特許第5993244号(P5993244)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5993244
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】表示切替装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/33 20060101AFI20160901BHJP
   G09F 13/04 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
   G09F9/33
   G09F13/04 N
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-176702(P2012-176702)
(22)【出願日】2012年8月9日
(65)【公開番号】特開2014-35456(P2014-35456A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128211
【弁理士】
【氏名又は名称】野見山 孝
(72)【発明者】
【氏名】織田 誠広
(72)【発明者】
【氏名】重松 祐一郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 知康
【審査官】 小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−041171(JP,A)
【文献】 特開2003−315778(JP,A)
【文献】 実開昭58−113080(JP,U)
【文献】 特開2007−293253(JP,A)
【文献】 特開2004−070201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−9/46
13/00−13/46
H01L 27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1の色光及び前記第1の色光と補色関係にある第2の色光を発する第1の光源と
3の色光及び前記第3の色光と補色関係にある第4の色光を発する第2の光源と、
前記第1の光源から発する光を透過する第1のカラーフィルタと、
前記第2の光源から発する光を透過する第2のカラーフィルタと、
を備えており、
前記第1及び第2の光源を切り替えて発光させることで、前記第1の光源と前記第1のカラーフィルタとの組み合わせにより第1の白色表示を行い、前記第2の光源と前記第2のカラーフィルタとの組み合わせにより第2の白色表示を行うことを特徴とする表示切替装置。
【請求項2】
前記第1のカラーフィルタは、前記第1の色光、及び前記第1の色光と補色関係の前記第2の色光を透過する着色層が隣接して設けられ、
前記第2のカラーフィルタは、前記第3の色光、及び前記第3の色光と補色関係の前記第4の色光を透過する着色層が隣接して設けられたことを特徴とする請求項1記載の表示切替装置。
【請求項3】
前記第1の色光は、青色の波長帯域の光であり、
前記第2の色光は、黄色の波長帯域の光であり、
前記第3の色光は、緑色の波長帯域の光であり、
前記第4の色光は、赤色の波長帯域の光であることを特徴とする請求項1又は2記載の表示切替装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示切替装置に係り、特に、2つの白色表示の切替を可能とした表示切替装置に関する。
【背景技術】
【0002】
同一表示面に異なる第1及び第2の表示を切り換えて表示させる可変表示構造が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記特許文献1記載の可変表示構造は、青色光源と赤色光源とを切り換えて投光させることで、青色光源の光と、青色印刷部と、青色及び黄色の2色の蛍光体を混合した蛍光フィルタとの組み合わせにより第1の白色表示を行い、赤色光源の光と赤色印刷部との組み合わせにより第2の赤色表示を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−293253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載された従来の可変表示構造は、第1の表示と第2の表示との切替表示は可能であるが、第1の表示と第2の表示とを白色表示に切り替えることはできない。この従来の可変表示構造は、第1の表示を白色表示に切り替えるだけであって、第1及び第2の表示を白色表示に切り替えることは講じられていない。
【0006】
