(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような組合せ計量装置は、被計量物である物品の各トラフへの物品供給状態は、分散テーブル上の物品が旋回する方向の下流側に過多となり易い。このような状態では、分散テーブルの周縁部に沿って並ぶ複数のトラフに対し物品が均等に供給されず、計量精度を低下させるおそれがあった。
【0005】
本発明の課題は、分散テーブルから各トラフに対し均等に物品を供給することができる組合せ計量装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る組合せ計量装置は、分散テーブルと、物品供給装置と、壁部材と、供給トラフとを備える。分散テーブルは、平面視円形であって、物品を周方向に旋回させながら半径方向に排出していく。物品供給装置は、少なくとも分散テーブルの周縁部の上方に配置され、物品を排出する排出口が分散テーブル上に臨んでいる。壁部材は、円弧状であって、分散テーブルの周縁部のうち物品供給装置と上下に重なる第1周縁部に取り付けられ、第1周縁部からの物品の排出を阻止する。供給トラフは、分散テーブルの周縁部のうち第1周縁部を除く第2周縁部に沿って扇状に配列されている。物品供給装置の排出口は、分散テーブルの中心と第1周縁部とで形成される扇形領域上に臨み、かつ、排出口から排出される物品の排出方向が、分散テーブル上で旋回する物品の旋回方向に沿うように設定されている。
【0007】
分散テーブルを移動する物品には周方向の力と径方向の力とが作用するので、物品は分散テーブル上を旋回しながら供給トラフに向って移動する。したがって、物品を無作為に供給した場合、ほとんどの物品の到達位置は旋回方向下流域に位置する供給トラフに集中し、旋回方向上流域に位置する供給トラフに物品が供給されない状態が発生する。
【0008】
しかしながら、この組合せ計量装置では、物品供給装置の排出口が分散テーブルの中心と第1周縁部とで形成される扇形領域上に臨み、かつ、排出口から排出される物品の排出方向が分散テーブル上で旋回する物品の旋回方向に沿うように設定されているので、物品が旋回方向の上流側から下流側の供給トラフにかけて均等に供給されるようになる。
【0009】
なお、物品の排出方向が物品の旋回方向に沿うとは、物品の排出方向が旋回方向(又は旋回軌道)に沿う方向成分を含んでいるという意味である。
【0010】
本発明の第2観点に係る組合せ計量装置は、第1観点に係る組合せ計量装置であって、物品供給装置が、分散テーブルの上方に位置する物品搬送面を有している。物品搬送面は、その高さが排出方向に近づくほど低くなる傾斜面を含んでいる。
【0011】
物品の排出方向には旋回方向に沿う方向成分が含まれているので、排出方向に近づくとは旋回方向に近づくことを意味する。
【0012】
この組合せ計量装置では、物品搬送面が排出方向に近づくほど高さが低くなる傾斜面を含んでおり、傾斜面上の物品は自重によって低位へ向い、物品は搬送面における占有幅を旋回方向へ狭めながら排出口に到達する。つまり、物品は、旋回方向の方向成分をもって排出口に到達するので、分散テーブル上で旋回する物品の旋回方向に沿って排出されることになる。
【0013】
本発明の第3観点に係る組合せ計量装置は、第1観点又は第2観点に係る組合せ計量装置であって、物品供給装置が、物品を分散テーブルにおける物品の旋回方向とは反対方向に旋回させつつ分散テーブルに向けて移動させる。
【0014】
この組合せ計量装置では、物品供給装置が、物品を分散テーブル上の旋回方向とは逆方向に旋回させることによって、分散テーブル上へ供給される直前には既に分散テーブル上で旋回する物品の旋回方向に沿うようになる。
【0015】
本発明の第4観点に係る組合せ計量装置は、第1観点に係る組合せ計量装置であって、物品供給装置へ物品を振り分ける振分装置をさらに備えている。物品供給装置は物品搬送面を有している。振分装置は、物品搬送面のうち物品の搬送方向と交差する方向の片側に物品を仕向ける規制板を有する。
【0016】
例えば、少量の物品が排出口から供給される場合、物品は排出口の中央部よりも物品旋回方向側に寄った状態で排出される方が好ましい。なぜなら、下方で旋回している物品が排出口から落下してくる物品によって反旋回方向に押されて下流側のトラフに供給されるという事態を防止できるからである。
