(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施の形態1]
図1から
図3は、実施の形態1に係る現像装置5を備えた画像形成装置1を示すものである。
図1はその画像形成装置1の内部の概要を示し、
図2はその現像装置5の内部の概要を示し、
図3はその現像装置5の一部の概要を示している。以下の各図中において示す矢印X,Y,Zは座標軸であり、座標軸X及びZに沿う二次元の面が画像形成装置を設置する場所の設置面にほぼ相当する関係になっている。
【0019】
<画像形成装置の全体の構成>
画像形成装置1は、プリンタとして構成されているものであり、支持構造材、外装材等で構成される筐体10を有している。そして、この画像形成装置1は、
図1に示されるように、筐体10の内部空間に、現像剤としてのトナーで構成されるトナー像を形成して被記録材の一例としての記録用紙9に転写する作像ユニット2と、作像ユニット2に供給する記録用紙9を収容するとともに搬送する給紙装置3と、作像ユニット2で形成されたトナー像を記録用紙9に定着する定着装置4等が設置されている。
図1における符号12は筐体10の上面部に斜面状に形成された画像形成後の記録用紙9を収容する排出収容部、符号13は画像形成後の記録用紙9を排出収容部12にむけて排出する排出口を示す。
【0020】
作像ユニット2は、例えば公知の電子写真方式を利用して構成されるものであり、矢印Aで示す方向(図中において時計反回りの方向)に回転駆動する感光ドラム21と、感光ドラム21の像形成領域となる外周面を所要の電位に帯電させる帯電装置22と、帯電後の感光ドラム21の外周面に所要の画像情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある静電潜像を形成する露光装置23と、その静電潜像をトナーにより現像してトナー像にする現像装置5と、そのトナー像を感光ドラム21から記録用紙9に転写させる転写装置25と、転写後の感光ドラム21の表面に残留するトナー等を除去して清掃する清掃装置26とで主に構成されている。
【0021】
感光ドラム21は、接地された円筒状又は円柱状の導電性基材に感光層等の所要の層を積層したものであり、図示しない駆動装置からの回転動力を受けて回転するようになっている。帯電装置22としては、例えば感光ドラム11の外周面に接触して回転する帯電ロール等の接触式のものが適用されており、その帯電ロールに図示しない電源部から所要の帯電用電圧が供給されるようになっている。露光装置23としては、例えば半導体レーザ、走査光学部品等で構成されるレーザ走査型書込み装置が適用されており、画像形成装置1に外部から所要の手段で入力される画像情報が所要の画像処理等を施された後に送信されて動作するようになっている。現像装置5の詳細については後述する。
【0022】
転写装置25としては、例えば感光ドラム11の外周面に接触して回転する転写ロール等の接触式のものが適用されており、その転写ロールに図示しない電源部から所要の転写用電圧が供給されるようになっている。清掃装置26は、感光ドラム11の外周面に接触して残留トナー等を掻き取る清掃板26や、その除去した残留トナー等を収容する収容器等で構成されている。
【0023】
給紙装置3は、画像の形成に使用する所要のサイズ、種類等からなる複数枚の記録用紙9を積み重ねた状態で収容する、トレイ形式、カセット形式等の用紙収容体31と、その用紙収容体31に収容される用紙9を1枚ずつ搬送路にむけて送り出す送出装置32とを備え、給紙の時期が到来すると、記録用紙9を1枚ずつ送り出すようになっている。用紙収容体31は、例えば筐体10に対してスライド移動させて着脱自在に取り付けられており、記録用紙9の補給作業ができるように構成されている。送出装置32は、例えば用紙繰り出しロール32a、用紙捌き及び送出ロール対32b等で構成されている。
【0024】
定着装置4は、記録用紙9が通過する導入口及び排出口が形成された筐体40の内部に、表面温度が加熱手段により所要の温度に加熱されて保持されるロール形態、ベルト形態等の加熱回転体41と、この加熱回転体41の軸方向にほぼ沿うように所要の圧力で接触して従動回転するロール形態、ベルト形態等の加圧回転体42とが配置されている。この定着装置4は、その加熱回転体41と加圧回転体42とが接触して形成される接触部(定着処理部)に、トナー像が転写された後の記録用紙9を導入して通過させることで定着処理(加熱及び加圧)を行うようになっている。
【0025】
図1における符号34は、給紙装置3から送り出される記録用紙9を作像ユニット2の転写位置(感光ドラム11と転写装置25の間)にむけて搬送する給紙路であり、用紙搬送ガイド材、用紙搬送ロール対35等で構成されている。用紙搬送ロール対35は、記録用紙9を作像ユニット2の転写位置へ送り込む時期等を調整するロールとして構成されている。また、符号36は、作像ユニット2から送り出される転写後の記録用紙9を定着装置4にむけて搬送する中間搬送路であり、用紙搬送ガイド材で構成されている。さらに、符号44は、定着装置4から送り出される定着後の記録用紙9を排出口13にむけて搬送する排出路であり、用紙搬送ガイド材、用紙排出ロール対45等で構成されている。
