(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記旋回駆動アームを介する前記近位連結部材の回転は、前記近位連結部材の前記第二の端部および前記遠位連結部材の前記第一の端部が前記近位連結部材の前記第一の端部と前記遠位連結部材の前記第二の端部との間の参照軸によって規定される長手方向軸に向かって移動することを引き起こし、その結果、前記遠位連結部材の前記第二の端部は、遠位に移動することにより、前記押し棒を前記遠位方向に移動させる、請求項1に記載のクリップアプライア。
前記旋回駆動アームを介する前記近位連結部材のさらなる回転は、前記近位連結部材の前記第二の端部および前記遠位連結部材の前記第一の端部が前記参照軸から離れるよう移動することを引き起こし、その結果、前記遠位連結部材の前記第二の端部は、近位に移動することにより、前記押し棒を前記近位方向に移動させる、請求項2に記載のクリップアプライア。
長手方向軸が、前記近位連結部材の前記第一の端部と前記遠位連結部材の前記第二の端部との間の参照軸によって規定され、前記近位連結部材は、前記長手方向軸の第一の側と前記近位連結部材との間に第一の鋭角を規定し、前記押し棒は、近位位置にあり、前記駆動チャネルの遠位方向への初期並進は、前記近位連結部材および前記遠位連結部材が旋回することを引き起こし、その結果、前記近位連結部材および前記遠位連結部材が互いに対してまっすぐになるまで前記長手方向軸の前記第一の側の前記第一の鋭角が増加し、前記押し棒が前記遠位連結部材を介して遠位位置まで遠位に並進する、請求項1に記載のクリップアプライア。
前記駆動チャネルの前記遠位方向へのさらなる並進は、前記近位連結部材および前記遠位連結部材が前記長手方向軸の前記第一の側から前記長手方向軸の第二の側に旋回することを引き起こし、その結果、前記近位連結部材および前記長手方向軸が前記近位連結部材と前記長手方向軸の第二の側との間に第二の鋭角を規定し、前記押し棒が、前記遠位連結部材を介して近位位置まで近位に並進する、請求項4に記載のクリップアプライア。
前記少なくとも1つのハンドルが第一の方向に初期量だけ作動される際に、前記押し棒は、前記1対の顎に向かって、前記複数のクリップのうちの最遠位のクリップを前記1対の顎の間に移動させる目的で移動可能であり、前記少なくとも1つのハンドルが前記第一の方向へさらなる量だけ作動されると、前記押し棒は、引き込まれた位置へと前記近位方向に移動可能であり、その結果、前記複数のクリップのうちの新たな最遠位のクリップは、前記クリップ従動子によって前記押し棒に対して遠位に押される、請求項7に記載のクリップアプライア。
前記駆動チャネルは、前記1対の顎および前記楔プレートを少なくとも部分的に囲むような構成および寸法にされており、前記駆動チャネルの遠位端を横切って延びるストラップは、前記1対の顎および前記楔プレートを前記駆動チャネル内に保持する、請求項8に記載のクリップアプライア。
前記少なくとも1つのハンドルが第一の方向に起動されると、前記駆動チャネルが前記1対の顎の方へと移動されて、前記駆動チャネルの前記第二の端部を前記1対の顎に押し付けて移動させて前記1対の顎を閉じ、前記少なくとも1つのハンドルが第二の量だけ移動させられると、前記駆動チャネルが前記1対の顎から離れるように移動して、前記駆動チャネルの前記第二の端部を前記1対の顎から離すように移動させて、前記1対の顎を開かせることを可能にする、請求項8に記載のクリップアプライア。
前記楔プレートおよび前記駆動チャネルに作動可能に接続された運動逆転機構をさらに備え、前記駆動チャネルの遠位への移動中の前記運動逆転機構の回転は、前記楔プレートの近位への移動を生じさせる、請求項10に記載のクリップアプライア。
前記クリップ従動子は、前記クリップキャリアの前記窓および前記楔プレートの開口部と選択的に係合されるように構成および適合されており、前記クリップ従動子は、前記楔プレートの往復運動の際に、前記複数のクリップを前記クリップキャリアに対して遠位方向に推進するように構成および適合されている、請求項10に記載のクリップアプライア。
前記駆動チャネルおよび前記楔プレートに作動可能に接続され、かつ、前記駆動チャネルを介して前記押し棒と選択的に係合可能な運動逆転機構をさらに備え、前記駆動チャネルの前記遠位方向への移動は、前記運動逆転機構の回転を引き起こし、前記楔プレートおよび前記押し棒の前記近位方向への移動を生じさせる、請求項10に記載のクリップアプライア。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、機能性を変化させることなく幾何学的形状のみを変化させることによって、特定の必須構成要素が各異なるサイズのクリップアプライアに対して構成され得ることが必要とされている。
【0008】
さらに、構成要素の幾何学的形状を変化させるのみで、全ての異なるサイズのクリップアプライアと類似の様式で機能する単純な内部構成要素に適応するように構成された、外科手術用クリップアプライアが必要とされている。同時に、低い駆動力で、クリップ押す高い力を損なわないこと。そのデバイスのより良好な性能を生じる、より良好な動きおよび力の特徴、ならびにより単純な構成要素。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
外科手術用クリップを身体組織に適用するための外科手術用クリップアプライアであって、
ハウジング;
該ハウジングに旋回可能に接続された少なくとも1つのハンドル;
該ハウジングから遠位に延びるチャネルアセンブリ;
該チャネルアセンブリ内に配置されて1つのチャネルおよび複数の窓を規定する、クリップキャリア;
該クリップキャリアの該チャネル内にスライド可能に配置された複数のクリップ;
該ハウジングおよび該チャネルアセンブリのうちの少なくとも一方の内部に往復運動可能に配置された駆動チャネルであって、該駆動チャネルは、該少なくとも1つのハンドルに作動可能に接続された第一の端部、および該チャネルアセンブリの遠位端に作動可能に接続された第二の端部を有する、駆動チャネル;
該チャネルアセンブリ内に往復運動可能に配置された楔プレートであって、該楔プレートは、該少なくとも1つのハンドルに作動可能に接続され、そして該楔プレートの長さに沿って形成された複数の開口部分を備える、楔プレート;
該ハウジングおよび該チャネルアセンブリ内に往復運動可能に配置された押し棒であって、該押し棒は、該少なくとも1つのハンドルに作動可能に接続された近位端、およびプッシャーを規定する遠位端を有し、該押し棒の該遠位端は、該複数のクリップのうちの最遠位のクリップとの係合のために構成される、押し棒;ならびに
複数の連結部材を有する運動乗算器システムであって、該運動乗算器システムは、該ハンドルの初期起動の際に増分量だけ該押し棒を遠位に移動させるように構成されており、そして該ハンドルの該初期起動の後に、該押し棒および該楔プレートを近位に移動させるように構成されている、運動乗算器システム、
を備える、外科手術用クリップアプライア。
(項目2)
上記運動乗算器システムの上記複数の連結部材が、
上記ハウジング内に旋回可能に支持されて上記駆動チャネルに作動可能に接続されている、近位連結部材;
該駆動チャネルと該近位連結部材とを相互接続する旋回駆動アーム;および
該近位連結部材と上記押し棒とを相互接続する遠位連結部材、
を備え、該駆動チャネルの遠位への並進が、該近位連結部材を該旋回駆動アームを介して旋回回転させ、その結果、該近位連結部材が、該遠位連結部材の第一の端部を第一の方向へと旋回回転させ、そして第二の端部に、該押し棒を遠位方向にスライドにより移動させる、上記項目に記載のクリップアプライア。
(項目3)
上記駆動チャネルのさらなる遠位への並進が、上記近位連結部材を上記旋回駆動アームを介して旋回回転させ、その結果、該近位連結部材が、上記遠位連結部材の上記第一の端部を第二の方向に旋回回転させ、そして上記第二の端部に、上記押し棒を近位方向にスライドにより移動させる、上記項目のうちのいずれかに記載のクリップアプライア。
(項目4)
上記運動乗算器システムの上記複数の連結部材が、
上記ハウジング内に旋回可能に支持されて上記駆動チャネルに作動可能に接続された近位連結部材;
該駆動チャネルと該近位連結部材とを相互接続する旋回駆動アーム;および
該近位連結部材と上記押し棒とを相互接続する遠位連結部材、
を備え、該駆動チャネルの遠位への並進が、該旋回駆動アームを介する該近位連結部材の旋回回転を引き起こし、該近位連結部材の該旋回回転が、該遠位連結部材の旋回回転を引き起こし、そして該遠位連結部材の該旋回回転が、該押し棒の遠位への並進を引き起こす、上記項目のうちのいずれかに記載のクリップアプライア。
(項目5)
上記駆動チャネルのさらなる遠位への並進が、上記旋回駆動アームを介する上記近位連結部材のさらなる旋回回転を引き起こし、該近位連結部材の該さらなる旋回回転が、上記遠位連結部材のさらなる旋回回転を引き起こし、そして該遠位連結部材の該さらなる旋回回転が、上記押し棒の近位への並進を引き起こす、上記項目のうちのいずれかに記載のクリップアプライア。
(項目6)
上記近位連結部材、上記遠位連結部材、上記旋回駆動アーム、上記駆動チャネルおよび上記押し棒が、第一の位置にある場合、該近位連結部材および該遠位連結部材は、第一の角度を規定し、そして該駆動チャネルの近位への並進が、該近位連結部材および該遠位連結部材を、該旋回駆動ピンを介して旋回回転させ、これによって、該第一の角度を約180°である第二の角度まで増加させ、その結果、該近位連結部材および該遠位連結部材は、互いにまっすぐになり、その結果、該近位連結部材、該遠位連結部材、該旋回駆動アーム、該駆動チャネルおよび該押し棒が第二の位置になる、上記項目のうちのいずれかに記載のクリップアプライア。
(項目7)
上記近位連結部材、上記遠位連結部材、上記旋回駆動アーム、上記駆動チャネルおよび上記押し棒が、上記第二の位置にある場合、該駆動チャネルのさらなる近位への並進が、該近位連結部材および該遠位連結部材を、該旋回駆動ピンを介して旋回回転させ、これによって、約180°である該第二の角度を第三の角度まで減少させ、その結果、該遠位連結部材、該旋回駆動アーム、および該駆動チャネルは第三の位置にあり、一方で該押し棒は上記第一の位置にある、上記項目のうちのいずれかに記載のクリップアプライア。
(項目8)
上記旋回駆動アームを介する上記近位連結部材の上記回転が、該近位連結部材および上記遠位連結部材を互いに対してまっすぐにし、そして該近位連結部材の近位端と該遠位連結部材の遠位端との間の参照軸により規定される長手方向軸に沿わせ、その結果、該遠位連結部材が上記押し棒の遠位への並進を引き起こす、上記項目のうちのいずれかに記載のクリップアプライア。
(項目9)
上記旋回駆動アームを介する上記近位連結部材のさらなる回転が、該近位連結部材および上記遠位連結部材を互いから角度を付けてずらし、その結果、該遠位連結部材が上記押し棒の近位への並進を引き起こす、上記項目のうちのいずれかに記載のクリップアプライア。
(項目10)
上記近位連結部材の近位端と上記遠位連結部材の遠位端との間の参照軸により規定される長手方向軸、および該近位連結部材が、該長手方向軸の第一の側に第一の鋭角を規定し、そして上記押し棒が近位位置にあり、上記駆動チャネルの遠位への並進が、該近位連結部材および該遠位連結部材を旋回させ、その結果、該近位連結部材および該遠位連結部材が互いに対してまっすぐになるまで該長手方向軸の該第一の側の該第一の鋭角が増加し、そして該押し棒が該遠位連結部材を介して遠位位置まで遠位位置に並進する、上記項目のうちのいずれかに記載のクリップアプライア。