【0017】
この組合せ計量装置では、振分装置から物品供給装置に物品が移される当初から、規制板によって、排出口の中央部よりも物品旋回方向側に寄った状態にすることができる。
【0018】
本発明の第5観点に係る組合せ計量装置は、第1観点から第4観点のいずれか1つに係る組合せ計量装置であって、分散テーブルが円錐面を有している。排出方向に位置する分散テーブルの周縁部は、他の周縁部よりも広くなるように、分散テーブルの中心に対して円錐面の山頂部を偏心させている。
【0019】
この組合せ計量装置では、供給側では物品が多量に存在するので、分散テーブルの傾斜を緩やかにして供給トラフへの過多供給を防止し、供給側の反対側では物品が少量になるため、分散テーブルの傾斜をきつくして供給トラフへの過少供給を防止する。
【0020】
本発明の第6観点に係る組合せ計量装置は、第1観点から第5観点のいずれか1つに係る組合せ計量装置であって、排出口が分散テーブルの周縁部に沿う形状に形成されている。
【0021】
この組合せ計量装置では、物品供給装置の排出口が、分散テーブルの中心と第1周縁部とで形成される扇形領域上に臨み、排出口が分散テーブルの周縁部に沿う形状に形成されているので、排出口から排出される物品は、分散テーブル上で旋回する物品の旋回軌道に沿う一群の列となって落下するので、分散テーブル上で既に旋回している物品の軌道を乱すことなく合流し、物品の旋回移動を停滞させて物品を反旋回方向に押し出すという事態を防止することができる。それゆえ、配列された供給トラフ群の旋回方向下流端に位置する供給トラフに反旋回方向から物品が供給されることは防止され、さらに供給トラフ群の上流端に位置する供給トラフには確実に物品が供給される。
【0022】
本発明の第7観点に係る組合せ計量装置は、第1観点から第2観点のいずれか1つに係る組合せ計量装置であって、物品を排出口へ導く搬送路のうち分散テーブルと対峙する排出口形成面が、狙いの排出方向に向って切り欠かれている。
【0023】
この組合せ計量装置では、排出口に到達した物品は、切り欠かれた部分(以下「切り欠き」という)から落下するので、その落下によって後続の物品の流れが切り欠き側に集まるような流れになる。第1観点で説明した通り、狙いの排出方向は物品の旋回方向に沿う方向であるので、その方向に切り欠かれた[切り欠き]に集中する物品の流れには、必然的に旋回方向に沿う方向成分を含むことになる。その結果、物品は、分散テーブル上に落下する直前に、分散テーブル上で旋回する物品の旋回方向に沿うようになる。
【0024】
本発明の第8観点に係る組合せ計量装置は、第1観点から第7観点のいずれか1つに係る2台の組合せ計量装置が結合されている組合せ計量装置であって、物品供給装置が互いに背中合わせとなるように一体的に結合されている。
【0025】
この組合せ計量装置は、2台の独立した組合せ計量装置を個別に設置するよりも省スペース化が図れる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る組合せ計量装置では、物品供給装置の排出口が分散テーブルの中心と第1周縁部とで形成される扇形領域上に臨み、かつ、排出口から排出される物品の排出方向が分散テーブル上で旋回する物品の旋回方向に沿うように設定されているので、物品が旋回方向の上流側から下流側の供給トラフにかけて均等に供給されるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0029】
(1)組合せ計量装置1の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る組合せ計量装置1の平面図である。
図1において、組合せ計量装置1では、2つの装置を左右対称に配置し一体化したものであり、2台の独立した組合せ計量装置を個別に設置するよりも省スペース化が図れる。以下、
図1平面視右側の装置を対象に説明する。
【0030】
組合せ計量装置1は、右側本体の中央部に配置される分散テーブル2と、その分散テーブル2の周囲に配置される複数個のヘッドHと、分散テーブル2上に被計量物品(以下「物品M」とよぶ)を供給する物品供給部150と、物品供給部150に物品Mを振り分ける物品振分装置200とを備えている。
【0031】
