【文献】
Texas Instruments,Issues on Carrier Aggregation for Advanced E-UTRA,3GPP TSG RAN WG1 #55bis R1-090280,2009年 1月 7日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_55b/Docs/R1-090280.zip
【文献】
NTT DOCOMO,DL Layered Control Signal Structure in LTE-Advanced,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #55bis R1-090311,2009年 1月 7日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_55b/Docs/R1-090311.zip
【文献】
Huawei,"PDCCH design for carrier aggregation",3GPP TSG RAN WG1#55bis R1-090127,2009年 1月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記セカンダリ局の能力のうちの1つは、前記第1構造に対応するリソース・セットを受信するために必要とされるパワーに対する前記第2構造に対応するリソース・セットを受信するために必要とされるパワーの比によって特徴付けられる、請求項3に記載の方法。
前記第1構造が第1サイズを持つ少なくとも第1の数のリソース・セットからなり、前記第2構造が第1サイズを持つ少なくとも第2の数のリソース・セットからなり、前記第2の数は前記第1の数と異なる、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
UMTS LTEにおいて、ダウンリンク制御チャネルPDCCH(Physical Downlink Control Channel)は、アップリンク又はダウンリンク送信のためのリソース割り当てのような情報を伝達する。PDCCHメッセージは、1, 2, 4又は8つのチャネル制御要素(CCE又はリソース要素)を用いることができ、CCE集合レベル(aggregation level)1, 2, 4又は8と呼ばれる。PDCCHメッセージは、1セットの利用可能なメッセージ・フォーマットのうちの1つを用いて(例えば情報ビットの数及びチャネル符号化レートのような異なる信号特性によって)送信されることができる。それぞれのフォーマットは、LTE仕様書において「DCIフォーマット」と呼ばれる。更に、PDCCHメッセージの異なる宛先又は目的は、メッセージCRCに適用される異なるスクランブリング・シーケンスによって示されることができる(LTE仕様書において、異なるスクランブリング・シーケンスは、RNTIと呼ばれる異なる識別子に対応する)。それぞれのRNTIは、特定のUEを対象としたUE固有のPDCCHメッセージを、複数のUEによる受信を対象としたCommon PDCCHメッセージから区別するために用いられる。複数のUEによる受信を対象としたPDCCHメッセージの場合、これは、UEの定められたグループ又は任意のUEを対象とする場合がある。
【0003】
LTEにおけるUEのようなモバイル局は、それを対象とするメッセージのCCE空間における位置を前もって知らない。原理上は、モバイル局は、CCE空間中のそれぞれの初期位置によって全ての考えられるPDCCHを盲目的に復号することを試みることができ、そして、そのモバイル局を対象とした任意のメッセージを受信することができる。しかしながら、CCE空間が大きい場合には、処理の複雑度が極端に高い。したがって、複数のサーチ空間から成るより限られたサーチが構成される。UEは、所与のサーチ空間で多くのDCIフォーマットのうちの1つを有するメッセージをサーチすることができる。説明の簡潔さのために、UE固有のサーチ空間における1つのDCIフォーマット及び1つのRNTIのみを考慮する場合があるが、同じ議論は、複数のDCIフォーマット、複数のRNTI、並びに、UE固有の及び共通のサーチ空間に適用可能である。
【0004】
