外周面に載置されており、外皮23cによって接続管231aの外周面に押圧されている。これにより、基端部81bは、湾曲部23からの脱落及び湾曲部23に対するずれを防止されている。またこれにより熱伝導材81は、熱的に接続管231aと接続することとなる。よって、本体部201から熱伝導材81に伝達された熱は、熱伝導材81から接続管231aに伝達される。
また熱伝導材81は接続管231aに対して熱的に接続しており、接続管231aは節輪231に対して熱的に接続している。このため、熱は、熱伝導材81から接続管231aに伝達され、接続管231aから節輪231に伝達され、操作部30側に伝達される。
【0066】
これにより、発熱部である照明ユニット60と撮像ユニット50とは、冷却される。
【0067】
[作用3]
また
図3Bと
図3Cと
図3Dとに示すように、熱伝導材81は、発熱部である照明ユニット60と撮像ユニット50とにそれぞれ直接的に配設されているのではない。本実施形態では、
図3Bと
図3Cと
図3Dとに示すように、熱伝導材81は、照明ユニット60と撮像ユニット50とにまとめて対応し、照明ユニット60と撮像ユニット50とに対して熱的にまとめて接続するように、照明ユニット60と撮像ユニット50とを保持する本体部201に配設されている。
【0068】
これにより、発熱部である照明ユニット60と撮像ユニット50とは、まとめて冷却される。
【0069】
[作用4]
また湾曲部23を含む挿入部20が湾曲している際においても、前記したように、照明ユニット60は照明光を出射し、撮像ユニット50は観察対象物を撮像し、発熱部である照明ユニット60と撮像ユニット50とは発熱する。
ただしこの状況においても、本実施形態の熱伝導材81は、
図3Bと
図3Cと
図3Dとに示すように、本体部201の外周面と接続管231aの外周面とに配設されている。よって、湾曲部23を含む挿入部20が湾曲しても、熱伝導材81は、内蔵物と当接及び干渉することを防止され、さらに挿入部20の内周面である貫通口部203の周面や接続管231aの内周面に当接及び干渉することを防止される。また熱伝導材81は、捻じれたり、内蔵物に対して擦れたり、撓んだり、曲がったり、内蔵物同士によって挟持されたりすることを防止される。
これにより、湾曲部23を含む挿入部20が湾曲しにくくなることが防止され、湾曲性能が低下することが防止される。また熱伝導材81は、湾曲によって前記した干渉等が生じ、干渉等によって劣化及び破損することを防止される。また熱伝導材81は本体部201の外周面と接続管231aの外周面とに配設され、基端部が自由端として機能する。このため、熱伝導材81は、前記したように湾曲によって劣化及び破損することを防止される。これらにより放熱効率の低下は防止される。
【0070】
[作用5]
またグラファイトシートのような熱伝導材81の伸縮性は、熱伝導材81の特性によって乏しい。このため、熱伝導材81は、本体部201の内部と湾曲部23の内部とに配設され、内蔵物として機能すると、熱伝導材81は、湾曲部23を含む挿入部20が様々な方向に湾曲した場合に応力によって劣化及び破損する虞が生じる。特に、劣化及び破損は、曲率の小さい2方向以上の複合曲げによって生じる虞がある。
しかしながら、
図3Bと
図3Cと
図3Dとに示すように、本実施形態では、前記したように熱伝導材81は、本体部201の外周面と接続管231aの外周面とに配設されており、内蔵物として機能しない。よって、湾曲部23を含む挿入部20が様々な方向に湾曲しても、熱伝導材81は、応力の影響をほとんど受けることがなく、湾曲によって劣化及び破損することを防止される。
【0071】
[作用6]
また
図3Bと
図3Cとに示すように、前記したように熱伝導材81の先端部81aは、本体部201の外周面に固定されている。また
図3Bと
図3Cと
図3Dとに示すように、前記したように熱伝導材81は、外皮23cによって本体部201の外周面と接続管231aの外周面とに押圧されている。また前記したように熱伝導材81は、湾曲部23を含む挿入部20が湾曲しても、熱伝導材81は、捻じれたり、内蔵物に対して擦れたり、撓んだり、曲がったり、内蔵物同士によって挟持されたりすることを防止される。よって、湾曲部23を含む挿入部20が直線状態や湾曲状態であっても、また湾曲部23を含む挿入部20が直線状態から湾曲状態に切り替わったり、湾曲部23を含む挿入部20が湾曲状態から直線状態に切り替わった時であっても、熱伝導材81は変形を防止される。よって、熱伝導材81は本体部201を介して撮像ユニット50と照明ユニット60とに対して熱的に接続し続けるため、放熱効率の低下が防止される。