本実施形態に係る組合せ計量装置1では、ヘッドH1〜H9が分散テーブル2の円周に沿って反時計方向に配置されている。ヘッドHが全円周に沿って並べられた場合、最大14個のヘッドHが配置可能であるが、供給能力からみて必ずしも14個のヘッドHが必要でない場合、余剰分のヘッドHは配置されない。本実施形態では、9個のヘッドHを配置しているが、必要に応じて配置数量を決定すればよい。
【0032】
図2は、ヘッドHの構成の模式図である。各ヘッドHは、トラフ3、プールホッパ4、計量ホッパ5、及びブースタホッパ6を有している。物品Mは、物品供給部150によって分散テーブル2の上方まで搬送され、分散テーブル2上に投下される。
【0033】
トラフ3は物品Mを、トラフ3の下流側に配置されたプールホッパ4に供給する。プールホッパ4には、ゲート41が設けられている。プールホッパ4は、トラフ3から供給された物品Mを一時的に収容する。
【0034】
ゲート41の下方には計量ホッパ5が配置されている。プールホッパ4から計量ホッパ5に投入された物品Mの重量はロードセル11によって検出される。計量ホッパ5には、ゲート51が設けられている。ゲート51の下方にはブースタホッパ6が配置されている。ブースタホッパ6には、ゲート61が設けられている。ゲート61の下方には集合排出シュート70が配置されている。各ブースタホッパ6の下端から排出口72までの距離は等しい。
【0035】
(2)詳細構成
(2−1)分散テーブル2
図3は、全てのヘッドH1〜H9を取り外した組合せ計量装置1の斜視図である。
図3において、分散テーブル2は、中央部が高く周縁部が低い円錐状の傾斜面を有する円錐部21と、円錐部21を取り囲むように形成された水平面を有する円板部22とを有している。
【0036】
円板部22の下面中央部は加振部26(
図2参照)と連結されている。加振部26は、間欠的に通電されることによって、円板部22に円周方向に沿った往復微振動を発生させる。この振動によって物品Mは一方向に旋回しながら径方向外側に移動することができる。
【0037】
円板部22の外周の一部分(以下「第1周縁部22a」とよぶ)に、壁部材23が取り付けられている。壁部材23の背面と円板部22の裏面とに対して共通の支持具(図示せず)が取り付けられることによって、壁部材23と円板部22とが互いに固定されている。壁部材23は、円板部22の外周円弧に沿うように成形されており、その端部23aは物品Mの引っ掛かりや、衝突による物品の損傷を回避すべく、外側に向けての曲げ加工がなされている。
【0038】
円板部22の第1周縁部22aに壁部材23が取り付けられることにより、第1周縁部22aは、分散テーブル2から物品Mが排出されない非排出領域として規定される。
図1に示すように、分散テーブル2の非排出領域は、ヘッドHが配置されていない領域に一致している。
【0039】
なお、本実施形態では、円錐部21を取り囲むように形成された水平面を有する円板部22を配した構成の分散テーブル2が採用されているが、これに限定されるものではなく、水平面を持たない円錐形の分散テーブルが採用されても良い。
【0040】
(2−2)トラフ3
図1及び
図2において、トラフ3は、分散テーブル2から供給される物品Mを受け取り、受け取った物品Mを振動によって移動させ、下流に配置されているプールホッパ4へと落下させる。トラフ3は、同一のヘッドに属するプールホッパ4に物品Mを供給する。9個のトラフ3は、分散テーブル2の第1周縁部22aを除く外周部分(以下「第2周縁部22b」とよぶ、
図3参照)に沿って等間隔で円弧状に配置される。各トラフ3は、電磁加振装置(図示せず)によって振動させられる。
【0041】
(2−3)プールホッパ4
プールホッパ4は、トラフ3から供給された物品Mを一時的に収容する。プールホッパ4は、投入口と排出口とを有する筒形状に形成されている。各プールホッパ4の排出口にはゲート41が設けられており、プールホッパ4の排出口はゲート41によって開閉される。ゲート41は、ステッピングモータ42によって開閉動作し、その動作は制御部8によって制御される。プールホッパ4は、ゲート41を開け、同一のヘッドHに属する計量ホッパ5に物品Mを供給する。
【0042】
(2−4)計量ホッパ5
計量ホッパ5は、ロードセル11を用いて、プールホッパ4から供給された物品Mの重量を計量する。計量ホッパ5は、プールホッパ4のゲート41の下方に配置される。
【0043】
