特許第5993617号(P5993617)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5993617
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】合成皮革
(51)【国際特許分類】
   D06N 3/14 20060101AFI20160901BHJP
   D04B 1/00 20060101ALI20160901BHJP
   D04B 21/16 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
   D06N3/14DAA
   D04B1/00 B
   D04B21/16
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-120525(P2012-120525)
(22)【出願日】2012年5月28日
(65)【公開番号】特開2013-245420(P2013-245420A)
(43)【公開日】2013年12月9日
【審査請求日】2015年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000077
【氏名又は名称】アキレス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】513277245
【氏名又は名称】ペロン エアロスペース
(74)【代理人】
【識別番号】100094488
【弁理士】
【氏名又は名称】平石 利子
(72)【発明者】
【氏名】大崎 和孝
(72)【発明者】
【氏名】塚越 剛
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 浩人
【審査官】 中川 裕文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−072141(JP,A)
【文献】 特開2010−077554(JP,A)
【文献】 特開2007−023463(JP,A)
【文献】 特開2008−133578(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3137355(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06N 1/00− 7/06
D04B 1/00− 1/28
21/00−21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生布にポリウレタン樹脂からなる表皮層が積層されてなり、
前記生布が、メタ系アラミド繊維からなるステープルを紡績した編んだものであることを特徴とする合成皮革。
【請求項2】
前記生布が、前記紡績糸を両面編みしたものであることを特徴とする請求項1に記載の合成皮革。
【請求項3】
前記生布の目付量が、100〜400g/m2であることを特徴とする請求項1または2に記載の合成皮革。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃性に優れ、タテ・ヨコ方向の伸びバランスが良好な合成皮革に関し、特に、高度な難燃性が要求される床面積144sq.ft.(約13.4m2)以上の航空機用内装材として好適な合成皮革に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、航空機分野でも、燃料節約の観点から、航空機本体の軽量化が検討されている。これを受け、航空機に使用される内装材(壁、天井、間仕切り、シート(seat)などの表皮材)としては、本皮よりも、重量が軽く、加工性や品質安定性並びにメンテナンス性に優れた合成皮革の需要が高まってきている。
このような航空機用内装材は、飛行機の大きさ(床面積)や使用部位によって定められた耐燃焼性(難燃性)の厳格な規格をクリアする必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、防炎処理されたポリエステル繊維布帛の少なくとも片面に、特定の防炎剤を含有する接着剤層を介して表皮層を設けることで、防炎性を高めた合成皮革が提案されている。
しかし、この提案の合成皮革では、床面積が144sq.ft.以上の航空機用内装材に要求される難燃性を得ることは困難であった。
【0004】
一方、ポリエステル繊維と同等の強度を持ちながら、高い難燃性を有する化学繊維として、メタ系アラミド繊維が知られている。
