特許第5993603号(P5993603)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5993603
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】送風機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/58 20060101AFI20160901BHJP
   F04D 29/32 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
   F04D29/58 R
   F04D29/32 A
   F04D29/32 J
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-98327(P2012-98327)
(22)【出願日】2012年4月24日
(65)【公開番号】特開2013-227867(P2013-227867A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2015年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生
(72)【発明者】
【氏名】川井 洋一
【審査官】 冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−063978(JP,A)
【文献】 特開2005−098163(JP,A)
【文献】 特開平11−223195(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/158461(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/58
F04D 29/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ一体型の送風機であって、
回転可能なシャフトと、
中央に前記シャフトが固定され、一方の面が駆動コイルの側に露出し、他方の面が外部に露出した放熱板と、
前記放熱板の外縁に固定された円筒部と、
前記円筒部の外周に設けられた羽根と
を備え
前記シャフトと前記放熱板は、前記シャフトおよび前記放熱板の一部を覆う樹脂製のボス部により結合しており、
前記円筒部は樹脂製であり、
前記円筒部と前記ボス部とが連結部を介して繋がっており、
前記連結部は前記放熱板の前記一方の面および前記他方の面の少なくとも一方の一部に設けられ、
前記連結部が設けられていない他の部分において、前記放熱板が露出し、前記放熱板の前記駆動コイルの側における露出面および前記駆動コイルの側と反対の側における露出面が確保されていることを特徴とする送風機。
【請求項2】
前記円筒部の内側には、ロータヨークおよびロータマグネットが配置され、
前記放熱板は、前記ロータヨークよりも熱伝導率が大きい金属であることを特徴とする請求項1に記載の送風機。
【請求項3】
前記放熱板は、銅またはアルミニウムを主体とする合金からなることを特徴とする請求項に記載の送風機。
【請求項4】
前記放熱板が前記シャフトの外周に内周で接触する円筒部を備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の送風機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ一体型の送風機において、モータからの発熱を外部に放熱する構造に特徴がある送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
モータを内蔵した送風機は、モータからの発熱により軸受の潤滑剤が劣化し、寿命が短くなる問題がある。特許文献1には、送風機に内蔵されたモータからの発熱を、樹脂製のインペラの表面から放熱するために、インペラの表面に放熱層となる金属板を貼り付ける構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−316505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているインペラ表面に金属板を貼り付ける構造は、金属板とシャフトとの接触部がシャフトの頂端部だけであるため、放熱効果が弱い。また、金属板の貼り付け位置がずれた場合に、ロータの回転バランスをとるのに手間がかかる問題がある。また、発熱量が最も大きいのは、駆動コイルであり、次いでコア、次いで軸受および回路基板の順に小さくなるが、上述したインペラ表面に金属板を貼り付ける構造では、金属板の放熱機能はシャフトからインペラに伝導した熱を放熱する作用に止まり、駆動コイルやコアで生じる熱の放熱にはそれ程寄与しない。
【0005】