計量ホッパ5は、投入口と排出口とを有している。計量ホッパ5の排出口にはゲート51が設けられており、計量ホッパ5の排出口はゲート51によって開閉される。ゲート51は、ステッピングモータ52によって開閉動作し、その動作は制御部8によって制御される。計量ホッパ5は、ゲート51が閉状態のとき物品Mを保持し、ゲート51が開状態のとき物品Mをブースタホッパ6へ供給する。
【0044】
(2−5)ブースタホッパ6
ブースタホッパ6は、計量ホッパ5のゲート51の下方に配置される。ブースタホッパ6は、投入口と排出口とを有している。ブースタホッパ6の排出口にはゲート61が設けられており、ブースタホッパ6の排出口はゲート61によって開閉される。ゲート61は、ステッピングモータ62によって開閉動作し、その動作は制御部8によって制御される。ブースタホッパ6は、ゲート61を閉状態で物品Mを保持し、ゲート61を開状態で物品Mを集合排出シュート70へ落下させる。
【0045】
(2−6)集合排出シュート70
集合排出シュート70は、ブースタホッパ6の下方に配置される。集合排出シュート70は、投入口71と、排出口72とを有する。集合排出シュート70は、ブースタホッパ6から落下した物品Mを集合させ、その後、下流に配置されている包装装置90に向けて集合させた物品Mを排出する。
【0046】
(2−7)物品供給部150
図3において、物品供給部150は、物品搬送路151と、物品搬送路151に物品搬送方向の振動を与える加振部160とを有している。物品搬送路151は、トラフ状に成形された板金部材であって、上流側端部は塞がれ、下流側端部は開いている。この下流側端部に物品Mの排出口152が形成されている。物品搬送路151は、壁部材23を跨ぐように配置され、排出口152が、分散テーブル2の中心と第1周縁部22aとで形成される扇形領域24上に位置している。さらに、物品搬送路151は分散テーブル2に向けて傾斜しており、この傾斜と物品搬送路151の往復微振動とによって物品Mが分散テーブル2の方向へ搬送される。
【0047】
排出口152の平面視形状は、物品搬送路151の下流側の端が円弧状に切り取られたような形状であり、その円弧は分散テーブル2の外周とほぼ同心である。それゆえ、排出口152から排出される物品Mの排出方向は、分散テーブル2上で旋回する物品Mの旋回軌道に沿うようになる。また、排出口152の外側には排出口152を囲むようにフランジ153が接合されている。フランジ153は、側面視において壁部材23の上端よりもさらに分散テーブル2に近づくように延びている。
【0048】
加振部160は、物品搬送路151の下面中央部と連結されている。加振部160は、間欠的に通電されることによって、物品Mの搬送方向に沿った往復微振動を発生させる。この振動によって物品Mは一方向に進行するようになる。
【0049】
(2−8)物品振分装置200
物品振分装置200は、物品供給部150に物品Mを振り分ける装置である。物品振分装置200は、ゲート210と駆動部220とを有している。ゲート210は、第1ゲート部材211と第2ゲート部材212とから成る。
【0050】
第1ゲート部材211は、水平面に対して所定角度で傾斜する傾斜面211aと、傾斜面211aの幅方向両端それぞれから鉛直方向に立ち上がる側面211bとで構成されている。側面211bの端のうち傾斜面211aの下端側の端は、傾斜面211aの下端から鉛直方向に切り立っている。
【0051】
図4は、物品振分装置200の側面図である。
図4において、傾斜面211aの下面側には、第1ゲート部材211を駆動部220の4本のシャフト221a,221b,222a,222bのうちの2本のシャフト221a,221bに取り付ける取付部材211cが固定されている。
【0052】
第2ゲート部材212は、第1ゲート部材211と全く同じ形状であり、水平面に対して所定角度で傾斜する傾斜面212aと、傾斜面212aの幅方向両端それぞれから鉛直方向に立ち上がる側面212bとで構成されている。側面212bの端のうち傾斜面212aの下端側の端は、傾斜面212aの下端から鉛直方向に切り立っている。傾斜面212aの下面側には、第2ゲート部材212を駆動部220の4本のシャフト221a,221b,222a,222bのうちの2本のシャフト222a、222bに取り付ける取付部材212cが固定されている。
【0053】