サーチ空間は、(特定の集合レベルによる)1セットの集合CCEであり、その中で、モバイル局(すなわちユーザ機器(UE)又はセカンダリ局)は、その集合レベルに対して送信される可能性があると想定される全てのPDCCHペイロード(DCIフォーマット及びRNTI)のブラインド復号を実行する。送信される可能性があるとUEが想定するPDCCHペイロードのセットは、LTE仕様書によって定義される全ての考えられるPDCCHペイロードのサブセットであることができる。サーチ空間は、集合レベルごとに定められる。そして、セカンダリ局は、最高4つのサーチ空間を持つことができる。例えば、(1-CCEと呼ばれる)集合レベル1に対するUEのサーチ空間は、3,4,5,6,7,8によってインデックスを付けられるCCEから成ることができ、一方、集合レベル8に対するそのサーチ空間は、それぞれ、1,2,..,8及び9,10, ...,16によってインデックスを付けられるCCEから成る集合CCEの2つのリソース・セットから成ることができる。そして、この例において、UEは、1-CCEのために6つのブラインド復号及び8-CCEのために2つのブラインド復号を実行する。
【0005】
LTE仕様書は、現在、1つのキャリア上のUE固有PDCCHメッセージのために設計されるサーチ空間においてUEが以下を実行することを要求する。
・1-CCE集合の6つの復号試行
・2-CCE集合の6つの復号試行
・4-CCE集合の2つの復号試行
・8-CCE集合の2つの復号試行
更に、UEは、1つのキャリア上のCommon PDCCHメッセージのために設計されるサーチ空間において以下を実行することを要求される。
・4-CCE集合の4つの復号試行
・8-CCE集合の2つの復号試行
一般に、UEは、1つ以上のサーチ空間構造を形成するために共にグループ化されるとみなされることができるサーチ空間の1つ以上のセットをサーチすることを要求される場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
大きなメッセージのために、及び/又は、例えば悪いチャネル状態の下でより低い符号化レートが必要とされる場合の小さいメッセージのために、より大きい集合が用いられることが意図される。しかしながら、処理複雑度を低減するためにサーチ空間を制限することは、無線チャネル条件が変化するときに、異なる無線チャネル条件のための適切な集合の利用可能性を制限する。
【0007】
システムが同時に複数の搬送周波数の使用をサポートする場合、上記したシステムを動作させる1つの考えられる方法は、データ送信のために使われるべき各々のキャリア上でPDCCHを送信することである。このシナリオにおいて、考えられるPDCCHをサーチするために必要とされる処理パワーを制限することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の問題を軽減する通信方法を提案することが本発明の目的である。
【0009】
更なる信号又はオーバーヘッドを引き起こすことなく、サーチ空間が状況に適応されることを可能にする方法を提供することが本発明の他の目的である。
【0010】
この目的のために、本発明によれば、プライマリ局と少なくとも1つのセカンダリ局との間で通信するための方法が提案され、当該方法は、
(a)第1構造を持つ複数のサーチ空間のうちの少なくとも1つをサーチするための第1状態にセカンダリ局を設定し、前記第1構造は、第1サイズを持つ少なくとも第1の数のリソース・セットからなり、
(b)前記セカンダリ局が第2状態に入ると、前記第1構造とは異なる第2構造に前記サーチ空間構造を変更する。
【0011】
その結果として、サーチ空間の構造は、特定の状況に従って変更されることができる。第2構造が、例えばそれが更なるリソースを含むので、それを受信するためにセカンダリ局によって消費される更なるパワーを必要とする場合、セカンダリ局との通信が低いデータ速度であるときに、第1構造を使用し、データ速度が大きいときに第2構造に切り替えることが、セカンダリ局の消費電力にとって有利である。更なる実施例として、チャネル条件のような送信特性における変化の場合に、サーチ空間を変更することが可能である。チャネル条件は、新たな干渉源のため又はセル境界に近づくセカンダリ局の移動度のために、変化する場合がある。
【0012】
本発明は、少なくとも1つのセカンダリ局と通信するための手段を有するプライマリ局にも関連し、当該プライマリ局は、第1構造を持つ複数のサーチ空間のうちの少なくとも1つをサーチするための第1状態にセカンダリ局を設定するための設定手段を有し、前記第1構造は、第1サイズを持つ少なくとも第1の数のリソース・セットから成り、少なくとも1つのリソース・セットは、考慮されるセカンダリ局にメッセージを送信するために使用され、設定手段は、セカンダリ局が第2状態に入ると、第1構造と異なる第2構造にサーチ空間構造を変更するように配置される。
【0013】
