(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、液体製品の製造装置から着脱可能な原料タンクを用いて、清浄度を保ち、かつ低コストで、原料を液体製品の製造装置に供給することができる液体製品の原料供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、医薬品又は飲料食品を含む液体製品の原料を貯留する原料タンクと、前記原料タンクに接続される第1配管と、前記原料タンク及び液体製品を製造する製造手段を接続する第2配管と、を備え、前記原料タンクは、前記原料タンク内に連通し、前記第1配管に着脱可能な受入配管と、前記受入配管に設けられた第1開閉弁と、前記原料タンク内に連通し、前記第2配管に着脱可能な払出配管と、前記払出配管に設けられた第2開閉弁と、を備え、前記第1配管、前記第2配管、前記受入配管のうち前記
第1開閉弁よりも上流側、及び前記払出配管のうち前記第2開閉弁よりも下流側を洗浄用流体で洗浄する洗浄手段を備えることを特徴とする液体製品の原料供給装置にある。
【0010】
第1の態様では、原料タンクは、第1配管や供給配管に着脱可能となっている。そして、原料タンクから製造手段に原料を送液する前に、原料タンクの汚染されうる部分(被洗浄部)、すなわち、受入配管の第1開閉弁から上流側、払出配管の第2開閉弁から下流側を流体で洗浄可能となっている。このため、清浄な状態で原料を製造手段に供給することができる。
【0011】
また、第1配管及び第2配管は、原料タンクが取り外されて空気に暴露されても、洗浄される。このため、第1配管及び第2配管や製造手段等を、クリーンルームに収容する必要はない。このため、大型のクリーンルームに伴うコストの増大を回避することができる。さらに、原料タンクを製造手段から取り外すことができるので、原料タンク及び製造手段を含むプラントの設計・構築に対する制約が緩和され、既存の建物での適用が容易となる。
【0012】
本発明の第2の態様は、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁の開閉、並びに前記洗浄手段による前記第1配管及び前記第2配管への洗浄用流体の供給を制御する制御装置を備えることを特徴とする液体製品の原料供給装置にある。
【0013】
第2の態様では、液体製品を製造する一連の工程を無人で自動的に確実に実行させることができ、ランニングコストを低減することができる。
【0014】
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載する液体製品の原料供給装置において、前記制御装置は、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉鎖し、前記第1配管及び前記第2配管に前記洗浄手段から洗浄用流体を供給させる制御が可能であることを特徴とする液体製品の原料供給装置にある。
【0015】
第3の態様では、制御装置により洗浄用流体により被洗浄部を洗浄させるので、洗浄工程を自動的に確実に実行させることができる。
【0016】
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載する液体製品の原料供給装置において、前記制御装置は、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉鎖し、前記第1配管及び前記第2配管に前記洗浄手段から前記洗浄用流体を供給した後、前記原料タンクが前記第1配管及び前記第2配管から取り外し可能であると判定することを特徴とする液体製品の原料供給装置にある。
【0017】
第4の態様では、原料タンクを取り外し可能であることを確実に知らせることができる。
【0018】
本発明の第5の態様は、第2から第4の何れか一つの態様に記載する液体製品の原料供給装置において、前記原料タンクの原料を第1原料、当該第1原料とは異なる液体製品の原料を第2原料とし、前記制御装置は、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を開放し、前記第1配管を介して前記第2原料を前記原料タンクに供給し、前記原料タンクの前記第1原料を前記第2原料とともに前記第2配管へ払い出す制御が可能であることを特徴とする液体製品の原料供給装置にある。
【0019】
