(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ケーシングは、天板と、前記天板から下方に延びる一対の対向する側板と、前記各側板間に亘って延びる棚板と、前記天板と前記棚板とに亘って延びる垂設板と、を有している、請求項1に記載の電源装置。
端子から第1ケーブルが延びるバッテリと、外部電源からの電力を前記バッテリに供給するよう前記第1ケーブルに接続された第2ケーブルと、前記バッテリを収容するケーシングとを備えた電源装置における前記バッテリを交換する方法であって、
前記方法は、前記ケーシングの開口部を開閉可能に閉鎖するカバープレートをさらに備え、前記第1ケーブルが、前記バッテリの端子から前記カバープレートの外側面に沿って延びて前記第2ケーブルに電気的に接続される前記電源装置における前記バッテリを交換する方法であり、
前記第1ケーブルと第2ケーブルとの接続を解除するステップと、
前記接続を解除するステップの後、前記バッテリを前記ケーシング内から取り出すステップと、
を含む、バッテリ交換方法。
前記方法は、前記ケーシングが、天板と、前記天板から下方に延びる一対の対向する側板と、前記各側板間に亘って延びる棚板と、前記天板と前記棚板とに亘って延びる垂設板と、を有している前記電源装置における前記バッテリを交換する方法である、請求項9に記載のバッテリ交換方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような交換方法では、例えばケーブルがケーシング内部に形成された突起物等に引っ掛かっている場合に、バッテリをケーシング内から取り出すと、そのケーブルが断線する恐れがある。このため、ケーブルの断線が発生しないようバッテリを取り出す際には慎重に作業を行わなければならず、作業効率が悪いといった問題があった。
【0007】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、バッテリの交換作業効率を向上させることのできる電源装置、バッテリ、及びバッテリ交換方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係る電源装置は、端子、及び上記端子から延びる第1ケーブルを有するバッテリと、上記バッテリを収容するとともに、上記バッテリを外部に取り出すための開口部が形成されたケーシングと、外部電源からの電力を上記バッテリに供給するための第2ケーブルと、を備え、上記第1ケーブルと上記第2ケーブルとは、上記ケーシングの外部から操作可能な位置において電気的に接続する。
【0009】
このように第1ケーブルと第2ケーブルとがケーシング外部から操作可能な位置において接続されているため、バッテリをケーシング内から取り出すことなく第1ケーブルと第2ケーブルとの接続を解除することができる。この結果、第1ケーブルを第2ケーブルから取り外した状態でバッテリをケーシング内から取り出すことができ、ケーブルがケーシング内の突起物などに引っかかって断線することを防ぐことができる。よって、バッテリの交換作業効率を向上させることができる。なお、上記第1ケーブルと第2ケーブルとは、直接接続されている必要はなく、例えばコネクタなどの部品を介して間接的に接続されていてもよい。
【0010】
(2)好ましくは、上記ケーシングの開口部を開閉可能に閉鎖するカバープレートをさらに備える。
【0011】
この構成によれば、バッテリが不意に開口部から取り出されることを防ぐことができる。なお、カバープレートは、開口部全面を塞いでいる必要はなく、少なくともバッテリがケーシング内から取り出せない程度に開口部を塞いでいればよい。
【0012】
(3)より好ましくは、上記第1ケーブルは、上記バッテリの端子から上記カバープレートの外側面に沿って延びて上記第2ケーブルに電気的に接続される。
【0013】
この構成によれば、第1ケーブルがカバープレートの外側面に沿って延びているため、第1ケーブルを第2ケーブルから取り外さなければ、カバープレートを外すことができない。そして、カバープレートが外せない結果、バッテリをケーシングから取り出すこともできない。したがって、使用者に対して、第1ケーブルを第2ケーブルから取り外した後にバッテリをケーシング内から取り出すという順序でバッテリ交換作業を行わせることができる。