【0072】
[作用7]
また熱伝導材81が本体部201の内部と湾曲部23の内部とに配設され内蔵物として機能すると、熱は、本体部201の内部と湾曲部23の内部とに溜まり、これら内部に配設されている撮像ユニット50と照明ユニット60にダメージを与える虞が生じる。また熱伝導材81が内蔵物と干渉した際に、熱が内蔵物に伝達されてしまう虞が生じる。
しかしながら、
図3Bと
図3Cと
図3Dとに示すように、本実施形態では、前記したように熱伝導材81は、本体部201の外周面と接続管231aの外周面とに配設されており、内蔵物として機能せず、熱的に接続管231aと接続している。このため、熱は、接続管231aに伝達されるため、内部に溜まることを防止され、内部に配設されている撮像ユニット50と照明ユニット60とにダメージを与えることを防止される。また熱が内蔵物に伝達されることが防止される。
【0073】
[作用8]
また熱伝導材81が本体部201の内部と湾曲部23の内部とに配設され内蔵物として機能すると、内部の充填率が向上し、湾曲部23を含む挿入部20が湾曲しにくくなり、湾曲性能が低下する虞が生じる。
【0074】
しかしながら、
図3Bと
図3Cと
図3Dとに示すように、本実施形態では、前記したように熱伝導材81は、本体部201の外周面と接続管231aの外周面とに配設されており、内蔵物として機能しない。よって内部の充填率が向上することが防止され、湾曲部23を含む挿入部20が湾曲しにくくなることが防止され、湾曲性能が低下することが防止される。
【0075】
[効果]
本実施形態では、作用1,2によって、熱伝導材81によって発熱部である照明ユニット60と撮像ユニット50とを冷却できる。
【0076】
また本実施形態では、作用1,2によって、熱伝導材81が本体部201と湾曲部23とからの脱落及び本体部201と湾曲部23とに対してずれることを防止できる。このため本実施形態では、熱を、確実に本体部201から熱伝導材81に伝達でき、熱伝導材81から接続管231aに伝達できる。これにより本実施形態では、熱伝導材81によって発熱部である照明ユニット60と撮像ユニット50とを冷却できる。
【0077】
また本実施形態では、作用3によって、発熱部である照明ユニット60と撮像ユニット50とをほぼ同じ程度にまとめて冷却できる。また本実施形態では、熱伝導材81を1つのみ配設すればよく、放熱構造80の構成を簡素にできる。
【0078】
また本実施形態では、作用4によって、湾曲部23を含む挿入部20が湾曲しても、熱伝導材81が、内蔵物と当接及び干渉することを防止でき、さらに挿入部20の内周面である貫通口部203の周面や節輪231の内周面に当接及び干渉することを防止できる。また本実施形態では、熱伝導材81が、捻じれたり、内蔵物に対して擦れたり、撓んだり、曲がったり、内蔵物同士によって挟持されたりすることを防止できる。
また本実施形態では、作用4によって、湾曲部23を含む挿入部20が湾曲しにくくなることを防止でき、湾曲性能が低下することを防止できる。また本実施形態では、熱伝導材81が、湾曲によって前記した干渉等が生じ、干渉等によって劣化及び破損することを防止できる。また本実施形態では、熱伝導材81は本体部201の外周面と接続管231aの外周面とに配設され、基端部が自由端として機能する。このため本実施形態では、熱伝導材81が前記したように湾曲によって劣化及び破損することを防止できる。これらにより本実施形態では、放熱効率の低下を防止できる。
【0079】
また本実施形態では、作用5によって、湾曲部23を含む挿入部20が様々な方向に湾曲しても、熱伝導材81は、応力の影響をほとんど受けることがない。よって本実施形態では、熱伝導材81が湾曲によって劣化及び破損することを防止できる。
【0080】
