(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内視鏡に着脱自在に取り付けられており、前記内視鏡の処置具挿入口から前記内視鏡の内部に挿入され挿入部の先端部から突出している処置具の先端部が前記処置具の長手軸方向に沿って進退することを補助する内視鏡処置具の進退補助具であって、
一端部と、他端部と、前記一端部から前記他端部に向かって貫通し、前記処置具が挿通する挿通孔とを有するベースユニットと、
前記ベースユニットに配設され、前記挿通孔が前記処置具挿入口と対向するように、前記ベースユニットを前記内視鏡に固定する固定ユニットと、
前記ベースユニットに対向するように配設され、前記処置具が前記挿通孔に挿入されるように前記処置具の基端部を保持し、前記ベースユニットに対して前記挿通孔の中心軸方向に沿って移動することによって前記処置具を前記長手軸方向に進退させる進退ユニットと、
前記挿通孔の中心軸方向に沿って配設され、前記処置具に対して前記ベースユニットの平面方向においてずれて配設され、前記進退ユニットと連結し、前記ベースユニットを貫通するように前記進退ユニットから前記ベースユニットに向かって延出している延出部と、
前記延出部から前記挿入部の先端部側までの長さを有した状態で前記延出部から前記挿入部の先端部側まで配設されており、長手軸を有しており、前記延出部と連結し、長手軸方向に沿って進退することによって前記延出部を介して前記進退ユニットを進退させる長尺部と、
を具備することを特徴とする内視鏡処置具の進退補助具。
前記長尺部は、軸方向において固く、径方向において柔らかい素線によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の内視鏡処置具の進退補助具。
前記長尺部が挿通することによって前記長尺部をガイドする長尺ガイド部材をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の内視鏡処置具の進退補助具。
前記長尺ガイド部材は、前記長尺ガイド部材の基端部に配設され、前記延出部が挿入されるように前記ベースユニットに固定されることで前記長尺ガイド部材を前記ベースユニットに固定する固定筒部材をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の内視鏡処置具の進退補助具。
前記長尺部は、前記長尺ガイド部材の先端部から突出する前記長尺部の先端部に配設され、前記長尺部を進退操作する操作部を有することを特徴とする請求項6に記載の内視鏡処置具の進退補助具。
前記長尺ガイド部材は、前記長尺ガイド部材の先端部に配設され、術者が前記長尺ガイド部材を含む前記長尺部を把持し操作部をつまむ状態で操作部をつまむ術者の手の指が挿通する指挿通部を有することを特徴とする請求項7に記載の内視鏡処置具の進退補助具。
前記長尺ガイド部材は、前記長尺ガイド部材の先端部に配設され、前記長尺ガイド部材を前記内視鏡の前記挿入部の可撓管部に係留する係留部を有することを特徴とする請求項7に記載の内視鏡処置具の進退補助具。
前記延出部に配設され、前記長尺部の進退力が増減するように前記進退力を調整する調整部材をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載の内視鏡処置具の進退補助具。
【発明を実施するための形態】
【0014】
また以下において、
図5Aと
図5Bとに示すように、例えば、処置具挿入口35aの中心軸35cと、挿通孔111cの中心軸111dとは、同軸上に配設される。また
図5Aと
図5Bとに示すように、例えば、処置具挿入部35の中心軸35e方向と、処置具挿入口35aの中心軸35c方向と、挿通孔111cの中心軸111d方向とは、同一方向である。また例えば、これらの中心軸方向は、
図1Aと
図1Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、内視鏡10の中心軸方向に対して傾斜している。
図1Aと
図1Bとに示すように、例えば、内視鏡10の中心軸方向は、挿入部20の中心軸方向と、本体部31の中心軸31a方向と、把持部33の中心軸33a方向と同一方向である。
【0015】
また
図1Aと
図1Bとに示すように、例えば、内視鏡10の先端部側は先端硬質部21側を示し、内視鏡10の基端部側は操作部30側を示す。
【0016】
そして
図1Aと
図2Aと
図4Aと
図5Aとに示すように、例えば、長尺部180の前進とは、長尺部180が操作部30側から先端硬質部21側に移動するように術者によって引っ張られることを示す。
また
図1Bと
図2Bと
図4Bと
図5Bとに示すように、例えば、長尺部180の後退は、長尺部180が先端硬質部21側から操作部30側に移動するように術者によって押し戻されることを示す。
また
図1Aと
図1Bと
図2Aと
図2Bと
図4Aと
図4Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、例えば、長尺部180の進退は、長尺部180の前進と長尺部180の後退とを含む。
【0017】
また
図1Aと
図2Aと
図4Aと
図5Aとに示すように、例えば、ベース部材151の前進は、長尺部180の前進によって、ベース部材151がベース部材111に近づくように挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って移動することを示す。
また
図1Bと
図2Bと
図4Bと
図5Bとに示すように、例えば、ベース部材151の後退は、長尺部180の後退によって、ベース部材151がベース部材111から離れるように挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って移動することを示す。
また
図1Aと
図1Bと
図2Aと
図2Bと
図4Aと
図4Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、例えば、ベース部材151の進退は、ベース部材151の前進とベース部材151の後退とを含む。
【0018】
また
図1Aと
図2Aと
図4Aと
図5Aとに示すように、例えば、処置具51の前進は、長尺部180とベース部材151との前進によって、処置具51が操作部30側から先端硬質部21側に移動し、処置具51の先端部51aが挿入部20の内部から先端開口部35bを介して外部に突出するように、処置具51が移動することを示す。
また
