特許第5993521号(P5993521)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5993521データ通信ネットワークにおいてメッセージを修正及び転送する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5993521
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】データ通信ネットワークにおいてメッセージを修正及び転送する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/741 20130101AFI20160901BHJP
   H04L 12/951 20130101ALI20160901BHJP
【FI】
   H04L12/741
   H04L12/951
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-537127(P2015-537127)
(86)(22)【出願日】2013年9月22日
(65)【公表番号】特表2015-535410(P2015-535410A)
(43)【公表日】2015年12月10日
(86)【国際出願番号】CN2013083941
(87)【国際公開番号】WO2014059853
(87)【国際公開日】20140424
【審査請求日】2015年5月1日
(31)【優先権主張番号】201210397850.0
(32)【優先日】2012年10月18日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511207729
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ウー, クン
【審査官】 安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−064648(JP,A)
【文献】 特開2000−349816(JP,A)
【文献】 特表2002−538733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/741
H04L 12/951
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ通信ネットワークにおいてメッセージを修正及び転送する方法であって、
メッセージヘッダの記述情報をメッセージ記述子情報として抽出し、メッセージ記述子情報以外のメッセージを断片化して記憶することと、
メッセージ記述子情報に従って事前に記憶されたメッセージ修正記述テーブルを検索して、メッセージ修正に必要な修正パラメーターを取得することと、
取得された修正パラメーターに従って修正すべきメッセージの動作を判断して、修正すべきメッセージ断片を動作タイプに応じてグループ化し、各グループに対して修正を統一的に行うことと、
メッセージ断片をポート番号に応じて配布及び再編を行って、改めて完全なメッセージに組み立てて、時間系列に応じて外部インターフェースへ送信することと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
メッセージ記述子情報以外のメッセージを断片化して記憶することは、メッセージ記述子情報以外のメッセージを32バイトあたりの1つのグループで断片化してデータ断片キャッシュに記憶することであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記修正すべきメッセージ断片は、メッセージヘッダのメッセージ断片であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
メッセージ断片をポート番号に応じて配布及び再編を行うことは、修正されたメッセージ断片をポート番号に応じて配布し、前記メッセージ断片が修正されたメッセージヘッダ断片と修正されないメッセージボディ断片を含み、そして同一メッセージに属するヘッダ断片とメッセージボディ断片を再編して、改めて完全なメッセージに組み立てることであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記メッセージ修正記述テーブルは、
メッセージ修正動作及び動作コーディング情報であって、データ挿入、データ削除、データ被覆動作を含むメッセージ修正動作記述テーブルと、