本発明の更に別の態様によれば、セカンダリ局が提案され、前記セカンダリ局は、プライマリ局と通信するための手段を有し、前記セカンダリ局は、セカンダリ局が第1状態にあるときに、第1構造を持つ複数のサーチ空間のうちの少なくとも1つをサーチすることを活性化するための制御手段を有し、前記第1構造は、第1サイズを持つ少なくとも第1の数のリソース・セットから成り、少なくとも1つのリソース・セットは、考慮されるセカンダリ局にメッセージを送信するために使用され、制御手段は、セカンダリ局が第2状態に入ると、サーチ空間構造における変更のプライマリ局からの指示に応答して、第1構造と異なる第2構造にサーチ空間構造を変更するように配置される。
【0014】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施の形態から明らかであり、それらを参照して説明される。
【0015】
本発明は、添付の図面を参照してさらに詳細に一例として説明される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、セルラネットワークのようなネットワークにおいて通信するための方法に関する。例えば、ネットワークは、
図1に表されるようなUMTS LTEネットワークであることができる。
【0018】
図1を参照して、本発明による無線通信システムは、プライマリ局(BS又はeNodeB)100及び複数のセカンダリ局(MS又はUE)110を有する。プライマリ局100は、マイクロコントローラ(μC)102、アンテナ手段106に接続されるトランシーバ手段(Tx/Rx)104、送信されるパワーレベルを変更するためのパワー制御手段(PC)107及びPSTN又は他の適切なネットワークに対する接続のための接続手段108を有する。各々のUE110は、マイクロコントローラ(μC)112、アンテナ手段116に接続されるトランシーバ手段(Tx/Rx)114及び送信されるパワーレベルを変更するためのパワー制御手段(PC)118を有する。プライマリ局100からモバイル局110への通信はダウンリンク・チャネル上で行われ、一方、セカンダリ局110からプライマリ局100への通信は、アップリンク・チャネル上で行われる。この例において、ダウンリンク・チャネルは、PDCCHのような制御チャネルを有する。そのような制御チャネルは、複数のキャリアを通じて送信される場合がある。これらのキャリアは、キャリアの周波数によって、又は、本発明の変形例においては、符号化スキーム若しくは変調によって、定義されることができる。
【0019】
本発明の第1の実施の形態は、制御チャネルが通信システム(例えばLTE又はLTE Advanced)のための複数のキャリア上で送信されることができるサーチ空間(又はサーチ空間のセット)を知らせるための高速かつ効率的な手段を提供する。
【0020】
例えばLTE仕様書の第1リリース(Rel-8)に準拠する、UEとの通信のために1つのキャリアを用いるそのようなモバイル・ネットワークにおいて、最高20MHzの1つのキャリアが使用される。物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上の制御通知メッセージは、送信リソースの割り当てを通知する。全てのサブフレーム中の考えられる全ての場所を復号しなければならないこと(これは、非常に大きいブラインド復号オーバーヘッドをもたらす)を回避するために、各々のUEは、そのような通知メッセージをサーチするための少なくとも1つのサーチ空間によって設定される。しかしながら、LTEの開発において、シングル・キャリア動作は、("コンポーネント・キャリア"として説明される)複数キャリアに拡張され、コンポーネント・キャリア(CC)の各々についてのリソース割り当てを示すために通知が必要とされる。複数のCC上の通知を検出するために必要とされるブラインド復号の数の重大な増加を回避することが望ましい。
【0021】
複数のCC上のリソース割り当てを通知するためにPDCCHを使用するための3GPPにおいて考慮される現在の主要なオプションは、以下の通りである。
1.各々のコンポーネント・キャリア(CC)のための別々のPDCCHを持つ。ここで、
・1つのPDCCHは同じCC上の割り当てを示すか、
又は、
・1つのPDCCHは同じか若しくは異なるCC上の割り当てを示す。
あるいは、
2.1つのUEに割り当てられるコンポーネント・キャリアのための情報が一緒に符号化される1つのcommon PDCCH。ここで、
・DCIフォーマット・サイズは、割り当てられたCCの数に従って動的に変更されるか、
又は、
・DCIフォーマット・サイズは、UEがモニタリングしているCCの数に従って半静的に一定である。
【0022】
したがって、いずれにしても、各々のキャリア上にPDCCHメッセージのためのサーチ空間(すなわち、PDCCHのために使用可能な1セットの場所であり、それらの場所の各々において、UEは、少なくとも1つのPDCCHペイロードを復号すること(すなわちブラインド復号)を試みる)が存在することが有利である。我々は、一例として、1つのDCIフォーマット及びRNTIを参照するが、他の数のDCIフォーマット及びRNTIが使用されることができることに留意する必要がある。一般に、CCのいずれかのPDCCH(場合により同時に複数のPDCCH)をUEが受信することが可能であることが望ましい。