【0026】
この画像形成装置1による基本的な画像形成は、次のようにして行われる。
【0027】
画像形成装置1では、画像形成動作の開始指令を受けると、作像ユニット2において、矢印Aで示す方向に回転始動する感光ドラム21の外周面が帯電装置21により所定の極性及び電位に帯電された後、その帯電された感光ドラム21の外周面に対して露光装置23から画像情報に基づく露光が行われて所要の電位からなる静電潜像が形成される。続いて、感光ドラム21に形成された静電潜像が、現像装置5を通過する際に、その現像装置5(の現像ロール)から供給される所要の極性に帯電された状態のトナーにより現像されてトナー像として顕像化される。
【0028】
次いで、感光ドラム21上に形成されたトナー像は、感光ドラム21の回転により転写装置25と対向する転写位置まで搬送されると、この作像タイミングに合わせて給紙装置3から搬送路33を通して供給される記録用紙9に対して転写装置25により静電的に転写される。この転写後の感光ドラム21の外周面は、清掃装置26で清掃される。
【0029】
続いて、作像ユニット2においてトナー像が転写された記録用紙9は、感光ドラム21から剥離された後に中間給紙路36を通して定着装置4に導入されるように搬送され、定着装置4における加熱回転体41と加圧回転体42との接触部を通過する際に加圧下で加熱され、これによりトナー像が溶融して記録用紙9に定着される。この定着が終了した後の記録用紙9は、その片面への画像形成動作の場合であれば、定着装置35から排出された後に排出路45を通して筐体10から排出されて最後に排出収容部12に落下して収容される。
【0030】
以上により、1枚の記録用紙9の片面又は両面に対して1色のトナーで構成される単色画像が形成され、基本的な画像形成動作が終了する。複数枚の画像形成動作の指示がある場合には、上記した一連の動作がその枚数分だけ同様に繰り返されることになる。
【0031】
<現像装置の構成>
次に、現像装置5について説明する。
【0032】
現像装置5は、
図2、
図3等に示されるように、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤8を収容する一方向に長い形状の収容部501と、収容部501の一部につながって感光ドラム21と対向する端部に細長い長方形状の開口502とを有する容器形態からなる筐体50を有している。また、現像装置5は、筐体50の内部に、現像ロール51、2つの撹拌搬送部材52、53、層厚規制部材54等が設置されている。
【0033】
筐体50における収容部501は、その長手方向の両端部を除く中央部に設けられる仕切り板503により2つの平行した循環搬送路504,505が設けられているとともに、長手方向の仕切り板503がない両端部において2つの循環搬送路504,505を互いにつなぐ連絡通路506,507が設けられている。開口部502の一方の(現像ロール51の回転方向上流側に位置する)長辺縁部には、自由端が感光ドラム21の表面に接触するように設置される現像剤の第1漏れ防止フィルム55が取り付けられている。また、開口部502の他方の長辺縁部には、自由端が現像ロール51の表面に接触するように配置される現像剤の第2漏れ防止フィルム56が取り付けられている。
【0034】
現像ロール51は、筐体50の開口部502を通過しながら矢印Bで示す方向に回転して収容部501から供給される現像剤8を保持して搬送する非磁性の円筒状スリーブ51Aと、この円筒状スリーブ51Aの内部空間に固定設置されて所要の磁力を発生する磁石ロール51Bとで構成されている。
【0035】
円筒状スリーブ51Aは、アルミニウム合金等の非磁性材料を用いて円筒状の形状に形成されたものである。このスリーブ#51Aは、その本体部の一部が開口部502から露出した状態になり、その両端部から突出する図示しない軸部が筐体50の側壁部に回転自在に軸受けされている。また、このスリーブ51Aは、その両端部における軸部に、感光ドラム21の外周面と接触して回転して感光ドラム21の外周面との間隙を一定に保持する図示しない間隙保持ロール(トラッキングロール)がそれぞれ取り付けられている。さらに、このスリーブ51Aの一方の端部には、図示しない回転駆動装置からの回転動力を入力するための図示しない伝達ギヤが取り付けられている。また、スリーブ51Aには、図示しない電源部から現像用電圧が供給されるようになっている。
【0036】
磁石ロール51Bは、現像ロール51(スリーブ51A)の軸方向に沿って並行する複数の磁極(N極又はS極の永久磁石)が現像ロール51の回転方向に所要の間隔をあけた状態で配置されたものである。実施の形態1における磁石ロール51Bは、