図1Bと
図2Bと
図4Bと
図5Bとに示すように、例えば、処置具51の後退は、長尺部180とベース部材151との後退によって、処置具51が先端硬質部21側から操作部30側に移動し、処置具51の先端部51aが外部から先端開口部35bを介して挿入部20の内部に収納されるように、処置具51が移動することを示す。
また
図1Aと
図1Bと
図2Aと
図2Bと
図4Aと
図4Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、例えば、処置具51の進退は、処置具51の前進と処置具51の後退とを含む。
【0019】
[内視鏡システム5]
図1Aと
図1Bとに示すように、内視鏡システム5は、内視鏡10と、内視鏡処置具(以下、処置具51)と、処置具51の進退補助具100とを有している。
【0020】
[内視鏡10]
内視鏡10は、例えば体腔に挿入される中空の細長い挿入部20と、挿入部20の基端部と連結し、内視鏡10を操作する操作部30とを有している。
【0021】
[挿入部20]
挿入部20は、挿入部20の先端部側から挿入部20の基端部側に向かって、先端硬質部21と、湾曲部23と、可撓管部25とを有している。先端硬質部21の基端部は湾曲部23の先端部と連結し、湾曲部23の基端部は可撓管部25の先端部と連結している。
先端硬質部21は、挿入部20の先端部であり、硬く、曲がらない。先端硬質部21は、先端開口部35bと、図示しない観察光学系に含まれる図示しない観察窓と、この観察窓を挟むように配設され、図示しない照明光学系に含まれる1対の図示しない照明窓と、観察窓に向けて送気と送水を行うノズルとを有している。先端開口部35bと観察窓と照明窓とノズルとは、先端硬質部21の先端面に配設されている。
湾曲部23は、後述する湾曲操作部37の操作によって、例えば上下左右といった所望の方向に湾曲する。湾曲部23が湾曲することにより、先端硬質部21の位置と向きとが変わり、図示しない照明光が観察対象物に照明され、観察対象物が観察視野内に捉えられる。この観察対象物とは、例えば、被検体(例えば体腔)内における患部や病変部等である。
可撓管部25は、所望な可撓性を有している。よって可撓管部25は、外力によって曲がる。可撓管部25は、操作部30における後述する本体部31から延出されている管状部材である。
このような挿入部20は、
図6に示すように、術者の右手によって把持される。
【0022】
[操作部30]
操作部30は、可撓管部25が延出している本体部31と、本体部31の基端部と連結し、内視鏡10を操作する術者によって把持される把持部33と、把持部33と接続しているユニバーサルコード41とを有している。
【0023】
[把持部33]
把持部33は、処置具挿入部35と、湾曲部23を湾曲操作する湾曲操作部37と、スイッチ部39とを有している。処置具挿入部35は把持部33の先端部側に配設され、湾曲操作部37とスイッチ部39とは把持部33の基端部側に配設されている。
図6に示すように、把持部33は術者の左手によって把持され、湾曲操作部37とスイッチ部39とは左手の指によって操作される。
【0024】
[処置具挿入部35]
処置具挿入部35は、把持部33に対して分岐している。このため、処置具挿入部35の中心軸35eは、把持部33の中心軸33aに対して傾斜している。
処置具挿入部35は、処置具挿入部35の端部に配設され、処置具51が内視鏡10に挿入されるための処置具挿入口35aを有している。
【0025】
処置具挿入口35aは、図示しない処置具挿通チャンネルの基端部と連結している。処置具挿通チャンネルは、挿入部20の内部に配設され、可撓管部25から湾曲部23を介して先端硬質部21に渡って配設されている。処置具挿通チャンネルの先端部は、先端硬質部21に配設されている先端開口部35bと連通している。処置具挿入口35aは、処置具51を処置具挿通チャンネルに挿入するための挿入口である。処置具51は、処置具挿入口35aから処置具挿通チャンネルに挿入され、先端硬質部21側まで押し込まれる。そして処置具51は、先端開口部35bから突出される。
図1Aと
図1Bとに示すように、処置具挿入口35aの中心軸35cは、処置具挿入部35の中心軸35eと同軸に配設されており、さらに把持部33の中心軸33aに対して傾斜している。
【0026】
[湾曲操作部37]
湾曲操作部37は、湾曲部23を左右に湾曲操作させる左右湾曲操作ノブ37aと、湾曲部23を上下に湾曲操作させる上下湾曲操作ノブ37bと、湾曲した湾曲部23の位置を固定する固定ノブ37cとを有している。
【0027】
[スイッチ部39]
スイッチ部39は、把持部33が術者に把持された際に、術者の手によって操作される。
【0028】
[ユニバーサルコード41]
ユニバーサルコード41は、図示しない制御装置に着脱自在な図示しない接続コネクタを有している。
【0029】
[処置具51]
処置具51は、細長い線状部材によって形成される。
【0030】
[進退補助具100]
進退補助具100は、処置具挿入口35aを中心に内視鏡10に着脱自在に取り付けられる。
図1Aと
図1Bとに示すように、進退補助具100は、例えば、処置具挿入部35と把持部33と本体部31とに取り付けられる。進退補助具100は、処置具挿入口35aから内視鏡10の内部に挿入され先端開口部35bから突出している処置具51の先端部51aが処置具51の長手軸方向に沿って進退することを補助する。
図1Aと
図1Bと
図3Aと
図3Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、進退補助具100は、ベースユニット110と、固定ユニット130と、進退ユニット150と、延出部170と、長尺部180とを有している。
【0031】
[ベースユニット110]
図1Aと
図1Bと
図3Aと
図3Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、ベースユニット110は、処置具挿入口35aを中心に処置具挿入部35と把持部33と本体部31とに着脱自在に取り付けられる。
図3Bに示すように、ベースユニット110は、平板状のベース部材111と、U字形状のベース部材112と、ベース部材112を介してベース部材111を支持する支持部材113と、支持部材113から挿入部20側に延出している延出部材115とを有している。
【0032】
図1Aと
図1Bとに示すように、ベース部材111とベース部材112とは、進退補助具100が内視鏡10に取り付けられる際に、処置具挿入口35a側に配設される。