第5の態様では、原料タンクに残存した第1原料を第2原料で共洗いすることが可能となる。これにより、原料タンクに第1原料が残存して無駄になることを防止することができる。
【0020】
本発明の第6の態様は、第1から第5の何れか一つの態様に記載する液体製品の原料供給装置において、前記原料タンクは、前記第1配管及び前記第2配管から取り外され、アイソレータで製造された原料が供給可能であることを特徴とする液体製品の原料供給装置にある。
【0021】
第6の態様では、アイソレータにより原料タンクに原料を供給可能となっている。これにより、原料タンクに原料を充填する際に雑菌等が混入する恐れを低減できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、液体製品の製造装置から着脱可能な原料タンクを用いて、清浄度を保ち、かつ低コストで、原料を液体製品の製造装置に供給することができる液体製品の原料供給装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、実施形態の説明は例示であり、本発明は以下の説明に限定されない。
【0025】
〈実施形態1〉
図1は、本実施形態に係る液体製品の原料供給装置の概略構成図である。本実施形態のプラント100は、液体製品の一例として液状の医薬品である注射液を製造するものである。この注射液は、原料の一つとして薬効のある主成分である注射液原料(請求項の第1原料)を、原料の一つである注射用水(Water for Injection;WFI。請求項の第2原料)で希釈したものである。プラント100はこのような注射液を製造するための製造手段200と、製造手段200に注射液原料及び注射用水を供給する原料供給装置1とを備えている。
【0026】
プラント100は、特に図示しないが、秤量室と、調整室とを備えている。秤量室は、注射液原料を秤量し、後述する原料タンク10に密封するために用いられる場所である。調整室は、原料供給装置1及び製造手段200が配置され、それらの装置により後述する注射液の製造が行われる場所である。
【0027】
製造手段200は、注射液原料及び注射用水が供給され、その原料に所定の処理を行って液体製品を製造する装置群からなる。装置群としては、タンクや配管、弁装置、充填機、熱交換器、滅菌装置、濾過装置など、医薬品を製造するために一般的に用いられる装置やこれらを制御する制御装置が挙げられる。
【0028】
本実施形態の製造手段200は、注射液原料及び注射用水が供給される調製タンク201、調製タンクの下部に接続された輸送管202、輸送管202に設けられた開閉弁203、輸送管202を介して調製タンクに接続される各種装置群204を備えている。
【0029】
調製タンク201は、原料タンク10から供給される注射液原料及び注射用水が供給されるタンクである。この調製タンク201内で注射液原料が注射用水に希釈され、注射液が調整される。なお、調製タンク201は、原料タンク10から注射用水が供給される構成に限らず、別系統で原料タンク10を介さずに注射用水が供給されてもよい。また、調製タンク201よりも下流側の各種装置群204にて注射用水で注射液原料を希釈して注射液を調整するようにしてもよい。
【0030】
原料供給装置1は、原料タンク10と、第1配管20と、第2配管30と、洗浄手段とを備えている。
【0031】
原料タンク10は、注射液原料を貯留するタンクである。原料タンク10は、詳細は後述するが、第1配管20や第2配管30に取りつけ、又は取り外すことが可能となっている。原料タンク10は、それらの配管から取り外され、注射液原料が供給可能となっている。原料タンク10に注射液原料を供給する構成は特に限定はない。例えば、秤量室に設置されたアイソレータの内部に原料タンク10を配置し、アイソレータ内部にて製造した注射液原料を原料タンク10内に充填する構成が可能である。または、アイソレータの近傍に原料タンクを設置し、アイソレータ内部から原料タンク10に配管を接続し、アイソレータ内部で製造した注射液原料を原料タンク10に充填してもよい。
【0032】
原料タンク10には、2本の第1受入配管11、第2受入配管12が設けられている。第1受入配管11及び第2受入配管12は、一端が原料タンク10の内部に連通し、他端側には第1継手15が設けられている。
【0033】
第1受入配管11及び第2受入配管12は、第1継手15を介して、第1配管20に着脱可能な構成となっている。これらの第1受入配管11及び第2受入配管12は、第1配管20を経由して、CIP又はSIPに用いられる洗浄用流体又は注射用水が供給される流路として用いられる。
