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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5993375
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】超電導部品
(51)【国際特許分類】
   H01B 12/06 20060101AFI20160901BHJP
   H01B 13/00 20060101ALI20160901BHJP
   H01L 39/02 20060101ALI20160901BHJP
   H01R 4/68 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
   H01B12/06ZAA
   H01B13/00 561Z
   H01L39/02 D
   H01R4/68
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-529292(P2013-529292)
(86)(22)【出願日】2011年9月14日
(65)【公表番号】特表2013-543631(P2013-543631A)
(43)【公表日】2013年12月5日
(86)【国際出願番号】US2011051568
(87)【国際公開番号】WO2012037231
(87)【国際公開日】20120322
【審査請求日】2014年8月26日
(31)【優先権主張番号】12/882,654
(32)【優先日】2010年9月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505448796
【氏名又は名称】スーパーパワー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100089347
【弁理士】
【氏名又は名称】木川 幸治
(74)【代理人】
【識別番号】100154379
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】シェ,イ−ユアン
(72)【発明者】
【氏名】レンセス,ケネス,ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ウォーターマン,ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】セルヴァマニカム,ヴェンカット
【審査官】 北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−525790(JP,A)
【文献】 特開2009−240100(JP,A)
【文献】 特開2009−218008(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/011739(WO,A1)
【文献】 特表2003−505887(JP,A)
【文献】 特表2008−538648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 12/06
H01B 13/00
H01L 39/02
H01R 4/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
公称厚さtn1を有する、第1の積層導体セグメントであって、第1および第2の超電導セグメントを含み、
前記第1の超電導セグメントは、第1の基板と、前記第1の基板の上を覆う第1の超電導層と、前記第1の超電導層の上を覆う第1の安定化層とを含み、前記第2の超電導セグメントは、第2の基板と、前記第2の基板の上を覆う第2の超電導層と、前記第2の超電導層の上を覆う第2の安定化層とを含み、
前記第1および第2の超電導セグメントは、前記第1の超電導層および前記第2の基板が前記第1の積層導体セグメントの内側に向かい、かつ前記第1の基板および前記第2の超電導層が前記第1の積層導体セグメントの外側に向かうように配設され、
公称厚さtn2を有する、第2の積層導体セグメントであって、第3および第4の超電導セグメントを含み、
前記第3の超電導セグメントは、第3の基板と、前記第3の基板の上を覆う第3の超電導層と、前記第3の超電導層の上を覆う第3の安定化層とを含み、前記第4の超電導セグメントは、第4の基板と、前記第4の基板の上を覆う第4の超電導層と、前記第4の超電導層の上を覆う第4の安定化層とを含み、
前記第3および第4の超電導セグメントは、前記第の超電導層および前記第の基板が前記第2の積層導体セグメントの内側に向かい、かつ前記第3の基板および第4の超電導が前記第2の積層導体セグメントの外側に向かうように配設され、
前記第1および第3の超電導セグメントをともに接続する第1のスプライスと、前記第2および第4の超電導セグメントをともに接続する第2のスプライスとを備える、接合領域であって、前記第1のスプライスは、前記接合領域の少なくとも一部分に沿って、前記第1および第3の超電導セグメントの両方の部分に隣接し、かつこれらを架橋し、前記第2のスプライスは、前記接合領域の少なくとも一部分に沿って、前記第2および第4の超電導セグメントの両方の部分に隣接し、かつこれらを架橋し、前記接合領域は、厚さtjrを有し、tjrは、1.8tn1および1.8tn2のうちの少なくとも1つを超えない、接合領域と、
を備える、超電導部品。
【請求項2】
前記第1のスプライスは、超電導層を備える、請求項1に記載の部品。
【請求項3】
jrは、1.6tn1および1.6tn2のうちの少なくとも1つを超えない、請求項1に記載の部品。
【請求項4】
jrは、tn1およびtn2のうちの少なくとも1つに実質的に等しい、請求項1に記載の部品。
【請求項5】
前記第1、第2、第3、および第4の超電導セグメントは、それぞれ、第1、第2、第3、および第4の緩衝層を含み、前記第1の緩衝層は、前記第1の基板と前記第1の超電導層との間に提供され、前記第2の緩衝層は、前記第2の基板と前記第2の超電導層との間に提供され、前記第3の緩衝層は、前記第3の基板と前記第3の超電導層との間に提供され、前記第4の緩衝層は、前記第4の基板と前記第4の超電導層との間に提供される、請求項1に記載の部品。
【請求項6】
前記部品は、約100以上の寸法比を有する、請求項1に記載の部品。
【請求項7】
前記第1、第2、第3、および第4の超電導セグメントのそれぞれは、約10以上の寸法比を有する、請求項1に記載の部品。
【請求項8】
前記第1のスプライスと前記第1および第3の超電導層との間に提供される、接着層をさらに備える、請求項1に記載の部品。
【請求項9】
前記接合領域は、約100ナノオーム・cmを超えない接合抵抗を有する、請求項1に記載の部品。
【請求項10】
第1の基板と、前記第1の基板の上を覆う第1の超電導層とを有する、第1の超電導セグメントと、
第2の基板と、前記第2の基板の上を覆う第2の超電導層とを有する、第2の超電導セグメントと、
前記第1および第2の超電導セグメントに接続する第1のスプライスを備える接合領域と、
を備え、
前記第1および第2の超電導セグメントは、前記第1および第2の超電導層が前記接合領域の内側に向かうように配設され、前記接合領域は、前記第1および第2の超電導層の全長に満たない距離で前記第1および第2の超電導層の重複セクションを構成する、超電導部品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
超電導体材料は、技術社会によって長きにわたって知られ、理解されてきた。液体ヘリウム(4.2K)の使用を必要とする温度で超電導特性を呈する低温超電導体(低TまたはLTS)は、1911年から知られている。しかしながら、最近になってようやく、酸化物系の高温(高T)超電導体が発見された。1986年頃に、液体窒素温度(77K)以上の温度で超電導特性を有する最初の高温超電導体(HTS)、すなわち、YBaCu7−x(YBCO)が発見され、続いて、ここ15年間で、BiSrCaCu10+y(BSCCO)等を含む、さらなる材料が開発されている。高T超電導体の開発は、液体ヘリウムに基づく比較的により高価な極低温の基礎構造ではなく、そのような超電導体を液体窒素とともに動作させる費用に一部起因して、そのような材料を組み込んだ超電導体構成要素および他のデバイスの経済的に実現可能な開発の可能性をもたらした。
