(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5993910
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】3次元積層配線基板、電子機器、情報処理システム、及び、情報通信システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20160901BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20160901BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
H01L21/02 A
H05K3/46 Z
H05K3/46 N
H05K1/02 R
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-176935(P2014-176935)
(22)【出願日】2014年9月1日
(65)【公開番号】特開2016-51843(P2016-51843A)
(43)【公開日】2016年4月11日
【審査請求日】2015年8月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504034585
【氏名又は名称】有限会社 ナプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100134533
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 夏香
(74)【代理人】
【識別番号】100081606
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 美次郎
(72)【発明者】
【氏名】関根 重信
(72)【発明者】
【氏名】池田 博明
【審査官】
井上 弘亘
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−072087(JP,A)
【文献】
特開2012−209311(JP,A)
【文献】
特開2014−063725(JP,A)
【文献】
特開2008−066545(JP,A)
【文献】
特開2009−252963(JP,A)
【文献】
特開2012−212914(JP,A)
【文献】
特開平04−077715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H05K 3/46
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、配線と、認証パターンとを含む3次元積層配線基板であって、
前記配線は、前記基板に電気絶縁して設けられており、
前記認証パターンは、前記基板に設けられ、前記配線及び前記基板から識別できる材質、形状、配置、構造又は寸法を有し、
前記配線は、電気絶縁部によって支持され前記基板の厚み方向に延びる導体を含み、
前記認証パターンは、前記配線の前記導体と同一の材質であって、電気絶縁部によって支持され前記基板の厚み方向に延びる導体を含み、
前記認証パターンの前記電気絶縁部は、絶縁性微粒子を骨材とし、その周りをSi微粒子と有機Si化合物との反応に由来するSi-O結合によって埋めた絶縁物構造でなる、
3次元積層配線基板。
【請求項2】
3次元積層配線基板を有する電子機器であって、前記3次元積層配線基板は、請求項1に記載された3次元積層配線基板を含む、電子機器。
【請求項3】
電子機器を含む情報処理システムであって、前記電子機器は、請求項2に記載された電子機器を含む、情報処理システム。
【請求項4】
電子機器を含む情報通信システムであって、前記電子機器は、請求項2に記載された電子機器を含む、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元積層配線基板、電子機器、情報処理システム、及び、情報通信システムに係る。
【背景技術】
【0002】
各種スケールの集積回路、各種半導体素子もしくはそのチップ等の電子デバイスにおいて、3次元回路配置を実現する手法として、回路基板に多数の貫通電極を設けるTSV(Through-Silicon-Via)技術を適用し、この回路基板の複数枚を積層した3次元積層配線基板が提案されている。TSV技術を用いた3次元積層配線基板についての先行技術文献としては、例えば、非特許文献1が知られている。
【0003】
ところで、技術のグローバル化によって、3次元積層配線基板の製造プロセスがすべて信用できるとは限らない状況が生じている。製造プロセスにおいて、いわゆる「トロイの木馬」あるいは「バックドア」等の悪意のある回路が組み込まれる危険性がある。「トロイの木馬」とは、システムの誤動作を惹起させたり、或いは情報を持ち出す等を目的として、例えば、半導体チップ内のハードウェアを改変して不正な回路を組み込むことを指す。「バックドア」とは、例えば、コンピュータの機能を無許可で利用するために、コンピュータ内に密かに通信接続の機能を設けることを指す。
【0004】
「トロイの木馬」あるいは「バックドア」等の悪意のある回路が組み込まれる危険性を排除するためには、回路基板のそれぞれが、正当に製造され、実装されたものであることを、外部から確認できなければならない。
【0005】
そのような確認手段として、3次元積層構造を構成する各層のデバイスに、偽装不可能なID情報を組み込む技術(PUF Physical Unclonable Function)が活用されている。
