(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5993322
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】エンジンのシール装置
(51)【国際特許分類】
F02F 11/00 20060101AFI20160901BHJP
【FI】
F02F11/00 A
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-28937(P2013-28937)
(22)【出願日】2013年2月18日
(65)【公開番号】特開2014-156841(P2014-156841A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2015年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】小山 秀行
(72)【発明者】
【氏名】篠原 祐次
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 洋
(72)【発明者】
【氏名】宮田 雄介
(72)【発明者】
【氏名】山口 隆志
(72)【発明者】
【氏名】後藤 英之
(72)【発明者】
【氏名】森本 達也
【審査官】
櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭47−040192(JP,Y1)
【文献】
実開昭48−036245(JP,U)
【文献】
実開昭60−035966(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02F 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダヘッドカバー(1)の開口縁部(2)にガスケット嵌合溝(3)が形成され、このガスケット嵌合溝(3)にその入口開口(4)から弾性素材のガスケット(5)が押し込まれ、ガスケット(5)は、ガスケット本体(6)とガスケット本体(6)の両側の突部(7)(7)とで構成され、両突部(7)(7)の突出端面(7c)(7c)が両突部(7)(7)の弾性力でガスケット嵌合溝(3)の両内側面(9)(9)に圧接されることにより、両突部(7)(7)とガスケット嵌合溝(3)との摩擦力でガスケット(5)がガスケット嵌合溝(3)に対して抜け止めされ、シリンダヘッド(10)とシリンダヘッドカバー(1)との間に挟み付けられたガスケット(5)で、シリンダヘッド(10)とシリンダヘッドカバー(1)との間がシールされるように構成されている、エンジンのシール装置において、
ガスケット嵌合溝(3)の周方向に所定間隔を保持して、ガスケット嵌合溝(3)から嵌合溝拡張部分(3a)が導出され、
突部(7)が、突出端面(7c)と、突出端面(7c)と前記周方向で隣接する突出導出面(7b)を備え、嵌合溝拡張部分(3a)が、拡張端面(3c)と、拡張端面(3c)と前記周方向で隣接する拡張導出面(3b)を備え、
嵌合溝拡張部分(3a)に突部(7)が嵌合され、突部(7)の弾性力で、突部(7)の突出端面(7c)が嵌合溝拡張部分(3a)の拡張端面(3c)に圧接されているとともに、突部(7)の突出導出面(7b)が嵌合溝拡張部分(3a)の拡張導出面(3b)に圧接され、
両突部(7)(7)は突部(7)が嵌合溝拡張部分(3a)と嵌合する位置に複数形成され、
シリンダヘッドカバー(1)の開口縁部(2)の外側に取付ボス(14)が設けられ、この取付ボス(14)に挿通された取付ボルト(15)でシリンダヘッドカバー(1)がシリンダヘッド(10)に取り付けられ、嵌合溝拡張部分(3a)が取付ボス(14)に向けて導出され、ガスケット本体(6)の周方向に相互に離間した突部(7)がシリンダヘッドカバー(1)の開口縁部(2)の周方向に相互に離間した取付ボス(14)に圧接され、