本発明の目的は、第1及び第2の表示を白色表示に切り替えることを可能とした表示切替装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明は、1の色光及び前記第1の色光と補色関係にある第2の色光を発する第1の光源と、第3の色光及び前記第3の色光と補色関係にある第4の色光を発する第2の光源と、前記第1の光源から発する光を透過する第1のカラーフィルタと、前記第2の光源から発する光を透過する第2のカラーフィルタと、を備えており、前記第1及び第2の光源を切り替えて発光させることで、前記第1の光源と前記第1のカラーフィルタとの組み合わせにより第1の白色表示を行い、前記第2の光源と前記第2のカラーフィルタとの組み合わせにより第2の白色表示を行うことを特徴とする表示切替装置にある。
【0008】
[2]上記[1]記載の前記第1のカラーフィルタは、前記第1の色光、及び前記第1の色光と補色関係の前記第2の色光を透過する着色層が隣接して設けられ、前記第2のカラーフィルタは、前記第3の色光、及び前記第3の色光と補色関係の前記第4の色光を透過する着色層が隣接して設けられたことを特徴とする。
【0009】
[3]上記[1]又は[2]記載の前記第1の色光は、青色の波長帯域の光であり、前記第2の色光は、黄色の波長帯域の光であり、前記第3の色光は、緑色の波長帯域の光であり、前記第4の色光は、赤色の波長帯域の光であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、白色と白色の切替表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の好適な第1の実施の形態に係る表示切替装置の一例を説明するための図であり、(a)は表面側からみた平面模式図、(b)は断面模式図である。
図2】補色の定義を示す色度図である。
図3】第1の実施の形態に係る表示切替装置に好適なカラーフィルタの画素構成を示す平面模式図(a)及び(b)である。
図4】第1の実施の形態に係る表示切替装置の第1の白色表示を説明するための図であり、(a)は表面側からみた平面模式図、(b)は断面模式図である。
図5】第1の実施の形態に係る表示切替装置の第2の白色表示を説明するための図であり、(a)は表面側からみた平面模式図、(b)は断面模式図である。
図6】第1の実施の形態に係る表示切替装置に好適な青、黄、緑、赤のLED光源の発光スペクトルを示す図である。
図7】第1の実施の形態に係る表示切替装置に好適なカラーフィルタの透過率特性を青、黄のLED光源の発光スペクトルとともに示す図である。
図8】第1の実施の形態に係る表示切替装置に好適なカラーフィルタの透過率特性を緑、赤のLED光源の発光スペクトルとともに示す図である。
図9】第2の実施の形態に係る表示切替装置の一例を説明するための図であり、(a)は表面側からみた平面模式図、(b)は断面模式図である。
図10】表示切替装置の変形例を説明するための断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この実施の形態に係る図において、表示切替装置を構成する部品のそれぞれの比率は、図示例に限定されるものではない。
【0013】
[第1の実施の形態]
(表示切替装置の全体構成)
図1(a)及び(b)において、全体を示す符号1は、この実施の形態における典型的な表示切替装置の一構成例を示している。この表示切替装置1は、特に規定されるものではないが、例えば各種車両に搭載された計器やスイッチの照明装置などに好適に使用される。
【0014】
この表示切替装置1は、図1(a)及び(b)に示すように、青色(B)、緑色(G)、黄色(Y)及び赤色(R)を単色に発光する第1〜第4の4個のLED2〜5を光源として備えている(以下順に「青色LED2」、「緑色LED3」、「黄色LED4」及び「赤色LED5」ともいう。)。
【0015】
この表示切替装置1は、図1(a)及び(b)に示すように、青色LED2及び黄色LED4の2種類を一組とする第1の光源6により発光及び消光を行い、緑色LED3及び赤色LED5の2種類を他の一組とする第2の光源7により発光及び消光を行う。
【0016】
この第1光源6及び第2光源7が個別に発光することで、第1の白色表示及び第2の白色表示となる2つの白色の意匠が同一表示面に表示される。この第1及び第2光源6,7の切替は、表示切替装置1に備えられた制御部の制御、又は外部装置の制御により行われる。
【0017】
この第1の実施の形態に係る表示切替装置1は、図1(a)及び(b)に示すように、第1光源6と第2光源7とに対して、第1の白色表示と第2の白色表示とを表示するカラーフィルタ20により、第1の白色表示及び第2の白色表示の切替を行う構造に主要部を有している。
【0018】
このカラーフィルタ20は、図1(a)及び(b)に示すように、基材8に積層一体化されている。この基材8は、例えばポリカーボネート系樹脂などのフィルム状、シート状又は板状の透明な基材からなる。
【0019】
国際照明委員会(CIE)の補色の定義に基づく色度図において、青色B及び黄色Yは、図2に示すように、白色Wの色度点W1近傍の白色領域を通る直線の両側にあり、緑色G及び赤色Rにあっても、白色Wの色度点W1近傍の白色領域を通る直線の両側にある。この青色B及び黄色Yと、緑色G及び赤色Rとのそれぞれは、補色関係にあり、混合することで白色Wとなる色同士である。この補色関係にある色を有するカラーフィルタ20が用いられる。
