(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5993952
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】超音波エラストグラフィシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 8/08 20060101AFI20160908BHJP
【FI】
A61B8/08
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-531359(P2014-531359)
(86)(22)【出願日】2012年9月21日
(65)【公表番号】特表2014-530055(P2014-530055A)
(43)【公表日】2014年11月17日
(86)【国際出願番号】IB2012055015
(87)【国際公開番号】WO2013050899
(87)【国際公開日】20130411
【審査請求日】2015年9月8日
(31)【優先権主張番号】61/539,599
(32)【優先日】2011年9月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100087789
【弁理士】
【氏名又は名称】津軽 進
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】クラーク デイヴィッド ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ブルーネル エリザベス
【審査官】
森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2005/120358(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0269606(US,A1)
【文献】
特開2011−045457(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0054314(US,A1)
【文献】
特開2007−222605(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0036779(US,A1)
【文献】
国際公開第2007/083745(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0220901(US,A1)
【文献】
国際公開第2005/122907(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0244390(US,A1)
【文献】
米国特許第06558324(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00−8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
解剖学的部位の歪み画像を提供するための超音波エラストログラフィシステムにおいて、前記システムは、
−少なくとも1つのトランスデューサ要素を持つ超音波プローブから時変超音波信号を受信する、
−前記時変超音波信号に基づいて、前記超音波プローブと前記解剖学的部位との間における、軸方向(y)の相対的軸方向移動を示す軸方向移動データを決める、及び
−前記軸方向移動データに基づいて、水平方向(x)における前記軸方向移動の水平変化を決める
ように構成される信号処理ユニットを有し、並びに
前記システムはさらに、
−前記軸方向移動データに基づいて決められる歪み画像データに基づく前記解剖学的部位の歪み画像を表示する、及び
−前記軸方向移動の水平変化に基づく前記歪み画像の品質の水平変化の標示を表示する
ように構成される表示ユニットを有し、
前記歪み画像の品質の標示が、バーを有する棒グラフであり、前記バーの形状が、前記歪み画像の品質の水平変化を示す、システム。
【請求項2】
前記軸方向移動の水平変化は、水平方向(x)にある少なくとも2つの水平方向位置(xi)に対する相対的軸方向移動量を決める、及び前記軸方向移動量を比較することにより決められる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記表示ユニットは、前記相対的軸方向移動量の標示を前記水平方向位置(xi)の関数として表示することにより、前記歪み画像の品質の水平変化の標示を表示するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記軸方向移動データは、各々が軸方向位置(yi)及び水平方向位置(xi)を持つ複数の地点(P(xi,yi))に対する2次元データであり、前記軸方向移動データは、前記複数の地点の各々の地点に対する相対的軸方向移動量を示している、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記軸方向移動の水平変化を決めることは、前記水平方向(x)にある少なくとも2つの水平方向位置(xi)の各々に対し、夫々が水平方向位置(xi)を持つ前記複数の地点のこれら地点に対する相対的軸方向移動量を平均化することを有する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