(項目11)
上記駆動チャネルのさらなる遠位への並進が、上記近位連結部材および上記遠位連結部材を、上記長手方向軸の上記第一の側から該長手方向軸の第二の側へと旋回させ、その結果、該近位連結部材および該長手方向軸が第二の鋭角を規定し、そして上記押し棒が、該遠位連結部材を介して近位位置まで近位に並進する、上記項目のうちのいずれかに記載のクリップアプライア。
(項目12)
上記クリップ従動子が、上記楔プレートの遠位への並進の際に、該楔プレートを係合して遠位に移動するように構成されており、そして該楔プレートの近位への並進の際に、上記クリップキャリアを係合して該クリップキャリアの近位への移動を止めるように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のクリップアプライア。
(項目13)
上記ハウジングの反対側である上記チャネルアセンブリの端部から延びる、1対の顎を備える顎アセンブリをさらに備え、該顎アセンブリが、内部に上記複数のクリップのうちの1つのクリップを収容するように適合されており、そして上記ハンドルの動きに応答して該クリップの形成を起こすように作動可能である、上記項目のうちのいずれかに記載のクリップアプライア。
(項目14)
上記ハンドルアセンブリが第一の方向に初期量だけ近接させられる際に、上記押し棒が上記顎に向かって、最遠位のクリップを該顎の間に移動させる目的で移動可能であり、そして上記ハンドルが該第一の方向へさらなる量だけ近接させられると、該押し棒が、上記ハウジングの方へと移動して、該プッシャーを該複数のクリップのうちの最遠位のクリップの後ろへと移動させるように構成および適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載のクリップアプライア。
(項目15)
上記駆動チャネルが、上記顎および上記楔プレートを少なくとも部分的に囲むような構成および寸法にされており、該駆動チャネルは、該顎および該楔プレートを該駆動チャネル内に保持するための、該駆動チャネルの遠位端を横切って延びるストラップを備える、上記項目のうちのいずれかに記載のクリップアプライア。
(項目16)
上記少なくとも1つのハンドルが移動して第一の方向に起動すると、上記駆動チャネルが上記顎アセンブリの方へと移動して、上記駆動チャネルの上記第二の端部を該顎に押し付けて移動させて該顎を閉じ、該少なくとも1つのハンドルが第二の量だけ移動させられると、該駆動チャネルが該顎から離れるように移動して、該駆動チャネルの上記第二の端部を該顎から離すように移動させて、該顎を開かせる、上記項目のうちのいずれかに記載のクリップアプライア。
(項目17)
上記楔プレートおよび上記駆動チャネルに作動可能に接続された運動逆転機構をさらに備え、該駆動チャネルの遠位への移動中の該運動逆的機構の回転は、該楔プレートの近位への移動を生じる、上記項目のうちのいずれかに記載のクリップアプライア。
(項目18)
上記クリップキャリアの上記チャネル内にスライド可能に配置され、そして上記複数のクリップの近位に配置されたクリップ従動子であって、該クリップ従動子は、該クリップキャリアの上記窓および上記楔プレートの上記開口部分との選択的な係合のために構成および適合されており、該クリップ従動子は、該楔プレートの往復運動の際に、該複数のクリップを該クリップキャリアに対して遠位方向に推進するように構成および適合されている、クリップ従動子
をさらに備える、上記項目のうちのいずれかに記載のクリップアプライア。
(項目19)
上記駆動チャネルおよび上記楔プレートに作動可能に接続され、上記押し棒と選択的に係合可能な運動逆転機構であって、該駆動チャネルの遠位への並進中の該運動逆転機構の回転は、該楔プレートおよび該押し棒の近位への移動を生じる、運動逆転機構、
をさらに備える、上記項目のうちのいずれかに記載のクリップアプライア。
【0010】
(摘要)
外科手術用クリップアプライアが提供され、この外科手術用クリップアプライアは、ハウジング;このハウジングに旋回可能に接続された少なくとも1つのハンドル;このハウジングから遠位に延びるチャネルアセンブリ;このチャネルアセンブリ内に配置されて1つのチャネルおよび複数の窓を規定するクリップキャリア;ならびにこのクリップキャリアのチャネル内にスライド可能に配置された複数のクリップを備える。この外科手術用クリップアプライアは、このハウジングおよびこのチャネルアセンブリのうちの少なくとも一方の内部に往復運動可能に配置された駆動チャネル;このチャネルアセンブリ内に往復運動可能に配置された楔プレート;このハウジングおよびこのチャネルアセンブリ内に往復運動可能に配置された押し棒;ならびに複数の連結部材を有する運動乗算器システムをさらに備え、この運動乗算器システムは、これらのハンドルの初期起動の際にこの押し棒を増分量だけ遠位に移動させるように構成されており、そしてこのハンドルの初期起動の後に、この押し棒およびこの楔プレートを近位に移動させるように構成されている。
【0011】
(要旨)
本願は、外科手術中に身体の組織および脈管にクリップを適用するための、複数のクリップを有する外科手術用クリップアプライアに関する。
【0012】
本開示の1つの局面によれば、外科手術用クリップアプライアが提供され、この外科手術用クリップアプライアは、ハウジング;このハウジングに旋回可能に接続された少なくとも1つのハンドル;このハウジングから遠位に延びるチャネルアセンブリ;このチャネルアセンブリ内に配置され、1つのチャネルおよび複数の窓を規定するクリップキャリア;このクリップキャリアのチャネル内にスライド可能に配置された複数のクリップ;このハウジングおよびこのチャネルアセンブリのうちの少なくとも一方の内部に往復運動可能に配置された駆動チャネルであって、この少なくとも1つのハンドルに作動可能に接続された第一の端部、およびこのチャネルアセンブリの遠位端に作動可能に接続された第二の端部を有する、駆動チャネル;このチャネルアセンブリ内に往復運動可能に配置された楔プレートであって、この少なくとも1つのハンドルに作動可能に接続されており、そしてこの楔プレートの長さに沿って複数の開口部分を備える、楔プレート;このハウジングおよびこのチャネルアセンブリ内に往復運動可能に配置された押し棒であって、この少なくとも1つのハンドルに作動可能に接続された近位端、およびプッシャーを規定する遠位端を有し、この押し棒の遠位端は、複数のクリップのうちの最遠位のクリップとの係合のために構成されている、押し棒;ならびに複数の連結部材を有する運動乗算器システムであって、これらのハンドルの初期起動の際に、この押し棒を増分量だけ遠位に移動させるように構成されており、そしてこれらのハンドルの初期起動の後に、この押し棒およびこの楔プレートを近位に移動させるように構成されている、運動乗算器システムを備える。
【0013】
この運動乗算器システムの複数の連結部材は、このハウジング内に旋回可能に支持されてこの駆動チャネルに作動可能に接続された近位連結部材;この駆動チャネルとこの近位連結部材とを相互接続する旋回駆動アーム;およびこの近位連結部材とこの押し棒とを相互接続する遠位連結部材を備え得、その結果、この駆動チャネルの遠位への並進が、この旋回駆動アームを介するこの近位連結部材の旋回回転を引き起こし、この近位連結部材の旋回回転が、この遠位連結部材の旋回回転を引き起こす。この遠位連結部材の旋回回転は、この押し棒の遠位への並進を引き起こす。この近位連結部材は、旋回ピンによって、このハウジングに旋回可能に接続され得る。この遠位連結部材は、この近位連結部材に旋回可能に接続され得る。
【0014】
この駆動チャネルのさらなる遠位への並進は、この旋回駆動アームを介するこの近位連結部材のさらなる旋回回転を引き起こし得、ここでこの近位連結部材のさらなる旋回回転は、この遠位連結部材のさらなる旋回回転を引き起こし、そしてこの遠位連結部材のさらなる旋回回転は、この押し棒の近位への並進を引き起こす。
【0015】
ある実施形態において、この近位連結部材、この遠位連結部材、この旋回駆動アーム、この駆動チャネルおよびこの押し棒が第一の位置にある場合、この近位連結部材およびこの遠位連結部材は、第一の角度を規定する。この駆動チャネルの近位への並進は、この近位連結部材およびこの遠位連結部材を、この旋回駆動アームを介して旋回回転させ、これによって、この第一の角度を、約180°である第二の角度まで増加させ、その結果、この近位連結部材およびこの遠位連結部材は、互いに対してまっすぐになり、その結果、この近位連結部材、この遠位連結部材、この旋回駆動アーム、この駆動チャネルおよびこの押し棒が、第二の位置になる。
【0016】
さらに、この近位連結部材、この遠位連結部材、この旋回駆動アーム、この駆動チャネルおよびこの押し棒がこの第二の位置にある場合、この駆動チャネルのさらなる近位への並進は、この近位連結部材およびこの遠位連結部材を、この旋回駆動アームを介して旋回回転させ、これによって、この約180°である第二の角度を、第三の角度に減少させ、その結果、この遠位連結部材、この旋回駆動アーム、およびこの駆動チャネルが第三の位置になり、一方で、この押し棒は、第一の位置になる。
【0017】
この旋回駆動アームを介するこの近位連結部材の回転は、この近位連結部材およびこの遠位連結部材を、互いに対してまっすぐにし、そしてこの近位連結部材の近位端とこの遠位連結部材の遠位端との間の参照軸により規定される長手方向軸に沿わせ、その結果、この遠位連結部材は、この押し棒の遠位への並進を引き起こす。
【0018】
この旋回駆動アームを介するこの近位連結部材のさらなる回転は、この近位連結部材およびこの遠位連結部材を互いから角度を付けてずらし、その結果、この遠位連結部材は、この押し棒の近位への並進を引き起こす。
【0019】
この近位連結部材の近位端とこの遠位連結部材の遠位端との間の参照軸により規定される長手方向軸と、この近位連結部材とは、この長手方向軸の第一の側に第一の鋭角を規定し、そしてこの押し棒は、近位位置にある。この駆動チャネルの遠位への並進は、この近位連結部材およびこの遠位連結部材を旋回させ得、その結果、この長手方向軸の第一の側の第一の鋭角は、この近位連結部材とこの遠位連結部材とが互いに対してまっすぐになるまで増加し、そしてこの押し棒がこの遠位連結部材を介して遠位位置まで遠位に並進する。
【0020】
この駆動チャネルのさらなる遠位への並進は、この近位連結部材およびこの遠位連結部材を、この長手方向軸の第一の側から、この長手方向軸の第二の側へと旋回させ、その結果、この近位連結部材およびこの長手方向軸は、第二の鋭角を規定し、そしてこの押し棒は、この遠位連結部材を介して近位位置まで近位に並進する。
【0021】
クリップ従動子は、この楔プレートと係合してこの楔プレートの遠位への並進の際に遠位に移動するように構成され、そしてこのクリップアプライアと係合してこの楔プレートの近位への並進の際にこのクリップアプライアの近位への移動を止めるように構成される。
【0022】