【0014】
(4)好ましくは、上記第1ケーブルと上記第2ケーブルとの接続部は、上記ケーシングの開口部近傍に位置する。
【0015】
開口部はバッテリを取り出す部分であるため、上記構成のように第1ケーブルと第2ケーブルとの接続部が開口部近傍に位置することにより、バッテリを取り出す前に第1ケーブルと第2ケーブルとの接続を解除するよう、使用者の注意を喚起することができる。
【0016】
(5)好ましくは、上記第1ケーブルは、上記バッテリの正極端子及び負極端子から一対延びるとともに、上記各第1ケーブルの先端部に取り付けられた一つの第1コネクタを有し、上記第2ケーブルは、上記一対の第1ケーブルに対応するよう一対存在し、上記各第2ケーブルの先端部に取り付けられた一つの第2コネクタを有し、上記第1ケーブルと上記第2ケーブルとは、上記第1コネクタ及び上記第2コネクタを介して電気的に接続する。
【0017】
この構成によれば、第1コネクタと第2コネクタとを着脱するだけで、正極端子及び負極端子から延びる一対の第1ケーブルと、これら第1ケーブルに対応する一対の第2ケーブルとを一度に電気的に接続したり、この接続を解除したりすることができる。
【0018】
(6)好ましくは、上記ケーシング内に、上記バッテリを載置するためのバッテリ載置台をさらに備えており、上記バッテリ載置台は、ケーシング内から外部へ引出可能である。
【0019】
この構成によれば、バッテリ載置台をケーシングから引き出すだけでバッテリをケーシング内から取り出すことができるため、複数のバッテリがケーシング内に収容されている場合に、バッテリの取出し作業を効率的に行うことができる。
【0020】
(7)好ましくは、上記ケーシングは、天板と、上記天板から下方に延びる一対の対向する側板と、上記各側板間に亘って延びる棚板と、上記天板と上記棚板とに亘って延びる垂設板とを有している。
【0021】
この構成によれば、天板と棚板との間に垂設板とを設けているため、ケーシングの天板側からの負荷に対する強度を向上させることができる。
【0022】
(8)より好ましくは、上記ケーシング内に収容された回路基板をさらに備え、上記回路基板は、上記垂設板と平行な状態で上記垂設板に固定されており、上記第2ケーブルは、上記回路基板から延びている。
【0023】
この構成によれば、ケーシング内の水平方向のスペースを確保することができる。
【0024】
(9)好ましくは、上記ケーシング内の温度を検出する温度センサをさらに備える。
【0025】
この構成によれば、温度センサによりケーシング内の温度を検出することで、バッテリの温度が高温になっているか否かを検出することができる。
【0026】
(10)より好ましくは、上記ケーシング内を冷却するためのファンをさらに備える。
【0027】
この構成によれば、ケーシング内の温度がバッテリから生じる熱等によって高温となった場合に、ケーシング内を冷却することができる。
【0028】
(11)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係るバッテリは、上記各電源装置に用いられる交換用のバッテリであって、正極端子及び負極端子を有するバッテリ本体と、上記バッテリ本体の上記正極端子及び上記負極端子から延びる一対のケーブルと、上記一対のケーブルの各先端部に取り付けられた一つのコネクタと、を備えている。
【0029】
この構成によれば、コネクタの着脱によって、電源装置本体とバッテリとを電気的に接続したり、この電気的な接続を解除したりすることができるため、電気機器に詳しくない一般消費者であっても、バッテリ交換作業を容易に行うことができる。
【0030】
(12)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係るバッテリ交換方法は、端子から第1ケーブルが延びるバッテリと、外部電源からの電力を上記バッテリに供給するよう上記第1ケーブルに接続された第2ケーブルと、上記バッテリを収容するケーシングとを備えた電源装置における上記バッテリを交換する方法であって、上記第1ケーブルと第2ケーブルとの接続を解除するステップと、上記解除するステップの後、上記バッテリを上記ケーシング内から取り出すステップと、を含む。