記軸方向移動の水平変化を決めることは、前記水平方向(x)にある少なくとも2つの水平方向位置(xi)の各々に対し、夫々が水平方向位置(xi)を持つ前記複数の地点のこれら地点に対する相対的軸方向移動量の軸方向の導関数を平均化することを有する、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記バーの高さは、前記歪み画像の品質のレベルを示している、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記バーの形状は、前記歪み画像の品質が水平方向に変化するときに、傾斜及び/又は湾曲する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記歪み画像の品質の水平変化の標示は、リアルタイムで表示される及び/又は後で表示するためにメモリに記憶される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記表示ユニットはさらに、前記解剖学的部位の超音波エコー強度画像を表示するように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記信号処理ユニットは、前記軸方向移動データに基づいて、高さ方向(z)における前記軸方向移動の高度変化を決めるように構成され、及び前記表示ユニットは、前記軸方向移動の高度変化に基づいて、歪み画像の品質の高度変化の標示を表示するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
解剖学的部位の歪み画像を提供するための超音波エラストログラフィ方法において、
−少なくとも1つのトランスデューサ要素を持つ超音波プローブから時変超音波信号を受信するステップ、
−前記時変超音波信号に基づいて、前記超音波プローブと前記解剖学的部位との間における、軸方向(y)の相対的軸方向移動を示す軸方向移動データを決めるステップ、
−前記軸方向移動データに基づいて、水平方向における前記軸方向移動の水平変化を決めるステップ、
−前記軸方向移動データに基づいて決められる歪み画像データに基づく前記解剖学的部位の歪み画像を表示するステップ、及び
−前記軸方向移動の水平変化に基づく前記歪み画像の品質の水平変化の標示を表示するステップ
を有し、
前記歪み画像の品質の標示が、バーを有する棒グラフであり、前記バーの形状が、前記歪み画像の品質の水平変化を示す、方法。
【請求項13】
コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるとき、前記コンピュータに請求項12に記載の方法の前記ステップを実行させるためのプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
解剖学的部位(例えば患者の解剖学的部位)の歪み画像を提供するための超音波エラストグラフィシステム及び方法に関する。本発明はさらに、上記方法を実施するためのコンピュータプログラムにも関する。
【背景技術】
【0002】
超音波歪みエラストグラフィにおいて、組織の剛性の違いに関連する相対的軸歪み画像が表示される。(エラストログラムとも呼ばれる)この歪み画像は、例えば病変の悪性腫瘍を見分けるのに役立つ。軸歪みの推定は、超音波プローブのトランスデューサ要素と解剖学的部位(例えば患者の(より深い)組織)との間における何らかの軸方向圧縮(又は減圧)を、相対的軸方向移動の形式で必要とする。このような圧縮は、超音波プローブの重量により、及び/又はシステムのユーザー(例えば医療スタッグ若しくは医師)及び/又は鼓動若しくは呼吸が原因による患者の内部運動により加えられる物理的な圧力により、与えられることができる。高感度エラストグラフィシステムは、非常に小さな移動(例えば約10μmの相対的軸方向移動)を必要する。より大きい圧縮は、例えば非相関、ぼやけ又は位置ずれのような劣化の影響が(例えば約1mmの相対的軸方向移動の辺りで)優勢となるまで、この歪み画像の品質を改善する傾向がある。超音波エラストグラフィに必要な(わずかな)相対的軸方向移動がユーザーの身体的知覚の限界に近づくので及び/又はそれが歪み画像の品質に悪影響を及ぼすので、エラストグラフィシステムは、この歪み画像の品質の示度(indication)を表示することが可能である。この示度は、例えば歪み画像の隣にある(非定量的な)棒グラフとすることができる。
【0003】
このような棒グラフを表示している例示的なエラストグラフィシステムは、フィリップス社のiU22システムである。例えば、フィリップス社のiU22乳房エラストグラフィシステムの概要を定めているクイックスタートガイドである(例えば、現在http://www.healthcare.philips.com/main/products/ultrasound/technologies/elastography.wpdに見られる)パンフレット"Sensitivity and strength Philips Breast Elastography Ultrasound Quick Start Guide, Philips, 2010"は、リアルタイムの圧縮フィードバックバーが歪み画像の隣に表示されていることを開示している。この画面上の示度は、エラストログラムの適切な歪み量のリアルタイムのフィードバックをユーザーに提供している。このシステムは、結果生じる組織の歪みのレベルを計算し、それを緑色及びグレーのバーとして表示し、品質エラストログラムの適切な組織の歪み(緑色)及び不適切な組織の歪み(グレー)を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなエラストログラフィシステムをさらに改善する必要がある。