このクリップアプライアは、顎アセンブリをさらに備え得、この顎アセンブリは、チャネルアセンブリの、ハウジングと反対側の端部から延びる1対の顎を有する。この顎アセンブリは、内部に複数のクリップのうちの1つのクリップを収容するように適合され得、そしてこれらのハンドルの動きに応答して、このクリップの形成を行うように作動可能である。
【0023】
この押し棒は、最遠位のクリップを顎の間に移動させる目的で、これらのハンドルが第一の方向に初期量だけ近接させられる際に、これらの顎の方へと移動可能であり得る。この押し棒は、これらのハンドルがさらなる量だけ第一の方向に近接させられる場合に、このハウジングの方へと移動して、このプッシャーを複数のクリップのうちの最遠位のクリップの後方へと移動させるように構成および適合され得る。
【0024】
この駆動チャネルは、これらの顎およびこの楔プレートを少なくとも部分的に囲むような構成および寸法にされ得る。この駆動チャネルは、これらの顎およびこの楔プレートをこの駆動チャネル内に維持するために、この駆動チャネルの遠位端を横切って延びるストラップを備え得る。
【0025】
この駆動チャネルは、少なくとも1つのハンドルが移動させられて第一の方向へと起動させられると、この顎アセンブリの方へと移動して、この駆動チャネルの第二の端部をこれらの顎に押し付けて移動させてこれらの顎を閉じ得、この駆動チャネルは、この少なくとも1つのハンドルが第二の量だけ移動させられると、これらの顎から離れるように移動して、この駆動チャネルの第二の端部を、これらの顎から離すように移動させて、これらの顎を開かせる。
【0026】
ある実施形態において、このクリップアプライアは、この楔プレートおよびこの駆動チャネルに作動可能に接続された運動逆転機構をさらに備え得る。この駆動チャネルの遠位への移動中の、この運動逆転機構の回転は、この楔プレートの近位への移動を生じる。
【0027】
ある実施形態において、このクリップアプライアは、このクリップキャリアのチャネル内にスライド可能に配置され、そして複数のクリップの近位に配置された、クリップ従動子をさらに備え得、このクリップ従動子は、このクリップキャリアの窓およびこの楔プレートの開口部分との選択的な係合のために構成および適合される。このクリップ従動子は、この楔プレートの往復運動の際に、このクリップキャリアに対して遠位方向に、複数のクリップを推進するように構成および適合され得る。
【0028】
ある実施形態において、このクリップアプライアは、この駆動チャネルおよびこの楔プレートに作動可能に接続され、そしてこの押し棒と選択的に係合する、運動逆転機構をさらに備え得る。この駆動チャネルの遠位への並進中の、この運動逆転機構の回転は、この楔プレートおよびこの押し棒の近位への移動を生じる。
【0029】
ある実施形態において、このクリップアプライアは、ラチェット機構をさらに備え得る。このラチェット機構は、この駆動チャネルに関連する、複数のラチェット歯を有するラック;およびこのラックと選択的に係合するための位置に配置された、少なくとも1つの歯を有するつめをさらに備え得る。このつめは、このラックと係合するように付勢され得、この駆動チャネルが長手軸方向に往復運動する場合、これらの複数の歯がこのつめ上を通過する。このつめは、少なくとも1つのハンドルの完全な起動の前に、この駆動チャネルが不注意に戻ることを防止し得る。
【0030】
ある実施形態において、このクリップアプライアは、このチャネルアセンブリの遠位端に配置されたロックアウトをさらに備え得る。このロックアウトは、最後のクリップがこのクリップアプライアから排出されたときに、このクリップ従動子により起動され得る。このロックアウトは、このクリップ従動子により推進されて、この駆動チャネルの通路を横切って延び得、これによって、この駆動チャネルが遠位に移動することを防止する。
【0031】
ある実施形態において、このクリップアプライアは、このハウジングおよびこのチャネルアセンブリのうちの少なくとも一方に支持された、計数器表示機構をさらに備え得る。この計数器表示機構は、少なくとも1つのハンドルの起動ごとに、このクリップアプライアの状態の変化を表示するように構成および適合される。
【0032】
本発明のクリップアプライアは、以下の図面に関連して考慮される場合に以下の詳細な説明からよりよく理解されると、より完全に理解される。
【発明の効果】
【0033】
本発明により、機能性を変化させることなく幾何学的形状のみを変化させることによって、特定の必須構成要素が各異なるサイズのクリップアプライアに対して構成されることができる。
【0034】
さらに、本発明により、構成要素の幾何学的形状を変化させるのみで、全ての異なるサイズのクリップアプライアと類似の様式で機能する単純な内部構成要素に適応するように構成された、外科手術用クリップアプライアが提供される。同時に、低い駆動力で、クリップ押す高い力を損なわない外科手術用クリップアプライアが提供される。そのデバイスのより良好な性能を生じる、より良好な動きおよび力の特徴、ならびにより単純な構成要素が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、本開示の1つの実施形態による外科手術用クリップアプライアの斜視図である。
【
図1A】
図1Aは、搬送楔が適所にある状態で示されている、
図1の外科手術用クリップアプライアの後方斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の外科手術用クリップアプライアの上平面図である。
【
図3】
図3は、
図1および
図2の外科手術用クリップアプライアの側面立面図である。
【
図4B】
図4Bは、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの運動乗算器システムの分解斜視図である。
【
図4F】
図4Fは、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの可聴/触知インジケータの斜視図である。
【
図5】
図5は、非起動状態の外科手術用クリップアプライアを図示する、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの長手軸方向断面図である。
【
図9】
図9は、
図8の9−9を通して見た場合の、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの断面図である。
【
図10】
図10は、上ハウジング半体が取り外されて図示されている、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの斜視図である。
【
図12】
図12は、カバーが取り外されている、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアのチャネルアセンブリの遠位端の上面斜視図である。
【
図13】
図13は、上ハウジング半体および押し棒が取り外されて図示されている、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの上面斜視図である。
【
図14】
図14は、カバーおよび押し棒が取り外されている、
図12のチャネルアセンブリの遠位端の上面斜視図である。
【
図15】
図15は、カバー、押し棒およびクリップキャリアが取り外されている、
図12のチャネルアセンブリの遠位端の上面斜視図である。
【
図16】
図16は、カバー、押し棒、クリップキャリア、外科手術用クリップおよびクリップ従動子が取り外されている、
図12のチャネルアセンブリの遠位端の上面斜視図である。
【
図18】
図18は、上ハウジング半体、押し棒および楔プレートが取り外されて図示されている、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの上面斜視図である。
【
図19】
図19は、カバー、押し棒、クリップキャリア、外科手術用クリップ、クリップ従動子および楔プレートが取り外されている、
図12のチャネルアセンブリの遠位端の上面斜視図である。
【
図20】
図20は、上ハウジング半体、押し棒、楔プレートおよび駆動チャネルが取り外されて図示されている、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの上面斜視図である。
【
図21】
図21は、下ハウジング半体、駆動チャネルおよび楔プレートが取り外されて図示されている、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの底面斜視図である。
【
図22】
図22は、上ハウジング半体が取り外されて、非起動状態で示されている、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの上平面図である。
【
図25】
図25は、上ハウジング半体が取り外され、そして初期起動中で示されている、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの上平面図である。
【
図28】
図28は、外科手術用クリップアプライアの初期起動中の、チャネルアセンブリの遠位端の拡大長手軸方向断面図である。
【
図29】
図29は、上ハウジング半体および押し棒が取り外されて示されており、そして初期起動中で示されている、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの上面斜視図である。
【
図30】
図30は、外科手術用クリップアプライアのさらなる初期起動中のチャネルアセンブリの遠位端の拡大長手軸方向断面図である。
【
図31】
図31は、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアのそれぞれの初期起動中の、可聴/触知インジケータの動作を図示する底面斜視図である。
【
図32】
図32は、上ハウジング半体が取り外され、そして外科手術用クリップアプライアのさらなる起動中で示されている、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの上平面図である。
【
図34】
図34は、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの計数器機構の起動を図示する、拡大断面図である。
【
図36】
図36は、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの最終起動中で示されている、ラチェット機構の拡大図である。
【
図37】
図37は、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの最終起動中のチャネルアセンブリの遠位端を図示する拡大斜視図である。
【
図38】
図38は、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの最終起動中のチャネルアセンブリの遠位端を図示する拡大斜視図である。
【
図39】
図39は、上ハウジング半体が取り外され、そして外科手術用クリップアプライアの起動後の最終状態で示される、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの上平面図である。
【
図42】