【0006】
しかし、PUF技術を3次元積層構造に適用するには、情報読取系の外部接続が必要になる等、設計上の制約が多くなる等の難点を避けることができない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】3次元LSI実装のためのTSV技術の研究開発動向(科学技術動向 2010年4月号)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、LSIチップ等における誤作動及び情報漏洩等を防止する機能を有する電子回路システムの構築に極めて有用な先端技術を提供することである。
【0009】
本発明の課題は、より具体的には、誤作動及び情報漏洩等の防止機能を有する電子機器構造の実現に寄与する3次元積層配線基板、電子機器、情報処理システム、及び、情報通信システムを提供することである。
【0010】
本発明のもう一つの課題は、正当に製造され実装された真正品であることを、簡単、かつ、確実に確認し得る3次元積層配線基板、電子機器、情報処理システム、及び、情報通信システムを提供することである。
【0011】
本発明の更にもう一つの課題は、正当に製造され実装されたものでないこと、すなわち、真正品ではなく、偽造品であることを、簡単、かつ、確実に確認し得る3次元積層配線基板、電子機器、情報処理システム、及び、情報通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するため、本発明に係る3次元積層配線基板は、基板と、配線と、認証パターンとを含む。前記配線は、前記基板に電気絶縁して設けられており、前記認証パターンは、前記基板に設けられ、前記配線及び前記基板から識別できる材質、形状、配置、構造又は寸法を有する。
【0013】
上述したように、本発明に係る3次元積層配線基板は、基板と、配線とを含み、配線は、基板に電気絶縁して設けられているから、TSV技術を適用し、3次元積層構造の実現に寄与することができる。
【0014】
更に、本発明に係る3次元積層配線基板は、認証パターンを含む。この認証パターンは、前記基板に設けられ、前記配線及び前記基板から識別できる材質、形状、配置、構造又は寸法を有する。このような認証パターンは、外部観察によって、基板、配線、及び、絶縁部から区別して、確認することができる。よって、正当に製造され、実装された3次元積層配線基板であること、すなわち、真正の3次元積層配線基板であることを、外部観察によって、簡単、かつ、確実に確認し得る。
【0015】
これは、正当に、製造もしくは実装されたものでないこと、すなわち、真正品ではなく、偽造品であることをも、簡単、かつ、確実に確認し得ることを意味する。認証パターンは、例えば、X線CT装置等を用いることにより、複数枚の配線基板を積層した3次元積層配線基板の状態で確認することができる。
【0016】
本発明に係る3次元積層配線基板は、携帯によっては、そのまま電子機器として用いられ、もしくは、各種電子機器に組み込まれる。これらの電子機器は、情報処理システムや情報通信システム等の構成機器として用いられる。
【0017】
以上を要するに、本発明によれば、LSIチップ等における誤作動及び情報漏洩等を防止する機能を有する電子回路システムの構築に極めて有用な先端技術を提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
上述したように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)3次元積層構造の実現に寄与する3次元積層配線基板、電子機器、情報処理システム、及び、情報通信システムを提供することができる。
(b)LSIチップ等における誤作動及び情報漏洩等を防止する機能を有する電子回路システムの構築に極めて有用な先端技術を提供ことができる。
(c)誤作動及び情報漏洩等の防止機能を有する電子機器構造の実現に寄与する3次元積層配線基板、電子機器、情報処理システム、及び、情報通信システムを提供することができる。
(d)正当に製造され実装された真正品であることを、簡単、かつ、確実に確認し得る3次元積層配線基板、電子機器、情報処理システム、及び、情報通信システムを提供することができる。
(e)正当に製造され実装されたものでないこと、すなわち、真正品ではなく、偽造品であることを、簡単、かつ、確実に確認し得る3次元積層配線基板、電子機器、情報処理システム、及び、情報通信システムを提供することができる。
【0019】
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。但し、添付図面は、単なる例示に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る3次元積層配線基板に用いられる配線基板の一部を示す斜視図である。
【
図2】本発明に係る3次元積層配線基板に用いられる認証パターンの一例を拡大して示す斜視図である。
【
図3】本発明に係る3次元積層配線基板に用いられる配線の一例を拡大して示す斜視図である。
【
図4】本発明に係る3次元積層配線基板に用いられる配線の一例を拡大して示す断面図である。
【
図5】本発明に係る3次元積層配線基板に用いられる認証パターンの別の形態を示す図である。
【
図6】本発明に係る3次元積層配線基板に用いられる配線基板の別の実施形態の一部を示す斜視図である。
【
図7】
図1〜
図6に示した配線基板について、X線CT装置による認証パターン確認を説明する斜視図である。
【
図8】本発明に係る3次元積層配線基板を示す斜視図である。
【
図9】