【0005】
本発明の目的は、改善した超音波エラストログラフィシステム及び方法を提供することである。本発明の他の目的は、上記方法を実施するコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様において、解剖学的部位の歪み画像を提供するための超音波エラストログラフィシステムが示される。このシステムは、少なくとも1つのトランスデューサ要素を持つ超音波プローブから時変超音波信号を受信し、この時変超音波信号に基づいて、超音波プローブと解剖学的部位との間における、軸方向の相対的軸方向移動を示す軸方向移動データを決める、及びこの軸方向移動データに基づいて、水平方向における前記軸方向移動の水平変化を決めるように構成される信号処理ユニットを有する。前記システムはさらに、前記軸方向移動データに基づいて決められる歪み画像データに基づく解剖学的部位の歪み画像を表示し、前記軸方向移動の水平変化に基づく歪み画像の品質の水平変化の示度を表示するように構成される表示ユニットを有する。
【0007】
本発明の他の態様において、解剖学的部位の歪み画像を提供するための超音波エラストログラフィ方法が示される。この方法は、少なくとも1つのトランスデューサ要素を持つ超音波プローブから時変超音波信号を受信するステップ、この時変超音波信号に基づいて、超音波プローブと解剖学的部位との間における、軸方向の相対的軸方向移動を示す軸方向移動データを決めるステップ、この軸方向移動データに基づいて、水平方向における前記軸方向移動の水平変化を決めるステップ、前記軸方向移動データに基づいて決められる歪み画像データに基づく解剖学的部位の歪み画像を表示するステップ、及び前記軸方向移動の水平変化に基づく歪み画像の品質の水平変化の示度を表示するステップ、を有する。
【0008】
本発明の他の態様において、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるとき、このコンピュータに上記方法のステップを実行させるためのプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムが示される。
【0009】
本発明の基本的な考えは、軸方向移動の水平変化を決めて、この軸方向移動の水平変化に基づいて歪み画像の品質の水平変化の示度を表示することである。この水平方向は、軸方向に対し垂直である。特に、軸方向は、(例えば患者の皮膚に垂直な)深さ方向であり及び/又はトランスデューサ要素が超音波を送信する方向である。前記又は各々のトランスデューサ要素は、超音波を送信及び/又は受信するように構成される。相対的軸方向移動は、超音波プローブ(又はトランスデューサ要素)と解剖学的部位との間における、ある時点から他の時点までの相対的軸方向変位であると考えられる。故に、相対的軸方向移動は時変超音波エコー信号から決められる。超音波画像の各軸の線は、トランスデューサ要素により送信される少なくとも1つの送信パルスからなる送信パルスの各々の後に、トランスデューサ要素において受信される、次第に深くなる深度からのエコー信号により生じる超音波エコー(強度及び/又は位相)データから構成される。特に、相対的軸方向移動は、同じ解剖学的部位(又は空間位置)における、(2つの異なる時点の)少なくとも2つの異なる送信パルスからの超音波エコー信号を比較することにより決められる。
【0010】
特に、この相対的軸方向移動がほんのわずかで、考えることすらしないとき、全軸方向の移動と同じ(又はそれよりさらに多くの)量の水平方向の傾き(tilting)及び/又は揺れ(rocking)が存在する。これは、軸方向移動が歪み画像領域によって大きく変化することを意味している。しばしば、この水平方向の傾き及び/又は揺れのパターンはランダムではなく、そのパターンは、ユーザーの身体及び患者の身体の物理的配置に依存しているので、例えば数秒のようなある時間にわたり比較的安定している。前記歪み画像の品質の水平変化の示度を表示することにより、ユーザーはこの水平変化の示度を得て、それに応じて超音波プローブの保持及び/又は動きを調整する。従って、ユーザーは、歪み画像の品質を改善するように示度により誘導されることができる。
【0011】
本発明の好ましい実施例は、従属請求項に定められている。請求項に係る超音波エラストログラフィ方法又はコンピュータプログラムは、従属請求項に定められるような請求項に係る超音波エラストログラフィシステムと類似及び/又は同じ好ましい実施例を持つと理解されるべきである。
【0012】
ある実施例において、軸方向移動の水平変化は、水平方向にある少なくとも2つの水平方向位置に対する相対的軸方向移動量を決める、及びこれら軸方向移動量を比較することにより決められる。この実施例において、軸方向移動の水平変化を決める簡単な方法が提供される。
【0013】
本実施例の変形例において、表示ユニットは、相対的軸方向移動量の示度を水平方向位置の関数として表示することにより、歪み画像の品質の水平変化の示度を表示するように構成される。この変形例において、歪み画像の品質の水平変化の示度は直接、水平位置の関数とする相対的軸方向移動量の示度である。