図42は、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの起動後の、可聴/触知インジケータの位置を図示する拡大図である。
【
図43】
図43は、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの起動後の顎アセンブリの位置を図示する、顎アセンブリの上平面図である。
【
図44】
図44は、外科手術用クリップアプライアのクリップが適用されて示されている、身体脈管の斜視図である。
【
図45】
図45は、完全な起動後の外科手術用クリップアプライアの開放または解放中の、旋回アームの動作を図示する、
図22、
図25、
図32、および
図39の示される細部領域の拡大図である。
【
図46】
図46は、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの開放または解放中で示される、ラチェット機構の拡大図である。
【
図47】
図47は、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの開放または解放中の、可聴/触知インジケータの動作を図示する拡大図である。
【
図48】
図48は、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの開放または解放中のクリップ従動子の動きを図示する、チャネルアセンブリの長手軸方向断面図である。
【
図49】
図49は、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの開放または解放中のクリップ従動子の動きを図示する、チャネルアセンブリの長手軸方向断面図である。
【
図50】
図50は、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの開放または解放中の押し棒および楔プレートの動きを図示する、チャネルアセンブリの遠位端の長手軸方向断面図である。
【
図51】
図51は、
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアの開放または解放中の押し棒および楔プレートの動きを図示する、チャネルアセンブリの遠位端の長手軸方向断面図である。
【
図52】
図52は、最後の外科手術用クリップの発射後のロックアウト状態にある
図1〜
図4の外科手術用クリップアプライアを図示する、チャネルアセンブリの遠位端の長手軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示に従う外科手術用クリップアプライアの実施形態が、ここで図面を参照しながら詳細に記載される。図面において、同じ参照番号は、類似または同一の構造要素を確認するのに役立つ。図面に示されるように、そして以下の説明全体に記載されるように、慣習的であるように、外科手術用器具における相対位置をいう場合、用語「近位」とは、その装置の使用者に近い方の端部をいい、そして用語「遠位」とは、その装置の使用者から遠い方の端部をいう。
【0037】
図1〜
図5は、本開示の1つの実施形態に従う外科手術用クリップアプライアを図示し、一般に100と表されている。外科手術用クリップアプライア100の構造、動作および組み立て方法の詳細な議論について、米国仮出願番号61/091,467(2008年8月25日出願、発明の名称「Surgical Clip Applier」)および米国仮出願番号61/091,485(2008年8月25日出願、発明の名称「Surgical Clip Applier and Method of Assembly」)が参照され得、これらの各々の全内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0038】
外科手術用クリップアプライア100は、ハンドルアセンブリ102を備える外科手術用器具であり、このハンドルアセンブリは、上ハウジング半体104aおよび下ハウジング半体104bを有するハウジング104を備える。ハンドルアセンブリ102は、ハウジング104に旋回可能に固定されてこのハウジングから外向きに延びる、1対のハンドル106をさらに備える。チャネルアセンブリ108が、ハウジング104にしっかりと固定され、そしてこのハウジングから外向きに延び、顎部材110で終わる。
【0039】
図1〜
図4に見られるように、クリップアプライア100のハウジング半体104aおよび104bは、互いにスナップばめ係合によって一緒に嵌まる。ハウジング104は、以下でより詳細に議論されるように、計数器機構を支持および表示するための、下ハウジング半体104bに形成された窓104cを規定する。ハウジング104は、適切なプラスチック材料から形成される。
【0040】
図4に見られるように、ハンドル106は、下ハウジング半体104bからそれぞれの開口部分106a(ハンドル106に形成される)内へと延びるハンドル旋回ポスト104dによって、ハウジング104に固定される。ハンドルアセンブリ102は、それぞれのハンドル106に形成された旋回点106bにおいて、各ハンドル106に旋回可能に接続されたリンク部材122を備える。各リンク部材122の遠位端122aは、駆動チャネル140に形成された旋回点140aに、駆動ピン124を介して旋回可能に接続される。駆動ピン124の各端部は、上ハウジング半体104aおよび下ハウジング半体104bにそれぞれ形成された細長チャネル104eにスライド可能に受容される。使用において、以下にさらに詳細に議論されるように、ハンドル106が握られると、リンク部材122が駆動ピン124を介して駆動チャネル140を遠位に押す。
【0041】
チャネルアセンブリ108は、チャネルまたはカートリッジカバー130および外チャネルまたは下チャネル132を備え、各々が、上ハウジング半体104aと下ハウジング半体104bとの間で、ハウジングアセンブリ102内に保持される近位端を有する。カートリッジカバー130は、少なくとも1つの保持要素130aを備え、この保持要素は、外チャネル132に提供された相補的または対応する保持要素132aにスナップばめの係合で選択的に係合するように、構成および適合される。
【0042】
図4および
図6〜
図12に見られるように、クリップアプライア100は、カートリッジカバー130の下方にスライド可能に配置されたクリップ押し棒160を備える。押し棒160は、プッシャー160cを規定する遠位端160aを備え、このプッシャーは、外科手術用クリップアプライア100に格納された最遠位のクリップ「C
1」を選択的に係合/移動するように構成および適合される。押し棒160は、近位端160bをさらに備え、この近位端は、第一の近位窓160dおよび第二の近位窓160hを規定する。第一の近位窓160dは、内部に駆動ピン124をスライド可能に受容するための構成にされ、そして第二の近位窓160hは、内部に固定ロッド154aをスライド可能に受容するための構成にされる。押し棒160は、以下でより詳細に議論されるように、安定器162との作動可能な係合のための遠位窓160eおよび近位窓160gをさらに規定する。押し棒160は、以下にさらに詳細に記載されるように、遠位連結部材158のスライドポスト158cを受容するように構成された開口部分160fをさらに備える。
【0043】
クリップアプライア100は、押し棒160の上に重なって係合するように構成された安定器162をさらに備える。安定器162は、押し棒160の遠位窓160eに係合するように構成された遠位タブ162a、ならびに押し棒160に形成された近位窓160dおよび160hの上にそれぞれ実質的に重なって位置合わせされる位置に規定された細長窓162bおよび160dを備える。
図4および
図6に見られるように、安定器162は、近位位置および遠位位置においてその頂表面から延びる複数のタブ162eをさらに備え、これらのタブは、上ハウジング半体104aに形成されたそれぞれのチャネル内に受容されるための構成および寸法にされる。安定器162は、押し棒160の開口部分160fの上に重なる開口部分162fをさらに備える。開口部分160fと162fとの両方は、遠位連結部材158のスライドポスト158cを受容するように構成される。
【0044】
図4、
図4A、
図4B、および
図24に見られるように、クリップアプライア100は、3棒連結システムの形態の運動乗算器システム155をさらに備え、この運動乗算器システムは、近位連結部材154を有し、この近位連結部材は、ハウジング104内に旋回可能に支持され、そして旋回駆動アーム156を介して駆動チャネル140に作動可能に接続される。旋回駆動アーム156は、ピン156aにより、開口部分156bを介してハウジング104に旋回可能に接続される。分銅乗算器システム155は、近位連結部材154と押し棒160とを相互接続する遠位連結部材158をさらに備える。長手方向軸「x1」が、近位連結部材154の固定ロッド154aおよび遠位連結部材158のスライドポスト158cを通って延びる軸に沿って規定される。長手方向軸「x1」の、旋回駆動アーム156がある側は、第一の側を規定し、そして長手方向軸「x1」の他方の側が第二の側を規定する。この第一の側において、近位連結部材154は、長手方向軸「x1」に対して角度「α」で旋回可能に配向する(
図24に示されるように)。この第二の側において、近位連結部材154は、長手方向軸「x1」に対して角度「−α」で旋回可能に配向する(
図35に示されるように)。本質において、近位連結部材154が角度「α」と角度「−α」との間に配向する場合、その角度は0°であり、その結果、近位連結部材154は、長手方向軸「x1」と整列する(
図27に示されるように)。この構成において、以下でより詳細に議論されるように、近位連結部材154は、遠位連結部材158ともまた整列する。旋回駆動アーム156は、駆動チャネル140により固定および駆動される旋回ピン156aを介して、旋回可能に支持される。長手方向軸「x2」が、駆動チャネル140に沿って延びる軸に沿って規定される。この様式で、旋回駆動アーム156は、長手方向軸「x2」に対して角度「β」で旋回可能に配向する(
図24に示されるように)。
【0045】
近位連結部材154は、ハブ154bを備え、このハブは、このハブを通して固定ロッド154aを受容するように構成され、その結果、近位連結部材154とハウジング104との間に旋回可能な接続が確立される。近位連結部材154はまた、近位開口部分154cおよび遠位開口部分154dを備える。近位開口部分154cは、旋回駆動アーム156の駆動ポスト156cを受容するように構成され、この旋回駆動アームは、以下でより詳細に議論されるように、近位連結部材154を回転様式で選択的に駆動する。遠位開口部分154dは、遠位連結部材158の開口部分158bを介して結合ピン158aを受容するように構成され、この結合ピンは、近位連結部材154を遠位連結部材158に旋回可能に結合する。遠位連結部材158は、押し棒160の開口部分160fおよび安定器162の開口部分162fとスライド可能に接続される、ポスト158cをさらに備える。遠位連結部材158は、スライドポスト158cを介して、押し棒160および安定器162の近位方向および遠位方向への並進を引き起こす。
【0046】