また本実施形態では、作用6によって、熱伝導材81の変形を防止できる。よって本実施形態では、熱伝導材81は本体部201を介して撮像ユニット50と照明ユニット60とに対して熱的に接続し続けるため、放熱効率の低下を防止できる。
【0081】
また本実施形態では、作用7によって、熱が内部空間に溜まることを防止でき、熱が内部空間に配設されている撮像ユニット50と照明ユニット60にダメージを与えることを防止でき、熱が内蔵物に伝達されることを防止できる。
【0082】
また本実施形態では、作用8によって、内部の充填率が向上することを防止でき、湾曲部23を含む挿入部20が湾曲しにくくなることを防止でき、湾曲性能が低下することを防止できる。
【0083】
このように、本実施形態では、挿入部20の湾曲性能を維持しつつ、熱伝導材81が湾曲によって劣化及び破損することを防止できる内視鏡10の放熱構造80を提供できる。
【0084】
なお本実施形態では、熱伝導材81の先端部81aは、本体部201の外周面に固定されているが、これに限定する必要はない。先端部81a側は、本体部201の外周面と接続管231aの外周面との少なくとも一方に固定されていればよい。また節輪231が本体部201に直接連結されている場合、先端部81a側は、本体部201の外周面と節輪231の外周面との少なくとも一方に固定されていればよい。
また本実施形態では、基端部81bは、摺動自在に配設されているが、これに限定する必要はない。基端部81b側は、外皮23cと節輪231と接続管231aとに対して摺動自在に配設されてもよい。
【0085】
また本実施形態では、内視鏡10は例えば医療用として用いられる。このため湾曲部23において、外皮23cが網状管23bをカバーしている。しかし、網状管23bと外皮23cとが節輪231をカバーしていれば、特に限定されない。例えば、内視鏡10は例えば工業用として用いられることを鑑みて、外皮23cが節輪231をカバーし、網状管23bが最外層として機能して外皮23cをカバーしていても良い。この場合、熱伝導材81は、網状管23bによって、カバーされ、本体部201の外周面に向かって押圧される。
また本実施形態では、可撓管部25において、網状管25bは螺旋管25aをカバーし、外皮25cが網状管25bをカバーしている。しかし、網状管25bと外皮25cとが螺旋管25aをカバーしていれば、特に限定されない。例えば、内視鏡10は例えば工業用として用いられることを鑑みて、樹脂層である外皮25cが螺旋管25aをカバーし、網状管25bが外皮25cをカバーしていても良い。
【0086】
[第2の実施形態]
図4Aと
図4Bと
図4Cと
図4Dとを参照して、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、以下に、第1の実施形態の構成とは異なる構成のみ説明する。
【0087】
[構成]
[熱伝導材81]
図4Aと
図4Bとに示すように、熱伝導材81全体は、短冊形状を有している。熱伝導材81は、挿入部20の長手軸方向において、本体部201から、操作部30側、詳細には湾曲部23の基端部側まで配設されている。熱伝導材81は、湾曲部23において、接続管231aの外周面と、節輪231をカバーする網状管23bの外周面と、口金235の外周面とに載置されている。熱伝導材81は、湾曲部23において、自由端として形成される。熱伝導材81は、本体部201と接続管231aと網状管23bと口金235とに対して熱的に接続している。
【0088】
熱伝導材81の先端部81aは、第1の実施形態と同様に本体部201の外周面に固定されている。この点以外の熱伝導材81の先端部81aについては、第1の実施形態と略同様である。
【0089】
熱伝導材81の基端部81bは、前記したように、挿入部20の基端部と連結している操作部30側、詳細には口金235まで、挿入部20の軸方向において直線状に延出されている。熱伝導材81の基端部81b側は、第1の実施形態と同様に自由端として機能する。
【0090】
図4Aと
図4Cと
図4Dとに示すように、熱伝導材81は、複数配設されており、本体部201の周方向において互いに所望な間隔離れて配設されている。このため、熱伝導材81と熱伝導材81との間には、間隙部83が配設されている。間隙部83は、例えば短冊状を有している。また熱伝導材81の長さは、熱伝導材81の幅よりも長い。
【0091】
図4Bと