【0002】
無数の潜在的応用の中で、産業は、発電、送電、配電、および蓄電のための応用を含む、電力産業におけるそのような材料の使用を展開しようとしてきた。この点に関しては、銅系の商用の電力構成要素の固有の抵抗が、年間数十億ドルもの電気の損失の原因になると推定されており、故に、電力産業は、送電および配電ケーブル、発電機、変圧器、および漏電遮断機/リミッタ等の電力構成要素での高温超電導体の利用に基づいて利益を得ようとしている。加えて、電力産業における高温超電導体の他の利点としては、従来技術に勝る、電力処理容量の3〜10倍の増加、電力装置のサイズ(すなわち、面積)および重量の大幅な低減、より大きい安全性、および増加した容量が挙げられる。高温超電導体のそのような潜在的な利点は、依然として人を引き付ける状態を維持している一方で、数多くの技術的課題が、高温超電導体の製造および商品化において大規模に存在し続けている。
【0003】
高温超電導体の商品化と関連する課題の中で、その多くは、種々の電力構成要素の形成に利用することができる、超電導テープセグメントの製作に関して存在している。超電導テープセグメントの第1世代は、上述のBSCCO高温超電導体の使用を含む。この材料は、一般的に、別々のフィラメントの形態で提供され、典型的に銀である貴金属のマトリクスの中に埋め込まれる。そのような導体は、電力産業での実現のために必要とされる延長された長さ(例えば、約1キロメートル)で作製され得るが、材料および製造コストのため、そのようなテープは、広範囲に及ぶ商業的に実現可能な製品を表していない。
【0004】
故に、優れた商業的な実行可能性を有するHTSテープにおいて、多くの関心が生じてきた。これらのテープは、典型的に、層状構造に依存しており、一般的に機械的支持を提供する可撓性基板と、該基板の上を覆い、随意に複数のフィルムを含む少なくとも1つの緩衝層と、該緩衝フィルムの上を覆うHTS層と、該超電導体層の上を覆う随意のキャッピング層と、および/またはキャッピング層の上を覆う、もしくは構造全体を囲む随意の電気的安定化層とを含む。しかしながら、これまでのところ、そのような第2世代のテープの完全な商品化の前に、数多くの工学的および製造的課題が残っている。
【0005】
故に、前述の内容を考慮すれば、超電導体の技術分野において、および特に、商業的に現実的な超電導テープの供給、その形成方法、およびそのような超電導テープを利用する電力構成要素において、種々の必要性が存在し続けている。そのような必要性のうちの1つは、実際の応用のために、破損したセグメントを修復するために、および他の同様の目的のために必要とされる、第2世代のHTSテープの全長に延長するための好適な接合技術を有することである。
【発明の概要】
【0006】
一実施形態において、超電導部品は、第1および第2の超電導セグメントを含む第1の積層導体セグメントと、第3および第4の超電導セグメントを含む第2の積層導体セグメントとを含むことができる。第1の積層導体セグメントは、公称厚さtn1を有することができ、第2の積層導体セグメントは、公称厚さtn2を有することができる。超電導部品は、第1のスプライスおよび第2のスプライスを備える、接合領域をさらに含むことができる。第1のスプライスは、第1および第3の超電導セグメントをともに接続することができ、第2のスプライスは、第2および第4の超電導セグメントをともに接続することができる。第1のスプライスは、接合領域の少なくとも一部分に沿って、第1および第3の超電導セグメントの両方の部分に隣接し、かつこれらに重ねることができ、第2のスプライスは、接合領域の少なくとも一部分に沿って、第2および第4の超電導セグメントの両方の部分に隣接し、かつこれらに重ねることができる。接合領域は、厚さtjrを有することができ、tjrは、1.8tn1および1.8tn2のうちの少なくとも1つを超えない。
【0007】
別の実施形態において、超電導部品は、第1の超電導セグメントと、第2の超電導セグメントとを含むことができる。第1の超電導セグメントは、第1の基板と、第1の基板の上を覆う第1の超電導層を有することができ、第2の超電導セグメントは、第2の基板と、第2の基板の上を覆う第2の超電導層とを有することができる。超電導部品は、第1および第2の超電導セグメントの間に銅セグメントをさらに含むことができる。第1および第2の超電導セグメントは、第1および第2の超電導層が銅セグメントに向かうように配設することができる。
【0008】
さらに別の実施形態において、超電導部品を形成する方法は、第1および第2の超電導テープを提供するステップを含むことができる。第1の超電導テープは、第1の基板の上を覆う第1の超電導層を含むことができ、第2の超電導テープは、第2の基板の上を覆う第2の超電導層を含むことができる。本方法は、第1の超電導テープを銅ストリップの第1の主要面に接着し、第2の超電導テープを銅ストリップの第2の主要面に接着するステップをさらに含むことができる。第1および第2の基板テープは、第1および第2の超電導層が銅ストリップに向かうように、および第1および第2の基板が銅ストリップから離れるように配設することができる。
【0009】
本開示は、添付図面を参照することによって、よりよく理解され得、その数多くの特徴および利点が当業者に明らかになり得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態による、超電導部品の全般的な構造を示す斜視図である。
図2図2は、一実施形態による、超電導部品を示す断面図である。
図3図3は、実施形態による、裏面対裏面構成の積層超電導部品を示す断面図である。
図4図4は、実施形態による、裏面対裏面構成の積層超電導部品を示す断面図である。
図5図5は、一実施形態による、積層超電導部品の間の例示的な接合を示す図である。
図6図6は、一実施形態による、積層超電導部品の間の別の例示的な接合を示す概略図である。
図7図7は、図6の部分の拡大図である。
図8図8は、図6の部分の拡大図である。
図9図9は、実施形態による、表面対裏面構成の積層超電導部品を示す断面図である。
図10図10は、一実施形態による、積層超電導部品の間の例示的な接合を示す図である。
図11図11は、一実施形態による、積層超電導部品の間の例示的な接合を示す図である。
図12図12は、実施形態による、表面対表面構成の積層超電導部品を示す断面図である。
図13図13は、実施形態による、表面対表面構成の積層超電導部品を示す断面図である。
図14図14は、一実施形態による、積層超電導部品の間の別の例示的な接合を示す概略図である。
図15図15は、図14の部分の拡大図である。
図16図16は、一実施形態による、積層超電導部品の間の別の例示的な接合を示す概略図である。
図17図17は、図16の部分の拡大図である。
図18図18は、一実施形態による、積層超電導部品の間の別の例示的な接合を示す概略図である。
図19図19は、図18の部分の拡大図である。
【0011】
異なる図面における同一の参照記号の使用は、同様または同一の項目を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、本発明の実施形態による超電導部品100の全般的な層状構造が表されている。超電導部品は、基板10と、基板10の上を覆う緩衝層12と、超電導層14と、続いて、典型的に貴金属であるキャッピング層16と、典型的に銅等の非金属である安定化層18とを含む。緩衝層12は、複数の別個の膜から成り得る。安定化層18は、超電導部品100の外周に延在し、それによって、該超電導部品を覆い得る。
【0013】
基板10は、一般的に、金属系であり、典型的に少なくとも2つの金属元素の合金である。特に好適な基板材料としては、ステンレス鋼合金、およびハステロイ(登録商標)またはインコネル(登録商標)合金群等の、ニッケル系金属合金が挙げられる。これらの合金は、膨張係数、引張強度、降伏強度、および伸長を含む、望ましいクリープ特性、化学的特性、および機械的特性を有する傾向がある。これらの金属は、一般的に、巻いたテープの形態で市販されており、典型的にリールツーリール処理を利用する、特に超電導テープの製造に好適である。
