【実施例1】
【0018】
[画像形成装置の構成]
図1は、パネルユニットを有する画像形成装置を示すブロック図である。
【0019】
図1の画像形成装置1は、例えばデジタル複合機等であり、用紙上に印刷を行うプリント機能等の各種の機能を備えている。本実施例の画像形成装置1は、それらの機能に応じた構成の他に、表示操作装置としてのパネルユニット3を備えている。なお、
図1では、各種機能に応じた構成は省略している。
【0020】
パネルユニット3は、表示操作画面5及びパネル制御部7等を備えている。
【0021】
表示操作画面5は、タッチパネル式の液晶表示画面等からなり、画像形成装置1に対する印刷設定の入力操作及びその入力結果の表示等を行わせるものである。入力操作は、ユーザーの指や専用のペン等によって行うことが可能である。ただし、以下においては、ユーザーの指によることを前提に説明する。
【0022】
図2は、パネルユニットの外観構造を示す斜視図である。表示操作画面5は、パネルユニット3のハウジング部31に対して、テンキー等の各種操作キー32と共に設けられている。この表示操作画面5は、ハウジング部31に設けられた開口33から表面上に臨んでいる。ハウジング部31の開口33に対する縁部は、表示操作画面5の枠部34を構成しており、枠部34は、表示操作画面5に向けて傾斜した傾斜部となっている。
【0023】
図1のパネル制御部7は、プロセッサー及びその動作プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)等からなる。パネル制御部7は、表示操作プログラムを実行することにより、表示操作画面5上での入力操作及びその入力結果の表示を制御する。具体的には、パネル制御部7がイメージ表示部71、設定操作受付部72、設定確定部73、設定処理部74として機能する。
【0024】
イメージ表示部71は、イメージ表示機能を実現し、文書に対する印刷設定の項目毎の設定内容を示す項目イメージを表示操作画面5上に表示する。印刷設定の項目は、例えば給紙元、排紙先、後処理の設定などがあり、項目イメージは、それらの項目の少なくとも一つを示すものが表示される。
【0025】
また、本実施例のイメージ表示部71は、後述する項目設定領域内の領域用イメージとして画像形成装置1の装置イメージを表示する。なお、領域用イメージとしては、画像形成装置1の形態を模した装置イメージに限らず、例えば矩形形状等のように任意の形状を採用することが可能である。
【0026】
図3は、表示操作画面5上に表示される印刷設定画面の一例を示している。本実施例では、印刷設定画面5Aとして、表示操作画面5上に項目イメージ51,52,53,及び54並びに装置イメージ55が表示されている。
【0027】
項目イメージ51〜54は、表示操作画面5の上下左右の外縁側にそれぞれ配置されている。本実施例においては、項目イメージ51〜54が表示操作画面5の外縁に接するように沿って配置されている。
【0028】
これら項目イメージ51〜54は、印刷設定の項目である後処理や給排紙設定に対して複数の設定内容を示すものとなっている。
【0029】
本実施例の項目イメージ51としては、後処理用の項目であるパンチに対して2穴及び3穴の設定内容を示す項目イメージ51A,51B、並びに後処理用の項目であるステープルに対して左上、左下、及び2点の設定内容を示す項目イメージ51C〜Eを有している。
【0030】
項目イメージ52としては、後処理用の項目且つ設定内容である中折り、中綴じ、両面を示す項目イメージ52A〜Cを有している。
【0031】
項目イメージ53は、給排紙設定の項目である給紙元のカセットに対して選択可能なカセットを設定内容として示す項目イメージ53A〜Eを有している。なお、項目イメージ53の「MP tray」は、手差しトレーを意味し、「Cass 1」等は、画像形成装置1に備えられて選択可能な複数のカセットを示している。
【0032】
項目イメージ54は、給排紙設定の項目である排紙先のトレーに対して選択可能なトレーA〜Cを設定内容として示す項目イメージ54A〜Cを有している。
【0033】
なお、項目イメージは、上述のものに限られるものではなく、画像形成装置1の構成や仕様に応じて任意に設定可能である。
【0034】
これら項目イメージ51〜54で囲まれるように、装置イメージが表示操作画面5の中央部に位置している。
【0035】
図1において、設定操作受付部72は、設定操作受付機能を実現し、