メッセージ修正フィールドおよびフィールドコーディング情報であるメッセージ修正内容記述テーブルと
を含むことを特徴とする請求項1又は3に記載の方法。
【請求項6】
修正すべきメッセージ断片を動作タイプに応じてグループ化し、各グループに対して修正を統一的に行うことは、
データ挿入修正を実行する必要があるメッセージ断片を1つのグループに分けてデータ挿入修正を統一的に行うことと、
データ削除修正を実行する必要があるメッセージ断片を1つのグループに分けてデータ削除修正を統一的に行うことと、
データ被覆修正を実行する必要があるメッセージ断片を1つのグループに分けてデータ被覆修正を統一的に行うことと
を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
データ通信ネットワークにおいてメッセージを修正及び転送する装置であって、
メッセージヘッダの記述情報をメッセージ記述子情報として抽出し、抽出されたメッセージ記述子情報をテーブル検索処理モジュールへ送信するように配置される記述子抽出モジュールと、
メッセージ記述子情報に従って事前に記憶されたメッセージ修正記述テーブルを検索して、メッセージ修正に必要な修正パラメーターを取得し、取得された修正パラメーターを編集モジュールへ送信するように配置されるテーブル検索処理モジュールと、
取得された修正パラメーターに従って修正すべきメッセージの動作を判断して、修正すべきメッセージ断片を動作タイプに応じてグループ化し、各グループに対して修正を統一的に行い、修正されたメッセージ断片と修正の必要がないメッセージ断片をメッセージ配布モジュールへ送信するように配置される編集モジュールと、
メッセージ断片をポート番号に応じて配布し、同一ポート番号のメッセージを対応するポートのメッセージ再編モジュールへ送信するように配置されるメッセージ配布モジュールと、
同一ポート番号のメッセージ断片を再編して、改めて完全なメッセージに組み立てて、時間系列に応じて外部インターフェースへ送信するように配置されるメッセージ再編モジュールと
を含むことを特徴とする装置。
【請求項8】
前記装置は、記述子抽出モジュールより送信されたメッセージ断片を記憶するように配置されるデータ断片キャッシュをさらに含み、それに応じて、前記記述子抽出モジュールがさらにメッセージ記述子情報以外のメッセージをデータ断片キャッシュへ送信するように配置されることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記編集モジュールは、
取得された修正パラメーターに従って修正すべきメッセージの動作を判断して、修正すべきメッセージ断片を動作タイプに応じてグループ化し、対応する修正実行ユニットへ送信してメッセージ修正を行うように配置され、さらに修正の必要がないメッセージ断片を直接に出力制御ユニットへ送信するように配置される分析ユニットと、
挿入修正を実行する必要があるメッセージ断片を修正し、修正されたメッセージ断片を出力制御ユニットへ送信するように配置される挿入修正実行ユニットと、
データ削除修正を実行する必要があるメッセージ断片を修正し、修正されたメッセージ断片を出力制御ユニットへ送信するように配置される削除修正実行ユニットと、
データ被覆修正を実行する必要があるメッセージ断片を修正し、修正されたメッセージ断片を出力制御ユニットへ送信するように配置される被覆修正実行ユニットと、
修正されたメッセージ断片と修正されないメッセージ断片を受信し、受信されたメッセージ断片をメッセージ配布モジュールへ送信するように配置される出力制御ユニットと
を含むことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記メッセージ修正記述テーブルは、
メッセージ修正動作及び動作コーディング情報であって、データ挿入、データ削除、データ被覆動作を含むメッセージ修正動作記述テーブルと、
メッセージ修正フィールドおよびフィールドコーディング情報であるメッセージ修正内容記述テーブルと