【0014】
基板10は、典型的に、高い寸法比を有するテープ状の構成である。本明細書で使用される「寸法比」という用語は、基板またはテープの長さの、次に最も長い寸法、すなわち基板またはテープの幅に対する比率を示すために使用される。例えば、テープの幅は、一般的に、約0.1〜約10cm程度であり、また、テープの長さは、典型的に、少なくとも約100mであり、最も典型的には、約500mよりも長い。実際に、基板10を含む超電導テープは、1km以上程度の長さを有し得る。故に、基板は、10以上、約10以上、または約10以上程度のかなり高い寸法比を有し得る。特定の実施形態は、より長くかつより高く、10以上の寸法比を有する。
【0015】
一実施形態において、基板は、その後の超電導テープの構成層の蒸着に望ましい表面特性を有するように処理される。例えば、表面は、所望の平坦さおよび表面粗さまで研磨され得る。さらに、基板は、既知のRABiTS(ロール補助2軸テクスチャ化基板:Roll Assisted Biaxially Textured Substrate)技術等によって、当技術分野で理解されるように2軸テクスチャ化されるように処理され得るが、本明細書の実施形態は典型的に、上記の市販のニッケル系テープ等の、非テクスチャ化多結晶基板を利用する。
【0016】
緩衝層12を参照すると、緩衝層は、単一の層であり得、またはより一般的には、複数の膜で構成され得る。最も典型的には、緩衝層は、一般的に膜の面内および面外の両方の結晶軸に沿って整列した結晶テクスチャを有する、2軸テクスチャ化膜を含む。そのような2軸テクスチャ化は、IBADによって達成され得る。当技術分野において理解されるように、IBADは、イオンビームアシスト蒸着(Ion Beam Assisted Deposition)の略である頭字語であり、優れた超電導特性に対して望ましい結晶配向を有する超電導層のその後の形成に対して適切にテクスチャ化した緩衝層を形成するのに好都合に利用され得る技術である。酸化マグネシウムは、IBAD膜に最適な典型的な材料であり、約5〜約50ナノメートル等の、約1〜約500ナノメートル程度である。一般的に、IBAD膜は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,190,752号で定義および説明されているような、岩塩様の結晶構造を有する。
【0017】
緩衝層は、直接接触するように提供されるバリア膜等の付加的な膜を含み得、IBAD膜と基板との間に配置され得る。この点に関して、バリア膜は、イットリア等の酸化物から好都合に形成され得、IBAD膜から基板を隔離するように機能する。バリア膜はまた、窒化ケイ素等の非酸化物でも形成され得る。バリア膜の蒸着のための好適な技術としては、化学蒸着、およびスパッタリングを含む物理蒸着が挙げられる。バリア膜の典型的な厚さは、約1〜約200ナノメートルの範囲内であり得る。さらに、緩衝層はまた、IBAD膜上に形成される、エピタキシャル成長させた膜を含み得る。この文脈において、エピタキシャル成長させた膜は、IBAD膜の厚さを増加させるのに有効であり、望ましくは、主として、MgOまたは他の適合性のある材料等の、IBAD層に利用されるものと同じ材料で作製され得る。
【0018】
MgO系IBAD膜および/またはエピタキシャル膜を利用する実施形態において、MgO材料と超電導層材料との間に格子不整合が存在する。故に、緩衝層は、別の緩衝膜をさらに含み得、この膜は特に、超電導層と下層のIBAD膜および/またはエピタキシャル膜との間の格子定数の不整合を低減するために実装される。この緩衝膜は、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、マグネシア、セリア、ガドリニウムジルコニウム酸化物、ルテニウム酸ストロンチウム、マンガン酸ランタン、および一般的に、ペロブスカイト構造のセラミック材料等の材料で形成され得る。緩衝膜は、種々の物理蒸着技術によって蒸着され得る。
【0019】
前述では、IBAD等の、テクスチャ化処理によって緩衝積層体(層)の中に2軸テクスチャ化膜を実装することに主として焦点を当ててきたが、代替として、基板表面自体が2軸テクスチャ化され得る。この場合、緩衝層は、一般的に、緩衝層の中の2軸テクスチャ化を保存するように、テクスチャ化基板上にエピタキシャル成長させる。2軸テクスチャ化基板を形成するための1つのプロセスは、RABiTS(ロール補助2軸テクスチャ化基板:Roll Assisted Biaxially Textured Substrate)として当技術分野で知られており、一般的に、当技術分野で理解されている。
【0020】
超電導層14は、一般的に、高温超電導体(HTS)層の形態である。HTS材料は、典型的に、液体窒素の温度である77Kを超える温度で超電導特性を呈する、高温超電導材料のいずれかから選択される。そのような材料としては、例えば、YBaCu7−x、BiSrCaCu、BiSrCaCu10+y、TlBaCaCu10+y、およびHgBaCaCu8+yが挙げられる。材料の1つの種類としては、REBaCu7−xが挙げられ、式中、0≧x>1であり、REは、希土類元素または希土類元素の組み合わせである。前述したもののうち、一般的にYBCOとも称されるYBaCu7−xが、好都合に利用され得る。YBCOは、例えばサマリウムといった希土類元素材料等のドーパントを添加して、または添加せずに使用され得る。超電導層14は、厚膜および薄膜形成技術を含む、種々の技術のいずれか1つによって形成され得る。好ましくは、高い蒸着率のためにパルスレーザー蒸着(PLD)等の薄膜物理蒸着技術を使用することができ、または低コストで大きい表面積を処理するために化学蒸着技術を使用することができる。典型的に、超電導層は、超電導層14と関連する所望の定格電流を得るために、約0.1〜約30ミクロン程度の厚さを有し、最も典型的には、約1〜約5ミクロン等の、約0.5〜約20ミクロン程度の厚さを有する。
【0021】
超電導部品はまた、キャッピング層16と安定化層18とを含み得、これらは一般的に、低抵抗の接触面を提供するために、および実際の使用における超電導体の焼損の防止を援助するように電気的な安定化を行うために実装される。より具体的には、層16および層18は、冷却に失敗した場合または臨界電流密度を超えた場合、および超電導層が超電導状態から移行して抵抗状態になる場合に、超電導体に沿った電荷の継続流を援助する。典型的に、安定化層と超電導層14との間の望ましくない相互作用を防止するために、キャッピング層16には貴金属が利用される。典型的な貴金属としては、金、銀、プラチナ、およびパラジウムが挙げられる。そのコストおよび全般的な利用し易さから、典型的に銀が使用される。キャッピング層16は、典型的に、安定化層18を超電導層14の中に適用する際に使用される構成要素の望ましくない拡散を防止するのに十分に厚く作製されるが、一般的に、コスト的(原材料および処理コスト)な理由で薄く作製される。キャッピング層16の典型的な厚さは、0.5〜約5.0ミクロン等の、約0.1〜約10.0ミクロンの範囲内である。キャッピング層16の蒸着には、DCマグネトロンスパッタリング等の物理蒸着、ならびに無電解メッキ等の湿式化学処理、および電気メッキを含む、種々の技術が使用され得る。
【0022】
安定化層18は、一般的に、超電導層14の上を覆うように組み込まれ、具体的には、図1で示される特定の実施形態では、キャッピング層16の上を覆って、これと直接接触する。安定化層18は、過酷な環境条件および超電導クエンチに対する安定性を高めるための保護層/シャント層として機能する。この層は、一般的に、高密度で、熱的および導電性があり、超電導層が故障した場合、および超電導層の臨界電流を超えた場合に、電流をバイパスするように機能する。この層は、無電解メッキおよび電気メッキのような湿式化学処理、ならびに典型的に蒸着またはスパッタリングのような物理蒸着等の、種々の厚膜および薄膜形成技術のうちのいずれか1つによって形成され得る。この点に関して、キャッピング層16は、その上に銅を蒸着するためのシード層として機能し得る。安定化層18の典型的な厚さは、5〜約150ミクロン等の、0〜約1000ミクロンの範囲である。
