特許第5993536号(P5993536)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5993536
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20160901BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
   A61B1/00 300A
   G02B23/24 A
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-524539(P2016-524539)
(86)(22)【出願日】2015年9月11日
(86)【国際出願番号】JP2015075882
(87)【国際公開番号】WO2016043139
(87)【国際公開日】20160324
【審査請求日】2016年4月18日
(31)【優先権主張番号】特願2014-188040(P2014-188040)
(32)【優先日】2014年9月16日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】小山 礼史
【審査官】 伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−150700(JP,A)
【文献】 特開平8−36137(JP,A)
【文献】 特開2001−46329(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/122818(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 − 1/32
G02B 23/24 − 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に挿入される挿入部と、
前記挿入部の基端側に設けられ、前記挿入部を操作するための機構部品が配置される、予め定めた厚み寸法の板状部材と、
前記板状部材の端部を所定の方向に折り曲げられて形成される曲げ部を有する取付部と、
前記板状部材に設けられ、前記取付部に隣接して開口する開口部と、
前記取付部内に形成された、前記板状部材の厚みの範囲内にて別部材の少なくとも一部を固定するための固定部と、
を具備することを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記取付部は、前記曲げ部に対して一体的に設けられ、前記所定の方向に向かって形成され、前記別部材を当接させるための取付面を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記取付部は、前記板状部材の一平面と直交する位置関係で配置されることを特徴とする請求項に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記開口部は、一対の切欠部を含み、
前記切欠部は、前記板状部材に前記曲げ部と前記取付部とを一体に接続する第1接続部と第2接続部とを形作ることを特徴とする請求項に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記挿入部の基端部に連結され、前記挿入部を操作するための操作部を更に具備し、
前記板状部材は前記操作部内に固定されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項6】
被検体に挿入される挿入部と、
前記挿入部の基端側に設けられ、前記挿入部を操作するための機構部品が配置される、予め定めた厚み寸法の板状部材と、
前記板状部材の端部を所定の方向に折り曲げられて形成される取付部と、
前記取付部の前記所定の方向とは反対方向に向かって形成され、前記板状部材の前記所定の方向とは反対方向に向かって形成される一平面よりも前記所定の方向とは反対方向に突出して形成される端面と、
前記取付部内に形成された、前記板状部材の厚みの範囲内にて別部材の少なくとも一部を固定するための固定部と、
を具備することを特徴とする内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部の内部空間を二分割する仕切り板を設けた内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、被検体内に挿入される挿入装置、例えば内視鏡は、医療分野及び工業用分野において利用されている。医療分野において用いられる内視鏡の細長い挿入部は、体内に挿入される。工業用分野において用いられる内視鏡の細長い挿入部は、ジェットエンジン内部、工場配管内等に挿入される。