ところが、メタ系アラミド繊維のフィラメント・ヤーン(filament yarn)は、糸質が硬いので、これを生布として用いた合成皮革では、風合いがペーパーライクなもの(合成皮革を折り曲げた際に骨ばるようなシワが入ってしまうもの)になりやすい。しかも、この合成皮革を、シート(seat)の表皮材として使用すると、タテ・ヨコ方向の伸びバランスが悪いので椅子張り性に劣る、座面や背裏面に要求されるソフトな風合いやボリューム感に劣る、などの問題が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4870412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の諸点を考慮し、優れた平滑性を有しつつ、ソフトな風合いや高級な質感(ボリューム感)を有するとともに、タテ・ヨコ方向の伸びバランスが良好で、難燃性に優れた合成皮革を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決するために検討を行った結果、メタ系アラミド繊維を含む紡績糸を編んだ生布を用いることで、高度な難燃性を得ることができるばかりか、ポリウレタン樹脂との馴染み性がよいので、高級な質感やソフトな風合いを有しながら、引張強度や引裂強度が高い合成皮革が得られることを見出した。
【0008】
本発明は、このような知見の下でなし得たものであり、以下を要旨とする。
(1)生布にポリウレタン樹脂からなる表皮層が積層されてなり、前記生布が、メタ系アラミド繊維からなるステープルを紡績した編んだものであることを特徴とする合成皮革。
(2)前記生布が、前記紡績糸を両面編みしたものであることを特徴とする前記(1)に記載の合成皮革。
(3)前記生布の目付量が、100〜400g/m2であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の合成皮革。
【0009】
なお、本発明の合成皮革において、紡績糸(spun yarn)とは、ステープル(短繊維)を集め長尺状にしたものに撚りをかけ、長い糸にしたものを指し、1種類の短繊維から構成されるものと、2種類以上の短繊維を混ぜて構成するものとの両者を含む。
これに対し、フィラメント・ヤーン(filament yarn)は、フィラメント(長繊維)を数十本撚り合せて、1本の糸にしたものとする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の合成皮革は、ソフトでしなやかな風合い、ボリューム感、良好な平滑性を有し、しかも、難燃性に優れ、タテ・ヨコ・バイアス方向にバランスの良い伸び率を示すものである。
したがって、椅子張り性が非常に良好であって、しかも、高度な難燃性により、床面積が144sq.ft.以上の航空機用内装材としても好適に使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、生布、接着層、ポリウレタン樹脂からなる表皮層の順で積層させた合成皮革であって、生布が、メタ系アラミド繊維からなるステープルを紡績した糸を編んだものであることを特徴とする。
メタ系アラミド繊維としては、例えば、ポリメタフェニレンイソフタルアミド(MPIA)やその共重合体などを使用することができる
発明では、上記ステープル(短繊維)の製造時または製造後に難燃性を付与したものを用いてもよい。
【0012】
このように、メタ系アラミド繊維からなるステープル(短繊維)を紡績した糸で編んだものを用いることで、燃えにくく、燃焼時の発煙や有毒ガスの発生が少なくなるうえ、タテ・ヨコ方向に均一に適度な伸縮性を有する合成皮革を得ることができる。
本発明の合成皮革では、JIS K6722に準拠して測定された伸び率が、タテ方向において70〜100%、ヨコ方向において70〜130%であることが好ましい。
伸び性がありすぎても、縫製時や椅子張り作業時、あるいは椅子張り後において、シート保型性で問題が生じてしまうので、タテ・ヨコ方向にバランスの良い伸び性が必要とされるからである。
【0013】
メタ系アラミド繊維からなるフィラメント・ヤーンを編んだものを生布として用いた合成皮革では、前述したように、タテ・ヨコ方向の伸びバランスが悪いので椅子張り性に劣ったり、座面や背裏面に要求されるソフトな風合いやボリューム感に劣るものとなりやすい。
メタ系アラミド繊維を含む紡績糸を織ったもの(織物)では、ほつれやすいうえ、前記伸び率が、タテ・ヨコ方向において20〜40%程度しか得られない。また、当該織物を生布として用いた合成皮革では、ソフトな風合いやボリューム感が得られにくい。
【0014】
本発明の紡績糸の太さは、20〜40番手の範囲を使用することがよい。
20番手より太い糸になると、伸びが抑制されて好ましくない。40番手より細い糸では、引張強度、引裂強度、風合い、ボリューム感に劣る傾向にある。
【0015】
本発明では、このような紡績糸を両面編み(リバーシブル編み:Double knitting)することが好ましい。両面編みとしては、例えば、モックロディ編みやスムース編みなどが挙げられる。なお、ここでいうモックロディ編みとは、両面機などを用いて2つのゴム編みを腹合わせ(裏合わせ)にした編み地(なお、スムース編みよりも糸が1本多い)で、両面とも表地に見える編み組織をさす。
両面編みすることで、片面編みに比べ、生布の両面がより平滑となり、ポリウレタン樹脂との馴染み性もよくなるので、合成皮革としたときに、風合いがペーパーライクになることを防止でき、ドレープ性(平地に広げ置いた際に、あるいは垂れ下がった状態時に自然にできるたるみやしなやかさ)やボリューム感のある製品に仕上がる。
なお、生布の平滑性が不十分だと、ポリウレタン樹脂との馴染み性が悪く、良品質の合成皮革が得られないばかりか、一見良品質の合成皮革が得られたとしても、該皮革を伸ばした際(例えば、椅子張りした後など)に、表皮層の表面平滑性が低下し、椅子仕上がり感(外観)が損なわれるうえ、表面の摩耗強度にも劣り、床面積144sq.ft.以上の航空機用内装材として使用し難くなる。