図1Aと
図1Bとに示すように、支持部材113は、進退補助具100が内視鏡10に取り付けられる際に、把持部33の側方に配設される。
図1Aと
図1Bとに示すように、延出部材115は、進退補助具100が内視鏡10に取り付けられる際に、本体部31の側方に配設される。
【0033】
[ベース部材111]
図1Aと
図1Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、ベース部材111は、処置具挿入口35aの平面に対して平行となるように配設される。
図3Bに示すように、ベース部材111は、例えば、ビス211aによってベース部材112を介して支持部材113に固定される。
【0034】
図3Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、ベース部材111は、ベース部材111の裏面側である一端部111aと、ベース部材111の表面側である他端部111bと、一端部111aから他端部111bに向かってベース部材111を貫通し、後述するガイド連結部材155の一端部155aが嵌合した状態で処置具51が挿通する挿通孔111cと、一端部111aから他端部111bに向かってベース部材111を貫通し、後述する固定筒部材190cが嵌合する嵌合孔111hとを有している。
【0035】
図5Aと
図5Bとに示すように、挿通孔111cは、進退補助具100が内視鏡10に取り付けられる際に、処置具挿入口35aと対向する。このとき、挿通孔111cの中心軸111dは、処置具挿入口35aの中心軸35cと同軸上に配設される。
【0036】
図5Aと
図5Bとに示すように、挿通孔111cは、ベース部材111の他端部111b側に配設され、ガイド連結部材155の一端部155aと嵌合する嵌合部111eと、ベース部材111の一端部111a側に配設され、嵌合部111eと連通し、ガイド連結部材155から突出した処置具51が処置具挿入口35aに挿入されるように挿通する挿通部111fとを有している。
【0037】
挿通部111fは、嵌合部111eよりも小さい。挿通部111fの中心軸は、嵌合部111eの中心軸と同軸上に配設されている。
【0038】
図3Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、嵌合孔111hは、挿通孔111cの側方に配設されており、ベースユニット110の平面方向において挿通孔111cに対してずれて配設されている。嵌合孔111hの中心軸は、ベース部材111の平面方向において、挿通孔111cの中心軸111dと平行に配設されている。嵌合孔111hに嵌合する固定筒部材190cにおいて、固定筒部材190cには延出部170が挿通孔111cの中心軸111dに沿って挿通する。この場合、嵌合孔111hは、延出部170が挿入され、長尺部180が長手軸方向に沿って進退する際に延出部170が挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って進退するように延出部170をガイドするガイド孔部として機能する。
【0039】
[ベース部材112]
図3Aと
図3Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、ベース部材112は、挿通孔111cの中心軸111d方向において支持部材113とベース部材111との間に介在する。ベース部材112は、例えばビス211aによって、ベース部材111と支持部材113とに一体的に固定されている。
【0040】
ベース部材112の内周面は、処置具挿入部35の形状に沿うように形成されており、処置具挿入部35の中心軸35eの軸回りに沿って配設されている。内周面は、例えば略U字形状を有しており、処置具挿入部35の外周面に略当接する。
【0041】
[支持部材113]
図3Aと
図3Bとに示すように、支持部材113は、進退補助具100が内視鏡10に取り付けられる際に、例えば処置具挿入部35を挟み込むことによって支持部材113を含むベースユニット110の位置ずれを防止する位置ずれ防止部113cを有している。
図1Aと
図1Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、位置ずれ防止部113cは、進退補助具100が内視鏡10に取り付けられる際、支持部材113が把持部33の側方に配設され、延出部材115が本体部31の側方に配設され、挿通孔111cが処置具挿入口35aと対向し、挿通孔111cの中心軸111dが処置具挿入口35aの中心軸35cと同軸上に配設されるように、ベースユニット110の位置ずれを防止する。位置ずれ防止部113cは、支持部材113の側面に配設されている。位置ずれ防止部113cの内周面は、処置具挿入部35の形状に沿うように形成されており、例えばU字形状を有しており、処置具挿入部35の外周面に当接する。
【0042】
[延出部材115]
図1Aと
図1Bと
図3Aと
図3Bとに示すように、延出部材115は、例えば、棒状部材である。延出部材115は、支持部材113と一体である。延出部材115の中心軸は、進退補助具100が内視鏡10に取り付けられる際に、本体部31の中心軸31aに対して平行に配設されている。
【0043】
[固定ユニット130]
図1Aと
図1Bとに示すように、固定ユニット130は、挿通孔111cが処置具挿入口35aと対向し、挿通孔111cの中心軸111dが処置具挿入口35aの中心軸35cと同軸上に配設されるように、ベースユニット110を内視鏡10に固定する。固定ユニット130は、ベースユニット110に配設されている。
【0044】
図1Aと
図1Bと
図3Aと
図3Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、固定ユニット130は、進退補助具100が内視鏡10に取り付けられる際に例えば把持部33に巻き付くことによって支持部材113を把持部33に固定する固定部133と、例えば本体部31を挟み込むことによって延出部材115を含むベースユニット110の位置ずれを防止する位置ずれ防止部135を有している。なお固定ユニット130は、前記したベース部材112を含んでいてもよい。
【0045】
[固定部133]
図1Aと
図1Bと
図3Aと