第1ゲート部材211と第2ゲート部材212とは、傾斜面211aの下端と傾斜面212aの下端とを突き合わされることによって、傾斜面211aと傾斜面212aとが側面視でV字状の物品収容部を成している。
【0054】
駆動部220は、シャフト221a及びシャフト221bが連結される第1回転板221cと、シャフト222a及びシャフト222bが連結される第2回転板222cと、第1回転板221cを回転駆動する第1モータ(図示せず)と、第2回転板222cを回転駆動する第2モータ(図示せず)とを有している。
【0055】
例えば、第1回転板221cを反時計方向に回転させることによって、第1ゲート部材211が回動し、塞き止められていた多量の物品Mが第1ゲート部材211の下方に位置する物品搬送路151に振分られる。
【0056】
他方、第2回転板222cを時計方向に回転させることによって、第2ゲート部材212が回動し、塞き止められていた多量の物品Mが第2ゲート部材212の下方に位置する物品搬送路151に振分られる。
【0057】
(2−9)制御部8
図5は、組合せ計量装置1の制御ブロック図である。
図5において、制御部8は、CPU81とメモリ82とを搭載しており、物品振分装置200の駆動部220、物品供給部150の加振部160、分散テーブル2の加振部26、ゲート41開閉用のステッピングモータ42、ゲート51開閉用のステッピングモータ52、ゲート61開閉用のステッピングモータ62、及び各計量ホッパ5に搭載されているロードセル11に接続されている。
【0058】
制御部8には、ロードセル11から計量信号P11が入力される。また、制御部8は、各ヘッドHのプールホッパ4のゲート41を開閉するための駆動信号P4、計量ホッパ5のゲート51を開閉するための駆動信号P5、及びブースタホッパ6のゲート61を開閉するための駆動信号P6を出力する。
【0059】
(3)組合せ計量装置1の概略動作
計量対象である物品Mは、物品振分装置200から物品供給部150の物品搬送路151に振り分けられた後、物品搬送路151を分散テーブル2に向って進行し、分散テーブル2の上方から、分散テーブル2の扇形領域24上に落下する。物品Mは、分散テーブル2によって旋回しながら、分散テーブル2の外周縁に向って排出され、各ヘッドH1〜H9のトラフ3の内端部に供給される。トラフ3は、分散テーブル2から供給された物品Mを振動によって内側から外側に向けて搬送する。トラフ3の外端部から排出された物品Mは、プールホッパ4に供給され、そこで一時的に貯留される。
【0060】
プールホッパ4から排出された物品Mは、計量ホッパ5に供給され、そこで一時的に貯留されるとともに、ロードセル11によってその重量が計量される。計量ホッパ5から排出された物品Mは、ブースタホッパ6に供給され、そこで一時的に貯留される。物品Mを貯留している全てのブースタホッパ6(及び計量ホッパ5)のうち、目標重量に一致又は最も近接する重量値を実現するホッパの組合せが演算によって求められ、選択された一又は複数のホッパから物品が排出される。ブースタホッパ6から排出された物品Mは、集合排出シュート70内に供給され、集合されて、集合排出シュート70の排出口72から包装装置90に向けて排出される。
【0061】
(4)分散テーブル2上の物品Mの動き
分散テーブル2が、円周方向の往復微振動と上下方向の往復微振動とが合成された上下方向螺旋状往復運動をすることにより、分散テーブル2の扇形領域24に供給された物品Mは分散テーブル2上を反時計回りに旋回しながら径方向に進行し、各ヘッドH1〜H9に到達する。なお、壁部材23が形成されている非排出領域においては、分散テーブル2上から物品Mは排出されない。
【0062】
(4−1)分散テーブル2に大量の物品Mが供給される場合
ここで言う大量の物品Mとは、物品搬送路151の搬送面が物品Mで満たされる程の量を意味している。大量の物品Mが排出口152から排出されると、物品Mはその量による勢いで扇形領域24全域を埋め尽くすように移動し、その後、反時計方向に旋回する。
【0063】
このとき、排出口152から排出される物品MのうちヘッドH9寄りに在る物品Mは、前方の物品M群に進行を妨げられて一部はヘッドH9のトラフ3へこぼれていく。但し、全てのヘッドに多量の物品Mが供給されるので、ヘッドH9のトラフ3だけが供給過多になることはなく、全てのヘッドに均等に供給される。
【0064】