図4等に示すように、S1,N1,S2,N2,S3という5つの磁極を配置している。
【0037】
このうち磁極S3は、現像ロール51に近い位置の撹拌搬送部材53とほぼ向き合う位置に配置され、その撹拌搬送部材53から供給される現像剤8をスリーブ51Aの外周面に磁力で引き寄せて保持させる汲み上げ(ピックアップ)を行うピックアップ極である。磁極N1は、層厚規制部材44とほぼ向き合う位置に配置され、層厚規制部材44による現像剤に対する規制作用を補助するための層厚規制補助極である。磁極S2は、感光ドラム21と向き合う現像領域となる位置に配置され、現像ブラシを感光ドラム21にむけて大きく形成して現像に寄与する現像極である。磁極N2は、現像領域を通過した後の現像剤をスリーブ51Aの外周面に磁力で引き寄せて保持させた状態にする搬送極である。磁極S3は、現像領域を通過した現像剤をスリーブ51Aの外周面からの剥離(ピックオフ)を行うピックオフ極である。
【0038】
撹拌搬送部材52,53はいずれも、回転軸52a,53aの周囲に螺旋状に突出した形態の搬送羽根52b,53bを設けた構造のいわゆるスクリューオーガである。この撹拌搬送部材52,53は、筐体50の収容部501における2つの循環搬送路504,505に配分されて回転自在に設置され、
図3に例示するように各循環搬送路504,505内で現像剤8を点線の矢印で示す各方向にそれぞれ搬送するよう所要の方向に回転させられる。ちなみに、現像ロール51に近い位置に配置される撹拌搬送部材53は、矢印Dで示す方向に回転する(
図2参照)。
【0039】
層厚規制部材54は、非磁性のステンレス(SUS)や快削鋼鋼材(SUM材)にニッケルメッキ処理をしたもの等の磁性材料を用いて円柱形状に形成されたものであり、現像ロール51の撹拌搬送部材53を通過した後であって現像領域に達する前の位置で現像ロール51の軸方向にわたってその表面に対して所要の隙間α(
図5参照)をあけた状態で配置される。この層厚規制部材54は、その両端部を筐体50の側壁部に回転不能な状態で支持させて取り付けられている。ちなみに、実施の形態1における層厚規制部材54は、
図4に示されるように、その中心点P2の設置面(水平面)に対する仰角θが約45°になる位置に配置されている。また、この円柱形状の層厚規制部材54とスリーブ51Aとが最接近する位置(間隙)が、その層厚規制部材54がスリーブ51A上に保持されて搬送される現像剤の層厚を規制する規制位置Psとなる(
図2、
図5等参照)。
【0040】
また、この現像装置5には、筐体50の内部において層厚規制部材54と現像ロール51に近い位置の撹拌搬送部材53との間で層厚規制部材54寄りとなる位置に、非磁性の壁面部材57を配置している。この壁面部材57の詳細については後記する。
【0041】
さらに、この現像装置5では、その現像剤の消費状況に応じて、図示しない現像剤の補給システムにより補給用の現像剤が所要の時期に所要の量だけ収容部501に補給されるようになっている。
【0042】
そして、この現像装置5は、次のように作動する。
【0043】
まず、現像装置5では、画像形成動作の要求指示に併せて、現像ロール51(スリーブ51A)及び撹拌搬送部材52,53がそれぞれ回転し始める。これにより、筐体50の収容部501では、二成分現像剤8が循環搬送路504,505において撹拌搬送部材52,53により撹拌されながら点線の矢印で示すように一方の端部から他方の端部にむけて搬送されるとともに、その各循環搬送路の端部において連絡通路506,507を経由して反対の循環搬送路に移動し、これにより収容部501の全体において循環するように搬送される。二成分現像剤8は、この循環搬送により非磁性トナーが磁性キャリアと摩擦帯電して所要の極性(例えばマイナス極性)に帯電される。
【0044】
収容部501で撹拌して搬送される二成分現像剤8は、
図4に示されるように、その一部8aが撹拌搬送部材53から現像ロール51にむけて供給され、そのスリーブ51Aの外周面における現像剤保持領域に磁石ロール50Bからの磁力により磁気ブラシを形成した状態で保持される。続いて、現像ロール51に保持された二成分現像剤8aは、スリーブ51Aの回転により、層厚規制部材54とスリーブ51Aとが最接近する規制位置Psで層厚規制部材54によって通過量が規制されて所要の層厚に調整された後、感光ドラム21と対向する現像領域まで搬送される。
【0045】
所要の層厚に規制されて現像領域に搬送された現像剤8b(トナー)は、現像ロール51と感光ドラム21の間に供給される現像用電圧で形成される現像電界により感光ドラム21の外周面に往復移動しながら供給され、その静電潜像の部分に付着する。一方、この現像工程に供されなかった二成分現像剤8cは、現像ロール51に保持された状態で収容部501にむけて搬送された後、その多くの現像剤8dが、ピックオフ極S3を通過する際に反発磁力を受けて現像ロール51の外周面から剥がれるように脱落して筐体50の収容部501(循環搬送路505)に戻される。