【0014】
他の実施例において、軸方向移動データは、各々が軸方向位置及び水平方向位置を持つ複数の地点に対する2次元データであり、この軸方向移動データは、前記複数の地点の各々の地点に対する軸方向移動量を示している。この実施例において、2次元の歪み画像が表示される。
【0015】
本実施例の変形例において、軸方向移動の水平変化を決めるステップは、水平方向にある少なくとも2つの水平方向位置の各々に対し、夫々が水平方向位置を持つ複数の地点のこれら地点に対する相対的軸方向移動量を平均化するステップを有する。この変形例において、軸方向移動量は平均化される。従って、平均の軸方向移動は水平位置の関数として与えられ、故にこれは軸方向移動の水平変化を示している。
【0016】
本実施例の代替変形例において、軸方向移動の水平変化を決めるステップは、水平方向にある少なくとも2つの水平方向位置の各々に対し、夫々が水平方向位置を持つ複数の地点のこれら地点に対する相対的軸方向移動量の軸方向導関数(axial derivative)を平均化するステップを有する。この変形例において、歪み(軸方向移動量の導関数)が平均化される。従って、水平方向位置の関数として平均の歪みが与えられ、故にこれは軸方向移動の水平変化を示す。
【0017】
他の実施例において、歪み画像の品質の示度は、バーを持つ棒グラフである。この実施例において、前記歪み画像の品質の示度の簡単な実施が与えられる。棒グラブ形式の示度は、従来の棒グラフと比べ、ディスプレイ上の如何なる追加の空間も占める必要はない。その示度は依然として非定量的な示度である。それはあまりにも直感的であるため、ほんの少しのユーザー教育又は訓練しか必要とされない。
【0018】
本実施例の変形例において、バーの高さは、歪み画像の品質のレベルを示している。特に、バーの高さは、軸方向移動量を示すことができる。この変形例において、ユーザーは、単にこのバーの高さを注視することにより簡単に誘導される。
【0019】
他の変形例において、バーの形状は、歪み画像の品質の水平変化を示している。この実施例において、歪み画像の品質の水平変化の示度の有利な実施例が供給される。例えば、軸方向移動の水平変化がない(従って移動が純粋に軸方向である)場合、バーの形状は、従来の棒グラフのような矩形である。軸方向移動の水平変化がある場合、バーの形状は、変化することがある。例えば、バーの少なくとも1つの面(例えば上面)が変化することができる。このようにして、水平変化は簡単にユーザーにより知覚されることができる。
【0020】
他の変形例において、歪み画像の品質が水平方向に変化するとき、バーの形状が傾斜及び/又は湾曲する。特に、このバーの形状は、少なくとも2つの異なる高さを持つ。この変形例において、歪み画像の品質の水平変化の示度に有利な実施例が供給される。軸方向移動の水平変化(例えば揺れ及び/又は傾き)がある場合、バーの形状(例えばバーの上面)は傾斜及び/又は湾曲する。特に、歪み画像の品質が変化するとき、バーの形状はV字型になる。このV字型は、軸方向移動の水平変化(例えば揺れ及び/又は傾き)が軸方向移動を超えていることを示すので、この軸方向移動は、中間領域が零に近い軸方向移動の状態で、水平(画像を水平に横切る)方向に向きを変える。
【0021】
他の実施例において、歪み画像の品質の水平変化の示度は、リアルタイムで表示される及び/又は後で表示するためにメモリに記憶される。この示度をリアルタイムで表示することにより、ユーザーは直ちに、水平変化に関するフィードバックを受ける。この示度をメモリに記憶することにより、歪み画像の品質は、後の時点で表示又はレビューされることができる。
【0022】
他の実施例において、表示ユニットはさらに、解剖学的部の超音波エコー強度画像を表示するように動作可能である。この超音波エコー強度画像は、例えば2次元、3次元又は多断面の超音波エコー強度画像である。
【0023】
この実施例の変形例において、超音波エコー強度画像は、超音波信号に基づいて決められるエコー強度データに基づいて表示される。この実施例において、前記システムは、歪み画像を表示するだけでなく、従来の超音波エコー密度画像も表示するように構成される。ある例において、超音波エコー強度画像及び歪み画像は、同じ送信パルス又は同じ組の送信パルスからの超音波エコー信号に基づくことができる。代替例において、超音波エコー強度信号及び歪み画像は、異なる送信パルス又は異なる組の送信パルスからの超音波エコー信号に基づくことができる。
【0024】
他の実施例において、信号処理ユニットは、軸方向移動データに基づいた高さ方向における軸方向移動の高度変化を決めるために構成され、表示ユニットは、前記軸方向移動の高度変化に基づく歪み画像の品質の高度変化の示度を表示するために構成される。この実施例において、軸方向移動の水平変化だけでなく、加えて軸方向移動の高度変化も供給される。故に、2つの異なる次元における軸方向移動の変化が供給される。一般的に、これは3つ以上の方向に拡張されることができ、このとき、これらは互いに直交していない。
【0025】
他の実施例において、前記システムは、少なくとも1つのトランスデューサ要素を持つ超音波プローブを有する。故に、この実施例において、超音波プローブはシステムの一部である。例えば、このプローブは信号処理ユニットに(直接)接続されることができる。