【0031】
このバッテリ交換方法によれば、第1ケーブルと第2ケーブルとの接続を解除した後に、バッテリをケーシング内から取り出すため、バッテリを取り出す際にケーブルがケーシング内で引っかかり、断線してしまうといったことを防止することができる。よって、バッテリの交換作業効率を向上させることができる。なお、上記第1ケーブルと第2ケーブルとは、直接接続されている必要はなく、例えばコネクタなどの部品を介して間接的に接続されていてもよい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、バッテリの交換作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態に係る電源装置、バッテリ、及びバッテリ交換方法について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0035】
[電源装置]
図1は本発明の実施形態に係る電源装置1のバッテリ収容時における左側面側から見た斜視図、
図2は本発明の実施形態に係る電源装置1の右側面側から見た斜視図、
図3は本発明の実施形態に係る電源装置1のバッテリ取出時の左側面側から見た斜視図である。
【0036】
図1から
図3に示すように、電源装置1は、各部材を収容するケーシング2と、外部電源(図示省略)からの電力を蓄電するバッテリ3と、各電子部品間を配線で接続して電子回路を構成する回路基板4と、を主な構成要素として備えている。また、電源装置1は、ケーシング2内において、充電器5及びインバータ6等もさらに備えている。以下、電源装置1の各構成要素について詳細を説明する。
【0037】
ケーシング2は、バッテリ3及び回路基板4などを内部に収容するためのものである。このケーシング2は、天板21と、天板21から下方へ延びる一対の対向する側板22と、各側板22間に亘って延びる底板23と、天板21と底板23の間において各側板22間に亘って延びる棚板24とから主に構成されている。また、ケーシング2は、天板21と棚板24とに亘って延びる垂設板25を有している。なお、正面側(
図1の手前側)の側板の符号を22a、背面側の側板の符号を22bとすることで各側板を区別し、両方の側板を区別せずに総称する場合は符号を22として本実施形態を説明する。
【0038】
ケーシング2の内部空間は、棚板24によって大きく二つに分けられており、天板21、側板22、及び棚板24によって囲まれた上部空間に回路基板4、充電器5、及びインバータ6が収容されている。また、棚板24、側板22、及び底板23によって囲まれた下部空間にバッテリ3が収容されている。
【0039】
正面側の側板22aには、電源装置1の状態を示すための表示パネル221、及び電源装置1の移動の際に使用者が把持する操作ハンドル222が取り付けられている。この表示パネル221の視認性を向上させるために、表示パネル221が取り付けられた正面側の側板22aの上部は、上向きに傾斜した形状となっている。
【0040】
背面側の側板22bには、ケーシング2内に外部の空気を取り込むためのファン223が取り付けられている。そして、後述するカバープレート8の裏面にケーシング2内の温度を検出するための温度センサ85が設置されている。この温度センサ85によって検出した温度が予め設定された閾値以上になると、ファン223が稼働するように設定することができる。
【0041】
また、ケーシング2は、正面側及び背面側に側板22が存在する一方、側面側には側板が存在していない。このように、ケーシング2は、側面側に側板を有していないことによって、一対の対向する開口部26a,26bが形成されている。このケーシング2に形成された開口部26aを介して、ケーシング2内に収容されたバッテリ3をケーシング2の外部へ取り出し可能とすることができる。なお、開口部26a、26bが形成されたケーシング2の側面を、
図4に示すように化粧板7によって覆うことができる。なお、本明細書におけるケーシング2とは、この化粧板7を除いたものを意味し、化粧板7はケーシング2の一部ではない。
【0042】