【0023】
超電導層が故障した場合、または超電導層の臨界電流を超えた場合に、適切に電流をバイパスするために、超電導部品の臨界電流が増加するにつれて、安定化層に電気的に連結される非貴金属の量を増加させることが必要であり得る。
【0024】
図2は、超電導テープ202がバルク銅204および206の間に埋め込まれる、例示的な超電導部品200の横断面を示す。超電導テープ202は、超電導部品100と同様でありえる。ここでは、類似した構造的特徴を示すために、同じ参照符号が利用される。構成層の説明は、下で繰り返されず、読者は、超電導部品の構成層に関して提供される詳細な説明を参照されたい。キャッピング層16は、基板10、緩衝層12、超電導層14の組み合わせの外周に延在し、それによって、超電導テープ202を包むことができる。同様に、安定化層18を、キャッピング層16の外周に延在させることができる。一実施形態では、安定化層18を、キャッピング層上に電着することができる。存在するときに、安定化層18は、約5ミクロン〜約50ミクロン、さらに約15ミクロン〜約15ミクロン等の、約2.5ミクロン〜約100ミクロンの範囲の厚さを有することができる。
【0025】
超電導テープ202は、はんだ208等によって、バルク銅層204および206に接着することができる。例えば、はんだ208は、インジウムはんだ、鉛−スズはんだ、またはスズ系はんだとすることができる。バルク銅層204および206は、超電導部品200の長さに沿って延在する、銅ストリップの形態とすることができる。
【0026】
代替の実施形態において、バルク銅層は、チャネリング、ラッピング、またはダイ形成等によって、超電導テープ202の周囲に形成することができる。さらに、電気メッキされた銅の外層を適用して、超電導テープ202およびバルク銅層を含む構造全体を覆ってもよい。
【0027】
図3は、例示的な積層超電導部品300の横断面を示す。積層超電導部品300は、超電導テープ302および304を含むことができる。超電導テープ302および304は、超電導部品100と同様なものとすることができる。超電導テープ302および304は、接着層306を使用して接合することができる。接着層306は、インジウムはんだ、鉛−スズはんだ、またはスズ系はんだ等のはんだ層とすることができる。超電導テープ302および304は、裏面対裏面構成で配設することができる。裏面対裏面構成において、超電導テープ302および304は、基板10が超電導部品300の内側に向かい、超電導層14が超電導部品300の外側に向かうように配設することができる。
【0028】
図4は、別の例示的な積層超電導部品400を示す。超電導部品400は、図3に関して上で説明したように、裏面対裏面構成で配設された、超電導テープ402および404を含む。超電導テープ402および404は、接着層406を使用して接合される。加えて、バルク銅層408は、超電導テープ402の超電導面に隣接して配設することができ、バルク銅410は、超電導テープ404の超電導面に隣接して配設することができる。バルク銅408および410は、接着層406によって、超電導テープ402および404に接合することができる。
【0029】
図5は、2つの積層超電導セグメント502および504がともに接合されて、裏面対裏面の積層超電導部品を接合するための超電導部品500を形成する、領域を示す。図示されるように、積層超電導セグメント502および504は、端部対端部で配置されるように位置付けられる。特に、積層超電導セグメント502および504のそれぞれの端部は、一般に、接触面506で当接して接触するように、またはほぼ当接して接触するように位置付けられる。積層超電導セグメント502は、裏面対裏面構成で配設された、超電導テープ508および510を含むことができる。超電導テープ508および510は、接着層512によってともに保持することができる。同様に、積層超電導部品504は、裏面対裏面構成で配設され、接着層518によってともに保持される、超電導テープ514および516を含むことができる。
【0030】
図5で示される実施形態の特定の特徴によれば、超電導テープ508および514は、接合領域520に沿って、電気的および機械的にともに接合される。スプライス522は、超電導テープ508および514の間に電気的および機械的接続性を提供するように接合領域520を架けて提供される。同様に、超電導テープ510および516は、接合領域520に沿って、電気的および機械的にともに接合される。スプライス524は、超電導テープ510および516の間に電気的および機械的接続性を提供するように接合領域520を架けて提供される。図5で示される特定の実施形態において、スプライス522および524は、それぞれ、それぞれの超電導テープの層状構造に対して全体的に逆にした、層状超電導構造を含む。より具体的には、スプライス522および524は、超電導テープを形成するための基本的なプロセスフローに従って製造され、そして適切な長さに切断され得る。
【0031】
スプライス522は、接着層526の使用を通して、超電導テープ508および514に接着される。同様に、スプライス524は、接着層528の使用を通して、超電導テープ510および516に接着される。典型的に、接着層526および528は、インジウムはんだ、鉛−スズはんだ、またはスズ系はんだ等の、はんだで形成される。
【0032】
一実施形態において、スプライス522は、超電導テープ508および514と表面対表面ではんだ付けされる、超電導テープである。電流は、超電導テープ508の超電導層から、超電導テープ508の安定化層、接着層526、スプライス522の安定化層、そしてスプライス522の超電導層まで流れることができる。電流は、次いで、スプライス522の安定化層を通して、接着層526、超電導テープ514の安定化層、次いで最後に、超電導テープ514の超電導層まで逆に流れることができる。同様に、スプライス524は、超電導テープ510および516と表面対表面ではんだ付けされる、超電導テープである。電流は、超電導テープ510の超電導層から、超電導テープ510の安定化層、接着層528、スプライス524の安定化層、およびスプライス524の超電導層まで流れることができる。電流は、次いで、スプライス524の安定化層を通して、接着層528、超電導テープ516の安定化層、次いで最後に、超電導テープ516の超電導層まで逆に流れることができる。
【0033】
本明細書で説明される実施形態によれば、スプライスは、一般的に、超電導層を組み込む。この特定の態様は、望ましくは、低接合抵抗を確保するのを援助する。特に、本明細書の実施形態によれば、本明細書で説明されるもの等の接合構造を組み込む超電導部品は、50ナノオーム・cmを超えない、さらには25ナノオーム・cmを超えない等の、約100ナノオーム・cmを超えない接合抵抗を有する。加えて、接合抵抗は、放散された熱に関して定量化され得、接合部あたり0.0025W・cmを超えない等の、0.005W・cmを超えない上限を伴う。
【0034】
図6は、2つの積層超電導セグメント602および604がともに接合されて、超電導部品600を形成する、代替の接合構造を示す。積層超電導セグメント602は、裏面対裏面構成で配設された、超電導テープ606および608を含むことができる。同様に、積層超電導部品604は、裏面対裏面構成で配設された、超電導テープ610および612を含むことができる。図示されるように、積層超電導セグメント602および604は、オフセット様式で、端部対端部で配置されるように位置付けられる。特に、積層超電導セグメント602は、超電導テープ608が超電導テープ606の端部を過ぎて延在する、張り出し領域614を有することができる。同様に、積層超電導セグメント604は、超電導テープ610が超電導テープ612の端部を過ぎて延在する、張り出し領域616を有することができる。張り出し領域614および616は、重複させることができ、超電導テープ606および610のそれぞれ端部が、一般に、接触面618で当接して接触すること、またはほぼ当接して接触することを可能にする。同様に、超電導テープ608および612のそれぞれの端部は、接触面620が超電導部品600の長さに沿って接触面618からオフセットされた状態で、一般に、接触面620で当接して接触すること、またはほぼ当接して接触することができる。接合領域622および624は、図7および図8でさらに詳細に示される。