取付ボルト(15)は、挿通軸部(19)と、挿通軸部(19)の先端面(20)から突出したオネジ部(21)と、挿通軸部(19)の基端側に設けられたボルト頭部(23)を備え、挿通軸部(19)は取付ボス(14)に挿通され、挿通軸部(19)の先端面(20)はシリンダヘッド(10)に接当され、オネジ部(21)はシリンダヘッド(10)のメネジ部(22)にネジ嵌合され、ボルト頭部(23)は取付ボス(14)をシリンダヘッド(10)側に押圧し、シリンダヘッドカバー(1)がガスケット(5)の弾性でシリンダヘッド(10)から離間する方向に弾発されて、シリンダヘッドカバー(1)とシリンダヘッド(10)との間に隙間が設けられている、ことを特徴とするエンジンのシール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンのシール装置に関し、詳しくは、シリンダヘッドカバーのガスケット嵌合溝からガスケットが抜け落ちにくい、エンジンのシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、
図2(A)〜(C)に示すように、シリンダヘッドカバー(101)の開口縁部(102)にガスケット嵌合溝(103)が形成され、このガスケット嵌合溝(103)にその入口開口(104)から弾性素材のガスケット(105)が押し込まれ、ガスケット(105)は、ガスケット本体(106)とガスケット本体(106)の両側の突部(107)(107)とで構成され、両突部(107)(107)の突出端部(108)(108)が両突部(107)(107)の弾性力でガスケット嵌合溝(103)の両内側面(109)(109)に圧接されることにより、両突部(107)(107)とガスケット嵌合溝(103)との摩擦力でガスケット(105)がガスケット嵌合溝(103)に対して抜け止めされ、シリンダヘッド(図示せず)とシリンダヘッドカバー(101)との間に挟み付けられたガスケット(105)で、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバー(101)との間がシールされるように構成されている、エンジンのシール装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種のシール装置では、ガスケット嵌合溝(103)にガスケット(105)を装着する場合、ガスケット嵌合溝(103)に押し込むだけでよいため、ガスケット嵌合溝(103)へのガスケット(105)の装着が容易になるという利点がある。
【0004】
しかし、この従来技術では、
図2(B)に示すように、両突部(107)(107)の突出端部(108)(108)とガスケット嵌合溝(103)の両内側面(109)(109)との圧接による摩擦力のみでガスケット(105)がガスケット嵌合溝(103)に対して抜け止めされているため、問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公昭47−40192号公報(第1図〜第3図参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
《問題点》 シリンダヘッドカバーのガスケット嵌合溝からガスケットが抜け落ちやすい。
図2(B)に示すように、両突部(107)(107)の突出端部(108)(108)とガスケット嵌合溝(103)の両内側面(109)(109)との圧接による摩擦力のみでガスケット(105)がガスケット嵌合溝(103)に対して抜け止めされているため、ガスケット(105)の抜け止め力が弱く、ガスケット(105)に抜き取り力がかかると、抜け止め力が直ぐに抜き取り力に負け、シリンダヘッドカバー(101)のガスケット嵌合溝(103)からガスケット(105)が抜け落ちやすい。
このため、シリンダヘッドカバー(101)内のメンテナンス時に、シリンダヘッドからシリンダヘッドカバー(101)を取り外した場合には、熱でシリンダヘッドに張り付いたガスケット(105)がガスケット嵌合溝(103)から抜け落ち、シリンダヘッドへのシリンダヘッドカバー(101)の再取り付け時に、ガスケット嵌合溝(103)にガスケット(105)を再嵌合させる必要があり、シリンダヘッドカバー(101)の取り付け作業に手間がかかる。