【0016】
本発明では、生布の目付量は、100〜400g/m2の範囲が好ましく、より好ましくは200〜300g/m2の範囲である(好ましい生布厚みとしては、0.7〜1.1mm程度である)。目付量が小さすぎると、生布自体の機械的強度が不足して、生布に表皮層を積層する際の作業性が低下したり、伸びバランス、風合い、ボリューム感が劣る傾向にある。また、目付量が大きすぎると、軽量化が図れない。
このような生布を用いることで、合成皮革全体としては、400g/m2以下とすることができるので、一般的な航空機シート用本皮(790〜1000g/m2)に比べて、飛躍的な軽量化が実現できる。
本発明では、このように編まれた生布に、難燃性を付与することもできる。難燃性を付与する方法としては、例えば1)生布の染色と同時に難燃剤を吸着させる浴中難燃方法や、2)生布を染色した後、難燃剤を希釈した水溶液にディッピングして難燃剤を付着させる方法や、3)生布に難燃剤含有塗料をコーティングする方法などが挙げられる。
【0017】
ポリウレタン樹脂からなる表皮層としては、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエステル/ポリエーテル系ポリウレタン、ラクトン系ポリウレタン等の公知の合成皮革用表皮のいずれもが使用可能である。中でも、ポリカーボネート系ポリウレタンは、耐久性や耐熱性において優れており、自動車や航空機などの椅子、ドア、仕切り等の表面材に用いられる合成皮革の表皮として好適に使用される。
さらに、表皮層としての物性を損ねない範囲であれば、このようなポリウレタン樹脂に、天然ゴム、クロロプレン、SBR、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、塩化ビニル等の高分子重合体を添加・併用してもよい。
【0018】
上記ポリウレタン樹脂には、必要に応じて、顔料、難燃剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、艶消し剤、発泡剤など、合成皮革のポリウレタン樹脂層に一般的に使用されている添加剤を使用することができる。
難燃剤としては、臭素系難燃剤、リン系難燃剤、ジチオカルバミン酸ナトリウム、アンチモンなどが挙げられ、このような難燃剤は、後述の接着層に配合してもよい。
【0019】
上記ポリウレタン樹脂の塗布量(すなわち、表皮層の厚さ)は、用途に応じて、適宜選択することができるが、多すぎると(厚すぎると)、得られる合成皮革の軽量化にとって好ましくなく、少なすぎれば(薄すぎれば)、質感や風合いが劣り、合成皮革としての物性面でも問題が生じやすいので、本発明では、ウェット厚みが100〜300g/m2程度で、乾燥後の厚みが20〜60μm程度とすることが好ましい。
【0020】
本発明の合成皮革の製造方法としては、特に限定されないが、一般には、離型紙などのシボ紋面に、上記した表皮層用のポリウレタン樹脂をドクターナイフコーター、コンマドクターコーター、その他通常の塗布手段で塗布し、加熱乾燥した後、接着層を介して、前述の生布上に固定(積層)し、次いで、離型紙などを剥離する方法が採用される。
【0021】
接着層としては、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエステル/ポリエーテル系ポリウレタン、ラクトン系ポリウレタン等の公知の2液型ウレタン樹脂系接着剤を用いることができる。中でも、ポリカーボネート系ポリウレタンは、メタ系アラミド繊維との馴染み性がよいので好適に使用され得る。
表皮層への塗布量は、乾燥後の厚みが40〜120μm程度(乾燥後の重量でおよそ5〜100g/m2程度)とすればよい。
なお、両面編みの生布を用いた場合には、生布の両面が平滑ゆえ、接着作業性に優れることも本発明の特徴の一つである。
【0022】
本発明の合成皮革では、表皮層の下側(生布側)に、発泡ポリウレタン層などを設けてもよく、耐摩耗性や取扱い性、質感などを考慮すると、発泡層の厚みは100〜300mm程度とすることが好ましい。
【0023】
また、本発明の合成皮革は、JIS K6772に準拠して測定された引裂強度が、15N以上を示すことが好ましい。
更に、本発明の合成皮革は、JIS K6772に準拠して測定された引張強度が、100N/3cm以上であることが好ましい。
引裂強度が15N未満であったり、引張強度が100N/3cm未満だと、シート製造時に破損する場合がある。
【実施例】
【0024】
実施例1
〔表皮層〕
先ず、1液タイプの無黄変ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(DIC(株)製 商品名“クリスボンNY335FT”:固形分20重量%)100重量部に対し、溶剤としてジメチルホルムアミドとメチルエチルケトンを20重量部ずつと、黒顔料(DIC(株)製 商品名“ダイラックL−1770”)20重量部とを、添加した後、混合撹拌し、離型紙(大日本印刷(株)製 商品名“DE−73”)の凹凸紋面に、乾燥後の厚みが30μmとなるように塗布した。その後、100℃のオーブンで2分間乾燥し、表皮層を得た。