図3の表示操作画面5上で項目イメージ51〜54を項目設定領域内へ投入する設定操作を受け付ける。本実施例の項目設定領域は、装置イメージ55と重ねて設定されている。ただし、項目設定領域は、装置イメージ55よりも大きい領域とすることも可能である。
【0036】
設定処理部74は、設定処理機能を実現し、
図3の表示操作画面5上で上述の設定操作がなされた項目イメージに対応する項目の設定内容に基づく設定を行う。この設定は、項目イメージ51〜54に対応する項目及び設定内容を対応付けておくことで実現できる。こうして本実施例では、給紙元、排出先、後処理等の印刷設定がなされる。
【0037】
設定反映部73は、設定反映機能を実現し、設定が行われた項目の設定内容を表示操作画面5上に反映する。本実施例では、項目イメージを設定操作前よりも薄い色で表示し、対応する項目の設定内容が設定されていることを識別可能にする。
[表示操作処理]
図4は、画像形成装置の表示操作処理を示すフローチャートである。
【0038】
本実施例の表示操作処理としては、例えばコピー時やボックス印刷時等に給紙元、排出先、後処理設定を含む印刷設定を行う。なお、ボックス印刷は、画像形成装置1内の文書ボックスに記憶された画像データ(ボックス文書)による印刷を行う処理である。
【0039】
ステップS1では、「設定画面の表示」が行われる。この処理では、イメージ表示部71が、
図3のように印刷設定画面5Aを表示操作画面5上に表示する。すなわち、操作表示画面5の中央部に装置イメージ55を配し、装置イメージ55を取り囲むようにして表示画面5の上左右の外縁に沿って項目イメージ51〜54を配置する。
【0040】
こうしてステップS1が完了するとステップS2へ移行する。
【0041】
ステップS2では、「項目イメージの投入あり?」の処理が行われる。この処理では、設定操作受付部72が、印刷設定画面5A上の項目イメージ51〜54に対するユーザの指による設定操作を受け付ける。ここで受け付ける設定操作は、項目イメージ51〜54のいずれかの装置イメージ55内への投入操作である。
【0042】
なお、投入操作は、少なくとも項目イメージ51〜54のいずれかと装置イメージ55とを結ぶ軌跡を表示操作画面5上で指により描くことを意味する。より詳しくは、表示操作画面5上で項目イメージ51〜54のいずれかを指で選択した(触れた)後、表示操作画面5上で装置イメージ55まで指をずらして選択を解除する(離す)ことである。
【0043】
項目イメージ51〜54のいずれかに対する設定操作を受け付けた場合は、ステップS3に移行し(YES)、その設定操作を受け付けない限りは、ステップS2の処理を繰り返す(NO)。
【0044】
図5は、
図3の印刷設定画面上での設定操作を示す概念図である。
【0045】
図5の例では、給紙元である「Cass 2」の項目イメージ53C、排紙先である「Tray C」の項目イメージ54C、及び後処理のステープルを設定するための「左上 staple」の項目イメージ51Cに対して設定操作が受け付けられる。
【0046】
ステップS3では、「印刷設定」が行われる。この処理では、設定処理部74が、設定操作がなされた項目イメージに対応する項目の設定内容に基づく設定を行う。
図5の例では、項目イメージ53C,54C,及び51Cに対応する給紙元カセット2、排紙トレーC、及び用紙の左上へのステープルが設定される。
【0047】
こうしてステップS3が完了してステップS4に移行する。
【0048】
ステップS4では、「設定の反映」が行われる。この処理では、設定反映部73が、ステップS3で設定された給紙元や排出先の設定、或いは後処理設定などの設定を印刷設定画面5A上に反映する。
【0049】
この反映は、上述のように、印刷設定画面5A上で項目イメージを設定操作前よりも薄い色で表示し、対応する項目の設定内容が設定されていることを識別可能にする。
図5の例では、例えば項目イメージ54C、53C、及び51Cが設定操作前よりも薄い色で表示される。
【0050】
こうして設定の反映が完了すると、ステップS5に移行する。
【0051】
ステップS5では、「設定確定?」の処理が行われる。この処理では、設定処理部74が、設定完了のトリガー操作が行われたか否かを判断する。
【0052】
トリガー操作が行われていない場合は、ステップS5の処理を繰り返し(NO)、トリガー操作が行われた場合は、ステップS6に移行する(YES)。
【0053】