クリップアプライア100は、チャネルアセンブリ108の内部であって押し棒160の下方に配置される、クリップキャリア170をさらに備える。クリップキャリア170は、ほぼ箱様の構造であり、上壁170a、1対の側壁170bおよび下壁170cを有し、このクリップキャリアを通るチャネル170dを規定する。クリップキャリア170は、間隔を空けた複数の窓172を備え、これらの窓は、上壁170aに形成され、そしてこの上壁の長さに沿って長手軸方向に延びる。クリップキャリア170は、(
図9に示されるような)細長窓170eを備え、この細長窓は、下壁170cに形成され、そしてこの下壁の長さに沿って長手軸方向に延びる。
【0047】
図4H〜
図4Jに見られるように、外科手術用クリップ「C」は、第一のレッグ「C
2」および第二のレッグ「C
4」を備える。外科手術用クリップ「C」のレッグ「C
2」および「C
4」の各々は、互いに接続されて頂点「C
14」を形成する。外科手術用クリップ「C」の頂点「C
14」は、
図4H〜
図4Iに示されるような、ほぼV字型の構成を有する。外科手術用クリップ「C」の第一のレッグ「C
2」はさらに、内壁に把持パターン「C
6」を備え、この把持パターンは、複数の凹部「C
8」を規定する。外科手術用クリップ「C」の第二のレッグ「C
4」は、外壁に複数のくぼみ「C
10」を備え、そして内壁に複数の突出部「C
12」を備える。外科手術用クリップ「C」が組織に適用される場合(クリップ「C」の組織への適用は以下により詳細に記載される)、レッグ「C
2」および「C
4」は一緒になり、その結果、複数のくぼみ「C
10」および複数の突出部「C
12」が、間に組織を把持して保持する。外科手術用クリップ「C」のより詳細な議論については、共有に係る米国特許出願公開第2007/0173866号(2006年1月23日出願、発明の名称「Surgical Hemostatic Clip」、その全内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
【0048】
図4、
図9および
図14に見られるように、外科手術用クリップ「C」のスタックが、クリップキャリア170のチャネル170d内に、このチャネル内および/またはこのチャネルに沿ってスライドするような様式で、装填および/または保持される。チャネル170dは、複数の外科手術用クリップ「C」のスタックを、内部で先端から後端への様式でスライド可能に保持するような構成および寸法にされる。
【0049】
図12および
図14に見られるように、クリップキャリア170の遠位端は、間隔を空けた1対の弾性タング171を備える。タング171は、キャリア170内に保持された外科手術用クリップ「C」のスタックの最遠位の外科手術用クリップ「C
1」のバックスパンを選択的に係合するように構成および適合される。
【0050】
図4、
図4E、
図7および
図15に見られるように、クリップアプライア100は、クリップキャリア170のチャネル170d内にスライド可能に配置されたクリップ従動子174をさらに備える。以下でより詳細に議論されるように、クリップ従動子174は、外科手術用クリップ「C」のスタックの後ろに配置され、そしてクリップアプライア100の起動中にクリップ「C」のスタックを前方に推進するために提供される。以下により詳細に記載されるように、クリップ従動子174は、楔プレート180の前後に往復する動きによって起動される。
【0051】
図4Eおよび
図7に見られるように、クリップ従動子174は、面を規定する本体部分174a、本体部分174aから実質的に上方および後方に延びる遠位タブ175、ならびに本体部分174aから実質的に下方および後方に延びる近位タブ176を備える。遠位タブ175は、本体部分174aにより規定される面より下に下方に延びる遠位部分175a、および本体部分174aにより規定される面より上に上方に延びる近位部分175bを備える。
【0052】
遠位タブ175の近位部分175bは、クリップキャリア170の上壁170aに形成された窓172を選択的に係合するような構成および寸法にされる。使用において、クリップ従動子174の遠位タブ175の近位部分175bの、クリップキャリア170の上壁170aに形成された窓172内への係合は、クリップ従動子が近位方向に移動することを防止する。
【0053】
近位タブ176は、楔プレート180に形成された窓180bを選択的に係合するような構成および寸法にされる。使用において、楔プレート180に形成された窓180b内へのクリップ従動子174の近位タブ176の係合は、楔プレート180の遠位への移動の際に、クリップ従動子174が遠位に前進または移動することを可能にする。
【0054】
図4、
図7〜
図9、
図16および
図17に見られるように、クリップアプライア100は、ハンドルアセンブリ102およびチャネルアセンブリ108内にスライド可能に配置された楔プレート180をさらに備える。楔プレート180は、クリップキャリア170の下方に位置付けまたは配置される。楔プレート180は、顎120の間への選択的な作動可能配置のための、実質的にテーパ状の遠位端180aを備える。楔プレート180は、その長さに沿って長手軸方向に延びてその隆起セクションに形成された間隔を空けた複数の窓または開口部分180b、開口部分180bの遠位に位置する遠位窓または開口部分180c、および開口部分180の近位に位置する最近位の並進可能に配向されたスロット180dを規定する。
【0055】
図4、
図8、
図16および
図17に見られるように、クリップアプライア100は、カートリッジカバー130により支持される遠位ロックアウト178を備える。遠位ロックアウト178は、テールまたはタブ178aを備え、このテールまたはタブは、実質的に後方および下方に延び、そして楔プレート180の遠位窓または開口部分180c内への受容のための構成および寸法にされる。
【0056】
図4、
図4C、
図4D、
図6、
図11、
図13、
図18および
図20に見られるように、クリップアプライア100は、ハウジング104の下ハウジング半体104bに旋回可能に支持された、旋回アーム179の形態の楔プレート運動逆転機構を備える。この楔プレート運動逆転機構は、駆動チャネル140の並進を、楔プレート180の逆並進に伝達するためのものである。旋回アーム179は、ハウジング104への旋回可能な接続のために構成された旋回ボス179a、旋回アーム179の一端に提供されて旋回ボス179aとは逆の方向に延びる第一のステムまたはフィンガー179b、ならびに旋回アーム179の第二の端部に提供されて第一のステムまたはフィンガー179bおよび旋回ボス179aと同じ方向に延びる第二のステムまたはフィンガー179cを備える。第一のステムまたはフィンガー179bは、楔プレート180の最近位のスロット180d内への係合のために構成および適合される。第二のステムまたはフィンガー179cは、駆動チャネル140に形成されたスロット140g内への係合のために構成され、駆動チャネル140に規定された窓140g内に接続される。スロット140gは、長手軸方向に延びる遠位部分および長手軸方向に延びる近位部分、ならびにこの遠位部分と近位部分とを相互接続する横断部分を備え、この遠位部分および近位部分は、互いに軸方向および横方向にずれている。
【0057】
使用において、以下でより詳細に議論されるように、駆動チャネル140が遠位に移動させられると、滞留期間(すなわち、駆動チャネル140のスロット140gの長手軸方向に延びる遠位部分の長さ)の後に、第二のステムまたはフィンガー179cが遠位方向に移動させられ、旋回アーム179を回転させ、これによって、第一のステムまたはフィンガー179bを第二の方向に移動させる。第一のステムまたはフィンガー179bが第二の方向に移動させられると、第一のステムまたはフィンガー179bは、楔プレート180を、顎120の間から引き出して推進する。楔プレート180が遠位方向に移動させられると、
図17に見られるように、楔プレート180の遠位端180aが顎120の内側表面にカム作用し、これによって、顎120を互いから間隔を空けた状態に維持する。
【0058】
図4、
図6〜
図11、
図13、
図18および
図19に見られるように、クリップアプライア100は、駆動チャネル140を備え、この駆動チャネルは、ハンドルアセンブリ102のハウジング104とチャネルアセンブリ108との間に往復運動可能に支持されてこれらの間に延びる。駆動チャネル140の近位端は、ハウジング104の上ハウジング半体104aと下ハウジング半体104bとの間に支持され、そして駆動チャネル140の遠位端は、チャネルアセンブリ108のカートリッジカバー130と外チャネル132との間に、楔プレート180より下の位置で支持される。
【0059】
駆動チャネル140の遠位端は、実質的にU字型のチャネルであり、外チャネル132から離れてカートリッジカバー130に向かう方向にそのバックスパン140cから延びる、間隔を空けた1対の側壁140bを備える。駆動チャネル140は、駆動ピン124を旋回可能に受容するための、バックスパン140cに形成された駆動ピン凹部140aをさらに規定する。駆動チャネル140は、駆動ピン凹部140aの遠位の位置でバックスパン140cから突出するリブ140eをさらに規定する。駆動チャネル140は、スロット140eの遠位の位置でバックスパン140cに形成された往復運動制限スロット140fをさらに規定する。
【0060】
図4、
図8、
図9、
図12、
図14〜
図16、および
図19に見られるように、クリップアプライア100は、駆動チャネル140に固定された駆動チャネルストラップ143を備える。ストラップ143は、駆動チャネル140の直立部140bを横切って延びるように、この直立部に固定される。ストラップ143は、往復運動制限スロット140fより遠位の位置で、駆動チャネル140に固定される。ストラップ143は、楔プレート180がストラップ143より下であって顎120より上に延びるように、駆動チャネル140に固定される。
【0061】
図4、
図4F、
図6、
図10および
図21に見られるように、クリップアプライア100は、駆動ピン124を介して駆動チャネル140に固定された可聴/触知インジケータ148をさらに備える。インジケータ148は、弾性フィンガー148aおよび1対のボス140bを備える。使用において、以下により詳細に記載されるように、クリップアプライア100が起動されて駆動チャネル140が往復運動させられると、インジケータ148の第一の弾性フィンガー148aが、クリップアプライア100に提供された対応する相補的な構造体または棚149と相互作用して、可聴フィードバックおよび/または触知フィードバックを使用者に生じる。インジケータ148のボス148bは、上ハウジング半体140aに形成されたチャネル104e内に載り、そしてインジケータ148に対する支持を提供して、インジケータ148が回転することを防止する。
【0062】
図4、
図6、
図10、
図11、
図13、
図18および
図20に見られるように、クリップアプライア100は、駆動チャネル140の近位端とハウジング104との間に作動可能に固定された、引張りばねの形態の付勢部材146をさらに備え、この付勢部材は、駆動チャネル140を引き込まれた位置または最近位の位置に維持する傾向がある。付勢部材146は、顎120の間に配置されたクリップ「C」の形成後に、駆動チャネル140を引き込むように、または駆動チャネル140の引き込みを容易にするように、機能する。