図3Bとに示すように、固定部133は、位置ずれ防止部113cが把持部33に当接した後に、把持部33に巻き付く。固定部133は、例えばU字形状の帯状部材である。固定部133の一端部は、例えば、ネジ部211cによって、支持部材113の一方の側面に着脱自在に固定される。また固定部133の他端部は、例えば、ネジ部211cによって、支持部材113の他方の側面に着脱自在に固定される。
【0046】
[位置ずれ防止部135]
図1Aと
図1Bと
図3Aと
図3Bとに示すように、位置ずれ防止部135は、本体部31の中心軸31a方向に対して直交する方向に沿って配設されるように、例えばネジ部211dによって延出部材115に固定されている。位置ずれ防止部135は、例えば略Y字形状を有している。位置ずれ防止部135の内周面は、本体部31の形状に沿うように形成されており、本体部31の中心軸31aの軸回りに沿って配設されている。内周面は、例えばU字形状を有しており、本体部31の外周面に当接する。位置ずれ防止部135は、位置ずれ防止部113cが把持部33に当接すると同時に、本体部31に当接する。
【0047】
[進退ユニット150]
図1Aと
図1Bと
図2Aと
図2Bと
図3Aと
図3Bと
図4Aと
図4Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、進退ユニット150は、長尺部180が進退することに連動して処置具51が進退するように、長尺部180と処置具51とを連結する。このため進退ユニット150は、ベースユニット110に対向するように配設されており、処置具51が挿通孔111cに挿入されるように処置具51の基端部51bを保持している。そして進退ユニット150は、進退ユニット150がベースユニット110に対して挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って進退することによって、処置具51を処置具51の長手軸方向に進退させる。
【0048】
図1Aと
図1Bと
図2Aと
図2Bと
図3Aと
図3Bと
図4Aと
図4Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、進退ユニット150は、ベース部材111に並設され、延出部170と連結し、ベースユニット110に対して挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って進退する平板状のベース部材151と、挿通孔111cに対して同軸上に配設されるようにベース部材151と連結し、処置具51が挿通することによって処置具51をガイドする筒状のガイド部材153とを有している。
また
図1Aと
図1Bと
図2Aと
図2Bと
図3Aと
図3Bと
図4Aと
図4Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、進退ユニット150は、挿通孔111cに対して同軸上に配設され、ガイド部材153と連通し、ベース部材151の進退に伴いガイド部材153に挿入されるように挿通孔111cと連結する筒状のガイド連結部材155をさらに有している。ガイド連結部材155は、処置具51がガイド連結部材155を挿通することによって挿通孔111cの中心軸111d方向においてベースユニット110とベース部材151との間において処置具51をガイドする。
また
図1Aと
図1Bと
図2Aと
図2Bと
図3Aと
図3Bと
図4Aと
図4Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、進退ユニット150は、ガイド部材153に配設され、処置具51がガイド部材153と連結するように処置具51の基端部51bを保持する保持部157と、ベース部材151の進退を規制する規制部材159とをさらに有している。
【0049】
[ベース部材151]
図3Aと
図3Bと
図4Aと
図4Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、ベース部材151は、ベース部材111が挿通孔111cの中心軸111d方向においてベース部材151と処置具挿入部35との間に介在するように、配設されている。つまりベース部材151は、ベース部材111よりも処置具挿入口35aから離れて配設されている。
【0050】
図5Aと
図5Bとに示すように、ベース部材151は、長尺部180と連結している延出部170と連結する。
これにより、
図1Aと
図2Aと
図4Aと
図5Aとに示すように、長尺部180が長尺部180の長手軸方向に沿って前進することによって、ベース部材151は延出部170を介して長尺部180によって引っ張られる。そしてベース部材151は、挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って前進し、ベース部材111に近づく。これにより処置具51は前進する。処置具51が前進した位置は、ベース部材151がベース部材111に近づく位置と、長尺部180が前進した位置とに対応する。
また
図1Bと
図2Bと
図4Bと
図5Bとに示すように、長尺部180が長尺部180の長手軸方向に沿って後退することによって、ベース部材151は延出部170を介して長尺部180によって押し戻される。そしてベース部材151は、挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って後退し、ベース部材111から離れる。これにより処置具51は後退する。処置具51が後退した位置は、ベース部材151がベース部材111から離れた位置と長尺部180が後退した位置とに対応する。
【0051】
ベース部材151の進退量は、長尺部180の進退量に対応し、処置具51の進退量に対応する。これら進退量は、互いに同一の大きさである。またこれら進退量の最大値は、挿通孔111cの中心軸111d方向において後述する長開口部159cの長さに該当する。最大値は、処置具51によって処置される部位の大きさに対応し、所望な値を有している。最大値は、例えば、30mmとなっている。
【0052】
図5Aと
図5Bとに示すように、ベース部材151は、ベース部材151の裏面側であり他端部111bと対向する一端部151aと、ベース部材151の表面側である他端部151bと、一端部151aから他端部151bに向かってベース部材151を貫通し、挿通孔111cと対向して配設され、ガイド部材153の一端部153aが嵌合する嵌合孔151cと、一端部151aから他端部151bに向かってベース部材151を貫通し、嵌合孔111hと対向して配設され、延出部170の他端部170bが嵌合する嵌合孔151hとを有している。