電源装置1は、ケーシング2の開口部26aのうち、バッテリ3が収容される下部空間と対応する下半分、すなわち、各側板22、底板23、及び棚板24で画定される部分を塞ぐカバープレート8をさらに備えている。なお、ケーシング2の開口部26aのうち、回路基板4等が収容されるケーシング2の上部空間と対応する上半分を塞ぐカバープレートを別途設けることもできる。
【0043】
カバープレート8は、開口部26aの下半分を開閉可能に閉鎖するようケーシング2に取り付けられている。より詳細には、カバープレート8は、ヒンジ部81を介してケーシング2の棚板24に取り付けられている。このカバープレート8は、ヒンジ部81を中心に回動することで、開口部26aの下半分を塞ぐ閉鎖状態と、開口部26aの下半分を開放する開放状態とにすることができる。
【0044】
カバープレート8を閉鎖状態にした際は、その状態を保持するために、ボルトなどを用いて、カバープレート8の下端部をケーシング2の底板23に固定することができる。また、カバープレート8を開放状態で保持できるよう、ケーシング2の天板21に係止部211を設け、カバープレート8の下端部に係止部211と係止する被係止部82を設けることもできる。例えば、係止部211としてケーシング2の天板21にフック状のフック部材を取り付け、被係止部82としてカバープレート8の下端部にリング状のリング部材等を設けることもできる。
【0045】
カバープレート8は、後述する第1コネクタ34との干渉を避けるために、上端部に切欠き部83が形成されている。また、カバープレート8の下端部には、バッテリ3から延びる第1ケーブル33を通すための切欠き部84が形成されている。
【0046】
ケーシング2の底面、すなわち底板23の下面には、電源装置1の移動を容易にするためのキャスター231、及び電源装置1をその場に固定するためのフロアストッパ232が取り付けられている。
【0047】
ケーシング2の底板23上には、バッテリ3を載置するためのバッテリ載置台9が配置されている。このバッテリ載置台9は、その側面に底板23に固定されたスライドレール91を有しており、このスライドレール91によってケーシング2の内部からスライド式に引き出すことができる。
【0048】
バッテリ3は、公知のバッテリを使用することができ、例えば、鉛蓄電池などを用いることができる。本実施形態では、4つのバッテリ3が、ケーシング2内に収容されている。より詳細には、各バッテリ3は、バッテリ載置台9上に縦2列横2列の配置で載置されており、固定バンド92によってバッテリ載置台9に固定されている。
【0049】
各バッテリ3は、正極端子31及び負極端子32をバッテリ本体30の上面に有しており、この正極端子31及び負極端子32のそれぞれから第1ケーブル33が延びている、すなわち、各バッテリ3からは一対の第1ケーブル33が延びている。一対の第1ケーブル33は、先端に1つの第1コネクタ34が取り付けられている。
【0050】
回路基板4は、ケーシング2の垂設板25と平行な状態で垂設板25に固定されている。すなわち、回路基板4は、垂直に立った状態となっている。この回路基板4を介して、バッテリ3、充電器5、及びインバータ6が電気的に接続されている。
【0051】
図5に示すように、各バッテリ3の正極端子31及び負極端子32から延びる一対の第1ケーブル33と電気的に接続する一対の第2ケーブル41が、回路基板4から延びている。
図5は、
図1におけるA部分の拡大図である。なお、本実施形態では、バッテリ3を4つ有しているため、第1ケーブル33及び第2ケーブル41は、それぞれ4対ずつ延びている。
【0052】
一対の第2ケーブル41は、その先端で一つの第2コネクタ42に接続されている。この第2コネクタ42は、第1コネクタ34に対して着脱可能に構成されており、第2コネクタ42が第1コネクタ34と接続することで、第1ケーブル33と第2ケーブル41とが電気的に接続される。
【0053】
第2コネクタ42は、ケーシング2の開口部26a近傍、具体的には、第2コネクタ42は、棚板24の開口部26a側の端部に固定されている。より具体的には、第2コネクタ42は、棚板24の開口部26a側の端部に設けられた固定用プレート241に、第1コネクタ34との接続端部を下方に向けた状態で固定されている。このように、第2コネクタ42が棚板24の開口部26a側の端部に固定されているため、第1ケーブル33と第2ケーブル41との接続部は、ケーシング2の外部から操作可能な位置となる。そして、第1コネクタ34と第2コネクタ42とが接続された状態において、第1ケーブル33は、カバープレート8の外側面に沿った状態となっている。