【0007】
本発明の課題は、シリンダヘッドカバーのガスケット嵌合溝からガスケットが抜け落ちにくい、エンジンのシール装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
図1(A)〜(C)に例示するように、シリンダヘッドカバー(1)の開口縁部(2)にガスケット嵌合溝(3)が形成され、このガスケット嵌合溝(3)にその入口開口(4)から弾性素材のガスケット(5)が押し込まれ、ガスケット(5)は、ガスケット本体(6)とガスケット本体(6)の両側の突部(7)(7)とで構成され、両突部(7)(7)の突出
面(7c)(7c)が両突部(7)(7)の弾性力でガスケット嵌合溝(3)の両内側面(9)(9)に圧接されることにより、両突部(7)(7)とガスケット嵌合溝(3)との摩擦力でガスケット(5)がガスケット嵌合溝(3)に対して抜け止めされ、シリンダヘッド(10)とシリンダヘッドカバー(1)との間に挟み付けられたガスケット(5)で、シリンダヘッド(10)とシリンダヘッドカバー(1)との間がシールされるように構成されている、エンジンのシール装置において、
図1(A)に例示するように、ガスケット嵌合溝(3)の周方向に所定間隔を保持して、ガスケット嵌合溝(3)から嵌合溝拡張部分(3a)が導出され、
図1(C)に例示するように、突部(7)が、突出端面(7c)と、突出端面(7c)と前記周方向で隣接する突出導出面(7b)を備え、嵌合溝拡張部分(3a)が、拡張端面(3c)と、拡張端面(3c)と前記周方向で隣接する拡張導出面(3b)を備え、
図1(B)(C)に例示するように、嵌合溝拡張部分(3a)に突部(7)が嵌合され、突部(7)の弾性力で、突部(7)の突出端面(7c)が嵌合溝拡張部分(3a)の拡張端面(3c)に圧接されているとともに、突部(7)の突出導出面(7b)が嵌合溝拡張部分(3a)の拡張導出面(3b)に圧接され、
図1(A)に例示するように、両突部(7)(7)は突部(7)が嵌合溝拡張部分(3a)と嵌合する位置に複数形成され、
シリンダヘッドカバー(1)の開口縁部(2)の外側に取付ボス(14)が設けられ、この取付ボス(14)に挿通された取付ボルト(15)でシリンダヘッドカバー(1)がシリンダヘッド(10)に取り付けられ、嵌合溝拡張部分(3a)が取付ボス(14)に向けて導出され、ガスケット本体(6)の周方向に相互に離間した突部(7)がシリンダヘッドカバー(1)の開口縁部(2)の周方向に相互に離間した取付ボス(14)に圧接され、
図1(B)に例示するように、取付ボルト(15)は、挿通軸部(19)と、挿通軸部(19)の先端面(20)から突出したオネジ部(21)と、挿通軸部(19)の基端側に設けられたボルト頭部(23)を備え、挿通軸部(19)は取付ボス(14)に挿通され、挿通軸部(19)の先端面(20)はシリンダヘッド(10)に接当され、オネジ部(21)はシリンダヘッド(10)のメネジ部(22)にネジ嵌合され、ボルト頭部(23)は取付ボス(14)をシリンダヘッド(10)側に押圧し、シリンダヘッドカバー(1)がガスケット(5)の弾性でシリンダヘッド(10)から離間する方向に弾発されて、シリンダヘッドカバー(1)とシリンダヘッド(10)との間に隙間が設けられている、ことを特徴とするエンジンのシール装置。
【発明の効果】
【0009】
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果》 シリンダヘッドカバーのガスケット嵌合溝からガスケットが抜け落ちにくい。
図1(B)(C)に例示するように
、嵌合溝拡張部分(3a)に
突部(7)が嵌合され、
突部(7)の弾性力で、
突部(7)の突出端面(7c)が嵌合溝拡張部分(3a)の拡張端
面(3c)に圧接されているとともに、
突部(7)の突出導出面(7b)が嵌合溝拡張部分(3a)の拡張導出面(3b)に圧接されているので、両突部(7)(7)の突出端
面(7c)(7c)とガスケット嵌合溝(3)の両