(4−2)分散テーブル2に中量の物品Mが供給される場合
ここで言う中量の物品Mとは、物品搬送路151の搬送面が物品Mで満たされているものの、その嵩が大量時に比べて半分程度の量を意味している。中量の物品Mが排出口152から排出されると、大量時と同様に物品Mは量による勢いで扇形領域24全域を埋め尽くすように移動し、その後、反時計方向に旋回する。但し、排出された物品Mが前方の物品Mに進行を妨げられるほどの量ではないので、扇形領域24上に落ちた物品Mはすぐに反時計方向に旋回しながら径方向に進行し、各ヘッドH1〜H9に到達する。
【0065】
また、扇形領域24の頂点近くに落ちた物品MのうちヘッドH9に向って傾斜面を滑り落ちるものもあるが、その上流側のヘッドH8のトラフ3に入れずに旋回してきた物品Mに押されるので、ヘッドH9のトラフ3に入ることなく壁部材23に沿ってヘッドH1方向に進行する。よって、物品Mは、下流側のヘッドHにだけ供給過多になることなく、全てのヘッドに均等に供給される。
【0066】
(4−3)分散テーブル2に少量の物品Mが供給される場合
ここで言う少量の物品Mとは、物品搬送路151の搬送面が物品Mで満たされる程の量はなく、排出口152の一部に偏って排出される程度の量を意味している。少量の物品Mが排出口152から排出されると、ほぼ全ての物品Mが扇形領域24の円弧寄りに落下し、反時計方向に旋回しながら径方向に進行し、各ヘッドH1〜H9に到達する。
【0067】
また、旋回しながらヘッドH9に向かって分散テーブル2上を進行してきた物品Mのうち、ヘッドH9のトラフ3に供給されなかった余剰の物品Mは壁部材23に沿ってヘッドH1方向に進行する。
【0068】
前述の背景技術で引用した特許文献1(特開2009−257975号公報)には、物品の移動経路として、「物品投入領域から分散テーブル2の径方向に向かいつつ旋回に起因してカーブしながらヘッドH9のトラフ3に向かう物品供給経路P1と、旋回進行方向の上流側から分散テーブル2の円周方向に沿ってヘッドH9のトラフ3に向かう物品供給経路P2と、物品投入領域から分散テーブル2の径方向に向かいつつ旋回に起因してカーブしながらヘッドH1のトラフ3に向かう物品供給経路Q1、壁部材23に沿う領域から分散テーブル2の円周方向に沿ってヘッドH1のトラフ3に向かう物品供給経路Q2が存在する」旨が開示されているが、本実施形態では、特許文献1に開示されている物品供給経路P1に相当する経路は生じ難い。
【0069】
なぜなら、本実施形態では、物品供給部150の排出口152が、分散テーブル2の中心と第1周縁部22aとで形成される扇形領域24上に臨み、かつ、排出口152から排出される物品Mの排出方向が、分散テーブル2上で旋回する物品Mの旋回方向に沿うように設定されているので、扇形領域24上に落下した物品MにヘッドH9に向う機会を与えないからである。
【0070】
それゆえ、分散テーブル2上をヘッドH1からヘッドH9の方向に旋回しつつ径方向に進行する物品Mは、ヘッドH1からヘッドH9の各トラフ3に順次入り、いずれのヘッドHのトラフ3にも入れなかった物品Mは、扇形領域24に新たに供給された物品Mと合流して壁部材23に沿って進行する。
【0071】
とりわけ、少量の物品Mの場合は、排出口152から排出される物品Mが、分散テーブル2上で旋回する物品Mの旋回軌道に沿う一群の列となって落下するので、分散テーブル2上で既に旋回している物品Mの軌道を乱すことなく合流し、物品Mの旋回を停滞させて物品Mを反旋回方向に押し出すという事態を防止することができる。それゆえ、配列されたトラフ3群の旋回方向下流端に位置するトラフ3に反旋回方向から物品Mが供給されることは防止される。
【0072】
したがって、本実施形態に係る組合せ計量装置においては、「ヘッドH1のトラフ3に対して物品Mが供給過少となり、ヘッドH9のトラフ3に対して物品Mが供給過多となる」現象は防止される。
【0073】
(5)特徴
組合せ計量装置1では、排出口152から排出される物品Mの排出方向は、分散テーブル2上で旋回する物品Mの旋回方向に沿うように設定されている。それゆえ、分散テーブル2上をヘッドH1からヘッドH9の方向に旋回しつつ径方向に進行する物品Mは、ヘッドH1からヘッドH9の各トラフ3に順次入り、いずれのヘッドHのトラフ3にも入れなかった物品Mは、扇形領域24に新たに供給された物品Mと合流して壁部材23に沿って進行する。