【0020】
(フィルタの構成)
このカラーフィルタ20としては、図1(a)、図1(b)及び図3に示すように、第1のフィルタ21と第2のフィルタ22とを備えたカラーフィルタにより構成されている。このカラーフィルタ20には、色を隠蔽する第3のフィルタ23を有している。このフィルタ21〜23の材質としては、特に規定されるものではなく、例えば一般的な着色材料を含有する着色樹脂組成物を用いることができる。
【0021】
この第1フィルタ21は、図1(a)、図1(b)及び図3に示すように、補色関係にある青色B及び黄色Yの2色を透過させるカラーフィルタであり、第1の透過領域S1に対応して、青色光を透過する青フィルタ層21aと黄色光を透過する黄フィルタ層21bとが縦横方向に交互に配置された格子状の着色パターンで形成されている。
【0022】
この第1透過領域S1は、例えば文字、数字、図形、記号あるいは絵柄などの意匠部となる第1の白色表示となる。第1フィルタ21と第1光源6との組み合わせにより第1の白色光が生成される第1の白色生成部が構成される。
【0023】
一方の第2フィルタ22としては、図1(a)、図1(b)及び図3に示すように、補色関係にある緑色G及び赤色Rの2色を透過させるカラーフィルタであり、第2の透過領域S2に対応して、緑色光を透過する緑フィルタ層22aと赤色光を透過する赤フィルタ層22bとが縦横方向に交互に配置された格子状の着色パターンで形成されている。
【0024】
この第2透過領域S2は、例えば文字、数字、図形、記号あるいは絵柄などの意匠部となる第2の白色表示となる。第2フィルタ22と第2光源7との組み合わせにより第2の白色光が生成される第2の白色生成部が構成される。
【0025】
この各色のフィルタ層21a,21b,22a,22bは、補色の関係を有する青フィルタ層21a及び黄フィルタ層21bと、緑フィルタ層22a及び赤フィルタ層22bとが隣接して配置されることから、青色B及び黄色Yの光と、緑色G及び赤色Rとを充分に混色させることができる。
【0026】
なお、各色のフィルタ層21a,21b,22a,22bは、縦横の格子状に形成されているが、所望の2色を輝度ムラなく取り出すことができる着色パターン形状であれば、特に規定されるものではない。着色パターンの他の一例としては、例えば縦、横や斜め等の線状あるいは曲線状の組み合わせで構成されたストライプ状あるいはメッシュ状などの各種の着色パターンを用いることができる。
【0027】
この第1透過領域S1と第2透過領域S2とが重なる部位は、図1(a)及び(b)に示すように、第1光源6の発光及び第2光源7の発光のいずれをも透過する第3の透過領域S3とされており、第1白色表示及び第2白色表示の重なり部分となる。この第3透過領域S3は、着色されていない透明フィルタであってもよく、白色印刷フィルタが形成されていてもよい箇所である。ただし、白色印刷を施した場合は、マーク等の意匠部境界などに輝度差が発生することが懸念されるため、図10に示すように、第1透過領域S1及び第2透過領域S2の上に拡散層11を設ける必要がある。
【0028】
この第3フィルタ23は、第1光源6の発光及び第2光源7の発光のいずれをも遮光する隠蔽層とされている。この隠蔽層は、第1及び第2透過領域S1,S2以外の領域に対応して、第1白色表示となる第1透過領域S1、第2白色表示となる第2透過領域S2、及び白色光を吸収する部分となる。
【0029】
(第1の白色表示)
この第1白色表示は、第1光源6を発光させ、第2光源7を消光させることで表示される。その第1光源6から出射された青色B及び黄色Yのそれぞれの光が、図4(a)に示すように、第1フィルタ21の裏面側から青フィルタ層21a及び黄フィルタ層21bへ入射すると、入射した青色光及び黄色光のそれぞれは、基材8を通過する。
【0030】
この青色光及び黄色光の通過過程において、青色光及び黄色光が基材8の内部で合成されて均等に拡散される。この青色光と黄色光との混色により、擬似的な白色光Wが生成される。この白色光Wは、基材8から外部へ向けて出射されることとなる。
【0031】
(第2の白色表示)
第2の白色表示は、図4(b)及び図5(b)に示すように、第1光源6を消光させ、第2光源7を発光させることで表示される。第2光源7から出射された緑色G及び赤色Rのそれぞれの光が、第2フィルタ22の裏面側から緑フィルタ層22a及び赤フィルタ層22bへ入射すると、入射した緑色光及び赤色光のそれぞれは、基材8を通過する。
【0032】
この緑色光及び赤色光の通過過程において、緑色光及び赤色光が基材8の内部で合成されて均等に拡散される。この緑色光と赤色光との混色により、擬似的な白色光Wが生成される。この白色光Wは、基材8から外部へ向けて出射されることとなる。
【0033】
(透過スペクトルと発光スペクトルとの関係)