【0046】
このようにして現像装置5は、感光ドラム21で形成された静電潜像を現像剤8により現像し、トナー像として顕像化する。
【0047】
<現像装置に関する詳細な構成>
ここで、このような現像装置5では、現像ロール51に保持された二成分現像剤8aの一部が層厚規制部材54により通過を規制され、余剰の現像剤8eとして発生する(
図4等を参照)。この余剰の現像剤8eは、その多くのものが、円柱状の層厚規制部材54のうち現像ロール51から相対的に離れる部分(裏側部分)と筐体50との間に存在する空間Sの方に移動した後、重力により収容部501の循環搬送路505に自然落下して戻される。
【0048】
しかし、その余剰の現像剤8eの一部は、空間S内に入り込み、層厚規制部材54のうち現像ロール51から発生する磁力により磁化された部分に吸着されて滞留することがある。このように層厚規制部材54の一部分に吸着されて滞留した現像剤は、一般に、時間の経過に伴い、摩擦帯電で得た帯電電荷が自然放電により減少して帯電(量)が不十分な状態になる。
【0049】
そして、この帯電の不十分な現像剤は、振動、衝撃等の外力を受けた際に層厚規制部材54から離れて収容部501に落下し、その収容部501で十分に再帯電されることなく現像ロール51に再び供給されて現像に使用されることがある。この場合は、その帯電の不十分な現像剤の存在が原因で良好な現像がなされず、最終的に得られる画像も画質不良を誘発したものになることがある。
【0050】
そこで、実施の形態1に係る現像装置5では、
図2から
図5等に示されるように、前記した壁面部材57として、層厚規制部材54から撹拌搬送部材53に近づく方向に斜め下方に延びる斜面部572を有し、その斜面部572のうち層厚規制部材54と向き合う一端部572aが、現像ロール51の回転中心点P1を中心として層厚規制部材54の円柱中心点P1までの距離を半径とする仮想円弧VAの内側に存在するように構成される非磁性の壁面部材57を適用している。ちなみに、仮想円弧VAは、現像ロール51の回転中心点P1を中心として層厚規制部材54の円柱中心点P1を通過する仮想の円を描いたとき、その円の外周の一部である。また、斜面部572は、換言すれば、壁面部材57において、撹拌搬送部材53から前記規制位置Psに向けて現像ロール51の表面との間の空間を狭くする形状部分に相当するものである。
【0051】
実施の形態1における壁面部材57は、
図5から
図7等に示されるように、円柱状の層厚規制部材54の外周面のほぼ半分の領域を覆うように断面形状がほぼ半円形状になるよう形成された覆い部571と、その覆い部571の下部から反る状態で斜め下方に延びるように形成された斜面部572とを有する板状の部材である。
図6における符号573は壁面部材57を筐体50に設けられている装着部(例えば差込み凹部)に取り付ける際に使用する取付け部を示し、符号574は、層
厚規制部材54の両端部と接触し、その層規制部材54が不必要に変位することを防止するための位置決め用の突起を示す。このような壁面部材57は、例えばABS樹脂等の樹脂材料等に代表される非磁性材料を用いて製作される。
【0052】
また、この壁面部材57は、その斜面部572のうち層厚規制部材54と向き合う一端部572aとその一端部572aの周辺部になる上方側(重力方向に対して相対的に上方になる側)の一部分572cが、上記仮想円弧VAの内側に存在するように構成されている(
図7a参照)。斜面部572の上方側の一部分572cは、上流側の一端部572aを可能な限り現像ロール51に接近した位置に配置したときに、その位置にほぼ追従して決められる範囲の面領域となる。
【0053】
さらに、壁面部材57の斜面部572は、現像ロール51(スリーブ51A)の外周面との最短距離βが前記した層厚規制部材54の現像ロール51に対する隙間αの寸法よりも大きい値(β>α)になるよう構成されているが、その最短距離βが隙間αの寸法と同等(β=α)になるよう構成することも可能である。この例では、斜面部572の上方側の端部572aが、現像ロール51に対して最短距離βとなる位置に配置されている。
【0054】
さらにまた、この壁面部材57の斜面部572は、現像ロール51との離間距離が、上方側の端部572aから下方側の他端部572bに向かうにつれて次第に広がる面形状で構成されている。この例では、斜面部572は、その全体(主要部)がほぼ平面で形成されており、例えば、水平方向(ほぼ設置面)に対して30〜50°程度の角度(傾斜角)γ1で交差する状態で配置されている(
図7a参照)。また、斜面部572の下方側の他端部572bについては、撹拌搬送部材53の頂部(最上位の位置)から上方(直上)に所要の間隔をあけた位置に存在するよう配置されている。
【0055】
ちなみに、実施の形態1における壁面部材57は、その斜面部572の長手方向における両端部のうち筐体50の収容部501における連絡通路506,507(
図3参照)と向き合う部分(572d)の傾斜角について、