【0026】
この実施例の変形例において、超音波プローブは、複数のトランスデューサ要素を持っている。これら複数のトランスデューサ要素は特に、(1次元の)列又は(2次元の)アレイで配されることができる。このようにして、2次元又は多断面若しくは3次元の画像が供給される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】ある実施例に従う超音波エラストログラフィシステムの概略的なブロック図を示す。
【
図2】ある実施例に従う超音波エラストログラフィシステムのディスプレイに表示される例示的な画像を示す。
【
図3a】軸方向移動の水平変化がないときの超音波エラストログラフィシステムの例示的な棒グラフを示す。
【
図3b】軸方向移動の水平変化がないときの超音波エラストログラフィシステムの例示的な棒グラフを示す。
【
図4a】軸方向移動の水平変化があるときの超音波エラストログラフィシステムの例示的な棒グラフを示す。
【
図4b】軸方向移動の水平変化があるときの超音波エラストログラフィシステムの例示的な棒グラフを示す。
【
図4c】軸方向移動の水平変化があるときの超音波エラストログラフィシステムの例示的な棒グラフを示す。
【
図4d】軸方向移動の水平変化があるときの超音波エラストログラフィシステムの例示的な棒グラフを示す。
【
図6a】超音波プローブの動き及び対応する棒グラフの例を示す。
【
図6b】超音波プローブの動き及び対応する棒グラフの例を示す。
【
図6c】超音波プローブの動き及び対応する棒グラフの例を示す。
【
図7】ある実施例に従う超音波エラストログラフィ方法の概略的なブロック図を示す。
【
図8】
図7の実施例の変形例に従う超音波エラストログラフィ方法の概略的なブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に開示される実施例から明らかであり、これら実施例を参照して説明される。
【0029】
図1は、ある実施例に従う超音波エラストグラフィシステム100、特に医療超音波撮像システムの概略的なブロック
図100を示す。この超音波エラストグラフィシステム100は、超音波を送信及び/又は受信するための複数のトランスデューサ要素を持つ超音波プローブ101を有する。ある例において、これらトランスデューサ要素は、特定のパルス幅からなる少なくとも1つの送信パルス(特に複数の後続する送信パルス)の形式で超音波を送信することができる。代替例において、前記トランスデューサ要素は、通例では撮像に用いられないが、超音波を連続波(CW)の形式で送信することができる。トランスデューサ要素は例えば、(例えば2次元画像を提供するために)(1次元の)列又は(例えば多断面若しくは3次元画像を提供するために)(2次元の)アレイで配されることができる。超音波プローブ101は、システムのユーザー(例えば医療スタッフ又は医師)により取り扱われる。この超音波プローブ101は、患者1の解剖学的部位の歪み画像を提供するために、患者1の身体に当てられる。
【0030】
超音波エラストグラフィシステム100はさらに、信号処理ユニット103を有する。この信号処理ユニット103は、例えばアナログ若しくはデジタル電子回路、処理器又はマイクロ処理器等を含んでもよい。信号処理ユニット103は、前記超音波プローブ101に接続される。信号処理ユニット103は、超音波プローブ101から、特に超音波を受信するトランスデューサ要素から時変超音波信号を受信するように構成される。この文脈において、時変とは、超音波信号が時間と共に受信されることを意味している。特に、1つの送信パルスからのエコーは、次第に深くなる深度に対応して、時間と共に広がり、エコー(超音波エコー信号)は、多数の送信パルスから受信される。信号処理ユニット103は、前記時変超音波信号に基づいて軸方向移動データを決めるように構成される。この軸方向移動データは、超音波プローブ101(又はトランスデューサ要素)と解剖学的部位との間における、軸方向の相対的軸方向移動を示す。特に、相対的軸方向移動は、(2つの異なる時点での)少なくとも2つの異なる送信パルスからの、同じ解剖学的部位(又は空間的位置)における超音波エコー信号を比較することにより決めることができる。歪みエラストグラフィにとって、前記軸方向は通常、例えば超音波プローブ101が外側から皮膚に当てられるとき、患者1の皮膚に垂直である(超音波プローブの中心線と一直線に並ぶ)深さ方向である。一般的に、軸方向は、超音波トランスデューサ要素が超音波を送信する方向である。代わりに、超音波又はビームが(例えばビーム形成器を用いて)深さ方向又は超音波プローブの中心線に対してある角度に向けられることができる。さらに代わりに、トランスデューサ要素は、深さ方向又は超音波プローブの中心線に対して様々な角度で超音波を送信するように湾曲して配されてもよい。これらのより一般化した軸方向の場合、水平方向は、歪み画像を横断する(軸方向の超音波のラインの組を横断する)方向を意味すると理解される。
【0031】