図4Cと
図4Dとに示すように、熱伝導材81は、本体部201の厚み方向において、カバー部材27と、本体部201及び湾曲部23との間に介在している。このカバー部材27は、前記したように挿入部20に配設されており、先端硬質部21と湾曲部23とを含む挿入部20をカバーする。また熱伝導材81は、カバー部材27によってカバーされると同時に、カバー部材27によって本体部201の外周面と接続管231aの外周面と網状管23bの外周面と口金235の外周面とに向かって押圧されている。詳細には、熱伝導材81は、外皮23cによってカバーされている。そして熱伝導材81は、外皮23cが熱伝導材81に密着し熱伝導材81を本体部201と接続管231aと網状管23bと口金235とに押圧することによって、本体部201と湾曲部23とからの脱落及び本体部201と湾曲部23とに対するずれを防止されている。
【0092】
なお
図4Bに示すように、本実施形態の熱伝導材81の基端部81bは、口金235の厚み方向において、このカバー部材27と、口金235との間に介在している。また熱伝導材81の基端部81bは、カバー部材27によってカバーされると同時に、カバー部材27によって口金235の外周面に押圧されている。詳細には、熱伝導材81の基端部81bは、外皮23cが熱伝導材81に密着し熱伝導材81を口金235の外周面に押圧することによって、湾曲部23からの脱落及び湾曲部23に対するずれを防止されている。
【0093】
[効果]
本実施形態では、第1の実施形態の効果をさらに促進させることができる。
【0094】
また特に、
図4Aと
図4Bとに示すように、本実施形態では、基端部81bは、口金235まで、挿入部20の軸方向において直線状に延出されている。そして本実施形態では、熱伝導材81は、湾曲部23において、接続管231aの外周面と、網状管23bの外周面と、口金235の外周面とに載置されており、本体部201と接続管231aと網状管23bと口金235とに対して熱的に接続している。
これにより本実施形態では、本体部201から熱伝導材81に伝達された熱を熱伝導材81から網状管23bと口金235とに素早く伝達できる。また本実施形態では、熱を、口金235を介して螺旋管25aと網状管25bとにも伝達できる。これにより本実施形態では、熱伝導材81によって発熱部である照明ユニット60と撮像ユニット50とをさらに冷却できる。
【0095】
また本実施形態では、熱伝導材81同士は、互いに所望な距離離れて配設されている。また熱伝導材81の長さは、熱伝導材81の幅よりも長い。このため本実施形態では、湾曲部23を含む挿入部20が湾曲しにくくなることが防止され、湾曲性能が低下することが防止される。また本実施形態では、湾曲部23が湾曲しても、熱伝導材81の変形を防止できる。また本実施形態では、湾曲部23が湾曲する際に、熱伝導材81が湾曲によって幅方向において変形することを抑制できる。
【0096】
また本実施形態では、基端部81bを含む熱伝導材81は、湾曲部23において自由端であり、外皮23cによって押圧されているのみである。よって本実施形態では、湾曲部23を含む挿入部20が湾曲しにくくなることが防止され、湾曲性能が低下することが防止される。
【0097】
なお本実施形態では、熱伝導材81の基端部81bは、自由端であれば、操作部30側である例えば可撓管部25の基端部側にまで延出されていてもよい。この場合、熱伝導材81は、可撓管部25において、例えば、網状管25bに載置され、外皮25cによってカバーされると同時に、外皮25cによって網状管25bの外周面に向かって押圧されている。熱伝導材81は、可撓管部25において、外皮25cが熱伝導材81に密着し熱伝導材81を網状管25bに押圧することによって、可撓管部25からの脱落及び可撓管部25に対するずれを防止されている。
また内視鏡10が例えば工業用として用いられることを鑑みられると、熱伝導材81は、可撓管部25において、例えば、外皮25cに載置され、網状管25bによってカバーされると同時に、網状管25bによって外皮25cの外周面に向かって押圧される。
【0098】
[第3の実施形態]
図5Aと
図5Bとを参照して、第3の実施形態について説明する。本実施形態では、以下に、第1の実施形態の構成とは異なる構成のみ説明する。