【0023】
ブラインド復号の総数に起因する信号処理のあまりに重大な増加を回避するために、各々のコンポーネント・キャリア上のサーチ空間は可能な限り小さく維持されるべきである。しかしながら、小さいサーチ空間は、スケジューリング制約を課す。したがって、効率的な態様でそのようなサーチ空間を再構成することが可能なことが望ましい。
【0024】
さらに、UEが、そのUEのために存在する何らかのPDCCHが存在する見込みがあるかどうかに関係なく全てのCCを受信することを要求される場合、(例えば受信機において)消費電力オーバーヘッドが存在する。これは特に別々の受信機を必要とする広く分離された周波数帯域におけるコンポーネント・キャリアの場合には重大である。
【0025】
1つの考えられるソリューションは、アンカー・キャリア上のPDCCHメッセージが、他のコンポーネント・キャリア上でのPDCCHメッセージの正確な位置を通知することである。これは、追加のキャリアのために何も必要とされないので、必要とされるブラインド復号の数のいかなる増加をも回避する。しかしながら、それは、あらゆるキャリア上の全てのリソース割り当てもアンカー・キャリア上のPDCCHメッセージを必要とするという欠点を持つ。これにより、そのPDCCHが過負荷になる可能性がある。
【0026】
これらの問題の幾つかに対処する、LTEに関連する他の可能性は、不連続受信(DRX)である。所与のUEに対するダウンリンク・パケットが欠落している場合には、UE受信機は、N個のサブフレームごとにのみPDCCHを受信するように設定されることができる。他の時は、それは「待機状態」となり、電力を節約する。何らかのPDCCHが受信されるとすぐに、UE受信機は、所与の数のサブフレームの間、活性化される。この状態において、UEは、大きなデータ速度を潜在的に受信することができる。
【0027】
第1の例示的な実施の形態によれば、上記した状況において実施されるそのような実施の形態のシステムは、少なくとも他のキャリア上で、あるいはさらにアンカー・キャリア上で、UEが適切なサーチ空間を識別することを可能にする高速かつ効率的な通知を提供する。この実施の形態の特徴は、特定のサーチ空間が2つの(あるいは更に多くの)UE状態の各々に関連付けられることである。
【0028】
この実施の形態の1つの考えられる変形例において、所与の数のサブフレームの間PDCCHが受信されなかったときに第1の状態"状態1"に入り、PDCCHが受信されたときに第2状態"状態2"に入る。状態1のためのサーチ空間は、コンポーネント・キャリアの1つのサブセットの考えられるPDCCH位置から成る。状態2のためのサーチ空間は、コンポーネント・キャリアの第2サブセットの考えられるPDCCH位置から成る。第1セット中のCCの数は、第2セット中のCCの数より小さい。したがって、状態1においてUEがPDCCHを受信するために必要とするパワーは状態2よりも小さい。有利な例として、第1サブセットは1つのキャリア(例えばアンカー・キャリア)からなることができ、そして第2サブセットは全ての利用可能な(又は設定された)CCからなることができる。
【0029】
図2は、この実施の形態の例を表し、PDCCHの送信のために用いられることができる複数のコンポーネント・キャリア200a〜200eが示され、アンカー・コンポーネント・キャリアは、コンポーネント・キャリア200cである。
図2に示されるように、コンポーネント・キャリアは、移動端末110の状態変化に対応していくつかのフェーズ210〜213に分割される。ここでは、3つの異なる状態が定められる。
【0030】
フェーズ210では、移動端末110は状態1にあり、サーチ空間210a-cの第1セットは連続する時間インターバルにおいてこの移動端末に専用である。これらのサーチ空間は、限られた数のコンポーネント・キャリア上にあり、ここでは、アンカー・コンポーネント・キャリア200c上にのみある。その結果として、これらのサーチ空間をサーチするために、限られた量のエネルギーのみが必要とされる。なお、サーチ空間は、リソースの連続なブロックとして論理的な意味で示される。実際的な実施の形態では、周波数領域にわたってこれらのリソースを分布させるためにインタリーブが適用されることができる。
【0031】
この移動端末110専用の制御メッセージ250は、サーチ空間210cにおいて送信されて、そして移動端末によって受信される。この受信によって、移動端末110は状態3のような他の状態に入る。