図7bに例示するように、その中央部における傾斜角γ1よりも小さい傾斜角γ2(<γ1)になるよう構成している。この斜面部572の両端部のうち連絡通路506,507と向き合う部分572dは、例えば、その上流側の端部527aを同じ位置にしたままで下方側の端部527bを上方側に移動させ、そのときの上流側の端部527aと下方側の端部527bとを結ぶほぼ平面で形成されている。
【0056】
また、この壁面部材57における覆い部571については、
図7に例示するように、その長手方向における両端部571a,572bで層厚規制部材54の周面に接触した状態となり
(図7(b))、それ以外の部分(現像ロール51の現像剤保持領域に相当する部分)で層厚規制部材54の周面と所要の隙間mをあけて非接触の状態になるよう構成している
(図7(a))。隙間mは、その値が小さければ小さいほど現像剤8が侵入しにくいものであるが、あくまで覆い部571が層厚規制部材54の周面と非接触の状態に保つために設定される隙間である。
【0057】
このような壁面部材57を配置した現像装置5においては、
図8に示すように、現像ロール51に保持された二成分現像剤8aのうち層厚規制部材54により通過を規制された余剰の現像剤8eは、その層厚規制部材54の裏側部分に移動しようとしても、すぐに壁面部材57に到達する。
【0058】
このとき、その余剰の現像剤8eは次の挙動を示すものと推定される。すなわち、余剰の現像剤8eは、前記したとおり層厚規制部材54からの磁力の作用(吸着力)を受けるが、壁面部材57の斜面部572における層厚規制部材54と向き合う上流側の端部572aが現像ロール51に接近した状態にあるため、現像ロール51からの磁力の作用と回転による搬送力を受けやすくなる。これにより、その余剰の現像剤8eは、矢印8fで示すように、現像ロール51による吸着力及び搬送力の影響を強く受けて、現像ロール51に再び戻るように移動させられる。ちなみに、余剰の現像剤8eが存在し得る空間が少ないため、撹拌搬送部材53から新たに供給される現像剤8aは、その空間の空きを待っている状態になり、それまでは自然落下して収容部501の循環搬送路505に戻されることになる。
【0059】
この結果、余剰の現像剤8eは、層厚規制部材54の裏側部分に吸着して滞留することがほとんどなくなり、現像ロール51にむけて再循環されるようになる。またこれにより、余剰の現像剤8e(8f)は、随時、層厚規制部材54の隙間αを通過して現像領域まで搬送されて無駄なく現像に寄与することになる。したがって、この現像装置5では、余剰の現像剤8eが滞留して帯電の不十分な状態になるおそれがほとんどなくなり、また、そのように帯電の不十分な現像剤が現像領域まで搬送されて現像に使用されるおそれもほとんどなくなる。
【0060】
また、この現像装置5においては、壁面部材57の斜面部572が現像ロール51に対して層厚規制部材54の隙間αよりも広い間隔をあけて配置されているので、層厚規制部材54の隙間αにおける層厚規制の作用に悪影響をおよぼすおそれがなく、層厚規制が良好に行われる。しかも、壁面部材57(覆い部571)は、少なくとも現像ロール51の現像剤保持領域に対応する層厚規制部材54の部分(中央部)で隙間mをあけて非接触の状態になっているため(
図7b参照)、層厚規制部材54の部分を現像ロール51にむけて押すように圧迫するおそれがないので、層厚規制部材54の隙間αを正常に保つことができ、この構成によっても層厚規制が良好に行われる。
【0061】
さらに、この現像装置5においては、壁面部材57の斜面部572の現像ロール51との距離が、その斜面部の上流側の端部572aから他端部572bにかけて次第に広くなるように配置されている。このため、現像装置5では、撹拌搬送部材53から現像ロール51にむけての現像剤8の移動(汲み上げ)が阻害されることなく、また余剰の現像剤8eのうち現像ロール51に戻されたものや斜面部の上流側の端部572aと現像ロール51の間に過剰に搬送された現像剤8aの一部が、斜面部の上流側の端部572aから斜面部572に沿って移動して撹拌搬送部材53の方に戻りやすくなり、その結果として、現像剤の循環移動が活発になされるようになったり、現像剤8の現像ロール51への供給が良好に行われる。
【0062】
この他、この現像装置5では、
図4等に示されるように、層厚規制補助極N1を、現像ロール51の回転中心点P1と層厚規制部材54の円柱中心点P2と結んだ仮想直線(VL)よりも現像ロール51の回転方向Bの下流側にずれた位置に配置している。
【0063】