このような背景において、本発明は、モータ一体型の送風機において、ロータの回転バランスを容易に高い精度で確保でき、且つモータ内部の駆動コイルから発生する熱を効率よく外部に放熱することができる構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、モータ一体型の送風機であって、回転可能なシャフトと、中央に前記シャフトが固定され、一方の面が駆動コイルの側に露出し、他方の面が外部に露出した放熱板と、前記放熱板の外縁に固定された円筒部と、前記円筒部の外周に設けられた羽根とを備え、前記シャフトと前記放熱板は、前記シャフトおよび前記放熱板の一部を覆う樹脂製のボス部により結合しており、前記円筒部は樹脂製であり、前記円筒部と前記ボス部とが連結部を介して繋がっており、前記連結部は前記放熱板の前記一方の面および前記他方の面の少なくとも一方の一部に設けられ、前記連結部が設けられていない他の部分において、前記放熱板が露出し、前記放熱板の前記駆動コイルの側における露出面および前記駆動コイルの側と反対の側における露出面が確保されていることを特徴とする。請求項1に記載の発明によれば、駆動コイル側に露出した放熱板の表面に、駆動コイルから放射される放射熱が吸収され、その熱が当該放熱板の他方の面から外部に放射される。つまり、放熱板を介して、駆動コイルからの発熱が外部に放熱される。このため、シャフトから放熱板に伝導する熱の放熱効果に加えて、駆動コイルからの発熱を放熱する経路が確保され、発熱量の多い駆動コイルからの熱が内部にこもり、軸受の潤滑剤が劣化する問題が緩和される。また、高い生産性が得られ、且つ、シャフトと放熱板の位置関係が正確に定まり、シャフトの回転時における重量バランスの崩れがない構造が得られる。また、羽根が外周に配置された円筒部、ボス部、および放熱板(つまりハブ全体)を一体構造とすることができる。このため、製造工程が簡素化される。また、製造工程が簡素化されても放熱板上における連結部が占める面積が部分的であり、放熱板の露出部は確保されるので、放熱板の放熱効果は損なわれない。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記円筒部の内側には、ロータヨークおよびロータマグネットが配置され、前記放熱板は、前記ロータヨークよりも熱伝導率が大きい金属であることを特徴とする。ロータヨークは、磁気回路を形成する機能が重視されるので磁性材料である必要があるが、放熱板は、磁性材料としての機能は必要とされないので、放熱効果優先でその材質を選択することができる。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記放熱板は、銅またはアルミニウムを主体とする合金からなることを特徴とする。放熱板の材質として、銅またはアルミニウムを主体とする合金を選択することで、高い放熱効果を得ることができる。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか一項に記載の発明において、前記放熱板が前記シャフトの外周に内周で接触する円筒部を備えることを特徴とする。請求項に記載の発明によれば、放熱板の円筒部の内周がシャフトの外周に接触することで、放熱板とシャフトとの接触面積が確保され、シャフトを伝導してくる熱を効率よく放熱板に逃がすことができる。また、シャフトと放熱板との結合の強度を高くできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、モータ一体型の送風機において、ロータの回転バランスを容易に高い精度で確保でき、且つモータ内部の駆動コイルから発生する熱を効率よく外部に放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1発明を実施するための基本形態の軸流送風機の断面図である。
図2】インペラを構成する部材の正面図と断面図である。
図3】放熱板を軸方向から見た図(a)と軸に垂直な方向から見た断面図(b)である。
図4本発明の一実施形態に係るインペラを構成する部材の正面図である。
図5】変形例の放熱板を軸に垂直な方向から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
1.発明を実施するための基本形態
(構成)
図1には、発明を実施するための基本形態の軸流送風機100の軸に垂直な方向から見た断面図が示されている。図2には、図1の軸流送風機が備えるインペラを軸方向から見た正面図(a)と、軸に垂直な方向から見た断面図(b)が示されている。
【0016】
軸流送風機100は、ケーシング101を備えている。ケーシング101は、略円筒形状を有し、その内側に後述するロータ123が回転自在な状態で配置されている。ケーシング101は、軸中心の方向に向かって延在した支柱であるモータベース支持部材102によってモータベース103を保持し、モータベース103は、軸方向に向かって延在した略筒形状を有した軸受ハウジング104を備えている。ケーシング101、モータベース支持部材102、モータベース103および軸受ハウジング104は、樹脂を原料とした一体成形品である。
【0017】
軸受ハウジング104の外周には、ステータコア105が固定されている。ステータコア105は、鋼板を積層したもので構成され、軸方向から見て放射状に複数が配置された複数の突極(図示省略)を備えている。詳しい説明は省略するが、ステータコア105の形状は、一般的なアウターロータ型のブラシレスモータのステータコアと同じである。ステータコア105には、樹脂製のインシュレータ106が装着されている。インシュレータ106を介して、ステータコア105の複数の突極のそれぞれにステータコイル(駆動コイル)107が巻回されている。ステータコア105、インシュレータ106およびステータコイル107によって、アウターロータ型のモータのステータ108が構成されている。なお、インシュレータ106には、金属製の端子ピン109が埋め込まれている。この端子ピン109には、ステータコイル107を構成する巻線の端部が絡げ接続され、また端子ピン109の先端は、回路基板110に接続されている。回路基板110には、ステータコイル107に駆動電流を流すための駆動回路が形成されている。