【0063】
図4、
図4G、
図11、
図13、
図18および
図20に見られるように、駆動チャネル140の近位端は、駆動ピン124に固定されて駆動チャネル140と一緒に移動可能なラチェットラック部材141を備える。ラチェット部材141は、固定ロッド154aをスライド可能に受容するためのスロット141bを備える。ラチェット部材141は、その近位端から延びるタブ141cをさらに備え、このタブは、下ハウジング半体104b内でスライドにより往復運動する。ラチェットラック部材141は、ハウジング104内に支持されたラチェットつめ142と係合するように構成および適合される。ラック部材141およびラチェットつめ142は、ラチェット機構144を規定する。使用において、駆動チャネル140が軸方向位に移動させられると、ラック部材141もまた移動させられる。ラック部材141は、一連のラック歯141aを規定し、この一連のラック歯は、駆動チャネル140が最近位の位置または最遠位の位置に達する際に、ラック部材141が近位移動と遠位移動との間を変更する場合に、つめ142が逆転してラック部材141上を後方に進むことを可能にする長さを有する。
【0064】
つめ142は、つめ142がラック部材141と実質的に作動可能な係合する位置で、つめピン147によって下ハウジング半体104bに旋回可能に接続される。つめ142は、ラック部材141、および次に、駆動チャネル140の長手軸方向の移動を制限するように、ラック部材141と係合可能である。ラチェット機構144は、つめ142をラック部材141と作動可能に係合させるように付勢するように構成および配置された、つめばね145をさらに備える。つめばね145は、つめ142の歯をラック部材141の歯141aと係合させて維持するように、そしてつめ142を回転位置または傾斜位置に維持するように、機能する。
【0065】
図1〜
図4、
図8、
図10、
図12、
図14〜
図17および
図19に見られるように、クリップアプライア100は、1対の顎120を備え、これらの顎は、チャネルアセンブリ108の遠位端に設置され、そしてハンドルアセンブリ102のハンドル106により起動可能である。顎120は、適切な生体適合性材料(例えば、ステンレス鋼またはチタン)から形成される。
【0066】
顎120は、駆動チャネル140の往復運動制限スロット140fを通って延びる1つ以上の鋲120cなどを介して駆動チャネル140の遠位端に設置され、その結果、顎120は、外チャネル132および駆動チャネル140に対して長手軸方向に静止している。
図12、
図14、
図17および
図19に見られるように、顎120は、外科手術用クリップ「C
1」の受容のためのチャネル120aを、これらの顎の間に規定する。
【0067】
図1〜
図4、
図6、
図11、
図13および
図20に見られるように、クリップアプライア100は、ハンドルアセンブリ102のハウジング104内に支持された計数器機構190をさらに備える。計数器機構190は、ディスプレイ192、プロセッサ194、およびバッテリなどの形態のエネルギー源198を備える。ディスプレイ192は、クリップアプライア100の1つ以上の作動パラメータを外科医に表示する、液晶ディスプレイである。表示される作動パラメータは、残りのクリップの量または数、使用されたクリップの数、位置パラメータ、使用の外科手術時間、あるいはその手順の他の任意のパラメータであり得る。
【0068】
計数器機構190は、PVCから作製されたタブ192aを備え、このタブは、バッテリまたはエネルギー源198とプロセッサ194の端子194aとの間、あるいはプロセッサ194の端子194a間に配置されて、バッテリまたはエネルギー源198が保存中に消耗することを防止する。
図1Aおよび
図1Bに見られるように、タブ192aは、クリップアプライア100のハウジング104からのこのタブの容易な取り外しを可能にする目的で、このハウジングの外に延びる。一旦、タブ192aが取り外されると、バッテリまたはエネルギー源198がプロセッサ194の端子194aと電気的に接触するか、またはプロセッサ194の端子194a間を電気的に接触させる。
【0069】
計数器機構190は、駆動チャネル140に形成されたナブ140eにより起動される。使用において、
図36に見られるように、駆動チャネル140が前方に駆動されると、そのナブ140eが端子194aを係合して、端子194aに回路を完成させ、そしてプロセッサ194が機能を実施する(例えば、ディスプレイ192に表れる数字を所定の増分または値だけ減少させる)ように誘発する。
【0070】
図1Aおよび
図1Cに見られるように、クリップアプライア100は、ハウジング104に支持されてハンドル106間に配置された搬送楔200を備える。搬送楔200は、クリップアプライア100の搬送および/または保存中に、ハンドル106を間隔を空けて、すなわち握られない状態に維持するように機能する。搬送楔200は、計数器機構190のタブ190aに接続され、その結果、最終使用者がクリップアプライア100を使用する目的で、この最終使用者は、搬送楔200を取り外さなければならず、これによってまた、計数器機構190を起動させるために、タブ192aを取り外す。
【0071】
図1Aおよび
図1Cに見られるように、搬送楔200は、カラーの形態の本体部分202を備え、この本体部分は、ハウジング104の一部分を受容するための構成および寸法にされた通路204を規定する。搬送楔200は、直立部206を備え、この直立部は、本体部分202の両側から外向きに延び、そして内部にハンドル106を受容するように構成される。搬送楔200は、直立部206の両側から内向きに延びるタブ208をさらに備える。搬送楔200のタブ208は、搬送楔200がクリップアプライア100に適切に固定される場合に、ハンドル106と係合するような構成および寸法にされる。
【0072】
図22〜
図53を参照して、クリップアプライア100の作動が提供される。クリップアプライア100のハンドル106を最初に握る前に、
図22〜
図24に見られるように、クリップアプライア100の内部構成要素は、いわゆる「ホーム」位置または「開始」位置にある。より具体的には、この「ホーム」位置において、駆動ピン124は、最近位の位置に位置し、つめ142は、駆動チャネル140のラック140dより遠位に位置し、旋回アーム179の第二のフィンガー179cは、駆動チャネル140の窓140gの遠位である最遠位の位置に位置し、その結果、楔プレート180が最遠位の位置に位置し、そしてクリップ「C」はいずれも、顎120内に位置しない。駆動ピン124は最近位の位置にあるので、押し棒160、安定器162、および駆動チャネル140もまた、最近位の位置にある。
【0073】
図24に見られるように、駆動チャネル140および押し棒160がその最近位の位置にある場合、旋回駆動アーム156の駆動ポスト156cは、最近位の位置に位置し、そしてインジケータ148の第二の弾性フィンガー148bは、下ハウジング半体104bに形成された縁部149より近位に位置する。ある実施形態において、インジケータ148をわずかに改変すると、縁部149は、上ハウジング半体104a内に形成され得る。この「ホーム」位置において、近位連結部材154の角度「α」は、約45°〜約60°の範囲であり得、一方で、旋回駆動アーム156の角度「β」は、約20°〜約25°の範囲であり得る。また、クリップアプライア100のハンドル106を最初に握る前に、楔プレート180が最遠位の位置に位置する状態で、その遠位端180aは、顎120の間に存在する。
【0074】
図22、
図24および
図24Aに見られるように、この「ホーム」位置においてまた、遠位連結部材158の結合ピン158aは、長手方向軸「x1」の第一の側に位置する。
【0075】
以下の等式は、「ホーム」位置にある運動乗算器システム155の力学を計算するために使用される。この「ホーム」位置は、押し棒160が「ホーム」位置(すなわち、最近位の位置)にある場合(例えば、「α」が約60°である場合)に直接関連する。
【0076】
XP=(2)(L1)(cos α)−(L1) (1)
この式において、
図24Aに示されるように、距離「XP」は、スライドポスト158cが移動する距離であり、そして長さ「L1」は、近位連結部材154および遠位連結部材156の長さである。
【0077】
XD=(B)+(C)(cos α)−(L2)(cos β) (2)
この式において、
図24Aに示されるように、距離「XD」は、旋回駆動アーム156の旋回ポスト156aが長手方向軸「x2」に沿って移動する距離であり、距離「B」は、長手方向軸「x1」に沿って測定された、旋回駆動アーム156の旋回ピン156aと近位連結部材154の固定ロッド154aとの間の距離であり、距離「C」は、近位連結部材154の固定棒154aと旋回駆動アーム156の駆動ポスト156cとの間の距離であり、そして長さ「L2」は、旋回ポスト156aから駆動ポスト156cまで測定した、旋回駆動アーム156の長さである。
【0078】
最初に握る前にまた、クリップ「C」はいずれも、顎120内に存在しない。クリップ「C」は、ハンドル106を最初に握る間に、顎120内に最初に装填される。
図25〜
図33に見られるように、ハンドル106を最初に握る間(すなわち、作業行程)、リンク部材122の遠位端122aがハウジング104に対して遠位に移動する。リンク122の遠位端122aが遠位に移動させられると、駆動ピン124が遠位に移動させられ、これによって、遠位の軸方向移動を駆動チャネル140へと伝達する。
【0079】
引き続いて、
図25〜
図31に見られるように、駆動チャネル140が遠位に移動させられると、運動乗算器システム155が「ホーム」位置から初期起動位置へと移動する。より具体的には、駆動チャネル140が遠位方向に前進し、これが次に、旋回駆動アーム156を遠位方向に移動させる。すなわち、旋回駆動アーム156が旋回して近位連結部材154を角度「β」が(例えば、約22°から約45°であるがこれに限定されない)増加するような方向に回転するように駆動する。この様式で、角度「β」が増加する場合、近位連結部材154が近位連結部材154の固定ロッド154aの周りで回転させられ、これが次に、遠位連結部材158の駆動ポスト158cを、安定器162のスロット162bおよび押し棒160の近位窓160dに沿って遠位に駆動する。遠位連結部材158の駆動ポスト158cが遠位に駆動されると、遠位連結部材158の駆動ポスト158cが押し棒160を遠位方向に駆動する。
【0080】
図25、
図32および
図33に見られるように、ハンドル106を最初に握る間、インジケータ148は、駆動チャネル140の遠位への移動と一緒に遠位に移動する。使用において、インジケータ148は、可聴クリック音および/または触知振動を生じるように機能し、これによって、外科手術用クリップアプライア100のハンドル106が行程の少なくとも一部分を通ったことを使用者に知らせる。具体的には、
図32および