【0034】
具体的には、第1受入配管11の原料タンク10内の先端部には、シャワーヘッド14が設けられている。第1受入配管11を流通した流体は、原料タンク10内の上部に位置するシャワーヘッド14から噴射される。第2受入配管12の先端部は、原料タンク10内の下部に位置している。第2受入配管12を流通した流体は、原料タンク10の下部に放出される。
【0035】
第1受入配管11には第1開閉弁13a、第2受入配管12には第1開閉弁13bが設けられている。これらの第1開閉弁13a及び第1開閉弁13bは、第1受入配管11及び第2受入配管12を開閉可能な弁装置である。
【0036】
また、原料タンク10には、1本の払出配管16が設けられている。払出配管16は、第2継手17を介して、第2配管30に着脱可能な構成となっている。払出配管16は、原料タンク10内の注射液原料(注射用水で希釈されたものを含む)を調製タンク201に供給するための流路として用いられる。具体的には、払出配管16は、一端が原料タンク10の下部に接続してその内部に連通しており、他端側には第2継手17が設けられている。
【0037】
払出配管16には第2開閉弁18が設けられている。第2開閉弁18は、払出配管16を開閉可能な弁装置である。
【0038】
上述した第1開閉弁13a、第1開閉弁13b及び第2開閉弁18は、原料タンク10の内部を閉鎖又は開放の切り替えを行ったり、注射液原料、注射用水、又は洗浄用流体の流れを制御するために用いられる。また、第1開閉弁13a及び第1開閉弁13bは制御装置により開閉制御される。
【0039】
また、上述した第1受入配管11、第2受入配管12、及び払出配管16は、金属製であり、直線状の配管で形成されているが、特に材質や形状に限定はない。また、第1受入配管11、第2受入配管12、及び払出配管16は、それぞれ一本の配管で構成されているが、複数本の配管を連結して構成してもよい。
【0040】
第1配管20は、原料タンク10に接続される配管である。この第1配管20には、少なくとも、CIP又はSIPで用いられる洗浄用流体が流通する。また、本実施形態では、第1配管20は、注射用水も流通する。
【0041】
本実施形態の原料供給装置1では、二本の第1配管20が設けられている。各第1配管20は、上流配管部21、中流配管部22、及び下流配管部23が連結して構成されたものである。上流配管部21、中流配管部22、及び下流配管部23は、それぞれが継手24を介して連結されている。
【0042】
上流配管部21は、図示しない洗浄用流体の供給源となる洗浄手段に接続された配管である。また、上流配管部21は、図示しない、注射用水の供給源にも接続されている。洗浄用流体とは、定置洗浄(Cleaning In Place;CIP)で用いる洗浄液や、定置滅菌(Sterilizing In Place;SIP)で用いる高温高圧の蒸気をいう。また、上流配管部21には、上流配管部21を開閉する第1供給用開閉弁27が設けられている。
【0043】
中流配管部22は、上流配管部21と、下流配管部23とを継手24を介して連結している。
【0044】
下流配管部23は、一端が第1継手15を介して第1受入配管11又は第2受入配管12に接続される配管である。また、下流配管部23には、その途中に排出用配管25が接続されている。この排出用配管25には、排出用配管部25を開閉する排出用開閉弁26が設けられている。
【0045】
以後、二本の第1配管20のうち、シャワーヘッド14が設けられた第1受入配管11に接続される方を第1配管20aとも称する。二本の第1配管20のうち、シャワーヘッド14が設けられておらず第2受入配管12に接続される方を第1配管20bとも称する。また、排出用配管25は、第1配管20a側を排出用配管25a、第1配管20b側を排出用配管25bとも称する。排出用開閉弁26は、第1配管20a側を排出用開閉弁26a、第1配管20b側を排出用開閉弁26bとも称する。第1供給用開閉弁27は、第1配管20a側を第1供給用開閉弁27a、第1配管20b側を第1供給用開閉弁27bとも称する。
【0046】
第2配管30は、原料タンク10と、製造手段200とを接続する配管である。この第2配管30には、原料タンク10からの注射液原料(注射用水で希釈されたものを含む)が流通する。具体的には、第2配管30は、上流配管部31、中流配管部32、下流配管部33が連結して構成されたものである。上流配管部31、中流配管部32、下流配管部33は、それぞれが継手34を介して連結されている。