【0035】
図7は、接合領域622の詳細図を提供する。超電導テープ606および610のそれぞれの端部は、一般に、接触面618で当接して接触するように、またはほぼ当接して接触するように配設することができる。超電導テープ608は、超電導テープ606の端部を過ぎて延在し、かつ裏面対裏面構成で超電導テープ610の少なくとも一部分と重複させることができる。接着層624は、超電導テープ606および超電導テープ610の両方に、超電導テープ608を接着することができる。
【0036】
超電導テープ606および610は、接合領域622に沿って、電気的および機械的にともに接合することができる。スプライス626は、超電導テープ606および608の間に電気的および機械的接続性を提供するように接合領域622を架けて提供される。スプライス626は、超電導テープ606および610の層状構造に対して全体的に逆にした、層状超電導構造を含むことができる。スプライス626は、接着層628の使用を通して、超電導テープ606および610に接着することができる。
【0037】
一実施形態において、スプライス626は、超電導テープ606および610と表面対表面ではんだ付けされる、超電導テープである。電流は、超電導テープ606の超電導層から、超電導テープ606の安定化層、接着層628、スプライス626の安定化層、そしてスプライス626の超電導層まで流れることができる。電流は、次いで、スプライス626の安定化層を通して、接着層628、超電導テープ610の安定化層、次いで最後に、超電導テープ610の超電導層まで逆に流れることができる。
【0038】
図8は、接合領域624の詳細図を提供する。超電導テープ608および612のそれぞれの端部は、一般に、接触面620で当接して接触するように、またはほぼ当接して接触するように配設することができる。超電導テープ610は、超電導テープ612の端部を過ぎて延在し、かつ裏面対裏面構成で超電導テープ608の少なくとも一部分と重複させることができる。接着層630は、超電導テープ606および超電導テープ612の両方に、超電導テープ610を接着することができる。
【0039】
超電導テープ608および612は、接合領域624に沿って、電気的および機械的にともに接合することができる。スプライス632は、超電導テープ608および612の間に電気的および機械的接続性を提供するように接合領域624を架けて提供される。スプライス632は、超電導テープ608および612の層状構造に対して全体的に逆にした、層状超電導構造を含むことができる。スプライス632は、接着層634の使用を通して、超電導テープ608および612に接着することができる。
【0040】
一実施形態において、スプライス624は、超電導テープ608および612と表面対表面ではんだ付けされる、超電導テープである。電流は、超電導テープ608の超電導層から、超電導テープ608の安定化層、接着層634、スプライス624の安定化層、そしてスプライス624の超電導層まで流れることができる。電流は、次いで、スプライス624の安定化層を通して、接着層634、超電導テープ612の安定化層、次いで最後に、超電導テープ612の超電導層まで逆に流れることができる。
【0041】
図6を参照すると、各積層超電導セグメント602および604は、それぞれ、公称厚さtn1およびtn2を有することができる。これらの公称厚さは、特に張り出し領域614および616を除いて、セグメントの長さの大部分に沿った、それぞれのセグメントの厚さに対応する。
【0042】
オフセットした接合領域622および624は、比較的低い外形の接合部の形成を可能にすることができる。さらに詳細には、特に図6を参照すると、接合領域622は、厚さtjr1を有し、接合領域624は、厚さtjr2を有する。一般的に、接合領域tjr1の厚さは、1.8tn1および1.8tn2のうちの少なくとも1つを超えず、接合領域tjr2の厚さは、1.8tn1および1.8tn2のうちの少なくとも1つを超えない。しばしば、各接合領域の外形は、約1.6tn1または1.6tn2を超えない。さらに、接合領域の厚さは、1.5tn1および1.5tn2のうちの少なくとも1つを超えない、または1.3tn1および1.3tn2のうちの少なくとも1つを超えない等、さらに低減することができる。一実施形態によれば、接合厚さは、超電導セグメントの少なくとも1つの公称厚さに実質的に等しい。図に示されていないが、接合領域の厚さは、超電導セグメントの一方または両方の厚さよりも薄くなり得る。
【0043】
図9は、例示的な積層超電導部品900の横断面を示す。積層超電導部品900は、超電導テープ902および904を含むことができる。超電導テープ902および904は、超電導部品100と同様なものとすることができる。超電導テープ902および904は、接着層906を使用して接合することができる。接着層906は、インジウムはんだ、鉛−スズはんだ、またはスズ系はんだ等のはんだ層とすることができる。超電導テープ902および904は、表面対裏面構成で配設することができる。表面対裏面構成において、超電導テープ902は、基板10が超電導部品900の内側に向かい、超電導層14が超電導部品900の外側に向かうように配設することができる一方で、超電導テープ904は、基板10が超電導部品900の外側に向かい、超電導層14が超電導部品900の内側に向かうように配設することができる。
【0044】
図10は、2つの積層超電導セグメント1002および1004がともに接合されて、超電導部品1000を形成する、領域を示す。積層超電導セグメント1002は、表面対裏面構成で配設された、超電導テープ1006および1008を含むことができる。超電導テープ1006および1008は、接着層1010によってともに保持することができる。同様に、積層超電導部品1004は、表面対裏面構成で配設されて、接着層1010によってともに保持される、超電導テープ1012および1014を含むことができる。図示されるように、積層超電導セグメント1002および1004は、端部対端部で配置されるように位置付けられる。特に、超電導テープ1006および1012は、一般に、接触面1018で当接して接触するように、またはほぼ当接して接触するように位置付けることができる。加えて、超電導テープ1008および1014は、一般的な配列で位置付け、空隙1020によって分離することができる。
【0045】
図10で示される実施形態の特定の特徴によれば、超電導テープ1006および1012は、電気的および機械的にともに接合される。スプライス1022は、超電導テープ1006および1012の間に電気的および機械的接続性を提供するために、空隙1020内に提供することができ、テープ1006および1012のそれぞれの端部分と重複させることができる。同様に、超電導テープ1008および1014は、電気的および機械的にともに接合される。スプライス1024は、超電導テープ1008および1014の間に電気的および機械的接続性を提供するために、空隙1020を架け、テープ1008および1014のそれぞれの端部分と重複させることで提供される。図10で示される特定の実施形態において、スプライス1022および1024は、それぞれ、それぞれの超電導テープの層状構造に対して全体的に逆にした、層状超電導構造を含む。
【0046】
スプライス1022は、接着層1010の使用を通して、超電導テープ1006および1012に接着される。同様に、スプライス1024は、接着層1028の使用を通して、超電導テープ1008および1014に接着される。典型的に、接着層1010および1028は、インジウムはんだ、鉛−スズはんだ、またはスズ系はんだ等の、はんだで形成される。
【0047】