を含むことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ通信ネットワークにおけるメッセージ処理の技術分野に関し、特に、データ通信ネットワークにおいてメッセージを修正及び転送する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットプロトコル(Internet Protocol:IP)をコアとする様々な新型サービスの急速な発展に伴い、インターネットプロトコル電話(Voice over Internet Protocol:VoIP)、インターネットプロトコルテレビ(Internet Protocol Television:IPTV)、第3世代移動通信(The 3rd Generation Telecommunication:3G)技術、長期発展型(Long Term Evolution:LTE)技術、メトロイーサネットラインなどのサービスが出現し、帯域幅の需要が増加し続けている。このような状況では、ユーザーの区別はより詳細になり、データサービスの管理はより効率的かつ信頼性の高いことが要求される。そして、サービスのグループ化により、アクセスネットワーク、基幹ネットワーク(ベアラネットワーク)からコアアクセスネットワークまでの装置が、徐々にグループ交換をコアとする次世代ネットワークへ発展することが促進される。データ処理系チップの重要機能の一つとしての様々なサービスメッセージの転送と処理能力に対する需要も増加し続けて、機能もより複雑になっている。
【0003】
通信ネットワークの数多くのアクセスネットワーク、基幹ネットワーク(ベアラネットワーク)及びコアアクセスネットワーク装置として、その重要機能の一つは、サービスメッセージに対して転送と処理を行うことであって、例えば、パッシブ光ファイバネットワーク(Passive Optical Network:PON)における光ライン端末(Optical Line Terminal:OLT)と光ネットワークユニット(Optical Network Unit:ONU)であって、データ通信ネットワークにおけるイーサネットスイッチ、ブロードバンドリモートアクセスサーバー(Broadband Remote Access Server:BRAS)とルーターなどの装置にも、様々なメッセージに対する転送と処理が存在する。
【0004】
あるタイプの装置に対して、早期のサービス処理の需要は比較的単純であり、伝統的なメッセージ修正機能は、メッセージにおける一部のフィールド、例えばイーサネットメッセージヘッダにおける仮想ローカルエリアネットワーク(Virtual Local Area Network:VLAN)優先順位フラグ、マルチプロトコルラベルスイッチング(Multi-Protocol Label Switching:MPLS)メッセージのラベル(label)、又はIPメッセージのヘッダなどのフィールドに対するものである場合が多い。しかし、サービス需要の徐々な増加に伴い、様々なタイプのメッセージにおける個々の独立したフィールドに対する修正を実現するために、ロジックアーキテクチャにおいて、メッセージにおける各フィールドに対する処理が並行方式で設計され、各フィールドに対する修正がいずれも一つのそれぞれが独立したロジック処理ユニットより完了される。
【0005】
これよりわかるように、従来のこのような設計方式は、2つの問題をもたらす。
第一に、チップ機能の増加に伴い、チップの面積もエネルギー消耗も大幅に増加し、チップ機能、性能とコストのバランスを取得するために、いずれかの機能を削減させる必要が生じてくる。これは、多くの場合、チップ設計者に希望されない。
第二に、ある新規需要、または、いくつかの需要に対する変化を実現するために、既存の処理ロジックに基づくロジックコードを増加又は修正する作業負荷が大きくなり、コードの後期の保守が複雑になり、このコードを保守するために必要が時間とコストも大幅に増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これに鑑み、本発明の実施形態の主な目的は、設計者が需要の変化のために改めてチップを設計する必要がなく、設計の作業負荷を大幅に削減させ、保守の時間、コストと複雑さを低減できる、データ通信ネットワークにおいてメッセージを修正及び転送する方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の技術的なスキームが下記のように実現される。
本発明の実施形態に係るデータ通信ネットワークにおいてメッセージを修正及び転送する方法は、
メッセージヘッダの記述情報をメッセージ記述子情報として抽出し、メッセージ記述子情報以外のメッセージを断片化して記憶することと、