【0003】
内視鏡は、内視鏡内蔵物として湾曲ワイヤ、各種流体チューブ、ライトガイドファイバー束、及び信号ケーブル等を備えている。
挿入部内に挿通されている内視鏡内蔵物は、操作部の内部空間内に導入されている。操作部を小型化するためには内部空間を有効に使う必要がある。操作部内は、仕切り板である地板によって仕切られている。
【0004】
地板の一面側には内蔵物のうちチューブ類が配置され、他面側には例えば4本の湾曲ワイヤが配置される。湾曲ワイヤは、2008−092968号公報の図2に示されているように操作部内に設けられた地板である固定板上に配置された連結部材を介して湾曲方向に対応する上下用チェーンの端部、左右用チェーンの端部に連結されている。
【0005】
なお、地板は、一面側及び他面側の表裏のみならず側面に部品を取り付けられると操作部内部空間を有効に使えるため、操作部の小型化に有効である。
地板は、例えばアルミニウム板であって、ダイカストにより所望する形状に形作られている。地板の一面、他面及び側面には部材をネジによって螺合固定するためのネジ穴等が複数設けられている。
しかしながら、ダイカストにより成型された地板は、高価である。近年においては、安価な内視鏡が求められており、地板についても同様であった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ダイカストに比べて安価な製造手段であるプレス加工で薄型化も可能な地板を製造することで安価且つ小型で操作性の良好な内視鏡を提供することを目的にしている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様による内視鏡は、被検体に挿入される挿入部と、前記挿入部の基端側に設けられ、前記挿入部を操作するための機構部品が配置される、予め定めた厚み寸法の板状部材と、前記板状部材の端部を所定の方向に折り曲げられて形成される曲げ部を有する取付部と、前記板状部材に設けられ、前記取付部に隣接して開口する開口部と、前記取付部内に形成された、前記板状部材の厚みの範囲内にて別部材の少なくとも一部を固定するための固定部と、を具備する。
本発明の一態様による内視鏡は、被検体に挿入される挿入部と、前記挿入部の基端側に設けられ、前記挿入部を操作するための機構部品が配置される、予め定めた厚み寸法の板状部材と、前記板状部材の端部を所定の方向に折り曲げられて形成される取付部と、前記取付部の前記所定の方向とは反対方向に向かって形成され、前記板状部材の前記所定の方向とは反対方向に向かって形成される一平面よりも前記所定の方向とは反対方向に突出して形成される端面と、前記取付部内に形成された、前記板状部材の厚みの範囲内にて別部材の少なくとも一部を固定するための固定部と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1及び図2は本発明の内視鏡の全体構成を説明する図であり、湾曲操作装置側の側面を示す一側面図
図2】湾曲操作装置側とは反対側の側面を示す他側面図
図3】内視鏡の操作部内部空間を二分割する地板を説明する図
図4】地板によって分割された第2空間側に配設されたチューブ類等を説明する図
図5】メインフレームの一面側に配設された湾曲操作機構を説明する図
図6】ユニット固定部を説明する拡大図を含むメインフレームを説明する図
図7A】プレス加工される前の板状部材と、プレス加工されたメインフレームとを説明する図
図7B】プレス加工される前の板状部材と、プレス加工されたメインフレームとを説明する図
図7C図7Bに示すユニット固定部を矢印Y7B方向から見た正面図
図8図7Cの矢印Y8−Y8線断面図
図9図7Cの矢印Y9−Y9線断面図
図10】プレス加工されたメインフレームのユニット固定部の高さ及びダイカストにより成型した地板の高さを示す図
図11】メインフレームとメインフレームに固設される湾曲操作機構等を説明する図
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
本発明の説明に用いる各図面においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各構成要素毎に縮尺を異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、これらの図面に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率及び各構成要素の相対的な位置関係は、図示の形態のみに限定されるものではない。