内側面(9)(9)との圧接による摩擦力だけでなく、
突部(7)の突出導出面(7b)と嵌合溝拡張部分(3a)の拡張導出面(3b)との圧接による摩擦力も加わって、ガスケット(5)がガスケット嵌合溝(3)に対して抜け止めされているため、ガスケット(5)の抜け止め力が強く、ガスケット(5)に抜き取り力がかかっても、抜け止め力が抜き取り力に負けず、シリンダヘッドカバー(1)のガスケット嵌合溝(3)からガスケット(5)が抜け落ちにくい。
このため、シリンダヘッドカバー(1)内のメンテナンス時に、シリンダヘッド(10)からシリンダヘッドカバー(1)を取り外した場合でも、ガスケット嵌合溝(3)からガスケット(5)が抜け落ちず、シリンダヘッド(10)へのシリンダヘッドカバー(1)の再取り付け時に、ガスケット嵌合溝(3)にガスケット(5)を再嵌合させる必要がなくなり、シリンダヘッドカバー(1)の取り付け作業に手間がかからない。
【0010】
《効果》 ガスケット嵌合溝にガスケットを押し込みやすい。
図1(A)に例示するように、両突部(7)(7)は
片側の突部(7)が嵌合溝拡張部分(3a)と嵌合する位置に複数形成されているので、両突部(7)(7)のある箇所だけをガスケット嵌合溝(3)に押し込めばよいため、ガスケット嵌合溝(3)にガスケット(5)を押し込みやすい。
【0011】
《効果》 ガスケットのシール性が高い。
図1(A)(B)に例示するように、シリンダヘッドカバー(1)の開口縁部(2)の外側に取付ボス(14)が設けられ、この取付ボス(14)に挿通された取付ボルト(15)でシリンダヘッドカバー(1)がシリンダヘッド(10)に取り付けられ、嵌合溝拡張部分(3a)が取付ボス(14)に向けて導出され、
ガスケット本体(6)の周方向に相互に離間した突部(7)がシリンダヘッドカバー(1)の開口縁部(2)の周方向に相互に離間した取付ボス(14)に圧接されているので、ガスケット(5)のシール性が高い。
その理由は、次のようなものと推定される。
シリンダヘッド(10)の振動は、取付ボルト(2)から直接に取付ボス(14)に伝達されるため、シリンダヘッドカバー(1)の他の部分に比べ、取付ボス(14)の振動はシリンダヘッド(10)の振動と同期しやすく、この取付ボス(14)と接するガスケット本体(6)の突部(7)の振動もシリンダヘッド(10)の振動と同期しやすい。このため、この突部(7)の振動がシリンダヘッド(10)と接するガスケット本体(6)の振動と同期しやすく、振動のずれに起因するガスケット(6)のねじれが起こり難く、ガスケット(5)のシール性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態を説明する図で、
図1(A)はガスケットを組み付けたシリンダヘッドカバーの底面図、
図1(B)は
図1(A)のB−B線断面図、
図1(C)はガスケットとその周辺部分の拡大底面図である。
【
図2】従来技術を説明する図で、
図2(A)はガスケットの平面図、
図2(B)は
図2(A)のB−B線断面箇所でのガスケットとガスケット嵌合溝周辺部分の断面図、
図2(B)は
図2(A)のC−C線断面箇所でのガスケットとガスケット嵌合溝周辺部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明の実施形態に係るエンジンのシール装置を説明する図であり、この実施形態では、立形の多気筒ディーゼルエンジンのシール装置について説明する。
【0014】
図1(A)〜(D)に示すように、シリンダヘッドカバー(1)の開口縁部(2)にガスケット嵌合溝(3)が形成され、このガスケット嵌合溝(3)にその入口開口(4)から弾性素材のガスケット(5)が押し込まれ、ガスケット(5)は、ガスケット本体(6)とガスケット本体(6)の両側の突部(7)(7)とで構成され、両突部(7)(7)の突出端