図33に見られるように、ハンドル106が起動されると、可聴/触知インジケータ148の第一の弾性アーム148aが、上ハウジング半体104aおよび下ハウジング半体104bのうちの少なくとも一方に形成された棚149に載り、そして/またはこの棚に沿い、これによって固定される。可聴/触知インジケータ148のアーム148aが棚149の近位端に達すると、弾性アーム148aが棚149の近位端にスナップし、そして棚149の表面149aと接触し、これによって、弾性アーム148aが棚149の表面149aと接触する際に、第一の可聴音および触知振動を生じる。可聴/触知インジケータ148の第一の指標は、クリップ「C」が適切に装填されたことを使用者に知らせる。
【0081】
図28および
図30に見られるように、ハンドル106を最初に握る間にまた、押し棒160が遠位方向に移動させられると、そのプッシャー160cが最遠位のクリップ「C
1」のバックスパンに係合し、そして最遠位のクリップ「C
1」をクリップキャリア170から出して顎120に入れるように遠位に移動または推進し始める。最遠位のクリップ「C
1」が遠位に移動させられると、クリップキャリア170のタング171が、撓むかまたはカム作用で最遠位のクリップ「C
1」との係合から外れ、そしてその撓んでいない状態またはカム作用されていない状態まで戻り、クリップ「C」のスタックのうちの引き続くクリップを捕捉する。ハンドル106を最初に握る間、押し棒160は、最遠位のクリップ「C
1」を顎120のチャネル120a内に配置するために充分な量だけ前進する。
【0082】
図27および
図31に見られるように、ハンドル106を最初に握る間にまた、駆動チャネル140が遠位方向に移動させられると、ラチェット機構144のラック部材141が遠位に移動させられ、その歯141aをつめ142の歯と係合させるように移動させ、そしてこのつめの歯と重なるかまたは交差する。一旦、ラチェット機構144のラック部材141がつめ142と係合するように移動させられると、ラック部材141がつめ142を越えるまで、駆動チャネル140は、そのホーム位置または最近位の位置に戻り得ない。
【0083】
ハンドル106を最初に握る間、
図25〜
図33に見られるように、駆動チャネル140は、旋回アーム179のフィンガー179cが駆動チャネル140のスロット140gの横断部分により係合される(すなわち、滞留時間)まで、遠位に移動させられる。一旦、スロット140gの横断部分が旋回アーム179のフィンガー179cと当接すると(すなわち、滞留時間が終わった後)、駆動チャネル140のさらなる遠位への移動は、フィンガー179cを移動させ、そして旋回アーム179を回転させる。旋回アーム179の回転は、そのフィンガー179bの移動を引き起こし、これは次に、楔プレート180を近位方向に引かせ、これによって、その遠位端180aを顎120の間から引き抜き、そして顎120が最終的に閉じるかまたは近接することを可能にし、これによって、顎120が最終的に閉じるかまたは近接することを可能にする。
【0084】
一旦、旋回アーム179の必要とされる回転が達成されると、旋回アーム179は、旋回アーム179のフィンガー179cが駆動チャネル140のスロット140gの近位部分を通って載るように、回転を止める。旋回アーム179のフィンガー179cは、駆動チャネル140の行程が完了するまで、駆動チャネル140のスロット140gの近位部分内に残る。
【0085】
図25〜
図31に見られるように、ハンドル106をさらに握る間、上記のように、旋回アーム156が角度「β」が45°になる位置に達するまで、押し棒160が駆動チャネル140と一緒に遠位に移動する。この構成において、近位連結部材154および遠位連結部材158は、長手方向軸「x1」に沿って整列し、その結果、その間の角度「α」が約0°になる。
【0086】
以下の等式は、「完全に延長した」位置にある場合の運動乗算器システム155の力学を計算するために使用される。この「完全に延長した」位置は、押し棒160が「完全に延長した」位置(すなわち、最遠位の位置)にある場合(例えば、角度「α」が約0°である場合)に直接関連する。
【0087】
XE=(B)+(C)−(L2)(cos β
0) (3)
この式において、距離「XE」は、駆動チャネル140の長手方向軸「x2」に沿って測定した、旋回駆動アーム156の旋回ピン156aの「ホーム」位置と旋回駆動アーム156の旋回ピン156aの「完全に延長した」位置との間の距離であり、距離「B」は、長手方向軸「x1」に沿って測定した、旋回駆動アーム156の旋回ピン156aと近位連結部材154の固定ロッド154aとの間の距離であり、距離「C」は、遠位連結部材158の結合ピン158cと旋回駆動アーム156の駆動ポスト156cとの間の距離であり、長さ「L2」は、旋回ポスト156aから駆動ポスト156cまで測定した、旋回駆動アーム156の長さであり、そして角度「β
0」は、角度「α」が約0°である場合の角度「β」の「完全に延長した」位置での角度である。この場合、旋回駆動アームの156の角度「β
0」は、上に記載され
図27Aに示されるように、約45°である。
【0088】
図31に見られるように、駆動チャネル140がさらに遠位に前進させられると、駆動チャネル140は、インジケータ148の弾性フィンガー148aを棚149の近位端を越えて引くかまたは曲げる。この様式で、外科手術用クリップ「C」が適切に装填されたことを使用者に示す、第一の指標(すなわち、可聴および/または触知)が生じる。
【0089】
図25および
図27に見られるように、「完全に延長した」位置においてまた、近位連結部材154および遠位連結部材158は、長手方向軸「x1」と整列し、そして/または平行になる。
【0090】
ここで
図32〜
図35を参照すると、ハンドル106をさらに握る間、リンク部材122の遠位端122aは、ハウジング104に対してさらに遠位に移動させられる。リンク部材122の遠位端122aがさらに遠位に移動させられると、駆動ピン124がさらに遠位に移動させられ、これによって、遠位への軸方向移動を駆動チャネル140に伝達する。
【0091】
図32、
図33、および
図35に見られるように、ハンドル106が引き続き握られると、旋回駆動アーム156が遠位方向に移動し続け、その結果、旋回駆動アーム156と駆動チャネル140の長手方向軸「x2」との間の角度「β」が、駆動チャネル140が遠位方向に移動するにつれて約90°まで引き続き増加する。この動きはまた、近位連結部材154(すなわち、第一の側に位置する)を、長手方向軸「x1」に関して中心を越えて第二の側まで旋回または移動させ、その結果、近位連結部材154間の角度が、長手方向軸「x1」に対して角度「−α」まで旋回により配向する(
図35に示されるように)。この様式で、近位連結部材154が長手方向軸「x1」の周りで回転すると、角度「−α」が約0°から約60°まで減少し、遠位連結部材158を近位方向に移動させる。この構成において、遠位連結部材158のスライドポスト158cが近位方向にスライドし、これは次に、押し棒160および安定器162をスライドさせて、引き込まれた位置または「安全」位置まで戻す。この「安全」位置において、クリップアプライア100の他の構成要素(例えば、駆動棒140)は、依然として遠位方向に移動し、その結果、クリップ「C」が顎部材120の間で形成され得る。しかし、この「安全」位置において、押し棒160は、近位位置まで安全に引き込まれ、その結果、顎部材120が互いの方向に近接させられる場合に、押し棒160はクリップアプライア100を妨害しない。
【0092】
以下の等式は、「安全」位置にある場合の運動乗算器システム155の力学を計算するために使用される。この「安全」位置は、上で議論されたように、押し棒160が安全な引き込まれた位置(すなわち、最近位の位置)にあり、一方で、クリップアプライア100の他の構成要素(例えば、ハンドル106)が依然として作業行程にある場合に、直接関連する。
【0093】
(L2)−(C)(sin(−α))=A (4)
この式において、
図42Bに示されるように、長さ「L2」は、旋回ポスト156aから駆動ポスト156cまで測定した、旋回駆動アーム156の長さであり、距離「C」は、長手方向軸「x1」に沿って測定した、遠位連結部材158の結合ピン158cと旋回駆動アーム156の駆動ポスト156cとの間の距離であり、そして距離「A」は、長手方向軸「x1」に直交する参照軸に沿って測定された、近位連結部材154の固定ロッド154aと旋回駆動アーム156の旋回ピン156aとの間の距離である。
【0094】
図32〜
図38を続けて参照すると、ハンドル106をさらに握る間、タブ192aが計数器機構190から取り外された状態で、駆動チャネル140が遠位に前進させられると、そのナブ140eがプロセッサ194の端子194aに係合し、これによって回路を閉じ、そしてプロセッサ194に上記のような機能を実行させる。
【0095】
ここで
図39〜
図44を参照すると、ハンドル106を最後に握る間のクリップアプライア100が図示されている。この状態で、駆動チャネル140は遠位位置にあり、押し棒160は遠位位置にあり、楔プレート180は近位位置にあり、付勢部材146は伸びており、そしてつめ142はラック140dより近位に位置する。
【0096】
さらに、
図43に見られるように、楔プレート180の遠位端180aが顎部材120の間から取り外された状態で、駆動チャネル140がさらに遠位に移動させられると、駆動チャネル140の遠位縁部および/または駆動チャネルストラップ143が顎120のカム作用表面120bに対して係合し、これによって、顎120を互いの方へと近接させて、これらの顎部材の間に配置された外科手術用クリップ「C
1」を形成させる。駆動チャネルストラップ143は、駆動チャネル140に固定されてこの駆動チャネルと一緒に移動するので、駆動チャネルストラップ143は、顎120の近接中に顎120を駆動チャネル140内に維持し、そしてクリップアプライア100の作動中に楔プレート180を駆動チャネル140内に維持するように、駆動チャネル140をキャップするように機能する。
【0097】
図44に見られるように、外科手術用クリップ「C
1」は、脈管「V」または他の任意の生物学的組織上に形成またはクリンプされ得る。
【0098】
駆動チャネル140は、押し棒160のスロット160dを通るインジケータ148のボス148bの並進に起因して、押し棒160に対して遠位に移動することが可能にされる。
【0099】
また、駆動チャネル140が完全に遠位に移動させられると、
図41に見られるように、ラチェット機構144のラック部材141が、つめ142を越えた位置まで遠位に移動し、その結果、ラック部材141の歯141aがつめ142の歯より遠位に移動し、これによって、ラック部材141とつめ142とを互いから脱係合させる。この様式で、駆動チャネル140は、ホーム位置または最近位の位置まで戻ることを可能にされるか、または自由に戻る。
【0100】
図42に見られるように、駆動チャネル140が遠位に移動させられると、可聴/触知インジケータ148の弾性アーム148aが棚149の遠位端にスナップし、そして棚149の表面149aと接触し、これによって、可聴音および/または触知振動を生じる。このような可聴音および/または触知振動は、外科手術用クリップ「C」の装填と同時に起こる。
【0101】
ここで
図45〜