【0032】
フェーズ211において、移動端末は、ちょうどメッセージ250を受信したので、状態に3に入る。状態3において、サーチ空間211a-eは、全てのコンポーネント・キャリア200a〜200eにわたって分配される。これにより、空間をサーチするために移動端末においてより多くのエネルギーを必要とする結果となる。予め定められた継続時間にわたるこれらのサーチ空間においていかなるメッセージも受信されない場合、この実施の形態の例では、移動局110は、フェーズ212において状態2に入る。移動局110が予め定められた継続時間にわたるこの状態においてメッセージを受信した場合、より長くこの状態3にとどまることに留意する必要がある。サーチ空間の数は、1つの状態から他の状態にわたって変化することができることに留意する必要がある。
【0033】
フェーズ212において、移動端末は状態2にあり、サーチ空間212a-dは、キャリア・コンポーネント200b〜200dのサブセットにわたって分配される。この例の変形例において、アンカー・キャリアが状態1のサーチ空間のために予約されている可能性があるので、サーチ空間212cは含まれない場合がある。エネルギー消費の観点から、アンカー・コンポーネント・キャリアの近くにサーチ空間を持つことが有利であることに留意する必要がある。独立した受信機チェーンを必要とする場合がある広く分離されたキャリアとは対照的に、これは、1つの受信機チェーンによる処理を可能にする。予め定められた継続時間にわたるこれらのサーチ空間212a-dにおいていかなるメッセージも受信されない場合、この実施の形態の例では、フェーズ213において、移動局110は状態1に入る。移動局110が、予め定められた継続時間にわたるこの状態においてメッセージを受信した場合、状態3に戻ることに留意する必要がある。
【0034】
フェーズ213において、移動端末110は状態1にあり、サーチ空間213a-cは、アンカー・コンポーネント・キャリア200c上のみにある。それは、メッセージが受信されるまで、この状態にとどまることができる。それは、特定の条件の下で、状態2又は3に戻ることもできる。
【0035】
例えば2つの状態を持つ実施の形態の特定のバリエーションにおいて、UEは、PDCCHを受信すると、所与の数の以降のサブフレームの間、第2状態に入る。
【0036】
第2状態に入ることは、次のサブフレーム境界において、又は、予め設定されるか、より高次のレイヤの信号によって示されるか、若しくはPDCCHメッセージ自体の中の時間オフセット指標として含まれることができる若干後の時点で、実施されることができる。実施の形態の更なるバリエーションでは、状態1のUEがPDCCHを受信すると、それは、現在のサブフレームの間第2状態に入り、CCの第2セット上のPDCCHを復号することを試みる。
【0037】
対応するフェーズ又は状態の幾つかにおけるサーチ空間の構造は、UEの能力に依存したサーチ空間構造の予め定められたセットから選択されることができることに留意する必要がある。実際、各々の種類のセカンダリ局は、それらの受信に関して特有の能力、例えば、所与の時間インターバルにわたった、場合により同時の、複数の異なる受信信号のバッファリング及び復号(これは十分なメモリ及び計算パワーを必要とする)におけるそれらの能力を持つ場合がある。さらに、動作の間、UEバッテリー充電が低下する場合があり、電気エネルギーを節約するために、例えば多くの復号を必要とするいくつかの構造は回避される場合がある。このように、第1状態は、低いバッテリー充電に関する状態であり、第2状態は、高いバッテリー充電に関する状態である。この実施の形態の例では、UEの能力は、第2構造に対応する全てのリソース・セットを受信するために必要とされる第2エネルギーに対する、第1構造に対応する全てのリソース・セットを受信するために必要とされる第1エネルギーの比によって、特徴づけられる。低いバッテリー充電に関するパワー節約を達成するために、第1エネルギーは、第2エネルギーより小さい必要がある。リソース・セットを受信するために必要とされるエネルギーは、そのリソース・セットに対応する信号、信号のセットの中から、サーチ空間全体の中のリソース・セットのうちの1つに対応する各々をバッファ及び復号するために必要とされる電気エネルギーによって定められることができる。
【0038】