【0053】
[ガイド部材153]
図4Aと
図4Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、ガイド部材153は、ベース部材151の平面方向に対して垂直に配設されている。ガイド部材153は、処置具挿入口35aから離れるようにベース部材151に立設されている。ガイド部材153は、処置具挿入口35aの中心軸35c方向に沿って配設されている。ガイド部材153は、処置具挿入口35aと同軸上に配設されている。
【0054】
図4Aと
図4Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、ガイド部材153は、ガイド部材153がベース部材151と連結しているため、ベース部材151と共に挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って進退する。ガイド部材153は、ガイド連結部材155よりも大きい。
このため、
図4Aと
図4Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、前記したようにベース部材151がベース部材111に近づくように挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って前進する際、ガイド部材153は、ガイド連結部材155がガイド部材153に挿入され、ガイド部材153がガイド連結部材155を覆うように、前進する。
また
図4Aと
図4Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、前記したようにベース部材151がベース部材111から離れるように挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って後退する際、ガイド部材153は、ガイド連結部材155がガイド部材153から抜去されるように、後退する。
【0055】
図5Aと
図5Bとに示すように、ガイド部材153は、嵌合孔151cと嵌合する一端部153aと、保持部157が配設される他端部153bとを有している。一端部153aは、例えば、ネジ部211iによってベース部材151に固定されている。
【0056】
[ガイド連結部材155]
図4Aと
図4Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、ガイド連結部材155は、ガイド部材153から突出する処置具51が挿通する筒部材として形成される。ガイド連結部材155は、ベース部材111の平面方向とベース部材151の平面方向とに対して垂直に配設されている。ガイド連結部材155は、ベース部材111に立設されている。ガイド連結部材155は、処置具挿入口35aの中心軸35c方向に沿って配設されている。ガイド連結部材155は、処置具挿入口35aと同軸上に配設されている。
【0057】
図4Aと
図4Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、ガイド連結部材155は、嵌合部111eと嵌合する一端部155aと、嵌合孔151cと嵌合しているガイド部材153の一端部153aに挿入される他端部155bとを有している。一端部155aは、例えば、ネジ部211eによってベース部材111に固定されている。
【0058】
ガイド部材153がベース部材151と共に挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って進退する際、ガイド連結部材155は、ガイド部材153を摺動するようにガイド部材153に挿入または抜去される。このときガイド連結部材155は、ガイド部材153が挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って進退するように、ガイド部材153をガイドする。
【0059】
[保持部157]
図4Aと
図4Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、保持部157は、処置具51が挿通し、ガイド部材153の他端部151bに挿入される筒部157aと、筒部157aの端部に載置され、処置具51が挿通する固定部材157cと、筒部157aと固定部材157cとを覆うキャップとして機能し、筒部157aを締め付ける締め付け部157bとを有している。
【0060】
締め付け部157bは、締め付け部157bの軸回りに回転することによって筒部157aを締め付け、締め付けによって固定部材157cを圧縮する。固定部材157cは、圧縮によって処置具51の基端部51
bと密着する。これにより、処置具51は、保持部157とガイド部材153とベース部材151と延出部170と長尺部180と一体となる。固定部材157cは、伸縮自在な例えばゴムなどによって形成されている。
【0061】
よって、
図4Aと
図5Aとに示すように、また前記したように、ベース部材151がベース部材111に近づくことで、保持部157によって保持されている処置具51は前進する。
【0062】
また
図4Bと
図5Bとに示すように、また前記したように、ベース部材151がベース部材111から離れることで、保持部157によって保持されている処置具51は後退する。
【0063】
[規制部材159]
図4Aと
図4Bとに示すように、規制部材159は、例えばT字形状を有している。T字の一片159aは、ベース部材111の側面に例えばネジ部211fによって固定されている。T字の他片159bは、長開口部159cを有している。長開口部159cは、他片159bの長手軸に沿って配設されており、挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って配設されている。長開口部159cは、他片159bの厚み方向において、他片159bを貫通している。長開口部159cには、ベース部材151の側面に固定されているネジ部211iが貫通している。長開口部159cの一方の縁部159dは、ベース部材151が前進した際に、ベース部材151がベース部材111と当接するような位置に配設されている。
【0064】
ネジ部211iが長開口部159cに沿って移動することで、ベース部材151が挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って進退する。またベース部材151が進退する際、ネジ部211iが長開口部159cの縁部159d,159eに当接することで、ベース部材151の進退は規制される。