メッセージ記述子情報に従って事前に記憶されたメッセージ修正記述テーブルを検索して、メッセージ修正に必要な修正パラメーターを取得することと、
取得された修正パラメーターに従って修正すべきメッセージの動作を判断し、修正すべきメッセージ断片を動作タイプに応じてグループ化して修正することと、
メッセージ断片をポート番号に応じて配布及び再編を行って、改めて完全なメッセージに組み立てて、時間系列に応じて外部インターフェースへ送信することとを含む。
【0008】
好ましくは、メッセージ記述子情報以外のメッセージを断片化して記憶することは、メッセージ記述子情報以外のメッセージを32バイトあたりのグループで断片化してデータスライスキャッシュに記憶する。
【0009】
好ましくは、前記修正すべきメッセージ断片は、メッセージヘッダのメッセージ断片である。
【0010】
好ましくは、メッセージ断片をポート番号に応じて配布及び再編を行うことは、修正されたメッセージ断片をポート番号に応じて配布し、前記メッセージ断片が修正されたメッセージヘッダ断片と修正されないメッセージボディ断片を含み、そして同一メッセージに属するヘッダ断片とメッセージボディ断片を再編して、改めて完全なメッセージに組み立てる。
【0011】
好ましくは、前記メッセージ修正記述テーブルは、メッセージ修正動作記述テーブルとメッセージ修正内容記述テーブルを含み、その中、
前記メッセージ修正動作記述テーブルがメッセージ修正動作及び動作コーディング情報であって、データ挿入、データ削除、データ被覆動作を含み、
前記メッセージ修正内容記述テーブルがメッセージ修正フィールドおよびフィールドコーディング情報である。
【0012】
好ましくは、修正すべきメッセージ断片を動作タイプに応じてグループ化して修正することは、
データ挿入修正を実行する必要があるメッセージ断片を1つのグループに分けてデータ挿入修正を統一的に行うことと、
データ削除修正を実行する必要があるメッセージ断片を1つのグループに分けてデータ削除修正を統一的に行うことと、
データ被覆修正を実行する必要があるメッセージ断片を1つのグループに分けてデータ被覆修正を統一的に行うこととを含む。
【0013】
本発明の実施形態に係るデータ通信ネットワークにおいてメッセージを修正及び転送する装置は、
メッセージヘッダの記述情報をメッセージ記述子情報として抽出し、抽出されたメッセージ記述子情報をテーブル検索処理モジュールへ送信するように配置される記述子抽出モジュールと、
メッセージ記述子情報に従って事前に記憶されたメッセージ修正記述テーブルを検索して、メッセージ修正に必要な修正パラメーターを取得し、取得された修正パラメーターを編集モジュールへ送信するように配置されるテーブル検索処理モジュールと、
取得された修正パラメーターに従って修正すべきメッセージの動作を判断して、修正すべきメッセージ断片を動作タイプに応じてグループ化して修正し、修正されたメッセージ断片と修正の必要がないメッセージ断片をメッセージ配布モジュールへ送信するように配置される編集モジュールと、
メッセージ断片をポート番号に応じて配布し、同一ポート番号のメッセージを対応するポートのメッセージ再編モジュールへ送信するように配置されるメッセージ配布モジュールと、
同一ポート番号のメッセージ断片を再編し、改めて完全なメッセージに組み立てて、時間系列に応じて外部インターフェースへ送信するように配置されるメッセージ再編モジュールと、を含む。
【0014】
好ましくは、前記装置は、記述子抽出モジュールより送信されたメッセージ断片を記憶するように配置されるデータ断片キャッシュをさらに含み、それに応じて、前記記述子抽出モジュールがさらにメッセージ記述子情報以外のメッセージをデータ断片キャッシュへ送信するように配置される。
【0015】
好ましくは、前記編集モジュールは、
取得された修正パラメーターに従って修正すべきメッセージの動作を判断して、修正すべきメッセージ断片を動作タイプに応じてグループ化し、対応する修正実行ユニットへ送信してメッセージ修正を行うように配置され、さらに修正の必要がないメッセージ断片を直接に出力制御ユニットへ送信するように配置される分析ユニットと、
挿入修正を実行する必要があるメッセージ断片を修正し、修正されたメッセージ断片を出力制御ユニットへ送信するように配置される挿入修正実行ユニットと、
データ削除修正を実行する必要があるメッセージ断片を修正し、修正されたメッセージ断片を出力制御ユニットへ送信するように配置される削除修正実行ユニットと、