一実施形態において、スプライス1022は、超電導テープ1006および1012と表面対表面ではんだ付けされる、超電導テープである。電流は、超電導テープ1006の超電導層から、超電導テープ1006の安定化層、接着層1010、スプライス1022の安定化層、そしてスプライス1022の超電導層まで流れることができる。電流は、次いで、スプライス1022の安定化層を通して、接着層1010、超電導テープ1012の安定化層、次いで最後に、超電導テープ1012の超電導層まで逆に流れることができる。同様に、スプライス1024は、超電導テープ1008および1014と表面対表面ではんだ付けされる、超電導テープである。電流は、超電導テープ1008の超電導層から、超電導テープ1008の安定化層、接着層1028、スプライス1024の安定化層、そしてスプライス1024の超電導層まで流れることができる。電流は、次いで、スプライス1024の安定化層を通して、接着層1028、超電導テープ1014の安定化層、次いで最後に、超電導テープ1014の超電導層まで逆に流れることができる。
【0048】
図11は、2つの積層超電導セグメント1102および1104がともに接合されて、表面対裏面の積層超電導部品を接合するための超電導部品1100を形成する、領域を示す。積層超電導セグメント1102は、表面対裏面構成で配設された、超電導テープ1106および1108を含むことができる。超電導テープ1106および1108は、接着層1110によってともに保持することができる。積層超電導セグメント1102の端部は、超電導テープ1106の一部分が1108の端部を超えて延在するようにオフセットすることができる。同様に、積層超電導部品1104は、裏面対裏面構成で配設され、接着層1116によってともに保持される、超電導テープ1112および1114を含むことができる。加えて、超電導テープ1114の一部分は、超電導テープ1112の端部を超えて延在することができる。
【0049】
図示されるように、積層超電導セグメント1102および1104は、互いに逆にすることができる。加えて、積層超電導セグメント1102および1104は、超電導テープ1106および1112が部分的に重複し、超電導テープ1108および1114が部分的に重複するように位置付けることができる。超電導テープ1108および1112は、接触面1118で当接して接触するように、またはほぼ当接して接触するように位置付けることができる。図11で示される実施形態の特定の特徴によれば、超電導テープ1106および1112は、接着層1110によって、電気的および機械的にともに接合することができる。同様に、超電導テープ1108および1114は、接着層1116によって電気的および機械的にともに接合することができる。
【0050】
一実施形態において、電流は、超電導テープ1106の超電導層から、超電導テープ1106の安定化層、接着層1110、超電導テープ1112の安定化層、次いで最後に、超電導テープ1112の超電導層まで流れることができる。同様に、電流は、超電導テープ1108の超電導層から、超電導テープ1108の安定化層、接着層1116、超電導テープ1114の安定化層、次いで最後に、超電導テープ1114の超電導層まで流れることができる。
【0051】
図12は、例示的な積層超電導部品1200の横断面を示す。積層超電導部品1200は、超電導テープ1202および1204を含むことができる。超電導テープ1202および1204は、超電導部品100と同様なものとすることができる。超電導テープ1202および1204は、接着層1206を使用して接合することができる。接着層1206は、インジウムはんだ、鉛−スズはんだ、またはスズ系はんだ等のはんだ層とすることができる。超電導テープ1202および1204は、表面対表面構成で配設することができる。表面対表面構成において、超電導テープ1202および1204は、基板10が超電導部品1200の外側に向かい、超電導層14が超電導部品1200の内側に向かうように配設することができる。
【0052】
図13は、別の例示的な積層超電導部品1300を示す。超電導部品1300は、図12に関して上で説明したように、表面対表面構成で配設された、超電導テープ1302および1304を含む。加えて、バルク銅層1306を、超電導テープ1302および1304の間に配設することができる。超電導テープ1302は、接着層1308によってバルク銅層1306の第1の側に接合することができ、超電導テープ1304は、接着層1310によってバルク銅層1306の第2の側に接合することができる。そのような積層導体構造において、電流は、2つの超電導層と安定化層との間で共有することができる。安定化のレベルに対する重要な要因である正常状態抵抗および導体の単位長さあたりの質量は、バルク銅層の厚さおよび抵抗率を調節することによって操作することができる。一実施形態において、バルク銅層の厚さは、少なくとも約50ミクロン、さらには少なくとも約75ミクロン等の、少なくとも約25ミクロンとすることができる。加えて、安定化層18の厚さは、約5ミクロン〜約50ミクロン、さらには約15ミクロン〜約25ミクロン等の、約2.5ミクロン〜約100ミクロンの範囲とすることができる。
【0053】
図14は、2つの積層超電導セグメント1402および1404がともに接合されて、超電導部品1400を形成する、例示的な接合構造を示す。積層超電導セグメント1402は、表面対表面構成で配設された、超電導テープ1406および1408を含むことができる。同様に、積層超電導部品1404は、表面対表面構成で配設された、超電導テープ1410および1412を含むことができる。図示されるように、積層超電導セグメント1402および1404は、端部対端部で配設される。特に、超電導テープ1406および1408は、積層超電導セグメント1402の端部で分離され、超電導テープ1410および1412は、積層超電導セグメント1404の端部で分離される。超電導テープ1406および1410、ならびに超電導テープ1408および1412のそれぞれの端部は、一般に、それぞれ、接触面1418および1422で、当接して接触するように、またはほぼ当接して接触するように位置付けられる。加えて、超電導テープ1406および1410は、接合領域1426に沿って、電気的および機械的にともに接合することができる。スプライス1420は、超電導テープ1406および1410の間に電気的および機械的接続性を提供するように接触面1418を架けて提供される。同様に、超電導テープ1408および1412は、接合領域1426に沿って、電気的および機械的にともに接合することができる。スプライス1424は、超電導テープ1408および1412の間に電気的および機械的接続性を提供するように、接触面1422を架けて提供される。接合領域1426は、図15でさらに詳細に示される。
【0054】
図15は、接合領域1428の詳細図を提供する。超電導テープ1406および1410のそれぞれの端部は、一般に、接触面1418で当接して接触するように、またはほぼ当接して接触するように配設することができる。スプライス1420は、超電導テープ1406および1410の間に電気的および機械的接続性を提供するように接触面1418を架けることができる。接着層1424は、超電導テープ1406および1410に、スプライス1420を接着することができる。同様に、超電導テープ1408および1412のそれぞれの端部は、一般に、接触面1422で当接して接触するように、またはほぼ当接して接触するように配設することができる。スプライス1424は、超電導テープ1408および1412の間に電気的および機械的接続性を提供するように接触面1422を架けることができる。接着層1426は、超電導テープ1408および1412に、スプライス1422を接着することができる。加えて、超電導テープ1406と1408との間の空間1430、および超電導テープ1410と1412間の空間1432は、接着層1424および1426の材料等で満たすことができる。
【0055】