このため、壁面部材57の斜面部572は、現像ロール51のピックアップ極S1と層厚規制補助極N1との極間になる位置にほぼ存在することになるので、現像ロール51(スリーブ51A)の外周面に保持される現像剤8aも磁気ブラシが横たわった状態になって斜面部572を通過するようになる。この結果、現像ロール51に保持された現像剤8aは、壁面部材57の斜面部572(特に現像ロール51と最も接近する上流側端部572a)を通過する際に、その斜面部572との摩擦抵抗が小さく過剰なストレスを受けることがなくなり、現像剤の寿命の短命化や現像ロール51の回転トルクの増大等の二次障害を引き起こすおそれもない。また、この場合、壁面部材57について、前記したように斜面部572における上流側の端部572aと現像ロール51との最短距離βが層厚規制部材54の現像ロール51に対する隙間αと同等(β=α)になるように設置した場合でも、現像ロール51に保持された現像剤8aは、斜面部572の上流側の端部572aを通過する際に磁気ブラシの穂立ちが形成されていないので、斜面部572の上流側の端部572aによって現像剤8aが過剰に規制されることが防止され、層厚規制部材54における層厚規制の機能を妨げることがない。
【0064】
また、壁面部材57の斜面部572は、その下方側の端部572bが撹拌搬送部材53の最上位の位置である頂部の直上(回転中心の直上でもある)まで延びた状態で設置されている。このため、斜面部572は、撹拌搬送部材53から現像ロール51に向けて搬送される現像剤8を案内する機能を発揮することもある。
【0065】
また、現像装置5では、壁面部材57の斜面部572における両端部のうち連絡通路506,507と向き合う部分572dが、前記したように傾斜角γ2がその両端部以外の中央側の部位の傾斜角γ1よりも小さい関係(γ2<γ1)になるよう形成されている。このため、筐体50の収容部501における連絡通路506,507と撹拌搬送部材53との間の空間が少し広くなる。これにより、例えば、その連絡通路506,507における現像剤8の搬送速度が循環搬送路504、505における現像剤8の搬送速度に比べて下がることがあっても、現像剤8が斜面部の両端部にある部分572dの存在によって移動を阻害されなく、連絡通路506、507をそれぞれ円滑に移動するようになり、この結果、現像剤8の移動性低下による渋滞が発生しにくくなって現像装置5の収容部501における現像剤8の循環搬送が不足なく良好に行われ、現像ロール51への現像剤の供給も不足なく行われるようになる。
【0066】
さらに、現像装置5では、層厚規制部材54を現像ロール51の中心を通る設置面(水平面)に対する仰角θが約45°よりも小さい角度になる位置に配置している(
図4参照)。このため、層厚規制部材54と現像ロール51との最接近位置(隙間αの部分)が水平に近い位置になり、その層厚規制部材54で通過を規制された余剰の現像剤8eが、重力の作用を受けやすくなって壁面部材57が存在する側に移動して滞留しやすくなる。しかし、上記傾斜部572を有する壁面部材57を設置したことにより、その余剰の現像剤8eの滞留を前述したように的確に抑制することができる効果がある。
【0067】
<比較例>
なお比較のため、本発明者は、
図14〜
図17に示すように、上記現像装置5に、上記壁面部材57に代えて以下の例示する構成の壁面部材570A〜570Dを適用した場合の結果について調べたところ、そのいずれの場合も層厚規制部材54で発生する余剰の現像剤8eの滞留を抑制することができないことを確認している。以下、この比較例の各壁面部材570A〜570Dでは、余剰の現像剤8eの滞留を抑制することができない推定のメカニズムについて説明する。
【0068】
まず、
図14に示す壁面部材570Aは、撹拌搬送部材53に近づく方向に斜め下方に延びる斜面部572Aを有するが、その斜面部572Aの層厚規制部材54と向き合う上方側の端部572aが上記仮想円弧VAの内側に存在しない構成のものである。この場合は、層厚規制部材54で発生する余剰の現像剤8eが現像ロール5に再供給されにくく、層厚規制部材54の一部に吸着して滞留する。すなわち、余剰の現像剤8eは壁面部材570Aの
斜面部572Aに向かって搬送されるとともに重力の作用を受けて下方側に移動しやすくなる。また、現像ロール51による現像剤8の保持搬送力は、上記仮想円弧VAを超える付近から大きく低下するので、余剰の現像剤8eは、現像ロール51による保持搬送力を受けにくくなり、重力の作用を受けて下方側に移動しやすくなる。一方、撹拌搬送部材52により新たな現像剤が搬送されて、その一部が壁面部材570Aの斜面部572Aに案内されて移動するように供給されるが、そのときの撹拌搬送部材52による現像剤8の搬送力が弱い。このため、余剰の現像剤8eは、その撹拌搬送部材52により供給される新たな現像剤8で積極的に運ばれることも少ない。この結果、余剰の現像剤8eは、重力の作用に逆らって層厚規制部材54と現像ロール51の間に再供給されるように移動することができず、最終的に層厚規制部材54
の一部に吸着されやすくなる。
【0069】
また、