【0054】
このように、第1ケーブル33と第2ケーブル41とは、ケーシング2の外部から操作可能な位置において電気的に接続されている。なお、ケーシング2の外部から操作可能な位置とは、バッテリ3をケーシング2内に収容させたままの状態で第1ケーブル33と第2ケーブル41との接続を解除できる位置のことを言う。なお、第1ケーブル33と第2ケーブル41とは直接接続されていてもよいが、本実施形態においては、第1ケーブル33と第2ケーブル41とは、第1コネクタ34及び第2コネクタ42を介して、間接的に接続されている。
【0055】
また、電源装置1は、第1ケーブル33と第2ケーブル41との接続が解除される前にバッテリ3をケーシング2から取り出されることを規制する規制手段を備えている。なお、本実施形態においては、カバープレート8と、カバープレート8の外側面に沿って延びる第1ケーブル33とによって上記規制手段を構成している。
【0056】
図2に示すように、充電器5は、ケーシング2の上部空間に収容されており、ケーシング2の棚板24上に設置された2段式の取り付け台27の下段に固定されている。この充電器5は、外部電源からの交流電力を直流電力に変換してバッテリ3の充電を行う機能を有しており、また、過充電を回避するための充電制御機能も有している。
【0057】
インバータ6は、ケーシング2の上部空間において、2段式の取り付け台27の上段に固定されている。このインバータ6は、バッテリ3に蓄えられた直流電力を外部装置(図示省略)へ供給する際に、直流電力を交流電力に変換する機能を有する。
【0058】
[バッテリ交換方法]
次に、上述したように構成された電源装置1におけるバッテリの交換方法について説明する。
【0059】
まず、
図4に示すように化粧板7がボルト等によってケーシング2の側面に取り付けられている場合は、ボルト等を取り外して化粧板7をケーシング2から取り外し、電源装置1を
図1及び
図2に示すような状態とする。
【0060】
次に、第2コネクタ42から第1コネクタ34を取り外すことで、第1ケーブル33と第2ケーブル41との電気的な接続を解除する。
【0061】
そして、カバープレート8の下端部をケーシング2に固定しているボルトを取り外し、ヒンジ部81を中心にカバープレート8を開き、開口部26aの下半分を開放する。なお、カバープレート8を開放状態で保持するよう、カバープレート8の被係止部82を、ケーシング2の天板部21にある係止部211に引っ掛ける。この作業により、電源装置1は、
図6に示すような状態となる。なお、
図6は、本実施形態に係るカバープレートを開放状態で保持した電源装置の斜視図である。
【0062】
このようにカバープレート8が開いた状態となると、バッテリ3をケーシング2内から取り出すことができる。具体的には、バッテリ3が載置されているバッテリ載置台9をケーシング2から引っ張り出す。これにより、バッテリ載置台9上のバッテリ3がケーシング2内から取り出される。この作業により、電源装置1は、
図3に示すような状態となる。
【0063】
バッテリ3をケーシング2内から取り出すと、バッテリ3をバッテリ載置台9に固定している固定バンド92を取り外す。以上により、バッテリ3を電源装置1から取り外すことができる。
【0064】
次に、新しいバッテリ3をバッテリ載置台9上に載置し、固定バンド92によってバッテリ3をバッテリ載置台9上に固定する。そして、バッテリ載置台9をケーシング2側に押すことによってバッテリ3を乗せたバッテリ載置台9をスライドさせてケーシング2内に収容する。これにより、バッテリ載置台9に載置されているバッテリ3もケーシング2内に収容され、電源装置1は、
図6に示すような状態となる。
【0065】