UEが現在のサブフレームの間に第2状態に入るかどうかは、UEがPDCCHを復号することを試みるCCの数を低減することによってパワーを節約することができる程度によって決まることができる。例えば、CCが隣接する(すなわち、連続する周波数ブロックから成る)場合、UEは1つの受信機によって全てのCCを受信することができ、結果として、CCのうちの1つのみのPDCCHを復号することを試みても、効率は有意に増加しない。他方、CCが周波数において分離される場合、UEは複数の受信機を用いることを必要とする場合があり、いくつかのCCのためのいくつかの受信機をオフに切り替えることによって有意なパワーが節約されることができる。したがって、1つの実施の形態において、UEは、CCが隣接する場合、現在のサブフレームにおいて状態2に入り、CCが隣接しない場合には、以降のサブフレームにおいて状態2に入ることが期待される。言い換えると、この実施の形態にとって、以下の条件が特定されることができる。
・隣接するキャリアの場合:
− 状態1のUEに対して、PDCCHメッセージのうちの1つがアンカー・キャリアであるCC上で送信されるならば、eNodeBは、複数のCC上でPDCCHメッセージを送信することができる。
− 状態2のUEに対して、eNodeBは、いずれかのCC上でPDCCHメッセージを送信することができる。
・隣接しないキャリアの場合:
− 状態1のUEに対して、eNodeBは、アンカー・キャリア上でのみPDCCHメッセージを送信することができる
− 状態2のUEに対して、eNodeBは、いずれかのCC上でPDCCHメッセージを送信することができる。
【0039】
1つの考えられる実施の形態は、サーチ空間の各々がサーチ部分空間の2つの(又はより多くの)事前に設定されたセットからなることを含み(この事前設定は、一般的に、より高次のレイヤの信号によって実行される)、各々のものを第1インデックスと関連付ける。各々のキャリアは、第2インデックスと関連付けられることができる。そして、1つのキャリア上のPDCCHメッセージは、サーチ空間の第1インデックス及び対応するキャリアの第2インデックスを示すことができる。
【0040】
他の考えられる実施の形態は、特別なフォーマットのPDCCHメッセージにおいて、(対応するキャリア・インデックスと共に)サーチ空間の完全な詳細を通知することを有する。
【0041】
本発明の別の実施例が以下で説明される。この更なる実施の形態は、先行する実施の形態と組み合わせられるか、又は、先の実施の形態とは独立に実施されることができる。
【0042】
本発明のこの特別な実施の形態は、LTE Advancedのような通信システムにおいて、複数のコンポーネント・キャリアにわたってPDCCHの位置をホッピングする方法を提供する。ホッピングは、異なるUEが異なるホッピング・シーケンスを持ち、さらに所与のUEに対するホッピング・シーケンスがそれぞれのキャリアで異なるように設計される。
【0043】
LTE仕様の第1リリース(Rel-8)において、最高20MHzの単一キャリアが用いられる。物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上の制御シグナリング・メッセージは、送信リソースの割り当てを通知する。全てのサブフレーム中の考えられる全ての場所を復号しなければならないこと(これは、非常に大きいブラインド復号オーバーヘッドをもたらす)を回避するために、各々のUEは、そのような通知メッセージをサーチするためのサーチ空間によって設定される。
【0044】
LTEが複数のキャリアに拡張される場合、コンポーネント・キャリアの各々のリソース割り当てを示すためにシグナリングが必要である。必要とされるブラインド復号の数の重大な増加を回避することが望ましい。
【0045】
3GPPにおいて考慮される現在の主要なオプションは、以下の通りである:
1.各々のコンポーネント・キャリア(CC)のための別々のPDCCHsを持つ。ここで、
・1つのPDCCHは同じCC上の割り当てを示すか、
又は
・1つのPDCCHは同じか若しくは異なるCC上の割り当てを示す。
あるいは、
2.1つのUEに割り当てられるコンポーネント・キャリアのための情報が一緒に符号化される1つのcommon PDCCH。ここで、
・DCIフォーマット・サイズは、割り当てられたCCの数に従って動的に変更されるか、
又は、
・DCIフォーマット・サイズは、UEがモニタリングしているCCの数に従って半静的に一定である。
【0046】
したがって、いずれにしても、各々のキャリア上のPDCCHメッセージのためのサーチ空間(すなわち、PDCCHのために使用可能な1セットの場所であり、それらの場所の各々において、UEは、PDCCHを復号すること(すなわちブラインド復号)を試みる)が存在することが有利である。
【0047】
しかしながら、さらなる詳細は、まだ定められない。一般に、CCのいずれかのPDCCH(場合により同時に複数のPDCCH)をUEが受信することが可能であることが望ましい。ブラインド復号の総数に起因する信号処理のあまりに重大な増加を回避するために、各々のキャリア上のサーチ空間は可能な限り小さく維持されるべきである。