【0047】
上流配管部31の一端側は、第2継手17を介して、原料タンク10の払出配管16に着脱可能となっている。また、上流配管部31には、その途中に洗浄用配管40が接続されている。この洗浄用配管40には、洗浄用配管40を開閉する排出用開閉弁43が設けられている。
【0048】
中流配管部32は、上流配管部31と下流配管部33とを継手34を介して連結している。
【0049】
下流配管部33は、一端が調製タンク201の上部に接続され、調製タンク201内部に連通している。また、下流配管部33には、下流配管部33を開閉する第2供給用開閉弁37が設けられている。さらに、下流配管部33には、その途中に排出用配管41が接続されている。排出用配管41には、排出用配管41を開閉する排出用開閉弁43が設けられている。
【0050】
上流配管部21、下流配管部23、上流配管部31及び下流配管部33は、金属製であり直線状の配管で形成され、中流配管部22、中流配管部32は、樹脂製で可撓性のある配管で形成されているが、特に材質や形状に限定はない。また、第1配管20及び第2配管30は、それぞれ3つの配管部から構成されているが、個数に限定はなく、また、一本の配管から構成されていてもよい。
【0051】
洗浄手段とは、原料タンク10が第1配管20及び第2配管30から取り外された状態において、原料タンク10、第1配管20及び第2配管30のうち、外気に暴露される部分に洗浄用流体を供給することが可能な各種装置である。本実施形態において外気に暴露される部分とは、第1配管20、第2配管30、原料タンク10の第1受入配管11及び第2受入配管12のうち第1開閉弁13a及び第1開閉弁13bよりも上流側、並びに、原料タンク10の払出配管16のうち第2開閉弁18よりも下流側である。
【0052】
洗浄手段は、特に図示しないが、体を貯留するタンクなどの供給源、洗浄用流体を輸送するための配管や圧送するためのポンプ、当該配管を開閉する弁装置、洗浄用流体を回収し、所定の処理を施して排出するための処理装置等から構成されている。本実施形態では、第1配管20は、注射用水が流通する配管のみならず、洗浄用流体が流通する洗浄手段の一配管としても機能している。さらに、本実施形態では、洗浄用配管40、排出用配管41、洗浄用開閉弁42及び排出用開閉弁43は、洗浄手段の一部を構成している。
【0053】
上述した排出用開閉弁26、洗浄用開閉弁42、排出用開閉弁43は、注射用水、又は洗浄用流体の流れを制御するために用いられる。また、それらの開閉弁は制御装置により開閉制御される。また、図示しない洗浄用流体や注射用水の供給源は、洗浄用流体又は注射用水の供給又は供給の停止が制御装置により制御される。
【0054】
図2から
図5を用いて、上述した構成の液体製品の原料供給装置1の動作について説明する。
図2から
図5は、液体製品の原料供給装置の動作を説明する概略図である。なお、これらの図では、各弁の閉鎖状態を黒塗りで表し、開放状態を白抜きで表している。
【0055】
図2は、原料タンク10を第1配管20及び第2配管30から取り外された状態を示している。具体的には、原料タンク10の第1受入配管11及び第2受入配管12は、第1配管20(下流配管部23)から取り外されている。同様に、原料タンク10の払出配管16は、第2配管30(上流配管部31)から取り外されている。
【0056】
このように取り外された原料タンク10は、秤量室から調整室に注射液原料を輸送するために用いられる。本実施形態では、原料タンク10は、秤量室に運び込まれ、秤量室内にて所定量に秤量された注射液原料が充填される。例えば、原料タンク10は、アイソレータから注射液原料が供給された後、第1開閉弁13a、第1開閉弁13b及び第2開閉弁18が閉鎖される。このようにして、内部に注射液原料を密封した状態で、原料タンク10は、エアシャワーやパスボックス(UV、EOG等)を通過し、調整室に持ち込まれる。なお、原料タンク10の取り外し、搬送は、人手により行ってもよいし、各種の搬送装置を用いて行ってもよい。
【0057】
原料タンク10は、取り外されて運ばれる間に、点線の円で囲った部分が調整室の空気や秤量室の空気に晒される。この点線の円で囲った部分は、第1受入配管11及び第1受入配管11のうち第1開閉弁13a及び第1開閉弁13bから上流側の部分、及び払出配管16のうち第2開閉弁18から下流側の部分である。また、第1配管20や第2配管30についても、その内部が調整室の空気に暴露される。