図2に示す色度図において、青色LED2の発光色の波長を表す色度点B1と黄色LED4の発光色の波長を表す色度点Y1とは、白色の色度点W1近傍の白色領域を通る直線の両側にある。この第1光源6の白色発光スペクトルとしては、図2に示す色度図において白色領域にある白色光が合成光として得られることが好ましい。更に好ましくは、青色LED2の色度点B1と白色の色度点W1とを結ぶ線分の長さをBWとし、黄色LED4の色度点Y1と白色の色度点W1とを結ぶ線分の長さYWとしたとき、BW=YWの関係を有するように構成されることが好適である。
【0034】
一方、図2に示す色度図において、赤色LED5の発光色の波長を表す色度点R1と緑色LED3の発光色の波長を表す色度点G1とは、白色の色度点W1近傍の白色領域を通る直線の両側にある。この第2光源7の白色発光スペクトルとしては、図2に示す色度図において白色領域にある白色光が合成光として得られることが好ましい。赤色LED5の色度点R1と白色の色度点W1とを結ぶ線分の長さRWとし、緑色LED3の色度点G1と白色の色度点W1とを結ぶ線分の長さGWとしたとき、RW=GWの関係を有するように構成されることが更に好適である。
【0035】
この各色のLED2〜5のそれぞれは、図6に示すように、ピーク放射輝度が異なる4つの波長領域を有する。各色のLED2〜5のそれぞれの発光波長を波長軸上で所要の間隔としており、各色のLED2〜5のそれぞれの相対放射輝度を示す発光スペクトル200,300,400,500が互いに重なり合っていない。
【0036】
この第1光源6としては、図示例に限定されるものではないが、例えば発光ピーク波長を470nm程度とする青色LED2と、例えば発光ピーク波長を580nm程度とする黄色LED4とが使用可能である。一方の第2光源7としては、図示例に限定されるものではないが、例えば発光ピーク波長を535nm程度とする緑色LED3と、例えば発光ピーク波長を680nm程度とする赤色LED5とが使用可能である。
【0037】
このカラーフィルタ20の透過光により混色される白色は、図7及び図8に示すように、各色のLED2〜5の発光スペクトル200,300,400,500と、カラーフィルタ20の各色のフィルタ層21a,21b,22a,22bの透過スペクトル201,301,401,501とにより決まる。この各色の透過スペクトル201,301,401,501で白色光を実現するのには、各色の透過スペクトル201,301,401,501と各色の発光スペクトル200,300,400,500とを重ね合わせたとき、各色の透過スペクトル201,301,401,501と各色の発光スペクトル200,300,400,500とを近似させることが好適である。これにより、光の利用効率を高めることができる。
【0038】
青フィルタ層21aとしては、図示例に限定されるものではないが、例えば450nm〜495nm程度の透過帯域幅の範囲内に最大透過率をもって、90%の青色光を透過させることが好適である。黄フィルタ層21bとしては、図示例に限定されるものではないが、例えば570nm〜590nm程度の透過帯域幅の範囲内に最大透過率をもって、90%の黄色光を透過させることが好適である。これにより、青色光と黄色光との混色により、擬似的な第1の白色光が生成される。
【0039】
一方、緑フィルタ層22aとしては、図示例に限定されるものではないが、例えば495nm〜570nm程度の透過帯域幅の範囲内に最大透過率をもって、90%の緑色光を透過させることが好適である。赤フィルタ層22bとしては、図示例に限定されるものではないが、例えば620nm〜750nm程度の透過帯域幅の範囲内に最大透過率をもって、90%の赤色光を透過させることが好適である。これにより、緑色光と赤色光との混色により、擬似的な第2の白色光が生成される。
【0040】
各色のフィルタ層21a,22b,22a,22bは、各色のLED2〜5における波長領域の間の中心波長領域に透過ピーク波長を有するように設定されている。このため、各色のLED2〜5の光損失を最小限に抑えることができる。なお、白色表示の際に、色ムラが発生した場合は、各色のLED2〜5の配置個数や各色のLED2〜5に流れる電流値等を調整することで、色ムラをなくすことができる。各色のフィルタ層21a,22b,22a,22bを透過したときの白色輝度は、夜間照明の場合は、例えば10cd/m程度に設定される。昼間照明の場合は、例えば150cd/m程度に設定される。
【0041】
(第1の実施の形態の効果)
以上のように構成された第1の実施の形態に係る表示切替装置1を採用することで、上記効果に加えて以下の効果が得られる。
【0042】
(1)色度が同程度の白色光を切り替えて発光することができる。
(2)2つの白色光の切替を液晶表示装置(LCD)等のデバイスを用いることなく、カラーフィルタ20を備えた簡単な構成をもって、2種類の白色Wの表示を切り替えることが可能となる。
【0043】
[第2の実施の形態]
図9(a)及び(b)を参照すると、これらの図には、第2の実施の形態に係る表示切替装置1の要部の一構成例が示されている。