データ被覆修正を実行する必要があるメッセージ断片を修正し、修正されたメッセージ断片を出力制御ユニットへ送信するように配置される被覆修正実行ユニットと、
修正されたメッセージ断片と修正されないメッセージ断片を受信し、受信されたメッセージ断片をメッセージ配布モジュールへ送信するように配置される出力制御ユニットとを含む。
【0016】
好ましくは、前記メッセージ修正記述テーブルは、
メッセージ修正動作及び動作コーディング情報であって、データ挿入、データ削除、データ被覆動作を含むメッセージ修正動作記述テーブルと、
メッセージ修正フィールドおよびフィールドコーディング情報であるメッセージ修正内容記述テーブルとを含む。
【0017】
本発明に係るデータ通信ネットワークにおいてメッセージを修正及び転送する方法及び装置において、メッセージヘッダの記述情報をメッセージ記述子として抽出することにより、メッセージ記述子以外のメッセージを断片化して記憶し、メッセージ記述子情報に従って事前に記憶されたメッセージ修正記述テーブルを検索して、メッセージ修正に必要な修正パラメーターを取得し、取得された修正パラメーターに従って修正すべきメッセージの動作を判断して、修正すべきメッセージ断片を動作タイプに応じてグループ化して修正し、メッセージ断片をポート番号に応じて配布及び再編を行って、改めて完全なメッセージに組み立てて、時間系列に応じて外部インターフェースへ送信する。
【0018】
これにより分かるように、本発明の実施形態は、修正すべきメッセージ断片を動作タイプに応じてグループ化して修正することにより、一つのモジュールで様々なタイプのメッセージにおける各フィールドの挿入、削除又は被覆の修正を行うことができ、保守者が需要の変化のために既存の処理ロジックに基づいてロジックコードを修正する必要がない。その他に、修正すべきメッセージタイプ又はフィールドが増加する場合、外部インターフェースを介して事前に記憶されたメッセージ修正記述テーブルを修正することでメッセージ修正パラメーターを追加、変更又は削除することができ、異なるタイプサービスの需要に適応して、設計者が需要の変化のために改めてチップを設計する必要がなく、設計の作業負荷を大幅に削減させ、保守の時間、コストと複雑さを低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るデータ通信ネットワークにおいてメッセージを修正及び転送する方法のフローチャートである。
図2図2は、本発明の一実施形態のシフト操作模式図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係るデータ通信ネットワークにおいてメッセージを修正及び転送する装置の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面及び具体的な実施形態を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態のデータ通信ネットワークにおいてメッセージを修正及び転送する方法のフローチャートである。本実施形態の方法は、図1に示すように、以下のステップを含む。
【0021】
ステップ101:メッセージヘッダの記述情報をメッセージ記述子情報として抽出し、メッセージ記述子情報以外のメッセージを断片化して記憶する。
ここで、メッセージ記述子情報は、メッセージの修正すべきフィールド情報とメッセージの実行すべき修正動作を含む。
その中、メッセージの実行すべき修正動作は、挿入、削除と被覆等の動作、即ち、データ挿入、データ削除、データ被覆を含む。データ被覆は、即ち、データリライトである。
【0022】
また、メッセージの修正すべきフィールド情報は、本実施形態においては、表1に示すような情報である。その中、メッセージの修正すべき主フィールド情報は、表1に示すように、MPLS層送信先メディアアクセス制御(Media Access Control:MAC)アドレスフィールド情報MPLS_DA、MPLS層送信元MACアドレスフィールド情報MPLS_SA、プライベートVLANフィールド情報Pvlan、セグメント層VLANフィールド情報Section_vlan、イーサネット送信先MACアドレスフィールド情報ETH_DA、イーサネット送信元MACアドレスフィールド情報ETH_SA、運用機関VLANフィールド情報Svlan、クライアントVLANフィールド情報Cvlan、タイプ/サイズ識別子フィールド情報Type/length、ループネットワーク保護ラベルフィールド情報Frr_label、トンネルラベルフィールド情報Lsp_label、スードワイヤラベルフィールド情報Pw_label、制御ワードフィールド情報ControlWord、インターネットプロトコルバージョン4(Internet Protocol version 4:IPV4)メッセージヘッダフィールド情報Ipv4_head、インターネットプロトコルバージョン6(Internet Protocol version 6:IPV6)メッセージヘッダフィールド情報Ipv6_headなどを含む。