図8の3次元積層配線基板又は電子機器の正面図である。
【
図10】
図8〜
図9に示した3次元積層配線基板について、X線CT装置による認証パターン確認を説明する斜視図である。
【
図11】本発明に係る情報処理システム及び情報通信システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
1.配線基板
図1〜
図4を参照すると、本発明に係る3次元積層配線基板に用いられる配線基板の一部が示されている。図示された配線基板は、基板1と、配線311〜326による配線パターンP11〜Pnmと、認証パターンQとを含む。
【0022】
基板1は、厚みT1が例えば50μm以下のSi基板又はSiC基板等でなる半導体基板であり、厚みT11の基板層101と、厚みT12の半導体形成層102とを有する。半導体形成層102は、
図3にも図示するように、内部に半導体回路部371、372を有している。半導体回路部371、372の少なくとも一部は、基板1の一面111とは反対側の他面112に設けられた電極381、382に接続される。電極381、382には、必要により、バンプ361、362が形成される。
【0023】
配線パターンP11〜Pnmのそれぞれは、絶縁部51とともに、絶縁部51の面内に狭ピッチd1、d2で配置された複数n=16の配線311〜326を有する。数nは、任意数である。
【0024】
絶縁部51は、基板1の一面111に形成された微細空間121に充填されている。この絶縁部51は、好ましくは、絶縁性微粒子と、Si微粒子と、液状の有機Si化合物とを含む絶縁ペーストを、基板1の厚み方向に形成された溝又は孔等(微細空間と称することがある)121の内部に充填し、硬化させて形成したものである。絶縁ペーストを、微細空間121の内部に充填し、熱処理すると、Si微粒子と有機Si化合物との反応によりSi-O結合が形成され、絶縁性微粒子を骨材とし、その周りをSi-O結合によって埋めた絶縁物構造が得られる。絶縁性微粒子及びSi微粒子は、ナノメータ サイズ(1μm以下)の粒径を有する。もっとも、絶縁性微粒子及びSi微粒子は、その粒径が均一である必要はなく、上述したナノメータ サイズの領域内で、異なる粒径のものを含むことができる。
【0025】
配線311〜326は、基板1の厚みT1の方向に沿って延びていて、一端が、基板1の一面111の側において、絶縁層51の表面に露出し、露出する端面にバンプ351、352が接合されている。配線311〜326は、他端が、基板1の底面112に露出する貫通導体であってもよいし、基板1の内部に留まっている非貫通導体であってもよい。図には現れていないが、基板1の表面又は内部に、横配線が設けられることもある。
【0026】
配線311〜326は、この実施の形態では、平面4角形状であるが、他の多角形状又は円形状であってもよい。また、4行4列のマトリクス状に配列されているが、行列数は任意でよい。配線311〜326は、メッキ法、溶融金属充填法又は導電ペースト充填法など、公知技術の適用によって形成することができる。配線311〜326のディメンションは、一例として例示すると、配置ピッチd1、d2が4〜100μmの範囲、径が0.5〜25μmの範囲である。もっとも、配置ピッチは、一定寸法である必要はないし、径も上述した値に限定されるものではない。
【0027】
図示の配線基板では、絶縁部51は、基板1の厚み方向に形成された溝又は孔等の微細空間121の内部に充填された絶縁物でなるから、絶縁部51はSi基板等でなる基板1と一体化される。
【0028】
複数の配線311〜326は、Si基板等でなる半導体基板と一体化された絶縁部51の面内に狭ピッチd1、d2で配置され、かつ、厚み方向に延びる溝又は孔等の微細空間の内部に充填されている。従って、複数の配線311〜326のそれぞれは、一つの絶縁部51によって、共通に支持され、相互に電気絶縁されるとともに、基板1からも電気絶縁される。この電気絶縁物構造は、複数の配線311〜326を個別的に電気絶縁して基板1に配置する場合と比較して、3次元配線間のピッチd1、d2を、例えば、4μm以下というように、著しく縮小することができる。よって、狭ピッチTSV配置、構造を持つ3次元配線基板を実現することができる。
【0029】
配線311〜326は、Ag、Cu、Au、Pt、Ti、Zn、Al、Fe、B、Si及びNiの群から選択された少なくとも1種と、Sn、In、Bi、Gaの群から選択された少なくとも1種を含むことができる。第1群は、高融点金属材料であり、第2群は低融点金属材料である。
【0030】
配線311〜326の個数、形状、及び、配置等は、合理的な信号伝送経路の画定、信号伝送路として要求される電気的特性の充足等の種々の観点から選択される設計的事項である。
【0031】
次に、認証パターンQは、基板1に設けられ、配線311〜326、絶縁部51、52及び基板1から識別できる材質、形状、配置、構造又は寸法を有する。実施の形態に示す認証パターンQは、金属又は合金材料からなり、材質的には基板1と異なる。具体的には、配線311〜326と同じ材料を用いることができる。もっとも、認証パターンQは、配線311〜326及び基板1から識別できればよいので、必ずしも、金属又は合金の材料である必要はない。セラミック材料、セラミック材料と有機材料とを混合した複合材、又は、それらと金属もしくは合金材料との複合材であってもよい。
【0032】
実施の形態に示す認証パターンQは、基板1の一面111に設けられた微細空間122に充填された絶縁部52の内部に形成されている。この絶縁部52は、配線パターンP11〜Pnmの絶縁部51と同じ材料によって構成することができるし、異なる材料によって構成することもできる。