相対的軸方向移動は、ある送信パルスからの超音波エコー信号から、同じ方向における他の送信パルスからの対応する超音波エコー信号まで(例えば2つの異なる時点におけるエコー)の、超音波プローブと解剖学的部位との間の相対的軸方向変位とみなされる。この相対的軸方向移動は、超音波プローブと解剖学的部位との間における何らかの相対的軸方向圧縮(又は減圧)により生じる。この圧縮は、超音波プローブ1の重量により及び/又はシステムのユーザーにより加えられる物理的な圧力により与えられる。信号処理ユニット103は、軸方向移動データに基づいて歪み画像データを決めるように構成される。歪み画像データは特に、軸方向移動データの軸方向の導関数を決定することにより決められる。故に、歪みは、軸方向移動の軸方向の導関数とみなされる。これは、複数の短い画像間隔の各々にわたる歪み増分である。代わりに、これら歪み増分は、全歪みを生じさせるために累積されることもできる。
【0032】
超音波エラストログラフィシステム100はさらに、ディスプレイ105を有する。このディスプレイ105は、信号処理ユニット103から画像データを受信するために、信号処理ユニット103に接続される。ディスプレイ105は、前記決められた歪み画像データに基づいて、解剖学的部位の歪み画像を表示するように構成される。
【0033】
図2は、ある実施例に従う超音波エラストログラフィシステムのディスプレイにより表示される例示的な画像を示す。この画像は特に、
図1を参照して説明されるような超音波システム100のディスプレイ105により表示されることができる。表示される画像は、解剖学的部位の2次元の超音波エコー強度画像230を有する。
図2のエコー強度画像は、2次元のグレイスケール画像である。超音波エコー強度画像230は、超音波信号に基づいて決められるエコー強度データに基づいて表示されることができる。故に、信号処理ユニット103はさらに、超音波信号に基づいてエコー強度データを決めるように構成されることもできる。
図2の画像において、1つのエコー強度画像230が左側に表示される。同じエコー強度画像230は、右側に示されているが、加えて、この強度画像230に歪み画像200が重畳されている。歪み画像200は、窓形式でエコー強度画像230に重畳されている。歪み画像200は、カラースケール、故に様々な色(例えば青色から赤色までを範囲とする色スペクトル)を使用して表示されることができる。凡例210は、色の範囲を示している。単なる例として、凡例210の下部にある青色は、(
図2においてHDと短縮される)硬組織を示し、凡例210の上部にある赤色は、(
図2においてSFと短縮される)軟組織を示す。代わりに、歪み画像200はグレイスケールを用いて表示されることができる。
【0034】
信号処理ユニット103はさらに、軸方向移動データに基づいて水平方向における軸方向移動の水平変化を決めるように構成され、表示ユニット105はさらに、前記軸方向移動の水平変化に基づいて、歪み画像200の品質の水平変化の示度を表示するように構成される。歪みエラストグラフィにとって、水平方向は普通、軸方向に垂直である。しかしながら、上述したように、(例えば超音波をある角度で操作する又は湾曲したトランスデューサ要素の配列のような)より一般化した軸方向の場合、水平方向は一般に歪み画像を横断する(軸方向の超音波のラインの組を横断する)方向を意味している。
【0035】
歪み画像の品質の水平変化の示度を表示することにより、ユーザー(例えば医療スタッフ又は医師)は、この水平変化の示度を得て、それに応じてユーザーの超音波プローブ101の保持を調節する。従って、ユーザーは、この示度により誘導されることができ、歪み画像の品質を向上させる。択一的又は累積的に、後でレビューする人は、それに応じて歪み画像を読み取ることができる。
図2の実施例において、歪み画像の品質の示度は、バー222を持つ棒グラム220である。水平変化の示度が歪み画像200の周辺(
図2において歪み画像200の右側)に棒グラフ222形式で表示される。歪み画像の品質の水平変化の示度がリアルタイムで表示されることができる。代わりに、この歪み画像の品質の水平変化の示度が後で表示するためにメモリに記憶されることができる。後の表示又はレビューは、超音波システム100自身で又は他の何らかのレビューシステムで行われることができる。
【0036】
図2aは、
図2の画像の一部の拡大図を示す。
図2aに示される画像の一部は、
図2の歪み画像200である。この歪み画像200のy軸は軸方向を示し、歪み画像200のx軸は水平方向を示す。この場合、軸方向移動データは、各々が軸方向位置y
i及び水平方向位置x
iを持つ複数の地点P(x
i,y
i)の2次元データである。軸方向移動データは、前記複数の地点の各々の地点P(x
i,y
i)に対する相対的軸方向移動量を示す。この軸方向移動の水平変化は、水平方向xにおける少なくとも2つの水平方向位置x
iに対する相対的軸方向移動量を決める、及びこれらの軸方向移動量を比較することにより決められる。例えば、第1の水平方向位置x
1に対し第1の軸方向移動量が決められ、第2の水平方向位置x
2に対し第2の軸方向移動量が決められる。第1の軸方向移動量及び第2の軸方向移動量は次いで、水平変化を決めるために比較される。表示ユニット105は、軸方向移動量の示度を水平方向位置x
iの関数として表示することにより、歪み画像の品質の水平変化の示度を表示するように構成される。これはさらに、以下に詳細に説明される。
【0037】
図3a及び
図3bは、軸方向移動の水平変化がないときの超音波エラストグラフィシステム100の例示的な棒グラフ220を各々示す。
図3a及び
図3bの例には、異なる平均圧縮度が与えられている。