【0018】
軸受ハウジング104の内側には、軸受111および112が取り付けられている。軸受111および112は、回転する軸部材となるシャフト113を回転自在な状態で保持している。軸受111,112は、滑り軸受または転がり軸受であり、シャフト113の回転に伴う摩擦を軽減するための潤滑剤が保持されている。シャフト113は、金属製であり、その上部には樹脂製のボス部114が取り付けられている。ボス部114は、シャフト113の端部に固定されていると共に、金属性で略円板形状の放熱板115の回転中心に固定されている。図3には、放熱板115を軸方向から見た正面図(a)と、軸に垂直な方向から見た断面図(b)が示されている。図3に示すように、放熱板115には、シャフト113が嵌る嵌合孔115a、ボス部114との相互固定を行なうための貫通孔115bが設けられている。放熱板115は、一方の面(図1の下面)がステータコイル107の側に露出し、他方の面(図の上面)が軸方向外側(軸流送風機100の外部の方向)に露出している。
【0019】
ボス部114は、樹脂を原料とする射出成形法により形成されており、ボス部114により、シャフト113と放熱板115が一体化されている。以下、この部分の製造方法について説明する。まず、ボス部114を形成するための図示しない射出成形型について説明する。この図示しない射出成形型は、シャフト113と放熱板115をインサート材として型の内部に配置可能な構造を有している。製造においては、この射出成形型の内部に、放熱板115の嵌合孔115aにシャフト113の端部を差し込み嵌合させた状態のものを配置し、樹脂を原料とした射出成形を行なう。この射出成形により、シャフト113と放熱板115とが結合した部分が樹脂で覆われ、ボス部114が形成される(図1および図2参照)。この際、放熱板115の貫通孔115bの内部にボス部114を構成する樹脂材料が入り込み、図示するような、ボス部114により、シャフト113と放熱板115が一体化された構造が得られる。
【0020】
ボス部114と軸受112の間には、シャフト113の軸方向におけるガタを吸収するためのスプリング116が配置されている。放熱板115の外周の縁の部分には、複数の羽根117を備えた円筒部118が固定されている。羽根117と円筒部118とは、樹脂製の一体成形された部材である。ボス部114、放熱板115および円筒部118によりハブ119が構成されている。また、シャフト113、ハブ119および羽根117によりインペラ(羽根車)120が構成されている。
【0021】
円筒部118の内側には、磁性材料により構成される円筒状のロータヨーク121が配置され、ロータヨーク121の内側に永久磁石により構成される円筒状のロータマグネット122が配置されている。ロータマグネット122は、ステータコア105およびインシュレータ106の外側に隙間を隔てた状態で位置している。ロータマグネット122は、その内周面に周方向に沿って複数の磁極が設けられ、軸中心に面する磁極の極性が交互に反転する状態で配置されている。インペラ120、ロータヨーク121およびロータマグネット122により、ロータ123が構成されている。
【0022】
以上述べたように、軸流送風機100は、アウターロータ型のブラシレスモータのロータ部分に軸流ファンの羽根を備えた構造を有している。すなわち、軸流送風機100は、モータベース103の軸受ハウジング104に固定されたステータ108の回りをロータ123が回転する。ロータ123は、シャフト113にハブ119が固定され、ハブ119の外周に羽根117が配置された構造を有している。ハブ118の内側には、ロータマグネット122が取り付けられ、ステータ108の側に配置された駆動コイルであるステータコイル107に流される駆動電流の極性が切り替えられることで、ステータコイル107とロータマグネット122との間で作用する磁気吸引力と磁気反発力が切り替わり、ロータ123がシャフト113を軸として回転する。ロータ123が回転することで、羽根117が回転し、軸方向への空気の動き(軸流)が生じる。
【0023】
(放熱機能)
軸流送風機100を動作させると、ステータコイル107、ステータコア105、軸受111,112および回路基板110が発熱する。ここで、ステータコイル107の発熱量が最も大きく、次いでステータコア105の発熱量、その他の部分の発熱量の順となる。ここで、軸受ハウジング104は樹脂製であるので、熱の伝導はそれ程期待できない。この状況において、軸受111,112からの発熱は、金属性のシャフト113から放熱板115に伝導し、放熱板115から放熱される。また、ステータコイル107およびステータコア105で生じた熱は、輻射熱として放熱板115に吸収され、更に放熱板115から図の上の方向に放熱される。
【0024】
放熱板115は、一方の面(図1の下面)がステータコイル107の側に露出し、他方の面(図の上面)が軸方向外側(軸流送風機100の外部の方向)に露出している。したがって、上述したステータコイル107およびステータコア105で生じた熱は、輻射熱として放熱板115に吸収され、さらに放熱板115から外部に放熱される。なお、軸流送風機の場合、回路基板110からの発熱は、それ程大きくなく、図1に示す構造では、特に問題とはならない。