【0023】
【表1】
【0024】
ここで、メッセージ記述子情報以外のメッセージを断片化して記憶することは、メッセージ記述子情報以外のメッセージを32バイトごとのグループに断片化してデータ断片キャッシュに記憶することである。メッセージ断片は、メッセージヘッダのメッセージ断片とメッセージホディのメッセージ断片を含む。
【0025】
ステップ102:メッセージ記述子情報に従って事前に記憶されたメッセージ修正記述テーブルを検索して、メッセージ修正に必要な修正パラメーターを取得する。
【0026】
ここで、メッセージ修正記述テーブルは、メッセージ修正動作記述テーブルとメッセージ修正内容記述テーブルを含む。
その中、前記メッセージ修正動作記述テーブルは、メッセージ修正実行動作及び動作コーディング情報であって、前記メッセージ修正内容記述テーブルは、メッセージ修正フィールドおよびフィールドコーディング情報である。また、メッセージ修正実行動作は、メッセージ挿入、削除と被覆を実行する動作である。
【0027】
また、メッセージ修正を実行するフィールド情報は、本実施形態においては、表2に示すような情報である。その中、メッセージ修正を実行するフィールド情報は、修正ルールフィールド情報Rule、修正層フィールド情報Oploc、修正オフセット量フィールド情報OpOffset、挿入サイズフィールド情報ISize、削除サイズフィールド情報DSizeと挿入データフィールド情報InsertDataなどを含む。
【0028】
【表2】
【0029】
具体的には、メッセージ記述子情報により事前に記憶されたメッセージ修正記述テーブルを検索し、即ち、メッセージ修正動作コーディング情報とメッセージ修正フィールドコーディング情報により事前に記憶されたメッセージ修正記述テーブルを検索して、メッセージ修正に必要な修正パラメーターを取得することができる。
ここで、前記メッセージ修正記述テーブルは、事前にメッセージ修正表キャッシュに記憶されて、外部プロセッサインターフェースを介して表示又は修正を行うことができる。
【0030】
ステップ103:取得された修正パラメーターに従って修正すべきメッセージの動作を判断して、修正すべきメッセージ断片を動作タイプに応じてグループ化して修正する。
【0031】
ここで、修正すべきメッセージの動作を判断することは、メッセージ修正動作によって判断され、即ち、メッセージ挿入、メッセージ削除とメッセージ被覆を実行する動作に応じて、すべてのメッセージ挿入を実行する必要があるメッセージ断片を1種類に分類し、すべてのメッセージ削除を実行する必要があるメッセージ断片を1種類に分類し、すべてのメッセージ被覆を実行する必要があるメッセージ断片を1種類に分類することである。
【0032】
ここで、修正すべきメッセージ断片を動作タイプに応じてグループ化して修正する前に、この方法は、データ断片キャッシュにおけるメッセージ断片を読み取り、修正すべきメッセージの動作に応じて、修正すべきメッセージ断片を動作タイプに応じてグループ化して修正することをさらに含む。
【0033】
ここで、修正すべきメッセージ断片を動作タイプに応じてグループ化して修正することは、
データ挿入修正を実行する必要があるメッセージ断片を1つのグループに分けてデータ挿入修正を統一的に行うことと、
データ削除修正を実行する必要があるメッセージ断片を1つのグループに分けてデータ削除修正を統一的に行うことと、
データ被覆修正を実行する必要があるメッセージ断片を1つのグループに分けてデータ被覆修正を統一的に行うこととを含む。
【0034】