図3a及び
図3bの各々において、軸方向移動の水平変化は存在していない、故に移動は純粋に軸方向の移動である。この場合、バー222の形状は従来の棒グラフのように矩形である。バー222の高さh
1、h
2は、歪み画像の品質のレベルを示している。それに加えて又はその代わりに、バー222の色が前記歪み画像の品質のレベル(例えばグレーは低品質を規定し、緑色は高品質を規定する)を示すことができる。
図3aのバー222の高さh
1は、
図3bのバー222の高さh
2よりも低い。
図3aのより低い高さh
1は、
図3aの歪み画像の品質のレベルが
図3bのレベルよりも低いことを示している。従って、
図3bには、
図3aに比べ良好な品質の歪み画像200が与えられている。
【0038】
図4aから
図4dは、軸方向移動の水平変化があるときの超音波エラストグラフィシステム100の例示的な棒グラフ220を各々示す。
図4a及び4dの例には、様々な異なる平均圧縮度及び/又は傾き/揺れが与えられている。
図4aから
図4dの各々において、軸方向移動の水平変化が存在している。この場合、バー222の形状は歪み画像の品質の水平変化を示している。特に、バー222の上面が水平変化を示している。
図4aから
図4dの各々において、バー222の形状、特にその上面は、歪み画像の品質が水平方向に変化するにつれて、傾斜及び湾曲する。バー222の形状は、ある時点で少なくとも2つの異なる高さh
1、h
2を持つ。
図4aにおいて、バー222の形状は、第1の高さh
1を持つ第1の水平方向位置x
1から、この第1の高さよりも低い第2の高さh
2を持つ第2の水平方向位置x
2まで減少する。
図4bにおいて、バー222の形状は、第1の高さh
1を持つ第1の水平方向位置x
1から、この第1の高さh
1よりも高い第2の高さh
2を持つ第2の水平方向位置x
2まで増大する。
図4cにおいて、バー222の形状も第1の高さh
1を持つ第1の水平方向位置x
1から、この第1の高さよりも高い第2の高さh
2を持つ第2の水平方向位置x
2まで増大する。
図4bに比べ、
図4cのバー222の形状は、より急速に増大している。従って、
図4cにおける第1の高さh
1と第2の高さh
2との間の差は、
図4bに比べより大きい。
図4dにおいて、バー222の形状は、V字形状である。従って、バー222の形状は、第1の高さh
1を持つ第1の水平方向位置x
1から、(第1の水平方向位置x
1と第2の水平方向位置x
2との間にある)中間高さh
Mを持つ中間の水平方向位置x
Mまで減少し、この中間の水平方向位置x
Mから、前記高さh
Mよりも大きい高さh
2を持つ第2の水平方向位置x
2まで増大する。このV字形状は、軸方向移動が水平方向xの方向に変化し、中間の水平方向位置x
Mは非常に小さい(例えば零に近い)軸方向移動を持つことを示している。この中間の水平方向位置x
M又は零に近い軸方向移動を持つ領域は、ひどい又は低い歪み画像の品質を示す又は有する。
【0039】
図5aから
図5cは、例示的な軸方向移動の図を各々示す。
図5aから
図5cの各々において、特定の水平方向位置x
iに対する相対的軸方移動量mが軸方向位置y
iの関数として表されている。
図5aから
図5cの各々に見られるように、軸方向移動mは、軸方向位置y
i又は深さのほぼ単調関数である。
【0040】
図5aの第1の例において、夫々水平方向位置x
iを持つ複数の地点のこれら地点の相対的軸方向移動量の最大量m
maxが決められる。この場合、軸方向移動データは、
図2aを参照して説明したように、2次元データの各地点P(x
i,y
i)に対する相対的軸方向移動の最大量m
maxを示す。この例において、この軸方向移動の最大量m
maxは、水平方向位置x
iの関数として与えられ、従ってこれは、軸方向移動の水平変化を示す。
【0041】
図5bの第2の例において、夫々水平方向位置x
iを持つ複数の地点のこれら地点の軸方向移動量が平均化される。これは、相対的軸方向移動の平均量m
averを生じさせる。この場合、
図2aを参照して説明したように、2次元データの各地点P(x
i,y
i)に対する相対的軸方向移動の平均量m
averを示す。この例において、前記平均の軸方向移動m
averは水平方向位置x
iの関数として与えられ、故にこれは、軸方向移動の水平変化を示す。
【0042】
図5cの第3の例において、軸方向移動mの傾き又は導関数Δm/Δyは、歪みを示す。
図5cにおいて、夫々水平方向位置x
iを持つ複数の地点のこれら地点の軸方向移動量の軸方向の導関数Δm/Δy(すなわち歪み)が平均化される。これは、平均の軸方向の導関数m'
aver、故に平均の歪みを生じさせる。この場合、軸方向移動データは、
図2aを参照して説明したように、2次元データの各地点P(x
i,y
i)に対する平均の歪みを示す。この平均化は、例えば歪み画像を表示するための歪み画像データにおいて歪みが正規化(オートスケール)される前に行われる。この例において、前記平均の歪み(軸方向の移動量の導関数)は水平方向位置x
iの関数として与えられ、故にこれは、軸方向移動の水平変化を示す。
【0043】
図6a−6cは、超音波プローブの移動及び対応する棒グラフ220の3つの異なる例を示す。超音波プローブ101は、身体の表面、ここでは患者1の皮膚2の上に置かれる。
図6a−cの各々において、超音波プローブ101と患者1の解剖学的部位との間の軸方向移動が深さ方向(y方向)の矢印により示される。