【0065】
[延出部170]
図3Bと
図4Aと
図4Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、延出部170は、挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って配設されており、処置具51に対してベースユニット110の平面方向においてずれて配設されている。延出部170は、進退ユニット150と連結しており、ベースユニット110を貫通するように進退ユニット150からベースユニット110に向かって延出している。このような延出部170は、例えば、棒部材である。延出部170は、ベース部材111の平面方向において、ガイド連結部材155と並設されている。延出部170は、固定筒部材190cに挿入され、ベース部材151の進退に伴い固定筒部材190cを挿通する一端部170aと、嵌合孔151hと嵌合する他端部170bとを有している。他端部170bは、例えばピン状部材211jによってベース部材151に固定されている。
【0066】
[長尺部180]
図1Aと
図1Bと
図3Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、長尺部180は、
延出部170から挿入部20の先端部側までの長さを有した状態で
延出部170から挿入部20の先端部側まで配設されている。長尺部180は、長手軸を有している。長尺部180は、延出部170と連結している。長尺部180は、長尺部180が長手軸方向に沿って進退することによって、延出部170を介して進退ユニット150を進退させる。
【0067】
図3Bに示すように、長尺部180は、例えば、可撓性を有する細長い剛体である。このような長尺部180は、軸方向において固く、径方向において柔らかい素線によって形成されている。
図5Aと
図5Bとに示すように、長尺部180は、延出部170と同軸上に配設される。長尺部180は、
図1Aと
図1Bと
図3Aと
図3Bとに示すように、処置具挿入部35から挿入部20の可撓管部25まで配設されている。
【0068】
図1Aに示すように、長尺部180は、長尺部180が操作部30側から先端硬質部21側に引っ張られることによって、長尺部180の長手軸方向に沿って前進する。これにより長尺部180は、延出部170を介してベース部材151をベース部材111に近づけ、処置具51を前進させる。
【0069】
また
図1Bに示すように、長尺部180は、長尺部180が先端硬質部21側から操作部30側に押し戻されることによって、長尺部180の長手軸方向に沿って後退する。これにより長尺部180は、延出部170を介してベース部材151をベース部材111から離し、処置具51を後退させる。
【0070】
図1Aと
図1Bと
図3Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、長尺部180は、延出部170の一端部170aと連結している基端部180aと、後述する長尺ガイド部材190の先端部190bから突出する先端部180bと、先端部180bに配設され、長尺部180を進退操作する長尺操作部180cとを有している。長尺操作部180cは、例えば、術者によって保持されるつまみとして機能する。
【0071】
[長尺ガイド部材190]
図1Aと
図1Bと
図2Aと
図2Bと
図3Aと
図3Bとに示すように、進退補助具100は、長尺部180が挿通することによって長尺部180をガイドする長尺ガイド部材190を有している。長尺ガイド部材190は、長尺部180が挿通する細長い筒部材として形成される。長尺ガイド部材190は、長尺部180よりも短い。長尺
ガイド部材190は、
ベースユニット110から挿入部20の可撓管部25まで配設されている。また長尺ガイド部
材190は、可撓性を有している。
【0072】
長尺ガイド部材190は、基端部190aと、操作部30を含む先端部180bが突出する先端部190bとを有している。
【0073】
また
図5Aと
図5Bとに示すように、長尺ガイド部材190は、長尺ガイド部材190の基端部190aに配設され、延出部170が挿入されるようにベースユニット110に固定されることで長尺ガイド部材190をベースユニット110に固定する固定筒部材190cをさらに有する。固定筒部材190cは、基端部190aに挿入されて基端部190aに固定され、嵌合孔111hに挿入されて嵌合孔111hと嵌合する。延出部170は、固定筒部材190cに挿入され、ベース部材151の進退に伴い固定筒部材190cを挿通する。
【0074】
また
図1Aと
図1Bと
図2Aと
図2Bと
図3Aと
図3Bとに示すように、長尺ガイド部材190は、先端部190bに配設され、術者が長尺ガイド部材190を含む長尺部180を把持し長尺操作部180cをつまむ状態で長尺操作部180cをつまむ術者の手の指が挿通する指挿通部190dを有している。指挿通部190dは、リング状の帯状部材である。
【0075】
[作用]
[内視鏡10への進退補助具100の取り付け]
図1Aと
図1Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、挿通孔111cが処置具挿入口35aと対向するように、固定ユニット130はベースユニット110を内視鏡10に固定する。このとき、位置ずれ防止部113cは、処置具挿入部35を挟み込むことによって支持部材113を含むベースユニット110の位置ずれを防止する。また位置ずれ防止部113cは、挿通孔111cが処置具挿入口35aと対向し、挿通孔111cの中心軸111dが処置具挿入口35aの中心軸35cと同軸上に配設されるように、ベースユニット110の位置ずれを防止する。固定部133は、把持部33に巻き付き、支持部材113を把持部33に固定する。位置ずれ防止部135は、本体部31を挟み込むことによって延出部材115を含むベースユニット110の位置ずれを防止する。
【0076】
[処置具51の配設]
内視鏡10の挿入部20が体腔内に挿入された後、
図1Aと
図1Bと
図5Aと
図5Bとに示すように、処置具51は、保持部157から挿入されて、ガイド部材153とガイド連結部材155と処置具挿入口35aとを挿通する。さらに処置具51は、処置具挿入部35から内視鏡10の内部に挿入される。そして
図1Aと