【0048】
現在、LTE Release 8において、所与のUEのためのPDCCHのためのサーチ空間は、ここに複写されるTS36.213における以下に従って、サブフレームごとに変化する。
【0049】
「モニタリングするPDCCH候補のセットはサーチ空間に関して定められ、集合レベルL∈{1, 2, 4, 8}のサーチ空間S
(L)kは、1セットのPDCCH候補によって定められる。サーチ空間S
(L)kのPDCCH候補mに対応するCCEは、
によって与えられる。ここで、Y
kは以下で定義され、i = 0, ・・・,L-1 及び m = 0, ・・・, M
(L)-1である。M
(L)は、所与のサーチ空間においてモニタするPDCCH候補の数である。
集合レベルLのUE固有サーチ空間S
(L)kに対して、変数Y
kは、
Y
k = (A・Y
k-1) mod D
によって定められ、ここで、Y
-1 = n
RNTI ≠ 0, A =39827, D = 65537、及び
であり、n
sは、無線フレーム内のスロット数である。n
RNTIのために使用されるRNTI値は、ダウンリンクについてはセクション7.1、アップリンクについてはセクション8において定められる。」
【0050】
RNTI値はUEに対して固有であり、集合レベルは1, 2, 4又は8である。
【0051】
この方法は、それぞれのUEのための異なるシーケンスを与え、2つのUEが1つのキャリア上で同一のサーチ空間を連続して持つ問題を回避するが、異なるコンポーネント・キャリア上の異なるサーチ空間を提供しない。したがって、1つのキャリア上で同じサーチ空間を有するあらゆるUEは、さらに他のキャリア上でも同じサーチ空間を持つ。これは、制御チャネルに対する競合及びリソースの非効率的なスケジューリングにつながる可能性がある。この更なる実施の形態によれば、同じUE及び異なるUEの両方のために、異なるサーチ空間は異なるキャリア上に提供される。これは、コンポーネント・キャリア数をサーチ空間式に導入することによって達成される。
【0052】
この実施の形態の1つの変形例において、所与のコンポーネント・キャリアn
ccのためのサーチ空間は、
を用いて定義され、ここで、
であり、第1コンポーネント・キャリアはn
cc = 0を持つ。
【0053】
これは、1つの無線フレーム以上にホッピング・シーケンスを拡張すること及び異なるコンポーネント・キャリア中にシーケンスの付加的な値を適用すること等しい。第1コンポーネント・キャリアのためのシーケンスは変化しない。
【0054】
この実施の形態に対する拡張において、CC数は、それらの周波数に関してそのUEのために設定されるCCを順序付けることによって導き出される。また、CCは、特別な順序でUEに割り当てられる。
【0055】
あるいは、より少ないシーケンス・エントリを生成するために、
であるか、Rel8シーケンス値を再利用するために、
である。これらのオプションは複雑度が低い。
【0056】
一般的な形式は、
であり、a及びbは定数である。
【0057】
あるいは、A及び/又はDの値は、それぞれのCCに対して異なることができるが、これは、より高い実装複雑度につながる。
【0058】
図3は、上述の実施の形態の例を示す。この実施の形態によれば、
図3に表されるように、複数のサーチ空間301a-eが、コンポーネント・キャリア300a-eにわたって分配される。
図3において、サーチ空間が、キャリア・コンポーネントごとに異なること、すなわち、リソース・ブロックが、キャリア・コンポーネントごとに異なることが分かる。さらに、これらのサーチ空間は、時間を通じて変化する。なお、サーチ空間は、リソースの連続なブロックとして、論理的な意味で示される。実際的な実施の形態において、周波数領域にわたってこれらのリソースを分布させるためにインタリーブが適用されることができる。
【0059】
本発明は、UMTS LTE及びUMTS LTE-Advancedのような移動遠距離通信システムに適用可能であるが、いくつかの変形例においては、リソースの割り当てが動的に又は少なくとも半持続的に行われる任意の通信システムにも適用可能である。
【0060】
本明細書及び請求の範囲において、単数で表現された要素は、そのような要素が複数存在することを除外しない。さらに、「有する」「含む」などの用語は、挙げられたもの以外の他の要素又はステップが存在することを除外しない。
【0061】
請求の範囲の括弧中に参照符号が含まれることは、理解を助けることを目的としており、制限することを目的としない。
【0062】
本開示を読むことから、当業者にとって他の修正例が明らかとなる。そのような修正例は、無線通信の分野において既に知られている他の特徴を含むことができる。