【0010】
図1−4を参照して本発明の内視鏡の全体構成の概略を説明する。
図1図2に示すように内視鏡20は、被検体である例えば体腔内に挿入される細長形状の挿入部21と、挿入部21の基端側に連設される操作部22と、操作部22の一側面から延出されているユニバーサルコード23と、ユニバーサルコード23の端部に配設されたコネクタ24等と、によって主に構成されている。
【0011】
挿入部21は、先端側から順に、硬質の先端構成部21a、四方向に湾曲する湾曲部21b、及び可撓性を有する細長形状の可撓管部21cを連結して構成されている。湾曲部21bは、上下方向および左右方向の4方向のそれぞれ、および、これら4方向の湾曲動作を組み合わせることによって任意の方向への湾曲動作が可能である。
なお、湾曲部21bを湾曲操作するための内部構成ユニットとして、操作部22には湾曲操作機構30が設けられている。湾曲操作機構30の詳細構成は後述する。
【0012】
先端構成部21aの先端面には、図示は省略するが対物レンズ、照明レンズ、洗浄ノズル等が設けられ,処置具チャンネルの開口が形成されている。
先端構成部21aは、その内部に、図示は省略するが撮像素子、電気部品を実装した電気基板、撮像素子から延出される映像ケーブル等のほか、洗浄ノズルに連結される送気管路、送水管路、照明レンズへ照明光を供給するライトガイドファイバー等が配設されている。
【0013】
映像ケーブル,ライトガイドファイバーは、挿入部21、操作部22及びユニバーサルコード23内を挿通してコネクタ24まで延出されている。また、送気管路、送水管路は、挿入部21を挿通し、操作部22に設けられた送気送水シリンダ及びユニバーサルコード23を経て、コネクタ24まで延出されている。
【0014】
操作部22は、操作部本体22Aと、把持部ケース体22Bと、を一体かつ水密に固定して構成されている。挿入部21の基端部は、把持部ケース体22Bの一端部に連設している。符号25は、折れ止め部である。折れ止め部25は、挿入部21の可撓管部21cが座屈されることを防止する。折れ止め部25は、弾性ゴム部材等であり、把持部ケース体22Bの一端部と挿入部21の基端部との連結部分を被覆する。
【0015】
操作部22の操作部本体22Aには、各種の操作部材、例えばビデオプロセッサ等の周辺機器を遠隔操作するための複数の電気的なスイッチ26、送気送水ボタン27a、吸引ボタン27bが設けられている。また、操作部本体22Aには、挿入部21の湾曲部21bを湾曲操作するため湾曲操作装置31である上下用湾曲操作ノブ31A及び左右用湾曲操作ノブ31Bが回転自在に配設されている。
符号28は、処置具導入口であって、把持部ケース体22Bに設けられている。
【0016】
挿入部21内に挿通されている内視鏡内蔵物は、図3に示すように操作部22の内部空間である操作部内部空間3S内に導入されている。操作部内部空間3Sは、地板であるメインフレーム40によって、第1空間3S1と第2空間3S2とに二分割されている。メインフレーム40は、操作部22の長手軸方向に対して平行に配置されている。
【0017】
第1空間3S1には、湾曲部21bの湾曲方向に対応する4本の湾曲ワイヤ32が導入される。4本の湾曲ワイヤ32は、上湾曲ワイヤ、下湾曲ワイヤ、左湾曲ワイヤ、及び右湾曲ワイヤである。
一方、第2空間3S2には、送気チューブ15a、送水チューブ15w1、15w2、処置具チャンネルチューブを兼用する吸引チューブ15s、2つのファイバー束16a、16b及び信号ケーブル17が導入される。
【0018】
そして、図4に示すようにメインフレーム40の一面側に配置された送気チューブ15aの一端は、送気チューブ連結具18aを介して送気送水釦5に一端が連結された第1チューブ19a連結され、送水チューブ15w1の一端は、第1送水チューブ連結具18w1を介して送気送水釦27aに一端が連結された第2チューブ19w1に連結され、副送水チューブ15w2の一端は、第2送水チューブ連結具18w2を介して内視鏡コネクタ(不図示)に延出する第3チューブ19w2の他端に連結され、吸引チューブ15sの一端は、吸引チューブ連結具18sによって吸引釦27bに一端が連結された第4チューブ19sに連結されている。
【0019】
4本の湾曲ワイヤ11、12、13、14は、第1空間3S1に導入された後、後述する上下用チェーンの端部、左右用チェーンの端部に連結される。
【0020】