図1Bとに示すように、処置具51の先端部51aは、先端開口部35bから突出する。突出する処置具51の先端部51aの長さは、所望する長さである。
【0077】
締め付け部157bは、締め付け部157bの軸回りに回転することによって筒部157aを締め付け、締め付けによって固定部材157cを圧縮する。固定部材157cは、圧縮によって処置具51の基端部51
bと密着する。これにより、処置具51は、保持部157とガイド部材153とを介して進退補助具100に固定される。
【0078】
[内視鏡10と処置具51との把持]
図1Aと
図1Bとに示すように、長尺部180と長尺ガイド部とは、処置具挿入部35から可撓管部25まで配設される。この状態で、
図6に示すように、把持部33は術者に左手によって把持され、長尺部180の先端部180bと長尺ガイド部材190の先端部190bとは、術者の右手によって、可撓管部25と共に把持される。
【0079】
このとき、術者は、右手の例えば薬指が指挿通部190dを挿通した状態で、中指と薬指と小指と掌とによって長尺部180の先端部180bと長尺ガイド部材190の先端部190bと可撓管部25とを把持する。同時に、術者は、人差し指と親指とで長尺操作部180cをつまむ。言い換えると、術者は、長尺操作部180cを人差し指と親指とでつまんだ状態で、薬指を指挿通部190dに挿通させ、中指と薬指と小指と掌とによって長尺部180の先端部180bと長尺ガイド部材190の先端部190bと可撓管部25とを把持する。
【0080】
[処置具51の前進動作]
図1Aと
図6とに示すように、長尺操作部180cがつままれた状態で、長尺部180が引っ張られることによって、長尺部180は長尺部180の長手軸方向に沿って前進する。これにより
図1Aと
図2Aと
図4Aと
図5Aとに示すように、長尺部180は、長尺部180と連結している延出部170を介してベース部材151をベース部材111に向けて引っ張る。つまり、長尺部180は、ベース部材151をベース部材111に近づける。
【0081】
そして
図1Aと
図2Aと
図4Aと
図5Aとに示すように、ベース部材151は、ベース部材111に近づくように、挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って前進する。このとき、
図4Aに示すように、ネジ部211iは、長開口部159cに沿って移動する。また
図5Aに示すように、ガイド部材153は、ガイド連結部材155がガイド部材153に挿入され、ガイド部材153がガイド連結部材155を覆うように、移動する。また
図5Aに示すように、延出部170は、固定筒部材190cを挿通し、長尺ガイド部材190に挿入されるように、移動する。
図4Aと
図5Aとに示すように、長開口部159cとガイド部材153とガイド連結部材155と延出部170と固定筒部材190cとは挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って配設されているため、ネジ部211iとガイド部材153と延出部170とは挿通孔111cの中心軸111d方向に沿ってのみ移動する。よって、
図4Aと
図5Aとに示すように、ベース部材151は、挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って前進する。
【0082】
図1Aと
図2Aと
図4Aと
図5Aとに示すように、前記したようにベース部材151が前進することによって、ベース部材151に固定されているガイド部材153と、保持部157によってガイド部材153に固定されている処置具51も、挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って前進する。
【0083】
これにより
図1Aに示すように、処置具51の先端部51aは、前進する。
【0084】
なお
図4Aに示すように、ネジ部211iが長開口部159cの縁部159dに当接し、ベース部材151がベース部材111に当接することで、処置具51の先端部51aの前進は停止する。
【0085】
[処置具51の後退動作]
図1Bと
図6とに示すように、長尺操作部180cがつままれた状態で、長尺部180が押し戻されることによって、長尺部180は長尺部180の長手軸方向に沿って後退する。これにより
図4Aと
図5Bとに示すように、長尺部180は、長尺部180と連結している延出部170を介してベース部材151をベース部材111から押し戻す。つまり、長尺部180は、ベース部材151をベース部材111から引き離す。
【0086】
そして
図1Bと
図2Bと
図4Bと
図5Bとに示すように、ベース部材151は、ベース部材151から離れるように、挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って後退する。このとき、
図4Bに示すように、ネジ部211iは、長開口部159cに沿って移動する。また
図5Bに示すように、ガイド部材153は、ガイド連結部材155がガイド部材153に抜去されるように、移動する。また
図5Bに示すように、延出部170は、長尺ガイド部から抜去され、固定筒部材190cに挿入されるように、移動する。
図4Bと
図5Bとに示すように、長開口部159cとガイド部材153とガイド連結部材155と延出部170と固定筒部材190cとは挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って配設されているため、ネジ部211iとガイド部材153と延出部170とは挿通孔111cの中心軸111d方向に沿ってのみ移動する。よって、
図4Bと
図5Bとに示すように、ベース部材151は、挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って後退する。
【0087】
図1Bと
図2Bと
図4Bと
図5Bとに示すように、前記したようにベース部材151が後退することによって、ベース部材151に固定されているガイド部材153と、保持部157によってガイド部材153に固定されている処置具51も、挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って後退する。
【0088】
これにより
図1Bに示すように処置具51の先端部51aは、後退する。
【0089】
なお
図4Bに示すように、ネジ部211iが長開口部159cの縁部159eに当接することで、処置具51の先端部51aの後退は停止する。