ステップS6では、「設定完了処理」が行われる。この処理では、設定処理部74がステップS5でトリガー操作が行われるまでに設定された印刷設定の設定内容を確定させ、上記一連の表示操作処理を終了する。
【0054】
このように表示操作処理によれば、印刷設定画面5A上で項目イメージ51〜54を装置イメージ55に投入するように設定操作を直観的に行うことで、給紙元、排出先、或いは後処理の設定を行うことができる。
[設定操作]
図6は、
図3の印刷設定画面5上での設定操作時の指の動きを示し、(A)は、本実施例に係る拡大概略断面図、(B)は、比較例に係る拡大概略断面図である。なお、
図6では、項目イメージ54Cに対する設定操作を例にしている。
【0055】
本実施例の設定操作を行う際は、
図2のパネルユニット3において、
図6(A)のようにユーザーが指Fを表示操作画面5の周囲に位置するハウジング部31の枠部34上に置く。このとき、表示操作画面5上の設定操作の対象となる項目イメージ51〜54のいずれか(
図6(A)の例では項目イメージ54C)に凡そ対応させるようにする。この対応付けは、項目イメージ51〜54が表示操作画面5の外縁側に配置されているので、容易に行わせることができる。
【0056】
この状態で、矢印Aのように枠部34の傾斜に応じて指Fを表示操作画面5側にスライドさせて、対応させた項目イメージ51〜54のいずれか(
図6(A)の例では項目イメージ54C)に触れる。そして、表示操作画面5上で装置イメージ55まで指をスライドさせて設定操作が行われることになる。
【0057】
このように、設定操作の際は、予めハウジング部31の枠部34上に指を置くことで、表示操作画面5の外縁側に位置する設定操作の対象となる項目イメージ51〜54のいずれかに凡そ対応させることができ、その状態で指Fを表示操作画面5側に安定的にスライドさせて対象となる項目イメージ51〜54のいずれかに確実に触れることが可能となる。
【0058】
これに対し、
図6(B)のように表示操作画面5上で項目イメージ51〜54を直接狙って触れる場合、指の動きが不安定であるから、項目イメージ51〜54の大きさ等によっては対象となるもの(
図6(A)の例では項目イメージ54C)に触れることが困難になるおそれがある。
[実施例1の効果]
本実施例は、文書に対する印刷設定の項目毎の設定内容を示す項目イメージ51〜54を表示操作画面5上に表示するイメージ表示部71と、表示操作画面5上で項目イメージ51、52、53及び54を所定の項目設定領域内へ投入する設定操作を受け付ける設定操作受付部72と、設定操作がなされた項目イメージ51〜54に対応する項目の設定内容に基づく設定を行う設定処理部74とを備える。
【0059】
従って、本実施例では、各項目イメージを項目設定領域内に投入する設定操作を行うだけで、回数が少なくかつ直感的な操作によって、印刷設定を容易に行うことできる。
【0060】
また、本実施例イメージ表示部71は、項目設定領域内に領域用イメージとしての画像形成装置1の装置イメージ55を表示する。
【0061】
従って、本実施例では、装置イメージ55を確認しながら容易且つ確実に項目イメージを項目設定領域内に投入する操作を行わせることができる。
【0062】
また、本実施例では、表示操作画面5が枠部34の内周に設けられ、枠部34が表示操作画面5に向かって傾斜する傾斜部を有し、イメージ処理部71が項目イメージ51〜54を表示操作画面5の外縁側に表示する。
【0063】
また、本実施例では、操作表示画面5は、周辺部との間に段差を有し、イメージ表示部71は、項目イメージを操作表示画面5の上下左右のエッジ部に表示する。
【0064】
従って、設定操作の際は、予め枠部34上に指を置くことで、表示操作画面5の外縁側に位置する設定操作の対象となる項目イメージ51〜54のいずれかに凡そ対応させることができ、その状態で指Fを表示操作画面5側に安定的にスライドさせて対象となる項目イメージ51〜54のいずれかに確実に触れることが可能となる。
[変形例]
図7は、本実施例の変形例に係り、印刷設定画面の表示画面例である。
【0065】
本変形例では、項目イメージ51〜54をドラッグアンドドロップによる設定操作で装置イメージ55の画像領域内に移動させて投入できるようにした。
図7の例では、項目イメージ53C,54C,及び51Cをドラッグアンドドロップして装置イメージ55の画像領域内に投入する設定性操作を行っている。
【0066】
かかる変形例では、装置イメージ55に投入されている項目イメージから設定内容を直観的且つ容易に把握できる。