面(7c)(7c)が両突部(7)(7)の弾性力でガスケット嵌合溝(3)の両内側面(9)(9)に圧接されることにより、両突部(7)(7)とガスケット嵌合溝(3)との摩擦力でガスケット(5)がガスケット嵌合溝(3)に対して抜け止めされ、シリンダヘッド(10)とシリンダヘッドカバー(1)との間に挟み付けられたガスケット(5)で、シリンダヘッド(10)とシリンダヘッドカバー(1)との間がシールされるように構成されている。
【0015】
シリンダヘッドカバー(1)には動弁装置のロッカアーム(図示せず)が収容され、ブリーザ装置(図示せず)が配置されている。シリンダヘッドカバー(1)はアルミダイカスト製で、下面が開口された長手状の矩形箱形構造である。シリンダヘッドカバー(1)のガスケット嵌合溝(3)は奥端側から入口開口(4)に向けて拡開されている。ガスケット(5)はゴム製で、長手状の矩形環構造である。
【0016】
図1(A)に示すように、ガスケット嵌合溝(3)の周方向に所定間隔を保持して、ガスケット嵌合溝(3)から嵌合溝拡張部分(3a)が導出されている。
図1(C)に示すように、突部(7)が、突出端面(7c)と、突出端面(7c)と前記周方向で隣接する突出導出面(7b)を備え、嵌合溝拡張部分(3a)が、拡張端面(3c)と、拡張端面(3c)と前記周方向で隣接する拡張導出面(3b)を備えている。
図1(B)(C)に例示するように、嵌合溝拡張部分(3a)に
突部(7)が嵌合され、
突部(7)の弾性力で、
突部(7)の突出端面(7c)が嵌合溝拡張部分(3a)の拡張端
面(3c)に圧接されているとともに、
突部(7)の突出導出面(7b)が嵌合溝拡張部分(3a)の拡張導出面(3b)に圧接されている。
嵌合溝拡張部分(3a)はガスケット嵌合溝(3)のから周方向に直交する向きで外側に向けて導出され、突部拡張部分(7a)は外側の突部(7)から外側に向けて導出されている。
嵌合溝拡張部分(3a)は外側と内側の両側に向けて導出されたものであってもよく、この場合には突部拡張部分(7a)は外側の突部(7)から外側に、内側の突部(7)から外側に向けてそれぞれ導出される。
【0017】
図1(A)に示すように、両突部(7)(7)は
突部(7)が嵌合溝拡張部分(3a)と嵌合する位置に複数形成されている。
【0018】
図1(A)(B)に示すように、シリンダヘッドカバー(1)の開口縁部(2)の外側に取付ボス(14)が設けられ、この取付ボス(14)に挿通された取付ボルト(15)でシリンダヘッドカバー(1)がシリンダヘッド(10)に取り付けられ、嵌合溝拡張部分(3a)が取付ボス(14)に向けて導出され、
ガスケット本体(6)の周方向に相互に離間した突部(7)がシリンダヘッドカバー(1)の開口縁部(2)の周方向に相互に離間した取付ボス(14)に
圧接している。
【0019】
図1(A)に示すように、取付ボス(14)は、シリンダヘッドカバー(1)の開口縁部(2)の周方向に所定間隔を保持して複数形成されている。
図1(B)に示すように、取付ボルト(15)は、
挿通軸部(19)と、挿通軸部(19)の先端面(20)から
突出したオネジ部(21)
と、挿通軸部(19)の基端側に設けられたボルト頭部(23)を備え、取付ボルト(15)の挿通軸部(19)は取付ボス(14)に挿通され、挿通軸部(19)の先端面(20)はシリンダヘッド(10)に接当され、オネジ部(21)はシリンダヘッド(10)のメネジ部(22)にネジ嵌合され、ボルト頭部(23)はワッシャ(24)を介して取付ボス(14)をシリンダヘッド(10)側に押圧し、シリンダヘッドカバー(1)がガスケット(5)の弾性でシリンダヘッド(10)から離間する方向に弾発され
て、シリンダヘッドカバー(1)とシリンダヘッド(10)との間に隙間が設けられているとともに、取付ボス(14)でシリンダヘッド(10)側に押さえ込まれる、いわゆるハーフフロート構造となっている。
【符号の説明】
【0020】
(1) シリンダヘッドカバー
(2) 開口縁部
(3) ガスケット嵌合溝
(3a) 嵌合溝拡張部分
(3b) 拡張導出面
(3c) 拡張端面
(4) 入口開口
(5) ガスケット
(6) ガスケット本体
(7) 突部
(7b)
突出導出面
(7c) 突出端面
(9) 内側面
(10) シリンダヘッド
(14) 取付ボス
(15) 取付ボルト