図15に示す壁面部材570Bは、撹拌搬送部材53に近づく方向に斜め下方に延びる斜面部を有しておらず、撹拌搬送部材53とほぼ同じ離間距離を保つ水平面状の面部574を有するものである。また、この面部574は、層厚規制部材54と向き合う上方側の端部574aが上記仮想円弧VAの内側に存在しない構成のものでもある。この場合は、余剰の現像剤8eは壁面部材570Bの水平面状の面部574に沿って搬送されるとともに重力の作用を受けて下方側に移動しやすくなる。一方、その水平面状の面部574は、撹拌搬送部材53と大きく離れているため、撹拌搬送部材52による現像剤8の搬送力が弱い。このため、余剰の現像剤8eは、その撹拌搬送部材52により供給される新たな現像剤8で積極的に運ばれることも少ない。この結果、余剰の現像剤8eは、重力の作用に逆らって層厚規制部材54と現像ロール51の間に再供給されるように移動することができず、最終的に層厚規制部材54
の一部に吸着されやすくなる。
【0070】
さらに、
図16に示す壁面部材570Cは、撹拌搬送部材53に近づく方向に斜め下方に延びる斜面部を有しておらず、
現像ロール51との離間距離をほぼ同じ距離に保つ垂直面状の面部575を有するものである。また、この面部575は、層厚規制部材54と向き合う上方側の端部575aが上記仮想円弧VAの内側に存在しない構成のものでもある。なお、この面部575は、その下方の端部575bが、現像ロール51の外周面と撹拌搬送部材53の軸部53aとの表面とに接触する接線(点線)SLに接近する位置まで下方に延ばした構成のものである。この場合は、余剰の現像剤8eは壁面部材570Cの垂直面状の面部575に向けて搬送されるとともに重力の作用を受けて下方側に移動しやすくなる。一方、撹拌搬送部材52により新たな現像剤8が現像ロール51に向けて搬送されるが、壁面部材570Cの下方側の端部575bにより移動が妨げられて、その搬送力も弱くなる。このため、余剰の現像剤8eは、その撹拌搬送部材52により供給される新たな現像剤8で積極的に運ばれることも少ない。この結果、余剰の現像剤8eは、重力の作用に逆らって層厚規制部材54と現像ロール51の間に再供給されるように移動することができず、最終的に層厚規制部材54
の一部に吸着されやすくなる。
【0071】
<実施の形態1の変形例>
図9は、現像装置5における壁面部材57として、その斜面部572の傾斜角γ1を実施の形態1における斜面部572の傾斜角γ1よりも大きい角度に設定した斜面部572(急斜面)を有する壁面部材57Bを適用した構成例を示している。
【0072】
この壁面部材57Bは、その斜面部572の上方側の端部572aに加えて下方側の他端部572bも上記仮想円弧VAの内側に存在する構成のものでもある。したがって、この壁面部材57Bは、斜面部572の全域が上記仮想円弧VAの内側に存在する構成のものになっている。また、その斜面部572は、現像ロール51の外周面と撹拌搬送部材53の軸部53aにおける表面とに接触する接線(点線)SLとほぼ平行した状態の面になっている。
【0073】
この壁面部材57Bを適用した現像装置5においても、前記実施の形態1における壁面部材57の場合とほぼ同様に、層厚規制部材54で規制された余剰の現像剤8eが、壁面部材57の急斜面からなる斜面部572の存在により層厚規制部材54と現像ロール51との間の隙間α(規制位置)に再び供給され易くなる。また、その余剰の現像剤8eが層厚規制部材54の周囲に一層滞留しにくくなる。さらに、この壁面部材57Bの斜面部は、その下流側の端部572aが撹拌搬送部材53の最上位の位置から離れて現像ロール51に近づいた位置に存在することになるので、撹拌搬送部材53から現像ロール51への新たな現像剤8の供給が、壁面部材57Bの斜面部572における下流側の端部572
b等の存在によって妨げられることが発生しにくくなる。
【0074】
図10は、現像装置5における壁面部材57として、
図9に示した壁面部材57Bに対して、現像ロール51の外周面と撹拌搬送部材53の軸部53aとの表面とに接触する接線(点線)SLにほぼ平行した状態の比較的急斜面の斜面部572を有することに加え、その斜面部572の下方側の途中位置(上記仮想円弧VAの内側に存在する最下位の位置)272dにおいて撹拌搬送部材53から遠ざかる方向に窪んだ形状の窪み面部572Cを新たに追加して形成した斜面部572を有する壁面部材57Cを適用した他の構成例を示している。この斜面部572における下方側の途中位置272dは、上記仮想円弧VAの内側に存在する構成のものになっている。
【0075】
この壁面部材57Cを適用した現像装置5においても、前記実施の形態1における壁面部材57の場合とほぼ同様に、層厚規制部材54で規制された余剰の現像剤8eが、壁面部材57の急斜面からなる斜面部572の存在により層厚規制部材54と現像ロール51との間の隙間α(規制位置)に再び供給され易くなる。また、その余剰の現像剤8eが層厚規制部材54の周囲に一層滞留しにくくなる。さらに、この壁面部材57Cの斜面部
572は、その下流側に窪み面部572Cが形成されており、その窪み面部572Cが撹拌搬送部材53の最上位の位置から上方側に離れた状態で存在することになるので、撹拌搬送部材53から現像ロール51への新たな現像剤8の供給が、壁面部材57Bの斜面部572における下流側の部位の存在によって妨げられることが発生しにくくなる。