図6a−cに示される移動は、説明を目的に誇張されている。当然のことながら、実際にはこの移動は、超音波プローブ101の大きさに比べ、一般的には極めて小さいので、超音波プローブ101の位置又は角度の変化は、(例えば視覚又は触覚を用いて)ユーザーにより知覚されない。
図6aの例において、軸方向移動の水平変化がない、故に移動は純粋に軸方向の移動である。(軸方向移動を示す)矢印の高さは、水平方向(x方向)に関し一定である。この場合、対応する棒グラフ220は、(バー222の上面が水平である)従来の棒グラフのように、矩形のバー222を持つ。
図6bの例において、軸方向移動の水平変化(例えば揺れ及び/又は傾き)があり、故に、軸方向移動と水平変化(例えば揺れ及び/又は傾斜)との混合が存在する。軸方向移動を示す高さの矢印は一定ではなく、水平方向(x方向)に変化している。この場合、対応する棒グラフ220は、その形状が歪み画像の品質の水平変化を示している(バー222の上面が傾斜している)バー222を持つ。
図6cの例において、
図6bに比べ、軸方向移動の水平変化が軸方向移動を上回るような、さらに多くの水平変化(例えば揺れ及び/又は傾き)がある。この場合、
図6cにおいて矢印で示されるように、軸方向移動は、(画像を横方向に横断する)水平方向xの方位に変化し、中間地点x
M又は領域は、零に近い軸方向移動を持つ。この場合、対応する棒グラフ220はV字形状のバー222を持つ。
【0044】
図7は、ある実施例に従う超音波エラストグラフィ方法の概略的なブロック図を示す。第1のステップS1において、少なくとも1つのトランスデューサ要素を持つ超音波プローブから時変超音波信号が受信される。この超音波プローブは特に、
図1の実施例を参照して説明したような超音波プローブ101である。他のステップS2において、前記時変超音波信号に基づく軸方向移動データが決められる。この軸方向移動データは、超音波プローブと解剖学的部位との間における軸方向yの相対的軸方向移動を示す。他のステップS3において、実際の移動データに基づく水平方向xにおける軸方向移動の水平変化が決められる。さらに、ステップS5において、軸方向移動データに基づく歪み画像データが決められる。これらの決定は例えば、
図1の実施例を参照して説明したような信号処理ユニット103により行われることができる。ステップS6において、解剖学的部位の歪み画像200が歪み画像データに基づいて表示される。さらに、ステップS4において、軸方向移動の水平変化に基づいて歪み画像の品質の水平変化の示度が表示される。これらの表示するステップは、例えば
図1の実施例を参照して説明したようなディスプレイ105により行われることができる。
【0045】
図8は、
図7の実施例の変形例に従う超音波エラストログラフィ方法の概略的なブロック図を示す。
図8は、超音波信号に基づいて超音波エコー強度データを決める追加のステップS7及び解剖学的部位の超音波エコー強度画像を表示するステップS8に関して、
図7とは異なる。超音波エコー強度データ及び歪みデータは、同じ送信パルス(送信パルスの組)又は異なる送信パルス(送信パルスの組)からの超音波エコー信号に基づいている。
【0046】
上記説明は、各々が軸方向位置y
i及び水平方向位置x
iを持つ複数の地点P(x
i,y
i)に対する2次元データである軸方向移動データと結び付けて行われる。しかしながら、軸方向移動データは、各々が軸方向位置y
i、水平方向位置x
i及び高さ方向位置z
iを持つ複数の地点P(x
i,y
i,z
i)に対する3次元データとすることもできる。信号処理ユニット103は次いで、軸方向移動データに基づいて高さ方向zにおける軸方向移動の高度変化を決めるように構成され、表示ユニット105は、この軸方向移動の高度変化に基づく歪み画像の品質の高度変化の示度を表示するように構成される。高さ方向zは、軸方向y及び水平方向xの各々と直交している。さらに、表示ユニットは、3次元の歪み画像又は多断面の歪み画像を表示するように構成されることができる。
【0047】
本発明は、図面及び上記記載において詳細に説明及び開示されている一方、このような説明及び開示は、説明的又は例示的であり、限定的ではない。つまり、本発明は開示される実施例に限定されない。開示した実施例以外の変形例は、図面、本開示及び付随の特許請求の範囲の研究から、請求する本発明を実施する当業者により理解及び実施されることができる。
【0048】
請求項において、"有する"という言葉は、その他の要素又はステップを排除するものではなく、複数あると述べていなくても、それらが複数あることを排除しない。単一の要素又は他のユニットが請求項に挙げられる幾つかのアイテムの機能を果たしてもよい。ある方法が互いに異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの方法の組み合わせが有利に使用することがでないことを示しているのではない。
【0049】
コンピュータプログラムは、適切な媒体、例えば他のハードウェアと一緒に又はその一部として供給される光学記憶媒体又はソリッドステート媒体に記憶/分配されてもよいが、他の形式、例えばインターネット又は他の有線若しくはワイヤレスの電話通信システムを介して分配されてもよい。
【0050】
請求項における如何なる参照符号もその範囲を限定するとは考えるべきではない。