【0058】
このように、原料タンク10、第1配管20及び第2配管30の空気に暴露された部分は、この段階では清浄ではなくなってしまう。以降、これらの点線の円で囲った部分や第1配管20及び第2配管30の内部の空気に暴露された部分を被洗浄部と称する。
【0059】
図3は、原料タンク10を第1配管20及び第2配管30に取り付け、洗浄用流体で洗浄している状態を示している。
【0060】
まず、注射液原料が充填された原料タンク10を第1配管20及び第2配管30に取り付ける。具体的には、原料タンク10の第1受入配管11及び第2受入配管12を、第1配管20(下流配管部23)に第1継手15で接続する。同様に、原料タンク10の払出配管16を、第2配管30(上流配管部31)に第2継手17で接続する。
【0061】
そして、制御装置による制御により、第1配管20については、排出用開閉弁26及び第1供給用開閉弁27を開放する。第2配管30については、第2供給用開閉弁37を閉鎖する。また、洗浄用開閉弁42及び排出用開閉弁43を開放する。
【0062】
このような弁の開閉制御により、第1配管20については、洗浄用流体の供給源から排出用配管25に至る流路が形成される。また、洗浄用流体の供給源から洗浄用配管40下流配管部33、中流配管部32、上流配管部31、排出用配管41に至る流路が形成される。
【0063】
そして、制御装置は、洗浄用流体をその供給源から第1配管20及び洗浄用配管40に供給させる制御を行う。これにより、洗浄用流体は、第1配管20を流通し、被洗浄部を洗浄したのち、排出用配管25から排出され、洗浄用流体の処理装置に送られる。また、洗浄用流体は、洗浄用配管40から第2配管30を流通して被洗浄部を洗浄したのち、排出用配管41から排出され、洗浄用流体の処理装置に送られる。このような洗浄用流体による洗浄により、被洗浄部が清浄であることが保証される。
【0064】
なお、被洗浄部の洗浄は、CIPのみ、SIPのみ、又はCIP後にSIPを行うなど何れを行ってもよい。
【0065】
また、
図3に示したように、下流配管部23が垂直方向に配置されている場合、下流配管部23のうち排出用配管25が接続した部分より下側に、洗浄用流体が滞留するとも思われる。しかしながら、当該部分から第1開閉弁13までの距離を短くすることで、洗浄用流体が滞留したとしても少量に抑えることができる。そして、SIPによる気体の圧力で洗浄用流体を排出用配管25へ吹き飛ばしたり、SIPの熱で蒸発させることができるので、洗浄用流体が下流配管部23に滞留することはない。
【0066】
図4及び
図5を用いて、原料タンク10から調製タンク201に注射液原料を送液するとともに、原料タンクを共洗いする動作について説明する。
【0067】
図4に示すように、被洗浄部の洗浄が完了した後、原料タンク10の注射液原料を調製タンク201に送液する。具体的には、制御装置は、第2開閉弁18を開放する。また、制御装置は、第2配管30については、第2供給用開閉弁37を開放する。さらに、制御装置は、洗浄用開閉弁42及び排出用開閉弁43を閉鎖する。これにより、原料タンク10から調製タンク201に注射液原料が送液される。なお、この注射液原料の送液は、注射液原料自体の自重によるものでもよいし、窒素などの不活性ガス等の圧力で圧送することにより行ってもよい。
【0068】
次に、制御装置は、第1配管20aについては第1供給用開閉弁27aを閉鎖し、第1配管20bについては、第1供給用開閉弁27bを開放し、排出用開閉弁26bを閉鎖する。また、制御装置は、原料タンク10の第1開閉弁13bを開放する。このような弁の開閉制御により、第1配管20bから原料タンク10に至る流路が形成される。
【0069】
そして、制御装置は、注射用水をその供給源から第1配管20bに供給させる制御を行う。これにより、注射用水は、第1配管20bを流通し、原料タンク10の底部に供給される。上述したように原料タンク10から調製タンク201に注射液原料が送液されたので、原料タンク10内はほぼ空の状態であるが、微量の注射液原料が残存している場合がある。このような残存した注射液原料は、注射用水とともに調製タンク201に送液される。すなわち、注射液を構成する原料の一つである注射用水で原料タンク10に残った注射液原料を共洗いしたことになる。