一実施形態において、スプライス1420は、超電導テープ1406および1410と表面対表面ではんだ付けされる、超電導テープである。電流は、超電導テープ1406の超電導層から、超電導テープ1406の安定化層、接着層1424、スプライス1420の安定化層、そしてスプライス1420の超電導層まで流れることができる。電流は、次いで、スプライス1420の安定化層を通して、接着層1424、超電導テープ1410の安定化層、次いで最後に、超電導テープ1410の超電導層まで逆に流れることができる。同様に、スプライス1424は、超電導テープ1408および1412と表面対表面ではんだ付けされる、超電導テープである。電流は、超電導テープ1408の超電導層から、超電導テープ1408の安定化層、接着層1426、スプライス1424の安定化層、そしてスプライス1424の超電導層まで流れることができる。電流は、次いで、スプライス1424の安定化層を通して、接着層1426、超電導テープ1412の安定化層、次いで最後に、超電導テープ1412の超電導層まで逆に流れることができる。
【0056】
図16は、2つの積層超電導セグメント1602および1604がともに接合されて、超電導部品1600を形成する、代替の接合構造を示す。積層超電導セグメント1602は、超電導テープ1606の端部を超えて延在する超電導テープ1608の一部分を伴う、表面対表面構成で配設された、超電導テープ1606および1608を含むことができる。同様に、積層超電導部品1604は、超電導テープ1612の端部を超えて延在する超電導テープ1610の一部分を伴う、表面対表面構成で配設された、超電導テープ1610および1612を含むことができる。図示されるように、積層超電導セグメント1602および1604は、端部対端部で配設される。特に、超電導テープ1606および1608は、積層超電導セグメント1602の端部で分離され、超電導テープ1610および1612は、積層超電導セグメント1604の端部で分離される。超電導テープ1606および1610、ならびに超電導テープ1608および1612のそれぞれの端部は、一般に、それぞれ、接触面1614および1616で、当接して接触するように、またはほぼ当接して接触するように位置付けられる。接触面1614および1616は、超電導部品1600の長さに沿って、互いにオフセットすることができる。加えて、超電導テープ1606および1610は、接合領域1618に沿って、電気的および機械的にともに接合することができる。スプライス1620は、超電導テープ1606および1610の間に電気的および機械的接続性を提供するように接触面1614を架けて提供される。同様に、超電導テープ1608および1612は、接合領域1618に沿って、電気的および機械的にともに接合することができる。スプライス1622は、超電導テープ1608および1612との間に電気的および機械的接続性を提供するように接触面1616を架けて提供される。接合領域1618は、図17でさらに詳細に示される。
【0057】
図17は、接合領域1618の詳細図を提供する。超電導テープ1606および1610のそれぞれの端部は、一般に、接触面1614で当接して接触するように、またはほぼ当接して接触するように配設することができる。スプライス1620は、超電導テープ1606および1610の間に電気的および機械的接続性を提供するように接触面1614を架けることができる。同様に、超電導テープ1608および1612のそれぞれの端部は、一般に、接触面1616で当接して接触するように、またはほぼ当接して接触するように配設することができる。スプライス1622は、超電導テープ1608および1612の間に電気的および機械的接続性を提供するように接触面1616を架けることができる。
【0058】
一実施形態において、スプライス1620は、超電導テープ1606および1610と表面対表面ではんだ付けされる、超電導テープである。電流は、超電導テープ1606の超電導層から、超電導テープ1606の安定化層、接着層、スプライス1620の安定化層、そしてスプライス1620の超電導層まで流れることができる。電流は、次いで、スプライス1620の安定化層を通して、接着層、超電導テープ1610の安定化層、次いで最後に、超電導テープ1610の超電導層まで逆に流れることができる。同様に、スプライス1622は、超電導テープ1608および1612と表面対表面ではんだ付けされる、超電導テープである。電流は、超電導テープ1608の超電導層から、超電導テープ1608の安定化層、接着層、スプライス1622の安定化層、そしてスプライス1622の超電導層まで流れることができる。電流は、次いで、スプライス1622の安定化層を通して、接着層、超電導テープ1612の安定化層、次いで最後に超電導テープ1612の超電導層まで逆に流れることができる。
【0059】
図18は、2つの積層超電導セグメント1802および1804がともに接合されて、超電導部品1800を形成する、代替の接合構造を示す。構造は、図16で示される構造と同様であるが、各超電導セグメントの超電導テープの間にバルク銅層が加えられている。具体的には、積層超電導セグメント1802は、超電導テープ1806の端部を超えて延在する超電導テープ1808の一部分を伴う、表面対表面構成で配設された、超電導テープ1806および1808を含むことができる。積層超電導セグメント1802の少なくとも一部分に沿って、バルク銅層1810を超電導テープ1806および1808の間に存在させることができる。同様に、積層超電導部品1804は、超電導テープ1814の端部を超えて延在する超電導テープ1812の一部分を伴う、表面対表面構成で配設された、超電導テープ1812および1814を含むことができる。積層超電導セグメント1804の少なくとも一部分に沿って、バルク銅層1816を超電導テープ1812および1814の間に存在させることができる。
【0060】
図示されるように、積層超電導セグメント1802および1804は、端部対端部で配設される。特に、超電導テープ1806および1808は、積層超電導セグメント1802の端部で分離され、超電導テープ1812および1814は、積層超電導セグメント1804の端部で分離される。超電導テープ1806および1812、ならびに超電導テープ1808および1814のそれぞれの端部は、一般に、それぞれ、接触面1818および1820で、当接して接触するように、またはほぼ当接して接触するように位置付けられる。接触面1818および1820は、超電導部品1800の長さに沿って、互いにオフセットすることができる。加えて、超電導テープ1806および1812は、接合領域1822に沿って、電気的および機械的にともに接合することができる。スプライス1824は、超電導テープ1806および1812の間に電気的および機械的接続性を提供するように接触面1818を架けて提供することができる。同様に、超電導テープ1808および1812は、接合領域1822に沿って、電気的および機械的にともに接合することができる。スプライス1826は、超電導テープ1808および1814の間に電気的および機械的接続性を提供するように接触面1820を架けて提供される。接合領域1822は、図19でさらに詳細に示される。
【0061】
図19は、接合領域1818の詳細図を提供する。超電導テープ1806および1812のそれぞれの端部は、一般に、接触面1818で当接して接触するように、またはほぼ当接して接触するように配設することができる。スプライス1824は、超電導テープ1806および1812の間に電気的および機械的接続性を提供するように接触面1818を架けることができる。同様に、超電導テープ1808および1814のそれぞれの端部は、一般に、接触面1820で当接して接触するように、またはほぼ当接して接触するように配設することができる。スプライス1826は、超電導テープ1808および1814の間に電気的および機械的接続性を提供するように接触面1820を架けることができる。スプライス1824および1826は、バルク銅層1810および1816の端部の間の空隙内に位置させることができる。
【0062】
一実施形態において、スプライス1824は、超電導テープ1806および1812と表面対表面ではんだ付けされる、超電導テープである。電流は、超電導テープ1806の超電導層から、超電導テープ1806の安定化層、接着層、スプライス1824の安定化層、そしてスプライス1824の超電導層まで流れることができる。電流は、次いで、スプライス1824の安定化層を通して、接着層、超電導テープ1812の安定化層、次いで最後に、超電導テープ1812の超電導層まで逆に流れることができる。同様に、スプライス1826は、超電導テープ1808および1814と表面対表面ではんだ付けされる、超電導テープである。電流は、超電導テープ1808の超電導層から、超電導テープ1808の安定化層、接着層、スプライス1826の安定化層、そしてスプライス1826の超電導層まで流れることができる。電流は、次いで、スプライス1826の安定化層を通して、接着層、超電導テープ1814の安定化層、次いで最後に、超電導テープ1814の超電導層まで逆に流れることができる。