【0076】
ちなみに、窪み面部572Cには、現像剤8が少し固着することが確認された。しかし、経時には、その窪み面部572Cに固着した現像剤8の存在も相まって、斜面部572の下流側の端部572bから上記斜面部572の下方側の途中位置572dの間が連続した斜面のような状態になって、その疑似斜面が撹拌搬送部材53により現像ロール51に向けて新たに供給される現像剤8を案内することとなり、現像ロール51への現像剤の円滑な供給がなされる。
【0077】
[実施の形態2]
図11は、実施の形態2に係る現像装置5Bを示すものである。実施の形態2に係る現像装置5Bは、円柱状の層厚規制部材54を現像ロール51の下半分の領域内に設置したタイプの現像装置とし、壁面部材57Dとしてその設置タイプの層厚規制部材54に適合したものを適用して変更した以外は実施の形態1に係る現像装置5と同じ構成からなるものである。
【0078】
すなわち、壁面部材57Dは、
図11及び
図12に示されるように、層厚規制部材54から撹拌搬送部材53に近づく方向に斜め下方に延びる斜面部572を有し、その斜面部572のうち層厚規制部材54と向き合う一端部572aが、現像ロール51の回転中心点P1を中心として層厚規制部材54の円柱中心点P1までの距離を半径とする仮想円弧VAの内側に存在するように構成される非磁性の壁面部材を適用している。壁面部材57Dは、この他の構成についても実施の形態1における壁面部材57とほぼ同様の構成を採用している。
【0079】
また、この壁面部材57Dは、筐体50と同じ材料で一体に成形したものでも、あるいは、別の材料で作成した別体のものでもよい。
【0080】
そして、この壁面部材57Dを適用した現像装置5Bにおいても、前記した実施の形態1に係る現像装置5とほぼ同様の効果が得られる。また、この現像装置5Bでは、特に、層厚規制部材54が現像ロール5の回転中心P1よりも下側の位置に配置されているので、実施の形態1に係る現像装置5のように層厚規制部材54が現像ロール5の回転中心P1よりも上側の位置に配置されるものに比べて、現像剤8を重力の作用に逆らって搬送する必要がなく、撹拌搬送部材53から現像ロール51に向けて新たな現像剤8を比較的多く供給することができる。これにより、層厚規制部材54で規制された余剰の現像剤8eが、壁面部材57の斜面部572の存在により層厚規制部材54と現像ロール51との間の隙間α(規制位置)に再び供給され易くなる。
【0081】
[実施の形態3]
図13は、実施の形態3に係る現像装置5Cを示すものである。実施の形態3に係る現像装置5Cは、現像ロール51と撹拌搬送部材53の間に現像剤の供給を補助する補助搬送部材57を設置したタイプの現像装置とし、壁面部材57Eとして一部変更した以外は実施の形態1に係る現像装置5と同じ構成からなるものである。
【0082】
すなわち、この現像装置5Cにおける補助搬送部材57は、現像ロール51と撹拌搬送部材53との間における現像剤8の搬送を補助するためのものであり、例えば矢印Eで示す方向に回転するパドル形式の搬送部材が適用されている。また、この補助搬送部材57は、層厚規制部材54のほぼ真下の位置に配置されている。
【0083】
また、この現像装置5Cにおける壁面部材57Eは、層厚規制部材54から撹拌搬送部材53に近づく方向に斜め下方に延びる斜面部572を有し、その斜面部572のうち層厚規制部材54と向き合う一端部572aが、現像ロール51の回転中心点P1を中心として層厚規制部材54の円柱中心点P1までの距離を半径とする仮想円弧VAの内側に存在するように構成される非磁性の壁面部材を適用している。また、壁面部材57Eにおける斜面部572は、補助搬送部材57のほぼ真上の位置に配置されている。壁面部材57Eは、この他の構成についても実施の形態1における壁面部材57とほぼ同様の構成を採用している。
【0084】
そして、この壁面部材57Eを適用した現像装置5Cにおいても、前記した実施の形態1に係る現像装置5とほぼ同様の効果が得られる。なお、この現像装置5Cのように撹拌搬送部材52と現像ロール51との間に補助搬送部材57を配置する場合、その撹拌搬送部材52から補助搬送部材57を介さず現像ロール51に供給される現像剤8も一部存在するため、その現像剤の搬送を妨げないように斜面部572をその傾斜角γが水平状態に近い角度になるよう設置することが望ましい。
【0085】
[他の実施の形態]
実施の形態1〜3では、壁面部材57の斜面部572として完全に滑らかな面(平面)とする場合について例示したが、この他にも、例えば細かい階段状の段差を形成した面であっても構わない。
【0086】
この他、画像形成装置1については、壁面部材54を取り付ける現像装置5、5B,5Cを複数備えたものであってもよい。感光ドラム21に代えてベルト形態の潜像保持体を適用しても構わない。