【0033】
認証パターンQは、絶縁部52の内部に、第1パターン要素331〜第5パターン要素335を形成した構造になっている。第1パターン要素331〜第5パターン要素335は、形状、配置、構造及び寸法の点で、配線311〜326とは異なる。配線311〜326は、その全てが、ほぼ同じ平面4角形状であるが、認証パターンQは、これとは異なって、第1パターン要素331が平面L形状、第2パターン要素332が平面4角形状、第3パターン要素333が平面クランク形状、第4パターン要素334が平面4角形状、第5パターン要素335が平面長方形状である。第1パターン要素331〜第5パターン要素335の配置間隔(ピッチ)は、例えば、数μm以下であることが好ましい。
【0034】
第1パターン要素331〜第5パターン要素335の形状、配置、構造又は寸法等は、配線311〜326から識別できることを前提に、任意に設定変更することができる。例えば、クランク状、十字状、T状、折れ線状又はそれらの組合せ等、様々な形状、配置、構造を採ることができる。
【0035】
ほんの一例であるが、
図5には、
図4との対比において、長い平面形状を持つ3つの第1パターン要素331〜333によって構成された認証パターンQが示されている。
【0036】
更に、認証パターンQは、一つの配線基板において、複数設けることもできる。例えば、
図6に例示するように、複数の認証パターンQを適当な間隔をおいて配置してもよい。
【0037】
上述したように、認証パターンQは、基板1に設けられ、配線311〜326及び基板1から識別できる材質、形状、配置、構造又は寸法を有する。このような認証パターンQは、外部観察によって、基板1及び配線311〜326から区別して、確認することができる。
【0038】
外部観察の手段としては、例えば、X線CT装置を用いることができる。
図7は、認証パターンQを構成する第1パターン要素331〜第5パターン要素335を、配線311〜326と同じ金属又は合金材料によって構成した場合に想定されるX線CT画像を示している。これによって、正当に製造され、実装された真正の配線基板であることを、認証パターンQの外部観察によって、簡単、かつ、確実に確認し得る。これは、正当に、製造もしくは実装されたものでないこと、即ち、真正品ではなく、偽造品であることをも、簡単、かつ、確実に確認し得ることを意味する。
【0039】
2.3次元積層配線基板及び電子機器
本発明に係る3次元積層配線基板は、上述した配線基板を、必要枚数積層して構成される。この3次元積層配線基板は、電子機器の構成要素として用いることができる。このような電子機器は、代表的には、3次元システム・パッケージ(3D-SiP)としての形態をとるシステムLSI、メモリLSI、DRAMのようなメモリ回路、CPUのようなロジック回路、通信回路、MEMS等を含むことができる。デジタル回路のみならず、アナログ回路を含む電子デバイスであってもよい。更に、上述した電子デバイスを内蔵する電子機器、例えば、MPU、パーソナル・コンピュータ、スーパーコンピュータ、携帯電話機、車載機器等、凡そ、電子回路を機能要素とする電子機器、電子デバイスのほとんどのものが含まれ得る。
【0040】
図8は、3D-SiPの形態をとる3次元積層配線基板の一例を示し、
図1〜
図7の何れかに示した複数枚nの配線基板131〜13nを順次に積層したパッケージである。
【0041】
組立完了形としては、
図9に示すように、下面にボール・グリッド・アレイ13を配置したパッケージ基板17の上面に、
図8に示したように、配線基板131〜13nを順次に配置し、接合91〜9nした構造をとることができる。このパッケージの状態でも、例えば、X線CT装置等を用いることにより、
図10に示すように、認証パターンQの存在、不存在を確認することができる。
【0042】
3.情報処理システム及び情報通信システム
図11は、本発明に係る情報処理システム及び情報通信システムを図示している。情報処理システムとは、電子計算機及びプログラムの集合体であって、情報処理の業務を一体的に行うよう構成されたものをいう。情報通信システムとは、情報処理システムとともに、通信装置及びネットワークを含み、情報の送受信を行うシステムをいう。図示の情報処理システムは、複数nの端末装置171〜17nによって構成されており、情報通信システムは、上述した端末装置171〜17nとともに、ネットワーク19を含んで構成されている。
【0043】
端末装置171〜17nには、パーソナル・コンピュータ、携帯電話機、タブレット等が含まれる他、各種センサ等も含まれる。ネットワーク19には、インターネットの他、車載ローカル・エリア・ネットワーク等で代表されるLAN(Local Area Network)も含まれる。そのほか、例えば、プリンタ、ファクシミリ、電話、スキャンなどが接続されるパーソナル・エリア・ネットワークであってもよい。
【0044】
本発明に係る情報処理システム及び情報通信システムは、正当に製造され実装されたものであることが確認された3次元配線基板及び電子機器で構成されているから、いわゆる「トロイの木馬」あるいは「バックドア」等の悪意のある回路が組み込まれる危険性を回避し、高度の安全性を確保し得る。
【0045】
以上、好ましい実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、その基本的技術思想および教示に基づき、種々の変形例を想到できることは自明である。
【符号の説明】
【0046】
1 基板
311〜316 配線
Q 認証マーク