【0063】
積層超電導部品を形成する方法を参照すると、2つ以上の超電導テープを提供することができる。超電導テープは、表面対表面構成、表面対裏面構成、または裏面対裏面構成のうちのいずれかで配設することができる。任意選択で、銅ストリップを超電導テープの超電導面に隣接させることができる。銅ストリップは、超電導テープの間に配置することができ、または、超電導テープは、銅ストリップの間に配置することができる。積層構造は、銅ストリップの有無に関わらず、はんだ等を使用することによって、ともに接着することができる。一実施形態において、積層構造は、溶融はんだ浴中を移動させることができる。代替として、超電導テープまたは銅ストリップ等の1つ以上の構成要素は、構成要素をともに配設する前に溶融はんだ浴中を移動させることができる。
【0064】
2つの積層超電導部品を接合する方法を参照すると、2つの積層超電導セグメントを提供することができる。特定の実施形態において、積層超電導セグメントの端部は、端部を加熱して接着層を溶融させること等によって、広げることができる。他の実施形態において、積層超電導セグメントの特定の構成要素は、切断してオフセットし、超電導セグメントの端部分とすることができる。例えば、1つの超電導テープの長さを短くして、積層超電導体セグメントの超電導テープの端部をオフセットすることができる。別の例では、銅ストリップを短くして、超電導テープの超電導面を露出させることができる。積層超電導セグメントの端部は、任意の必要なスプライスセグメントとともに配設することができ、接合構造は、接合部の中にはんだを溶融させること等によって、ともに接着することができる。
【0065】
本明細書の実施形態によれば、接合した超電導部品は、比較的に長い長さを有し得、特に、図1に関連して既に上で説明したような寸法を有する。加えて、個々のセグメントはまた、約1000以上、さらには10000以上等の、約100以上の寸法比を有する等の、比較的に延長した長さも有し得る。超電導部品は、長さおよび部品の寸法比をさらに拡大し、各セグメントが、本明細書で説明される構造および/または技術に従って接合される、付加的な超電導セグメントを含み得る。延長された長さは、都市圏を横断する、さらには地理的領域を横断する等の、長距離通電能力に特に好適である。加えて、長い長さで高寸法比の超電導部品は、下で説明される回転機械および変圧器等の、コイル状のまたは巻き取った構造で展開するのに特に有利であり得る。
【0066】
本明細書で使用される「超電導導体」という用語は、一般的に、超電導セグメントまたはスプライス等の超電導要素を示すために利用されることに留意されたい。すなわち、この用語は、本明細書および特許請求の範囲において一般的な意味合いで使用される。
【0067】
本明細書の実施形態によれば、積層超電導体構造が、個々の超電導テープと比較して、増加した通電容量を有し得ることは明らかである。積層超電導体構造の増加した通電容量のため、過熱状況または過電流状況中に超電導体材料を保護するために、安定化層の通電容量を増加させることが必要であり得る。銅ストリップを積層超電導体に加える等による、バルク銅層の追加は、増加した通電容量を安定化層に提供することができる。重要なことに、バルク銅層は、バルク銅層が超電導テープの超電導面に隣接したときに最も有効であり得る。
【0068】
本明細書の実施形態によれば、接合された超電導部品が、比較的低い外形の接合領域を利用して説明されることは明らかである。この低い外形の接合領域は、種々の産業的応用、特に接合領域に沿って高い外形または過大な外形に影響され易いものに、特に有利であり得る。しばしば、従来の重ね継ぎは、超電導セグメントのそれぞれの公称厚さの約2倍といった、望ましくない過剰な外形を有する。そのような厚さまたは外形は、種々の応用において許容されない場合があり、最先端の重ね継ぎ技術によるスプライス領域の機械的性能が損なわれる場合がある。
【0069】
概要または実施例において上で説明した行為の全てが必要とされるわけではなく、特定の行為の一部が必要とされない場合があること、また、1つ以上のさらなる行為が、上で説明した行為に加えて実施され得ることに留意されたい。さらに、行為が列記される順序は、必ずしもそれらが行われる順序であるとは限らない。
【0070】
前述の明細書において、特定の実施形態を参照しながら概念を説明してきた。しかしながら、当業者は、以下の特許請求の範囲に記載されているような本発明の範囲を逸脱することなく、種々の修正および変更を行うことができるものと理解されよう。したがって、本明細書および図面は、限定的なものではなく例示的なものであるとみなされるべきであり、そのような全ての修正が本発明の範囲内に含まれることを意図するものである。
【0071】
本明細書で使用される「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」、またはその任意の他の変形は、非排他的な包含を対象とすることを意図する。例えば、列記された特徴を備えるプロセス、方法、部品、または装置は、必ずしもこれらの特徴だけに限定されず、明確に列記されていない他の特徴、またはそのようなプロセス、方法、部品、または装置に固有の特徴を含み得る。さらに、明確に逆の意味で述べられていない限り、「または(or)」は、排他的論理和ではなく、包含的論理和を指す。例えば、AまたはBという条件は、Aが真(または存在する)かつBが偽(または存在しない)である、Aが偽(または存在しない)かつBが真(または存在する)である、ならびにAとBの両方が真(または存在する)である、という条件のうちのいずれか1つによって満たされる。
【0072】
また、本明細書で説明される要素および構成要素を説明するために、単数形(「a」または「an」)も使用される。これは、単に便宜的なものであり、本発明の範囲の一般的な意味を提供するために行われる。この説明は、1つまたは少なくとも1つを含むものと読み取られるべきであり、他の意味になることが明らかでない限り、単数形は、複数形も含む。
【0073】
利益、他の長所、および問題点に対する解決策を特定の実施形態に関して上で説明してきた。なお、利益、長所、問題点の解決策、およびあらゆる利益、長所、または解決策を生じさせる、あるいはより明白となり得るあらゆる特徴は、特許請求の範囲のいずれかまたは全ての重要な、必要な、または必須の特徴として解釈されるべきではない。
【0074】
本明細書を読み終わった後に、当業者は、特定の特徴が、明確にするために、別々の実施形態の状況において本明細書で説明されており、また、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることを認識されよう。逆に、簡潔にするために、1つの実施形態の状況において説明される種々の特徴はまた、別々に提供されるか、またはあらゆる副次的な組み合わせでも提供され得る。さらに、範囲で提示される値への言及は、その範囲内のあらゆる値を含む。
【0075】
本発明を特定の実施形態を例示して説明してきたが、示される詳細に限定することを意図したものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更および置換を行うことができる。例えば、付加的な、または均等な代替物を提供することができ、付加的な、または均等な生成ステップを採用することができる。このように、本明細書で開示される本発明のさらなる変形例および均等物は、当業者が単に日常的実験を使用して見出すことができ、またそのような変形例および同等物は、以下の請求項によって定義される本開示の範囲内にあるものとみなされる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19