図5に示すように地板であるメインフレーム40は、操作部22の操作部本体22Aの内部及び把持部ケース体22Bの内部にねじ止め固定されている。メインフレーム40の一面側には、湾曲ワイヤ32を牽引弛緩させて湾曲部21bを湾曲させる湾曲操作機構30、仕切り部36、及び湾曲調整ユニット37が配設されている。湾曲操作機構30は、図1に示す湾曲操作装置31と、図5に示す湾曲ワイヤ32、支軸33、スプロケット34、及びチェーン35と、主に設けて構成されている。
符号38は、公知の連結部材であって、湾曲ワイヤ32とチェーン35とを連結する。
【0021】
図6に示すようにメインフレーム40は、長手軸を有する細長形状で予め定めた厚み寸法に設定した、例えばステンレス製の板状部材をプレス加工によって成型されて予め定めた形状に形作られている。
【0022】
メインフレーム40は、平面部であるフレーム本体41と、フレーム本体に対して折り曲げて形作られた複数の折曲部42a、42b、42c、42dと、一対のユニット固定部43と、が設けられている。
【0023】
ユニット固定部43は、一対の曲げ部43L1、43L2と、取付部43pと、固定部となる例えば2つのネジ穴43fとを設けて構成されている。ユニット固定部43は、ネジ穴43fに限らず、凸部等であってもよい。
曲げ部43L1、43L2は、フレーム本体41に対して一体に設けられている。曲げ部43L1、43L2は、フレーム本体41の一平面41fに対して取付部43pが予め定めた所定の方向に配置されるように折り曲げ形成されている。そして、曲げ部43L1、43L2は、曲げ半径が小さな内曲げ曲面43b1及び曲げ半径が大きな外曲げ曲面43b2を有する。
【0024】
取付部43pは、曲げ部43L1、43L2に対して一体に設けられている。取付部43pは、別部材である例えば湾曲調整ユニット37が取り付けられる取付面43puを有している。曲げ部43L1、43L2に一体な取付部43pの取付面43puは、フレーム本体41の一平面41fに対して直交する位置関係で配置される。曲げ部43L1、43L2は、L字形状のL曲げ部である。すなわち、取付部43pは、板状部材であるフレーム本体41に一体的に設けられ、フレーム本体41の端部を所定の方向に折り曲げて形成される曲げ部43L1、43L2を有する。尚、一平面41fは、フレーム本体41において所定の方向とは反対方向に向かって形成される面である。さらに、取付部43pは、湾曲調整ユニット37を安定して取り付るために、フレーム本体41の一平面41fに対して直交する方向において、フレーム本体41の予め定めた厚み寸法よりも大きい寸法に形成される。
【0025】
ネジ穴43fは、取付部43pの予め定めた位置に設けられている。ネジ穴43fには、湾曲調整ユニット37を固定するための雄ネジが螺合される。
取付部43pの厚み、即ち、メインフレーム40の厚さは、雄ネジによる螺合固定を確実に行えるネジ山を有する雌ネジを形成可能に設定されている。
【0026】
図7Aに示すようにメインフレーム40となる予め定めた厚み寸法の板状部材50の側部には、側面50sから予め定めた量、突出した凸部であるユニット固定部形成部51が設けられている。
【0027】
ユニット固定部形成部51には、プレス加工によって破線に示すネジ穴43f用の下孔52と、予め定めた形状の破線に示す開口部53とが形成される。下孔52には雌ネジ加工が施される。
【0028】
開口部53の開口は、取付部43pに隣接して設けられている。開口部53の開口は、矩形孔53aと一対の切欠部53bとを有して形作られている。矩形孔53aは、取付部43pの開口側端面43pfの一平面41fに対する形成位置を規定するために設けられ、軽量化を図る貫通孔を兼用している。尚、開口側端面43pfは、取付部43pにおいて所定の方向とは反対方向に向かって形成される端面である。
【0029】
一対の切欠部53bは、ユニット固定部形成部51の所定位置に、一対の曲げ部形成部54と、取付部形成部55と、一対の接続部形成部56と、を形成するために設けられる。
【0030】
上述したユニット固定部形成部51の一対の曲げ部形成部54は、プレス加工によって予め定めた状態に折り曲げられて、図7C図8図9に示すユニット固定部43の一対の曲げ部43L1、43L2になる。
【0031】
一対の曲げ部43L1、43L2が形成されると同時に、取付部形成部55は、一対の曲げ部43L1、43L2に対して一体な予め定めた幅寸法の取付部43pとなる。
このとき、取付部43pの取付面43puは、一平面41fに対して直交した位置関係で配置される。取付部43pの開口側端面43pfは、一平面41fから予め定めた高さ突出する。
【0032】
具体的に、取付部43pの開口側端面43pfは、一平面41f上に図10に示す後述する第1チェーンカバー36Aを載置した状態において、第1チェーンカバー36Aの一平面36fと同じ高さ位置、或いは、一平面41fより低い位置に配置される。