前記修正すべきメッセージ断片がメッセージヘッダのメッセージ断片だけであって、メッセージホディのメッセージ断片にはいずれの修正も行う必要はないが、メッセージ記述子情報以外のメッセージがいずれもメッセージ断片の形態でデータ断片キャッシュに記憶され、メッセージが修正される場合、データ断片キャッシュから記憶されたメッセージ断片を読み取り、修正すべきメッセージ断片をその動作タイプに応じて異なる修正実行ユニットへ送信して修正し、修正の必要がないメッセージ断片は直接にメッセージ配布に用意され、メッセージヘッダのメッセージ断片修正が完了するまで、メッセージ断片をポート番号に応じて配布及び再編を行う。
【0035】
ステップ104:メッセージ断片をポート番号に応じて配布及び再編を行って、改めて完全なメッセージに組み立てて、時間系列に応じて外部インターフェースへ送信する。
【0036】
ここで、メッセージ断片をポート番号に応じて配布及び再編を行うことは、修正されたメッセージ断片をポート番号に応じて配布し、前記メッセージ断片が修正されたメッセージヘッダ断片と修正されないメッセージボディ断片を含み、同一メッセージに属するヘッダ断片とメッセージボディ断片を再編して、改めて完全なメッセージに組み立てる。
【0037】
具体的には、各ポートから着信されたメッセージ断片が互いに絡み合うため、メッセージ断片をポート番号に応じて分離する必要があって、メッセージヘッダのメッセージ断片の再編が完了され、メッセージホディのメッセージ断片の再編が完了された後で、メッセージヘッダと対応するメッセージホディを再編しなければ、改めて一つの完全なメッセージに組み立てることができない。
【0038】
ここで、メッセージを修正する時にデータの挿入、削除又は被覆等の操作を行った可能性があるため、組み立てられたメッセージに隙間があるかもしれなく、最終的に出力されるメッセージが一つの完全で連続なメッセージであることを保証するために、組み立てられたメッセージのセグメントとセグメントの間でシフト操作を行う必要があって、シフト操作によりメッセージ断片の間の隙間を埋めて、最終的に一つの完全で連続なメッセージに改めて組み立てて、時間系列に応じて外部インターフェースへ送信する。
【0039】
具体的なシフトルールは、メッセージの修正後のサイズが増加すると、元のメッセージペイロード(payload)全体を低い桁へ移動する必要があって、空いた位置がメッセージ修正により増加される内容を収納でき、メッセージの修正後のサイズが減少すると、メッセージペイロード全体を高い桁へ移動して、空いたデータ空間を被覆し、その中、シフト操作がデータバスの配列方向に従って、高い桁が左に、低い桁が右にある。
【0040】
図2は本発明の実施形態のシフト操作模式図であって、図2に示すように、図2の(a)が修正される前のメッセージ構造模式図であって、22バイトのイーサネットメッセージヘッダ(ETH head)と一つの10バイトのメッセージペイロード、及び一つの32バイトのメッセージペイロードを含み、表を検索することにより取得された修正パラメーターに従って、修正された新しいメッセージヘッダサイズが48バイトであって、元のメッセージヘッダに基づいて26バイトを増加する必要がある。図2の(b)に示すように、シフト操作ルールに従って、高い桁が左に、低い桁が右にあって、元のメッセージ全体を右へ26バイトで移動し、移動した高い桁で生成されたブランク(Blank)を一時的に保存する。
【0041】
図2の(c)は修正されたメッセージ構造模式図であって、イーサネットメッセージヘッダフィールドを4バイトで削除して元の位置に保留し、この時に高い桁でされたブランクが30バイトに達し、追加する必要がある30バイトのMPLSメッセージヘッダ(MPLS head)フィールドを高い桁のブランクに埋め込んで、メッセージペイロードを低い桁に埋め込んで、改めて新しいメッセージヘッダに組み立てる。
【0042】
上記方法を実現するために、本発明の実施形態に係るデータ通信ネットワークにおいてメッセージを修正及び転送する装置、図3に示すように、
メッセージヘッダの記述情報をメッセージ記述子情報として抽出し、抽出されるメッセージ記述子情報をテーブル検索処理モジュール23へ送信するように配置される記述子抽出モジュール21と、
メッセージ記述子情報に従って事前に記憶されたメッセージ修正記述テーブルを検索して、メッセージ修正に必要な修正パラメーターを取得し、取得された修正パラメーターを編集モジュール24へ送信するように配置されるテーブル検索処理モジュール23と、
取得された修正パラメーターに従って修正すべきメッセージの動作を判断して、修正すべきメッセージ断片を動作タイプに応じてグループ化して修正し、修正されたメッセージ断片と修正の必要がないメッセージ断片をメッセージ配布モジュール25へ送信するように配置される編集モジュール24と、