【0070】
図5に示すように、第1配管20aを用いて、さらに共洗いを実行する。具体的には、制御装置は、第1配管20aについては第1供給用開閉弁27aを開放し、排出用開閉弁26aを閉鎖する。第1配管20bについては、第1供給用開閉弁27bを閉鎖する。また、制御装置は、原料タンク10の第1開閉弁13aを開放する。このような弁の開閉制御により、第1配管20aから原料タンク10に至る流路が形成される。
【0071】
そして、制御装置は、注射用水をその供給源から第1配管20aに供給させる制御を行う。これにより、注射用水は、第1配管20aを流通し、シャワーヘッド14から噴射され、原料タンク10の上部から内面に供給される。これにより、原料タンク10の内面に付着した微量の注射液原料が、注射用水とともに調製タンク201に送液される。
【0072】
次に、原料タンク10の取り外しについて説明する。特に図示しないが、制御装置は、注射液原料を原料タンク10から調製タンク201に送液した後、
図3と同様の状態にして、洗浄用流体により洗浄を行う。そして、洗浄終了後、原料タンク10を
図2に示すように取り外す。以後、
図2に戻り、アイソレータから原料タンク10に注射液原料を供給して、
図3〜
図5に示した工程を所定量の注射液が得られるまで繰り返す。
【0073】
以上に説明した原料供給装置1では、秤量室で秤量された注射液原料が充填された原料タンク10は、搬送され、第1配管20や第2配管30に着脱可能となっている。このため、被洗浄部(第1受入配管11及び第2受入配管12のうち第1開閉弁13a及び第1開閉弁13bから上流側、払出配管16のうち第2開閉弁18から下流側、並びに、第1配管20及び第2配管30の内側)は、空気に暴露され、清浄度が保てない。しかしながら、原料タンク10から調製タンク201に注射液原料を送液する前に、洗浄用流体によって被洗浄部を洗浄する(
図3参照)。このため、注射液原料や注射用水が流通する第1配管20及び第2配管30の内面を清浄にした上でそれらを調製タンク201に供給することができる。
【0074】
また、本実施形態の原料供給装置1は、第1配管20及び第2配管30は洗浄される。したがって、原料タンク10が取り外された後、一時的に空気に暴露される環境下にそれらの配管を配置することが可能である。このため、第1配管20及び第2配管30や製造手段200等を、クリーンルームに収容する必要はない。このため、大型のクリーンルームに伴うコストの増大を回避することができる。
【0075】
このように、原料供給装置1によれば、注射液の製造手段200から着脱可能な原料タンク10を用いながらも、清浄度を保ち、かつ低コストで、注射液原料を製造手段200に供給することができる。
【0076】
なお、アイソレータ、原料タンク、及び各種製造装置を配管で固定的に接続する構成のプラントが考えられる。特に医薬品ではポンプ等を用いて原料を圧送させたくないという事情あるため、アイソレータが設置された室内よりも階下の室内に、原料タンクや各種製造装置を設置し、上下の階に亘ってアイソレータと原料タンクとを配管で接続する構成のプラントが運用される。
【0077】
このような構成のプラントでは、上下の階にアイソレータと原料タンクを配置するという構成が必須となるため、プラントの設計、構築上、2つの階を要するという大きな制約が生じる。特に、既設の建物ではそのような構成のプラントを構築し難い。
【0078】
一方、本実施形態の原料供給装置1では、原料タンク10を製造手段200から取り外すことができるので、アイソレータと、原料タンク10及び製造手段200を含むプラント100の設計・構築に対する制約が緩和され、既存の建物での適用が容易となる。例えば、少量多品種を製造するプラントでは、原料タンク10を比較的小型にし、原料タンク10をアイソレータと秤量室内に設置して注射液原料を供給可能とする。そしてその原料タンク10を運送して例えば同一階の調整室に設置された製造手段200に取り付け可能とする。すなわち、2つの階に亘ってプラント100を構成する必要がなく、既設の建物において、原料供給装置1を含むプラント100を適用しやすいという効果がある。
【0079】
また、原料供給装置1は、制御装置により、洗浄(
図3参照)、注射液原料の送液及び共洗い(
図4及び
図5参照)が実行される。これにより、注射液を製造する一連の工程を無人で自動的に確実に実行させることができ、ランニングコストを低減することができる。