【0090】
[処置具51の進退動作]
前記したように、
図1Aに示すように長尺部180が引っ張られ前進することによって、処置具51は前進する。また
図1Bに示すように長尺部180が押し戻されて後退することによって処置具51は後退する。このように長尺部180の前進方向と処置具51の前進方向とは互いに同一であり、長尺部180の後退方向と処置具51の後退方向とは互いに同一である。
【0091】
[効果]
このように本実施形態では、把持部33は術者に左手によって把持され、湾曲操作部37は術者の左手で操作され、処置具51を進退させる長尺部180は術者の右手によって把持される。これにより術者は、術者が処置具51を進退させる場合、処置具51の進退を扱う右手に注意するのみでよい。よって、本実施形態では、処置具51が進退する際、術者の左手に負担がかかることを防止でき、処置の効率が低下することを防止できる。
また本実施形態では、術者が処置具51を素早く且つ大きく進退させる場合、術者は長尺部180を素早く且つ大きく進退させることで、術者は処置具51を素早く且つ大きく進退できる。これにより、本実施形態では、術者の左手及び右手に負担がかかることを防止でき、処置の効率が低下することを防止できる。
また本実施形態では、把持部33は術者に左手によって把持され、長尺部180は術者の右手によって把持され、処置具51は右手の操作によって進退する。よって本実施形態では、右手の操作が左手の操作を妨げることを防止できる。
また本実施形態では、進退ユニット150によって、長尺部180の進退動作を無駄なく処置具51に伝達でき、処置具51を容易に進退できる。
【0092】
また本実施形態では、進退ユニット150によって、長尺部180が進退する際の長尺部180の動きの向きと、処置具51が進退する際の処置具51の動きの向きとを一致でき、直接的な操作感を得ることができる。
【0093】
また本実施形態では、長開口部159cとガイド部材153とガイド連結部材155と延出部170と固定筒部材190cとが挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って配設されているため、ネジ部211iとガイド部材153と延出部170とは挿通孔111cの中心軸111d方向に沿ってのみ移動する。よって本実施形態では、ベース部材151を挿通孔111cの中心軸111d方向に沿って進退でき、処置具51を容易に進退できる。
【0094】
また本実施形態では、長尺部180は、軸方向において固く、径方向において柔らかい素線によって形成されている。よって本実施形態では、長尺部180が挿入部20の形状(湾曲具合)に倣うように配設でき、術者は長尺部180と可撓管部25とをまとめて把持できる。また本実施形態では、長尺部180が押される際に、長尺部180が突っ張ることを防止でき、長尺部180に力を確実に伝達できる。
【0095】
また本実施形態では、長尺ガイド部材190によって、長尺部180が進退する際に、他の部材が長尺部180の進退を邪魔することを防止できる。
【0096】
また本実施形態では、長尺操作部180cによって、確実かつ容易に長尺部180を進退できる。
【0097】
また本実施形態では、指挿通部190dによって、術者は長尺部180を操作する右手で可撓管部25を把持できる。例えば、処置具51が進退する際に、術者の右手が可撓管部25から離れると、挿入部20が動き、処置具51も挿入部20と共に動き、処置具51の先端部51aが観察対象物から離れ、処置の効率が低下する虞が生じる。しかしながら、実施形態では、処置具51を進退させる際に、前記によって、長尺部180を操作する右手を可撓管部25から離す必要がなく、挿入部20が移動することを防止できる。よって本実施形態では、挿入部20と共に処置具51が移動することを防止でき、処置具51を常に観察対象物の近くに配設でき、処置の効率が低下することを防止できる。
【0098】
また本実施形態では、規制部材159によって、処置具51の進退量を規制及び調整できる。よって、本実施形態では、観察対象物の大きさに応じて、処置具51の進退量を調整でき、処置の効率を向上できる。
【0099】
なお本実施形態では、処置具51は常に先端開口部35bから突出した状態で進退するが、これに限定する必要はない。例えば処置具51は、後退することで、先端開口部35bから挿入部20の内部に収納されてもよい。
【0100】
また本実施形態では、長尺部180の基端部180aは、延出部170の一端部170aと連結しているが、これに限定する必要はない。長尺部180の基端部180aは、延出部170の他端部170bと連結していてもよい。これにより本実施形態では、長尺部180が進退する際の長尺部180の動きの向きと、処置具51が進退する際の処置具51の動きの向きとを逆にできる。つまり、長尺部180が前進すると処置具51が後退し、長尺部180が後退すると処置具51が前進する。これにより、操作性を向上できる。
【0101】
また本実施形態では、
図7に示すように、進退補助具100は、延出部170に配設され、長尺部180の進退力が増減するように進退力を調整する調整部材200を有していてもよい。調整部材200は、例えば延出部170を螺旋状に巻回する付勢部材として機能する。調整部材200は、例えば、巻きばねである。この場合、付勢部材である調整部材200は、例えば、ベース部材151とベース部材111とに当接しており、挿入口の中心軸方向に沿って、ベース部材151をベース部材111から離す付勢力を有している。これにより、本実施形態では、長尺部180が引っ張られる際、長尺部180の前進力は付勢力によって減少する。よって、処置具51が、急激に前進することを防止できる。長尺部180が押される際、長尺部180の後退力は付勢力によって増加する。よって、処置具51が、後退することを補助できる。
【0102】
また本実施形態では、長尺ガイド部材190は、長尺ガイド部材190の先端部190bに配設され、長尺ガイド部材190を内視鏡10の挿入部20の可撓管部25に係留する係留部を有していてもよい。係留部は、例えば帯状のベルト部材である。これにより本実施形態では、術者が長尺部180を操作する右手で可撓管部25を把持する際、把持を補助でき、右手の負担を軽減でき、右手をより処置具51の進退操作に専念させることができ、処置の効率が低下することを防止できる。
【0103】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。