【0074】
(6)変形例
(6−1)第1変形例
図6は、第1変形例に係る組合せ計量装置1の物品搬送路151の斜視図である。
図6において、物品搬送路151の搬送面はその幅方向中心CLよりも旋回方向CCW(反時計方向)に一定距離Dだけ離れた所が、最も深くなっている(以下「最深部VB」という)。
【0075】
物品搬送路151へ入った物品Mは、排出口152へ進みつつ、自重によって最深部VBへ向う。物品搬送路151上の物品Mは、搬送面における占有幅を旋回方向へ狭めながら排出口152に到達する。
【0076】
つまり、物品Mは、旋回方向の方向成分をもって排出口152に到達するので、分散テーブル2上で旋回する物品Mの旋回方向に沿って排出されることになる。
【0077】
(6−2)第2変形例
図7は、第2変形例に係る組合せ計量装置1の平面図である。
図7において、物品供給部150では、加振部(図示せず)が分散テーブル2の加振部26と同じものに置き換えられている。物品搬送路151上の物品Mは旋回しながら排出口152に進むが、物品搬送路151上の物品Mの旋回方向は、分散テーブル2上の物品Mの旋回方向と反対となるように設定されている。
【0078】
したがって、
図7の2つの白抜矢印で示すように、物品Mは、分散テーブル2上へ供給される直前には、既に分散テーブル2上で旋回する物品の旋回方向に沿うようになる。
【0079】
(6−3)第3変形例
図8は、第3変形例に係る組合せ計量装置1の平面図である。また、
図9は、ゲート210の斜視図である。
図8及び
図9において、ゲート210の傾斜面211a,212a上に規制板215が取り付けられている。
【0080】
規制板215は、物品Mの搬送方向と交差する方向の片側に物品を仕向けるように傾斜している。つまり、規制板215は、幅方向に対して傾斜している。
【0081】
例えば、少量の物品Mが排出口152から供給される場合、物品Mは排出口152の中央部よりも物品旋回方向側に寄った状態で排出される方が好ましい。なぜなら、下方で旋回している物品Mが排出口152から落下してくる物品によって反旋回方向に押されて下流側のトラフ3に供給されることを防止できるからである。
【0082】
この第3変形例に係る組合せ計量装置1では、物品Mが物品振分装置200から物品供給部150に移される当初から、規制板215によって物品Mを排出口152の中央部よりも物品旋回方向側に寄った状態にすることができる。
【0083】
(6−4)第4変形例
図10は、第4変形例に係る組合せ計量装置1の平面図である。
図10において、排出口152には切り欠き152aが設けられている。切り欠き152aは、物品搬送路151のうち分散テーブル2と対峙する排出口152の形成面を、幅方向中心から物品Mの旋回方向側に向って切り欠くことによって形成される。
【0084】
物品搬送路151の排出口152に到達した物品Mは、切り欠き152aから落下するので、その落下によって後続の物品Mの流れが切り欠き152a側に集まるような流れに成るため、物品Mの排出方向は、旋回方向の方向成分を含むようになる。その結果、物品Mは、分散テーブル2上に落下する直前に、分散テーブル2上で旋回する物品Mの旋回方向に沿うようになる。
【0085】
(6−5)第5変形例
図11は、第5変形例に係る組合せ計量装置1の平面図である。
図11において、円錐部21は、その中心が円板部22の中心Sに対して下流領域のヘッドH寄りに偏心して、円板部22上に取り付けられている。
【0086】
これにより、分散テーブル2の上流領域(ヘッドH1〜H3近傍)には、円板部22の周縁と円錐部21の周縁との間隔が広い領域(以下「幅広領域」とよぶ)が生じ、分散テーブル2の下流領域(ヘッドH7〜H9近傍)には、円板部22の周縁と円錐部21の周縁との間隔が狭い領域(以下「幅狭領域」とよぶ)が生じる。
【0087】
幅広領域を物品進行方向の上流とし、幅狭領域を下流とすることにより、円板部22の周縁からの物品の排出を、上流領域においては過多を抑制し、下流領域においては過少を抑制することができる。
【0088】
つまり、分散テーブル2から各ヘッドHへの物品の供給量が上流領域のヘッドHにおいて過少となり下流領域のヘッドHにおいて過多となるという事態を回避でき、分散テーブル2から各ヘッドHへの物品の供給量を均一にすることが可能となる。