【0099】
[構成]
[熱伝導材81]
図5Aに示すように、本実施形態の熱伝導材81は、第1の実施形態の熱伝導材81の形状と、第2の実施形態の熱伝導材81の形状とが組み合わさった形状を有している。本実施形態の熱伝導材81の先端部81a側は第1の実施形態のような円筒形状を有しており、熱伝導材81の基端部81b側は第2の実施形態のような短冊形状を有している。熱伝導材81は、挿入部20の長手軸方向において、本体部201から、操作部30側、詳細には湾曲部23の基端部側まで配設されている。
【0100】
詳細には、熱伝導材81は、熱伝導材81の先端部に配設され且つ本体部201の外周面に固定される円筒部85aと、湾曲部23の接続管231aの外周面と口金235の外周面とに載置される短冊部85bとによって形成される。
円筒部85aは第1の実施形態の熱伝導材81に該当し、短冊部85bは第2の実施形態の熱伝導材81に該当する。短冊部85bは、円筒部85aと連接している。
【0101】
図5Aと
図5Bとに示すように、短冊部分である短冊部85bは、節輪231の周方向において、連結部材233同士の間に配設されている。このため、連結部材233は、間隙部83に配設される。
【0102】
[効果]
本実施形態では、第1の実施形態の効果と、第2の実施形態の効果と同様の効果をえることができる。
【0103】
なお一般的に、湾曲部23の曲率は、湾曲部23が湾曲した際、湾曲部23の長手軸方向において連結部材233同士を結ぶライン上において最大となる。本実施形態では、このライン上に間隙部83が配設されており、短冊部85bはこのラインに対して節輪231の周方向においてずれて配設されている。これにより本実施形態では、湾曲部23が湾曲する際に、短冊部85bが湾曲によって変形することを抑制できる。
【0104】
[第4の実施形態]
図6を参照して、第4の実施形態について説明する。本実施形態では、以下に、第1の実施形態の構成とは異なる構成のみ説明する。
【0105】
[構成]
[熱伝導材81]
図6に示すように、熱伝導材81は、帯形状を有している。また熱伝導材81は、螺旋形状を有しており、本体部201の中心軸と節輪231の中心軸とを巻回するように挿入部20の長手軸方向において、本体部201から、操作部30側、詳細には湾曲部23の基端部側まで配設されている。熱伝導材81は、接続管231aの外周面と節輪231の外周面とに配設されている。
【0106】
[効果]
本実施形態では、熱伝導材81が螺旋形状を有した状態で配設されている。このため、挿入部20の長手軸方向において、先端部から基端部までの熱伝導材81自体の長さを抑制できる。
このため、本実施形態では、湾曲部23が湾曲する際に、熱伝導材81が湾曲によって幅方向において変形することを抑制できる。
【0107】
[第5の実施形態]
図7を参照して、第5の実施形態について説明する。本実施形態では、以下に、第1の実施形態の構成とは異なる構成のみ説明する。
【0108】
[構成]
[保護材87]
熱伝導材81の表面と裏面との少なくとも一方は、少なくとも一方を保護する保護材87によってカバーされている。保護材87は、熱伝導材81に積層するように配設される。
【0109】
この保護材87は、例えば、熱伝導材81が変形することを抑制し、湾曲部23が湾曲した際に熱伝導材81が湾曲に伴う変形によって破損することを防止する機能を有している。この場合、保護材87は、例えば、ポリエチレンとシリコーンとポリエステルとポリイミドとポリエチレンテレフタレートとの少なくとも1つによって形成される。
【0110】
また保護材87は、例えば、本体部201の外周面と外皮23cと節輪231の外周面と網状管23bの外周面とから熱伝導材81への摩耗を軽減し、熱伝導材81が本体部201の外周面と外皮23cと節輪231の外周面と網状管23bの外周面との少なくとも1つによって摩耗することを防止する摩擦軽減材として機能を有してもよい。
【0111】
[効果]
本実施形態では、保護材87によって、熱伝導材81が、変形することを抑制でき、湾曲に伴う変形によって破損することを防止でき、摩耗することを防止できる。
【0112】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。