メッセージ断片をポート番号に応じて配布し、同一ポート番号のメッセージを対応するポートのメッセージ再編モジュール26へ送信するように配置されるメッセージ配布モジュール25と、
同一ポート番号のメッセージ断片を再編して、改めて完全なメッセージに組み立てて、時間系列に応じて外部インターフェースへ送信するように配置されるメッセージ再編モジュール26と、を含む。
【0043】
好ましくは、前記装置は、記述子抽出モジュール21から送信されたメッセージ断片を記憶するように配置されるデータ断片キャッシュ22をさらに含み、
それに応じて、前記記述子抽出モジュール21がメッセージ記述子情報以外のメッセージをデータ断片キャッシュ22へ送信するように配置される。
【0044】
好ましくは、前記編集モジュール24は、
取得された修正パラメーターに従って修正すべきメッセージの動作を判断して、修正すべきメッセージ断片を動作タイに応じてプグループ化し、対応する修正実行ユニットへ送信してメッセージ修正を行うように配置され、さらに修正の必要がないメッセージ断片を直接に出力制御ユニット245へ送信するように配置される分析ユニット241と、
挿入修正を実行する必要があるメッセージ断片を修正し、修正されたメッセージ断片を出力制御ユニット245へ送信するように配置される挿入修正実行ユニット242と、
データ削除修正を実行する必要があるメッセージ断片を修正し、修正されたメッセージ断片を出力制御ユニット245へ送信するように配置される削除修正実行ユニット243と、
被覆データ修正を実行する必要があるメッセージ断片を修正し、修正されたメッセージ断片を出力制御ユニット245へ送信するように配置される被覆修正実行ユニット244と、
修正されたメッセージ断片と修正されないメッセージ断片を受信し、受信されたメッセージ断片をメッセージ配布モジュール25へ送信するように配置される出力制御ユニット245と、を含む。
【0045】
ここで、前記データ通信ネットワークにおいてメッセージを修正及び転送する装置は、実際の適用において、アクセスネットワーク、基幹ネットワーク(ベアラネットワーク)またはコアネットワークのサーバーより実現でき、前記装置における記述子抽出モジュール21、テーブル検索処理モジュール23、メッセージ配布モジュール25、メッセージ再編モジュール26と編集モジュール24及びそれらのサブモジュール、分析ユニット241、挿入修正実行ユニット242、削除修正実行ユニット243、被覆修正実行ユニット244と出力制御ユニット245は、実際の適用において、いずれも装置における中央演算処理装置(CentralProcessingUnit:CPU)、又はデジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)、又はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field-Programmable Gate Array:FPGA)より実現でき、前記装置におけるデータ断片キャッシュ22は、実際の適用において、装置におけるメモリより実現できる。
【0046】
上記は、本発明のより好ましい実施形態に過ぎなく、本発明の請求範囲を限定することに用いられるものではない。本発明の精神と範囲以内で行われるすべての修正、同等入れ替えと改進などがいずれも本発明の請求範囲以内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の実施形態は、修正すべきメッセージ断片を動作タイプに応じてグループ化して修正することにより、一つのモジュールで様々なタイプのメッセージにおける各フィールドの挿入、削除又は被覆の修正を行うことができることを実現でき、保守者が需要の変化のために既存の処理ロジックに基づいてロジックコードを修正する必要がなく、その他に、修正すべきメッセージタイプ又はフィールドが増加する場合、外部インターフェースを介して事前に記憶されたメッセージ修正記述テーブルを修正することでメッセージ修正パラメーターを追加、変更又は削除することができ、異なるタイプサービスの需要に適応して、設計者が需要の変化のために改めてチップを設計する必要がなく、設計の作業負荷を大幅に削減させ、保守の時間、コストと複雑さを低減させる。


図1
図2
図3