【0025】
(優位性)
主な発熱原であるステータコイル107およびステータコア105で生じる熱が、輻射熱として放熱板115に吸収され、さらに放熱板115から図1の上の方向に放熱される。この構造によれば、ロータ123の内側(内部)の密閉性が損なわれない状態で、ステータコイル107およびステータコア105で生じる熱が外部に効率よく放熱される。
【0026】
例えば、放熱板115に開口部を設け、ステータ108への外部からの通気性を確保することで、ステータコイル107およびステータコア105で生じる熱の放熱を行なう構造も考えられる。しかしながら、その場合、塵や異物のロータ123内部への侵入の問題が生じる。軸流送風機100の小型化を追求し、ステータ108とロータ123との間の隙間の寸法を小さくしていった場合、塵や異物のロータ123内部への侵入は好ましくない。本実施形態の放熱構造とした場合、この問題の発生を抑えつつ、ロータ123内部からの放熱が行なわれる構造が実現される。
【0027】
シャフト113に放熱板115が嵌め込まれているので、シャフト113を伝導する熱を放熱板115から効率よく放熱させることができる。また、シャフト113と放熱板115をインサート材とした樹脂の射出成形により、ボス部114を形成する構造とすることで、シャフト113を放熱板115の回転中心に精度よく固定することができ、またシャフト113と放熱板115の一体構造がボス部114によって確保されるので、ロータ123のバランスを容易に高い精度で確保できる。また、放熱板115は、ロータヨーク121とは別の部材であるので、放熱板115を磁性材料で構成する必要はなく、放熱板115を熱伝導率や放熱特性が良好な金属で構成でき、放熱を優先した構造とできる。例えば、放熱板115とロータヨーク121を一つの部材で構成したカップ形状のロータヨークを採用した場合、放熱板115に相当する部分も磁性材料により構成せざるを得ないので、放熱板115に相当する部分の放熱機能を優先した材料選択ができなくなる。
【0028】
(変形例1)
シャフト111を放熱板115の嵌合孔115aに圧入により固定する構造は好ましい。この構造によれば、シャフト111と放熱板115との接触がより確実となるので、シャフト111から放熱板115への熱伝導をより確実に行える。
【0029】
(変形例2/本発明の実施形態
図4には、羽根117、円筒部118およびボス部114を一体成形品とした本発明の一実施形態が示されている。図4に示す構造では、円筒部118とボス部114とは、3箇所のブリッジ部(連結部)130によって繋がっており、一体の構造を有している。ブリッジ部130があることで、樹脂を原料とした射出成形法により、羽根117、円筒部118およびボス部114を一体成形品とした構造を得ることができる。この構造を得る場合、成形型内に放熱板115(図1と同じもの)をインサート材として配置した状態において、樹脂を原料とした射出成形を行なうことで、図4に示す構造を得る。
【0030】
ここで、ブリッジ部130は、放熱板115の片面側だけに設けられていても良いし、両面に設けられていても良い。また、ブリッジ部130の数は、3箇所に限定されない。図4に示す構造は、ブリッジ部130が設けられていない部分で放熱板115が露出するので、図1の場合と同様の放熱効果を得ることができる。
【0031】
(変形例3)
図5には、放熱板115の変形例が示されている。図5に示す放熱板115は、嵌合孔115aの部分に軸方向に延在する円筒部115cを有している。この例においては、円筒部115cにシャフト113を嵌合(より好ましくは圧入)することで、シャフト113と放熱板115とが結合される。この構造は、円筒部115cの内周面がシャフト113の外周面に接触するので、シャフト113と放熱板115との接触面積が広く確保でき、シャフト113から放熱板115への熱の伝導が図1および図2に示す構造の場合に比較してより効果的に行なわれる。
【0032】
(変形例4)
放熱板115の材質を、ロータヨーク121の材質よりも熱伝導性が高い材質とするのは好ましい。熱伝導性が高い材質としては、銅やアルミニウムを主体とした合金が挙げられる。例えば、ロータヨーク121に亜鉛めっき鋼板を使用した場合、亜鉛めっき鋼板よりも熱伝導率の大きい、銅やアルミニウム等を主体とした合金を放熱板115に使用することで、モータ内部からの発熱をモータ外部へ放出する効果がさらに高くなる。放熱板115は、磁性材料である必要はないので、熱伝導率を優先した材質を選択することができる。
【0033】
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、送風機に利用することができる。
【符号の説明】
【0035】
100…軸流送風機、101…ケーシング、102…モータベース支持部、103…モータベース、104…軸受ハウジング、105…ステータコア、106…インシュレータ、107…ステータコイル、108…ステータ、109…端子ピン、110…回路基板、111…軸受、112…軸受、113…シャフト、114…ボス部、115…放熱板、115a…嵌合孔、115b…貫通孔、115c…円筒部、116…スプリング、117…羽根、118…円筒部、119…ハブ、120…インペラ、121…ロータヨーク、122…ロータマグネット、123…ロータ、130…ブリッジ部。
図1
図2
図3
図4
図5