図52を参照すると、ハンドル106の開放または解放中に、リンク部材122の遠位端122aは、ハウジング104に対して近位に移動させられる。リンク部材122の遠位端122aが近位に移動させられると、駆動ピン124が近位に移動させられ、これによって、近位への軸方向移動を駆動チャネル140へ、そして次に、押し棒160へと伝達する。駆動チャネル140の近位への移動は、付勢部材146の収縮により容易にされる。あるいは、ハンドル106の解放の結果として、付勢部材146が駆動チャネル140を近位方向に引く。
【0102】
駆動チャネル140が近位に移動させられると、駆動チャネル140の遠位縁部および/または駆動チャネルストラップ143が顎120のカム作用表面120bから脱係合し、これによって、楔プレート180の遠位端180aの再挿入のため、および別の外科手術用クリップ「C」を間に受容するために、顎120を互いからの分離のために自由にする。具体的には、駆動チャネル140が近位に移動させられると、スロット140gの横断部分がフィンガー179cに作用して、旋回アーム179を回転させ、そして旋回アーム179のフィンガー179bに、楔プレート180を遠位に推進させる。楔プレート180が遠位方向に移動させられると、
図51および
図52に見られるように、楔プレート180の遠位端180aが顎120に再挿入または再導入され、これによって、顎120の間隔を空ける。
【0103】
図48および
図49に見られるように、楔プレート180が遠位に移動させられると、クリップ従動子174の近位タブ176が楔プレート180の窓180bに係合し、従って、所定の距離だけ遠位に推進される。クリップ従動子174が遠位に推進されると、クリップ「C」のスタックもまた遠位に推進される。
図50に見られるように、楔プレート180が最遠位の位置に達する場合、楔プレート180のウェブ180fが遠位タブ175の遠位部分175aの実質的に下にくるまで、クリップチャネル170は、遠位タブ175の近位部分175bに当接するか、係合するか、推進するか、または他の様式でカム作用する。このようにする際に、遠位タブ175の近位部分175bは、クリップチャネル170の次第により遠位の窓172内に延びるように移動する。
【0104】
図50および
図51に見られるように、クリップ従動子174が前方に推進されて、クリップ「C」のスタックを前方に移動させると、押し棒160のプッシャー160cの下でカム作用することにより、最遠位のクリップ「C
1」がクリップアプライア170のタング171により捕捉されるまで、最遠位のクリップ「C
1」がプッシャー160cより遠位に移動する。
【0105】
図47を少し参照すると、駆動チャネル140が近位方向に移動すると、可聴/触知インジケータ148のアーム148aが棚149を越えて戻ってスナップし、そしてハンドル106の次の発射行程または握りのために、リセットされる。
【0106】
駆動チャネル140がさらに近位方向に移動させられると、駆動チャネル140は、旋回駆動アーム156の近位への移動を引き起こし、これは次に、運動乗算器システムの移動を逆転させる。
【0107】
図45〜
図51に見られるように、ハンドル106が解放されて駆動チャネル140が(
図39に示されるように)付勢部材46を介して近位方向に移動させられる間、旋回駆動アーム156の結合ピン156aは、近位方向に移動し、その結果、駆動チャネル140もまた近位方向に移動する際に、旋回駆動アーム156と駆動チャネル140の長手方向軸「x2」との間の角度「β」が連続的に減少する。この様式で、遠位連結部材158の駆動ポスト158cは、遠位方向への移動を開始し、その結果、押し棒160および安定器162が、スライドポスト158cを介して遠位に移動して、「完全に延長した」位置まで戻る。実質的に同時に、遠位連結部材158の駆動ポスト158cが遠位方向への移動を開始すると、長手方向軸「x1」の第二の側に位置する近位連結部材154の角度「−α」が、約−60°から約0°まで増加する。駆動チャネル140がさらに近位方向に移動すると、近位連結部材154が、長手方向軸「x1」の第二の側から第一の側へと旋回し、その結果、この「完全に延長した」位置において、近位連結部材154および遠位連結部材158は再度、旋回により互いに整列して位置し、その結果、角度「α」が約0°になる。換言すれば、近位連結部材154および遠位連結部材158は、長手方向軸「x1」の第一の側と第二の側との間にくる。
【0108】
この構成において、駆動チャネル140が近位方向への移動をさらに続けると、上記のように、旋回駆動アーム156と駆動チャネル140の長手方向軸「x2」との間の角度「β」が約45°になるような位置に旋回駆動アーム156が達するまで、押し棒160が駆動チャネル140と一緒に近位に移動する。この様式で、近位連結部材154が第一の側まで移動し、その結果、角度「α」が約0°から約60°へと増加し始める。
【0109】
引き続いて、駆動チャネル140が近位に移動させられると、逆転する運動乗算器システム155が「完全に延長した」位置から「ホーム」位置まで移動する。より具体的には、駆動チャネル140は、近位方向に進み、これが次に、旋回駆動アーム156を近位方向に移動させる。すなわち、旋回駆動アーム156は、旋回駆動アーム156と駆動チャネル140の長手方向軸「x2」との間の角度「β」が約22°から約45°に減少するような方向に、近位連結部材154を旋回および駆動する。この様式で、近位連結部材は、遠位連結部材を、安定器162のスロット162bおよび押し棒160の近位窓160dに沿って近位に旋回によりスライドさせる。この構成において、遠位連結部材158は、押し棒160を近位方向に駆動する。
【0110】
駆動チャネル140および押し棒160が最遠位の位置に位置する場合、旋回駆動アーム156のスライドポスト156cは、最遠位の位置に位置し、そしてインジケータ148の第二の弾性フィンガー148bは、縁部149より近位に配置される。また、クリップアプライア100のハンドル106が解放されると、楔プレート180が最遠位の位置に位置する状態で、その遠位端180aが顎120の間に配置される。さらに、駆動チャネル140が近位方向に移動させられると、そのナブ140eがプロセッサ194の端子194aと脱係合する。
【0111】
ここで
図52を参照すると、ハンドル106の完全な行程または握りの後であって、最後のクリップが排出された後の、クリップアプライア100の遠位端が図示されている。最後のクリップの発射後、
図52に見られるように、クリップ従動子の近位タブ176が、楔プレート180の開口部分180bのうちの最遠位の開口部分または窓内に配置される。この様式で、楔プレート180がクリップの発射後に遠位に移動させられると、上記様式でクリップ従動子174もまた遠位に移動させられる。従って、クリップ従動子174が遠位に移動させられると、その遠位タブ175が、クリップキャリア170の窓172のうちの最遠位の窓より遠位に移動する。この様式で、遠位タブ175の近位部分175bがクリップキャリア170の頂壁の内側表面に係合し、そして下向きにカム作用または推進される。
【0112】
遠位タブ175の近位部分175bが下向きにカム作用または推進されると、遠位タブ175の遠位部分175aが、ロックアウト178のタブ178aの上表面に係合し、そしてロックアウト178のタブ178aを、駆動チャネル140に支持されたストラップ143の通路を横切るように下向きにカム作用または推進し、そして楔プレート180の遠位窓180cに入れる。この様式で、上記様式で駆動チャネル140が遠位に前進させられる場合、ストラップ143は、ロックアウト178のタブ178aに当接し、そしてストラップ143、および次に駆動チャネル140が、遠位に移動することを防止または遮断する。この段階で、つめ142がラック140dの遠位のドウェルに位置し、そしてハンドル106は、完全に開いた位置に配置され、従って、さらに開かれ得ない。この構成で、クリップアプライアはロックアウトされ、そしてもはや使用され得ない。
【0113】
外科手術用クリップのサイズに依存して、クリップアプライア100の構成要素のサイズは、それに従って規模を変更されなければならない。種々のサイズのクリップアプライアの構成要素の大部分は、互いに実質的に同一である。クリップの幅に関する構成要素のサイズ(例えば、顎120および楔プレート180)、またはクリップの長さに関する構成要素のサイズ(例えば、押し棒160および旋回アーム179)は、これに従って調節される。この様式で、種々のサイズの各クリップアプライアが、実質的に同じ様式で組み立てられ、そしてその内部機構は、実質的に同じ様式で作動する。
【0114】
例えば、クリップアプライア100は、比較的小さい規模、中程度の規模および大きい規模で提供され得、これらのサイズのクリップアプライアは、それぞれ、比較的小さい外科手術用クリップ、中程度の外科手術用クリップまたは大きい外科手術用クリップを格納して発射する。外科手術用クリップの相対寸法に基づいて、対応するクリップアプライアおよびそれらの対応する構成要素が、適切な規模にされなければならない。しかし、本開示によれば、種々のサイズのクリップアプライアの各々が、同じ構成要素を備え、そして互いと同じ順序で組み立てられ得る。この様式で、クリップアプライアを組み立てる技術者は、クリップアプライアのサイズのうちの1つの組み立てのために必要とされる順序および/または工程を知る必要があるのみであり、そして次に、新たな組み立ての順序または工程を知る必要なく、他のサイズのクリップアプライアを同様に組み立てることができる。
【0115】
従って、比較的小さいクリップアプライア、中程度のクリップアプライアまたは大きいクリップアプライアについての組み立て方法および/または工程は、互いに実質的に同一である。
【0116】
他の多くの残りの構成要素または部品は、同一であるか、またはサイズもしくは規模の特徴において小さな変動を有する。しかし、所望であれば、以下の部品の形状は、同じ結果を達成する目的で改変され得る。すなわち、近位連結部材154の長さ、旋回駆動アーム156の長さ、および/または遠位連結部材158の長さである。
【0117】
角度の違いがクリップアプライア100の作業行程のためにより滑らかな開始作用を生じるように、角度「α」の開始角度を変動させること(例えば、約45°対約60°)がより効果的であることが想定される。しかし、開始角度「α」が約45°である場合、開始角度「α」が約60°である場合よりも長い近位連結部材154および遠位連結部材158に起因して、クリップアプライア100のハウジング104内により大きい面積が取り込まれる。運動乗算器システム155のすべてのパラメータは、この運動乗算器システムが実装されることを考慮される特殊なデバイスにおけるあらゆる構成要件について、個々に設計され得、そして設計されるべきである。
【0118】
上記説明は、本開示の単なる例示であることが理解されるべきである。種々の変更および改変が、本開示から逸脱することなく当業者により考案され得る。従って、本開示は、すべてのこのような代替物、改変物および変形物を包含することが意図される。添付の図面を参照しながら記載された実施形態は、本開示の特定の例を実証するためのみに提示される。上記および/または添付の特許請求の範囲に記載されるものと実質的には異ならない他の要素、工程、方法および技術もまた、本開示の範囲内であることが意図される。