【0044】
上記第1の実施の形態では、2色を透過させる2種類のフィルタ層により、第1の白色表示及び第2の白色表示の切替を行う構成であったものを、この第2の実施の形態にあっては、2色を透過させる2種類の印刷パターンにより、第1の白色表示及び第2の白色表示の切替を行う構成とした点で上記第1の実施の形態とは異なっている。
【0045】
従って、これらの図において、上記第1の実施の形態と実質的に同じ部材には同一の部材名と符号を付しており、これらの部材に関する詳細な説明は省略する。
【0046】
このカラーフィルタ20は、図9(a)及び(b)に示すように、上下一対の上部基材9及び下部基材10の間に配置されている。この下部基材10の下面側には、補色の関係を有する青色LED2及び黄色LED4と、緑色LED3及び赤色LED5とが隣接して配置されている。この上部基材9及び下部基材10は、例えばポリカーボネート系樹脂などのフィルム状、シート状又は板状の透明な基材からなる。
【0047】
このカラーフィルタ20は、図9(a)及び(b)に示すように、拡散層11を積層することで一体化した二層構造とされている。この二層構造のカラーフィルタ20は、一般的な材料からなり、特に限定するものではないが、例えばフィルタ膜を塗布あるいは印刷したのちに乾燥させることで形成される。
【0048】
このカラーフィルタ20は、図9(a)及び(b)に示すように、補色関係にある青色及び黄色の2色を透過させる第1のフィルタである印刷部24、補色関係にある緑色及び赤色の2色を透過させる第2のフィルタである印刷部25、及び色を隠蔽する第3のフィルタである印刷部26を有している。
【0049】
この第1印刷部24は、図3(a)に示す着色パターンと同様に、第1透過領域S1に対応して、青色印刷部と黄色印刷部とが縦横方向に交互に配置された格子状の印刷パターンで形成されている。この第1印刷部24と第1光源6との組み合わせにより白色光が生成される第1白色生成部が構成される。
【0050】
一方の第2印刷部25は、図3(b)に示す着色パターンと同様に、第2透過領域S2に対応して、緑色印刷部と赤色印刷部とが縦横方向に交互に配置された格子状の印刷パターンで形成されている。この第2印刷部25と第2光源7との組み合わせにより白色光が生成される第2白色生成部が構成される。
【0051】
この第1透過領域S1と第2透過領域S2とが重なる部位は、第1光源6の発光及び第2光源7の発光のいずれをも透過する第3透過領域S3とされており、第1白色表示及び第2白色表示の重なり部分となる。この第3透過領域S3は、白色印刷を施してもよく、印刷が施されていなくてもよい箇所である。
【0052】
この拡散層11は、入射光を均一に拡散させる光拡散機能を有する。この拡散層11は、透明基材又は白色のインクにより形成される。第1光源6の発光及び第2光源7の発光が、拡散層11の内部で合成されて均等に拡散されることで、第1透過領域S1又は第2透過領域S2の全体が白色に染まるようになっている。
【0053】
(第2の実施の形態の効果)
以上のように構成された第2の実施の形態に係る表示切替装置1を採用することで、上記効果に加えて以下の効果が得られる。
【0054】
補色の関係を有する青色LED2及び黄色LED4と、緑色LED3及び赤色LED5とが隣接して配置されることから、青色B及び黄色Yの光と、緑色G及び赤色Rとを充分に混色させることができる。
【0055】
以上の説明からも明らかなように、本発明の表示切替装置を上記各実施の形態、変形例及び図示例に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態、変形例及び図示例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
【0056】
本発明にあっては更に、上記各実施の形態、変形例及び図示例の中で説明した特徴の組合せの全てが本発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0057】
1…表示切替装置、2…青色LED、3…緑色LED、4…黄色LED、5…赤色LED、6…第1光源、7…第2光源、8…基材、9…上部基材、10…下部基材、11…拡散層、20…カラーフィルタ、21…第1フィルタ、21a…青フィルタ層、21b…黄フィルタ層、22…第2フィルタ、22a…緑フィルタ層、22b…赤フィルタ層、23…第3フィルタ、24…第1印刷部、25…第2印刷部、26…第3印刷部、200…青色発光スペクトル、300…緑色発光スペクトル、400…黄色発光スペクトル、500…赤色発光スペクトル、201…青色透過スペクトル、301…緑色透過スペクトル、401…黄色透過スペクトル、501…赤色透過スペクトル、B…青色、B1,G1,R1,W1,Y1…色度点、G…緑色、R…赤色、S1〜S3…第1〜第3透過領域、W…白色、Y…黄色
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10