【0080】
特に、
図3に示したように、制御装置により洗浄用流体により被洗浄部を洗浄させるので、洗浄工程を自動的に確実に実行させることができる。
【0081】
また、制御装置は、洗浄工程の完了後に、原料タンク10が第1配管20及び第2配管30から取り外し可能と判定するようにしてもよい。また、制御装置はこの判定結果をプラント100の作業員が認識できる態様で表示してもよい。たとえば、原料タンク10が取り外し可能であることを画面表示したり、ランプなどの各種装置でその旨を表示するようにしてもよい。これにより、原料タンク10を取り外し可能であることを作業員に確実に知らせることができる。
【0082】
また、原料供給装置1は、制御装置により、原料タンク10に残存した注射液原料を注射用水で共洗いすることが可能となっている。これにより、原料タンク10に注射液原料が残存して無駄になることを防止することができる。特に、注射液原料は、少量でも高価であるので、注射液原料の無駄の削減効果は顕著である。
【0083】
また、原料供給装置1は、アイソレータにより原料タンク10に注射液原料を供給可能となっている。これにより、原料タンク10に注射液原料を充填する際に雑菌等が混入する恐れを低減できる。
【0084】
〈実施形態2〉
本実施形態では、第1配管20の変形例を示す。
図6は、実施形態2に係る原料供給装置の概略図である。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0085】
図6(a)に示すように、本実施形態の第1配管20aは、下流配管部23が、略垂直に配置された垂直部23aと、垂直部23aから屈曲して略水平の水平部23bとから構成されている。排出用配管25は、垂直部23aと水平部23bとの交点に接続され、略水平に延びている。
【0086】
実施形態1と同様に、第1開閉弁13aを閉じ、排出用開閉弁26を開放し、洗浄用流体を第1配管20aに供給する。これにより、第1配管20aの内部や、第1受入配管11のうち第1開閉弁13aよりも上流側を洗浄することができる。
【0087】
そして、
図6(b)に示すように、洗浄の終了時には、徐々に洗浄用流体が第1配管20aの内部から排出される。このとき、第1配管20aの下流側は、水平部23bとなっているので、洗浄用流体は、排出用配管25を流通して排出されるので、第1配管20a内に滞留し難くなっている。仮に、第1配管20a内で洗浄用流体が残留しても、SIPによって、確実に洗浄用流体が第1配管20aから排出される。
【0088】
このように、本実施形態によれば、洗浄用流体を第1配管20aからより確実に排出させることができるので、この後の工程において、洗浄用流体が原料タンク10に流入してしまうことを防止できる。
【0089】
なお、このような垂直部23a及び水平部23bを備えた第1配管20aの構成は、第1配管20bや第2配管30の上流配管部31に適用してもよい。
【0090】
〈他の実施形態〉
以上、本発明の一実施形態について説明したが、勿論、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
【0091】
例えば、液体製品の一例として医薬品である注射液について説明したが、これに限定されない。本発明の液体製品の原料供給装置は、注射液以外の液状の医薬品、さらには医薬品のみならず飲料食品一般についても適用できる。また、液体製品の原料は、注射液原料や注射用水など液体を例示したが、これに限定されず、粉体や粒状など固体でもよい。
【課題】液体製品の製造装置から着脱可能な原料タンクを用いて、清浄度を保ち、かつ低コストで、原料を液体製品の製造装置に供給することができる液体製品の原料供給装置を提供する。
【解決手段】注射液の原料である注射液原料を貯留する原料タンク10と、原料タンク10に接続される第1配管20と、原料タンク10及び製造手段200を接続する第2配管30と、を備え、原料タンク10は、原料タンク10内に連通し、第1配管20に着脱可能な第1受入配管11及び第2受入配管12と、第1受入配管11及び第2受入配管12に設けられた第1開閉弁13a及び第1開閉弁13bと、原料タンク10内に連通し、第2配管30に着脱可能な払出配管16と、払出配管16に設けられた第2開閉弁18と、を備え、第1配管20、第2配管30、第1開閉弁13a及び第1開閉弁13bよりも上流側、及び第2開閉弁18よりも下流側を洗浄用流体で洗浄する洗浄手段を備える。