【0033】
一対の曲げ部43L1、43L2が形成されると同時に、一対の接続部形成部56は、一方の曲げ部43L1と取付部43pとを一体に接続する第1接続部43hと、他方の曲げ部43L2と取付部43pとを一体に接続する第2接続部43kと、になる。
【0034】
上述のようにプレス加工によってメインフレーム40にユニット固定部43を設けたことによって、図10に示すようにメインフレーム40のユニット固定部43の高さHが、ダイカストにより成型した地板10Aの高さと同寸法になる。
【0035】
また、メインフレーム40の一面からユニット固定部43の取付部43pに設けられたネジ穴43fの中心軸までの距離は、地板10Aの端面から凸部10cに形成されたネジ穴10fの中心軸までの距離Laと同一になる。
この結果、プレス加工製の安価なメインフレーム40を提供することができる。
【0036】
さらに、メインフレーム40のユニット固定部43に設けられるネジ穴43fは、曲げ部43L1、43L2の外曲げ曲面43b2の上端43Lu)と内曲げ曲面43b1の下端43Ldと間の取付面43puに設けることができる。言い換えれば、ネジ穴43fの穴上端部43fuを内曲げ曲面43b1の下端43Ldよりも高い位置に配置させる一方、ネジ穴43fの穴下端部43fdを外曲げ曲面43b2の上端43Luよりも低い位置に配置させることができる。
【0037】
つまり、ユニット固定部43のネジ穴43fを設ける範囲を、曲げ部43L1、43L2が設けられた同じ高さ範囲内に設定することが可能であり、操作部の小型化のために内部空間を有効に活用することができる。
【0038】
なお、フレーム本体41には支軸33を固設するための貫通孔である支軸孔44、螺合固定用の複数のネジ穴45、取付保持用の複数のダボ46、軽量化を図るための複数の貫通孔47が形成されている。
【0039】
上述した実施形態において、取付部43pの開口側端面43pfが一平面41fから予め定めた高さ出っ張るとしている。開口側端面43pfの出っ張り高さは、開口形状を適宜変更することによって調整可能である。そして、開口形状を適宜変更することによって、開口側端面43pfを一平面41fと同じ高さにすること、或いは、一平面41fよりも低くすること等も可能である。
【0040】
また、図11に示すようにメインフレーム40の一面上には第1チェーンカバー36A、左右用スプロケット34LR及び左右用チェーン35LR、チェーンセパレータ39、上下用スプロケット34UD及び上下用チェーン35UD、第2チェーンカバー36Bが積層配置されるとともに、仕切り部36が設けられる。取付部43pの取付面43puには、湾曲調整ユニット37が固定ネジ48をユニット孔37hに通してネジ穴43fに螺合するとこによって固設される。
【0041】
上述したようにメインフレーム40に設けられた一対のユニット固定部43の開口側端面43pfが一平面41fから出っ張っている。この結果、第1チェーンカバー36Aをメインフレーム40に載置する際、第1チェーンカバー36Aを一対のユニット固定部43の間に配置することによって、第1チェーンカバー36Aのメインフレーム40の一面上への載置を容易に行うことができる。
【0042】
また、一平面41fに第1チェーンカバー36Aを載置した状態において、メインフレーム40に設けられたユニット固定部43の開口側端面43pfが第1チェーンカバー36Aの一平面36fと同じ高さ位置、或いは、それよりも低く位置する。この結果、左右用チェーン35LRに取り付けられたチェーン連結部材38に湾曲ワイヤ32を連結する際、或いは、該チェーン連結部材38から該湾曲ワイヤ32を取り外す際、一平面41f上に載置したチェーン連結部材38を摺動移動させた際、該連結部材38がユニット固定部43に接触することが防止されて作業性の向上を図ることができる。
【0043】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0044】
本発明によれば、ダイカストに比べて安価な製造手段であるプレス加工で薄型化も可能な地板を製造することで安価且つ小型で操作性の良好な内視鏡を実現することができる。
【0045】
本出願は、2014年9月16日に日本国に出願された特願2014−188040号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲に引用されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11