バッテリ3をケーシング2内に収容すると、ケーシング2の天板21にある係止部211に引っ掛けられたカバープレート8の被係止部82を係止部211から外す。そして、ヒンジ部81を中心にカバープレート8を回転させて、開口部26の下半分を覆った閉鎖状態とし、ボルト等を用いてカバープレート8の下端部を底板23に固定する。なお、カバープレート8が閉鎖状態となったとき、バッテリ3から延びる第1ケーブル33は、カバープレート8の切欠き部84からケーシング2の外部へと延ばしておく。
【0066】
カバープレート8を閉鎖状態にした後、カバープレート8の切欠き部84から延びている第1ケーブル33の先端部に取り付けられた第1コネクタ34を、第2コネクタ42に取り付け、電源装置1を
図1に示すような状態とする。これにより、第1ケーブル33と第2ケーブル41とが電気的に接続される。また、この状態で、第1ケーブル33はカバープレート8の外側面に沿って延びた状態となっている。
【0067】
そして、最後に、化粧板7をケーシング2に取り付けて、電源装置1を
図4に示すような状態とする。以上により、バッテリ3を新しいものと交換することができる。
【0068】
以上、本実施形態に係る電源装置1は、第1ケーブル33を有するバッテリ3と、バッテリ3を収容するケーシング2と、外部電源からの電力をバッテリ3に供給するための第2ケーブル41と、を備えている。そして、第1ケーブル33と第2ケーブル41とは、ケーシング2の外部から操作可能な位置において電気的に接続する。
【0069】
このように第1ケーブル33と第2ケーブル41とがケーシング2外部から操作可能な位置において接続されているため、バッテリ3をケーシング2内から取り出すことなく第1ケーブル33と第2ケーブル41との接続を解除することができる。この結果、第1ケーブル33を第2ケーブル41から取り外した状態でバッテリ3をケーシング2内から取り出すことができる。よって、第1ケーブル33又は第2ケーブル41がケーシング2内の突起物などに引っかかって断線することを防ぐことができ、バッテリ3の交換作業効率を向上させることができる。
【0070】
また、本実施形態に係る電源装置1において、ケーシング2の開口部26aを開閉可能に閉鎖するカバープレート8をさらに備える。
【0071】
この構成によれば、バッテリ3が不意に開口部26aから取り出されることを防ぐことができる。
【0072】
また、本実施形態に係る電源装置1において、第1ケーブル33は、バッテリ3の端子31,32からカバープレート8の外側面に沿って延びて第2ケーブル41に電気的に接続される。
【0073】
この構成によれば、第1ケーブル33がカバープレート8の外側面に沿って延びているため、第1ケーブル33を第2ケーブル41から取り外さなければ、カバープレート8をケーシング2から外すことができない。そして、カバープレート8が外せない結果、バッテリ3をケーシング2から取り出すこともできない。したがって、使用者に対して、第1ケーブル33を第2ケーブル41から取り外した後にバッテリ3をケーシング2内から取り出すという順序でバッテリ交換作業を行わせることができる。
【0074】
また、本実施形態に係る電源装置1において、第1ケーブル33と第2ケーブル41との接続部は、ケーシング2の開口部26a近傍に位置する。
【0075】
開口部26a近傍はバッテリ3を取り出す部分であるため、第1ケーブル33と第2ケーブル41との接続部が開口部26a近傍に位置することにより、バッテリ3を取り出す前に第1ケーブル33と第2ケーブル41との接続を解除するよう、使用者の注意を喚起することができる。
【0076】
また、本実施形態に係る電源装置1において、第1ケーブル33は、バッテリ3の正極端子31及び負極端子32から一対延び、各第1ケーブル33の先端部には一つの第1コネクタ34が取り付けられている。また、第2ケーブル41は、一対の第1ケーブル33に対応するよう一対存在し、各第2ケーブル41の先端部には一つの第2コネクタ42が取り付けられている。第1ケーブル33と第2ケーブル41とは、第1コネクタ34及び第2コネクタ42を介して電気的に接続する。
【0077】
この構成によれば、第1コネクタ34と第2コネクタ42とを着脱するだけで、正極端子31及び負極端子32から延びる一対の第1ケーブル33と、これら第1ケーブルに対応する一対の第2ケーブル41とを一度に電気的に接続したり、この接続を解除したりすることができる。