【0025】
〔接着層〕
次いで、得られた表皮層上に、下記の接着剤を乾燥後の厚みが60μmとなるように塗布し、これを、100℃のオーブンで2分間乾燥した。
なお、接着剤としては、無黄変ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(DIC(株)製 商品名“クリスボンTA205FT”)100重量部に対し、溶剤としてジメチルホルムアミドとメチルエチルケトンを20重量部ずつと、架橋剤としてTDIのトリメチロールプロパン付加生成物(日本ポリウレタン工業(株)製 商品名“コロネートL”)12重量部、触媒としてアミン系(DIC(株)製 商品名“アクセルHM”)5重量部、臭素系難燃剤((株)鈴裕化学製 商品名“FCP−1590”)10重量部、それぞれ添加したものを混合撹拌して使用した。
【0026】
〔生布との貼り合せ〕
上記乾燥後の接着層上に、生布として、メタ系アラミド繊維からなる紡績糸(番手30)を、目付量が240g/m2(厚み:0.95mm)となるようにモックロディ編み(両面編み)した編みものを積層し、貼り合せた。
その後、50℃で48時間、合成樹脂の反応を進めた後、離型紙を剥離して、実施例1の合成皮革を得た。
【0027】
実施例2
生布として、メタ系アラミド繊維からなる紡績糸(番手30)を、目付量が300g/m2(厚み:0.95mm)となるようにモックロディ編み(両面編み)した編み物を使用した以外は、実施例1と同じ方法にて合成皮革を得た。
【0028】
実施例3
生布として、メタ系アラミド繊維からなる紡績糸(番手30)を、目付量が100g/m2(厚み:0.95mm)となるようにモックロディ編み(両面編み)した編み物を使用した以外は、実施例1と同じ方法にて合成皮革を得た。
【0029】
実施例4
生布として、メタ系アラミド繊維からなる紡績糸(番手30)を、目付量が240g/m2(厚み:0.95mm)となるように鹿の子編み(片面編み)した編み物を使用した以外は、実施例1と同じ方法にて合成皮革を得た。
【0031】
比較例1
生布として、ポリエステル繊維からなる紡績糸(番手30)を、目付量が240g/m2(厚み:0.95mm)となるようにモックロディ編み(両面編み)した編み物を使用した以外は、実施例1と同じ方法にて合成皮革を得た。
【0032】
比較例2
生布として、メタ系アラミド繊維からなる長繊維を紡糸したフィラメント・ヤーン(30デニール)を、目付量が240g/m2み:0.95mm)となるようにモックロディ編み(両面編み)した編み物を使用した以外は、実施例1と同じ方法にて合成皮革を得た。
【0033】
比較例3
生布として、メタ系アラミド繊維からなる紡績糸(番手30)を、目付量が240g/m2(厚み:0.95mm)となるように織った織り物を使用した以外は、実施例1と同じ方法にて合成皮革を得た。
【0034】
実施例1〜、比較例1〜3で得られた合成皮革の難燃性、伸びバランス、風合い、ボリューム感、面の平滑性について、下記の評価方法で評価した。結果を表1に示す。
表1中の数値は、目付量以外、重量部を表す。
【0035】
【表1】
【0036】
(1)難燃性(材料垂直燃焼試験):得られた各合成皮革を、幅10cm×長さ30cmサイズの試験片にカットした。各試験片を、垂直方向に上から吊下げ、試験片の下端の中心部にバーナーの火炎を60秒間当て、バーナーを移動することにより火炎を試験片から離した。離した後に試験片が炎を上げて燃焼し続ける時間(以下、「火炎時間」とする)と、下端から燃焼した長さ(以下、「燃焼長さ」とする)とを測定した。
火炎時間が15秒以下かつ燃焼長さが15.2cm(6inch)未満のものを「○」、火炎時間が15秒を超えるあるいは燃焼長さが15.2cm(6inch)以上のものを「×」とした。
【0037】
(2)伸びバランス:JIS K6722の規定に準じて測定した伸び率が、タテ方向において70〜100%、ヨコ方向において70〜130%の範囲内である場合を「○」、タテ・ヨコいずれかの方向において当該伸び率の範囲を外れた場合を「△」、タテ・ヨコ両方向において当該伸び率の範囲を外れた場合を「×」とした。
【0038】
(3)風合い:柔らかさがあり、かつ、しなやかでドレープ性があるものを「○」、柔らかさにやや劣るものを「△」、風合いがペーパーライクなものを「×」とした。
(4)ボリューム感:ボリューム感(親指と人指し指とで挟持して表皮層側と生布側から押した時の弾力感)があるものを「○」、ボリューム感(親指と人差し指とで挟時して表皮層側と生布側から押した時の弾力感)がないものを「△」とした。
(5)面の平滑性:上記伸びバランス測定時に、表皮層の表面に生布の凹凸が全く現れないものを「○」、表皮層の表面に生布の凹凸が現れてしまったものを「△」とした。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の合成皮革は、例えば、衣料、靴、鞄、家具、カーテン、敷物、自動車用内装材、航空機用内装材(壁、天井、間仕切り、シート)などに使用でき、特に、高度な難燃性が必要な航空機用の内装材として好適に使用できる。