【0078】
また、本実施形態に係る電源装置1において、ケーシング2内に、バッテリ3を載置するためのバッテリ載置台9をさらに備えており、バッテリ載置台9は、ケーシング内から外部へ引出可能である。
【0079】
この構成によれば、バッテリ載置台9をケーシング2から引き出すだけでバッテリ3をケーシング2内から取り出すことができるため、複数のバッテリ3がケーシング内に収容されている場合に、バッテリ3の取出し作業を効率的に行うことができる。
【0080】
また、本実施形態に係る電源装置1において、ケーシング2は、天板21と、天板21から下方に延びる一対の対向する側板22a、22bと、各側板22a、22b間に亘って延びる棚板24と、天板21と棚板24とに亘って延びる垂設板25とを有している。
【0081】
この構成によれば、天板21と棚板24との間に垂設板25とを設けているため、ケーシング2の天板21側からの負荷に対する強度を向上させることができる。
【0082】
また、本実施形態に係る電源装置1において、ケーシング2内に収容された回路基板4をさらに備え、回路基板4は、垂設板25と平行な状態で垂設板25に固定されており、第2ケーブル41は、回路基板4から延びている。
【0083】
この構成によれば、ケーシング2内の水平方向のスペースを確保することができる。
【0084】
また、本実施形態において、ケーシング2内の温度を検出する温度センサをさらに備える。
【0085】
この構成によれば、温度センサによりケーシング2内の温度を検出することで、バッテリ3の温度が高温になっているか否かを検出することができる。
【0086】
また本実施形態に係る電源装置1において、ケーシング2内を冷却するためのファン223をさらに備える。
【0087】
この構成によれば、バッテリ3から生じる熱等によってケーシング2内の温度が高温となった場合に、ファン223を稼働させることでケーシング2内を冷却することができる。
【0088】
また、本実施形態に係るバッテリ3は、正極端子31及び負極端子32を有するバッテリ本体30と、バッテリ本体30の正極端子31及び負極端子32から延びる一対のケーブル33と、一対のケーブル33の各先端部に取り付けられた一つのコネクタ34と、を備えている。
【0089】
この構成によれば、コネクタ34の着脱によって、電源装置1本体とバッテリ3とを電気的に接続したり、この電気的な接続を解除したりすることができるため、電気機器に詳しくない一般消費者であって、バッテリ交換作業を容易に行うことができる。
【0090】
また、本実施形態に係るバッテリ交換方法は、端子31,32から第1ケーブル33が延びるバッテリ3と、外部電源からの電力をバッテリに供給するよう第1ケーブル33に接続された第2ケーブル41と、バッテリ3を収容するケーシング2とを備えた電源装置1においてバッテリ3を交換する方法である。このバッテリ交換方法は、第1ケーブル33と第2ケーブル41との接続を解除し、その後に、バッテリ3をケーシング2内から取り出す。
【0091】
このバッテリ交換方法によれば、第1ケーブル33と第2ケーブル41との接続を解除した後に、バッテリ3をケーシング2内から取り出す。このため、バッテリ3を取り出す際に第1ケーブル33又は第2ケーブル41がケーシング2内で引っ掛かって断線してしまうことを防止することができ、バッテリ交換作業効率を向上させることができる。
【0092】
上記実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。例えば、以下に説明する変形例のように、上記実施形態を変更することができる。
【0093】
[変形例1]
例えば、上記実施形態において、ケーシング2の上部空間及び下部空間に対応する部分に開口部26aが形成されているが、開口部26aは、下部空間に対応する部分にのみ形成されており、上部空間に対応する部分は開口されていなくてもよい。
【0094】
[変形例2]
また、上記実施形態では、第1ケーブル33と第2ケーブル41とは、棚板24に設けられた固定用プレート241において電気的に接続されているが、この接続部は、ケーシング2の外部から操作可能な位置であればよく、この位置に限定されるものではない。